交叉相面的多変量解析における直交化寄与率ベクト ル : 重相関分析,正準相関分析,交叉相面的確認 的因子分析の一般理論
その他のタイトル Orthogonalized contribution vectors in cross‑modal multivariate analysis ; An integrative theory of multiple, canonical correlation analysis and cross‑modal
confirmatory factor analysis
著者 辻岡 美延
雑誌名 関西大学社会学部紀要
巻 12
号 2
ページ 163‑179
発行年 1981‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10112/00022867
交叉相面的多変量解析における直交化寄与率ベクトル
一重相関分析,正準相関分析,交叉相面的確認的因子分析の一般理論—
辻 岡
美 延
〔 目 的 〕
心理学や社会学などの行動科学において,多変量解析法を利用した研究が,コンピュータの普 及発達によって最近非常に多く見られるようになった。たとえば,それらは重相関分析,正準相 関分析,因子分析,成分分析,判別分析などの諸法である。これらの研究では,種々の実質科学 的変量群に,ある種の重みを与えて,所謂,標準合成変量を構成し,その合成変量によって,実際 的妥当性なり,因子的妥当性を最大化し,それによって実質科学的解釈を容易にしようとする試 みがなされている。ここでいう標準合成変量というのは,その平均が
0,その分散が
1.0である ように規準化された荷重得点(総合特性値)で,因子分析や成分分析における因子得点も,形式 的にはこの標準合成変量であり,また重相関分析,正準関分析や判別分析においても,得られる 合成変量は,形式上かならずしも標準形式であることを必要としないが,これを規準化して考え ることは一般理論の定式化の上で便利である。したがって,本稿では,得られた合成変量は標準 形式
(standardform)に統一されているものとして以下の論究を進めて行くこととしよう。
周知のとおり,心理測定や社会調査においては,二つの領域についての共変資料を入手し,こ の二領域の関連性を求めるため,種々の多変量解析的手法が用いられる。とくに重相関分析,正 準相関分析,成分分析,因子分析などが頻用される。そこで本稿では,これらの諸法を統一的に 解釈しうるような数学理論を再構成し,これを実質科学的な観点からコンビュータの利用上,ょ
り便利な形で展開するための算法の基礎を考えてみた。
(註)本研究における構想は,
Gibson,W.A. (1962)が発案し,
Johnson,R.M. (1966)がそれを実質科学 的に発展させ,
Mulaik,S.A. (1972)が紹介したものを,筆者がさらに実質科学的解釈に便利な統合 理論に発展させようと試みたものである。
( 基 礎 理 論 )
(1)変量バッテリーの非独立性と構造ペクトル
いま,
2つに区分された領域における
n1個と
n2個の変量を
X1(NXn1次)と
X2(Nxn2次)とし,これを規準化した標準得点行列を名
(Nxれ次)と
Z2(Nx乃次)とし,その超相
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12巻第
2号
関行列を
Rとしよう。この超相関行列
Rは,下の
(1) R= 〔Ru R,2R21 R22
〕
(1)
式のように表わすことにする。
ここで,恥=―
N 1 Z1'Z1,である。
釦=—Z/Z2,
N 1R12=—Z名で,
N 1 R21 =Rii'そこでこの
2種の変量群の第一領域の
Z1Iこ標準重みベクトル
W11をかけて得られる標準合 成変量を
f1とし,第二領域の名に標準重みベクトル
W22をかけて得られる標準合成変量を
f2としよう。すなわち,
( 2 )
f1 =Z1W11, f2=Z.仰
22で,叫,
W22は前述のとおり標準重みベクトルであるから,
(3) ‑
N
f1'f1 =W11'R匹
11=1, ‑N
f:出
=W22'R22叫
=lが成り立つ。ところで,
Ruや
R22は単位行列とはならない。すなわち,名や名に含まれる 変量は相互に独立ではないから,
au=―
N Z1'f1であらわすと,この
auは,変量
Z1と合成変量 f1 との相関ベクトルで,所謂構造ベクトルとよばれるものであり,一般に a11'a11~l である。
すなわち,構造ベクトルの二乗和は
1とはならず,
(4) a11 =‑Zi'f1 =‑Zi'Z1w11 =R
N N
1曲
11であるから,
(5) a11'a11 =Wu'R11R11W11 =Wu'R1?W11
となる。 しかし, ここでもし
R11=1,すなわち
Z1の変量間が相互に独立ならば,
(5)式より
a11'a11=w11I町 と な り , 一 方
(3)式より,
W11'R11W11=l外
'IW11=lであるから
a11'a11=lと なる。すなわち,
Z1の変量が相互に独立であるときにのみ構造ベクトルの二乗和は
1となる。
そこで,その構造ベクトルの二乗和が
1となるような直交変量で,しかももとの
Z1に最小二乗 法的な意味で最近似するような標準変量を仮想してみることにしよう。
(2)
直交化近似標準変量
そのため,まず
Ruを変量数
n1個と同数個の主成分に分解し,
(6) R11=P4P'
とする。
ここで
Pは
(n1Xn1)次の固有ベクトル行列,
4は
(n1Xn1)次の固有値対角行列とする。そ こで,
1
(7) P.
が
= Aとおくと,
交叉相面的多変量解析における直交化寄与率ベクトル(辻岡)
(8) R11=AA'
となり,
Aは
(n1Xn1)次の所謂主成分因子負荷行列である。ここでこのような主成分解を与え る主成分得点
Yi(NXn1次)を考えると,
(9) Y1=Z1M‑1=Z1P4
― ナ
である。そしてこの
Yiをさらに直交正規の変換行列
T(n1x几次)によって直交回転した成分得 点
QIを考え,この
QIともとの名との差の二乗和の最小化を計ることとする。すなわち,こ の
QIは直交化された名の最小二乗推定量と考える。そこでこの最小化基準のための目的関数 を
f(T)とし,
Tが直交正規であるとの制約条件として
h(T)を考える。すなわち,
UOl J(T) =¾tr[(Z1—Q1)'(Z1 ‑Qi)]
Ull h(T) =tr[A.(T'T‑1)]
とし, A を
(n1Xn1)次のラグランジュの未定定数からなる行列として,
UOl
式と
Ull式のような
Tの二種の関数を考え,この和を
Tの各要素で偏微分して,
皿 十
Bh(T)aT aT =0
とおく,すなわち,
⑫
f(T)=—N tr{(Z1-Y1T)'(Z1-Y1T)}=—N tr(Z1'Z1-Z11Y1T-T1Y1'Z1 + T1Y1'Y1T)
=tr(Ru ‑R1y1 T‑T'R1y/ + 1) =2n1 ‑2tr(R1y1 T)
と整理できるので,
U3l
躯四十
Bh(T)aT aT = ‑2R1y/ + T(A.+A.') =0
となり,ここで,
A.+A.'=2Lとおくと,
Lは対称行列であり,
閥
R1y/=TLであるので,この閥式の両辺にそれぞれの転置を左からかけると,
U5l R R'=LT'TL=L2 IY1 IY1
となるから,
U 6 )
L= {R1y1R1y/} 2と表現でき,求める
Tは , 0 . 7 )
T=R'L‑1=R 1
ハ
,,,'{R1,,R,,,'} 1 2によって計算可能となる。上の聞式で,
R1y,とは,名と主成分得点
Y1との相関行列である。
すなわち,
1 1
U 8 l
R1y, =—N
Z1'Y1=—N
Z1'Z1P.戸 = 瓜P4 ―す
=P4P'P.パ
=P4t=Aとなり,この A は所謂主成分因子負荷量である。したがって求める T は ,
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2号
U 9 l
すなわち
(20)‑.!. I 1 1 1 1 1 1
T=A'(AA') 2 =4
す
P'(P4むf
2P')―す
=42P(P4P)―
2=4す
P'P4―刃
P'=P' Tは
Ruの右基本直交正規行列
・P'そのものであることが判明する。
‑ . . ! . .
Q1 = Y1 T=Z1P4 2 T=Z1P4
―
TJ"=Z,R11ー百
したがって
と表記できる。ここでこの
QIの自己相関は,
‑.!.
RQ,Q,=—Q1'Q1=-R11 2z1'Z1R11 2=Ru 2RuRu 2=/
N N
となり
QIも標準合成変量の形となっていることが再確認される。ゆえに
Z1とこの直交化近似 変量
QIとの相関行列
R1Q,は
‑.!. ‑.!. 1
瓜 = 上
Z1'Z1R11 2 =R11R11 2 =R112 N!2U
(23)
となる。
(3)
半相関行列と半相関逆行列
I
この
(23)式の
R1戸は,標準得点
Z1と , その直交化近似標準変量
QIこの相関行列は,名と
QIのように異なる変量間同 士の相関行列であるから,一見非対称に思われるが,その実,対称行列となることは興味深いこ れを 半相関行列 とよぶことにしよう。
との相関行列であり,
ことである。
この半相関行列
R112は,その従積率も主積率も,もとの相関行列
Ruに復元される
(R店)
'(R1戸)=的,
(R点)
(R店 )
'=Ruという関係が容易に理解できるので,この行列の各行または各列の二乗和は
1となる。そして対 角項は,対応する
Z1と
QIとの相関であるから,
変量が得られていることを意味し,その時は,該当行または列の非対角項は
0に近くなることを 意味している。これと反対に,対角項が
1より小さくなるに従って,その行またはその列の非対 角項の絶対値は大きくなることを意味し,変量間の非独立性が大きくなることが読み取れる。
‑.!.
次に,
(20)式と
(21)式から,
Ru2は名に対する直交化標準重み行列の一つと考えることができ
(20)式がその事実を自明的に物語っているからである。
この値が
1に近いほど, より良き直交化近似
る。なんとなれば,
‑.!.
Ru 2
を 半相関逆行列 と呼ぶことにしよう。そして(
20)式は,
Z1の代りに,その 影武者
̲ . ! ̲
的な直交化近似標準変量
QIを用いると,
Ru2という一種の変換行列がそれに右から関わって そこで, このような
ど ,
くるものと解釈することにすれば,実質科学的な解釈が容易になるといえよう。
この半相関逆行列の対角項は,もとの変量間の独立性が高いほど
1に近づき,独立性が低いほ
̲ . . ! ̲
1
より大きな値を取ることになる。このように,
Ruzゃ
Rn 2の各項の内部をのぞきこむ ことによって,変量間の様子をよみとることができる。
(4)
直交化近似変量の自他領域標準合成変量の構造ペクトルと直交化寄与率ペクトル
そこでこの直交化近似変量
QIと,第一領域
(Z1)よりの標準合成変量
f1との相関ベクトル
を自己領域直交化構造ベクトルと呼び,
(23)
交叉相面的多変量解析における直交化寄与率ベクトル(辻岡)
1
‑ . ! .
知,=紗
'f1=‑R11 2Z/Z1w11=R11―刀瓜
w11=R詑
WuN
である。一方,第一領域のもとの変量
Z1とその自己領域よりの標準合成変量
f1との相関(構
1 Z/f1 1造)ベクトル
auは ,
(4)式のように
au=‑ =—Z1'Z1W11 =R11W11であったから,
TQ,t,=N N
(Ru合•R11)W11 と解することができる。すなわち Z1 の代りに Ql を用いることによって半逆 行列
R―す左からが掛かると考えられる。したがって
{24) TQ
ふ
1TQ,t,=W111 R2Rす
W11=W11'R11W11=lであるから,
TQふの要素の二乗和は
1となる。そこでこの
TQふの各要素の二乗からなるベク トルを“直交化寄与率ベクトル•
Cu (2)と呼ぶことにすると
(25) 1,.,'c11 <2> =rQ
必
1TQ,t,=lとなる。一方,
Qlと他領域である第
2領域
(Z2)よりの標準合成変量
f2との相関ベクトルは他 領域直交化構造ベクトルとよび,
(26) TQ,t,
=上
Q1'f2=l.R11一切Z2四 =Ru合杓
W22N N
で ,
W22は名に対する標準重みベクトルとする。ここで
Z1の代りに
Qlが関わることにより,
半逆行列が
R12W22に関わってくると解釈できる。そこで
TQ,t,の各要素の二乗を要素とするべ クトルを
C12(2)とすると
(27) 1,.,'C12 CZ)= r
邸
1TQ,t2=Wzz'R21糾―す凡―す瓦
W22=W22R21RuーlR12巫2=a12'R11
→
a12となる。なんとなれば罰式最右辺中の
a12を,第
1領 域 名 と 第
2領域よりの標準合成変量
f2と の構造(相関)ベクトルとすると
(28) a12 =‑Z1'f2
=―
Z1'Z2妬
2=R呼
22N N
であるからである。そこで岡式を再現すると罰式の右辺はスカラーで 閾
ln,'C12<2>=rQ,1.'rQ,12=(W22'R21R11 2)(Ru 2R12妬
2)ー.!.
‑ . ! .
=Ca12'R11 2)l(R11 2a12) =A2
となり, こ の だ は 第
1領域の変量空間における第
2領域よりの標準合成変量同士の決定係数を 与えるものである。後述の具体例で判明するとおり,重相関分析においてはこの入
2は重決定係 数を正準相関分析においては正準決定係数(正準相関係数の二乗)を,交叉相面的確認的因子分 析では対応因子得点間の決定係数を与えるものである。そして(
29)式の表記では,直交化近似変量
Qlの姿は潜在化してしまっていることは甚だ興味深いところである。この
C11C2>と
C12C2)と対称的 に
C22C2lと
C21(2)をも定義することができる。すなわち(
20)式にょる
Qlと対称的に
'Q2=Z2R四•一上
2であるから
(30) r
も , . = ‑ N
1Q 出=ー N
1 R22 2‑ . ! .
Z2'Z:仰
22=R22 2R22W22=R‑ . ! . 記
W22関西大学『社会学部紀要』第
12巻第
2号
となる。ここで
Qzは第
2領域
Z2の直交化近似変量, f2は第
2領域よりの標準合成変量である。
したがって(
25)式に対応する公式は,
1 1
(31) ln2'C22 (2) =rQ
山
'rも
12=W22'R記
R記
W22=W22'R22W22 = 1である。また,この
Qzと領域 Z1よりの標準合成変量f1との相関ベクトルを rむ
I,とすると,1 ‑..!.
(32)
rも1,=—Q2'f1
=—R22 2 Z2'Z1W11 =R22 2 R21W11N N
で,この
rも
I,の各要素の二乗を要素とするベクトルを
C21(2)とすると
(33) ‑ ‑1
ln/Cz1 CZ) =rQ
ふ
'rQ,f,=w11'R12R22 2 R22 2 R21W11 =W111 R12R22‑1R21W11であるが,
(33)式最右側の式中の
R21W11は,
U21す な わ ち 名 の
f1に対する構造ベクトルである。なんとなれば,
(34) U21 =‑Z2'f1
N
=—Z2'Z1W11 =R21W11N である。故に
(33)式を再現すると
(35) 1.2'c21<2l=rQ
ふ
'rも
11=Cw11'R12R22万 CR22-½ 凡
Wu)=(U21'R22 2)l(R22 2
仰 ) = 炉
で岡式と対称的にこの式は,第
2領域における第
1領域よりの標準合成変量の決定係数を与える ものである。この
(35)式を再度元の変量に書きかえると,
( 3 6 )
ln,'C21 CZ)=( ―Z
2'f1)'(―Z
2'Z:炉(一名'
f1)=‑f1'Z2(Z2'Z,炉
Z2'f1N N N N
で,名(
Z2'Z2)‑1Z21は名空間の射影子であり,左辺のスカラーは f1同志のこの射影空間における決定係数を意味している。同様に先の
(21)式は,第
1領域の射影空間における第
2領域よりの 標準合成変量
f2の決定係数(狂)を与えるものであり,このだは先の炉に等しいことが理解できる。
さてこのように,自己領域に対しては
1の,他領域に対しては決定係数に等しい潜在的直交標 準変量による直和型の寄与率ベクトルが求められたので,多量解析法において,従来頻用されて きた標準重みベクトル,構造ベクトルに加えて,これを利用し,実質科学的な解釈にこれを用い ることを提案したい。そのため,①重相関分析,③正準相関分析,③交叉相面的確認的因子分析 の諸方法において,これらの諸関係の定式の特定化を計ってみたいと考えるのである。この構想 に準拠すれば,従来の重相関分析や正準相関分析さらには最近においては筆者らの開発した交叉 相面的因子分析がよりよく統一的に理解することが可能となり,実質科学的解釈や利用が一段と 容易になると考えられる。
〔 本 法 の 適 用 〕 (1) 重相関分析への適用
重相関分析では
Fig.1のように第
1領域には唯一個の基準変量 Z1 があり第
2領域には妬個
交叉相面的多変量解析における寵交化寄与率ベクトル(辻岡)
の予測変量群名があると見倣すことができる。基準変量が規準化された
Z1であるときは,第 一領域よりの標準合成変量
f1は ,
Z1ベクトルそのもの であると見倣すことができる。すなわち,
変量 一
基準
準量 基変 予測変量
r12
ー わ
予測変量
R22
Fig.1
重相関分析における超相関行列
( 3 7 )
f戸 名
W11=Z1•l(38) Wu =1
(スカラー) となり,
この
W11は,スカラーの
1なる特殊な標準重みベクト ルとなっている。
一方
f2すなわち予測変量群よりの標準合成変量は,
f2=Z2
四 で , 基 準 変 量
z,との相関は年で,
1 1
(39) a12 =‑zi'f:
N 戸 一 名 N
I z.知
22=r12W22で,これもスカラーである。一方,
(40) ll21
= 炉
'f1=炉
/z畑
11=r21W11 =r21• 1 =r21で,これはベクトルである。ところで,重相関分析とは,基準変量
Z1と予測変量(名)よりの 合成変量
f2との相関
a12を最大化する方法であるから,
W22'R22W22= 1の制約条件下で
a12を 最大化する目的関数
/(W22)は ,
Aをラグランジュの未定定数とすると,
, l
(41) f(Wzz)
= 圧
Wzz‑‑(Wzz'R22W22‑l) 2となり,これを叫
2の各要素で偏微分して
0とおくと,
(42) af(w22)
8Wzz =r21―,lR22
妬
2=0となる。したがって,
(43) W22=‑R22‑1r21
入
となる。そこでこの
Aを求めるため,先の
(42)式の左より
W2z'をかけて整理すると,
(44) W2z'r21 =AW22'R22W22
となり,
W22'R呼
22=1であるから,
(45) =W22 T21
となる。したがって,この
(45)式に先の
(43)式を代入すると,
(46) A= (TR22‑1r21)'r21 =Tr12R22‑1r21
となるから,
(41)
炉
=r12R22‑1r21となり
((35)式参照),
(48) A=i/r12R22‑1r21
関西大学『社会学部紀要」第
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2号
となる。したがって,求める
W22は ,
(49) W22=i /
R22‑1r21 r,2R22‑1r21であり,この
W22は
f2のための予測変量
Z2・に対する標準重みベクトルとよばれる。一方,
Z2の
f2に対する構造ベクトル
a22は ,
(50) a22
=—Z出=—Z2'Z2W22=R呼22=
R22R22‑1r21=
r21N N 万 訊 戸 元 i /
r12R22‑1r21=午
によって与えられる。したがって,
(40)式と
(50)式より
(51) a21 =r21 =Aa22であり,
(52) ,iz =a21'R22‑1a21 =r21'R22‑1r21 =A(a22'R22‑1a22),l =A• l•A ((35)
式参照)
という関係が再確認できる。このように目的関数の偏微分解さえ導入すれば求めんとする標準重 みベクトルが求まり,前節の一般理論の特殊解として重相関分析を統一的に理解することが可能
̲ ̲!̲
となる。そしてこの場合の直和型の寄与率ベクト)レ
C21(2lは
(R22 z和)の各要素の二乗によっ て示され,予測変量の中のいかなる変数が重決定係数炉に対していかに寄与しているかを直和 的にとらえることができるのである。そしてその場合潜在的な仮想の直交化近似標準変量
(Q2)が潜在的媒介変数として機能しているものと考えれば実質料学的な解釈が容易となるのである。
(2)
正準相関分析への適用
正準相関分析は
Fig.2のように
n,個の基準変量
z,と 幻 個 の 予 測 変 量
Z2があるとき,
第
1領域
Z1から標準合成変量
f1を,第
2領 域 名 か
枯準変 : 1 t 予測変燿
非準変ハ
m ‑
予測変砒
R11 R12
R21 R22
Fig. 2
正準相関分析における超相関行列
ら標準合成変量
f2を導き, この両者の相関を最大化 しようとする方法である。
ここで,
f1=Z1町,
f2=Z2四 で ,
(53) C12=与 仇 = 上砥
1'Zi'Z2W22N N
=W11'R12W22
であり,この
C12を最大化するものである。ところで
W11, Wzzは標準重みベクトルであるから,
(54) {W11'R11W11=1 W22'R22W22 = 1
を制約条件として,
(53)式の
C12の最大目的関数
/Cw11,W22)は ,
..l,μをラグランジュの未定乗数 とすると,
(55) /(wu, W22) =Wu'R
呼
22―的(wu'R曲
u‑1)号
(W22'R呼
22‑l)で,これをそれぞれ
Wu,W22の各要素で偏微分して
0とおく。すなわち,その解は
2つあり,
(56)
紆
(W11,W22)awn =R12W22‑.:!R11W11 = O
交叉相面的多変量解析における直交化寄与率ベクトル(辻岡)
(57) af(w11, W22)
8W22 =R21巫,‑μR22W22=0
ここで(
56)式に左から
Wu'を掛けて整理すると,
(58) Wu'R12W22=A Wu'RuWu=A
となり,また罰式に左から
W22'をかけて整理すると,
(59) W22'R21Wu =μW22'R22W22=μ
となるが'
(59)式は(
58)式の転置で,しかも共にスカラーであるから,
(60) A=μ
となる。したがって
'(57)式 か ら 妬
2を求めてμ のかわりに
iとして,これを(56)式に代入すると,
(6D W22=‑R22‑1R21Wu A
で ,
(62) R12C‑R22‑1R21A 1
町)
=ARuWn両辺に
iをかけて,(63) R12R22‑1R21W11
=炉
Ru巫I両辺に
R1戸をかけると,
(64) (Ru ‑i R12R22—I R21) Wu= i2wu
を得, (64)式は求める Wu が非対称正方行列 Ru—1R12R22—IR21 の固有ベクトルであり,固有値は
i2であることを示している。この固有ベクトルは
Rn,R22がともに正則であれば,
n1個 と 約 個の少ない方の数だけ求まり,固有値も大きい順にその数だけ求まるから,第一番目の大きい固 . . . .
有値の平方根
nを第一正準相関係数とよび,そのときの対をなす標準合成変量を第一正準変 量とよび,以下順に第 i 番目のものを第 i 正準相関係数,第 i 正準変量とよんでいる。
次に
f2を求めるための標準重みベクトル妬
2は
W11と対称的に,
(65)
(R22—1R21Ru-1R12)W22= 炉W22
の固有分解によって求められる。しかし,ここでは省略するが算法としては約と幻のうちの小 さい方の標準重みベクトルから,しかも
(64)式または(
65)式によらず算法的にはより便利な方法で,
これを求め,それを他方の関係式 C ( 6 D 式またはそれに対称な式)に代入して求めることになって いる。そこでこのような求めんとするところの
;Wuと 佃
22のいくつかの組が求まったときは,
ふ
=Zliwn,;f=Z2iw22であるから,
(66) A
戸
;Wu'R12氾
'22により第
i正準相関係数を求めることができる。このとき,これらの対をなす正準変量(標準合
成 変 量 ) ふ と ふ の
z,および名に対する構造ベクトルは次のように求めることができる。
凡
Z1 au a12
Z2 a21 a22
Fig.3
正準相関分析における
4種の構造ベクトル
関西大学『社会学部紀要』第
12巻第
2号
ただし,式を簡約するため第
i番目という意味の添字は今後は省 略することにする。ここで
auはz,の
f1に対する構造ベク ト ル ,
a2,は 名 の f,に対する, a,2は 名 の f2に対する, a22は 名 の
f2に対するそれぞれの構造ベクトルとする。従来の正準相関分析では,
allと
a22のみが求められ, a21と
a12は見捨てられて来たが,筆者は正準相関分析においても因子分析のよう に,すべての変量に対する構造ベクトルを求め,後述のようにこ れを幾何学的に表示することによって,実質料学的な解釈がより 実のあるものとなると考えている。さて,
iの添字をはずしたそ れぞれの構造ベクトルは下のように表現できる。
(67) au=―
N
Z11f1 =‑Z1'Z1wu = RN 西
1 (68) a21 =‑Z:N れ=ー名 N
'Z1Wu=R呼
ll(69) a12=‑Z1'f2 =‑Z1'Z:
仰
22=R呼
22N N
閥
a22=― N
1 Z出 = ― N
Z2'Z2叩
= R呼
22このうち(
68)式の
a21は第2領域の
Z2と第
1領域よりの正準変量
f1との相関ベクトルであり,先の重相関分析における第一領域よりの標準合成変量
f1すなわち Z1 (ベクトル)と第二領域の 変量
Z2との相関ベクトル
r21に相当している。したがった
(47)式を想起すれば正準決定係数炉 は ,
仰炉 =a21'R22—la21
であることが容易に類推できる
0 (35)式の一般理論においてもこのことはすでに証明済みである。
もっとも正準相関分析では,勁1
,W22は任意のものではなく,先の
(64)式または(
65)式の解によって 求めたものであるということである。この炉はまた
f 1 2 )
l2 =a12'Ru—ta12によっても求まり,同じ値を与えるものである。そこで
C21(2),C12<2>と表記する寄与率ベクトル
‑..!.
を考え,
C21(2)の各要素は R22 2a21の各要素の二乗とすると,‑..!. ‑..!. ‑‑ ‑‑
(73) 1 ..'c21<2>=(R22 2a21)'CR22 2a21)=a21'R22 2R22
国 = 炉 で図式を途中まで再現すると,
閥 1 1
‑..!. ‑..!.rQ.t,=
呼
'f1=‑R22 2ZlZ1wn =R22 2N R211Dn =R22-½a21であるから,この正準決定係数
l2をC21(2)の各要素の二乗和の形に分解できることを意味している。一方,
(24)式と
(25)式より,
1 1
f 1 5 )
1.,'cn <2> =r Qふ
'rQ,t,= (R11 21Du)'(Ru 21Du) =Wu'Ru 2Ru 21Du =1交叉相面的多変量解析における直交化寄与率ベクトル(辻岡)
であり, rQ ふの要素の二乗からなる
Cu(2)により,
Z1の
f1への直和型の寄与を知ることがで
' 1
Z1 c11 (2)
Total 1
Z2 c2l21 !
Total 入2
'2
c1(22 J
入2
c2r22 1
1
きる。これと全く対称的に
C12(2)と
C22<2>により
f2に対する寄 与率を求めることができる。
このような 4種の寄与率ベクトルによって,正準決定係数の 内容を知り,その上,従来の
2種の構造ベクトル
a uと
a22に加 えて
a21と
a12および
Wu, W22によって基準変量と予測変量の 実質料学的な解釈が求められるのである。その上さらに先に提案 した通り,因子分析と同じように
Z1と
Z2双方の正準変量対と 同数
(2倍)の因子軸のプロットを幾何学的に求めるのである。
この場合,正準変量間の相関行列
Cil;t,閥式のように有意な
Fig.4正準相関分析における 正準相関を
Kとすると (2kX2k)次で対をなす対応因子間のみ
4種の寄与率ベクトル
A; で他の因子とは自己領域間においても他領域間においても独立である。
(16) Ci=[ I!A
・
・ x・
「
:r]いま因子分析では因子構造ベクトルではなく準拠構造ベクトル値の座標をプロットすることが よく行われるから,構造ベクトルを準拠ベクトルに変換すると,この準拠構造ベクトル
Yr,は ,
同
Vr,=V1,C1― ID
となる。ここで
V1,は,因子構造行列,
Dは対角行列で,
‑ . ! . 閥
D ={diagl".戸}
2である。ところで正準相関分析における
c,の逆行列は,
閥
c, ―'=[IA AI = 『[(‑IA‑(Al炉 ー
‑A A(l‑Aり ー ' ]
り →
(I‑Aり ー
1で ,
(80) 1‑,42 =K.2
とおくと
K2は
(1ーが)を対角要素とする対角行列で
Kは V 了二序を対角要素とする対角行 列である。
(81) ← [~:
伝岱:]
K 0
で闘式の
Dは ,
≫=[ox]となる。したがって,
(82) V,.=