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拘束 溶接

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅰ‑448. y 形溶接割れ試験に基づく SBHS700 を用いた溶接継手の溶接性の検討 岐阜大学. A-A’ 60°. 200 拘束 溶接. 量化や製作コスト低減など,極めて大きな効果が期. 試験溶接. A. 150. 待できる.しかし,SBHS 鋼の適用は東京ゲートブリ. 拘束 溶接. B. A’. ッジに見られるように予熱フリーを実現可能な 60. SBHS400 や SBHS500 に留まっている.今後,より高 強度の SBHS700 の適用を実現するためには,ネック. 80. 図-1. となっている溶接時の予熱の課題解決を目指した新. t/2 t/2. 鋼橋への橋梁用高降伏点鋼材 SBHS 鋼の適用は軽. B’. B-B’. 60. y 形溶接割れ試験体 表-1. 試験条件. 条件 溶接方法溶接材料 予熱 LB-80UL ●A-1 LB-62UL ■A-2 ▲A-3 SMAW LB-52UL 無 LB-80UL ○B-1 LB-62 □B-2 LB-52 △B-3. たな溶接方法の提案が必要と考える.特に,溶接継 手における予熱の緩和は,鋼橋製作の省エネルギー 化,並びに SBHS700 の使用拡大に繋がることであり, その効果は大きい. この課題に対し,SBHS700 を使用した溶接継手を. t=32mm. 1.はじめに. ○梶田太一,木下幸治. 入熱量 温度,湿度 個数 1.7 kJ/mm. 20度,60%. 2.9 kJ/mm. 28度,50%. 溶接金属 + 0 - 測定ライン. 2 2 2 4 4 4. ボンド部. 対象に,超低水素系溶接材を使用し,かつ軟質溶接 とした溶接継手の溶接性について y 形溶接割れ試験. 1mm. により検討してきている.その結果,予熱なしで,. HAZ. 測定間隔:0.5mm. かつその熱影響部の硬さが Hv ≧350 となった試験. 図-2. 硬さ測定位置. 測定間隔:50μm. 図-3. 粒径測定方法. 体であっても溶接割れは確認されなかった 1). 本研究は,文献 1)の研究に続き,文献 1)で使用し. 市販の溶接棒でφ4.0mm 径である.試験条件を表-1. た溶接材と水素量が異なる溶接材を用い,また,入. に示す.溶接姿勢は下向きで実施した.予熱は無と. 熱量を増加させ,溶接割れが生じやすくした y 形溶. した.割れの観察に用いた 5 横断面の位置は試験溶. 接割れ試験を実施し,溶接割れ発生メカニズムを明. 接部において開先と平行に置かれたビード両端の位. らかにすることを試みた.. 置およびその間を 4 等分した位置とした.割れの観. 2.試験方法. 察面はマクロ試験を実施した.割れが検出された場. y 形溶接割れ試験体の形状を図-1 に示す.試験体. 合,割れた破断面の SEM による観察も実施した.一. は JIS の y 形溶接割れ試験方法(JIS Z 3158-1993)に. 方,入熱量を高くすることで一般的にボンド部から. 準じている.図-1 中のルート間隔 g は 2mm とした.. 熱影響部の組織が粗大化し,靭性が低下することが. 板厚 32mm の SBHS700 を用いた.溶接方法は溶接棒. 知られている.本研究では入熱量を 1.7kJ/mm とした. による被覆アーク溶接(SMAW)とし,表-1 に示す. 文献 1)の試験体 1)の粒径との比較を行うこととした.. ように 6 つの溶接条件で行った.SBHS700 鋼材用の. 平均粒径は鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法 2),3)(JIS G. 溶接材料,すなわち,780MPa 級高張力鋼用の超低水. 0551)に従い測定した.測定方法の詳細を図-2 に示. 素 系 の 溶 接 材 料 と し て , LB-80UL ( JIS. す.ボンド部を直線に近似し,その線に平行な線を. Z3211E7816-N4CM2)を用いた.さらに,軟質継手を. 50μm 間隔で 200μm の直線を引き粒界の交点数か. 採用した場合の溶接性について検討するために,550. ら粒径を測定した.. ~610MPa 級高張力鋼用の溶接材料 LB-62(JIS Z3211. マイクロビッカース試験機を用いてマイクロビッ. E6216-N1M1 ), 490MPa 級 高 張 力 鋼 用 の 溶 接 材 料. カース硬さ試験(JIS Z 2244)に則り硬さを測定した.. LB-52(JIS Z3211 E4916)も用いた.なお,いずれも. 測定箇所は試験ビードスタート側の横断面を図-3 の. キーワード : 連 絡 先 :. 橋梁用高降伏点鋼材,y 形溶接割れ試験,水素脆化,硬さ,粒径 岐阜大学工学部社会基盤工学科 〒501‐1193 岐阜県岐阜市柳戸 1 番地 1. ‑895‑. tel: 058-293-2414.

(2) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅰ‑448. 硬さ H V (9.8N). 500 Base. ○. 400. HAZ. Depo. HAZ. Base. 300 200 Base. ●. 100. HAZ Depo. ●LB80UL 1.7kJ/mm. 0. HAZ. Base. ○LB80UL 2.9kJ/mm. -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 距離 (mm). 4. 6. 8 10 12. 100μm. (a)○B-1(LB80UL 2.9kJ/mm) 溶接金属中央破断面. (a)●A-1(LB80UL1.7kJ/mm)○B-1(LB80UL2.9kJ/mm) 500. 硬さ H V (9.8N). Depo HAZ. HAZ. Base. □. Base. 400 300 200 Base. ■. 100. HAZ. Depo HAZ. ■LB62UL 1.7kJ/mm. 0. Base. □LB62 2.9kJ/mm. -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 距離 (mm). 4. 6. 8. 100μm. 10 12. (b)△B-3(LB52 1.7kJ/mm) ボンド部破断面. (b)■A-2(LB62UL1.7kJ/mm)□B-2(LB62 2.9kJ/mm). 図-6. 500. △. 硬さ HV (9.8N). 400. Base. HAZ. Depo. HAZ. Base. 破断面のSEM観測結果. 測定結果を示す.入熱量の増加に伴い粒径が粗大化す ることが確認されたが,溶接材料の違いによる変化は. 300. 確認されなかった.図-6に溶接割れが確認された試験. 200. 体の破断面を示す.溶接条件の違いにより割れの発生 Base. ▲. 100. HAZ. Depo. ▲LB52UL 1.7kJ/mm. 0. HAZ. Base. 箇所が異なることが確認された.表-1に示す試験条件. △LB52 2.9kJ/mm. -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 距離 (mm). 4. 6. ○B-1では溶接金属部中央,□B-2及び△B-3ではボンド. 8 10 12. 部で割れが確認された.両破断面をSEM観察したもの を図-6に示す.溶接金属部中央とボンド部で割れた破. (c)▲A-3(LB52UL1.7kJ/mm)△B-3(LB52 2.9kJ/mm) 図-4 ビッカース硬さ試験結果. (b)で示すように粒界に沿って割れが発生していること. ●A-1(LB80UL 1.7kJ/mm) ■A-2(LB62UL 1.7kJ/mm) ▲A-3(LB52UL 1.7kJ/mm) ○B-1(LB80UL 2.9kJ/mm) □B-2(LB62 2.9kJ/mm) △B-3(LB52 2.9kJ/mm). 120 120 100 100. 粒径(μm). 断面の様相は異なり,ボンド部で割れた破断面は図-6. 8080. 6060. がわかった.これは粒界破壊の脆性破面の特徴であり, 水素脆性による遅れ破壊破面に多く観測される破面 4) とよく類似している.よって,ボンド部で生じた割れ. 4040. は水素に強く起因した割れであることが言え,軟質継. 2020. 手を採用したことで溶接時の拘束応力の低減が可能と. 00. 0. 0. 200. 200. 400. 400. 600. 600. 800. 800. 1000. 1200. 1000 1200. なったが,溶接材料中の水素量が比較的多かったため,. 1400. 1400. 水素に起因した割れが発生したと考えられる.. ボンド部からの距離(μm). 図-5. 粒径計測結果. 参考文献. 要領にて計測した.. 1) 木下幸治,荒川慎平:超低水素系溶接材を用いた橋梁用高降伏点鋼材. 3.試験結果と考察. SBHS700 溶接継手部の溶接性,鋼構造年次論文報告集,第 20 巻,2012.. 2) JIS. 図-4に硬さ試験結果を示す.計測結果の中にはHv ≧. G 0551(ISO 643) : 鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法,日本規格協会,2013. 3). 400以上となる結果も見られたが,全体的に入熱量の違. E.E.Underwood,”Quantitative Metallography,” ASM Eng.Quart., 1,(3),70,1961. 4). いによる硬さの変化は確認されなかった.図-5に粒径. 藤木榮:100 事例でわかる機械部品の疲労破壊・破断面の見方,2002.. ‑896‑.

(3)

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