教師の教育情報に関する行動(1):情報量,情報源,処理形態について
全文
(2) 96. 具体的には,次の4点について調査する。 ①日常接している教育情報の量を教師がどのように認知しているか,また,その情報のうち, 実際に有用な情報は十分であると感じているかどうか(情報量および有効情報量) ②教師はそれらの教育情報をいっ入手しているか(情報入手の時間帯) ③教師は,教育情報をどのようにして入手しているか(情報入手手段または情報源) ④教師は,どのような方法で入手した情報を処理しているか(情報の処理方法または,処理の ために活用している用具) この調査は,兵庫教育大学修了生の研究活動のデータベースの作成と通信網の構築,教育現場 で望まれている教育資料の調査とともに行われた。本稿では,これらのうち,教師の教育情報に 対する行動についての調査結果をあまり細かい部分には触れず,概括的にとらえた部分を記述す る。. 2方法 2.1調査対象者および分析対象者 兵庫教育大学修了生1784名(昭和56年度∼63年度)のうち,住所不明者,海外在住者等を除い た1697名を調査の対象とした。回収されたデータは311名分で,回収率は約18%であった. なお,回収されたデータのうち, 4名のデータは,ほとんど回答が記入されていなかったため, 除外した。したがって,分析の対象となったのは, 307名分のデータである。 分析対象者の大部分は男性(281名, 91.5%)で,女性はわずか(24名, 7.8%)であった(性別の 無記入者2名) 。 所属校種と年齢については,表1に示した。また,役職の内訳を表2に示した。表1に表され ているように,小学校,中学校および高等学校の教員が校種回答者の7割以上(298人中216人) を占めている。また,表2に示されているように,役職回答者の約75%は教諭である(300人中 224人)0 表1分析対象者の年齢と校種による内訳. 佼種l) 小学校中学校高等学校養護学校教育止)その他 委員会 年齢合計. 34歳以下34 20 13 35-39歳21 16 40歳以上27 26 23 合計97. 67. 52. 78 93 27. 17. 36. i)幼稚園教員は1名しかなかったため,その他に含めた。 近)教育研修センター等に勤務するものも含むo iR)年齢または校種の無記入者9名O. 29. 17. 127. 298迅).
(3) 教師の教育情報に関する行動(I). 97. 表2分析対象者の役職. 役職 校長教頭教諭指導主事その他合計. 人数224. 24. 38. 300. '. i)役職無記入者7名。 2.2諏査票 調査票の構成は以下の通り。 I.対象者の属性等 氏名,年齢,性別,修了コース,修了期,住所,勤務先,校種,役職,専門科目等。 Ⅱ.研究活動` 研究テーマの領域,研究テーマとキーワード,所属学会,最近の業績 Ⅲ.使用しているパソコンのソフトウェアの名称,種類等 Ⅳ.パソコン通信と大型データベースの使用 Ⅴ.教育情報処理の実態について 1)教育情報の量(4ポイント評定) 2)教育情報の入手時間帯(8種類から3つ選択) 3)教育情報の入手手段(25種類から3つ選択) 4)教育情報の処理方法(8種類多重回答) Ⅵ.入手したい情報の種類と入手方法(自由記述) Ⅶ.学校教育研究センターに揃えるべき資料の種類と利用方法(自由記述) 2.3諏査実施手続および時期 上記調査対象者に調査票を郵送し,郵送による返答を求めた。調査時期は1990年3月。 3結果 3.1各種教育情報の量 今回,大まかに分けた場合の教育情報の種類を,以下の7つとした。 ① 「教育の理念などに関する理論的情報」 (以下, 「教育理論等に関する情報」と略記) ② 「学校・学級経営に関する情報」 ③ 「教育方法に関する情報」 ④ 「生徒指導に関する情報」 ⑤ 「進路指導に関する情報」 ⑥ 「教科に関する情報」 ⑦ 「その他」 これらそれぞれの情報量について, 「ほとんどない」, 「少しはある」, 「かなりある」 , 「非 常に多い」の4段階で回答を求めた。また,そのなかで,自分の教育活動に実際に役立っている と思われる情報量について, 「非常に不足」 , 「少し不足」 , 「まあまあある」 , 「十分である」.
(4) 98. の4段階で回答を求めた。情報量については, 「ほとんどない」を1点とし,以下1点ずつ増加 して, 「非常に多い」が4点となるよう, 4段階で得点化した。また,後者の役立っ情報につい ても同様に, 「非常に不足」 (1点)から「十分である」 (4点)の4段階で得点化した。 教育情報量と,実際に役立っている情報それぞれで, 「その他」への回答は, 38(分析対象者の 約12%)と少数であったため,今回の分析では除外し,残りの6種の情報についての教師による 認知を検討した。教育情報量の6個の各得点に欠損値のない271人のデータについて,分散分析 (被験者内1要因)を行ったところ,有意差が得られた(F-34.4, tf/-5/1350; p <.01)。各情 報量の平均得点を図1に,各平均値間の多重比較(ライアンの法)の結果を表3に示した。これ らに示されているように, 「教科に関する情報」の量が,他の情報の量よりも多く, 「教育理論 等に関する情報」と「進路指導に関する情報」の量は, 「教科に関する情報」や「生徒指導に関 する情報」よりも少ないと認知されている( 「教育理論等に関する情報」については, 「教育方 法に関する情報」の量とも有意差があった) 。 次に,教育活動で実際に役立っている情報量(有効情報量)についても,欠損値のない259人 のデータについて,同様に分散分析を行ったところ,有意差が得られた(F-15.17, df-5/1290, p<.01)。各情報に関する平均得点を図2に,平均値間の多重比較の結果を表4に示した。これ らから, 「教科に関する情報」に関する有効情報量が,他の教育情報に関する有効情報量よりも 多いと認知されている。. 平 & 尋. 情報の種類 図1教育情報の量についての教師の認知。.
(5) 教師の教育情報に関する行動(1). 99. 表3教師の認知した教育情報量の平均値についての多重比較結果 (ライアン法による。数値はl値, ( )内は名義水準,自由度-1350). 情報の種類. ①教育理論等. ①. ②. ③. ④. ⑤. ⑥. NS 3.21 * 4.81* NS ll.58' (.006) (.004) (.003). ②学校・学級経営. NS. NS. NS. 8.73. *. (.006). ③教育方法. NS. NS. 8.37. *. (.008). ④生徒指導. 3.92* 6.77' (.006) (.017). ⑤進路指導. 10.69 * (.004). ⑥教科 * : 5%水準で有意差あり, NS:有意差なし. 辛. 情報の種類 図2教育情報の有効情報量についての教師の認知。.
(6) 100. 表4教師の認知した有効教育情報量の平均値についての多重比較結果 (ライアン法によるO数値はt値, ( )内は名義水準,自由度-1290). 情報の種類 (彰教育理論等. ①. ② NS. ③ NS. ④ NS. ⑤. NS. ⑥. 7.13. *. (.004). ②学校・学級経営. NS. NS. NS. 4.45. *. (.017). ③教育方法. NS. NS. 6.59. *. (.006). ④生徒指導. NS 6.06 ' (.008). ⑤進路指導. 1A (.003). ⑥教科. * : 5%水準で有意差あり, NS:有意差なし 3.2情報を得る時間帯 上記7種類の教育情報を入手する時間帯について,教師の日常的活動を考慮して, 9種類時間 帯を設定した。これらの中から,情報の入手が多い時間帯を3つ以内で選択させた。 「その他」 の情報について回答していた者は,わずか26名であったので,ここでも残り6種の教育情報につ いて,各時間帯を選択した者の割合を図3にプロットした。この図から,校外研修が情報を得る 機会として重要な位置を占めているものと,会議・会合時に主に情報を得ているものがあること がわかる。校外研修が情報取得の重要な機会となっているものは, 「教育理論等に関する情報」 「教育方法に関する情報」 「教科に関する情報」の3種である。また,会議・会合時に多くの情 報を得ているものは, 「学校・学級経営に関する情報」 「生徒指導に関する情報」 「進路指導に 関する情報」の3種である。また,校内研修は, 「教育理論等に関する情報」と「進路指導に関 する情報」を除き,他の4つの情報については,比較的高い位置を占めている。校外研修が最も 高くなっている「教育理論等に関する情報」 「教育方法に関する情報」 「教科に関する情報」の 3種については,過日の勤務時間外や,休日も情報入手の機会が多い時となっている。 「生徒指 導に関する情報」と「進路指導に関する情報」は,放課後に得られるとした者も比較的多い。最 後に,授業中や,休憩時間中に情報を得るとした者は全般に少なかったが, 「教科に関する情報」 や「教育方法に関する情報」で,授業中を選択した者の割合が他の情報での割合よりも比較的高 く,休憩時問については, 「生徒指導に関する情報」で,ある程度の選択者がみられた。.
(7) 教師の教育情報に関する行動(1). 101. ●校外研修 ●会規. e会議. ●校外研修. ●`会議. 校外研修 休日. ●過日勤外 ●休日. ●校内研修. ●校外研修 ●校内研修. ●校内研修●放課後 ●休日 ●過日勤外. ●放課後. ●校外研修. ●過日勤外. ●授業中. ●会言菰. ●休日. ●休憩時間.校外研修. ●その他. ●放課後. ●校内研修. ●週日勤外 校内研修. ●校内研修. ●授業中. I志漂後. ●放課後 ●その他. ●その他. :二士:.--'-'"●授業中 休日. sr二I--. ●その他. ●放課後●休憩時間 ●休憩時間. ●その他●休馴馴ij 休日. ●休憩時間. ●休懲時間●授業中 ●授業中 ●. 中 業 撹. 進路指導. 生徒指導. 教育方墳. 学級経営 学校・. 教育理論等. 教育情報の種類 図3教育情報を得る時間帯.教育情報の種類ごとに,それぞれの時間帯を選択したものの割合。.
(8) 102. 3.3情報の入手方法(情報源) 教師が教育活動に必要な教育情報を入手する方法について,立石(1984)の調査を参考にし,ま た教師の日常的活動を考慮して表5に示すような26種を設定した。これまでと同様に, 7種の教 育情報について,その情報を入手するためによく利用している方法を3つ以内選択させた。選択 者数を示した表5をみると,多くの教師が情報を得るためによく利用している方法として, 「教 育関係の専門書」 「教育関係の新聞や雑誌」 「他の教員との会話」をあげている。各種情報の特 色を見ると, 「教育理論等に関する情報」では, 「他の教員との会話」よりもむしろ「講演を聞 いたり講義を受けて」を選択しているものが多い。 「教育方法に関する情報」では, 「校内研修 など自主研修で」の選択者数が上記3つの方法の次に多い。 「生徒指導に関する情報」と「進路 指導に関する情報」については, 「教育関係の新聞や雑誌」 「教育関係の専門書」といった,他 の教育情報では多数の選択がみられる項目がそれほどでもなく, 「職員会議での報告や議論」の 選択者数が比較的多いのが特色といえる。加えて, 「生徒指導に関する情報」では, 「児童・生 徒の観察」の選択者数が比較的多い。最後に, 「教科に関する情報」では, 「学会誌・大学紀要 等の学術雑誌」 「校内研修など自主研修で」の選択者数が多くなっている。 表5教師による教育情報の入手方法。それぞれの方法をよく利用する方法( 3つ以内)として選択した者 の数 情 報の入手方法 < 会話> 他 の 教 員 と の会 話 児 童 . 生 徒 との会 話 保 護 者 と の会 話 職 員 会 議 の報 告 等 教 委 や 上 司 か ら通 達 そ の 他 の人 との会 話 < 観察> 児 童 . 生 徒 の観 察 < 研修 . 講義等> 校 内研 修 等 自主 研 修 講演 .講義 < 視 聴 覚 メ デ ィ ア> テ レビ等 マ ス メ デ ィア 教 育 関係 ビデ オ等 そ の他 視 聴 覚 メ デ ィア < 印刷 物 > 一 般 向 け新 聞 , 雑 誌 一 般 向 け図 書 教育 関係の新聞や雑 教育関係 の専門書 学会誌 .紀要 等 教科書指導参考書 文 部 省 の指 導 要 領 等 文部省 .教委等 刊行 教 委 等 か らの通 達 文 研 究 指 定 校 等 の報 告 そ の 他 の印 刷 物 < 電 子情報> パ ソ コ ン通 信 デ ータI ベ I ス < その他> その他. 等 誌. 物 書 書. 教育 理論等. 教育 経営. 教育 方法. 生徒 指導. 進路 指導. 教科. 62. 102 16. 75 17. 24 30 18. 59 36. 18 11 12. 24 32 85. そ の他. 110. 62. 25 74 18 13. 98 21 30 66 22 17. 10 10. 5 12 1 16 73 2 50 129 81. 22. 69. 17. 28. 1 72. 46 46. 67 48. 38 39. 36 27. 65 46. 2 85 3 38. 26 3 0. 10 2 0. 12 9 1. 18 3 0. 25 2 0. 20 7 1. 24 24 10 9 13 3 41. 17 21 10 7 84 19. 19 14 10 0 12 8 46 15. 18 12 68 63 23. 25 14 59 35 13. 12 24. 26. 19. 23. 10. 11. 29. 27 10 14. 22 24 92 117 71 60 32 16. 10 18. 46 10. 0 2. 1 2. 0 1. 0 1. 0 4. 0 2. 2 0. 3 12. 0. 1. 2. 1. 4. 2. 0. 10. 2 0. 11 13. 合計. 1 13 28 2 131 1 13 54 6 56 9 22 6 82 75 13 9 39 12 0 41.
(9) 教師の教育情報に関する行動(1). 103. 3.4情報処理方法(利用している用具) 教師が情報を扱うにあたって,どのようなものを活用しているかについて, 9種類の項目から 多重回答を許して選択させた。各項目についての選択者の割合をプロットしたのが図4である。 この図からわかるように,多数の教師が利用しているのが「ノート(含むレポート用紙,集計用 紙)」 「コンピュータ(含むワープロ)」であり,それに次ぐものが, 「カード」 「スクラップ・ ブック」 「ビデオ,.チ-プレコーダなど, AV機器」であるo電子手帳を活用している教師はほ とんどいない。. 項 目 選 択 者. の 割 合 ( 冗 ) ). 具. (. 用. 法. 方. 理. 処. 報. 情. 図4各種情報処理方法(用具)を利用している教師の割合。 なお,ノートにはレポ-ト用紙,集計用紙が含まれ,教務必携は教務手帳とも呼ばれるo手帳にはシステ ム手帳も含み,コンピュータにはワープロも含まれるo AV機器については,ビデオ,テープレコーダなど と説明を付した。.
(10) 104. 4考案 教育情報の量についての教師の認知の調査から,教師達は,教科に関する情報が最も多く,育 効情報の量も多いと認知していることがわかった。これに対して,教育理論等に関する情報や進 路指導に関する情報の量は,やや少ないと感じているようである。このことから,現在の学校現 場では,どちらかといえば,教科に関する情報以外の教育情報,とくに教育理論や進路指導に関 する情報に対するニーズが高いことがうかがわれるOとはいえ,最も高い平均値を示した教科に 関する情報についてさえ,ほとんどの教師が十分に満足しているわけではなく,有効情報量の平 均値は2.63で, 「少し不足」と「まあまあある」の中間の値となっている。 ところで,ここでいう「教師」 「教員」は,兵庫教育大学出身の教師または教員であることに 留意する必要がある。煩雑であるので,以下いちいちことわらないが,わが国の教師集団全体を 代表するサンプリングではないので,結果を一般化する際の限界としてこころえておく必要があ る。 次に,教育情報の入手時間帯と入手方法の調査から,教師が行っている日常の教育情報の入手. 活動の姿がうかびあがってくる。教育方法に関する情報や教科に関する情報といっ.た,学習指導 に直接関係した情報は,校外研修や校内研修,勤務時間外に,教育関係の新聞・雑誌や専門書か ら得ることが多いようである。また,研修時のディスカッションなどからも情報を得ていると思 われる。教科に関する情報の特色として,学会誌・大学紀要等の学術雑誌からも情報を得ている ようであり,教科書指導参考書をあげたものも2割近くいた。立石(1984)によれば,公立の小・ 中学校教員が最も頻繁に接し,かつ役立っと感じているのは,教科書指導書であるという。同じ 調査での兵庫教育大学修了生(昭和57年度修了生のみ51名分のデ-夕)の結果を見ると,教科書 指導書の利用については,一般の公立学校教員ほど極端ではないが,月刊専門誌,教育専門誌, 教科書指導書が,頻繁に接し,役立つものとして上位にランクされている。また,学会等の研究 紀要や大学・国の研究所刊行物が,他の調査対象者に比べて,価値づけが高くなっていた。した がって,印刷物という情報源に関しては,本研究の調査でもほぼ同様の結果が得られ,この点に 関しては,兵庫教育大学修了生についての立石(1984)の調査結果を裏づけるものとなっている。 教育理論等に関する情報については,校外研修や勤務時間外に教育関係の新聞・雑誌,専門書 から情報を得ていることは,上記の学習指導に直接関係した2つの情報と同様であるが,それら に比べて,校外研修での講演や講義から情報を得ることが多く,校内研修はそれほど重要な情報 源となっていないことが特色である。 一方,教育経営や生徒指導および進路指導に関する情報については,職員会議や他の会合中に おける報告や他の教員との会話が重要な情報源となっている。それに次ぐのが,研修時と放課後 であり,生徒指導に関する情報については,児童・生徒の観察をよく利用している方法としてあ げた者が比較的多かったのが特色といえる。教育経営に関する情報については,会議・会合にお ける会話や報告が重要であることは,生徒指導や進路指導に関する情報と同様であるが,研修に おける講義・講演とともに,教育関係の新聞・雑誌や専門書も重視されているところは,学習指 導に関する情報や教育理論に関する情報と共通した面ももっている。ある意味では当然ともいえ るが,教師の日常の情報収集活動は,印刷物から得られる情報に限らず,情報の種類によっては, 報告や会話や議論といった言語的コミュニケーション,さらには行動観察も重要であり,教師は, 意図的であるかどうかは不明であるが,実際にこれらを対象とした情報収集活動を行っているこ とを,この結果は示しているといえる。 つぎに,情報処理に活用されているものとしては,ノート類が最もポピュラーであり,それに 次ぐものがコンピュータ(含むワープロ)であった.学校現場にコンピュータが導入され,保有.
(11) 教師の教育情報に関する行動(1). 105. 台数も急激に増加していることについては,多くの報告があるが, 6割以上の教師がパソコン又 はコンピュータを情報処理に活用しているという結果によって,教師個人の情報処理活動にもこ れらの機器がいよいよ一般化してきたことがはっきりと表れている。カードやスクラップ,AV 機器を利用していると答えた教師は,全体の3割から4割の問である。この数字は,それほど多 いとは思われない。煩雑な事務処理等を能率よく処理し,上手に検索したり,全体状況を把握し たり,アイデアをまとめたりするための方法や用具の活用について学習し,考慮することは,敬 師にとっても必要なことであろう。教員養成課程や研修におけるこうした面の情報処理教育の充 実が必要であると考える。 最後に,情報の入手方法としてパソコン通信やデータベースの利用をあげたものは非常に少な かっ牢。また,一般のマスメディアを除いた視聴覚機器の利用も驚くほど少ない。パソコン通信 やデータベースは,有効に利用すれば,非常に多くの有効情報を取り入れることのできる手段と して,現在注目されているものである。コンピュータやワープロを,単に文字を書くための道具 としてのみ利用するのではなく,通信によるコミュニケーションや情報入手の手段として考え, その方法を習得することが望まれる。視聴覚機器については,大隅(1984)によれば,教育現場 でよく使用されている機器は,印刷機や謄写ファックス,複写機といった印刷関係の機器であり, OHPやビデオといった視聴覚機器は,所有している割合は高いにもかかわらず,使用されている 割合は,それほどでもないという。教師は,視聴覚メディアをそれほど有効に活用していないと いう結果が本研究でも示されたoこれらの結果から,教師の情報処理教育においては,コンピュー タによる通信機能の利用や,コンピュータ以外の他の視聴覚機器の使用法など,知識と同時にリ テラシーの養成を教員養成・研修の一環として加えるべきではないかと思われる。 注. 1)本研究の調査は,平成元年度教育研究学内特別経費によるプロジェクト(現職教員の継続教育に関する 情報処理システム開発)の一環として行われた。 引用文献 大隅紀和(1984)教育の実践研究と教育機材教育研究の役割研究委員会教育研究の役割-教育制度・ 内容・方法の改革における教育研究の役割に関する実証的総合研究(昭和57ォ58年度科学研究費補助金特 定研究報告書,pp.107-119. 立石喜男(1984)教育実践の手がかり教育研究の役割研究委員会教育研究の役割-教育制度・内容・ 方法の改革における教育研究の役割に関する実証的総合研究(昭和57 - 58年度科学研究費補助金特定研究 報告書) -pp.39-53. 天花寺博司(1990)現職教員の研修体系モデルと情報教育研修の内容構成学校教育学研究,2, pp.49-66..
(12) 106. A Research on Teacher's dealing with their Educational Information: Quantity, Sources and Types of Processing of Information Masafumi KOGAWA and Yoshitomi OKAZAKI The purpose of this research is to make clear how teachers recognize various educational information and its ways of handing and organizing information for their use. The results are following: 1) Teacher understand that information concerning to the subjects is quantitatively enough and that of education and vocational guidance is less than that. 2) As the periods of time for obtaining information, we can classify two types of group based upon the case which teacher is used to get most frequently information. In one type teachers mostly acquire information at the study and training outside their school (The information related to educational theories, educational methods and subjects). In the other type teachers mostly acquire information at the meetings of conferences (The information of school class management, counselling and guidance). 3) As for information resources, we can distinguish a few differences among each resources, as a whole mainly they use monographs on education, news paper and serials, conversation with other colleagues. 4) The most of them use notebooks, and personal computer or word processor as the processing tools. Key words: teacher, information processing, amount of information, information pickup, information resources, techniques for information processing.
(13)
関連したドキュメント
Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”
Study Required Outside Class 第1回..
23)学校は国内の進路先に関する情報についての豊富な情報を収集・公開・提供している。The school is collecting and making available a wealth of information
R1and W: Predicting, Scanning, Skimming, Understanding essay structure, Understanding and identifying headings, Identifying the main idea of each paragraph R2: Summarizing,
R1and W: Predicting, Scanning, Skimming, Understanding essay structure, Understanding and identifying headings, Identifying the main idea of each paragraph R2: Summarizing,
In OC (Oral Communication), the main emphasis is training students with listening and speaking skills of the English language. The course content includes pronunciation, rhythm,
SFP冷却停止の可能性との情報があるな か、この情報が最も重要な情報と考えて
The purpose of this practical training course is for students, after learning the significance of the social work practicum in mental health, to understand the placement sites