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e自警団ネットワークに関する研究~e自警機器の開発と社会実験~

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平成26年度 修 士 論 文

e 自警ネットワークに関する研究

~e 自警機器の開発と社会実験~

指導教員 藤井 雄作 教授

群馬大学大学院理工学府理工学専攻

電子情報・数理教育プログラム

村松 公祐

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第 1 章 序論 1.1 研究背景・目的 ... 1 1.2 e 自警ネットワーク ... 3 1.3 マツダ商事製 e 自警カメラ ... 6 1.4 センサーライト一体型防犯カメラ ... 11 第 2 章 社会実験 2.1 社会実験の概要 ... 13 2.2 大型商業施設における社会実験 ... 16 2.2.1 実験の背景と目的 ... 16 2.2.2 実験の方法... 16 2.2.3 プライバシー保護の方法 ... 17 2.2.4 結果 ... 18 2.3 商店街における社会実験 ... 23 2.3.1 実験の背景と目的 ... 23 2.3.2 実験の方法... 23 2.3.4 結果 ... 26 2.3.4 センサーライト一体型防犯カメラの改良 ... 30 2.4 住宅街の中に観光施設が点在する地域における社会実験 ... 34 2.4.1 実験の背景と目的 ... 34 2.4.2 実験の方法... 34 2.4.4 結果 ... 37 第 3 章 e 自警機器開発 3.1 e 自警カメラ開発 ... 43 3.1.1 e 自警カメラの開発目的 ... 43 3.1.2 マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)の改良 ... 43 3.1.3 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の開発 ... 47 3.1.4 e 自警カメラの画質検証 ... 51 3.2 e 自警ドアホンの開発 ... 57 3.2.1 e 自警ドアホンの開発目的 ... 57 3.2.2 e 自警ドアホンの特徴 ... 57 3.2.4 e 自警ドアホンの画質検証 ... 61 3.2.4 e 自警ドアホンの運用 ... 65 第 4 章 考察 4.1 大型商業施設における社会実験の考察 ... 67 4.2 商店街における社会実験の考察 ... 68

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4.3 安中市における社会実験の考察 ... 69 4.4 e 自警機器開発の考察 ... 70 第 5 章 結論 5.1 結論 ... 72 謝辞 ... 74 参考文献 ... 75

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1 第 1 章 序論 1.1 研究背景・目的 近年,防犯カメラの有用性が広く社会に認められ,店舗,繁華街,公共施設等 への導入が進んでいる.防犯カメラは犯罪発生時の容疑者の割り出しや証拠画 像の保持だけでなく,犯罪を未然に防ぐ犯罪抑制効果など重要な役割を果たし ている.しかし,現在設置されている防犯カメラの大半が,防犯カメラの所有 者の財産を守る為だけに設置されているなど,防犯カメラをより有効活用する 為には,まだ解決すべき問題点がいくつもある[1][2]. まず,はじめの問題点は,所有者の財産を守る為に完璧な監視体制を維持する ためには,非常に高価で高性能な防犯カメラシステムが必要であることである. 犯罪捜査に役立つような鮮明な映像を記録することができる防犯カメラは非常 に高価である.また,防犯カメラと監視室のような場所の監視用モニターをケ ーブルで接続するには,大規模な工事を伴う.現状では,防犯カメラの導入, 運用ともに非常に高いコストが必要とされている.次の問題は, 防犯カメラは 基本的には所有者の敷地内を監視し,自衛手段として運用されているものが多 数であり,敷地の外で発生した犯罪に対しての効果は期待できないことである. 児童の誘拐や通り魔,放火などの犯罪が,道路などの公共の場所で発生しても それに気がつかないことが多い上,容疑者の特定,逃走経路の割り出し等の警 察の捜査に貢献できない場合が多い.三番目の問題は,もし防犯カメラが敷地 外を監視した場合, 公共空間の人間を無差別に撮影・録画することになり,隣 人や通行人等の一般市民のプライバシーを侵害してしまう可能性があることで ある. 公共空間を監視する防犯カメラの導入には,解決するべき問題が存在するのは 事実だが,最近では,イギリスやアメリカなどの一部の国においては,国や地

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2 方公共団体によって多くの防犯カメラシステムがすでに導入されている[3]. イギリスでは街中に監視カメラを約 420 万台設置し,24 時間 365 日市民を監視 している.うちロンドンでは 50 万台が設置されており,これらは CCTV(Closed Circuit Television)という,カメラとモニターをケーブルで結んだ閉回路のカメ ラシステムで構成されている.それらの防犯カメラの有用性を直接評価するこ とは難しいが,防犯カメラによって,すべての通行人や自動車などが記録され, 犯罪捜査等に役立てることができるのは明白である.もし,非常に高密度で広 範囲に死角無く防犯カメラが設置されていれば,道路を通るすべての犯罪者を 捕捉し,どこまでも追跡することが可能である.しかし,このロンドンのよう な中央管制型のリアルタイム監視システムは非常に高価であり,広範囲,高密 度に死角なく防犯カメラを設置することは困難であるのが現実である.そこで, 本研究では,群馬大学の太田直哉教授を始めとする学内外の研究者と,企業と の共同プロジェクトとして,地域社会の安全に貢献できる防犯カメラシステム を開発し,広く普及させ,安心安全な地域社会を実現することを目指し,研究 を行う.安心安全な地域社会を実現のために,我々は e 自警ネットワークとい う防犯カメラシステムを考案した.e 自警ネットワークでは,誘拐,強盗などの 凶悪犯罪に対して,目撃情報が無いことが有り得ない社会,なおかつ映像が使 われるのは犯罪が起こったときのみで,一般市民のプライバシーは厳重に保護 される社会を目指している.e 自警ネットワークを普及させ,防犯カメラ(見守 りカメラ)で,死角なく見守られ,一般市民のプライバシーは厳重に保護され る地域社会のモデルケースを作成し,世界中の地域社会に情報発信することで, e 自警ネットワークを普及させ,安心安全な世の中の実現を目的として研究を行 う.

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3 1.2 e 自警ネットワーク 地域全体を守る強力な防犯システムを考える上で参考にしたのが,旧来の日本 社会に存在した地域コミュニティによる防犯機能である.旧来の日本社会にお いては,地域内の交流が非常に盛んに行われており,隣近所だけではなく地域 全体をみんなで見守る体制が自然と確立されていた.不審者の情報は地域内で 共有され,事件・犯罪が発生した際には目撃者がいる可能性が現代に比べて高 かった.しかし,現在の日本社会では地域の都市化やアパート・マンションの 増加,核家族の増加,個人主義や利己主義に基づいて行動する住民が増加して いる.その結果,地域のコミュニティによる防犯機能は低下している.そこで, かつての地域コミュニティが持っていた強力な防犯システムを,現代における 情報技術の助けによりさらに強化した形で再建・再現することを試みた.この 地域全体を見守る新しい防犯カメラシステムを e 自警ネットワークと名づけた. e 自警ネットワークの構想図を図 1.1 に示す.各家が防犯カメラを設置し,自分 のためではなく,地域のために,自分の家の敷地内ではなく,自分の家の前を 防犯カメラで 24 時間見守る..事件・事故等が発生した場合には,警察等の要 請に応じて,防犯カメラの映像を提供する.すべての家が防犯カメラで家の周 囲を見守っていれば,容疑者の特定だけにとどまらず,容疑者がどの方向へ逃 げたのか,どこまでも追跡することも可能である.

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4 図 1.1 e 自警ネットワークのコンセプト図 ここで生じるのがプライバシー侵害の問題である.「地域の防犯のため」と理 解し受け入れられる人もいるが,何もしていないのに自分の姿がカメラで撮影 され記録されていることに不快感や不安感を覚える人も多数存在する.そこで, この問題を解決するために,暗号化によるプライバシー保護コンセプトを考案 した.このコンセプトでは,撮影した映像を暗号化して内臓された SD カードに 記録し,映像を閲覧するためには専用のビューアソフトウェアとパスワードが 必要となるシステムになっている.この暗号化機能により,防犯カメラの設置 者も映像を閲覧できない仕組みになっている.ここでの保存された映像の所有 者はカメラを設置している人であり,事件があった時に警察から映像の提供を 促された場合でも,設置者はこれを拒否する権利がある.設置者と閲覧権者(こ の場合は警察)の双方が同意して初めて暗号化が解かれ,閲覧可能となる.な

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5 お,暗号化および復号化するための「パスワード」は閲覧権者に決めてもらう システムとなっている.このように,映像を持つ設置者と,閲覧する権利を持 つ閲覧権者を分離することによってプライバシーの保護を徹底している.そし て本研究室では,プライバシー保護機能を実際に搭載した防犯カメラを企業と 共同で開発した.開発した防犯カメラを用いて,新しい防犯カメラネットワー ク(=e 自警ネットワーク) を普及させ,地域全体を守る強力な防犯システムを実 現させることを目指す.

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6 1.3 マツダ商事製 e 自警カメラ 本研究室では,暗号化によるプライバシー保護機能を搭載し,プライバシー侵 害の問題を解決した防犯カメラ「マツダ商事製 e 自警カメラ」を,本研究室と, 有限会社マツダ商事,ZHONGBEN 社と共同開発した[5].第 1 世代マツダ商事製 e 自警カメラは以下の条件を満たすように設計された.  屋外設置を容易とする,防水性のハウジングを使用  カメラ・記録メモリ・ソフトウェアを内蔵した PC 不要の防犯カメラ  配線不要で,電源を投入するだけで使用可能  映像は暗号化して保存することによる,プライバシー保護機能を搭載 その後,社会実験のデータを基に改良点を洗い出し,新たに第 2 世代マツダ商 事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)を開発した.第 2 世代マツダ商事製 e 自警カ メラ(eJKC-ZB102a)には,第 1 世代マツダ商事製 e 自警カメラの仕様に加え, 単独での夜間撮影と二重暗号化の機能を追加されている.図 1.2 に二重暗号化の 概念を示す.

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7 図 1.2 二重暗号化機能 第 1 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB101a)では Key が 1 つしかない ため,閲覧権者と所有者が同じ映像を閲覧できるという不具合があった.しか し,この二重暗号化により,Key-A のみを持つメンテナンス会社はモザイク処 理された映像のみを閲覧できるため,プライバシーの侵害をせずに,防犯カメ ラ自体の動作確認を行ったり,撮影範囲が適しているかどうかを確認したりす ることができる.また,警察に代表される閲覧権者は Key-A,Key-B を両方持ち, 鮮明な映像を閲覧することができるので,事件の捜査をする上で大きく役立て ることができる. さらに,第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)では,Key 設定 専用ソフトウェアと SD カードを使うことで,決定した「Key-A」「Key-B」を多 数のカメラに,同様に設定できるようになっている.図 1.3 に第 2 世代マツダ商

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事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)の外観を,図 1.4 に専用ビューアソフトウェ アのスクリーンショットを示す.また,表 1.1 に仕様を示す.

図 1.3 第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)

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表 1.1 第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)の仕様 カメラ本体 1/3 Sony Super HAD CCD カメラ

レンズ 4-9mm/9-22mm 可変焦点レンズ 電源 AC 100V 防水機能 あり(屋外設置可) リモコン 付属(各種設定が可能) SD カードの容量 32GB までの SDHC をサポート 動画圧縮 MPEG4(ASF)/MPEG D1(30FPS) フレームレート 5/15/30 fps から選択可能 ビデオ録画解像度 D1 VGA QVGA : 704×480(NTSC),704×576(PAL) : 640×480(NTSC),640×576(PAL) : 320×240(NTSC),320×288(PAL) 図 1.3 で示したカメラは,群馬大学・有限会社マツダ商事・ZHONGBEN 社と の共同開発製品であり,本研究室が提案する e 自警ネットワークを構築するの に好適である. e 自警カメラは安全・安心な地域社会の実現の key となるシステムと考えられ ており,日本全国に,街灯・防犯灯と同じように,高密度に設置されれば,社 会の安全・安心は飛躍的に高まると考えられる.e 自警カメラが,街中のいたる ところに設置されることにより,道路を通る犯罪者を逃さないことが可能とな る. e 自警カメラは,行政等による,地域社会への高密度・大量設置を前提に開発 されており,次の特長がある.まず,低コストであるということ.メモリーカ ード内蔵式の All-in-One 型なので,電源工事のみで,モニター室等への配線工事

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10 が不要になる.つまり,工事コスト・運用コストを非常に小さくできる.次に, プライバシー保護機能が実装されているということ.e 自警で撮影された映像は 暗号化して保存される.常時,最新の 1 週間分の映像が上書き保存される.メ モリーカードを不正に取得した者は映像を閲覧することができない. このカメラの運用形態として,次の 2 つの形態を推奨する. 【運用形態 ① 】所有者(e 自警カメラの所有者)と閲覧者(暗号キーを持つ 者)を分離した運用形態  所有者(e 自警カメラの所有者):個人,自治会,商店会,PTA,市町村など  閲覧者(暗号キーを持つ者):地元警察署など とし,事件・事故発生時に限り,所有者から閲覧権者(地元警察など)に映像 が提供される.事件・事故がない限り,誰も映像を閲覧できない. 【運用形態 ② 】所有者のみが,映像を閲覧できる運用形態  所有者(=閲覧者):個人,自治会,商店会,PTA,市町村など暗号化保存 により,万一メモリーカードの盗難が発生した場合でも,映像が悪用される 心配はない.駐車場等の見守りにも便利に使える.

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11 1.4 センサーライト一体型防犯カメラ 我々の開発した第 1 世代・第 2 世代のマツダ商事製 e 自警カメラは 5 万円~10 万円するものであり,一般市民にとってこの価格は安価であるとは言いきれな い.そこで,一般市民が気軽に導入できる,安価な防犯カメラの開発を始めた. そ の 結 果 , 企 業 と の 共 同 研 究 に よ り セ ン サ ー ラ イ ト 一 体 型 防 犯 カ メ ラ (JV-eJK-101a)を開発することに成功した.このカメラによって,これまでの 防犯カメラシステムにおいて障害であった,カメラ導入コストの問題を解決す ることができると考えられる. 図 1.5 にセンサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-101a)の外観を,表 1.2 に仕 様を示す. 図 1.5 センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-101a)

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12 表 1.2 JV-eJK-101a の仕様 カメラ本体 2.0M Pixel CMOS カラーイメージセンサ レンズ 固定焦点レンズ(焦点距離:1.5m~無限大) 電源 AC 100V 視野角 120 度 防水機能 なし(軒先など,水が掛からない場所は可) リモコン なし(時刻設定はテキストファイルを SD カード経由 で読み込ませる) SD カードの容量 32GB までの SDHC をサポート 動画圧縮 AVI(ASF) ビデオ録画解像度 640×480

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13 第 2 章 社会実験 2.1 社会実験の概要 本研究では,開発した防犯カメラを用いて,【Plan-A】【Plan-B】の 2 つのプラ ンを基に社会実験を行い,各場所・状況に応じたプライバシーに配慮した防犯 カメラ導入のモデルケースを構築する. 【 Plan-A 】 マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)を用意し,公募により,貸与・ 社会実験とする.  マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)の特徴 ① 映像は2つのキー(Key-A と Key-B)により,暗号化されて内臓 SD に 保存される. ② 連続録画モード:常時,最新の数日~1 週間分の映像が上書き保存され る. ③ AC100V の電源供給だけで動作開始.停電時は電源回復後に自動復帰. ④ 街路灯への大量・高密度設置を想定して開発された.  社会実験の形態 ① 参加団体(管理者・映像の所有者)が,設置場所(街路灯のポール等) を選定し,設置を行う. ② 管理者(参加団体):Key-A と Key-B の両方を持つ. →専用ソフト eJKPlayer を用いて,暗号を完全解除し,鮮明な映像を閲 覧可能. ③ メンテナンス会社(設置工事会社等):Key-A のみを持つ. →専用ソフト eJKPlayer を用いて,不鮮明処理(モザイク化処理)され た映像のみ閲覧可能.

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14 ④ 事件・事故が発生したときのみ,管理者が,犯罪捜査に必要部分につい て,専用ソフト eJKPlayer で暗号を解除した鮮明な映像(動画・静止画) を出力し,捜査機関(警察署)に提供する.  提案する地域社会 ① 空き巣・不審者等を見逃すことがあり得ない地域社会の実現. ② 各カメラは,市役所等により,設置・管理・運用される.地域社会の安 心・安全を脅かす事件・事故がない限り,誰も映像を見ることができな いような運用を行う.  提案する運用事例 ① 市役所などによる,通学路上の要所への設置. ② PTA による,通学路上の要所への設置. ③ 町会による,町内の要所への設置. 【 Plan-B 】 センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-101a)を用意し,公募により, 貸与・社会実験とする.  センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-101a)の特徴 ① 映像は内臓 microSD に保存される.(最大 32G.推奨 2GB) ② 動画・音声録画(10 秒)モード,上書きモードのとき:2GB メモリに最 新の約 500 回分を記録. ③ AC100V の電源供給だけで動作開始.停電時は,電源回復後に自動復帰. ④ 簡易防滴.軒下等,直接は雨等が掛からない場所に設置可能. (注)本カメラには暗号化保存機能はない.映像は,通常の形式で保存される.  社会実験の形態

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15 ① 参加町会の調整により,設置家屋を決定し,その軒下に設置する. ② 電気代の負担者は,町会で調整. ③ 設置場所は,町内の要所が望ましい.  提案する地域社会 ① 空き巣・不審者等を見逃すことがあり得ない地域社会の実現. ② 市民一人一人が市民としての責任感から,自宅前を見守る.各カメラは, 各家により設置・管理・運用される.  提案する運用事例 ① 町会主導で,1 軒に一台の設置を行う.(費用は各家が負担) ② PTA 主導で,通学路上の児童宅に設置する(費用の一部を PTA が負担す る) ③ 市役所等による費用の一部助成があれば,普及が促進される. プラン A に関しては,群馬県桐生市にある大型商業施設マーケットシティ桐生 で,プラン B に関しては,群馬県桐生市にある桐生駅周辺の商店街と群馬県安 中市でそれぞれ社会実験を行った.

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16 2.2 大型商業施設における社会実験 2.2.1 実験の背景と目的 本社会実験を通して,全国の大規模商業施設へのプライバシー保護に配慮した 防犯カメラシステム導入のモデルケースとして作り込み,それを全国に向けて 情報発信していくことを目的とする.さらに,開発した防犯カメラの性能評価, 改良点の洗い出しも同時に行う.また,実験当該地は,夜間に若者が集まり, 騒音や器物損壊などの被害が発生している場所であった.夜間の若者による迷 惑行為の抑止と万一の事態に備えることも目的としている.夜間に帰宅する従 業員および,近隣住民の双方にとって,安心・安全な施設の実現を目指す. 2.2.2 実験の方法 本実験は社会実験プラン【Plan-A】に基づいて行う.第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)を使用し,カメラの設置個所を管理している会社の 方に選定,設置をしてもらい,実験を行う.実験期間は 2012 年 2 月 21 日から 1 年間.実験場所はマーケットシティ桐生(群馬県桐生市相生町 1 丁目 124-1).e 自警カメラは 5 台設置した.図 2.1 に e 自警カメラの設置場所を示す(矢印はカ メラの向き).防犯カメラへの意識調査として,社会実験開始時アンケート,社 会実験開始から 6 ヶ月後の中間アンケートと 1 年後の終了時アンケートの 3 回 にわたり,マーケットシティ桐生に出店している店舗の店長および従業員にア ンケート調査を実施した. これらのアンケートでは,防犯カメラの設置台数・効果・運用方法について いくつか質問した.このアンケートより,防犯カメラに対する意識の変化を調 査した.また,運用方法についても一般に受け入れられるものなのか確認した.

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17 図 2.1 e 自警カメラの設置場所 2.2.3 プライバシー保護の方法 本社会実験では、e 自警カメラの二重暗号化機能を用いて,現地に常駐してカ メラの取扱作業を行う取扱責任者と記録された映像の閲覧を行う管理責任者と を分離することでプライバシーの保護をした。図 2.2 にプライバシー保護の概要 を示した.本実験では,暗号化解除キーを 1 つ所持する取扱い責任者をマーケ ットシティ桐生管理事務所とした.メンテナンス等の際には,暗号化解除キー を 1 つ入力し,不鮮明な映像で動作確認等を行う.また,暗号化解除キーを 2 つ所持する管理責任者を株式会社ヤオコー(本部)とした.重大な事件・事故 が発生し,警察から映像の提供要請があり,データを提供すると判断された場 合のみ,暗号化解除キーを 2 つ入力し鮮明な映像を閲覧したり,警察に映像提 供したりする.

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18 図 2.2 プライバシー保護の概要 2.2.4 結果 e 自警カメラの動作については,設置した e 自警カメラは夏季の高温,冬季の 低温な気候に耐え,1 年間安定して稼働した.1 台は,AC アダプターの故障に より動作停止したが,AC アダプターを交換した後,正常に動作した.社会実験 中に,器物損壊事件は発生していない.また,実験施設内で発生した犯罪に関 して,警察からの映像照会が 1 件あった.次にアンケート結果を示す.回答者 の性別および役職は,図 2.3 および図 2.4 に示した. 図 2.3 性別に関する質問 7人 14人 16人 7人 16人 73人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 開始時 中間 終了時 男性 女性

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19 図 2.4 役職に関する質問 問 1 は,社会実験開始時に実施したアンケート調査で,今後,防犯カメラを設 置した場所の環境がどう変化すると思うか質問し,問 2 は,中間・最終アンケ ートで,防犯カメラの設置による実際の環境の変化についてどのような考えを 持っているのか調査を行った.結果を図 2.5,図 2.6 に示した. 図 2.5 開始時アンケートの環境の変化に関する質問 図 2.6 中間・最終アンケートの環境の変化に関する質問 問 2 に関して,よくなったと回答した人の意見には,設置されただけでもお客 様の意識が変わると思う,不良行為少年が減った,などがあった.よくなって 11人 7人 7人 2人 19人 16人 1人 48人 59人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 開始時 中間 終了時 店長 正社員 アルバイト 11人, 79% 3人, 21% よくなると思う(11人) よくなるとは思わない(3人) よくわからない(0人) 問1:カメラの設置によって職場(駐車場)の環境がよくなると思いま すか? 15人 26人 11人 6人 52人 57人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 中間 終了時 よくなったと思う よくなったとは思わない よくわからない 問2:カメラの設置によって職場(駐車場)の環境がよくなったと 思いますか?

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20 いないと回答した人の意見には,実際に自転車を盗難されたという意見や,防 犯カメラの存在を認識されていないのでは?などがあった.よくわからないと 回答した人からは,カメラの設置自体を知らないという意見があった.防犯カ メラを設置したことで,実験地の環境が良くなったと感じている人が多いこと がわかる. 問 3 は,社会実験開始時に行ったアンケート調査で,防犯カメラの効果に関し てどのように考えているのか質問し,問 4 は,中間・最終アンケートで実際に 防犯カメラを設置して,効果があったかどうか質問した.結果を図 2.7,図 2.8 に示した. 図 2.7 開始時アンケートの防犯効果に関する質問 図 2.8 中間・最終アンケートの防犯効果に関する質問 問 4 に関して,減ったと回答した人からは,以前より学生がタバコを吸ったり 57.1% 21.4% 21.4% 減ると思う(8人) 減らないと思う(3人) よくわからない(3人) 問3:防犯カメラの設置により,敷地内における夜間の少年犯罪や騒音問 題は減ると思いますか? 16人 20人 14人 18人 49人 52人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 中間 終了時 減ったと思う 減ったとは思わない よくわからない 問4:防犯カメラの設置により,地域内における夜間の少年犯罪や騒音問 題は減ったと思いますか?

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21 座りこんだりしているのが目に入らなくなったといった意見が出た.また,減 ってないと回答した人からは,カメラの設置を知らない可能性があるといった 意見がでた. 問 5 では,社会実験で設置したカメラの台数に関して,どう感じているのか質 問した.結果を図 2.9 に示した. 図 2.9 防犯カメラの設置台数に関する質問 問 5 に関して,少ないと回答した人からは,あらゆるところに目立つように設 置したほうがよいという意見や,死角を無くすように設置するべきという意見 がでた.ちょうどいいと回答した人からは,カメラが設置されていると思うだ けで安心感があるや,いたずら等が発生していないのならちょうどいい数だと 思う,という意見がでた.設置に反対と回答した人からは,目立つダミーカメ ラを設置するだけでよいという意見がでた.開始時は,防犯カメラの設置台数 が少ないと感じている人の割合が多かったが,社会実験を進めていくにつれて, ちょうどいいと感じている人の割合が増加していることがわかる. 問 6 では,運用方法が適切かどうか,また受け入れられるかどうか質問した. 結果を図 2.10 に示した. 1人 2人 10人 44人 34人 3人 30人 51人 1人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 開始時 中間 終了時 多い 少ない ちょうどいい 設置に反対である 問5:本実験では,5台の防犯カメラが設置されました.カメラの数は十 分だと思いますか?

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22 図 2.10 運用方法に関する質問 問 6 に関して,適切でないと回答した人からは,モザイクは必要ないと思う. という意見がでた.よくわからないと回答した人からは,仕組みがとても難し いという意見がでた.今回の社会実験の防犯カメラの運用法は,多くの人に受 け入れられていることがわかる. 12人 44人 50人 1人 2人 1人 31人 38人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 開始時 中間 終了時 適切だと思う 適切でないと思う よくわからない 問6:本実験の運用方法(閲覧権の設定)は適切だと思いますか?

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23 2.3 商店街における社会実験 2.3.1 実験の背景と目的 本社会実験を通して,全国の商店街への安価な防犯カメラシステム導入のモデ ルケースを構築し,それを全国に向けて情報発信してくことを目的とする. 本実験では,暗号化機能のない防犯カメラを使用する.暗号化保存など,カメ ラ機能としてプライバシーを保護するのではなく,カメラの運用方法でプライ バシーを保護することが可能なのか検証する.地域の住民に抵抗感なく防犯カ メラを受け入れてもらうために,防犯カメラ運用ガイドラインの改良を行う. さらに,防犯カメラに必要とされる機能・性能を確認する.カメラの設置者へ のアンケートおよび実際に運用した結果からセンサーライト一体型防犯カメラ の見直しを行う.また,社会実験当該地では,建造物の外壁等へのスプレー塗 料などによる落書きや,植木へのいたずら等の被害が発生していたり,深夜に 人が集まり,騒音等の被害も発生していたりした.防犯カメラがこれらの問題 に効果的なのか検証する.商店街で働く店主・従業員と利用客の双方にとって, 安心・安全な商店街の実現を目指す. 2.3.2 実験の方法 本実験は社会実験プラン【Plan-B】に基づいて行う.センサーライト一体型防 犯カメラ(JV-eJK-101a)を使用し,群馬県桐生市の本町・末広町の住人の方に カメラの設置場所を選定,設置をしてもらい,実験を行う.センサーライト一 体型防犯カメラは 20 台設置した.図 2.11 にセンサーライト一体型防犯カメラの 設置場所を示す(矢印はカメラの向き).カメラへのいたずらや,内蔵 SD カー ドの盗難のリスクを低減させるため,人の手が届かない 2.5 メートル以上の場所 に設置を行った.また,公共空間を見守ることが目的なため,プライバシーに

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24 配慮してカメラの撮影範囲に直接近隣の家の敷地内が入らないように留意して 設置を行った.実験期間は 2012 年 2 月 10 日から 1 年間.防犯カメラへの意識 調査として,社会実験開始時アンケート,社会実験開始から 6 ヶ月後の中間ア ンケートと 1 年後の終了時アンケートの 3 度にわたり,桐生市の本町・末広町 の住人の方を対象にアンケート調査を実施した.これらのアンケートでは,防 犯カメラの設置台数・設置場所・効果・運用方法・プライバシー保護について いくつか質問した.このアンケートより,防犯カメラに対する意識の変化を調 査する.また,運用方法についても一般に受け入れられるものなのか確認した. 図 2.11 センサーライト一体型防犯カメラの設置場所 2.3.3 プライバシー保護の方法 本実験で使用したカメラには,暗号化保存機能がない.そのため地域の住民に 抵抗感なく防犯カメラを受け入れてもらうため防犯カメラ運用のガイドライン

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25 を制定し,プライバシーに配慮している.このガイドラインでは,守秘義務, 映像の管理,映像提供の制限,他人の権利に対する不当侵害の防止などについ て以下のように定めた. 第 1 条 このガイドラインは,防犯カメラ(社会実験目的で貸与されたセンサ ーライト一体型防犯カメラ)の運用に関し,防犯カメラの設置者(以下,「設置 者」という.)が遵守すべき事項を定めることを目的とする. 第 2 条 防犯カメラは,安全で平穏な地域社会を実現するため,真に犯罪,事 故等の未然防止を目的として運用しなければならない. 第 3 条 設置者は,防犯カメラの運用に当たっては,他人の権利およびプライ バシーを不当に侵害することがないように配慮しなければならない. 第 4 条 設置者は,防犯カメラで撮影された映像および記録媒体(以下「映像 等」という.)の管理,保管等に十分に注意し,映像等の漏えい防止に努めなけ ればならない. 第 5 条 設置者は,捜査機関の犯罪捜査に協力する場合,その他,社会通念的・ 法令的に正当と認められる理由がある場合を除き,映像を公開したり,または, 第三者に提供したりしてはならない.ただし,いかなる場合においても,情報 提供するか否かの判断は,所有・管理者である設置者に委ねられる.(設置者は, その所有・管理する防犯カメラに対し,大きな権限を持つとともに,大きな責 任を負うことになる.) 第 6 条 設置者は,映像等から他人の秘密(犯罪に関わるものを除く.)を知 った場合は,その秘密を第三者に漏らしてはならない. 第 7 条 群馬大学は,設置者に対し,必要に応じて防犯カメラの運用状況につ いて,簡単なアンケート調査を行うことができるものとする.設置者は,群馬 大学の実施するアンケート調査に,できうる限り回答するよう努めるものとす

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26 る.ただし,設置者は,アンケート調査への回答を拒否することもできるもと する. 第 1 条において,目的に関して定め,第 2 条,第 3 条では基本的な原則につい て定めた,第 4 条では映像等の管理について定め,第 5 条では映像等の提供の 制限について定めた.第 6 条では守秘義務に関して定めた.第 7 条では社会実 験が問題なく進行できるよう,運用状況の調査および確認について定めた.社 会実験を通して,改善点等を洗い出し,地域住民が安心できるようなガイドラ インを目指し改良を行い,よりよいガイドラインにしていく. 2.3.4 結果 センサーライト一体型防犯カメラの動作・運用については,一部のカメラでは 映像が記録されていないときがあり,防犯カメラの動作の安定性の問題が明ら かになった.一部のカメラを除き,センサーライト一体型防犯カメラは正常に 動作した.センサーライト一体型防犯カメラを設置した場所では.新たな落書 きのや植木へのいたずらなどの被害は発生しなかった.また,深夜に人が集ま り騒音等の問題があった場所でも,防犯カメラ設置によって人が集まりにくく なった.次にアンケート結果を示す. 問 1 では,防犯カメラによって,地域がどう変化したのか質問した.図 2.12 に結果を示す.

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27 図 2.12 防犯カメラ設置による地域の変化に関する質問 問 1 に関して,向上したと回答した人からは,防犯カメラ近くの落書きは減っ た,カメラがあるので安心感がある,カメラの存在が抑止力になっている,ご みのポイ捨てが減ったなど,効果を実感しているといった意見が多かった.向 上していないと回答した人からは,防犯カメラの台数がすくないや,より積極 的な PR が必要だと思う,といった意見がでた.社会実験開始時に比べ,社会実 験終了時に,地域の防犯が向上したと感じている人の割合が増加していること がわかる. 問 2 は,実験終了時に行ったアンケートで,防犯カメラの効果が期待通りのも のだったか質問した.結果を図 2.13 に示した. 13人 18人 18人 21人 9人 1人 8人 39人 22人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 開始時 中間 終了時 向上した 向上していない よくわからない 問1:防犯カメラの設置によって,地域の防犯は向上したと思います か?

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28 図 2.13 防犯カメラの効果に関する質問 防犯カメラは,地域住民の期待通りの防犯効果を発揮したことがわかる. 問 3,問 4 では運用方法に関する質問をした.問 3 は,開始時・中間アンケー トで尋ねた質問で,本社会実験での防犯カメラの運用方法は受け入れられるか どうか質問した.問 4 は,終了時に実施したアンケート調査で,本社会実験の 運用方法で,実際にプライバシーを保護することができたかどうか質問した. 結果を図 2.14,図 2.15 に示した. 図 2.14 開始時・中間アンケートでの運用方法に関する質問. 1人 2.4% 18人 43.9% 2人 4.9% 20人 48.8% 期待以上だった(1人) 期待通りだった(18人) 期待以下だった(2人) よくわからない(20人) 問2:防犯カメラの効果は,期待に対してどのようなものでしたか? 37人 42人 2人 5人 22人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 開始時 中間 受け入れられる 受け入れられない よくわからない 問3:本実験では「防犯カメラ運用のガイドライン」に則って運用しまし た.この運用方法は受け入れられますか?

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29 図 2.15 終了時アンケートでのプライバシー保護に関する質問 本社会実験での防犯カメラの運用法は地域住民の人々に受け入れられ,また, プライバシーを保護することができたと感じている人の割合が多いことがわか る. 問 5 は,防犯カメラを設置したいかどうか質問した.結果を図 2.16 に示した. 図 2.16 防犯カメラ設置に関する質問 防犯カメラを設置したいと感じている人の割合が増加していることがわかる. 問 6 は,終了時アンケートでの質問で,社会実験を通して,防犯意識が高まっ たかどうか質問した.結果を図 2.17 に示した. 26人 65.0% 2人 5.0% 12人 30.0% 守られたと思う(26人) 守られていないと思う(2人) よくわからない(12人) 問4:本実験での運用方法によって,プライバシーは守られたと思い ますか? 2人 8人 35人 22人 26人 8人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 中間 終了時 すぐにでも 条件が合えば 設置する予定はない 問5:今後,新たに防犯カメラを設置したいと思いますか?

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30 図 2.17 防犯カメラに対する考え方に関する質問 問 6 に関して,変化したと回答した人からは,カメラ設置により,防犯意識が 向上し,防犯カメラの必要性をより感じるようになった,防犯カメラに対する 抵抗感がなくなった,「カメラが付いているから安心」という油断も生じている と思うなどの意見がでた.変化しなかったと回答した人からは,以前から防犯 カメラの必要性を感じていたと,もともと防犯意識が高かったという意見がで た.よくわからないと回答した人からは,防犯カメラの設置そのものを知らな かったという意見がでた 2.3.4 センサーライト一体型防犯カメラの改良 社 会 実 験 か ら , 次 の よ う な 改 善 点 が 明 ら か に な っ た . 旧 型 の カ メ ラ (JV-eJK-101a)の動画の解像度は 640×480 であり,記録された映像はあまり鮮明で はなく,撮影可能範囲も狭かった.そのため,カメラに映った人物の特定が困 難な場合があった.また,LED ライトの明るさが足りず夜間の撮影時に鮮明な 映像が撮影できない場合があった. 旧型のカメラ(JV-eJK-101a)には防水機能はなく,雨が全く当たらない場所に設 置する必要があり,設置場所が非常に限られてしまうという問題があった. 16人 39.0% 12人 29.3% 13人 31.7% 変わったと思う(16人) 変わったと思わない(12人) よくわからない(13人 ) 問6:社会実験前と比較して,防犯カメラに対する意識や考え方が変化 しましたか?

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31 これらの問題点を改善するべく,このセンサーライト一体型カメラを共同開発 した企業と改良に関する交渉を重ねた結果,新型センサーライト一体型防犯カ メラ(JV-eJK-102a)が完成した. 図 2.18 に新型センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-102a)の外観を,表 2.1 に新型センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-102a)の仕様を示す. 図 2.18 新型センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-102a)

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32 表 2.1 新型センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-102a)の仕様 カメラ本体 2.0M Pixel CMOS カラーイメージセンサ レンズ 固定焦点レンズ(焦点距離:1.5m~無限大) 電源 AC 100V 視野角 120 度 防水機能 防滴 リモコン なし(時刻設定はテキストファイルを SD カード経由で 読み込ませる) SD カードの容量 32GB までの SDHC をサポート 動画圧縮 AVI(ASF) ビデオ録画解像度 1280×720 表 2.2 に旧型センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-101)の問題点および, 新型センサーライト一体型防犯カメラ(aJV-eJK-102a)の変更点を示す. 表 2.2 JV-eJK-101a と JV-eJK-102a の変更点 JV-eJK-101a の問題点 JV-eJK-102a の改良点 記録された映像が鮮明ではない 解像度を 640×480 から 1280×720 に変更 ライトの明るさが足りない LED をより高輝度なタイプに変更 防水機能がない 防滴仕様に変更 上記以外に外部ビデオ出力端子も新たに用意された.この端子にモニター等を 接続することによって,動作確認やカメラの撮影範囲の確認が可能である.ラ イトをより高輝度なタイプに変更したため,夜間の撮影時にも明るく鮮明な映

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像が記録できるようになった.本体が防滴仕様に変更されたため,カメラの設 置可能場所が増えた.また,画質が向上したため,鮮明な映像を記録すること ができるようになった.

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34 2.4 住宅街の中に観光施設が点在する地域における社会実験 2.4.1 実験の背景と目的 本社会実験は,今後の犯罪の増加が見込まれる地域での導入モデルケースの作 成を目的として行われた.社会実験を行った安中市は,住宅街の中に観光施設 が点在している地域で,もともとは犯罪の少ない地域であった.しかし,NHK ドラマ「八重の桜」の放映を受け,県内外からの誘客につなげようと新島襄ゆ かりの建物や安中城跡等の名所旧跡を中心とした「襄・城ヒストリート」と称 した散歩コースを設けたことにより,観光客の倍増が見込まれ,それにともな う犯罪の増加が予想された.予防的に防犯カメラを設置することで,観光客の 増加に伴う犯罪被害の増加を防止し,地域住民と観光客の双方にとって,安心・ 安全な地域の実現を目指す. 社会実験を通じて,カメラの有用性が高く評価さ れ,住民による自発的なカメラの増設が行われることが理想である. 2.4.2 実験の方法 群馬県桐生市の桐生駅周辺の商店街での社会実験の結果から改良を加えた新 型センサーライト一体型防犯カメラ(JV-eJK-102a)を使用し,群馬県安中市の 桐生市の住人の方にカメラの設置場所を選定,設置をしてもらい,実験を行う. センサーライト一体型防犯カメラは 11 台設置した.図 2.19 にセンサーライト一 体型防犯カメラの設置場所を示す(矢印はカメラの向き).カメラへのいたずら や,内蔵 SD カードの盗難のリスクを低減させるため,人の手が届かない 2.5 メ ートル以上の場所に設置を行った.また,公共空間を見守ることが目的なため, プライバシーに配慮してカメラの撮影範囲に直接近隣の家の敷地内が入らない ように留意して設置を行った.実験期間は 2012 年 12 月 2 日から 1 年間.防犯 カメラへの意識調査として,社会実験開始から 1 年後の終了時に,安中市の住

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35 人の方を対象にアンケート調査を実施した.これらのアンケートでは,防犯カ メラの設置台数・設置場所・効果・運用方法・プライバシー保護についていく つか質問した.このアンケートより,防犯カメラに対する意識の変化を調査す る.また,運用方法についても一般に受け入れられるものなのか確認した. 図 2.19 センサーライト一体型防犯カメラの設置場所 2.4.3 プライバシー保護の方法 本実験で使用したカメラには,暗号化保存機能がない.そのため地域の住民に 抵抗感なく防犯カメラを受け入れてもらうため防犯カメラ運用のガイドライン を制定し,プライバシーを保護している.本社会実験では,ガイドラインを群 馬県警と共同で考案した.このガイドラインでは,以下のように定めている. 第 1 条 この要綱は,安中市の襄・城ヒストリート安心・安全モデルタウンに 居住する個人又は,事業所が管理する防犯カメラにより記録される映像につい

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36 て,必要な事項を定め,画像の漏えいのぼうしなど個人情報の保護並びに防犯 カメラの適正な管理及び,運用を図ることを目的とする. 第 2 条 この要綱において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各 号に定めるところによる. (1)防犯カメラ 犯罪の予防及び事故の防止を目的として,特定の場所に継続的 に設置した画像等記録装置を有するカメラをいう. (2)画像 防犯カメラにより電磁的媒体に記録された映像をいう. 第 3 条 防犯カメラは,犯罪予防の効果の向上と個人のプライバシー保護との 調和を図り,撮影区域を適切な範囲とするように設置するものとする. 2 防犯カメラを設置するときは,撮影区域内の見やすい場所に防犯カメラが 設置されている旨をわかりやすく表示するものとする. 第 4 条 管理者は,当該防犯カメラを設置する個人又は事業所とする. 第 5 条 管理者は,次の各号に掲げる事務を行わなければならない. (1)防犯カメラの撮影区域の設定に関すること. (2)画像の取り扱いに関すること. (3)防犯カメラに関する苦情の処理に関すること. 第 6 条 防犯カメラにより情報を知り得る管理者は,この要綱を遵守し,かつ, 防犯カメラの適正な運用に努めなければならない. 2 管理者は,画像により知り得た情報を第三者に知らせ,又はこの要綱の目 的以外に利用してはならない. 第 7 条 管理者責任者は,次に掲げる場合を除き,画像を利用目的以外の用途 に供し、又は第三者に提供してはならない. (1)画像から識別される特定の個人の同意がある場合. (2)法令的に定めがあるとき

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37 (3)個人の生命,身体又は財産を守るため緊急を要すると認める場合. (4)刑事訴訟法(昭和 23 年法律第 131 号)第 197 条第 2 項の規定に基づき,文 書により提供を求められたとき 第 8 条 防犯カメラの画像の保存期間は,新たな画像を上書きした時点までと する. 第 9 条 前条の保存期間を修了した画像の消去は,新たな画像を上書きする方 法により行うものとする. 2 画像を廃棄するときには,読み取りが行えないよう,破砕,裁断等の処理 を行うものとする. 社会実験を通して,改善点等を洗い出し,地域住民が安心できるようなガイド ラインを目指し改良を行い,よりよいガイドラインにしていく. 2.4.4 結果 社会実験中,安中市の当該地域を訪れる観光客は,平年に比べ 10 倍となった. 防犯カメラ設置後1年間(2012 年 12 月から 2013 年 11 月まで)に安中市全体で の犯罪件数は増加したが,カメラが設置されているところでは刑法犯認知件数 は 8 件(前年同期 15 件)交通人身事故件数は 15 件(前年同期 19 件)と減 少した.また,当初は防犯カメラの設置に住民は消極的であったが,社会実験 を通して,住民の防犯意識も高まり,住民の自主活動により防犯に関する予算 を獲得した.その予算を活用し街路灯を LED 化するなど,我々の社会実験の効 果が波及し,まちの活性化にもつながった.次にアンケート結果を示す. 問 1 では,防犯カメラによる町の変化に関して質問した.防犯カメラの設置に より,町の治安は変化したか質問した.結果を図 2.20 に示した.

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38 図 2.20 町の治安の変化に関する質問 防犯カメラの設置により,町の治安が良くなったと実感している人の割合が多 いことがわかる. 問 2 では,防犯カメラは,観光へ影響があったかどうか質問した.結果を図 2.21 に示した. 図 2.21 防犯カメラの観光への影響に関する質問 防犯カメラの設置が,観光へ及ぼす影響がなかったと感じている人の割合がお おく,悪い影響があったと回答した人が 0 人であった.防犯カメラが観光客へ 悪影響を与えることが無いことがわかる. 26人, 36% 15人, 21% 31人, 43% 良くなった(26人) 変わっていない(15人) 悪くなった(0人) 分からない(11人) 問1:防犯カメラの設置により,町の治安は良くなったと思いますか? 15人, 21% 29人, 40% 28人, 39% いい影響があった(15人) 影響はなかった(29人) 悪い影響があった(0人) 分からない(28人) 問2:防犯カメラの有無が観光へ影響があったと思いますか?

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39 問 3 では,防犯カメラを見かけた時に,どう感じるのか質問した.結果を図 2.22 に示した. 図 2.22 防犯カメラに対する考え方に関する質問(1) 多くの人が,防犯カメラを見かけると安心感を感じるということがわかる.不 安感を感じる人が一定数いることもわかるが,強い不安感を感じると回答した 人は 0 人であった. 問 4 では,問 3 の内容をより詳しく質問した.結果を図 2.23 に示した. 34人, 47% 33人, 45% 6人, 8% 強い安心感がある(34人) 安心感と不安感が半々くらい (33人) 強い不安感がある(0人) 分からない(6人) 問3:あなたは防犯カメラを見かけた時、どのように感じますか?

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40 図 2.23 防犯カメラに対する考え方に関する質問(2) 防犯カメラを見て,不安感よりも,安心感を感じる人の割合が多いことがわか る. 問 5 では,防犯カメラの必要性に関して,どのように考えているのか質問した. 結果を図 2.24 に示した. 図 2.24 防犯カメラの必要性に関する質問 0 20 40 60 事件・犯罪の早期解決に役立つ 犯罪抑止効果が期待できる 子供や女性の安心・安全が高まりそう 見守られている感じ いつ、どこで監視されているのかわからない 記録された画像の流出・悪用等が不安 記録した画像の使われ方がわからない プライバシーが守られない 自分がどのように写っているのか不安 第三者に監視されて息苦しく感じる 人 問4:防犯カメラを見てあなたが感じる安心感や不安感はどのような ものですか? 70人 95% 1人 1% 3人 4% 必要だと思う(70人) 必要ないと思う(1人) 分からない(3人) 問5:地域防犯のために防犯カメラは必要だと思いますか?

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41 防犯カメラの必要性を感じている人が非常に多くいることがわかる. 問 6 では,社会実験を通して,住民の意識に変化が合ったのかどうか質問した. 結果を図 2.25 に示した. 図 2.25 住民の意識の変化に関する質問 社会実験を実施したことにより,防犯意識が高まったと回答した人の割合が多 いことがわかる. 問 7 では,社会実験で設置した防犯カメラの台数に対して,どのように考えて いるのか質問した.結果を図 2.26 に示した. 38人 51% 14人 19% 2人 3% 20人 27% 防犯意識が高まった(38人) 元々防犯意識は高かった(14人) 興味はない(2人) 分からない(20人 ) 問6:今回の社会実験によってご自身の防犯意識に変化はありましたか?

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42 図 2.26 防犯カメラの設置台数に関する質問 防犯カメラを増やしたほうが良いと感じている人の割合が多いことがわかる. 問 8 では,防犯カメラへの関心に関して質問した.結果を図 2.27 に示した. 図 2.27 防犯カメラへの関心に関する質問 行政主導等でなくても,自費で購入し自宅に防犯カメラを設置したいと考えて いる人が多くいることがわかる. 51人 69% 11人 15% 12人 16% 増えた方が良い(51人) 現状で十分(11人) 減らした方が良い(0人) 分からない(12人) 問7:現在の防犯カメラの設置台数についてどのように考えています か。 11人, 16% 43人, 62% 14人, 20% 1人, 2% 設置したい(11人) 条件が良いものがあれば設置 したい(43人) 設置したくない(14人) すでに設置済み(1人) 問8:自宅に防犯カメラを設置したいと思いますか?

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43 第 3 章 e 自警機器開発 3.1 e 自警カメラ開発 3.1.1 e 自警カメラの開発目的 e 自警ネットワークを構築する為に,我々は,低コストで導入・運用が可能で, プライバシーを保護することができる,暗号化機能付き第 1 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB101a)を企業と共同で開発した.さらに,プライバシー保 護機能を充実させた二重暗号化機能付き第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ (eJKC-ZB102a)を開発した.e 自警カメラは,街灯・防犯灯と同じように,高 密度に設置されることで,地域全体を見守る防犯カメラシステムとして機能し, 安心・安全な社会の実現に貢献することができる.e 自警カメラを更に普及させ る為に,第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ (eJKC-ZB102a)の改良および,新型 e 自警カメラの開発を行う. 3.1.2 マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)の改良 第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)を用いた社会実験を行い, 様 々 な 改 善 点 が 明 ら か に な っ た . 第 2 世 代 マ ツ ダ 商 事 製 e 自 警 カ メ ラ (eJKC-ZB102a)は,外観からでは,カメラが動作しているか確認する方法がな く,容易に動作確認をすることができなかった.また,バックプレートのネジ の精密性が高く無く,水滴や埃等が侵入してしまう可能性があった.また,カ メラのズームやフォーカス等の調整用のネジに表示等がなく,わかりにくかっ た.さらには,専用の暗号化の複合化ソフトで記録された動画を確認する際, 動画ファイルを読み込むごとに,毎回暗号化解除キーを入力する必要があるた め,非常に時間がかかってしまい,迅速な捜査に支障をきたしてしまう可能性 があった.これらの問題点を改善するべく,この e 自警カメラを製造している 企業と改良に関する交渉を重ねた結果,少し改良を加えたマツダ商事製 e 自警

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カメラ(eJKC-ZB102b)を経て,新型マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c) が完成した.図 3.1 にその外観と表 3.1 に仕様を示す.

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表 3.1 新型マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)の仕様 カメラ本体 1/3 Sony Super HAD CCD カメラ

レンズ 4-9mm/9-22mm 可変焦点レンズ 電源 AC 100V 防水機能 あり(屋外設置可) リモコン 付属(各種設定が可能) SD カードの容量 32GB までの SDHC をサポート 動画圧縮 MPEG4(ASF)/MPEG D1(30FPS) フレームレート 5/15/30 fps から選択可能 ビデオ録画解像度 D1 VGA QVGA : 704×480(NTSC),704×576(PAL) : 640×480(NTSC),640×576(PAL) : 320×240(NTSC),320×288(PAL) 新型マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)は,SD カードの容量がいっ ぱいになった際の古いデータの上書き機能が旧型より安定化しており,上書き 機能のエラーで動作が停止する可能性が低減され,より安心して運用すること が可能になっている. バックプレート内にあったパイロットランプはフロントサイド(図 3.2 の赤く 光っている部分)に移設された.動作確認をする際にバックプレートを外す必 要がなくなり,容易に動作確認をすることが可能になった.カメラに異常が発 生し動作停止した際には,すぐわかるようになっているため,犯罪発生時にカ メラが稼働しておらず,証拠や手がかりが記録されていないという事態を避け ることができる.また,バックプレートのネジはより精密に加工されている. バックプレート内にあるカメラをフォーカスやズームを調整する際の調節ネジ

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46 には,FOCUS・ZOOM と表記されよりわかりやすくなっている.図 3.2 にフロ ントサイドのパイロットランプの画像を,図 3.3 にバックプレート内の調節ネジ の画像を示す. 図 3.2 フロントサイドに追加されたパイロットランプ 図 3.3 追加されたバックプレート内の調節ネジの表記

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47 図 3.2 で確認できる無数の透明な粒状の物は,赤外線 LED モジュールとなって おり,新型マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)は夜間の単体での撮影が 可能である.引き続き,二重暗号化機能を採用し,プライバシー保護機能が搭 載されている. e 自警カメラで暗号化して記録された映像を確認するための専用ビューアソフ トウェアも改良された.ソフトを立ち上げたのち,暗号化解除 Key を 1 度入力 するだけでソフトを終了するまでの間,複数の動画ファイルの閲覧が可能にな った.動画ファイルを開くごとに毎回暗号化解除 Key を入力する必要がないた め,動画ファイルの確認が容易になった. 3.1.3 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の開発 さらなる e 自警カメラの機能向上を狙い,株式会社ミツバアビリティと共同で, 本研究室が発案した暗号化によるプライバシー保護機能を搭載した,新型の e 自警カメラの開発を行った.その結果,ミツバアビリティ製 e 自警カメラ (MA-ejc132a)が完成した.ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a) も,従来のマツダ商事製 e 自警カメラと同様に,低コスト化,プライバシー保 護に重点を置き,開発を行った.その一方で,ミツバアビリティ製 e 自警カメ ラ(MA-ejc132a)は,ハードウェアとソフトウェア及び,ビューアソフトウェ アどれもマツダ商事製 e 自警カメラとは異なっている.企業と共同開発したミ ツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の外観を図 3.4 に示す.ミツバア ビリティ製 e 自警カメラは,マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)よりも, 筺体が大きい.筺体を大きくすることで防犯カメラの存在をアピールし,犯罪 の抑止効果を高める狙いがあるためである.また,筐体内の画像を図 3.5 を示す。 小型 CCD カメラとマイクロレコーダーが接続され, 内蔵された SD カードに動

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48 画が記録される.録画・記録が単体で行え,夜間の撮影も単体で可能な All-in-one 型となっており,一般的なコンセントに電源を接続するだけで使用が可能であ る.また,国内企業である株式会社ミツバアビリティと共同開発したため,国 内量産体制の確立と,ミツバグループの知名度を活かした販路拡大が見込まれ る. 図 3.4 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)

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49 表 3.2 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の仕様 カメラ本体 1/3 インチ インターライン式(SHARP 製) 電源 AC 100V 防水機能 あり(屋外設置可能) リモコン 付属(各種設定が可能) SD カードの容量 32GB までの SDHC をサポート 動画圧縮 H.264 フレームレート PAL : 1/3/6/8/12/25 fps から選択可能 NTSC:1/3/6/10/15/30 fps から選択可能 ビデオ解像度 4CIF:704×576(PAL),704×480(NTSC) 2CIF:704×288(PAL),704×280(NTSC) CIF : 352×288(PAL),352×240(NTSC) 図 3.5 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の筐体内

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50 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)にも,マツダ商事製 e 自警カメ ラ(eJKC-ZB102c)と同様の二重暗号化機能が採用されており,カメラの機能と してプライバシーを保護することが可能である.撮影された映像は 2 重に暗号 化され内臓された SD カードに記録される.記録された SD カード内の映像を閲 覧するためには,専用のソフトウェアと暗号化を解除するためのパスワード Key-A と Key-B の 2 つが必要となる.Key-A のみ入力された場合には,不鮮明 化処理された映像が出力される.メンテナンス業者等は Key-A のみを所持し, 不鮮明な画像でメンテナンスを行う.警察,市役所等の閲覧権者として設定さ れた機関は Key-A,Key-B を両方所持しており,2 つの Key を入力することで鮮 明な画像を閲覧することができる.このような仕組みをとることで,プライバ シーを保護している.図 3.6 に専用ビューアソフトウェアのスクリーンショット を示す. 図 3.6 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ専用ビューアソフトウェア

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51 3.1.4 e 自警カメラの画質検証 e 自警機器の研究開発における,e 自警カメラの問題点の抽出・改良の一部と して,画質検証を行った.開発したマツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c) とミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の両者に対して画質検証を行っ た.実際の運用を想定し,住宅街にて検証実験を行った.社会実験では,カメ ラへのいたずらや,内蔵 SD カード盗難等のリスクを低減させるために,人の手 が届きにくい地上から 2.5 メートル以上の場所に設置を行っている.検証実験で も実際の運用を想定して,社会実験と同様に地上から 2.5 メートル程度の高さに e 自警カメラを設置した.e 自警カメラは単体での夜間撮影が可能なため,昼間 と夜間に実験を行った.撮影する対象は,人物と自動車とする.人物の場合は 着衣や顔が識別できるか,自動車の場合は車種および塗色が識別できるか,ま たはナンバープレートが識別できるかを確認する. まず,マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)の検証実験で撮影した画像を 図 3.7 から図 3.10 に示す.示した画像は,記録された映像を専用のビューアソ フトウェアにて暗号化解除したのち,キャプチャーしたものである.

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図 3.7 マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)(昼・人物)

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図 3.9 マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)(昼・自動車)

図 3.10 マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)(夜・自動車) マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)で記録された映像において,人物 の場合は,昼間は顔の識別が可能であり,着衣の色,種類の識別が可能である.

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54 夜間に関しては,顔の大まかな特徴を捉えることが可能である.着衣の識別に 関しては,夜間は白黒映像となってしまうため,着衣の色の識別は難しいが特 徴は確認することが可能である.自動車の撮影に関しては,昼間は車種・塗色 が識別でき,ナンバープレートの 4 桁の数字がはっきりと識別が可能である. 夜間に関しては,ナンバープレートの 4 桁の数字がはっきりと識別が可能であ る.自動車の塗色の識別に関しては,夜間は白黒映像となってしまうため,識 別は難しい.しかし,車種や特徴は識別が可能である. 検証実験より,本研究で開発したマツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c) は,防犯カメラとして要求される必要最低限の画質が確保されていることが確 認できた. 次に,ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)の検証実験で撮影した 画像を図 3.11 から図 3.14 に示す.示した画像は,記録された映像を専用のビュ ーアソフトウェアにて暗号化解除したのち,キャプチャーしたものである. 図 3.11 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)(昼・人物)

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図 3.12 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)(夜・人物)

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56 図 3.14 ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)(夜・自動車) ミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a)で記録された映像において, 人物の場合は,昼間は顔の識別が可能であり,着衣の色,種類の識別が可能で ある.夜間に関しては,顔の識別が可能である.着衣の識別に関しては,夜間 は白黒映像となってしまうため,着衣の色の識別は難しいが特徴は確認するこ とが可能である.自動車の撮影に関しては,昼間は車種・塗色が識別でき,ナ ンバープレートの 4 桁の数字がはっきりと識別が可能である.夜間に関しては, ナンバープレートの 4 桁の数字がはっきりと識別が可能である.自動車の塗色 の識別に関しては,夜間は白黒映像となってしまうため,識別は難しい.しか し,車種や特徴は識別が可能である. 検証実験より,本研究で開発したミツバアビリティ製 e 自警カメラ(MA-ejc132a) は,防犯カメラとして要求される必要最低限の画質が確保されていることが確 認できた.

図 1.3 第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)
表 1.1  第 2 世代マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102a)の仕様  カメラ本体  1/3 Sony Super HAD CCD カメラ
図 3.1 新型マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)
表 3.1 新型マツダ商事製 e 自警カメラ(eJKC-ZB102c)の仕様  カメラ本体 1/3 Sony Super HAD CCD カメラ
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