NDC 542.3
サイリスタチョッパ回路のゲート回路
佐藤信広*公木日出男**
(昭和52年4月27日受理)
Gate Circuit of Thyrister Chopper Circuit
Nobuhiro SATo* Hideo KoKI**
(Received April 27, 1977)
サイリスタチョッパ制御用ゲート回路を試作した。本回路の出力周波数は10Hzから1kHzまで使用でき,デュー ティサイクルは60%まで使用できる。
1 ま え が き
近来,サイリスタを使った回路が急速に発展してきた。
サイリスタ回路の発展に伴い,ゲート回路も目的に応じた 動作をサイリスタ回路にさせる性能の良いものが必要とな
ってきたこと.ヘ周知の事実である。しかしながら,種々の
目的のサイリスタ回路があるためゲート回路については一 般的なものがいくつか公表されている程度であり,チョッ パ用のゲート回路となると公表されているものはさらに少 なくなるのは当然である。また,市販されているものにつ いては,種々の要求を満足する各種のゲート回路はある。
しかし,価格の点で到底購入不可能である。したがって,
ゲート回路作成にあたっては公表されているもののなかか ら要求する性能に準じたものを探し,部品の購入をして製 作し,それに工夫をほどこし要求する性能をもつ回路にし て使うというのが現実である。
文献(1)では整流という見地から論じたが,.これを昇降圧 チョッパ回路と考える見方が残されており,また,文献② では実験の裏付けが残されている。今回,これらの検討を 進めるためチョッパ制御用ゲート回路を試作することとし たが,文献②で扱っているチョッパ回路は現在使っている インバータ回路(3)を少し変形しただけのものであるので,
ゲート回路の方も現在イン六一タ用に使っているものを文 献②で扱っているチョッパ回路用のゲート回路として使え
るように工夫することとした。
試作したゲート回路の特長としては
(1) ICを使用しているため周波数とデューティ比との 安定度がよい。
② ゲート回路の電源とゲート駆動回路の電源とを別電 源としているので周波数とデューティ比との安定度 がよい。
(3)
(4)
出力トランスを用いてゲート回路とサイリスタ回路 とをしゃだんしているので周波数とデューティ比と の安定度がよい。
出力周波数に関係があるコンデンサを外部端子に接 続できるようにしてあるので広範囲に周波数を変化 させることができる。
の4点があげられる。
以下にその要旨を報告する。
2 ゲ 一 ト 回 路
今回試作したゲート回路のブロック線図をFig.1に示 す。まず,OSC1では出力周波数を決定する。これには 周波数の安定度確保のためUJTにパルストランスとトラ ンジスタ1石のバッファアンプを付加してある。
ワンショットマルチバイブレータは入力のパルスによっ
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*電気工学科
**卒業研究学生(現在松下電器勤務) Fig.1 Block diagram
一45一
津山高専紀要ee 15号(1977)
て出力にパルスを発生するが,このパルスの幅が回路中の CとRとによって可変できる。.これを利用してデ乱一ティ 比を可変する。OSC2ではゲートに加わるパルスの変調 波を発生する。
ミキサーではワンショットマルチバイブレータの出力と OSC2との出力を合成して駆動回路に出力する。
駆動回路はゲートを駆動するためのもので,OUTPU T1とOUTPUT2には直流的にしゃだんするために出
力トランスを用いてある。
Fig.2に新しく作成したゲート回路を,また, Fig.3に タイミングチャートを示す。
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Fig.2 Circuit
(B)
Fig.3 Timing chart
Fig.2では,まず, UJT(2SH12),パルストランス
(SF2A)とトランジスタTrl(2SC377)がOSC1を構成す る。タイミングチャートに示してあるUJTのOUTP.U TはパルストランスからのOUTPUTであり, TrlのO UTPUTはTrlのコレクタ.からのものである。 UJTの エミッタに接続されている可変抵抗(VR)により発振周波 数を変化させる。ここでCは周波数を広範囲にとることが できるように外部端子に接続できるようにしてある。
一方,・ワンショットマルチバイブレ.一タ部について述べ ると次のようになる。ζの部分に.はICを用いてある。.タ イミングテ予「ト(B),SりわかるiようにQのOUTPUT が出ている場合には再トリ.ガされない。出力パルス幅は Ct,Dt Vccに接続してあるCとRとの値で決定され,出力
パルス幅t一・O.69×C×Rで表わされる。
ミキサー回路にもIC(垂MB400M)を用いた。ま.た,
同じIC内でOSC2も構成している.。これら.のICの使 用により周波数とデューティ比との安定度が向上した。
壱MB400Mは4個のNANDゲート用ICでワンショット マルチバイブレータ用IC(SN74121N)と同様に,電源電 圧は5vで, OSC1やゲーNer動回路と別電源にしてあ ることも周波数とデューティ比との安定度の向上に役だっ ている。
駆動回路はTr2とTr4, Tr3とTrSで個々のゲートを駆動す るようにしてある。ゲート相互が直流的に接続しないよう に出力トランスを用い,さらにダイオードを用いてゲート にはプラズ方向だけのパルスが加わるようにしている。
この試作ゲート回路を,実際に,サイリスタチョッパ回 路めサイリスタのゲート〜カソード間に接続して,.デュー
ティ比の変化させうる範囲を調べた結果,デューテイ比は 60%までは可能であることが判明した。なお,サイリスタ
は三菱電機㈱のCR20F−4を用いた。
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サイリスタチョッパ回路のゲート回路 佐藤・公木
Fig.4に使用したICのピン接続図を示す。
去MB 400M
GND
①IM工NG P工NS u。 Nc煎・助吻R?N
工短 tロ INt+.
A A B A A B H H H L 蚤 H H H H 督 上 H
骨 L L 誉 L H
L 誉 L L 骨 H
ΩNCAIA2BqGND
弧 Hor LSN 74121 N
Fig.4 IC pin connection
3 あ と が き
当初,サイリスタのゲートへの周波数としてサイリスタ
チョッパ回路に常用される直流から1 kHz程度までの範囲 を変化させることができ,さらに,デューティ比も0%近 くから90%程度まで変化できるものを試作する予定であっ た。ゲートへの入力周波数の方はこれに関係のあるコンデ ンサCを外部端子に接続できるようにしてあるため,この 範囲は充分に満足させることができるが,デューティ比の 方は60%程度までなので満足のできるものとはいいがた い。しかし,現段階では解析結果の裏付けをとる程度であ
り,デューティ比を連続可変としなければならないという 必要性はない。しかし,いずれ必要性がでてくることは必 至なので今後さらに検討する必要がある。
謝 辞
終わりに,本研究の遂行に便宜いただきました本校山田 正保助教授に深く感謝致します。また,日頃より激励いた だいている摂南大学小寺正暁副学長,岐阜大学村井由宏教 官のみなさまに深く感謝致します。
文 献
(1)佐藤信広;津山高専紀要,No.13,(1975),1
(2)佐藤信広;津山高専紀要,Na14,(1976),17
(3)佐藤信広;計測自動制御学会東北支部大会,(昭49)
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