NDC 541,55
固体インダクタンスの特性の考察
矢野健三*金子一宗*近藤.只雄*
(昭和51年9月10日受理)
Some Considerations of CharacteristicS 6f a Solid State lnductor.
Kenzou YANo, Kazumune KAN,EKo and Tadao KoNDo
(Received September 10, 1976)
Already the authors have reported about the characteristics of the Complex Reactance Transistor as a Semi−
cQnductor lnductance.
Now, in this paper some considerations have been given to the perfermance of a solid state inductor, that is,
the Complex Feedback−type Reactance Transistor.
Over the preceding paper the results involving more higher frequency ranges are shown,
1 ま え が き
固体電子回路が集積回路となり,ますます小型化されて いる現在でもC,Rに比べてLを作ることは困難であり,
コイルにかわる等価なインダクタンス回路をつくる種々の 研究が発表されている。
著者等は先にベース接地形トランジスタ回路の入力イン ピーダンスが誘導性であるが,これ自体ではQが低く実用 的でないので,ベースにリアクタンス・トランジスタ回路 を挿入することによりQの高いインダクタンスをえられる ことを発表したが,今回は学会で既に発表されている帰還 形リアクタンス回路をベースに挿入すると,どのようなイ ンダクタンスをえられるか調査した。インダクタンスの状 態を調べるのが主目的であるが,広範囲の周波数の変化に よりインピーダンスがどのように変化するか測定をしたの でその結果を含めて報告することにした。
A
B 壁10Kn
1
二E
C=500P Trl
A826 T,2C945
R3=3Kn
昨100Ω
Fi.cr.1 Circuit of Feedback−type Reactance Transistor.
Tr 3
A826 c
Rl.=5KQ
監=10K
D
1
乱E
C=500P
稽3K。
Trl
Tr2A826 C945
2 実験方法と結果
R4=1009
襲K。
Fig.1は帰還形リアクタンス回路であり, Fig.2はFig.
1の回路をトランジスタTr3のベースに挿入した回路であ るので複合帰還形リアクタンス回路と名づける。
測定の方法はFig.1, Fig・2の回路のAB端子, C D端
Fig.2 Circuit of CompleX Feedback−type .Reactance Transistor.
*電気工学科
子にインピーダンス・メータを接続して動作状態の回路の インピーダンスを測定する。
Fig.3, Fig.4はFig.1, Fig.2の回路において周波数 と直流バイアス電流をパラメータとしてAB端子, CD端 子より測定したインピーダンス・ダイヤグラムである。
一95一
津.山高専紀要第14.号(1976)
lmag.
ft
5QO
o
一500
O.5,0.8,LO,1.3,1.5,20,3.0,5.0,8,0,lo
ls,20,30 MH2
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.500
oMH, 500 1000
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・くFig.3 lrnpedance diagram of Feedback−type Reactance Transisfor circuit.
o
一300
O,5 O.8 to 1.3 ts 2.o 3.o 5.0 MHz
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,05.MH乏
。.R1禺3KΩ 1Bi =.5 K. R
xRi =loKn
Rea1. ・st
.lmag. .
Ω 0.5、0.8,1.OJ.3、t5畢2,0t3、O雪5,0.8、0,10
15,20、30 MHz 500
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Fig.4 lmpedance of Complex Feedback−type Reagtance Transistor circuit.
.Fig・5NFig・9はFig・4の測定結果よりQの高いしがえ られる直流バイアス電流1ゴ0.51nAの状聾を基準にして,
回路素子R1, R3, R4, R5, Cを変化した時のCD端子よ りみたインピーダンスの変化を示すインピーダンス・ダイ ヤグ.ラムである.測定.し.た室内温度eま.30.Cの時めもので ある。又この度は定量的な解析をせず,ただ定性的な見地 よりインピーダンスの肇化する状態を調査した結果のみを 報告する。
Fig.5 Impedance diagram of C.F.R.T by ehanging of Rl.
Imag n 500
o
300
グ〆
グ
?
・覧。,嘘
O.5,0.B,1.0,1.3,1.5,2,0,3.0,5.OMH.
.餐ミミ※
ΩΩΩΩΩKKKKK12345.=一二==一
霞
5ツ
Re邑し
1tl , st
800
Fig.6 lmpedance diagram of C.F.R.T by changing of R3・
Im4g・
n500
o
一200
O.5 08 1,0 1.3 1.5 zO 3.0 5,0 MHi
/雫\.灘
O−5MHz
ReaE.
R 500
5MH・。.・ム
800
Fig.7 lmpedance diagram of C.F.R,T by changing of R4.
一.一 96 一
固体インダクタンスの特性め考察..矢野・金子・近藤
1而9.
n 一J e.5 O.8・1.0 1.3 1.52.0 3.0 5.O MHz sbo
o
FFFFPb.PPO縄UOO器齢
一一
̀冒昌CC︷しρ︸O●翼ム
500
ソ
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800
一300
Fig.8 lmpedance diagram of C.F.R.T by changing of C.
5・・
ト二:二\麟
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。 h一一L−L一一L一一一gdis sMHz
Imag. O,5 O−8 1・O 1・3 1・5 2.0 3.0 5.0 MH,
ft
一300
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Fig.9 lmpedance diagrarn of C.F.R.T by changing of Rs.
3 特性の考察
1,Fig.3をみる限り2 MHa程度までは直派バイアス電 流が大きい程,Qの高いインダクタンスがえられる。30 MHe付近になると直流バイアス電流にあまり影響されずイ
ンピーダンス値は同じような値となっている。
2.Fig.4は予想としてFig.3のカーブガ,同一周波 数,直流バイアス電流に対してQの高いインダクタンスに 改善された状態のカーブとなって類似的にとれると考えた のであるが,低い直流バイアス電流の時にのみQの高いイ ンダクタンスがえられた。最適直流バイアス電流は0.5〜
0.8mAの範囲と考えられる。
3.Fig・3, Fig・4を比較してみると複合帰還形リアク
タンス回路の方が同一条件に対してインピーダンスの絶対 値は減少してい.るがQの高いインダクタンスがえ.られるζ
とがわかる。..
4.抵抗R1は入力インピーダンスのQを低下.させる要 素であるから高い方がよい6その反面電源電圧が高くなる 欠点がある。そとで最適値ぷどの程度か調べてみた。eig.
5の結果をみる限り,この程度の抵抗の変化では高いQの インダクタンスがえられる付近では予想に反して大きな差 がないことがわかった。
5.Fig・6からは1/ωc《R3である程,即ちR3が大き い程Cの両端電圧が入力電圧より遅れを増加させるのでイ ンダクタンス分の増加することが考えられる。測定結果も それを示している。
6.Fig.7においては, R4の両端電圧がトランジスタ Tr2を駆動するので, R4の変化が総合入力インピーダン スに影響する筈であるが,Tr2の入力インピーダンスが小 さいため左程影響のないことを示している。
7.Fig.8においては5で述べたのと同じ理由にて1/
ωC《R3になる程,即ちCが大きい程インダクタンスが増 加するので,Fig.6とよく似た傾向のカーブである。しか
しC,fが大きくなると駆動電圧自体が減少するので例え ば500PFのCの値のところではQの高いインダクタンス がえられない。
8.Fig.9においてはトランジスタTr3の負荷抵抗Rs が1〜3KΩの範囲ではカーブも類似しておりQの高いイ
ンダクタンスがえられることがわるが,4〜5KΩの範囲に なると急にQの低いインダクタンスしかえられないカーブ に移動してしまったのは予想外の結果であった。
4 あ と が き
最後に今後の問題点等を列挙する。
1,ベース接地形トランジスタはトランジション周波数 の時,理論上最大の入力インダクタンスがえられる。しか し,Rは大きいのでQは小さい。 Fig.2の回路で入力イン ピーダンスが低い周波数のところで高いQのしをうるた め,高周波トランジスタ2SA 26(Tr 3)のかわりに低周波 トランジスタ2SB54を用いた。結果は予想に反してよく なかった。トランジョン周波数とインダクタンスの関係に ついて更に研究してみる必要がある。
2. トランジスタTr3の負荷抵抗1〜5と入力インピーダ ンスの間に急な変化もみとめられるので更に研究してみる 必要がある。
3.温度変化によるインピーダンスの変化についての検 討は今後に残される。
一 97 一一
津山高専紀要第14号(1976)
文 献
1)舛岡,北村,西沢:zzA合リアクタンス・ダイオード の解析 ,電子通信学会論文(C),53−C,5,(昭和 45.5), 271
2)舛岡,西沢.:蟹後合リアクタンス・トランジスダ,
電子通信学会全匡大会(昭46−3)866
3)宗形,舛岡,西沢: 帰還形リアクタンス・トランジ スタ ,電子通信学会全国大会(昭和46−3)867 4)野口,近藤,吉田: 二霞接続のリアクタンス・トラ ンジスタ ;電子通信学会全国大会(昭和48−3)112 5)金子,近藤:ttta合リアクタンス・トランジスタの特 性 ,津山高専紀要 昭和49年度
一98一