親子関係診断尺度EICAの作成 : 因子的真実性の原 理による項目分析
その他のタイトル Construction of the Parent‑Child Relations Scale EICA by the principle of factor‑trueness
著者 辻岡 美延, 山本 吉廣
雑誌名 関西大学社会学部紀要
巻 7
号 2
ページ 1‑14
発行年 1976‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10112/00023148
親子関係診断尺度
EICA
の作成因子的真実性の原理による項目分析_
辻 岡 美 延 ・ 山 本 吉 廣
〔問題〕
親子関係を診断するための質問紙については,古くは親の養育態度を親自身(特に母親)から 求める形式のものが多かった。 しかし,
A u s u b e l , D . P .
ら( 1 9 5 4 )
の主張以後,親からの報告 よりも子どもによる親の態度・行動の報告に関心が向けられ,S l a t e r ,P . E . ( 1 9 6 2 )
のP a r e n t a l R o l e P a t t e r n s Q u e s t i o n n a i r e (PRP), R o e , A. & S i e g e l m a n , M. ( 1 9 6 4 )
のP a r e n t ‑ C h i l dR e ‑ l a t i o n s Q u e s t i o n n a i r e (RCR), S i e g e l m a n , M. ( 1 9 6 5 )
のB r o n f e n b r e n n e rP a r e n t B e h a v i o r Q u e s t i o n n a i r e (BPB), S c h a e f e r , E . S . ( 1 9 6 5 )
のC h i l d r e n ' sR e p o r t s o f P a r e n t a l B e h a v i o r I n v e n t o r y (CR‑PBI)
など,子どもによる報告を求める形式の質問紙が続々と発表された。一方,本邦においては,品川不二郎らの「田研式親子関係診断テスト」が最も有名であるが,
S c h a e f e r
のCR‑PBI( 1 8
尺度・1 9 2
項目)から出発した小嶋の一連の研究( 1 9 6 7 , 1 9 6 8 , 1 9 6 9 , 1 9 7 0 , 1 9 7 1 , 1 9 7 3 , 1 9 7 5 )
や古川の研究( 1 9 7 2 , 1 9 7 4 )
が最も代表的なものとしてあげられよう。しかし, これらの研究における尺度構成は,項目の表面的・論理的妥当性によるか,あるいは 項目の内的整合性, もしくは単なる項目間相関の直交因子分析に基づくものであり,項目分析の 方法論において,十分な検討がなされているとは言い難い。すなわち,親の子に対する行動を子 が認知する際,父親の息子に対する場合と娘に対する場合とでは,たとえ論理的には同一の内容 をもつ行動項目であっても,その機能的な意味は自ら異なるものと考えられる。したがって,同 じ質問項目であっても,それが息子→父,息子→母,娘→父,娘→母の
4
通りの状況において,同一の機能的意味を持つものであるか否かが未検討のまま放置されてきた。
換言すれば,親子関係の次元に直接的に対応するような構成的妥当性をもつものであるか否か が検証された上でそれぞれの項目が尺度項目として採用され, しかもそれらの項目群(尺度)
によって測定されるものが因子分析の結果見い出された源泉的特性の方向に合致したものである か否かが検討される必要があるのである。 すなわち, 構成された尺度は, 因子的真実性の原理
( p r i n c i p l e o f f a c t o r ‑ t r u e n e s s )
に合致するものでなければならない(辻岡1 9 6 4; C a t t e l l , R . B . & T s u j i o k a , B . 1 9 6 4 ;
辻岡・清水1 9 7 5 , 1 9 7 6 )
。筆者らは, 第一論文
( 1 9 7 5 ) ,
第二論文( 1 9 7 6 )
において,S c h a e f e r
のCR‑PBI
の2 6
尺度ー l~
関西大学『社会学部紀要』第
7
巻第2
号( F o r m ‑ I
と名付ける)と1 8
尺度( F o r m ‑ I I
と名付ける)のいずれをも出発尺度として因子分析を 行なったが,その際,息子→父,息子→母,娘→父,娘→母という 4つの組み合せのいずれの反 応においても安定的かつ一貫的に出現する一次水準の源泉的特性は, 4個あり,それらは,情緒 的支持( E S ) ,
同一化( I D ) ,
統制(CO)
および自律性(AU)
と名付けるものであることが明らかにされた。
そこで本論文においては,これら4因子を測定するための項目群を「因子的真実性の原理」に よる項目分析によって選択し, 上述した
4
種の親子関係のいずれに対しても転移可能性( t r a n s ‑ f e r a b i l i t y )
を有する尺度構成を行なうことを目的としたい。なお,因子的真実性の原理による項目選択
( i t e m ‑ s e l e c t i o n )
の方法論に関する数学的基礎や,項目選択のコンピューク・プログラムについては,既に辻岡・清水
( 1 9 7 5 , 1 9 7 6 )
に詳しいので,それを参照されたい。
〔方法〕
( i )
資 料上述した 4種の親子関係の組合せについて,全く独立な別個の被験者集団から得た,息子→父
( 9 3
名),息子→母( 1 0 0
名),娘→父( 1 0 6
名),娘→母( 1 1 8
名),計4 1 7
名を項目分析のための資 料として用いた。( i i )
質問項目CR‑PBI
のForm‑I
に含まれる全項目は2 6
尺度XlO
項目である。各尺度に含まれる典型的な項 目については,第一論文を参照されたい。1 1 i i )
分析法①第一論文で述べた
R o t o p l o t
最終解のp r i m a r yf a c t o r s t r u c t u r e ( V f , )
から, (1)式(
1)
F=ZR‑1V f ,
により因子推定値を求める。③われわれの質問紙においては, 三件法により判断を求めさせているため, 因子推定値と項 目得点との相関は三系列相関係数(推定因子構造行列 .vf・)により求められており(辻岡•藤村
1 9 7 5 ) ,
(2)式により推定因子パクーン行列(.Vh)
を算出する。c
2)•
vfp=, vf,c;‑1ここで
CJ
は因子推定値間相関行列である。ここで用いた因子推定値
( f a c t o re s t i m a t e )
は真の因子得点( f a c t o rs c o r e )
ではない。 しか し,真の因子得点F
と推定値F
の相関は,F
そのものの標準偏差であるから,この値が0 . 80 . 9
以上であるときは,次の項目分析へと進むことが可能となる。本研究の場合,その値は 4群を通じて,最低
0.912
最高0 . 9 7 8
という非常に高い値が得られているので,4
群とも4
因子すべて についての尺度化が可能と考えられた。‑ 2 ‑
親子関係診断尺度
EICA
の作成(辻岡・山本)③上で求めた
, V f p
を用い,因子的真実性の原理による項目分析を行なう。この時,選択され た項目は,欲する因子に対し, 土Q . 3
以上の負荷量を持ち,かつ欲する因子軸と項目ペクトルの なす角度が土2 0
゜以内の範囲におさまるという2
条件を共に満足するものとした。④第一論文においては, 「異種サンプルにおける因手囃造の交叉妥当化」
( c r o s s ‑ v a l i d a t i o no f t h e f a c t o r s t r u c t u r e s from d i f f e r e n t s a m p l e s )
を行なったが,本論文においては問題の所で述 べたことからも明らかなように,「異種サンプルによる項自選択の交叉妥当化」( c r o s s ‑ v a l i d a t i o n o f i t e m s e l e c t i o n s from d i f f e r e n t s a m p l e s )
を行なわなくてはならない。つまり,各群独立に行なった「因子的真実性の原理」による項目分析で,
E S , I D , CO, AU
の各因子尺度に選ばれた項目群から, 4群に共通して選択されている項目をさらに選び出すという作業を行なわなくてはならない。
⑥最終的に選択された項目群からの因子的真実性係数
( r f , )
を算出する。( T a b l e1‑lTable 1 ‑ 4 )
⑥構成尺度得点と先の因子推定値との相関を算出する。
( T a b l e3 )
⑦このようにして構成された尺度の
t r a n s f e r a b i l i t y
を確認するため, 因子推定値算出時の4
種のウエイティング・システムC V :
が,X , o , R)
を4
群を結合したロー・デーク(これを結絆サンプルとよぶ)に適用し,その因子推定値間相関行列
(16Xl6)
を求め, これに主成分分析を適 用して4
主成分を求め,さらにこれをVarimax
回転し, 更にPromax
法で斜交回転し,この 準拠構造行列( V , , )
を求める。 これは,各群からの因子のt r a n s f e r a b i l i t y
を再検討するためのものであり,この方法論については,辻岡・清水
( 1 9 7 6 )
を参照されたい。〔結果〕
純粋な意味で「因子的真実性の原理」を満足させ.しかも 4群共通に選択されうる項目を得る という項目選択の条件,すなわち, 4群を通じ,欲する因子にのみ選択され,他の欲せざる因子 群には
1
度たりとも選択されない項目を選び出すという条件はなかなか厳しく,この条件を満た す項目はES
尺度1 8
項目,ID
尺度1 2
項目.c o
尺度7
項目,AU
尺度1
項目であった。そこ で.条件をややゆるめ, 4群を通じてみた場合.欲する因子に 4群共通に選択されてはいるが,他の欲せざる因子群に対しても
2
度(3
因子x4
群中)は選択されている項目でもよいという条 件にすると,ES
尺度2 9
項目,ID
尺度2 5
項目,CO
尺度3 0
項目,A U
尺度7
項目となった。A U
....
尺度については.さらに条件をゆるめ, 4群共通に選択されている場合は,上で述べた項目の浮 気を
3
度までゆるし,3
群にしか共通して選択されていない場合は,1
度の浮気をゆるした結果,新に
9
項目が浮かび上ってきた。そこで,
ES
尺度2 9
項目,ID
尺度2 5
項目,CO
尺度3 0
項目,A U
尺度1 6
項目, 合計9 0
の項目 群から,論理的妥当性をも考慮しながら最終的に各因子尺度について1 0
項目(合計40項目)を選 び,尺度構成を行うこととした。‑ 3 ‑
Table 1‑1
情緒的支 項目番号元尺度l
項目ES ID co AU I ES ID co AU 1. 246 EI
私の言うことに耳を傾けてくれる。717 053 265 203 567 184 ‑060 119 2. 39 ES
心配事をじっくり聞いてくれるので私の気持が楽になる。815 ‑090 108 016 532 106 285 ‑031 3. 91 ES
私のなやみや心配事を理解してくれる。618 156 ‑113 ‑156 597 068 149 078 4. 143 ES
私が困っているときには元気づけてくれる。876 009 030 ‑137 734 071 273 119 5. 254 EY
私には友達がとても大事だということを理解してくれる。601 ‑121 ‑014 133 872 ‑100 081 236 6. 129 ET
いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる。751 084 081 ‑056 659 157 ‑062 006 7. 155 ET
いっしょにいると気持が楽になる。627 162 ‑076 043 546 047 032 000 8. 181 ET
私といっしょに仕事をするときは私の意見を聞いてくれる。622 023 ‑160 ‑029 634 029 007 250 9. 207 ET
私がどんな物の見方をしているのか理解しようとする。631 211 156 ‑084 691 084 373 106 10. 182 IS
私たが喜すぶ本や雑誌を買ってくれたり学校で役立つことを教えてくれ559 155 ‑080 ‑168 547 ‑209 ‑005 ‑109
りる。I Primary Factor Pattern
の平均682 064 020 ‑024 638 044 107 077
因子的事実性係数ぴ=0.995
ぴ=0.987
持(ES) (Boy‑Father) (Boy‑Mother)
14J
(Girl‑Father)
項目番号元尺度I
項目ES ID co AU ES ID co AU 1. 246 EI
私の言うことに耳を傾けてくれる。750 ‑136 018 069 626 188 ‑263 ‑002 2. 39 ES
心配事をじっくり聞いてくれるので私の気持が楽になる。758 ‑279 015 ‑172 919 ‑189 156 119 3. 91 ES
私のなやみや心配事を理解してくれる。866 ‑266 163 ‑148 806 ‑151 002 ‑029 4. 143 ES
私が困っているときには元気づけてくれる。789 ‑089 085 ‑187 946 067 010 ‑151 5. 254 EY
私には友達がとても大事だということを理解してくれる。640 211 ‑054 ‑113 559 140 ‑031 225 6. 129 ET
いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる。809 ‑060 233 005 646 152 ‑188 037 7. 155 ET
いっしょにいると気持が楽になる。675 ‑001 ‑174 ‑223 739 ‑062 045 037 8. 181 ET
私といっしょに仕事をするときは私の意見を聞いてくれる。770 ‑279 111 208 902 ‑047 031 ‑064 9. 207 ET
私がどんな物の見方をしているのか理解しようとする。756 ‑158 243 ‑018 858 041 ‑125 ‑222 10. 182 IS
私たが喜すぶ本や雑誌を買ってくれたり学校で役立つことを教えてくれ581 142 005 ‑138 564 093 ‑031 029
りる。I Primary Factor Pattern
の平均739 ‑134 064 ‑072 756 023 ‑039 ‑002
因子的真実性係数ぴ=0.975
ぴ=0.999
(Girl‑Mother)
涯国汁帷﹃#愉将巽密潮﹄濤7滋菜2血}
Table 1
ー2
同化
(ID) (Boy‑Father) ゜
項目番号元尺度
l
項目ES ID co AU ES ID co AU 1. 28 PO
ほかのだれとよりも私といっしょにいたがる。‑252 784 082 236
ー181 778 ‑011 006 2. 54 PO
私が大きぅくなって家の外で過ごす時間が増えてきたことを残念がっ068 515 129 145
ー228 426 ‑042 100
ているよだ。3. 80 PO
私に暇なときは大ていいっしょに過ごしてほしいと思っている。‑077 690 ‑086 076 ‑214 650 ‑005 ‑157 4. 184 P
0 暇さえあれば私に話かけたり私といっしょにいたがる。280 543 192 085
ー106 787 ‑081 032 5. 34 LD
私にいろいろ気を使っている。048 624 059 149 006 624 ‑023 051 6. 61 EX
私のことが好きだということを態度で表わすべきだと思っている。‑530 928 ‑202 027
ー146 516 102 ‑145 7. 139 EX
私にたびたびほほえみかける。077 701 ‑061 ‑245 079 476 ‑068 141 8. 243 EX
私を喜ばそうとしていろいいろなことをする。‑139 810 ‑127 081 ‑184 755 ‑159 072 9. 121 CH
友達と出かけるよりも私といっしょに家にいる方が好きだ。‑048 733 040 249 ‑211 519 ‑127 ‑081 10. 147 CH
いつも私を喜ばすことを考えている。038 749 099 166
ー165 687 ‑197 ‑065 I Primary Factor Pattern
の平均‑054 708 012 097 ‑135 622 ‑061 ‑005
因子的真実性係数r 、 ,=0.990 rf,=0.985 (Girl‑Father)
(Boy‑Mothor)
項目番号元尺度I
項目I ES ID co AU ES ID co AU 1, 28 PO
ほかのだれとよりも私といっしょにいたがる。‑060 772 ‑181 105 ‑221 801 ‑115 087 2. 54 PO
私が大きぅくなって家の外で過ごす時間が増えてきたことを残念がっ009 612 083 007 ‑289 555 ‑073 ‑069
ているよだ。3. 80 PO
私に暇なときは大ていいっしょに過ごしてほしいと思っている。070 637 ‑273 012 ‑264 808 ‑135 019 4. 184 PO
暇さえあれば私に話かけたり私といっしょにいたがる。129 671 ‑203 ‑041 ‑017 825 ‑127 019 5. 34 LD
私にいろいろ気を使っている。118 612 ‑144 ‑092 ‑065 389 ‑020 232 6. 61 EX
私のことが好きだということを態度で表わすべきだと思っている。‑103 799 ‑099 ‑048
ー168 569 084 194 7. 139 EX
私にたびたびほほえみかける。091 489 ‑076 106 322 389 046 087 8. 243 EX
私を喜ばそうとしていろいろなことをする。032 768 ‑141 011
ー173 611 ‑044 273 9. 121 CH
友達と出かけるよりも私といっしょに家にいる方が好きだ。076 624 ‑209 074 ‑313 693 ‑223 174 10
・147 CH
いつも私を喜ばすことを考えている。015 698 013 121 ‑097 578 ‑114 202 Primary Factor Pattern
の平均038 668 ‑123 025
ー128 622 ‑072 122
因子的真実性係数rf,=0.975 rf,=0.972 (Girl‑Mother)
蘊+湿蔀懲華R
涜EICAO){'j;)iltG:I:
蚕 •E卦)Table 1‑3
統 制ー6ー 項目番号元尺度1項目
I ES ID co AU ES ID co AU 1. 211 NA
いつも私の性格を改めさせようとする。‑059 154 770 ‑063 145 050 682 192 2. 237 NA
私がいいつけ通りにするまで私を自由にさせてくれない。‑050 235 490 ‑149 053 012 706 015 3. 240 IN
「どうしてそんなことをしたのか説明しなさい」としつこく言う。338 091 650 ‑111 215 ‑097 557 ‑154 4. 111 IR
私が家の手伝いをしないと腹を立てる。‑213 309 645 ‑011 093 ‑115 607 195 5. 10 PD
私が何をすべきかいつも私に指図したがる。209 075 616 ‑059 194 170 606 003 6. 122 SA
私が年長者に口答えするのを許さない。‑014 175 656 ‑057 052 107 372 ‑224 7. 152 ST
私のためにたくさんのきまりや規則を作り家の秩序を守ろうとする。ー195 289 631 ‑212 ‑015 024 720 ‑005 8. 204 ST
私に何かいいつけるとそれを守るまでやかましくいって聞かせる。015 110 733 ‑214 337 ‑096 699 ‑017
私が学と校思の勉強や家での雑用をなまけると私を罰するのを当然のこ9. 23 PU
とだっている。073 117 596 ‑289 527 ‑162 770 215 10. 49 PU
私が悪思いことをすればすべてなんらかの方法で罰しなければいけな‑039 126 826 052 221 ‑083 843 137
いとっている。Primary Factor Pattern
の平均I 006
168 661
ー111 ‑182 ‑019 656 036
因子的真実性係数ぴ=0.960
び=0.965
(CO) (Boy‑Father) (Boy‑Mothor)
項目番号元尺度項目I ES ID co AU I ES ID co AU 1. 211 NA
いつも私の性格を改めさせようとする。ー178 076 777 163 ‑026 ‑005 744 018 2. 237 NA
私がいいつけ通りにするまで私を自由にさせてくれない。‑103 ‑005 810 ‑007 305 ‑253 957 ‑019 3. 240 IN
「どうしてそんなことをしたのか説明しなさい」としつこく言う。‑002 072 785 ‑199 099 025 655 ‑152 4. 111 IR
私が家の手伝いをしないと腹を立てる。‑192 032 486 ‑082 ‑022 ‑051 743 077 5. 10 PD
私が何をすべきかいつも私に指図したがる。098 214 590 ‑212 ‑002 043 388 ‑300 6. 122 SA
私が年長者に口答えするのを許さない。‑098 066 694 076 ‑054 ‑070 556 ‑057 7. 152 ST
私のためにたくさんのきまりや規則を作り家の秩序を守ろうとする。143 117 665 ‑252 788 ‑253 1031 ‑176 8. 204 ST
私に何かいいつけるとそれを守るまでやかましくいって聞かせる。168 ‑092 870 ‑044 287 006 830 ‑132 9. 23 PU
私が学と校思の勉強や家での雑用をなまけると私を罰するのを当然のこ058 ‑149 717 034 131 ‑173 608 031
とだっている。10. 49 PU
私が悪思いことをすればすべてなんらかの方法で罰しなければいけな100 ‑361 909 253 400 ‑184 902 181
いとっている。Primary Factor Pattern
の平均I ‑001 ‑003 730 ‑027 I 191 ‑091 741 ‑053
因子的真実性係数rfヽ=1.000
ぴ=0.989
(Girl‑Father) (Girl‑Mother)
涯面汁柿『芹冷柿器営瀬』濤7滋溢2~
Table 1‑4
自律性
(AU) (Boy‑Father) (Boy‑Mothor)
‑.J項目番号元尺度[項目
I ES ID co AU ES ID co AU 1. 30 EA
好きなだけ外へ行かせてくれる。022 ‑162 127 703 435 ‑162 ‑016 474 2. 56 EA
夜や週末は私の好きなように過ごさせてくれる。ー159 237 ‑131 625 383 ‑064 147 479 3. 82 EA
私の行きたい所ならどこへでも何も聞かずに行かせてくれる。032 ‑106 034 474 145 265 197 740 4. 108 EA
私が外へ行くときなん時に帰りなさいとは言わない。ー105 ‑290 002 637 038 104 ‑051 515 5. 134 EA
なんでも私がしたいようにさせてくれる。008 037 021 761 037 237 ‑044 442 6. 186 EA
学校が終った後は私の好きなことをさせてくれる。230 058 204 723 ‑094 130 ‑402 189 7. 212 EA
夜でも私が行きたいときはなん時でも外へ出してくれる。‑130 027 ‑021 550 ‑098 173 117 767 8. 238 EA
私がしたいことはどんなことでもさせてくれる。090 ‑085 080 686 103 364 ‑036 605 9. 68 MA
私のやりたいときに宿題をやらせてくれる。010 102 ‑251 368
ー146 012 ‑413 300 10. 72 EY
私が友達の家に一晩泊まるのを許してくれる。‑018 175 ‑077 410 568 ‑331 165 410 Primary Factor Pattern
の平均I ‑002 ‑001 ‑001 594 I 137 073 ‑034 492 因子的真実性係数ぴ=l.000
ぴ=0.927
項目番号元尺度l
項目ES ID co AU ES ID co AU 1. 30 EA
好きなだけ外へ行かせてくれる。‑051 040 036 761 ‑050 ‑068 216 823 2. 56 EA
夜や週末は私の好きなように過ごさせてくれる。ー182 226 ‑085 519 ‑033 181 ‑260 418 3. 82 EA
私の行きたい所ならどこへでも何も聞かずに行かせてくれる。‑212 341 ‑042 767
ー375 051 340 811 4
・108 EA
私が外へ行くときなん時に帰りなさいとは言わない。‑280 070 ‑353 533 ‑056 ‑205 096 723 5. 134 EA
なんでも私がじたいようにさせてくれる。088 ‑029 059 752 ‑041 ‑004 083 873 6. 186 EA
学校が終った後は私の好きなことをさせてくれる。‑018 040 ‑216 631 124 098 ‑107 648 7. 212 EA
夜でも私が行きたいときはなん時でも外へ出してくれる。ー170 ‑054 157 773 ‑694 436 226 973 8. 238 EA
私がしたいことはどんなことでもさせてくれる。ー135 253 017 761 102 ‑015 029 689 . 9. 68 MA
私のやりたいときに宿題をやらせてくれる。131 ‑131 173 572 ‑054 ‑003 ‑190 447 10. 72 EY
私が友達の家に一晩泊まるのを許してくれる。‑057 ‑131 003 455 015 041 188 557 I Primary Factor Pattern
の平均‑089 062 ‑025 652
ー106 051 062 697
因子的真実性係数rf,=0.993 rf,=0.989
(Girl‑Father) (Girl‑Mother)
蠍+涯宗檸蚕
R
荒EICAO)f'pjjJ!; (frlfill・11.P!,:)関西大学『社会学部紀要』第
7
巻第2
号項目分析の全結果は,
4
群X4
因子X260
項目の膨大なものであるため,4
群X4
因子xlO
項目 の最終結果のみをTable 1‑1
よりTable 1‑4
に示した。 これらの表においては, 欲する因子 に対する, V f p
の平均はES
因子尺度では0.6380.756, ID
因子尺度では0.6220.708, c o
因子尺度では
0.6560.741, A U
因子尺度では0.4920.697
であり,欲せざる因子に対するそ れは, 最も悪くて単独には0 . 1 9 1
であり, その平均はほとんど0
に近い値を示している。因子 的真実性の原理においては,構成尺度は欲する因子に対し,高い相関を示しかつ,軸方向が一致 し,その上他の欲せざる因子群に対しては,因子パクーン(.Vfp)
の合計は0
とならなければな らない。 本研究で得られた値はほぼその基準に満足できるものであった。 また, 構成された尺 度の方向と欲する因子の軸方向との角度の余弦で表わされる 「因子的真実性係数」( c o e f f i c i e n t o f f a c t o r ‑ t r u e n e s s )
は'ES
因子尺度では0.9750.999, ID
因子尺度では0.9720.990, co
因子尺度では
0.9601.000, A U
因子尺度では0 . 9 2 7 1 . 0 0 0
の値を示し, きわめて満足できる 結果が得られている。T a b l e 2
構成尺度間相関(左側上三角行列),および 一次因子間相関行列(左側下三角行列),因子推定値クラスクー間相関(右側上三 角行列),因子推定値間相関(右側下三角行列)ES I ID co I A U ES ID I co I A U
BF 5 1 8
ー1 5 9 ‑018 6 5 6 ‑287 ‑032 B M 2 7 2 ‑084 1 7 6 3 8 6 ‑405 2 8 6 ES GF 3 7 4
ー1 0 5 ‑043 5 8 0 ‑376 0 1 5 G M 4 8 7 ‑465 3 0 2 5 8 9 ‑530 3 0 6 BF 5 9 3 1 4 8 0 3 8 6 5 0 2 3 1 ‑213 B M 4 1 4 0 3 8 ‑024 4 5 0 1 9 5 ‑044 ID 4 8 2 ‑080 2 2 2 5 1 8 0 0 5 0 1 0
GF
G M 5 5 9
ー1 8 6 2 3 8 6 0 1 ‑032 0 9 8 BF ‑430 ‑002 ‑435 ‑456 0 0 6 ‑564 B M ‑437 0 4 4 ‑305 ‑476 0 5 5 ‑525
co GF
ー1 9 4 1 2 4 ‑446 ‑216 1 3 5 ‑526 G M ‑517 ‑035 ‑438 ‑557 ‑040 ‑540 BF 0 4 5 ‑044 ‑420 0 6 1 ‑069 ‑466 B M ‑043 ‑211 ‑425 ‑035 ‑242 ‑455 A U
GF 2 6 6 0 9 4 ‑465 2 6 1 1 0 3 ‑521 G M 4 4 3 1 3 1 ‑532 4 7 3 1 4 0 ‑588 D e c i m a l p o i n t s o m i t t e d .
Table 2には,構成尺度間相関(左側上三角行列),一次因子間相関(左側下三角行列),因子
推定値クラスクー間相関(右側上三角行列), 因子推定値間相関(右側下三角行列)を息子→父,息子→母,娘→父,娘→母の
4
群を上から順に4
段に並べて示したが,これら4
種類4
群の相関 は,その程度と方向において極めて近似している。これはわれわれの項目分析が成功的であった‑ 8 ‑
親子関係診断尺度
EICA
の作成(辻岡・山本)ことを示している。特に,構成尺度間相関が因子分析における一次因子間相関に近似した構造を 示していることは,重要な点であり,この事実は構成された尺度が所期の目的にかなったもので あることを示している。また,
Table 3
には因子推定値と構成尺度間の相関(N=417)
を掲げた が,対応する箇所(ゴチックで示した部分)は0.7780.931
の値を示しており, これらの結果 は,因子分析における軸回転と因子的真実性の原理による項目分析によって構成された尺度がほ ぼ所期の目的を達成していることを示している。T a b l e 3
因子推定値と構成尺度との相関( B o y ‑ F a t h e r )
構 成 尺 度( B o y ‑ M o t h e r )
l E S I ID I c o I A U ES I ID I c o I A U
ES 9 3 1 5 4 5 ‑240 0 5 4 8 5 6 2 6 5 ‑191 2 8 2 ID 6 6 9 8 7 6 2 2 9 ‑059 4 4 2 8 3 2 1 4 4 0 1 4 因
子 推 定 値
c o 2 6 1 ‑004 8 9 5 ‑412 ‑322 0 5 0 8 3 8 ‑514 A U ‑002 0 5 5 ‑537 8 8 4 ‑012
ー1 7 6 ‑401 7 7 8
( G i r l ‑ F a t h e r ) ( G i r l ‑ M o t h e r )
I Es I ID I c o I A U E S ID c o A U E S 8 7 3 5 5 9 ‑216 1 5 7 9 2 3 5 1 4 ‑447 3 6 0 ID 3 4 7 8 8 9 1 1 4 1 1 1 5 5 6 8 2 3 ‑039 1 1 7 c o ‑100 ‑078 9 2 1 ‑468 ‑538
ー1 5 5 9 1 2 ‑465 A U 1 0 1 2 2 9 ‑499 8 8 7 4 4 7 2 8 5 ‑560 9 0 1
Table 4
は異種評価システム(辻岡1 9 7 6 )
を適用して得られた因子推定値相関行列のPromax
解( V r , )であり,この結果はみごとな単純構造を示しており, 4
群独立に分析を行なって得られ た因子は,機能的にもそれぞれ同一の意味内容を持つものであることが示されてし•る。この時算 出された因子推定クラスクー間相関はTable2の右側上三角行列に示した。
〔 考 察
J
古川
( 1 9 7 2 )
は,親子関係についての質問項目の項目間相関(60X60)
を因子分析し,2
因子 を抽出後,柏木のヴェククー法( 1 9 6 5 )
による直交回転を行ない,それぞれの因子(P
機能,M
機能)に高い負荷量を持つ項目を選択するという形で項目分析を行なっている。分析は,子→母,子→父,母→子,父→子という 4つのグループにつき,独立に行ない,その結果共通に選択され た項目から尺度構成を行なおうとした。彼女の方法は一見われわれの方法に類似している。しか
し,次の点で方法論的に根本的に異なっている。
まず第一に彼女の方法は構成尺度の合成ベクトルの方向について何ら注意が払われておらず,
彼女が「Peformance因子
(P
機能)」,「Maintenance因子CM
機能)」と名付けた2
因子は独立‑ 9 ‑
1 . 2 . 3 . 4 . 5 , 6 . 7 . 8 . 9 . 1 0 , 1 1 . 1 2 . 1 3 . 1 4 . 1 5 . 1 6 .
1 . 2 . 3 . 4 . 5 . 6 , 7 . 8 . 9 . 1 0 . 1 1 , 1 2 . 1 3 . 1 4 . 1 5 . 1 6 .
関西大学『社会学部紀要』第7巻第2号
Table 4 4 評価システムより求めた16X16 次の因子推定値間相関行列
の プ ロ マ ッ ク ス 解( V , , )
B o y ‑ F a t h e r (N =93) Boy‑Mother (N = 1 0 0 )
I E s I ID I co I A U I I E s I D co A U
El 5 9 8 ‑044 ‑007 0 2 6 7 5 0 0 0 0 ‑016 0 1 5 E2 5 5 2 0 4 6 0 0 4 0 3 8 7 9 1 ‑028 0 2 8 0 2 5 E3 5 1 8 0 8 4 ‑038 0 2 1 728 0 8 9 ‑030 ‑002 E4 5 6 8 0 1 9 ‑005 ‑012 794 ‑027 0 1 5 ‑022
I10 5 0 5 7 2 ‑070 ‑034 0 4 0 8 1 4
ー1 0 9 ‑098 I2 1 1 0 5 3 2 ‑002 0 5 3 0 6 6 8 0 7 ‑022 0 3 1 13 ‑098 6 6 8 0 1 8 0 3 3
ー1 7 9 8 7 8 0 4 5 050 I4 1 0 9 5 1 1 0 8 3 0 0 7 1 4 2 7 3 4 1 3 1 0 2 6 Cl
ー1 0 3 0 3 3 6 1 7 0 6 1
ー1 6 2 0 9 4 6 8 3 0 7 0 C2 ‑031 0 0 9 5 6 7 ‑120 ‑080 0 1 7 6 3 4
ー1 3 9 C3 1 1 1 0 1 3 6 1 4 ‑081 1 8 6 ‑003 7 5 1 ‑093 C4 ‑008 ‑032 6 6 0 0 4 3 0 0 0 ‑049 7 7 9 0 6 5 Al ‑074 1 3 4 ‑059 7 7 2 ‑076 2 2 1 ‑092 7 9 0 A2
ー1 6 2 ‑134 0 1 8 6 5 7 ‑202
ー1 3 8 0 6 2 8 5 2 A3 1 3 8 0 0 4 0 5 6 8 0 9 2 4 9 ‑028 0 2 9 7 3 5 A4 0 7 3 ‑035 ‑037 7 4 9 1 2 9 ‑042 ‑034 7 6 8
G i r l ‑ F a t h e r (N=l06) G i r l ‑ M o t h e r (N=118)
I E s l ID co I A U I E s I ID I co I A U
El 6 7 7 ‑047 E2 6 6 4 0 3 4 E3 6 1 7 0 9 7 E4 6 7 2 0 0 8
I10 7 4 6 9 5 12 0 9 4 6 8 9 13
ー1 3 1 8 3 1 I4 0 9 5 6 8 8 Cl ‑169 0 8 4 C2 ‑052 0 0 5 C3 1 4 0 ‑016 C4 ‑037 ‑036 Al ‑099 1 9 8 A2 ‑227 ‑129 A3 2 1 2 ‑059 A4 0 7 8 ‑015 Decimal p o i n t s o m i t t e d . E … … E m o t i o n a l S u p p o r t
I ・ ・ … • I d e n t i f i c a t i o n
C … •··Control A … •··Autonomy
‑038 0 2 0 6 1 1 ‑017 ‑036 0 0 5 0 3 6 604 0 3 4 0 1 7
‑029 0 2 6 5 6 3 0 7 7 ‑038
‑014 ‑003 6 2 6 ‑004 ‑001
‑061 ‑046 0 8 5 6 5 4 ‑038
‑019 0 3 8 1 0 3 6 4 6 ‑011 0 0 5 0 2 3 ‑148 8 1 8 0 0 8 0 9 7 0 0 5 0 7 9 6 7 4 0 7 0 6 5 7 0 5 9 ‑178 0 7 3 5 9 7 6 2 6 ‑127 ‑076 0 0 6 5 7 5 7 2 8 ‑055 1 3 9 0 0 8 7 0 7 7 2 5 0 6 7 ‑011 ‑034 7 0 4
‑074 7 4 1 ‑088 2 0 4 ‑088
‑035 6 9 5 ‑185 ‑153 0 3 1 1 2 7 8 5 0 2 2 2 ‑020 0 7 2
‑061 7 5 7 1 2 3 ‑020 ‑038
1 … … F a c t o r E s t i m a t e by Weighting System o f B o y ‑ F a t h e r Group 2 … … F a c t o r E s t i m a t e by Weighting System o f Boy‑Mother Group 3•···Factor E s t i m a t e by Weighting System o f G i r l ‑ F a t h e r Group 4•···Factor E s t i m a t e by Weighting System o f G i r l ‑ M o t h e r Group
‑ 1 0 ‑
‑027 0 3 9 0 0 5
‑012
‑006 0 3 4 0 0 0
‑014 0 6 9
‑123
‑089
0 7 1
7 6 4
8 4 3
7 4 9
744
親子関係診断尺度
EICA
の作成(辻岡・山本)であるにもかかわらず,構成尺度間の相関は独立とはなっていない(子→母で
0 . 1 4 7 ,
子→父で0 . 4 0 8 ,
母→子で0 . 3 3 7 ,
父→子で0 . 4 8 1 )
ことがあげられる。このように, 構成尺度が因子軸の 方向と一致しなければ,当該因子の解釈と構成尺度の意味内容が異なることになり,因子分析と 尺度構成との間に一貫性が失われてしまうことになる。古川の研究の第二の問題点は,それぞれ独立に行なった因子分析による因子の対応に関して,
因子の一致性係数
( c o e f f i c i e n to f f a c t o r c o n g . r u e n c e )
を母と子, 父と子の2
グループ間につい てのみしか求めておらず, 4グループ間についての検討がなされていない点である。一方,われ われは因子の一致性係数を算出した上, さらに新しい方法論(辻岡1 9 7 6 )
によりT a b l e4
に示したような因子の確認化
( c o n f i r m a t i o n )
を行なっている。第三の問題点は,彼女の分析においては二次因子水準の 2因子が抽出されており,一方,われ われの研究では一次因子水準の
4
因子が抽出されている点である。項目分析においては,より低 次な水準における尺度が構成されることが望ましい。その理由は,高次水準の因子に対する項目 分析は容易であるが,それによって,多くの情報が失なわれるということである。例えば,われ われのES
因子,ID
因子は,普通の状況ではかなり強固に結合しており,これを受容( A c c e p ‑ t a n c e )
の因子として測定することも不可能ではない。 しかし, ある特殊な親子関係においては,この一次因子水準の
E S , ID
因子の結合力は弱く,2
つの因子として分離される。そして,親 子関係の診断にはこのような因子間の結合,分離の様態が心理学的に重要と考えられるのである。このことは
CO
因子とAU
因子との間においても同じことが考えられる。小嶋
( 1 9 6 9 )
は,CR‑PBI
のForm‑II
をもとに, それと対をなす親用のPR‑PBI
を作成し,その後
b a l a n c e ds c a l e s
を採用したForm2‑B ( 1 9 7 0 )
や,Form 3‑D ( 1 9 7 1 ) , Form 4‑A ( 1 9 7 3 )
などを発表している。小嶋の立場は, 子からの報告を重点においた尺度構成で親からの 報告との関連をみようとしていると考えられる。一方,古川( 1 9 7 2 )
の意図は両方向性を有する 尺度構成にあると考えられる。しかしながら,別の論文(辻岡・山本
1976b)
で発表する予定であるが,小嶋氏より提供を受 けた資料の再分析において,親と子という対を一つの有機的構成体とみなして,36X36
次( 1 8
尺 度X 2)のスーパー・マトリックスを因子分析したところ,このスーパー行列は 7
次元構造を示 し,ID
因子のみが親子対に共通な次元として抽出されるが, 他の3
因子( E S , CO, AU)
は 親と子において一次独立な次元として出現することが判明した。この知見から考えると,古川の 場合,子どもの報告から得られる因子と親の報告から得られる因子とは,たとえ質問項目が論理 的妥当性の点から同一のものと見られても,一次独立な因子となり,これを克服し尺度構成を行 なうためには, 8種の組合せ(息子→父,息子→母,娘→父,娘→母,息子←父,息子←母,娘←父,娘←母)を考慮する心要があると考えられる。したがって,より生産的な方法としては,子 ども用の質問紙の尺度構成を確固たるものとした上で,親用の開発が必要と考えられる。そして その際,少なくとも子ども用,親用の質問紙によって得られた資料の因子分析から得られた因子
‑ 1 1 ‑
関西大学『社会学部紀要』第
7
巻第2 号
の対応関係を検討する必要がある。
最後に, われわれの構成尺度に含まれる項目とその項目の
CR‑PBI
中に占めた尺度との関連 について考えてみたい。第一論文において見い出された「情緒的支持( E m o t i o n a lS u p p o r t )
」の 因子は,S c h a e f e r
の元尺度名で述べれば対等主義(ET),
知的促進( I S ) ,
情緒的支持( E S ) ,
独立心の奨励( E I ) ,
社交性の育成(EY),
無関心( I G )
(逆),無視(NG) C
逆),参与(SH)
の8
尺度によって定義された。 第2
因子である「同一化( I d e n t i f i c a t i o n )
」の因子は, 無視(NG)
(逆),参与( S H ) ,
肯定的評価( P E ) ,
所有欲( P O ) ,
子供中心主義(CH),
愛情の表出(EX),
保護( P R ) ,
命令的( P D ) ,
干渉的(IN)
の 9尺度によって定義された。 また,われわ れの「統制( C o n t r o l )
」の因子は,命令的( P D ) ,
千渉的( I N ) ,
拒否(RE),
罪悪感による統 制(CG),
否定的評価(NE),
イライラ( I R ) ,
小言(NA), 罰 (PU),
厳格( S T ) ,
攻撃性 の抑圧( S A ) ,
甘いしつけ(LD)
(逆)の1 1
尺度によって定義され,第4
因子の「自律性( A u t o ‑ nomy)
」は,甘いしつけ(LD),
自由放任(EA),
自律性(MA)
の 3尺度によって定義された。一方,結果として出来上った構成尺度の
ES
尺度は,独立心の奨励( E I ) ,
情緒的支持( E S ) ,
社交性の育成(EY),
対等主義(ET),
知的促進( I S )
の 5つの尺度に属していた項目から構 成されている。ID
尺度は,所有欲( P O ) ,
甘いしつけ(LD),
自由放任(EX),
子供中心主義(CH)
の 4尺度。CO
尺度は,小言(NA),
干渉的( I N ) ,
イライラ( I R ) ,
命令的( P D ) ,
攻 撃性の抑圧( S A ) ,
厳格( S T ) , 罰 (PU)
の 7尺度。A U
尺度については, 自由放任(EA),
自律性
(MA),
社交性の育成(EY)
のCR‑PBI
の 3尺度に属する項目から構成されている。この事実は,われわれに次の 2つのことを教示している。すなわち,因子分析における因子の 解釈は出来うれば項目のレベル(特殊行動水準)まで下って考えるべきであること。第二に,表 面的妥当性もしくは論理的妥当性のみから尺度構成を行なうことの大きな危険性を示しているこ
と,である。
以上,われわれは,因子的真実性の原理にしたがって,先に行った確認的因子分析によって求 められた
4
因子の尺度を構成したが,これらの4
尺度は,被験者(息子または娘)と対象(父ま たは母)を超越して因子的妥当性を有するものである。そこで,われわれの次の課題は,これら の4尺度が,人格特性といかなる共変関係にあるかを調べることである。このテーマについては,教育心理学研究(辻岡・山本
1976a
投稿予定)の論文に譲りたいと考える。〔要約〕
1 .
因子的真実性の原理にもとづいて,確認的因子分析において4
種の親子関係に安定的かつ 一貫的に存在することが確認された4
個の一次因子を一義的に測定しうる4
尺度が構成され,親 子関係診断テストEICA
と名付けられた。 これらの 4尺度は,子どもによる父および母に対す るES
(情緒的支持),ID
(同一化),c o
(統制)およびA U
(自律性)の関係認知を測定する ものである。ー