ヒドロメタル化を鍵とする原子効率型触媒反応に関
する研究
著者
大村 倉平
内容記述
学位授与大学: Osaka Prefecture University(大阪
府立大学), 学位の種類: 博士(理学), 学位記番号:
論理第80号, 学位授与年月日: 2008-07-31, 指導教
員: 柳 日馨.
ヒドロメタル化を鍵とする原子効率型触媒反応に関する研究
ヒドロメタル化を鍵とする原子効率型触媒反応に関する研究
ヒドロメタル化を鍵とする原子効率型触媒反応に関する研究
ヒドロメタル化を鍵とする原子効率型触媒反応に関する研究
Studies on Atom-Economic Catalytic Reaction Including
Hydrometalation as a Key Step
大村
大村
大村
大村
倉平
倉平
倉平
倉平
SOHEI OMURA
大阪府立大学
大阪府立大学
大阪府立大学
大阪府立大学大学院
大学院
大学院
大学院
理学系研究科
理学系研究科
理学系研究科
理学系研究科
Graduate School of Science
Osaka Prefecture University
i
目次
目次
目次
目次
総論 ………...………. 1 引用文献 ………. 7 本論 ……….... 9 第 1 章 ルテニウムヒドリド触媒を用いるアルデヒドとジエンとの カップリング反応 ………... 9 第 1 節 ルテニウムヒドリドを触媒とするアルデヒドとイソプレン とのカップリング反応 ………... 11 第 2 節 ルテニウムヒドリド触媒による置換ジエン類とアルデヒド とのカップリング反応 ……….……….……… 17 第 3 節 反応機構の考察 .………. 21 第 4 節 結論 ….………. 32 実験の部 ……….………... 33 引用文献 ………... 43 第 2 章 ジアルデヒドおよびケトアルデヒドのラクトン化反応 ……….. 45 第 1 節 ルテニウムヒドリド触媒によるジアルデヒドの ラクトン化反応 ………...… 46 第 2 節 ルテニウムヒドリド触媒を用いるケトアルデヒドの ラクトン化反応 ……….. 52
ii 第 3 節 反応機構の考察 ………...………... 54 第 4 節 結論 ………...………... 57 実験の部 …………..……….……… 58 引用文献 ……….……….…. 62 第 3 章 ルテニウムヒドリド触媒を用いるジアルデヒドの カスケード型反応 ..………... 65 第 1 節 エノンとジアルデヒドのカップリング反応 ……….……….. 66 第 2 節 ジエンとジアルデヒドのカップリング反応. ………..… 71 第 3 節 その他のカップリング反応の検討 ……….. 72 第 4 節 結論 ……….. 79 実験の部 .……….. 80 引用文献 .……….. 86 結論 ……….. 87 論文リスト ……….. 89 謝辞 ……….. 90
1
総論
有機合成化学の研究において、ターゲット化合物の主骨格の形成あるいは側鎖 の官能基変換をどのように効率的に、そして収率良く行うかということは普遍的 な課題である。その鍵を握るのは素反応のポテンシャルであり、合成化学者にと ってそのような力量のある結合形成反応や官能基変換反応を開発することは重要 な研究テーマの一つである。遷移金属ヒドリド錯体は、広範な化学量論反応や触 媒反応に有用であることから有機合成化学において有用な錯体の一つである。中 でも、著者の研究室ではこれまでルテニウムヒドリド錯体に注目して研究を行っ てきた。ルテニウムヒドリド錯体を用いる触媒反応は、不飽和結合の異性化反応 やアルドール型カップリング反応、触媒的水素移動反応、C-H 活性化など有機合 成において重要な官能基変換や炭素-炭素結合の形成を行うことができる1)。この ため多くの研究者がルテニウムヒドリド錯体に注目しており、近年その研究は活 発に行われ新しい反応が見出されてきている。 炭素-炭素二重結合の異性化反応は、遷移金属反応の中でも最もよく知られた反 応の一つである。この二重結合の異性化反応は、ルテニウムヒドリド錯体の特徴 的な反応の一つに挙げられる。 Ikawa らは、RuH2(PPh3)4触媒がアリルエーテルや環状アリルエーテルの二重結 合の異性化を触媒して、対応するエノールエーテルが得られることを報告してい る2)。 また、Backer らは RuHCl(PPh 3)3を用いてアリルアミンを異性化させるこ とでエナミンが得られることを報告している3) 。Mori らは、シリルエーテル基を 有するα, β‐不飽和エーテルが、RuHCl(CO)(PPH3)3によって対応するシリルエノ ールエーテルを与えることを見出している4)。これらの異性化反応のメカニズム は、二重結合へのヒドロメタレーションと続くβ−水素脱離により進行すると考え られている。また、これらの異性化反応の特徴を利用して二級の不飽和アルコー ルをケトンへ変換する報告がある。Bartok らは、RuH2(PPh3)4を用いてアリルアル コールを異性化してケトンが得られることを報告している (eq. 1) 5)。同様に Rempel らも RuHCl(PPh3)3触媒により対応するケトンが得られることを報告して いる (eq. 2) 6)。一方、著者の研究室では、RuHCl(CO)(PPh 3)3錯体を用いて一級の 不飽和アルコールからアルデヒドを経由して、α-ヒドロキシメチルケトンが得2 られることを見出している (eq. 3) 7)。 OH O OH OH O OH O 2 mol% RuHCl(PPh3)3 79 % (eq. 2) 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 C6H6, reflux, 13 h 58 % (eq. 3) 0.1 mol% RuH2(PPh3)4 neat, , 5 min 110 ℃ quant. (eq. 1) neat, , 1 h 110 ℃ また、ルテニウムヒドリド触媒はアルドール型のカップリング反応にも有用で ある。Matsuda らは、RuH2(PPh3)4を用いてα, β-不飽和ケトンとアルデヒドとのク ロスカップリング反応により、Baylis-Hillman 型の生成物が得られることを報告し ている (eq. 4) 8)。Li らは、RuCl
2(PPh3)3を触媒に用いて二級の不飽和アルコール から二重結合の異性化反応と続くアルデヒドとのアルドール型の反応により、β-ケトアルコール体が得られることを報告している (eq. 5) 9) 。 H O O OH O OH Ph OH O H Ph O 0.5 mol% RuH2(PPh3)4 neat, , 40 h 40 ℃ 80 % (eq. 4) + 3 mol% RuCl2(PPh3)3 H2O/toluene (4/1), 76 % (syn/anti =73/27) (eq. 5) + 110 ℃, 5 h 一方、著者の研究室では、RuHCl(CO)(PPh3)3を触媒に用いて種々のエノンとア ルデヒドからα位にアルキル基を持つ 1, 3-ジケトンの効率的な合成法を報告して いる (eq. 6, 7) 10)。 O H O + O O 76 % 10 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 C6H6, reflux, 5 h (eq. 6)
3 H O O O 92 % O + 10 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 C6H6, reflux, 5 h (eq. 7) 先に示したように、第一級の不飽和アルコールから二量化反応が進行してヒド ロキシメチルケトンが得られるが (eq. 3)7)、この反応のメカニズムは以下のよう に推定されている (Scheme 1)。第一級の不飽和アルコールの二重結合がルテニウ ムヒドリド触媒により異性化し、アリルアルコール A を経由してアルデヒド B が 生成する。一方、アルコール A から B への移動型水素化還元が起こり、不飽和ア ルデヒド C が生成する。この C へのヒドロメタル化によりルテニウムエノラート D が生成し、B とのカップリングと続くβ-水素脱離によりアルコキシルテニウム 錯体 E を経由してケトアルデヒド F が生成する。続いて、アルコール A から F への移動型水素化還元が起こり、目的物が生成するものと推定している。 Scheme 1 RuHCl(CO)(PPh3)3 [Ru]-H H O O [Ru] F - [Ru]-H D A OH [Ru] H H O O H O - [Ru]-H OH OH C H O [Ru]-H [Ru]-H E O [Ru] B [Ru]-H A O H OH isomerization β-elimi-nation aldol n-C6H13OH また、上に示した 1, 3-ジケトンの合成法 (eq. 6, 7)では、ルテニウムヒドリドが エノンに付加してルテニウムエノラートが生成し、続いてアルデヒドと反応して アルコキシルテニウム中間体を経て、β-水素脱離により 1, 3-ジケトンが生成する 機構を推定している (Scheme 2)。
4 Scheme 2 O [Ru] Ph O O [Ru]-H -[Ru]-H [Ru] hydroruthenation -elimination β O O O H O + PhCHO RuHCl(CO)(PPh3)3 これらの例では、いずれも、ルテニウムヒドリド錯体がα, β-不飽和カルボニル 化合物にヒドロメタル化することで生成するルテニウムエノラートが鍵中間体と なっている。そこで著者は、これらルテニウムヒドリド錯体が、ジエンやアルデ ヒドなどの炭素-炭素二重結合や炭素-酸素二重結合に付加して活性種が生成すれ ば、これらを鍵中間体とする新規な触媒合成反応が可能ではないかと考えた。ま た、このような方法論に基づき新規反応が開発できれば、ルテニウムヒドリド触 媒を用いる合成化学に新しい反応形式を提案できるものと考えられる。 第一章では、ジエンとルテニウムヒドリドとの反応ではπ-アリルルテニウム錯 体が生成し、これを中間体とする新しい反応が可能ではないかと考え本研究を行 なった。その結果、RuHCl(CO)(PPh3)3触媒存在下にジエンとアルデヒドを反応さ せるとβ, γ-不飽和ケトンが生成することを見出すと共に、その適用範囲を明らか にした。また、その反応機構は、NMR 実験とクロスオーバー実験によりπ-アリル ルテニウム錯体の生成と、続くアルデヒドとのアルドール型反応を鍵として進行 していることを確認した。また、この反応はルテニウムヒドリド錯体が炭素-炭素 二重結合へ付加し、生成した炭素-ルテニウム種がアルデヒドと反応して新しい炭 素-炭素結合を形成する反応であるが (Scheme 3、eq. 8)、ルテニウムヒドリドが炭 素-炭素二重結合の代わりにカルボニル基の炭素-酸素二重結合へ付加すれば、ア ルコキシルテニウム種が生成し、その活性種が反応に利用できれば、新しい C-O 結合形成反応が可能ではないかと考えた (Scheme 3、eq. 9)。
5 Scheme 3 [Ru]-H H [Ru] C-C bond formation H R' O H R' O O [Ru]-H H [Ru] H R' O O H R' O
C-O bond formation O R R R R R R (eq. 8) (eq. 9) 二分子のアルデヒドからエステルを合成する反応として Tishchenko 反応が知ら れている (eq. 10) 11), 12)。金属触媒を用いた例としてアルミニウム触媒12), 13)やルテ ニウム触媒14)、ロジウム触媒15), 16)、イリジウム触媒17)などが用いられている。し かし、これまでルテニウムヒドリド触媒を用いた分子内環化反応は実施されてい なかった。 R O R O
2 RCHO Catalyst (eq. 10)
第 2 章では、ルテニウムヒドリド触媒によるジアルデヒドのラクトン化反応に ついて述べる。本反応システムは、ルテニウムヒドリド触媒によるジアルデヒド の分子内酸化還元反応である。この反応は芳香族アルデヒドだけでなく脂肪族ア ルデヒドにも適用できる。さらに本反応は、ケトアルデヒドを基質に用いても置 換ラクトンを得ることができる。また、ルテニウムアルコキシドを鍵とする反応 機構について考察した。 第 3 章では、ルテニウムヒドリド触媒を用いるクロスカップリング反応とラク トン化反応を組み合わせたカスケード型反応の研究について述べる。エノンとジ アルデヒドをルテニウムヒドリド触媒存在下に反応を行うと、ジアルデヒドとの クロスカップリング反応が分子内ラクトン化反応を伴って進行することを見出し た。また、本反応はジエンにも適用できることも明らかとした。さらに、ルテニ
6
ウムヒドリド錯体を触媒とする各種の新規カップリング反応に関する検討も行っ たので、その結果と考察についても述べる。
7 引用文献
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9
本論
第 1 章 ルテニウムヒドリド触媒を用いるアルデヒドとジエンとのカップ リング反応 遷移金属錯体を触媒とする炭素-炭素結合形成反応は、有機合成化学において有 用な合成手法である 1)。ルテニウムヒドリド触媒は、その多彩な反応性から合成 反応に広く用いられてきた 2-4) 。近年、著者らの研究室では、RuHCl(CO)(PPh3)3 触媒を用いてアルデヒドの不飽和ケトンへの位置選択的付加反応による 1, 3-ジケ トンの効率的な合成法を開発している (Scheme 1.1、eq. 1) 5, 6)。本反応のメカニズ ムは、まずルテニウムヒドリドのオレフィンへの付加反応が起こり、生成したル テニウムエノラートがアルデヒドと反応し、続くβ-水素脱離によって進行してい るものと考えられている。そこで、このルテニウムヒドリドを基軸とした反応シ ステムを用いて新たな試みを思考した。すなわち、ジエンをエノンの代わりに用 いることで金属ヒドリドが炭素-炭素二重結合へ付加し、続いてアルデヒドと反応 してβ, γ-不飽和ケトンが得られるのではないかと考えた (Scheme 1.1、eq. 2)。 Scheme 1.1 H O + O 10 mol% RuHCl(CO)(PPh 3)3 O O R'' H O + R RuHCl(CO)(PPh3)3 R'' R O ( eq. 1) ( eq. 2) R' R' C6H6, reflux, 5 h 76 % まず、ルテニウムヒドリド触媒によるジエンとアルデヒドとの反応について文 献調査を行ったところ、Kondo、Mitsudo らによる報告例が 1 例のみ見出された7)。10 ジエンと芳香族アルデヒドとのクロスカップリング反応によるβ, γ-不飽和ケトン の合成について報告している (Scheme 1.2、eq. 3-4)。しかし、その先駆的な反応 はジエンを溶媒量使用しており、また、cis-1,3-ペンタジエンでは反応が進行しな いことや脂肪族アルデヒドには適用できないことなど、合成化学上の問題がいく つも含まれている。その反応機構は、アルデヒドの酸化的付加により生成したア シルルテニウムヒドリド種がジエンに付加し、続く還元的脱離により進行すると 考えられている (Scheme 1.3)。このことは著者らが期待する反応機構と異なって おり、緩和な反応条件下、汎用性のある反応に改善できる可能性があると考え本 研究に着手した。また、反応機構の解明も併せて検討した。 Scheme 1.2 + 4 mol% Ru(cod)(cot) /PPh3 O ( eq. 3) H O 120 ℃, 15 h 4.0 mL 5.0 mmol 54 % + 4 mol% Ru(cod)(cot) /PPh3 O ( eq 4) H O 120 ℃, 15 h 4.0 mL 5.0 mmol 60 % (E : Z = 61 : 39) Scheme1.3 [Ru(0)] H-[Ru] Ph O H Ph O [Ru] Ph O O Ph [Ru(0)] なお、著者が本研究を報告したのと同時期に Krische らはルテニウムヒドリド 触媒を用いてジエンと 1 級アルコールまたはアルデヒドとのカップリング反応に よりβ, γ-不飽和アルコールが得られることを報告した (Scheme 1.4)8) 。
11 Scheme 1.4 OH + 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 OH 84 % (dr =2 :1) NO2
2.5 mol% m-NO2BzOH
NO2 2.5 mol% acetone O + 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 OH 82 % (dr =2 :1) 400 mol% i-PrOH THF, 95 °C, 24 h THF, 90 °C, 24 h H 2.5 equiv 20 equiv 5 mol% rac-BINAP 以下、第 1 節では RuHCl(CO)(PPh3)3触媒を用いるイソプレンとアルデヒドの反 応によるβ, γ-不飽和ケトンの効率的な合成法について述べる。また、第 2 節では ルテニウムヒドリド触媒による置換ジエン類とアルデヒドとのカップリング反応 について述べる。続いて第 3 節では本反応の機構に関する研究ついて述べる。 第 1 節 ルテニウムヒドリドを触媒とするアルデヒドとイソプレンとの カップリング反応 基質としてイソプレン (1a)とベンズアルデヒド (2a)を用いて反応を検討した。
ベンズアルデヒド (1a)にイソプレン (2a)と 10 mol%の RuHCl(CO)(PPh3)3 を加え
てベンゼン溶液とし、90 ℃で 4 時間反応を行った。NMR で残渣を確認したとこ ろ、期待したカップリング体、2, 3-ジメチル-1-フェニル-3-ブテン-1-オン (3a)が生 成していた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物 3a を 34 % の収率で得た (Table 1.1、entry 1)。続いて反応条件について検討した。反応時間 を 24 時間に延ばしたところ原料が完全に消失し、3a が 93 %で得られた。また、 反応溶媒をベンゼンから、より汎用性のあるトルエンに代えて反応を行っても問 題なく進行することが確認できた (Table 1.1、entry 5)。
12
Table 1.1 Ruthenium Hydride Catalyzed Cross-Coupling Reaction
O H
O
+ 10 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3
solvent, 90 °C (bath temp.)
entry 1 3* time (h) 2 4 12 4 5 24 24 solvent yield (%) 60 34 65 12 93 benzene benzene benzene benzene toluene 92 * 5 mol% cat. 2.0 equiv 3a 1a 2a 続いて、イソプレン (1a)とベンズアルデヒド (2a)を基質として種々のルテニウ ムヒドリド触媒と溶媒について検討を行った (Table 1.2)。まず、溶媒について検 討したところ、ジクロロエタンや THP よりもトルエンが良いことがわかった
(Table 1.2、entries 1-3)。また、触媒について検討したところ、RuHCl(CO)(PPh3)3
を 用 い た 場 合 に 3a が 95 %の収率で得られた (entry 4)。一方、その他の RuH2(CO)(PPh3)3、RuHCl(PPh3)3や RuH2(PPh3)4の触媒では 3a の収率は低く、この
反応への触媒活性は低いことがわかった (entries 5-7)。結果として、5 mol%の
RuHCl(CO)(PPh3)3触媒を用いて、トルエン中、90 °C で 24 時間加熱する条件が最
13 Table 1.2 Survey of Reaction Conditionsa
O H O + solvent, 90 °C entry 1 2 3 4 5 6 7 time (h) 12 12 12 24 24 24 24 solvent (ClCH2)2 THP toluene toluene toluene toluene toluene yield of 3a (%)b 11 3 60 95 11 3 3
a Condition:1a (4 mmol), 2a (1 mmol), Ru catalyst (5 mol%), toluene (6 mL).Reaction was carried out in a screw capped test tube. b GC yields using hexadecane as an internal standard. 3a 5 mol% catalyst 1a 2a catalyst RuHCl(CO)(PPh3)3 RuHCl(CO)(PPh3)3 RuHCl(CO)(PPh3)3 RuHCl(CO)(PPh3)3 RuH2(CO)(PPh3)3 RuHCl(PPh3)3 RuH2(PPh3)4 続いて、本反応の汎用性を確認するために、上記で得られた entry 4 の反応条件 を用いて、イソプレン (1a)と種々の芳香族アルデヒドとのカップリンク反応を検 討した (Table 1.3)。芳香族アルデヒドとしてオルト、パラ-トルイルアルデヒドを 用いた場合にはβ, γ-不飽和ケトン 3b と 3c がそれぞれ 82 %、78 %の収率で得られ た (entries 2, 3)。同様にオルト、メタ、パラ-メトキシベンズアルデヒド (2d-f)と 1a との反応でも対応するβ, γ-不飽和ケトン 3d-3f がそれぞれ収率よく得られた (entries 4-6)。また、電子求引性の置換基を有したパラフルオロベンズアルデヒド (2g)でも収率良く反応が進行した (entry 7)。また、この反応はチオフェン-2-カル バルデヒド (2h)やフルフリルアルデヒド (2i)のような複素環アルデヒドとの反 応においても進行し、対応するケトン (3h, 3i)が収率良く得られた (entries 8, 9)。
14
Table 1.3 Ru-H Catalyzed Cross-Coupling Reaction of Isoprene with Aryl Aldehydesa
H O O H O MeO H O H O OMe OMe O O O MeO OMe OMe H O O H O O H O O F F R H O 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 R O
entry dienes 1 aldehydes 2 β, γ-unsaturated ketones 3 yield (%)b
95 73 94 70 62 1 2 3 4 5 6 1a 2a 3a 2b 2c 2d 3b 3c 3d 2e 3e 1a 1a 1a 1a 7 82 2f 3f 1a 78 2g 3g 1a + 1a 2 3
aConditions: 1 (4 equiv, 2 equiv for entries 4, 5 and 6), 2 (0.5 or 1 mmol), RuHCl(CO)(PPh
3)3 (5 mol%), toluene (3 or 6 mL), 90 ℃, 24 h. b Isolated yield by chromatography on SiO
2. S H O O S 82 8 9 2h 3h 1a O H O O O 78 2i 3i 1a toluene, 90 °C, 24 h 続いて脂肪族アルデヒドについて検討を行った (Table 1.4)。1a と 2j のトルエン 溶液に 5 mol%の RuHCl(CO)(PPh3)3触媒存在下、90 °C、24 時間で反応を行ったと ころ、期待した 3j を得ることができたが、収率は 24 %と低かった (entry 1)。一
15
方、α位にメチル基がある第二級アルデヒド 2k との反応では、ほとんど反応が進 行しなかった。また、環状脂肪族アルデヒド 2l においても目的物 3l は低収率で しか得ることができなかった。
Table 1.4 Investigation of Aliphatic Aldehydes
1a 1a
1a
entry aldehydes 2 β, γ-unsaturated ketones 3 yield
4 % 1 3 H O H O O O 24 % 2j 3j 2l 3l 2k 3k H O O 2 trace dienes 1 続いて、α位に二重結合をもったアルデヒド 2m と 2n で反応を行ったが、この 場合も対応する生成物を低収率でしか得ることができなかった (Table 1.5)。 Table 1.5 Investigation of α, β-Unsaturated Alkyl Aldehydes
1a
1a
entry aldehydes 2 β, γ-unsaturated ketones 3 yield
1 2 dienes 1 H O O 6 % 2m 3m H O O 3 % 2n 3n そこで、イソプレン (1a)とオクタナール (2j)をモデルとして脂肪族アルデヒド を用いたカップリング反応の最適化を検討した。まず、配位子について検討を行 った (Table 1.6)。二配位のホスフィン錯体を加えて反応を行ったが収率の改善は 見られなかった。
16
Table 1.6 Investigation of Bidentate Phosphine Ligands
H O
+
5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 O 5 mol% Ligand
entry yield[a]
5 % 1 3 24 %[b] 2 trace ligand -dppe dppp 13 % 4 dppb
[a] Yield based on 1H NMR analysis relative to 1,1,2,2-tetrachloroethane as an internal standard [b] Isolated yield 1a 2j 3j toluene, 90 °C, 24 h 続いて、反応温度を 90 ℃から 110 ℃に上げて検討を行ったが、目的物を得るこ とはできなかった。反応後、残渣の NMR を確認したところ、アルデヒドが 33 % しか残っていなかったことから熱による分解が起こったと考えられる。そこで、 触媒量を 5 mol%から 10 mol%に増やして 90 ℃で反応を行ったところ 49 %の収率 で 3j が得られた (Scheme 1.5)。 Scheme 1.5 H O + RuHCl(CO)(PPh3)3 O 1a 2j 3j toluene, 24 h 5 mol% 10 mol% 110 °C 90 °C not formed 49 % さらに、触媒量を 20 mol%まで増やしたところ 89 %まで収率が向上した。他の 脂肪族アルデヒドについても同条件下で実験を行い、収率が向上した (Table 1.7、 entries 2, 3)。これは、触媒量を増やすことで系内のπ-アリル錯体の濃度が増えこ
17
とにより、付加反応が起こり易くなったためであると考えられる。
Table 1.7 Synthesis of α, β−Unsaturated Ketones by Ru-H Catalyzed Cross-Coupling Reaction of Isoprene with Aliphatic or α, β-Unsaturated Aldehydes
entry aldehydes 2 β, γ-unsaturated ketones 3 yield
42 % 1 2 3 H O H O O O H O O 2j 2l 3j 68 % 2m 3m 3l 89 % R H O + 20 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 R O 1a toluene, 90 °C, 24 h 2 3 以上のことから RuHCl(CO)(PPh3)3触媒存在下、イソプレンと種々の芳香族アル デヒドや脂肪族アルデヒドとのカップリング反応が進行して、効率的かつ高収率 でβ, γ−不飽和ケトンが合成できることを見出した。 第 2 節 ルテニウムヒドリド触媒による置換ジエン類とアルデヒドとのカ ップリング反応 第1節では、ルテニウムヒドリド触媒を用いてイソプレンとアルデヒドからの β, γ-不飽和ケトンの効率的な合成法について述べた。この節では、置換ジエン類 とアルデヒドとのカップリング反応や RuHCl(CO)(PPh3)3 触媒の異性化の特徴を 利用した非共役ジエンとアルデヒドのカップリング反応について述べる。 まず置換ジエンとして、二重結合を 3 つ有した myrcene (1b)を用いてパラフル オロベンズアルデヒド (2g)との反応を検討した。その結果、共役していない三置 換オレフィンには影響することなく、対応するケトンが 53 %の収率で得られた (Scheme 1.6、eq. 5)。一方、2, 3-ブタジエンを用いた場合、反応は全く進行せず対
18
応するケトンを得ることができなかった (Scheme 1.6、eq. 6)。これまで我々の研 究室で見いだされたエノンとアルデヒドとのカップリング反応による 1, 3-ジケト ンの合成においても、カルボニルのα位に置換基を有する基質は反応が進行しな
かった (Scheme 1.6、eq. 7)。このことは立体的要因により、RuHCl(CO)(PPh3)3錯
体は 2, 2-二置換オレフィンに対して付加反応を起こし難いためだと考えられる。 また、内部オレフィンを有するシクロヘキサジエン (1d)やエステルと共役した 1e においても反応は進行しなかった。 Scheme 1.6 H O + 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 O + O F 53% H O F 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 (eq.5) (eq.6) H O + O 10 mol% RuHCl(CO)(PPh 3)3 O O C6H6, reflux, 5 h (eq.7) 1b 2g 3o 1c 2a 2a O OEt O EtO + not formed + not formed H O 2a O O H O 2a not formed not formed 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 (eq.8) 1d 1e (eq.9) toluene, 90 °C, 24 h toluene, 90 °C, 24 h toluene, 90 °C, 24 h toluene, 90 °C, 24 h 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 次に非共役ジエンについてアルデヒドとのカップリング反応を検討した。遷移 金属錯体による炭素-炭素二重結合の異性化反応は一般的に知られおり、それらの 反応機構は二重結合へのヒドロメタル化と続くβ-水素脱離により進行すると考え られている9, 10)。ルテニウムヒドリド触媒はこの二重結合の異性化を触媒する特
19 徴を有している。そこで非共役ジエンを用いれば、触媒による異性化反応と続く カップリング反応が進行し、対応するケトンが得られるのではないかと考えた。 まず、基質に 2-メチル-1, 5-ヘキサジエン (1f)を用いて検討を行った。その結果、 期待したとおり一方のアルケンの異性化反応とアルデヒドの付加反応が進行して 対応するケトン 3p が良い収率で得られた (Scheme 1.7)。 Scheme 1.7 O F 79 % H O + 10 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 F 1f 2.0 equiv 2g 3p toluene, 90 °C, 24 h 続いてジエンとして直鎖状のペンタジエンを用いて検討を行った (Scheme 1.8、 eq. 10)。興味深いことに trans-1, 3-ペンタジエン (1g)とベンズアルデヒド (2a)の 反応では予想した生成物は生成せず、α, β-不飽和ケトン 3q (E/Z=27/73)が得られ た (Scheme 1.9、eq. 11)。同様に、cis-1, 3-ペンタジエン (1h)との反応でも同じ生 成物 3q (E/Z=29/71)が得られた (Scheme 1.9、eq. 12)。
Scheme 1.8 Ph O H O Ph 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 + (eq.10) 1g or 1h 2a toluene, 90 °C, 24 h not formed Scheme 1.9 Ph O H O 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 Ph Ph O Ph O H O 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 Ph Ph O 74 % 66 % (E/Z = 27/73) (E/Z = 29/71) + + + + <1 % 4.0 equiv 0.5 mmol 3 % (eq.11) (eq.12) 1g 2a 4.0 equiv 0.5 mmol 1h 2a 3q 3r 3q 3r toluene, 90 °C, 24 h toluene, 90 °C, 24 h 一方、Kondo、Watanabe らは Ru(cod)(cot)/PPh3によるカップリング反応において
20
trans-1, 3-ペンタジエン (1g)を用いた場合、炭素-炭素結合の形成が 2 位で起こっ
た生成物が得られることを報告している (Scheme 1.10、eq. 13)。また、cis-1, 3-ペ ンタジエン (1h)を用いた場合には反応が進行しなかったことを報告している (eq. 14)。この結果から、著者の反応系と Kondo らの系では反応性と生成物が異なっ ており、異なる反応機構で進行しているものと考えられるが、詳細は第 3 節で述 べる。 Scheme 1.10 Ph O H O Ph 4 mol% Ru(cod)(cot)/PPh3 H O Ph 4 mol% Ru(cod)(cot)/PPh3 60 % (E/Z = 61/39) + 100-120 ℃, 15 h + 100-120 ℃, 15 h no reaction (eq.13) (eq.14) 4.0 mL 5.0 mmol 1g 2a 4.0 mL 5.0 mmol 1h 2a 続いて、三置換オレフィンを有する 1, 3-ジエンを用いて検討を行った (Scheme 1.11)。シトラールから誘導した 4, 8-ジメチル-1, 3, 7-ノナトリエン (1i)を用いて反 応を行ったところ、予想した生成物 (Scheme 1.11、eq. 15)と異なる位置で反応が 起こった化合物 3s が 9 %の収率で得られた (Scheme 1.12、eq. 16)。また、同様の ジエン骨格を有する 4-メチル-1, 3-ペンタジエン (1j)を用いて反応を行った場合 にも、予想とは異なるカップリング体 3t が 80 %の収率で得られた (Scheme 1.12、 eq. 17)。 Scheme 1.11 Ph O R R H O Ph 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 Ph O R R [Ru] [Ru]-H PhCHO + or (eq.15) 2a 1i or 1j toluene, 90 °C, 24 h not formed
21 Scheme 1.12 O 80 % 9 % H O + 5 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 H O + 10 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 O 2.0 equiv 0.50 mmol (eq.16) (eq.17) 1i 2a 3s 4.0 equiv 0.50 mmol 1j 2a 3t toluene, 90 °C, 24 h toluene, 90 °C, 24 h 第 3 節 反応機構の考察 本反応のメカニズムに関する知見を得るために、NMR による中間体の捕捉を 試みた。NMR チューブにイソプレンと等量の RuHCl(CO)(PPh3)3を加えてCDCl3 の懸濁液とし、加熱溶解後、NMR を測定した。その結果、ルテニウムがπ-アリル 錯体を形成していることを確認した。また、この溶液にベンズアルデヒドを加え たところ反応は進行しなかった。一方、加熱を行ったところβ, γ-不飽和ケトンが 生成することが確認できた (Scheme 1.13、Fig. 1.1) 11)、12)。この結果から本反応は、 ジエンとルテニウムヒドリド錯体からπ-アリルルテニウム錯体が生成し、アルデ ヒドとカップリングした後にβ-水素脱離が起こって進行していると考えられる。 なお、本実験で確認されたπ-アリルルテニウム錯体は、Hiraki ら11(a) や Gouchen ら11(b)によって構造解析が行われた既知化合物であり、それらの文献データとの 比較により本錯体を同定した (Table 1.8)。 Scheme 1.13 NMR study RuHCl(CO)(PPh3)3 + RuCl(CO)(PPh3)2 H O O CDCl3 1H NMR (500MHz, CDCl3) 0.99 (t, J = 6.1 Hz, 3H), 1.93 (s, 3H), 2.67 (t, J =4.3 Hz, 1H), 2.75 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 3.20-3.27 (m, 1H) reflux reflux 1a 3a 2a
22
Table 1.8 Spectral Data for π-Allyl ruthenium Complex
測定値 文献値 ref.No. 1 H NMR (CDCl3) (500 MHz) δ 0.99 (t, 3J (HH) = 4J (PH) = 6.1 Hz, 3H), 1.93 (s, 3H), 2.67 (t, J (PH) = 4.3 Hz, 1H), 2.75 (d, J (PH) = 5.5 Hz, 1H), 3.20-3.27 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 12 H), 7.29-7.33 (m, 6 H), 7.39-7.44 (m, 6H), 7.52-7.57 (m, 6H). Selected data (100 MHz) δ1.01 (t, 3J (HH) = 4J (PH) = 6 Hz, 3H), 1.94 (s, 3H), 2.72 (m, 1H), 3.29 (d, 3J (PH) = 6 Hz, 1H). 11 (a) 13 C NMR ( CDCl3) Selected data (125 MHz) δ 14.59, 20.82, 65.26 (d, J = 25.0 Hz), 70.44 (d, J = 26.9 Hz), 118.42, 204.00. - -31 P NMR (CDCl3) (200 MHz) δ 33.14, 39.39. - -1 H NMR (CD2Cl2) (500 MHz) δ 1.00 (t, J (HH) = 4J (PH) = 5.1 Hz, 3H), 1.95 (s, 3H), 2.66 (d, J (PH) = 5.9 Hz, 1H), 2.73 (t, J (PH) = 4.1 Hz, 1H),3.20-3.27 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 12 H), 7.30-7.45 (m, 12H), 7.52-7.58 (m, 6H). (300 MHz) δ 0.93 (br s, 3H, CH3), 1.89 (s, 3H, CH3), 2.60 (d, J (PH) = 4.3 Hz, 1H, CH2), 2.67 (br s, 1H, CH2), 3.11 (br m, 1H, CH), 7.18-7.36 (m, 24 H, phenyl), 7.48 (t, 6 H, phenyl). 11 (b) 31 P NMR (CD2Cl2) (200 MHz) δ 33.01, 39.82. (121.5 MHz) δ 31.07 (d, J (PP) = 2.7 Hz), 38.5 (d, J (PP) = 2.7 Hz) . 11 (b) Mp 216-218 °C 214 °C 11 (b) IR (KBr) 1919 cm-1 1908 cm-1 11 (a) FABMS m/z 723 (M+-Cl). -
-23 F ig . 1 .1 π -A ll y l R u th en iu m C o m p le x : [R u { 3 -M eC (H )C (M e) C H2 } C l( C O )( PPh 3 )2 ] R u H C l( C O )( P P h3 )3 + R u C l( C O )( P P h3 )2 C D C l3 1 a 9 0 ° C
24 F ig . 1 .2 C o u p li n g R ea ct io n o f π -A ll y l R u th en iu m C o m p le x w it h B en za ld eh y d e H O O 3 a 2 a 9 0 ° C R u C l( C O )( P P h3 )2
25 また、本反応の立体化学に及ぼすπ‐アリルルテニウム錯体の影響は以下のよう に考えられる。ルテニウムヒドリド触媒によるジエンとアルデヒドの反応は、理論 上 4 つの生成物が可能である (Fig. 1.3)。しかしながら、実際にはそれらのうち選 択的に 1 つのカップリング体しか生成しない。まず、ヒドロルテネーションにより π‐アリルルテニウム中間体 A が生成すると考えられる。もう一方の中間体 B は、 Ru 中心とメチル基との立体的な反発のために生成しにくいと考えられる。実際、 NMR の検証実験においても B は観察されなかった。続いて、A はアルデヒドと反 応してアルコキシルテニウム錯体を与える。この際、6 員環遷移状態を経てアルデ ヒドとカップリング反応が進行し、中間体 C が生成する (Fig. 1.4)。その後、中間 体 C はβ−水素脱離を受けてケトンを生成し、ルテニウムヒドリドが再生するもの と考えられる。
Fig. 1.3 Possible Regioselectivity
[Ru]-H [Ru] PhCHO Ph O [Ru] -[Ru]-H Ph O Ph O [Ru] Ph O [Ru] Ph O [Ru] Ph O [Ru] Ph O Ph O A B C Fig. 1.4 [Ru] [Ru] O Ph H [Ru] [Ru] H O Ph O [Ru] C
26 一方、1, 3-ペンタジエン (E, Z)と三置換オレフィン構造を有する 1, 3-ジエンの 場合、Scheme 1.14 に示したようなπ-アリル錯体の異性化を伴う機構で進行してい るものと考えられる。すなわち、末端オレフィンに付加したπ-アリルルテニウム中 間体 D は、σ-アリル錯体の生成とβ-水素脱離を経てより安定なπ-アリルルテニウム 錯体 E に異性化を起こし、続いてアルデヒドと反応してカップリング体が生成する。 その後、一置換オレフィンの場合 (R = H)は、二重結合の異性化反応によってより 安定なα, β-不飽和型の三置換オレフィンになるものと考えられる。一方、Kondo ら の系では、ペンタジエンの 2 位で反応が進行した生成物が得られたことから異性化 反応は起こっていない。著者の系で異性化が進行した理由は明確ではない。推測と しては、π-アリルルテニウム錯体は速やかに安定な形に異性化が起こるが、アシル π-アリルルテニウム錯体では、異性化よりも還元的脱離が速く起こるため、異なる 位置で反応した生成物が得られたと考えられる。
Scheme 1.14 Proposed Mechanism for 1, 3-Pentadiene
R R R [Ru] R H-[Ru] R [Ru] [Ru] R Ph O isomerization R = H R = H Me D less stable E more stable Ph O R = H Me PhCHO [Ru]-H [Ru]-H そこで、1, 3-ペンタジエンについて中間体の情報を得るために NMR 実験を実施し た (Scheme 1.15)。その結果、予想したとおり 2 種類のπ−アリル錯体が生成してお り (Fig. 1.6)、時間の経過とともに安定な中間体 b に異性化していることが確認で きた (Fig. 1.7)。この挙動から錯体 a は速度論支配の化合物で、b は熱力学的支配の 化合物であると考えられる。
27
Scheme 1.15 NMR Study for π-Allyl ruthenium Complexes Derived from 1, 3-Pentadiene
+ RuHCl(CO)(PPh3)3 90 ℃ CDCl3 CH3 CH3 + [Ru] [Ru] a b time (min) 10 25 rate*) a : b 1 : 2 1 : 6 *) 1H-NMR : a δ 1.06, 4.64, b δ 0.86, 4.88のプロトンを比較 H H δ 4.64 δ 1.06 δ 0.86 δ 4.88
28 F ig . 1 .6 A d d it io n o f a R u th en iu m H y d ri d e to t ra n s-1 ,3 -Pe n ta d ie n e H3 C C H3 H H [R u ] C H3 H H H [R u ] H H H R u H C l( C O )( P P h3 )3 + CDC l3 9 0 ° C , 1 0 m in + ×
29 F ig .1 .7 H3 C C H3 H H [R u ] C H3 H H H [R u ] H H H R u H C l( C O )( P P h3 )3 + CD C l3 9 0 ° C , 2 5 m in + ×
30 Kondo らは Ru(cod)(cot)触媒を用いるジエンとアルデヒドとのカップリング反応 において、Scheme 1.16 の反応機構を提唱している。まず、ベンズアルデヒドがル テニウム錯体へ酸化的に付加し、ベンゾイル(ヒドリド)ルテニウム錯体 D が生成す る。続いて、ジエンへのヒドロルテネーションによりアシルπ-アリルルテニウム錯 体 E が生成し、アシル基とアリル基の還元的脱離によりカップリング体が生成する と考えている。この反応機構は、ベンズアルデヒドの同一分子が全てジエンに組み 込まれる点で著者らが提案する機構とは異なっている。そこで、著者らが推定する 反応機構の妥当性を検証するために、イソプレンと重水素化されたベンズアルデヒ ド、p-フルオロベンズアルデヒドを混ぜてクロスオーバー実験を行った (Scheme 1.17)。 その結果、同程度の重水素比を有する 2 種のカップリング体が得られた。このこ とは、我々が提案したヒドロルテネーションのメカニズムと矛盾しない。すなわち、 Kondo らのメカニズムでは E からの還元的脱離が想定されており、重水素はベンズ アルデヒドとのカップリング体にしか含まれないはずである。したがって、彼らの メカニズムとは一致しない。
Scheme 1.16 Kondo’s Proposed Mechanism
[Ru] C O Ph H [Ru] C O Ph [Ru(0)] Ph O [Ru(0)] O Ph H D E
Scheme 1.17 Cross-Over Experiment
+ H O + D O F 10 mol% RuHCl(CO)(PPh3)3 O O + F 1a 4.0 mmol 0.50 mmol 0.50 mmol
29% D 23% D
calculated by GC-MS toluene, 90 °C, 24 h
3a 3g
31 報告している (Scheme 1.18)13)。彼らはルテニウムヒドリド触媒を用いて、ジエンと 一級アルコールまたはアルデヒドとのカップリング反応により、対応するアルコー ルおよびケトンが得られることを報告している。その報告の中で重水素化実験を実 施し、以下の反応機構を提唱している (Scheme 1.19、1.20)。ルテニウムヒドリド I がイソプレンの置換基の少ないオレフィンに付加し 2 級のσ−アリルルテニウム IIa が生成する。IIa はより安定な一級のσ−アリルルテニウム IIb に異性化する。続い て六員環遷移状態を経てアルデヒドとのカップリング反応が進行し、アルコキシル テニウム III となり、β−水素脱離によりβ, γ-不飽和ケトンと重水素化ルテニウム Ib が生成する。このルテニウム種 Ib が、重水素化されたベンジルアルコールと反応 してアルコキシルテニウム IV を生成し、β-水素脱離によりベンズアルデヒドと I が生成する。この反応機構は、基本的に著者が提示した機構と一致しているものと 考えられる。 Scheme 1.18 OH +
5 mol% RuH2(CO)(PPh3)3 OH
toluene, 110 ℃, 24 h 70 % 5 mol% CF3CO2H O + O 98 % OMe
5 mol% RuH2(CO)(PPh3)3
toluene, 110 ℃, 24 h 5 mol% CF3CO2H OMe OMe OMe H 2.5 equiv 2.5 equiv Scheme 1.19 OH
5 mol% RuH2(CO)(PPh3)3
Me Me O Me + toluene, 110 ℃, 24 h 79 % 5 mol% CF3CO2H D D H (1% D) H (12% D) (34% D) Ph Ph
32
Scheme 1.20 Krische’s Proposed Mechanism
LnRuII-H/D Me CH2 Me RuIILn H/D Me CH2 RuIILn H/D I IIa IIb Ph D O CH2 Me H/D III Ph ORuIILn D LnRuII-D Ib HD OH D D Ph ORuIILn D D Ph IV Ph D O CH2 Me H/D Ph O 第 4 節 結論 RuHCl(CO)(PPh3)3 触媒を用いるジエンとアルデヒドとのカップリング反応につ いて詳細な検討を行なった結果、以下の知見を得た。 1. RuHCl(CO)(PPh3)3 触媒を用いてイソプレンと芳香族アルデヒドのカップリ ング反応を行なうと反応は良好に進行し、対応する種々のβ, γ-不飽和ケトンが 効率的に合成できることを見出した。また、脂肪族アルデヒドについても触媒 の増量により反応が進行することを明らかにした。 2. 三置換オレフィンを有する 4-メチル-1,3-ペンタジエンおよび 2-メチル-1,5-ヘキサジエンのような非共役ジエンにおいても反応が良好に進行することを見 出した。 3. 本反応機構は、先例の Kondo、Mitsudo らが提案するようなアルデヒドによ る Ru 中心への酸化的付加は含まれず、異なる機構で進行することと、鍵中間 体としてπ-アリル錯体を経由するアルデヒドとの分子間付加反応で進行するこ とを明らかにした。
33 実験の部 共通項 核磁気共鳴 (1 H NMR)スペクトルは、CDCl3溶媒を用いて JEOL JMN-500(500 MHz) 型で測定した。この際にリファレンスは TMS の 0.00 ppm とした. ケミカルシフト
(δ)は parts per million (ppm)で測定した. 核磁気共鳴 (13
C NMR)スペクトルは
CDCl3溶媒として JEOL JMN ECP-500 (125 MHz)型で測定した。リファレンスは
CDCl3の 77 ppm とした. 赤外線吸収(IR)スペクトルは JASCO FT/IR-4100 型を用い
た (吸収は cm-1単位で記録した)。 高分解能質量分析スペクトル (HRMS)は JEOL
MS700 型で測定した。質量分析スペクトル (MS)は JEOL MS700 型または
Shimadzu GCMS-QP-5050A 型ガスクロマトグラフ質量分析装置を使用した。融点
(mp)は、未補正の封緘したキャピラリーを使用して測定した。RuHCl(CO)(PPh3)3
は和光純薬株式会社から購入した。溶媒は蒸留品を使用した。アルデヒドは使用前 に蒸留した。生成物は Nacalai Tesque Inc., Silica Gel 60,230-400 mesh を使用してフ ラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。 ルテニウムヒドリド触媒によるイソプレン ルテニウムヒドリド触媒によるイソプレン ルテニウムヒドリド触媒によるイソプレン ルテニウムヒドリド触媒によるイソプレン (1a)とベンズアルデヒドとベンズアルデヒドとベンズアルデヒドとベンズアルデヒド (2a)とのクロとのクロとのクロとのクロ スカップリング反応 スカップリング反応 スカップリング反応 スカップリング反応 攪拌子を入れたスクリューバイアルにアルゴン雰囲気下、イソプレン (1a、277.3 mg 、 4.07 mmol) 、 蒸 留 し た ベ ン ズ ア ル デ ヒ ド (2a 、 107.9 mg 、 1.02 mmol) と
RuHCl(CO)(PPh3)3 (47.9 mg、0.05 mmol)を加え、 無水トルエン (6 mL)溶液とする。
アルゴン封入した後、攪拌しながら 90 ℃で 24 時間反応を行った。反応終了後、溶 媒を減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 50 : 1)で精製し、カップリング体 3a を 81 % (144.2 mg)の収率で得た。
2, 3-Dimethyl-1-phenyl-3-buten-1-one (3a) 7)
Yellow oil; (Rf = 0.25,hexane : EtOAc = 50:1). 1H NMR (500 MHz,
CDCl3) δ 1.34 (d, J = 6.90 Hz, 3H), 1.75 (s, 3H), 4.13 (q, J = 6.90 Hz,
1H), 4.89 (s, 1H), 4.90 (m, 1H), 7.42-7.46 (m, 2H), 7.52-7.56 (m, 1H), O
34
7.96-8.00 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 16.00, 20.48, 49.06, 113.59, 128.39,
128.40, 132.75, 136.69, 145.21, 200.87; IR (neat) 1685, 1643 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 174 (M+, 3), 105 (100), 77 (30); HRMS (EI) m/z calcd for C12H14O: 174.1045,
found: 174.1019.
2,3-Dimethyl-1-o–tolyl-3-buten-1-one (3b)
Yellow oil; (Rf = 0.13, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500 MHz,
CDCl3) δ 1.32 (d, J = 6.90 Hz, 3H), 1.71 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 3.98(q, J
= 6.90 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.88 (m, 1H), 7.21-7.24 (m, 2H),
7.32-7.35 (m, 1H), 7.59-7.60 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 15.64, 20.67, 20.83,
51.77, 113.57, 125.32, 127.93, 130.78, 131.67, 137.80, 138.45, 144.47, 204.90; IR (neat)
1685, 1644 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 188 (M+, 3), 119 (100), 91 (97); HRMS (EI)
m/z calcd for C13H16O: 188.1201, found: 188.1188.
2,3-Dimethyl-1-p–tolyl-3-buten-1-one (3c)
Colorless oil; (Rf = 0.15, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500
MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J = 6.90 Hz, 3H), 1.73 (s, 3H), 2.40 (s, 3H),
4.11 (q, J = 6.85 Hz, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.89 (m, 1H), 7.22-7.26 (m,
2H), 7.87-7.90 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 16.05, 20.49, 21.61, 48.94, 113.37,
128.55, 129.12, 134.19, 143.54, 145.44, 200.52; IR (neat) 1680, 1643 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 188 (M+, 6), 119 (100), 91 (89); HRMS (EI) m/z calcd for C13H16O:
188.1201, found: 188.1215.
2,3-Dimethyl-1-(2-methoxyphenyl)-3-buten-1-one (3d)
Yellow oil; (Rf = 0.075, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500 MHz,
CDCl3) δ 1.29 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.70 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 4.17 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 4.77 (s, 1H), 4.80 (m, 1H), 6.93 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.97 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 7.39-7.43 (m, 1H), 7.49-7.54 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 15.31, 20.71, 52.87, 55.36, 111.26, 112.79, 120.50, 129.06, 130.11, 132.52, O O O MeO
35
144.86, 157.54, 204.28; IR (neat) 3077, 1679, 1643 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 204 (M+, 6), 135 (100), 92 (6), 83 (6), 77 (9); HRMS (EI) m/z calcd for C13H16O2: 204.1150,
found: 204.1158.
2,3-Dimethyl-1-(3-methoxyphenyl)-3-buten-1-one (3e).
Colorless oil; (Rf = 0.10, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1 H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J = 6.90 Hz, 3H), 1.74 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 4.11 (q, J = 6.90 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.90 (m, 1H), 7.07-7.10 (m, 1H), 7.32-7.35 (m, 1H), 7.51-7.52 (m, 1H), 7.55-7.58 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 16.06, 20.45, 49.17, 55.30, 112.80, 113.46, 119.15, 120.93,
129.33, 138.05, 145.23, 159.67, 200.62; IR (neat) 1683, 1643 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 204 (M+, 12), 135 (100), 107 (18), 92 (13), 77 (14); HRMS (EI) m/z calcd for C13H16O2: 204.1150, found: 204.1159.
2,3-Dimethyl-1-(4-methoxyphenyl)-3-buten-1-one (3f)
Yellow oil; (Rf = 0.075, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500
MHz, CDCl3) δ 1.32 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.73 (s, 3H), 3.86 (s,
3H), 4.09 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 4.89 (m, 2H), 6.91-6.92 (m, 2H),
7.97-7.99 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 16.09, 20.40, 48.76, 55.38, 13.20,
113.36, 129.69, 130.69, 145.63, 163.25, 199.39; IR (neat) 1643, 1675 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 204 (M+, 18), 189 (33), 173 (8), 135 (100), 107 (7), 92 (17), 77 (18); HRMS (EI) m/z calcd for C13H16O2: 204.1150, found: 204.1141.
2,3-Dimethyl-1-(4-fluorophenyl)-3-buten-1-one (3g)
Colorless oil; (Rf = 0.15, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500
MHz, CDCl3) δ 1.33 (d, J = 6.87 Hz, 3H), 1.73 (s, 3H), 4.08 (q, J = 6.87 Hz, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.91 (m, 1H), 7.09-7.12 (m, 2H), 8.00-8.02 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 16.00, 20.32, 49.20, 113.71, 115.44 (d, J = 21.94 Hz), 115.55 (d, J = 21.94 Hz), 131.02 (d, J = 9.60 Hz), 133.02, 145.18, 165.53 (d, O OMe O OMe O F
36
J = 254.32 Hz), 199.23; IR (neat) 1684, 1644 cm-1; MS (EI) m/z (rel intensity) 192 (M+, 52), 177 (84), 123 (83), 95 (49), 83 (100), 75 (15); HRMS (EI) m/z calcd for C12H13FO:
192.0950, found: 192.0951.
2,3-Dimethyl-1-(2-thienyl)-3-buten-1-one (3h)
Yellow oil; (Rf = 0.13,hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500 MHz,
CDCl3) δ 1.35 (d, J = 6.87 Hz, 3H), 1.75 (s, 3H), 3.99 (q, J = 6.87 Hz,
1H), 4.93 (t, J = 1.37 Hz, 1H), 4.97 (s, 1H), 7.10-7.12 (m, 1H);
7.60-7.61 (m, 1H), 7.78-7.79 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 15.85, 20.13, 50.69,
113.5, 127.93, 132.00, 133.38, 143.75, 145.00, 193.63; IR (neat) 1639, 1660 cm-1; EIMS
m/z (relative intensity) 180 (M+, 6), 165 (4), 152 (6), 111 (100), 83 (18); HRMS (EI) m/z calcd for C10H12O: 180.0609, found: 180.0606.
2,3-Dimethyl-1-(2-furanyl)-3-buten-1-one (3i)7)
Yellow oil; (Rf = 0.33, hexane : EtOAc = 50 : 1). 1H NMR (500 MHz,
CDCl3) δ 1.29 (d, J = 6.87 Hz, 3H), 1.72 (s, 3H), 3.91 (q, J = 6.87 Hz,
1H), 4.87 (m, 1H), 4.89 (s, 1H), 6.48-6.49 (dd, J = 1.83, 3.65 Hz, 1H),
7.19 (d, J = 3.65 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 1.83 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 15.20,
20.41, 49.18, 112.02, 113.20, 117.39, 144.50, 146.17, 152.23, 189.67; IR (neat) 1674, 1644
cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 164 (M+, 2), 136 (32), 95 (100); HRMS (EI) m/z calcd for C10H12O2: 164.0837, found: 164.0823. イソプレン イソプレン イソプレン イソプレン (1a)とととと n-オクチルオクチルオクチルアルデヒドオクチルアルデヒドアルデヒド (2j)との反応アルデヒド との反応との反応との反応 アルゴン置換したスクリューバイアルに攪拌子、RuHCl(CO)(PPh3)3 (48.1 mg、 0.051 mmol)、イソプレン(1a、132.6 mg、1.95 mmol)、 蒸留精製した n-オクチルア ルデヒド (2j、61.9 mg、0.48 mmol)を加えトルエン (3 mL)溶液とした。アルゴン封 入後、オイルバスで 90 ℃に加温し,24 時間攪拌した。反応後,溶媒を減圧留去し た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 50 : 1) で精製し目的物 3j を 49 % (46.6 mg)の収率で得た。 O S O O
37 2,3-Dimethyl-1-heptyl-3-buten-1-one (3j)
Yellow oil; (Rf = 0.28, hexane : EtOAc = 50 : 1). 1H NMR
(500 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7.33 Hz, 3H), 1.16 (d, J =
6.87 Hz, 3H), 1.26-1.30 (m, 8H), 1.52-1.55 (m, 2H), 1.67 (s,
3H), 2.35-2.52 (m, 2H), 3.23 (q, J = 6.87 Hz, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.91 (m, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.04, 14.54, 20.14, 22.58, 23.86, 29.06, 29.15, 31.67, 40.25, 54.48,
113.89, 144.55, 211.53; IR (neat) 1715, 1644 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 196 (M+, 7), 127 (99), 83 (18), 69 (12), 57 (100); HRMS (EI) m/z calcd for C13H24O: 196.1827,
found: 196.1819.
1-Cyclohexyl-2,3-dimethyl-3-buten-1-one (3l)
Yellow oil; (Rf = 0.45, hexane : EtOAc = 10 : 1). 1 H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.14 (d, J = 6.87 Hz, 3H), 1.17-1.31 (m, 4H), 1.37-1.45 (m, 1H), 1.62-1.84 (m, 5H), 1.67 (s, 3H), 2.52-2.59 (m, 1H), 3.87 (q, J = 6.87 Hz, 1H), 4.85 (s, 1H), 4.89-4.91 (m, 1H);13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.97, 20.32, 25.37, 25.79, 25.93, 28.33, 29.47, 48.85, 52.63, 113.36, 144.48, 214.25; IR (neat) 1709,
1643 cm-1;EIMS m/z (relative intensity) 180 (M+, 1), 111 (24), 83 (100), 55 (41); HRMS (EI) m/z calcd for C12H20O: 180.1514, found: 180.1530.
2,3-Dimethyl-4-oxo-1, 5-nonadiene (3m)
Yellow oil; (Rf = 0.28, hexane : EtOAc = 25 : 1). 1H NMR
(500 MHz, CDCl3) δ 0.89 (t, J = 7.33 Hz, 3H), 1.20 (d, J =
6.87 Hz, 3H), 1.26-1.33 (m, 4H), 1.42-1.48 (m, 2H), 1.67 (s,
3H), 2.16-2.20 (m, 2H), 3.87 (q, J = 6.87 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.92 (m, 1H), 6.22 (d, J =
15.55 Hz, 1H), 6.91 (dt, J = 15.55, 7.10 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 13.91,
14.69, 20.20, 22.37, 27.73, 31.30, 32.31, 52.69, 113.41, 127.70, 144.62, 147.48, 200.26; IR
(neat) 1694, 1671, 1628 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 194 (M+, 3), 125 (100), 69 (45), 55 (94); HRMS (EI) m/z calcd for C13H22O: 194.1671, found: 194.1662.
O
O
38
2,7-Dimethyl-1-(4-fluorophenyl)-3-methylene-6-octen-1-one (3o)
Yellow oil; (Rf = 0.075, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR
(500 MHz, CDCl3) δ 1.34 (d, J = 6.87 Hz, 3H), 1.58 (s, 3H),
1.66 (s, 3H), 2.03-2.17 (m, 4H), 4.04 (q, J = 6.87 Hz, 1H),
4.91 (s, 1H), 4.93 (s, 1H), 5.05-5.07 (m, 1H), 7.08-7.12 (m, 2H), 7.97-8.00 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 16.59, 17.65, 25.60, 26.24, 34.28, 48.44, 112.21, 115.44 (d, J =
21.94 Hz), 115.50 (d, J = 21.94 Hz), 123.60, 131.02 (d, J = 9.54 Hz), 132.01, 133.17,
148.94, 165.48 (d, J = 252.75 Hz), 199.42; IR (neat) 1685, 1639 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 260 (M+, 21), 123 (100), 109 (36), 95 (40), 83(11); HRMS (EI) m/z calcd for C17H21FO: 260.1576, found: 260.1569.
1-(4-Fluorophenyl)-3-methyl-2-propyl-3-buten-1-one (3p)
Yellow oil; (Rf = 0.075, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR (500
MHz, CDCl3) δ 0.93 (t, J = 7.33 Hz, 3H), 1.26-1.32 (m, 2H),
1.61-1.67 (m, 1H), 1.70 (s, 3H), 1.87-1.94 (m, 1H), 4.01 (t, J = 6.87
Hz, 1H), 4.92-4.93 (m, 2H), 7.09-7.10 (m, 2H), 8.00-8.03 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.03, 19.93, 20.80, 32.23, 55.00, 114.65, 115.42 (d, J = 21.94 Hz), 115.48 (d, J
= 21.94 Hz), 130.96 (d, J = 9.54 Hz), 133.52, 143.45, 165.41 (d, J = 252.75 Hz), 198.74;
IR (neat) 1683, 1641 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 220 (M+, 16), 177 (40), 123 (100), 95 (51); HRMS (EI) m/z calcd for C14H17FO: 220.1263, found: 220.1270.
ベンズアルデヒド ベンズアルデヒド ベンズアルデヒド
ベンズアルデヒド (2a)とペンタジエンとペンタジエンとペンタジエン (Eとペンタジエン ,,,,Z)の反応の反応の反応の反応
アルゴン置換したスクリューバイアルに回転子、RuHCl(CO)(PPh3)3 (94.3 mg、0.10
mmol)、trans (または cis)-1, 3-ペンタジエン (1g または 1h、162.8 mg、2.39 mmol)、 蒸留精製したベンズアルデヒド (54.7 mg、0.52 mmol)、dry トルエン (1 mL)を順次 加えて、アルゴン封入した。オイルバスを用いて 90 ℃で 24 時間攪拌を行った。 反応後、溶媒を減圧濃縮して GC 測定と1 H-NMR 測定を行った (内部標準として 1, 1, 2, 2-テトラクロロエタンを用いた)。その結果、5 種の生成物を確認した。この残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 9 : 1)で精製し 5 種類 O F O F
39
の生成物の混合物を 75.2 mg 得た。得られた混合物を分取 HPLC の順相カラム (Nacalai Tesque Inc., Cosmosil 5-SLII)を用いて単離を行い (溶出液 hexane : EtOH =
99:1)、Z-異性体のみを収率 15 % (14 mg)で得た。E-異性体は Z-体の混合物として 得られた。
(Z) 2-Ethyl-1-phenyl-2-buten-1-one (3q)
Z-isomer: Colorless oil; (Rf = 0.4, hexane : EtOAc = 9 : 1). 1H NMR
(500 MHz, CDCl3) δ 1.06 (t, J = 7.33 Hz, 3H), 1.89 (d, J = 6.87 Hz, 3H),
2.50 (q, J = 7.33 Hz, 2H), 6.29 (q, J = 6.87 Hz, 1H), 7.38-7.43 (m, 2H),
7.47-7.51 (m, 2H), 7.61-7.64 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 13.20, 14.31, 19.68,
127.98, 129.20, 131.29, 139.19, 140.15, 143.67, 198.81; IR (neat) 1598, 1649 cm-1, EIMS
m/z (relative intensity) 174 (M+, 32), 159 (21), 145 (28), 105 (100), 77 (71); HRMS (EI)
m/z calcd for C12H14O: 174.1045, found: 174.1055. E-isomer: (Rf = 0.4, hexane : EtOAc =
9:1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.06 (t, J = 7.79 Hz, 3H), 1.51 (d, J = 7.33 Hz, 3H),
2.34 (q, J = 7.33 Hz, 1H), 5.74 (q, J = 7.33 Hz, 1H), 7.40-7.60 (m, 3H), 7.90-7.93 (m, 2H);
13
C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 12.66, 15.36, 28.10, 124.59, 128.66, 133.18, 137.02, 142.47,
143.67, 200.94; EIMS m/z (relative intensity) 174 (M+, 16), 173 (16), 145 (47), 105 (100), 77 (63).
2-Ethyl-7-methyl-3-methylene-1-phenyl-6-octen-1-one (3s)
Colorless oil; (Rf = 0.25, hexane : EtOAc = 49 : 1). 1H NMR
(500 MHz, CDCl3) δ 0.91 (t, J = 14.7 Hz, 2H), 1.57 (s, 3H),
1.65 (s, 3H), 1.64-2.01 (m, 2H), 2.00-2.15(m, 4H), 4.95 (s, 1H),
4.98 (s, 1H), 5.05 (m, 1H), 7.01-7.06 (m, 2H), 7.35-7.40 (m, 3H), 7.35-7.40 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 12.46, 17.67, 24.13, 25.60, 26.22, 34.00, 56.49, 112.91, 123.77,
128.34, 131.88, 132.67, 137.51, 147.14, 200.61; IR (neat) cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 256 (M+, 6), 227 (6), 109 (17), 105 (100), 77 (25), 69 (10); HRMS (EI) m/z calcd for C18H24O: 256.1827, found: 256.1827.
O
40 2-Ethyl-3-methyl-1-phenyl-3-buten-1-one (3t)
Colorless oil; (Rf = 0.25, hexane : EtOAc = 25:1). 1H NMR (500 MHz,
CDCl3) δ 0.91 (t, J = 7.33 Hz, 3H), 1.66-1.76 (m, 1H), 1.70 (s, 3H),
1.90-2.00 (m, 1H), 3.96 (t, J = 7.33 Hz, 1H), 4.92-4.94 (m, 2H),
7.40-7.44 (m, 2H), 7.50-7.54 (m, 1H), 7.96-8.00 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3)
δ 12.14, 19.98, 23.19, 56.90, 114.70, 128.30, 128.36, 132.70, 137.76, 143.23, 200.35; IR
(neat) 1641, 1683 cm-1; EIMS m/z (relative intensity) 188 (M+, 1), 105 (100), 77 (31); HRMS (EI) m/z calcd for C13H16O: 188.1201, found: 188.1189.
π π π π-アリルルテニウム錯体の調製アリルルテニウム錯体の調製アリルルテニウム錯体の調製アリルルテニウム錯体の調製とととと >MR による確認による確認による確認による確認 :[Ru{3-MeC(H)C(Me)CH2}Cl(CO)(PPh3)2] 窒素置換した NMR チューブに、CDCl3 (1 mL)で懸濁させた RuHCl(CO)(PPh3)3 (69.9 mg, 0.073 mmol)を加え、オイルバスで 90 ℃、10 分間加熱し溶解させた。この 溶液を室温に冷却した後、ここへ窒素雰囲気下にイソプレン (1a、5.0 mg, 0.073 mmol)を加え 90 ℃で 10 分間加熱した。室温へ冷却した後、1H, 13C-NMR の測定を 行いπ−アリルルテニウム錯体が形成していることを確認した。この残渣から CHCl3 とヘキサンを用いて再結晶を行いπ−アリルルテニウム錯体を 94 % (52.1 mg )の収 率で得た。 また、別途 RuHCl(CO)(PPh3)3とイソプレン (1a)から調製した反応液にベンズアル デヒド (2a)を加えて 90 ℃で 15 分間加熱した後、カップリング体 3a が生成してい ることを確認した (3a : complex = 1 : 2)。 p-アリルルテニウム錯体は既知化合物であり文献データとの比較により同定した11)。
White solid; mp = 216-218 °C dec (lit11(b) mp = 214 °C), 1H NMR (500 MHz, CDCl3)
δ 0.99 (t, J (HH) = 4J (PH) = 6.1 Hz, 3H), 1.93 (s, 3H), 2.67 (t, J (PH) = 4.3 Hz, 1H), 2.75
(d, J (PH) = 5.5 Hz, 1H), 3.20-3.27 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 12 H), 7.29-7.33 (m, 6 H),
7.39-7.44 (m, 6H), 7.52-7.57 (m, 6H); Selected 13CNMR data (125 MHz, CDCl3) δ 14.59,
20.82, 65.26 (d, J = 25.0 Hz), 70.44 (d, J = 26.9 Hz), 118.42, 204.00; 31P NMR (200 MHz, CDCl3) δ 33.14, 39.39; We also measured 1H and 31P NMR using CD2Cl2. 1H NMR (500
MHz, CD2Cl2) δ 1.00 (t, J (HH) = 4
J (PH) = 5.1 Hz, 3H), 1.95 (s, 3H), 2.66 (d, J (PH) =
41 5.9 Hz, 1H), 2.73 (t, J (PH) = 4.1 Hz, 1H), 3.20-3.27 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 12 H), 7.30- 7.45 (m, 12H), 7.52-7.58 (m, 6H); 31P NMR (200 MHz, CD2Cl2) δ 33.01, 39.82; IR (KBr) 1919 cm-1. FABMS m/z 723 (M+-Cl). H H CH3 CH3 Ru H Ph3P PPh3 OC Cl Ru CO Cl PPh3 PPh3 1.93 (3H, s) 0.99 (t, J(HH)= 4J(PH) = 6.1 Hz,3H) H H H 3.20-3.27 (m,1H) 2.67 (t, J (PH)=4.3 Hz,1H) 2.75 (d, J (PH)=5.5 Hz,1H) trans-1,3-ペンタジエンペンタジエンペンタジエンペンタジエン (1g)とルテニウムヒドリド錯体の反応とルテニウムヒドリド錯体の反応とルテニウムヒドリド錯体の反応とルテニウムヒドリド錯体の反応 アルゴン置換した NMR チューブに、CDCl3で懸濁させた RuHCl(CO)(PPh3)3 (69.9 mg, 0.073 mmol)、trans-1, 3-ペンタジエン (1g、5.0 mg、0.073 mmol)を加え、オイル バスで 90 ℃、10 分間加熱し溶解させた。室温へ冷却した後、1 H-NMR の測定を行 い 2 種類のπ−アリル錯体が形成していることを確認した。さらに窒素雰囲気下にベ ンズアルデヒド (2a、7.7 mg、0.073 mmol)を加え、15 分間加熱後、1 H-NMR を測定 した。残渣の NMR より以下の 2 種のπ−アリル錯体を同定した。 1 H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.06 (t, J = 7.35 Hz, 6H), 3.27-3.22 (m, 2H), 4.64 (t, J = 11.0 Hz, 1H). 1 H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.86 (t, J = 7.35 Hz, 3H), 1.20 (m, 1H), 1.42 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.80 (dd, J = 12.9, 5.5 Hz, 1H), 3.27 (m, 1H), 4.88 (m, 1H). クロスオーバー実験 クロスオーバー実験 クロスオーバー実験 クロスオーバー実験 アルゴン置換したスクリューバイアルに、イソプレン (1a、277.3 mg、4.07 mmol)、 蒸留精製したベンズアルデヒド-d1 (2a-d、53.6 mg、0.5 mmol)、p-フルオロベンズア H H H CH3 Ru H3C Ph3P PPh3 OC Cl H H H Ru H Ph3P PPh3 OC Cl CH3
42 ルデヒド (2g、62.0 mg、0.5 mmol)、RuHCl(CO)(PPh3)3 (47.9 mg、0.05 mmol) を加え てトルエン (6 mL)溶液とし、アルゴン封入した。この反応液を90 ℃で24時間攪拌 した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー (hexane:EtOAc = 50:1)で精製し、3aと3gをそれぞれ46 %と50 % (88.0 mg)の 収率で得た。重水素の混入比率はGCMSによりM+ とM+ +1ピークの相対強度の比較 によって決定した。 実験サンプル; 3a: m/z 172 (M+ , 1.64), 173 (M++1, 0.86); 3g: m/z 192 (M+, 1.52), 193 (M+1, 0.66)、標準品; 3a: m/z 172 (M+, 1.81)、173 (M+1, 0.18); 3g: m/z 192 (M+, 1.85), 193 (M+1, 0.24). 以上から、3aと3gの重水素化比率はそれぞれ29 %と23 %であった。