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エリンギからのリグニン分解酵素抽出とキャラクタ リゼーション

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Academic year: 2022

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(1)エリンギからのリグニン分解酵素抽出とキャラクタ リゼーション 著者 URL. 牧川 靖明 http://hdl.handle.net/10236/13600.

(2) 2014 年度. 修士論文要旨. エリンギからのリグニン分解酵素抽出とキャラクタリゼーション 関西学院大学大学院理工学研究科 化学専攻 山口研究室 牧川 靖明 【序論】リグニンは木材を構成する主成分の一つであり,木材の約 20-30%を占める高分 子である。リグニンはフェニルプロパンを基本単位とする重合体であり,炭素―炭素結 合およびエーテル結合から構成されている。そのため,強く複雑な網目構造を持ち,非 常に難分解性である。そのためリグニンは物理的かつ生物的にも難分解性である。リグ ニンを分解することで芳香環を有する様々な有機合成原料として利用できる可能性があ る。白色腐朽菌は,栄養枯渇化条件においてリグニン分解酵素を分泌し,リグニンを酸 化的に低分子化することが知られている。リ H2O2 グニン分解酵素として知られているのは,リ 2H2O LiP グニンペルオキシダーゼ(LiP),マンガンペル オキシダーゼ(MnP),ヴァーサタイルペルオキ 2VAD H2O VA シダーゼ(VP),ラッカーゼなどである。VP は 2VA Compound3 Compound1 LiP と MnP の両酵素活性を持つリグニン分解 VA VA 酵素である。LiP は組織内に存在する過酸化 2H2O 水素及びベラトリルアルコール(VA)の存在下 においてリグニンを分解し,MnP も過酸化水 素及び Mn2+の存在下でリグニンを分解する ことが知られている。また,VP は両方の酵 素の性質を持つことからどちらの反応機構も とる。LiP の反応機構を図 1,MnP の反応機構 を図 2 に示した。また,リグニン分解酵素は 糖鎖を持つが,現在のところ,本来の糖鎖部 分の構造解析が行われていない。そこで我々 は,まず LiP,MnP,VP などのリグニン分解 酵素が含まれている Pleurotus eryngii(和名: エリンギ)からの糖鎖部分を含めたリグニン. excess 2H2O2. Compound2. 図1 AH2 AH. VA. LiP の反応機構. Mn3+. MnP. H2O2. H2O. Mn2+ Compound2. Mn3+. Compound1. Mn2+. 分解酵素の抽出と精製を目的とし実験を行っ た。 AH2. 図2. AH. MnP の反応機構,AH は電子給与体.

(3) 0.250 0.200 0.150. A310. 【実験】4℃室内でエリンギをリン酸ナトリ ウム緩衝液を用いて破砕し,ろ過を行った。 その後,ろ液に硫酸アンモニウムを加えて硫 安分画を行い,遠心分離を行って沈殿を回収 した。沈殿をリン酸ナトリウム緩衝液で懸濁 し,透析を行った。透析後のエリンギ抽出液 を粗酵素とし,ND-1000 NanoDrop (Scrum 社) を用いて 260 nm 及び 280 nm の吸光度を測定, U-2000 分光光度計(HITACHI 社)を用いて. 0.100 0.050 0.000 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. Time / s 図3. LiP と MnP の活性を測定した。また,各種イ. LiP の吸光度変化のグラフ. 1.230. A270. オン交換樹脂による粗酵素の吸脱着実験を 1.220 行った。 1.210 【結果及び考察】ND-1000 による 260 nm 及 1.200 び 280 nm の吸光度の測定の結果 260 nm の吸 1.190 光度は 14.025, 280 nm の吸光度は 8.453 で 1.180 0 10 20 30 40 50 60 あった。この結果から Warburg と Christian の Time / s 式よりタンパク質量を求めると 2.44 mg/mL 図 4 MnP の吸光度変化のグラフ となった。 LiP の活性測定のグラフを図 3,MnP の活性測定のグラフを図 4 に示した。LiP のグラ フでは吸光度が直線的に上昇しているのがわかる。この結果より LiP の活性があること が確認された。一方,MnP の吸光度は初めに多少上下に変動があるが,全体として直線 的に上昇が観測された。この実験から MnP の活性を確認することができた。また,LiP と MnP において測定物質の分子吸光係数を用いて酵素活性を計算したところ,169.89 U/L,28.47 U/L という数値になった。この結果から LiP の活性が MnP より高いことがわ かった。 表 1 各樹脂の吸脱着実験の吸光度変化 表 1 には精製条件を決定するため,各イ オン交換樹脂における吸着後の LiP 活性 及び MnP 活性の測定結果をまとめた。表 より LiP に関しては陰イオン交換樹脂の DEAE,Q セファロースにおいて吸着され. LiP 活性の 上昇値 MnP 活性の 上昇値. DEAE. Q. CM. SP. 0.006. 0.001. 0.030. 0.028. -0.002. 0.006. 0. 0.001. ていることがわかった。MnP に関しては どの樹脂でも吸着していることが読み取れる。今までの研究から,これら 2 つの酵素は 一緒に行動しているということが確認されているが,今回の結果から我々の使ったエリ ンギの 2 つの酵素は別々の性質を示すということが示唆された。今後,これらの結果を 元に精製条件の検討を行い,リグニン分解酵素の精製を進める予定である。.

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