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大阪経済法科大学 科学技術研究所 紀要11巻第1号

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(1)

2006 ISSN 1881-5081

韓国、日本、ロシアにある溶岩洞窟形成層の

蛍光 X 線分析と偏光顕微鏡的研究

沢 勲

*

・古山勝彦

**

・大橋 健

*

・鹿島愛彦

*** (* 大阪経済法科大学教養部教 **大阪市立大学理学部大学院理学研究科助教授 ***愛媛大学名誉教授、大阪経済法科大学 科学技術研究所客員教授)

XRF Analysis and Polarizing Microscopic Study of

the Lava Cave Formation, Korea, Japan and Russia

Isao SAWA

1

, Katsuhiko FURUYAMA

2

,

Tsuyoshi OHASHI

1

and Naruhiko KASHIMA

1

( Osaka University of Economics and Law1, Osaka City University2 )

ABSTRACT

(1)Kaeuset-gul Cave in Kimnyong-Ri, Jeju-Do, Korea.

Kaeuset-gul Cave (KC) is situated in NNE area of the Manjang-gul cave (125m a.s.l.). Kaeuset-gul Cave lies at 126o45'22” E in longitude and 33o33'09” N in latitude. The coast belong Kimnyeong-Ri, Kujwa-eup, Jeju-city,

Jeju-Do. Altitude of the cave-entrance is 10m a.s.l and length of the cave is 90m. Lava hand-specimens of KC are studied by X-ray fluorescence analysis (XRF). Average major chemical components of specimens from KC is as follows (wt.%); SiO2=47.03, TiO2=3.16, Al2O3=18.41, FeO*=13.53, MnO=0.14, MgO=5.05, CaO=8.66, Na2O=2.81,

K2O=0.67, P2O5=0.55. Polarizing microscopic study indicates that these specimens are described of alkali-basalt.

(2)Tachibori Fuketsu in Shizuoka Prefecture, Fuji Volcano, Japan

Tachibori Fuketsu lies at toward the south in skirt of the Fuji volcano, 138°42′04″ east longitude and 35°18′00″ north latitude. The location of cave entrance is 2745, Awakura, Fujinomiya-shi, Shizuoka Prefecture. The above sea level and length o f Tachibori Fuketsu are 1 , 1 7 0 m a n d 8 2 m . Average major chemical components of specimens from cave are as follows (Total 100 wt.%) ; ( SiO2=50.52, TiO2=1.69, Al2O3=15.47, FeO*=13.13, MnO=0.20, MgO=5.97,

CaO=9.17, Na2O=2.52, K2O=0.94 and P2O5= 0.40). Polarizing microscopic study indicates that these specimens

may belong to tholeiite-basalt series. According to polarizing microscopic study, Au (Augite), Pl (Plagioclase), and Ol (Olivine) are contained as phenocryst minerals.

(2)

2006 ISSN 1881-5081

3)Gorely Cave in Kamchatka Peninsula, Russia

Gorely caldera is located at the southeastern part of Kamchatka Peninsula, about 75km southwest of Petropavlovsk- Kamchatskiy. Gorely lava caves are situated in NNE area of Mt. Gorely volcano (1829m a.s.l.). One of lava cave (Go-9612=K-1) lies at 158°00′22″ east longitude and 52°36′18″ north latitude. The elevation of cave entrance is about 990m a.s.l. and the main cave extends in the NNW direction for about 50m by 15m wide and 5m in depth. The cave of K-3 is near the K-1 cave. Lava hand-specimens K-1 and K-3 caves are studied by X-ray fluorescence analysis and polarizing microscopic observation. Average major chemical components of specimens from these caves are as follows (wt.%) ;( SiO2=55.12, TiO2=1.25, Al2O3=16.07, T-FeO*=9.41,

MnO=0.16, MgO=5.01, CaO=7.21, Na2O=3.39, K2O=1.92, P2O5=0.45) and these values indicate that the Gorely

basaltic andesite belong to high alumina basalt. Polarizing microscopic study indicates that these specimens are described of Augite andesite.

Key words

:

Lava Cave, Lava Stalactite, Polarizing

Microscopic

Study, X-ray

Fluorescence

Analysis

[大阪経済法科大学科学技術研究所紀要 11 号][The Institute of Science and Technology Osaka University of Economics and Law Vol.11(2006)、41-55 pp]

1. はじめに

韓国のデータは、済州道で行った日韓共同洞窟総合学術調査(2001-2003)の一部である。 Kaeuse 窟(KC)は萬丈窟 システムの一部にあたり、同島北東部海岸に位置する。 行政上は済州市旧左邑金寧里に属する。 金寧里集落の南東部 に洞口があり、そこの数理位置は北緯33°33′09″;東経126°45′22″である(Map.1.)。 本洞窟に関しては、海岸線からわず か 100 数十m足らずの位置にあり、海食洞窟もしくは溶岩洞窟との複合洞窟である疑いがもたれており、さらに海岸湧水 や海底洞窟との関連性も興味深く、そうした点が本洞調査の最初の動機となった。 済州海峡に跨る溶岩洞窟(海底洞窟) の存在の可能性が大きいことが予測された。 調査の成果と問題点についてはすでに、日本洞窟学会講演平和台大会に おいて中間報告(沢ほか、2004)1)を行い、さらに、2 論文がある(大橋、20042・沢ほか、20053)。 海面下溶岩洞窟(Kaeuse 窟)について、日韓合同調査を試みた。 造洞層(溶岩)の採取とその蛍光 X 線分析による組 成、洞内水の汚染状況を明らかにする目的で水質分析を試みた。 さらに、周辺地区の金寧寺窟などとの関連、海岸湧水と の関連、海岸段丘や離水浜堤列などとの関連について検討した。

日本のデータは、静岡県富士宮市、Tachibori Fuketsu (Cave )(標高 1,170m :総延長 82m以上)にある溶岩(L)と溶 岩つらら(LS)の蛍光 X 線分析と偏光顕微鏡的性格に関する学術調査(2004 年 10 月 31 日)の一部である。 Tachibori Fuketsu は静岡県粟倉 2745 に所在し、西臼塚溶岩流(西臼塚山の標高:1,289m、緯度 35°17′59″;経度 138°42′46″)の、緯 度35°18′00″;経度138°42′04″に位置し、表富士グリーン観光株式会社敷地内にある(Map.2.)。 Tachibori Fuketsuの偏光 顕微鏡観察は、溶岩およびLS の縦断面(楔型)の外殻と核(中央部)および横断面(円形)の外殻と核(中央部)である。 そ の結果、まず、蛍光 X 線分析によると、溶岩はソレアイトである。 次に、偏光顕微鏡観察によると溶岩には普通輝石 (Au=Augite)、斜長石(Pl=Plagioclase)と橄欖石(Ol=Olivine)斑晶が認められ、LS には、ガラス、Au、Pl と Ol とが認 められ、両者の違いが確認された。 更に、西臼塚溶岩の化学組成が初めて明らかにされた。 また LS については、その 外形・内部構造、そして、どのように成長したのか、などが纏められた。 ロシアのデータは、カムチャツカ半島で行った日露共同洞窟総合学術調査(2004)の一部である。 Gorely 火山はカムチ ャツカ州都であるペトロパブロフスクの南西側の、北緯52°27′;東経 158°07′に位置する。 直径 13km×12km のカルデラ を形成し、爆発性の噴火をする火山のタイプである。溶岩洞窟(K-1)は、Gorely 火山の北北西方向にあり、北緯 52°36′18″ ; 東経 158°00′02″に位置している(Map.3.)。 本格的な学術調査は行われていないが、BCRA(British Cave Research Association)は、1996 年に Kamchatka Lavatubes の調査を行い South Tolbachik 火山で 12 本の、North Gorely 火 山で14 本の溶岩洞窟の測量図を作成している(BCRA)4)

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2006 ISSN 1881-5081

Map.1. The Lava Caves Distribution Map of Jeju-do, Korea. (Contour Interval is 100m).

2.洞窟周辺の地形・地質概観

Map.2. The Lava Caves Distribution Map of

Mt. Fuji, Shizuoka. (Counter Interval is 100m.)

Map.3. The Lava Caves Distribution

Map of Gorely Caldera, Kamchatka

Peninsula, Russia.

(4)

2006 ISSN 1881-5081

2.1. 韓国済州道、萬丈窟システムの K a e us e t - g u l (溶岩洞窟)

済州道は、韓半島の最南端に位置する。 第三紀末から第四紀のはじめに噴出した玄武岩からなる Hot Spot 型の火山 島である。 済州島の火山活動は、第三紀末に開始し、第四紀前半に主要な活動は終息している。 早期に流出した古期の 溶岩層は、標高 200m 以下の海岸部のなだらかな台地をつくっている。 一方、済州島の中央部に聳える韓国の最高峰、 漢拏山(1950m)はアスピ-テを貫く、鐘状(トロイデ)火山の特徴を呈し、済州島は時代を異にする火山体の形成する複成 火山である。 済州島の地質は、玄武岩からなり南部の一部に堆積岩が見られる。 済州火山島の中心から東北と西南を 結ぶ線、西北と東南を結ぶ線および東西の中間線で区分するとそれぞれの地区に多くの特徴が見られる。東西の中間線 の南側と北側は、それぞれ寄生火山と多くの洞窟が存在している。 現在まで確認されている溶岩洞窟数は、190 前後であ り(Hong、1987)、そのうち調査が実施されたものについては、沢ほか(2001)5) 60 個であると報告している (Map.1.)。 洞窟の大部分は、北東部の旧左邑と北西部の翰林邑および涯月邑に集中的に分布している。 萬丈窟・狭才 窟およびBillemot 窟洞窟システムなど本島の代表的な洞窟もここに発達している。 溶岩洞窟は特定の溶岩地帯「粘性が 小さく、アルカリ玄武岩層」のなかに形成されており、単位面積(1km2)あたりの洞窟密度という点では、済州道はアジア第 1 位である。

.2. 日本 静岡県富士宮市、富士山の Tachibori Fuketsu(溶岩洞窟)

静岡県、富士山の溶岩洞窟の分布図はMap.2.のとおりである。 Tachibori Fuketsu の溶岩流(の岩相)は、主として赤 褐色を呈する玄武岩質火砕岩により形成されている。 岩石の肉眼鑑定・ 検鏡結果によれば、西臼塚溶岩流の溶岩は、橄 欖石・普通輝石玄武岩である。Tachibori Fuketsu の特徴は、2次溶岩流が流れた後に、形成された洞窟内の溶岩の流れ を完全に確認することが不可能であることにある。 洞窟の内部は、崩落が多く、天井部では、急冷却相を示す黒色の光沢 の多彩なタイプの溶岩と LS がある。津屋(1938)6)は、富士山の岩石学的研究を報告し、さらに溶岩洞窟の形成モデルを

考案(津屋、1971)7)した。Tachibori Fuketsu に関する報告としては、小山(1990)8の形態構造の調査がある。

高橋ほか(2003)9)は富士火山をstage1-stage 9にわけた。 古富士火山はstage1-5 新富士火山はstage6-9に相当する。 彼らは 847 個の分析データをプロットして、古富士火山、新富士火山の化学組成の特徴を示した。 主化学成分では新富士火山 は古富士火山に比べ、FeO*/MgO が高いものがおおくまたTiO2K2OP2O5に富む特徴が確認された。 この 847 個の分析

データをグラフ化し、西臼塚溶岩の分析値をプロットした。 その結果、西臼塚溶岩は,新富士火山の中でも FeO*/MgO 比が低い

側にある。 一方,特に K2O、P2O5にとみ,新富士火山の化学組成の特徴をもつことが明らかとなった。

.3. ロシア カムチャツカ半島、Gorely 洞窟(溶岩洞窟)

カムチャツカ半島(Kamchatka Peninsula)は、ユーラシア大陸の東端部に位置するロシア連邦カムチャツカ州に属して おり、州都はペトロパヴロフスク・カムチャツキー(Petropavlovsk-Kamchatskiy)である。 西側のスレジンヌイ山脈 (Shredinng Ridge-中央山脈:延長 900 km)と東側のボストーチヌイ山脈(Vostochny Ridge-東部山脈:延長 600 km)に分 布しており、約300 個の休火山と 29 個の活火山が存在する。 Map.3.は、ゴレーリ・カルデラの溶岩洞の分布のみを楕円 形の実線で表示している。 これまでのカムチャツカ半島における溶岩洞窟の報告には、次のものがある。

横山(1992)10)は、トルバチック(Tolbachik)火山の 1975~1976 年に割れ目噴火した玄武岩溶岩中の溶岩洞に入洞して

いる。 富士山火山洞窟研究会は 1995 年 9 月に、ニュー・トルバチック(The New Tolbachinsky)火山の南西山麓(標高 1,199m~340m 附近)の噴石丘列群から 1973 年に流出した溶岩流中の 3 本の溶岩洞窟を調査している(小川ほか、 1997)11) 大阪経済法科大学 “日露共同洞窟総合学術調査“は、2004 年 8 月ロシア・アムネイ・クラブの協力を得て、 Gorely 火山の溶岩洞窟の調査を実施した(沢ほか、2006)12) カムチャツカ半島のGorely 洞窟 K-1(Go-9612)および K-3 洞窟は溶岩洞窟であり、氷穴でもある。 K-1 洞窟は標高9 90m、長さ55m、幅約 15m、深さ 5m、ラバ・チュ-ブの典型的形態をとどめており、断面は半円型をなす。 主洞の方向 は北北西の方向を示し、傾きながら低下し、洞幅も大きくなっている。 その下部には流動した溶岩流が沈下した跡や陥没 口があり、崩落岩塊が洞底に堆積したままで、洞底・洞壁・天蓋部には氷が見られる。 溶岩鍾乳などの地物の発達は不良 である。 複数の枝洞が認められ、一連の洞窟系を構成しているものと考えられる。

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2006 ISSN 1881-5081

. 偏光顕微鏡観察および考察

3.1.韓国 済州道、溶岩洞窟と溶岩樹型 .

韓国済州道にある溶岩洞窟と溶岩樹型の溶岩試料の偏光顕微鏡観察結果は、次のとおりである。 萬丈窟産の溶岩石 柱(Photo.1.左側)・溶岩橋3F(Photo.1.中央の下段部)の試料には斑晶として橄欖石・単斜輝石・斜長石が、Billemot 窟産 (Photo.1.右側の上段部)、昭天窟産(Photo.1.中央の上段部)、翰林邑産の溶岩樹型(Photo.1.右側の下段部)の溶岩には 橄欖石・斜長石が確認された。

3.2.日本

富士山、Tachibori Fuketsu 産(溶岩つらら石:LS).

これまで富士山の溶岩洞窟にある LS の試料薄片の偏光顕微鏡観察結果としては、渡部ほか(1991)13)による、

Mitsuike lava tunnel 産の溶岩ストロー(横断面と縦断面)についての報告があるが、溶岩ストローの各部分における鉱 物名は記載されていない。 Tachibori Fuketsu のLSの特徴は「黒色の外殻部は厚さ約 10μm でほとんど不透明鉱物 (Fe-Ti 酸化鉱物と思われる)から構成されている。 外殻から内部へ厚さ約 40μm まで(マントル部)は、さらに内側(核部) に比べ細粒であり、かつ外殻内側から内部へ垂直に近い急角度で針状の Pl(斜長石)、Au(普通輝石)が成長する。 ま た、マントル部のFe-Ti 酸化鉱物は核部に比べて微細な急冷成長の形態をなす」ことである。 LS の横断面(Photo.2.左側))と縦断面(Photo.2.右側)は、Glass(ガラス)、Au(普通輝石))および Pl(斜長石)が、オー プンニコルとクロスニコルによって観察できる。Photo.3.は、立堀風穴にある溶岩つらら石の横断面の偏光顕微鏡写真(右 側:反射像)である。写真で見る限り、外殻は厚さ 10μm程度の黒色不透明皮膜である。黒色不透明皮膜の下部にあるマン トル部は、厚さ 40μm程度である。マントル部内にある白い線で囲まれた2ヶ所の円表示は、左右に細粒結晶集合が含ま れている。細粒結晶部は、より厚いし、内部に比べてより細粒には見えない。マントル部の下部にある核部(中芯)には、白 い線で囲まれた2ヶ所の円表示は、中央の上下により大きい結晶が含まれていると判断できる。Photo.4.は、立堀風穴に ある溶岩つらら石の縦断面の偏光顕微鏡写真(左側:オープンニコル、中央:クロスニコル、右側:反射像)である。写真で見 る限り、外殻は黒色不透明皮膜であり、マントル部には細粒結晶集合が含まれ、核部(中芯)には、大きい結晶が含まれて いると判断できる。 LS の特徴は、Glass(ガラス)、Au(普通輝石))、Pl(斜長石)および Ol(橄欖石)が観察できることである。石基は Pl(斜 長石)、Au(普通輝石)、Fe-Ti酸化鉱物および褐色のGlass(ガラス)からなる。 構成鉱物および組織に関して溶岩、LSの マントル部、核部は同じである。 LS の外殻は、地上で空中に飛散した玄武岩マグマが急冷されてガラス(ペレーの涙、ペ レーの髪など)になるのに対し、Fe-Ti 酸化鉱物からなることが確認された。

3.3.ロシア

カムチャッカ、Gorely 溶岩洞窟

Gorely 産溶岩の偏光顕微鏡観察結果は、斑晶は、1~数mm の自形~半自形の斜長石、数mm 以下の半自形~他形 の普通輝石からなる斑状組織をしている。 斜長石は集片双晶をなし、累帯構造の顕著なものが多く、集斑状をなすものも 見られる。 普通輝石は自形をなすものは少なく、不定形の普通輝石のみでの集斑状や斜長石と普通輝石とで集斑状をな すものが見られる。 石基はインターサータル組織(填間状組織)をなし、0.1~0.3mm 程度の細長い斜長石や不定形の普 通輝石の間を、褐色のガラス状・粒状の不透明鉱物などが充填している。肉眼的特徴は多孔質な黒色の岩石で(Photo.5. 左側)、数 mm 以下の白色の斜長石斑晶が目立つ存在である(Photo.5. 右側)。 岩石名は普通輝石安山岩であると認定 できる。

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2006 ISSN 1881-5081 Photo.2. Microphotographs of Cross Section (12X15mm)and Vertical Section (14X25mm) of Lava Stalactite from Tachibori Fuketsu (Cave). (Thin Section)

Photo.3. Microphotographs (Left Side: Open Nicol, Right Side: Reflected Light)of Cross Section of Lava Stalactite Thin Section from Tachibori Fuketsu (Cave).

Photo.1.Microphotographs

( Crossed Nicol ) of Lava Sample from Jeju, Korea. Where, CPx: Clinopyroxenes, Pl : Plagioclase and Ol=Olivine.

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2006 ISSN 1881-5081 Photo.4. Microphotographs (Left Side: Open Nicol, Middle:Crossed Nicol, Right Side:Reflected Light ) of Longitudinal Section of Lava Stalactite Thin Sectionfrom Tachibori Fuketsu (Cave).

Photo.5. Microphotographs ( Crossed Nicols ) of Gorely Cave(Sample-Right Side, Hand Specimen Sample of K-3-Left Side), Kamchatka, Russia. Where, Au:Augite and Pl:Plagioclase.

4. 全岩化学組成および考察

4.1.蛍光X線分析による全岩化学組成

済州道における溶岩成分分析値について、萬丈窟石柱(沢ほか、198914)、沢ほか、199015と沢、1990)16、萬丈窟洞窟(沢、 1996)16)、萬丈窟溶岩橋(沢ほか、199917、Sawa et al.,200018)、済州道の溶岩(沢ほか、200019・沢ほか、200520)が報告さ れている。 済州道の洞窟産火山噴出物の SiO2組成範囲は、47.03~53.10wt.%である。

Tachibori Fuketsu 産の溶岩の化学組成 (wt.%)は、Table.1.に示した。この数字と富士山にある溶岩洞窟との比較を 行った。 Tachibori Fuketsu の SiO2=50.52(wt.%)は、富士山の溶岩洞窟の平均岩石値と同じ程度である。Tachibori

Fuketsu の TiO2=1.69、MnO=0.2、K2O=0.96 と P2O5=0.40 (wt.%)は、富士山にある溶岩洞窟の最大値と同程度であ

る。一方、Tachibori Fuketsu の Al2O3=15.47 と CaO=9.17(wt.%)は、富士山における溶岩洞窟の最小値と同じ程度であ

る。 富士山の溶岩について、溶岩成分の分析値については、沢ほか(2001)21)、溶岩樹型の分析値については、ほか (1998)22)となどの報告がある。 富士山における洞窟産の火山噴出物の SiO 2組成範囲は、47.97wt.%(八幡穴)~ 51.27wt.%(須走胎内)である。 カムチャッカ半島においては、Gorely 溶岩洞窟の溶岩分析値については、沢ほか(2006)12)で報告されている (Table.1.)が、火山噴出物の SiO2組成範囲は、50.06~55.85wt.%である。

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2006 ISSN 1881-5081 T a b l e . 1 . R e p r e s e n t a t i v e X R F A n a l y s i s R e s u l t s o f E f f u s i v e a n d L a v a C a v e s o f J e j u - d o ( U p p e r B e r t h ) , M t . F u j i ( M i d d l e B e r t h ) a n d K a m c h a t k a ( L o w e r B e r t h ) . ( T a t s u m i e t a l . , 1 9 9 5 , S a w a e t a l . , ( 2 0 0 3 ) , S a w a e t a l . , ( 2 0 0 4 ) )

(9)

2006 ISSN 1881-5081

4 . 2 .ケイ酸とアルカリ成分(Na

2

O+K

2

O)との関係

ケイ酸とアルカリ成分(Na2O+K2O)と SiO2との関係は、アルカリ玄武岩系列(A)、高アルカリソレアイト(高アルミナ玄武

岩)系列(HT)と低アルカリソレアイト系列(LT)の 3 つの範囲に区分できる。 済 州 道 に お け る 溶岩洞窟産溶岩のケイ 酸(47.03~53.10w t . % )とアルカリ成分(2.90~4.49w t . % )の関係については、Fig.1.に示してある。 図中の●表示 は、Kaeuse 窟産の溶岩である。 済 州 道 に お け る 溶岩は 、 アルカリ玄武岩系列(A)と低アルカリソレアイト系列(LT) に属している。溶岩洞窟は主に玄武岩である。

富士山のいくつかの溶岩洞窟の成分分析値は、Table.1.に示した。 今回分析値を示した Tachibori Fuketsu 産の溶岩 は、高アルカリソレアイト(高アルミナ玄武岩)系列(HT)属する( Fig.2.) 。 富士山の溶岩は玄武岩質から流紋岩質まで組 成範囲が広い中で、溶岩洞窟は主に玄武岩に分布している。 富士山に見られる溶岩洞窟の溶岩は、SiO2が増加するに

つれ、(Na2O+K2O) も増大の傾向がある。

カムチャッカ半島産の分析値は、高アルカリソレアイト(高アルミナ玄武岩)系列(HT)属する。 溶岩のケイ酸(50.06 ~55.85w t . % )とアルカリ成分(2.86~5.35w t . % )との関係を考察した( Fig.3.) 。 カムチャッカ半島に見られる溶岩 の アルカリ成分は 、SiO2が大きくなるにつれ、(Na2O+K2O) も大きくなる傾向がある。

4 . 3 . ケ イ 酸 (SiO

2

)と 酸 化 カ リ ウ ム 成 分 (K

2

O)と の 関 係

ケイ酸と酸化カリウム成分との関係は、high-k、medium-kと low-kの 3 つの範囲に区分される。 済州道産溶岩におけ る溶岩は、この3つの範囲(high-k、medium-kとlow-k)にわたっている。 ケイ酸(47.03~53.10wt.%)と酸化カリウム成 分(0.36~1.54wt.%)の関係を比較した(Table.1.と Fig.4.)。 Fig.4.の●表示(SiO2=47.03wt.%)と(K2O=3.48wt.%)

は、Kaeuse 窟産の溶岩である。 済州道産の溶岩は、SiO2が多くなるにつれ、酸化カリウムが減少する傾向が認められる。

富士山産の溶岩のケイ酸と酸化カリウム成分との関係を究明するため、ケイ酸(47.97~51.27wt.%)-酸化カリウム成分 (0.52~0.96wt.%)図に、それぞれの溶岩の化学組成をプロットした(Table.1.と Fig.5.)。 Fig.5.中央図の●表示は、 Tachibori Fuketsu 産の溶岩である。 Tachibori Fuketsu 産を含む富士山の溶岩洞窟の酸化カリウム成分は、 medium-K の領域であることが確認できた。 Tachibori Fuketsu 産の溶岩の酸化カリウム成分(0.94wt.%)については、 比較した富士山の洞窟中では最大値を示している。

カムチャッカ半島の洞窟産溶岩のケイ酸(50.06~55.85wt.%)と酸化カリウム成分(0.27~1.96wt.%)との関係を検討し た。 Fig.6.の●表示は、沢ほか(2006)12)による Gorely 洞窟産の溶岩である。 Gorely 洞窟溶岩の酸化カリウム成分は

high-k の領域である。 一方、沢ほか(2006)12)以外のTatsumi et al.,(1995)23による酸化カリウム成分は、玄武岩質と玄

(10)

2006 ISSN 1881-5081 Fig. 1. Plot of SiO2 vs. (Na2O+K2O) contents of Lavas in Jeju-do, Korea.

Fig. 2. Plot of SiO2 vs. (Na2O+K2O) contents of Lavas in Mt.Fuji, Japan.

(11)

2006 ISSN 1881-5081 Fig.4. Plot of SiO2 vs.K2O contents of Lava Caves in Jeju-do, Korea.

Fig.5. Plot of SiO2 vs.K2O contents of Lava Caves in Mt. Fuji, Japan.

(12)

2006 ISSN 1881-5081

. おわりに

済州道、金寧里のKaeuse 窟の造洞層の蛍光 X 線分析の結果は、つぎのように要約できる。Kaeuse 窟溶岩のTiO2、

FeO* Al2O

3は、Table.1.の中の値では、最大の含有率を示し、SiO2、MnO と MgO は、最小の含有率を示している。

Kaeuse 窟溶岩は、SiO2と(Na2O+K2O)の関係からアルカリ玄武岩であることが明らかとなった。

Tachibori Fuketsu の蛍光 X 線分析(溶岩)と偏光顕微鏡観察(溶岩と溶岩つらら石)の結果は、次のように要約できる。 まず、蛍光X線分析によると溶岩は高アルミナ玄武岩である。 次に、偏光顕微鏡観察によると溶岩には、LSの核部ともに 斑晶としてAu、Plと Olが認められる。また、LS は組織により外殻・マントル・核に分けられることが確認できた。

ロシア、カムチャツカ半島の溶岩洞窟において、Gorely 火山にある洞窟については、洞窟を胚胎する溶岩の化学組成 分析によると、Gorely 洞窟の試料(K-1 と K-3)における SiO2(55.12;55.09wt.%)と Na2O+K2O(5.31;5.35wt.%)の高ア

ルミナ玄武岩である。次に、偏光顕微鏡観察によると普通輝石安山岩である。

Tachibori Fuketsu の洞窟調査の入洞時には、地主の静岡森林管理署 表富士森林管理所の事務局からの申請をいた だいた。ご尽力くださった表富士グリーン観光株式会社の杉山文孝支配人に感謝申し上げます。この論文作成にあたっ て、資料提供のご協力を頂きました「北九州市立自然史・歴史博物館」の藤井厚志博士と本学客員研究員の大佐古孝様に 感謝の意を表します。 さらに情報処理に協力頂いた藤田浩史、上原章弘と肥塚義明君に感謝の意を表します。

参考文献

1) 沢勲・大橋健・金炳宇・皇甫相源・金昌植:韓国、済州道金寧里、海面下溶岩洞窟(ケウセッ窟)の地形解析、X線分析と 水質分析、日本洞窟学会第30 回大会(平尾台大会)講演要旨集、18-19、2004。 2) 大橋健(2004):宇宙衛星画像から見た済州道(その 1)北東部溶岩台地上の旧河道群と河川争奪、大阪経済法科大学 論集、84、47-58、2004。 3) 沢勲・大橋健・井上央・金炳宇・皇甫相源・金昌植:韓国、済州道金寧里、海面下溶岩洞窟(ケウセッ窟)の地形解析、 造 洞層のX線分析と水質分析、大阪経済法科大学論集、89、1-29、2005。

4) British Cave Research Association:Kamchatka Lavatube, BCRA,4C,1996.

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Fig. 2.  Plot of SiO 2  vs. (Na 2 O+K 2 O) contents of Lavas in Mt.Fuji, Japan.

参照

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