Al−Zn・Mg合金の二段時効について
藤木俊介*佐藤彰矩*
(昭和50年9月10日受理)
Studies on Two−Step Aging in Al−Zn−Mg Alloy
Shunsuke FuJiKi and Akinori SATo
(Received September 10, 1975)
Two−step aging in Al−7 wt % Zn−2.13 wt .0/o Mg was investigated by hardness measurement and transmission electron microscopy. Specimens were solution−treated at 4700C for lhr, subsequentiy quenched into iced water and finally subjected to various heat treatments. The results obtained were as follow:
The maximum hardness of the specimen aged at 1700C after pre−aging at room temperature or 500C was about Hv140N150. ln the case of the pre−aging at 800C or 1200C, the maximum hardness was about Hv 170.
This hardness was superior to that by normal aging at 1700C but was inferior to that by normal aging at 1200C.
The hardness which had been increased due to pre−aging did not drop to the initial values as quenched, except the specimen pre−aged at room temperature for 10 min or 100 min.
The hardness attained above H v 170 by pre−aging at 1200C, decreased one−sidedly by second−step aging at 170eC.
1 緒 言
時効性アルミニウム合金の析出過程は一般に過飽和固溶 体→G・P・帯形成→中押相析出→平衡相析出という過程を経 て進行することが知られているが,この固体内の状態変化 が互いに連続的におこるものかどうかという点で,従来幾 多の討論がなされ,各研究者の意見にかな.りの食いちがい を生じている。特にG.P.帯の場合は,低温時効で形成され たG・P帯が高温に加熱されると再溶解し,合金の諸性質は 焼入状態に戻ってしまうという,いわゆる復元現象が起こ ることから,G.P.帯と中間相の生成は,一般に独立と考え
られている1)。
ところがAl−Zn−Mg系の合金では,溶体化処理温度から 焼入後ただちに高温時効が行なわれず,室温に放置された り,あるいは低温で予備的な時効を行なった後高温時効を 行なうと,高温時効の強さが,それを行なわない場合より 著しく増大することが知られている。この場合時効が二段 に行なわれるので,.二段時効といわれている。この二段時 効は低温での時効が第2毅の高温時効に影響を与えること
*金属工学科
から,Nicholsonら2)は低温で生成されたG.P.帯が中間相の 核になるという機構を提出した。しかしこれについてもい
くつかの問題点があり,Pashley3)のモデルや浅野,平野4)
のモデルが提出されているが,これらについても問題点が あり5)二段時効を完全に説明するものではない。
最近鈴木ら6)はG.P.相の固溶限温度(TGP)に着目し,
Tl〈TGP〈T2(T1, T2はそれぞれ第1段および第2段の時 効温度)の場合二段時効の効果が認められ,T1くT2くT・P およびTGPくT1〈T2の場合はほとんど効果が認められない
.か,効果が現われてもわずかであるという結果を得,この 結果はNicholsonモデルで一応説明できるが,詳細は検討 を要するとしている。
また川.島ら7)は15G。C時効におよぼす予備時効の影響に ついて研究し,120。C×360分→150℃の二段時効処理のま えに低温時効処理を入れると,耐力の大きな上昇がみられ ることを見出し,これは低温時効で形成されたG・P,帯が 120QCで安定化されるためだとしている。
このように二段時効の問題は過飽和固溶体の分解過程と 関連し,G.P帯の安定性,臨界核の大きさ,中間相との関 係あるいは低温時効の復元の問題との関係等非常に複雑な 問題を有している。本研究はこれらの問題に関して,いく
一35一
らかの知見を得るとともに,二野時効の機構の解明の糸口 を見つけようとして試みたものである。
2 試料および実験方法
試料はG・P.帯の固門限温度(TGP)が求められている組 成のうち,時効が顕著である高組成のものを使用した。そ の試料組成およびTGPをTable iに示す。なおこのTGPは 鈴木ら6)によって求められたものである。使用地金は gg.gg%AI, gg.ggg%Zn, gg.9%MgでありTable 1の組
Table 1 Chemical composition and G.P.zone solvus temperature. TG.p.
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Aqing Time(min)
Fig。1 The change of the hardness for Aレ7.9wt%
Zn−2,13 wt%Mg ailoy, solution−treated at 470℃for l hr., quenched into iced water,†hen aged at varlous temperature.
1.22 ll 138
成となるように秤量し溶製した。溶解は高純度アルミナル ツボを用い電気炉で行ない,鋳造後48時間均質化処理を行 なった後,熱間加工および冷間加工を行ない3mm厚とし て,これを硬度測定用試料に供した。また透過電子顕微鏡 用試料としては,これをさらに圧延して0.05mm厚とした
ものを用いた。溶体化処理は470。Cで1時間行ない,焼入 は0℃の氷水中に試料を自然落下させることによって行な った。また室温以外の時効処理はすべてそれぞれの時効温 度に保ったシリコン野中で行った。硬さ測定は微少硬度計 により試験荷重500g,荷重保持時間は10secとして行なっ た。透過電子顕微鏡薄膜試料は所定の熱処理を施した後,
20%過塩素酸アルコール溶液中で電解研磨をしてえた。使 用した電子顕微鏡は日立11D・型で加速電圧は100KVであ
る。
3 実 験 結 果
二段時効における第1段の時効温度Tlと第2段の時効 温度T2は,どのように選定されてもよいが,一般にTGP を基準に取ってTl〈TCP〈T2とされる。本研究では, T1お よびT2をどのように選定したら最高硬度が得られるか,
という点に着目したのではなく,二段時効の機構に対して 知見を得ることを目的としたため, T1として室温,50℃,
80。C,120。Cを, T2として170℃を選んだ。 Fig・1に室 温,50℃,80。C,120。Cで普通時効した場合の硬さ変化を 示す。焼入状態での硬さは測定できないが,室温2分時効 の硬さとほぼ等しいものと思われる。時効時間は20000分 まで測定したが,室温,50℃および80℃時効では硬さはほ ぼ直線的に増加し,この時効時間ではまだ最高硬さに達し ていない。120。C時効の場合は200時間のころより硬さの増 加がゆるやかになり,1500分でほぼ最高硬さに達している
と思われるが,まだ軟化の傾向は認められない。その硬さ の最高値は約Hv 185である。 Table・1に示したTGPは電 気抵抗測定によって求められた値であり,この温度以下で のこれらの時効温度による最初の時効生成物はG.P.帯であ
る。
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Aging Time(min〕
Fig.2 The change of the hardness aged at 170。Cafter pre−aging at rOOm temperature.
1
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Fi9・2にT1を室温としてそれぞれ10分,100分,1000分 および10,000分予備時効した後T2−170℃で二段時効した ときの硬さ曲線を示す。なお参考のため170。Cで普通時効 した場合の硬さ曲線も同図に併示した。時効時間の10,000 分は電気抵抗測定によると,この温度でほぼ電気抵技が極 大に達する時間であり,この電気抵抗の極大は,G.P帯の 数が極大に違した時期と解釈されている8)。Fig・2によると 室温10分の予備時効後170℃に二段時効したものは,二段 時効の効果があまり認められないが,100分の予備時効で はすでに二段時効の効果が顕著に現われている。100分,
1000分および10,000分の予備時効時間の違いによる効果に ついては,10,000分の予備時効時間のものが一応硬さが高 くなっているが,100分と1000分の予備時効時間のもの は,試料および測定値のバラツキの範囲内の違いと思われ る。また最高硬さに達する時間および最高硬さは10, OOO分
予備時効のもので100分,Hv「nax == 154,1, OOO分予備時効の ものと100分予備時効のものは200分で,Hvmax=145,170℃
普通時効のものは500分でHvmaX−115程度である。これに よると予備時効時間の長いものほど二段時効した場合,最 高硬さに達する時間が短かくなっている。低温で予備時効 されたものを高温にすると,いわゆる復元現象を起こすが Fig・2でもこの現象が見られる。しかしT2・=170。Cで2分 時効した場合,予備時効10分のものは焼入状態の硬さに復 元しているが,それより長い時効時間のものは2分で焼入 状態の硬さに復元せずにHv=70〜80程度にある。これに ついては後で述べる。
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Agjng Time(min)
Fig.3 The change of the hardness aged at 1700C after Pre−aging at 500C.
Fi9・3はT1−50。Cでそれぞれ10分,100分,および1000 分予備時効したものをT2 一・ 170℃で二段時効した結果を示 したものである。これによるとT1 ・= 50℃で予備時効した場 合,硬さ曲線はほとんど同じ傾向をたどり,最高硬さは予 備時効時閥の長さにかかわらずいずれもHv「n X=140〜150 程度になる。また二段時効の初期に復元現象を示し,図で は最初の測定時に最低復元硬さになるが,その硬さはいず れもHv=80程度で予備時効時間によってあまり差が認め
られない。しかしこれについては室温で予備時効した場合 と同じく問題があり後で述べる。
Fi9・4はTl=80℃でそれぞれ10分,100分,および1000 分予備時効した後T2= 170℃で二段時効した場合の硬さ曲 線を示す。これによると最高硬さはいずれもH:vma「=170程 度にあり,最高硬さにおよぼす予備時効時間の影響はあま り認められない。しかし予備時効温度が室温および50℃の 場合,最高硬さがHv「nax=140〜150程度であったのに比べ て,80℃予備時効の場合はHvmax=170と高レベルに達す る。つぎに80℃でそれぞれの時間予備時効したものをT2=
170℃で二段時効した場合に生ずる硬さの復元であるが,
いずれも焼入状態まで軟化せず,T2=170℃,2分間での 硬さは,10分予備時効のものでHv=108からHv =・93へ,
100分予備時効のものはH:v=130からH:v=・113へ,1000分 予備時効のものでHv=151からHv=133へ軟化している。
この軟化は硬さの差でそれぞれ15,17,18であり,焼入 状態への復元を100%に取ると,その復元率はそれぞれ,
31.3%,24.3%,18.7%となる。
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Fig.5 The change of the hardness aged at 1700C after Pre−aging at 1200C.
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Aging Time{min)
Fig.4 The change of the hardness aged at 170。C after pre−aging at 800C.
Fi9・5はT1=120。Cでそれぞれ10分,100分および1000 分予備時効した後T2 =170℃で二段時効した場合の硬さ曲 線を示す。なお参考のため予備時効360分のものと,2530 分のものを併示した。この場合も最高硬さは,いずれの予 備時効時間の場合もほぼ同一の硬さとなりHv噂=170程 度となった。これは80℃予備時効のときのHvmaxとほぼ等
しい値である。なおT1=80℃のときと同じくT2=170℃で 2分間二段時効した場合の硬さの低下をみると,10分予備 時効のときHv=111からHv=109へ,100分予備時効のも
のでHv ・= 142からHv ・ ・・ 136へとなり,硬さの差は2およ
び6と非常に少なく,復元率も10%以下である。なお予備 時効1000分のものについては復元現象が認められない。つ ぎに普通時効で得られる最高硬さと二段時効で得られる最 高硬さとの関係を調べるため,120℃普通時効で得られる 最高硬さに達した試料(時効時間2530分,Hv=・183)を二段 時効した結果を図に示した。これによると予備時効1000分 のものと同じく,一方的に軟化して,予備時効時聞10分,
一37一
100分のも.のが二毅時効により最高硬さに達する100分頃 には,これらのものと同じ硬さレベルになることがわかっ
た。
川島ら7)はAl−4.58wt%Zn−1.63wt%Mg合金を用いて T2=150℃の時効におよぼす予備時効の影響について研究
し,120℃×360分の予備時効後150℃で二段時効したも のに比べ,25℃x11,000分→120℃×360分の予備時効後 150。Cで二段時効した場合は耐力が著しく向上することを 報告している。このため本研究の条件においても,そのよ うな現象が認められるかどうかについて調べてみた。Fig・
6は室温×11, OOO分→120。C×360分の予備時効をほどこし
rco 一〇一R・T.X brooomin+r20℃X36。mln−r冗階A9殉 一i一 t20tex36emin−ITe¢Aging
謡\。メ三・〆 6、・\
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Aging Time(mln)
Fig.6 The influence of pre−aging on the hardness change at 1700C aging.
た試料をT2 ・= 170℃で二段時効した場合の硬さ曲線を示し たものである。なお図中の120℃×360分→1700Cのかたさ 曲綜はFig・5のそれを併示したものである。これによると
2種類の異った予備時効をほどこしたかfさ曲線のあいだ に,試料のバラツキおよび測定誤差以上の差を認めること ができなかった。.これを予備時効の毅階で調べるために,
室温x11000分→120℃時効の硬さ曲線をとってみた。 Fig・
7がこれである。比較のため国警に120℃普通時効のかた さ曲線を併示した。これによると時効時間20分あたりで硬
さの差は認められなくなり,以後2000分あたりまで2つの 硬さ曲線はほとんど一致する。ただ室温×11000分→120℃
時効の場合2000分以後硬さ曲線に軟化の傾向がみられる。
つぎに析出状態を調べるために透過電子顕微鏡により組 織観察を行った。その結果をphoto.1(a)(b)(c)および Photo・2(a)(b)(c)に示す。 photo.1は170℃普通時効 の場合であり,photo.2は80℃×30分→170℃の二段時効 の場合である。また(a)(b)(c)はいずれの場合もそれぞれ 50分,200分,2000分時効したものである。なおT1土800C おける時効時間30分はG.P.帯の形成を示す電気抵抗がピー クを示す時間である。170。C普通時効の場合はphoto.1(a)
の如く析出が転位や粒界に優先的に起きており,いわゆる 不均一析出がみられ,析出物もphoto.2(a)(時効時間は photo・1(a)と同じであるが, photo.2(a)の方が最高硬
さに近いので析出量は多いと思われる。)に比べて大きく 疎である。photo.1(b)は最高硬さに達する直前の組織で あり硬さ曲線上の位置から言えば,二段時効材のphoto.2
(a)に対応するものであるが,析出物は針状のものも混っ ていて粗大であり,粒界にみられるPreciPitate−free zone の幅も広い。photo.1(C)は過時効状態の組織で材料はす でに軟化し始めている。80。cx30分→170℃二段時効の場 合のphoto.2(a)(b)は最高硬さの直前と直後のものであ
り,どちらも析出物が微細で密度が高く,硬さの高いこと を裏付けている。photo.2(c)は過時効軟化の組織である が,photo・1(b)よりも析出物が微細である。
4 考
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Fig.7 The influence of pre−aging o且the hardness Change at 120。C aging.
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二段時効による硬さの向上は,透過電子顕微鏡による組 織観察によって明らかなように,その組織が著しく微細化 されるためである。Nicholsonら2)はAl−5.9%Zn−2.9%Mg 合金を4650Cから時効温度に直接焼入れ,そこで時効する 場合臨界温度Tc=155。Cを境として,それ以下では析出物 が微細になり,それ以上では転位などに不均一に析出して 粗大になることを電子顕微鏡で観察し,さらにTc以下の 温度に焼入れて予備時効を行なった後,Tc以上の温度で 時効すると中聞相が微細化されることを示した。そして彼 等は,このことから,155℃以下の予備時効により生成さ れたG.P.帯のうち,最終温度の臨界核より大きいものは,
そのまま中間相として成長できる,として,二毅時効の機 構を説明した。これについては平野ら9)によ.りくわしく考 察がなされている。Fig.4, Fig.5によると,予備時効時 聞を変化させても,二巴時効での最高硬さにあまり差が認 められない。このことは,その毅階で析出物の数にそれ程 の差が無いことを示すものと考えることができる。二段時 効で臨界核以上のG・P・帯が中間相の核になるとすれば,単 純に考えて,予備時効終了段階で同数の臨界核が存在しな
四輪㌔難騰繕.
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∵紙ヂ雛講灘難醜譲轟 中 ︵ ︸ 評 爵︑ ︒ 融尊・・∵ン∴薫㈲
博 魯 中 ﹂潔
(a)
(b) (b)
photo.1
Transmission electron micrographs of specimen aged at 1700C for 50min一(a),
200min一(b) and 200min一(c)
(c)
photo 2
Transmission electron micrographs of specimen aged at 1700C for 50mm一(a),
200min一(b) and 2000min一(c), after pre−
aging at 800C for 30min
一39一
ければならないことになる。浅野,平野4)9)は比熱測定に より,二段時効の研究を行ない,予備時効はG.P.帯の数を 増加せしめるが,中間相の析出に対して,ほとんど影響を 与えない,という実験結果を得ている。
また二段時効は普通TGPをはさんでその上下で予備時効 と最終時効が行なわれるが,このような場合一般にG・P.帯 が再溶解して復元現象を起こすことが知られており1)復 元との関係は二段時効を考える場合重要である。実験結果 が示すように,予備時効温度が高い回復元量が少なく,予 備時効温度での析出物(大部分はG.P帯と考えられるが,
TG?に近い温度では中間相の析出も認められている10)。)が 170。Cで溶解しない状態になっていることがわかる。しか も,小さなG.P帯しか存在しないと考えられる室温および 50℃予備時効においても復元量が60〜70%の段階にある。
この点を少しくわしく測定してみたのが興9.8である。こ
一〇一R.TXIQ◎耐n−Vb亀Aging
200 一●一5eでXtomin_[70ecAging 一△一50tCXIoomin一→170tAgTng 一ロー 50VXIooomin−170℃Aghg ム にげ へ ア でム のり ▲〜▲〜▲〜▲〜▲_▲_.▲
150
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る一定の大きさに達した臨界核が中間相に移行するという ようなことではなく,予備時効温度と最終時効温度との関 係で最終時効温度での析出物の数が決まるように思われ る。これが何によって律則されるのかというような詳細な ことは勿論今の段階では不明である。
5 結
篶
5
t to
Reversien TimeCmin)
Fig.8 Hardness−reversion cnrves.
れによると最少復元硬度はほぼ1分あたりにあり,120℃
×1000分→170℃では全く復元が認められない。また,
50℃×10分のものも実験の範囲内では完全な復元を起こさ なかった。室温×100分のものは焼入状態のHv=62まで復 元した。この材料をつついて100分時効するとHv=143に なった。このことは鈴木ら6)の結果と異るので今後精密な 実験が必要であると考えている。以上のように室温×100 分時効のもの以外はT2・=170。Cで完全に復元せず,しかも 予備時効温度が高い程復元量:が少ないが,前述の如く,あ
言
A1−7.Owt.%Zn−2.13 wt.%Mg合金の二段時効におい て,最終温度T2−170℃とし,予備時効温度および時間を 変えてその硬さにおよぼす影響を調べてつぎの結果を得
た。
(1)室温での予備時効時閥10分,100分,1000分および 10, OO6分目おいて,100分以上で顕著な影響があらわ れた。そのうち10,000分のものは他より少し硬さが高 く,Hvm・xに達する時間も短かい。
(2)Hvmaxは主として予備時効温度により決まり,予備 時効時間によりあまり影響されない。そのHvmaxは室 温および50℃予備時効のもので140〜150,80℃および 120℃時効のもので170程度となった。
(3)予備時効でHv=170以上に硬さを上げた後170℃で 二段時効を行なっても,一方的に軟化するのみで,硬 さの向上はなかった。
(4)復元については,予備時効温度が高い平復元量が少 なく,120℃×1000分の予備時効温度では全く復元が みられなかった。
参 考 文 献 1)幸田;日本金属学会報,2(1963),139.
2) G.W. Lorimer and R.B. Nicholson ; Acta Met., 14(19 66), 1009.
3) D.W. Pashley, M.H. Jacobs and J.T. Vietz;phil.
Mag., 16 (1967), 51.
4) K. Asano and K. Hirano; Trans. JIM,9(1968), 149.
5)例えば幸田;合金の析出,(1972),403,丸善.
6)鈴木,菅野,浅見;軽金属22(1972),605.
7) JII島, 柴E日;軽金属, 22 (1972), 673.
8) C.Panseri and T.Federighi ; Acta Met., 8 (1960) 217 .
9)浅野,藤川,平野;日本金属学会報,7(1968),457.
10)鈴木,菅野,浅見;軽金属22(1972),269.