社会
系教科教育学会
『社会系教科教
育学研究』第19
号 2007
(pp.65-72)
歴史を手段化する教材構成原理の究明
一世界史単元
「工業化を考える∼福祉国家を視点にして∼」を事例にして−
A Theory of Teaching Material Construction to Recognize Modem States System in History
:The Case of World History Unit
“Examining Industrialization in an Aspect of Welfare States
”
I。問題の所在
大部分の歴史の授
業は教科書を用
いて歴史事象
を絶対視
して学習させるものになっている
。例
え
ば
,
(詳説世界史BJ
I
)
では,匚
欧米における近
代社会の成長
」とい
う章
を
「 ̄
産業革命」など三つ
の単
元で学習するように構成
され
ている
。
しか
し,
この厂
産業革命
」の
単元ではイギリス
における産
業革命の発生要因
,機械の発
明と交通機関の改
良,
産
業革命の波及
,資本主義体制の確立
と社会問題
の
発生な
ど
,工
業化に
関す
る歴
史的知識
を年代
的
・
網羅
的に学習するもの
となっている
。これ
を見る
と
,章においては近代社会の成長という教育内容
が設定されて
いても
,単元段階では
工業化の歴史
的解釈と個々の事例
が教材と
して学習され
ている
にす
ぎないことがわ
かる
。つま
り,歴史の授
業は
教育内容と教材が乖離
し
,歴史自体
を目的化
した
学習が
一般的なものになっている
。そ
して,その
ため今
を生きる生徒にとって必要な資質
を培
うこ
とが
できないものになっている。
この
ような歴史の授
業の
実態
を改革するため
に
,
これ
までも歴史
を手段化する授業の
理論化が
目指
され
てきた
。
しか
し,その理論化は教育内容構成
やそれに基づく授業構成の解明段階に留ま
り
,教
育内容を授業で具体化するための教材の構成につ
いての研究は行われ
ていない夕
本稿は歴史を手段化する教育内容
と教材の
基本
原理
を解
明
し
,教材構成の視
点か
ら授業開発研究
の理論化を試みる
。そのため
,Hでは世界史単元
厂
工業化を考える
∼福祉国家を視
点に
して∼」を
提示
し
,その教育内容と教材について分析
し,カ
リキ
の
単元の
ュラム
中か
段階の教材構成
ら小単元
2を事例に
を解明する
して,授
OⅢではこ
業段階
-宮
本
英
征
(広
島大
学
附属
中高
等
学校)
の
教
材構
成
を解
明す
る
。そ
して
,IV
では
これ
ま
で
の
歴
史教
育
研
究
との
違
いと特
質
を究
明
した
い
。
n。歴
史教
育の
教
育
内容
と教
材
1
.世界
史単
元匚
工
業化
を考
える
∼福
祉
国家
を視
点に
して
∼」の
内
容構
成
この
単
元で
は
,第
1に社会
問題
とその
解
決
案
を
教材
に
し
,第
2に個
々の
教材
が
教
育
内容
に相
関す
る
よ
うに
し
,第
3に教
育内
容その
もの
を考
える
小
単
元
を設
ける
よ
うに
した
。具体
的
には
次の
よ
うな
小
単
元に
よ
り構
成
した
。
小単元
1匚
福祉国家の危機
」
小単元
2
「アメ
リカの福祉政策」
小単元
3
「ドイツの福祉政策
」
小単元
4匚
ス
ウェー
デンの福祉
政策
」
小単
元5厂
ドイツの介護保険」
小単
元6匚
工業化を考える」
この
よ
うな構
成
を発
問
レベル
で具体
化
した
もの
が
表13
)
で
ある
。
小
単
元
1では厂
工
業化に
よる
問題
を解
決す
る新
しい仕組み
は
可能か
」
とい
う本単
元の
主題
を確
定
す
る
。こ
こでは
工
業
化に
よ
る労働
問
題
に対
応
して
きた
福祉
国
家が
危機
に
直
面
して
い
る
こと
を把握
す
る
。そ
して
,工
業化
に起
因す
る
問題
を解
決
す
る新
しい福祉
国家の
働
き
を考
えるため
に
,歴
史的
に
反
省す
るこ
との
必要
性
に
気づか
せ
る
。
小単
元
2
∼
4では
主題
に
対す
る答
え
を明
らかに
す
るた
めに匚
福
祉
国
家は
なぜ
工業
化に
よる問
題
に
対応
でき
な
くな
ったの
か
」
をそれ
ぞれ
問
い
,福
祉
国
家が
直
面す
る危
機の
原因
を解
明す
るため
に
自由
主
義
型
,保
守主
義
型
,社
会
民
主主
義
型
とい
う各福
祉
国
家の働
きに
つ
いて
,歴
史
的に
分析
させ
る
。
65−
小単元2では
,最初に福祉国家がなぜ工業化に
よる問題に対応できな
くなったのか
を追究
し
,新
しい福祉国家と
しての必要な働
きを明らかにする
ため
,世界の代表的な福祉
国家について検討する
ことを生徒に提案する
。最初の
事例と
してアメ
リ
カ合衆国を取
り上げ,
1930-40
年代に福祉国家化
したが
,現在
では貧富の
差の拡大という問題に直
面
していることに気づかせる
。そ
して,その原因
がアメ
リカの福祉政策の
基本である家族の福祉負
担を原則
とす
る匚
福祉の
家族化
」という家族に対
する政策
と
,人々をなるべ
く労働者と
して働かせ
能力に応
じて生活を保障させよ
うとす
る匚
労働
力
の商品化
」という労働者に対す
る政策に
あること
を学習させる
。さらに
,同様の福祉政策
を実施
し
ているオ
ース
トラリアについても分析
させ,その
枠組み
を自由主義型福祉国家と
して
一般化
させ
る
。
最後に自由主義型福祉国家が貧富の差の拡大に直
面
していることを理解
させる
。
小単元
3では
,19
世紀末の
ビスマルク時代か
ら
20世紀初頭の
ワイマ
ール
時代において形成され
た
ドイツの福祉政策について考えさせ
る
。最初に
,
自由主義型福祉国家が直
面
している貧富の差な
ど
の問題
を早い時期か
ら克服
しようと
した
ドイツは
現在
,少子高齢化にともなう家族問題に直面
して
いることに気
づかせる
。そ
して,その原因が
ドイ
ツの福祉政策の
基本である家族の福祉負担を原則
とする厂
福祉の
家族化]という家族に対する政策
と
,労働
者と
して働か
なくても
一定の
レベルで生
活できるように
,人々を市場か
ら分離
しようとす
る
「労働
力の脱商品化
」という労働者に対する政
策に
あることを学習させる
。さらに
,同様な福祉
政策を実施
しているイタ
リアに
ついても分析
させ
,
この枠組み
を保守主義型福祉
国家と
して
一般化さ
せる
。そ
して,最後に保守主義型福祉国家が少子
高齢化問題に直面
していることを理解させる
。
小単元4では,
1940
年代か
ら80
年代に
おけるス
ウェ
ーデンの福祉政策について考えさせる
。最初
に
,自由主義型
・保守主義型福祉
国家が直面
して
いる
問題
を克服
しようと
したス
ウェ
ー
デンは現在
,
財政収支の赤字などの財政問題に直面
している
こ
とに気づかせる
大戦後のスウェーデン福祉政策の基本となった
。そ
して,その原
因が第二次世界
「労働
力の脱商品化
」を進めつつ,脱工業化に伴
う女性の社会化に対応
して
,福祉の家族負担を軽
減
しようとす
る匚
福祉の脱
家族化
」といった家族
に対す
る政策に
あることを学習させる
。さらに
,
スウ
ェ
ー
デン
と同様
な福祉政策を実施
しているデ
ンマ
ークについても分析させ
,この枠組み
を社会
民主主義型福祉
国家と
して
一般化させる
。そ
して
,
最後に社会民主主義型福祉
国家が財政問題に直面
していることを理解
させる
。
また
,小単元4では
,小単元
2∼4のまとめ
と
して
,福祉国家が対応できな
くなった
工業化に
よ
る社会問題の性質について考
えさせる
。具体的に
は
,まず
自由主義型福祉国家と保守主義型福祉国
家が労働
問題の原因を工業化による労働
力の市場
化に
あると考
え
,労働
力の
商品化や脱商
品化といっ
た労働者に対する政策
を重視
した
こと
,そ
してそ
の結果
,貧富の差の拡大や少子高齢化問題が
生
じ
た
ことを理解
させ
る
。次に
,社会
民主主義型福祉
国家が労働
力の脱商
品化だけでなく福祉の脱
家族
化
といった家族に対する政策も重視
した
ことか
ら
,
現在の社会問題が脱工業化にともなう女性の社会
化に起
因す
るものに
変化
していることを指摘する
。
最後に
,福祉
国家が社会
問題に対応できなくなっ
た原因を
,社会問題が工業化に
よる労働
力の市場
化から脱工業化による女性の社会化に起因するも
の
へ
変化
したため
であると結論
づける。
小単元
5
・6では主題に迫るため
「工業化によ
る問題
を克服す
るために
どの
ような福祉国家の
可
能性かおるのか
」
「 ̄
私たちは工
業化に
ついてどの
ように考えたの
だろうか
」という問に対す
る判断
を求める
。ここではこれ
までの歴史的分析に依拠
して
,今後の福祉
国家に必要な働
きを客観
的に追
究させ
,今後の社会の在
り方を判断させ
る。
小単元
5では
,工業国の厂
労働者に対す
る政策
」
と
「家族に対する政策
」を蚰に
した表
を作成する
。
そ
して
,脱工業化に対応
した新
しい福祉
国家の働
きと
して
,福祉の負担
を国家
・市場
・地域などで
分担
し匚
労働
力の商品化
」と匚
福祉の脱
家族化」
を進め
る多元型福祉
国家の
可能肬
が理論
的には存
在することに気
づかせる
。その後
,
ドイツの介護
保険か
ら福祉の脱家族化をすすめるとともにその
負担を国家だけでなく市場
・地域にも分担させる
表 1 単 元 「 工 業 化 を 考 え る ∼ 福 祉 国 家を 視 点 に し て ∼ 」 の 内 容 構 成
単 一 兀 主 要 な 発問 資 料 主 要 な学 習 内 上 位発 問 下 位 発問 下 位 知 識 上 位 知 識1
尚
尚
○ 工 業 化 に よ る 問 題 を 解 決 す る 新 し い 仕 組 みを つ くる こ と は可 能 な の か 。 ○ 工 業 化 に伴 う 問 題 を イ ギ リ スな ど の工 業 国 は ど の よ う に解 決 し よ う と した の かo O 福 祉 国家 化 し た 現 在 の 工業 国 は ど のよ うな 問 題 に 直 面 し てい る の か。 1 2 3 4 ○工 業 国 は、 労 働 者 に 対 す る 政 策 と家 族 に 対 す る 政 策を 行 う福 祉 国 家 を 形 成 する こ と で 、 す べ て の人 々 の最 低 限 の 生 活を 保 障 し よ う と し た。 ○人 々 の最 低 限 の 生 活 を 保 障 しよ う とし た 福 祉 国 家 とし て の役 割 や 働 き が 見直 さ れ 、 福 祉 国家 の 再編 や解 体 と い っ た 福 祉 国家 の危 機 に 直 面 し てい るo才
リ
ミ
白
と
○ 福 祉 国 家 は な ぜ工 業 化 に よ る 問 題 に 対 応 で きな くな っ た のかo ○工 業 化 によ る 労 働 問 題 を 克 服 し よ う と し た アメ リカ は ど のよ う な 福 祉 国家 の危 機 に 直 面 し てい る の か。 ○ ニ ュ ー デ ィ ール 政 策 か ら始 ま る ア メ リ カ のど の よ う な 福 祉 政 策 が 貧富 の差 の拡 大 と い う 福 祉 国 家 の 危 機を もた ら し た の か。 ○ 福 祉 国家 の危 機 の原 因 は 何 か。 5 6 7 8 ○ 貧富 の差 の拡 大 と い う 福 祉 国家 の危 機 に 直 面 し て い る。 ○工 業 化 によ る 労 働力 の 市 場化 に対 応す る た め に 、 ア メ リ カ は低 水 準 の 社 会扶 助 な ど福 祉 の 家族 化 と い う家 族 に対 す る政 策 を 前提 と し た。 そ し て、 低 水 準 の失 業 保 険 な ど で労 働 力 の 商 品 化 を 進 め る労 働者 に 対 す る政 策 によ り 市 場 を 活 性化 さ せる こ と で 、 福 祉 の低 コ スト 化 と 豊 かな 労 働者 の 増加 を はか っ た。 そ の結 果 、市 場 にお け る能 力 によ っ て 貧富 の差 が 拡 大 し た 。 ○ 工 業化 によ る労 働力 の 市 場イヒ に対 応す る た め に 工 業 国 は福 祉 の家 族 化 と い う家 族 に対 す る 政 策を 前提 とし な が ら 、 労 働力 の 商 品化 とい う 労 働者 に対 する 政 策 を 行 う 自 由主 義 型 福 祉 国 家 を形 成 し た。 その 結 果、 貧富 の差 が 拡 大 す る 問 題 に 直面 し て い る 。 ○ 工 業 化 に よ る 労 働力 の 市 場 化 に起 因 す る 問 題が 現 在 で は 脱工 業 化 に よ る女 性 の 社 会化 に起 因 す る 問題 に 変 化 してい るため。万
の
呆
○ 貧 富 の 差 に対 応 し た ド イ ツ は ど の よ う な福 祉 国 家 の 危 機 に 直面 し て い る のか 。 ○ ビ ス マ ル クか ら始 ま る ド イ ツ の ど の よ うな 福 祉 政 策 が 少 子 高 齢 化 に と もな う福 祉 国 家 の 危 機を もた ら し た のか 。 ○ 福 祉 国 家 の危 機 の原 因 は 何 か。 9 10 H 12 13 14 15 ○ 要 介 護者 の増 加 、 家 族 の 介 護 能力 の低 下 、 施 設 費 用 の 問 題 など 少 子 高 齢 化 に と もな う家 族 問 題 に 直面 して い る 。 ○工 業 化 によ る 労 働力 の 市場 化 に対 応 す るた め に、一 定 水 準 の福 祉 サ ー ビ スを 保障 し貧 富 の差 の 解 消を 目 指し た。 そ の た め、 強 制 的 な社 会 保 険 によ る 労 働力 の脱 商 品化 と い う労 働者 に対 する 政 策を すす め たo 一 方 で、 家 族 手 当 な ど を 失 業 者 に 限定 す る な ど 福 祉 の家 族化 とい う 家 族 に対 す る政 策 が 依 然 と し て 前 提と さ れた 。 こ の 結果 、 高齢 化 に よ る 家族 へ の負 担 が 増 大 す る な ど、 少 子 高 齢 化 に と も な う家 族 問 題 に 直 面 し て い るo O 工 業 化 によ る労 働力 の 市 場 化 に対 応 する た めに 、 工業 国 は 福 祉 の家 族 化 と い う家 族 に対 す る 政 策 と、 労 働力 の脱 商 品 化 と い う労 働者 に 対 す る 政 策を 行 う保 守 主 義 型 福 祉 国家 を 形 成 し た 。 そ の結 果 、 家 族 が 福 祉 の負 担 に耐 え ら れ ず 少 子 高 齢化 にと もな う 家 族 問 題 に直 面 し て い る。 4 ス ウ エ 1 デ ン の 福 祉 政策 ○少子高齢化 句題に対 応したスウェー デ ンは ど のよ うな 問 題 に 直 面 し て い る の か。 ○ 第 二 次 世 界 大戦 中 に始 ま る ス ウ ェ ーデ ン の ど のよ うな 福 祉 政 策 が 財 政 問 題 とい う福 祉 国 家 の 危 機 を もた ら し た のかo O 福 祉 国 家 の危 機 の原 因 は 何 かo 16 17 18 19 20 21 22 23 ○ 国 家 財 政 の 破綻 や70 % を 超 え る 国民 の租 税 負 担 と い う 問 題 に直 面 し て い る。 ○ 脱工 業 化 によ る女 性 の 社 会化 に対 応 し て、育 児 だ けで な く 高齢 者 サ ー ピ ス の 充実 も はか るこ と で 崩 壊 し つつ あ る 家 族 を 維 持 す る と い った 福 祉 の 脱家 族化 を めざ す 家 族 に対 す る政 策 を 行 っ たo ま た、 失 業 中 に90 % の 前 賃 金を 保 障 す る な ど 労 働力 の脱 商 品 化 と い う 労 働者 に対 す る 政 策 も す す め た。 こ の 結 果 、 膨大 な 費 用 が 必 要 と な っ たo O 脱 工 業化 によ る女 性 の 社 会 化 に対 応 す る た めに 、 工 業 国 は、 家 族 を 維 持 す る 福 祉 の脱 家 族 化 と い う 家 族 に対 す る 政 策 と 、 労 働力 の 脱商 品 化 と い う労 働者 に対 す る 政 策を 実施 する 社 会 民 主主 義 型 福祉 国家 を 形 成 し た。 そ の結 果 、 膨 大 な コ スト の た めに 財 . 政 問 題 に 直面 し てい る 。W
で
の
息
談
○ 工 業 化 によ る 問 題を 克 服す る た め に ど の よ う な福 祉国 家 の可 能 性 が あ る の か。 ○ 工業 国 の「 労 働者 に 対 する 政 策」 と 匚家 族 に対 す る政 策 」 を 観点 に す る と、 形 成 さ れ た福 祉 国 家 は どのよ う に分類 でき るかo 表 : 工 業 化 に対 応 し た福 祉 国 家 の 類 型 、 を 完 成 さ せ な さいO O ド イ ツの 介 護 保険 な ど を 参 考 に す れ ば 、工 業 国 は工 業 化 に 対 応 し て ど の よ う な福 祉 国 家 を 形 成 す る こ と が可 能 な のかo ま た 、 そ れ は な ぜ か。 ○ 日 本 は 工業 化 に対 応 し て ど の よ う な 福 祉 国家 を 形 成 する こ と が 可 能 な の か。 ま た、 それ は な ぜ か 。 24 25 ○ 表 : 工業 化 に対 応 した 福 祉 国 家 の 類型 ○ ( 例) 女 性 の 社 会化 に対 応 す る福 祉 の脱 家 族化 を 基 本 と し て市 場 原 理やボラ ンティ ア 活動 を 導 入 す る多 元 型 福 祉 国家 。 負 担 を匡家・ 寸岨・ 地 域 とで 分 担 で き るか ら。 工業 国 によ る福 祉 国家 の形 成 労 働者 に 対 す る 政 策 労 働力 の商 品 化 労 働 力 の 脱 商 品 化 家 族 に 対 す る 政 策 福 祉 の家 族 化 ① 目 由 主 義型 福 祉 国 家 ②保 守 主 義 型 福 祉 国 家 福 祉 の脱 家 族 化 ③社 会 民 主 主 義 型 福 祉 国 家 ○ 女 性 の 社 会化 に対 応 し た 福 祉 の 脱 家族 化 を 維 持 し つ つ 、 介 匠制 度な ど に も市 場 原 理・ ボ ラ ンテ ィ ア活 動 な どを 積 極 的 に導 入 す る。 ま た 、 失 業 ・年 金 制 度 など に も市 場 原 理を 導 入 し て 労 働 力 の 商 品化 も考 慮 す る。 この よ う に して ④多 元 型 福 祉 国家 の 形 成を 目指 す 。 なぜ な ら 、 福 祉 の 脱家 族化 を 巫 視 し た 福 祉 政 策 の財 源 を 国 家 だ け で な く 市場 ・ 地 域 に も 分 担 で き るか ら 。 ○ ( 例 ) 福 祉 の 脱家 族 化 を 基 本 と し なが ら、 介 護 保 険 の よ う な 市場 原 理 を 導 入 し た 福 祉政 策 を 拡 大 す る 。 ま た、 ボ ラ ンテ ィ ア 活 動 の た め の 啓 発 も 強化 す る こと で 、 よ り多 元型 の福 祉 国 家 の 形 成を 目 指 す。 な ぜ な ら、 女 性 の社 会 化 に 対 応 す る福 祉 政 策 の費 用 を 国家 ・ 市場 ・ 地 域 と で 分 担 で き るか ら 。6
jl
午
る
○ 私 た ち は工 業 化 に つ い てど の よ う に考 え たのだ ろうか 。 ○ 工 業 化 の 学習 と して ど の よ う な 事 例 を 扱 っ てい たか 。 ○ 工 業 化 に よ る 問題 を 克 服 す る た め に 、 ど の よ う に工 業 化 を 学 習 し た の か。 ○ 工 業 化 の学 習 で、 多 元 型 福 祉 国 家 の 可 能性 を 吟 味 し 、 引 き 出 し た 結 論 に はど のよ うな 意 味 が あ る の か 。 ○ 機 械 の 発 明 や人 物 で はな く 、 工 業 化 に 起因 する 問 題 と そ れ に対 応 し た 福 祉 国家 の 特 色 と今 後 の 在 り 様 の事 例を 学 習 し た 。 ○ 福 祉 国家 と い う工 業 国 の 対 応 を 視点 に して 、 社 会 問 題 の 性質 が工 業 化 に よ る 労 働力 の市 場 化 に 起 因 す る も のか ら脱 工 業 化 に よ る女 性 の 社 会 化 に 起 因 す る もの へ 変 化 し て い る と授 業 者 が 解 釈 し 、 そ の 解釈 を 学 習 し た。 ○ 脱 工 業化 によ る女 性 の 社 会 化 に 起 因 す る問 題 に対 応 で き る も の と授 業 者 が 行 っ た判 断 の正 当 性 を 吟 味 す る こ とで 、 今 後 の工 業 国 の 在り 方 を 追 究 し た。 ○ 授 業者 が 解 釈 し た工 業 化 と 工 業 国 の在 り 様 の 規準 に基 づ い て、 工 業 国 の 今 後 の在 り 方 の正 当 性 を 吟味 し た。 -67 −1 「 ロ ンド ン万 国 博 覧 会 」(『 週 刊 朝 日百 科 世 界 の歴 史105 19 世 紀 の世 界 1 技 術 「 ガ スと 電 気 」』 朝 日 新 聞 社 1990 pp.E-648-E-650.) 2 「骨 董 屋」( 「骨 董 屋」(チ ャ ー ル ズ・ デ ィ ケ ン ズ三 笠 書 房 1973 pp.357-363.)
3 「 ベ ヴ ァ リ ッ ジ報 告 」( 山 田雄 三 監 訳 『 ベ ヴ ァ リ ジ報 告 社 会 保 険 お よ び関 連 サ ー ビ ス』 至 誠 堂" 1969,の 「 第 1部 まえ が きと 要 約 」「第 V 部 社 会 保 障 計 画 」 よ り 作 成 」)
4 「 英 フ レ ア前 首 相 の第 三 の 道 」(http:冱2 豬 )湎dex・phpymyWB001120yid/200611021102 )
5 「 ア メ リ カ にお け る貧 富 の差 の 拡 大 」(http:/ywww2.mhlw.goj pyinfoyhakusyo瓜aigai/980622-Z9.htm, G. エ ス ピ フーア ン デ ルセ シ「 福 祉 国 家 の可 能 性 」 桜 井 書 店 2001 p.25) 6 「 ア メ リ カ社 会 保 障 法 の 成 立 」( 一 番 ヶ瀬 康 子 ・ 高島 進 編 『 講 座 社 会 福 祉 2 社 会 福 祉 の 歴 史 』 有斐 閣 1981 pp.228-229.) 7 「 ア メ リ カ 社 会保 障 等 公 的 援 助 計 画 に よ る給 付 額 」( 小 松 聰 「 ニ ュ ー・ テ ィ ー ル の失 業 救 済 政 策 (三 )」『筑 波 大 学 経 済 学 集 』 第 四号 1979 p.47) 8 「 オ ース ト ラ リ ア の福 祉 政 策 」( 佐 藤 進 ・ 中 野 い ず み「 福 祉 と医 療 の 社 会 」『 も っと 知 り たい オ ー スト ラ リ ア 』 弘 文 社 1990 pp.245-246.) 9 「 ド イ ツ の 少子 高 齢化 」( 古 瀬徹 ・ 塩 野 谷 祐 一 編 『先 進 諸 国 の社 会 保 障 4 ド イ ツ』 東 京 大 学 出 版 会 1999 pp.236-237.) 10 「 ド イツ の 家 族 の 介 護能 力 の低 下 」『古 瀬 徹 ・ 塩 野 谷 祐一 編r 先 進 諸 国 の 社 会 保 障 4 ド イ ツ』 東 京 大 学 出 版 会 1999 pp.338-339.) 11 「 ド イ ツの 福 祉 政 策」( 藤 瀬 浩司 「ド イ ツ にお け る 社 会 国家 の 成立 」『 現 代国 家 の歴 史 的 源 流亅 東 京 大学 出 版 会 1982 p.324.』 12 厂ワ イ マ ール 憲 法」( 樋 口 陽 一 ・ 吉田 善 明 緇 『 解 説 世 界 憲 法 集 第 4 版 』 三 省 堂 2001 pp.244-250.) 13 「 失 業 保 険 給 付 設定 案j 「 福 澤 直 樹 匚ド イ ツ にお け る 失 業 給 付 制 度 の 展開 と 福 祉 国家 の形 成」『 土 地 制 度史 学丿 第144 号 1994 p.14 』 14 「 医 療 は国 の 責 任 で す ーイ タリ ア 」(http://www.hyogokokyoso.com/infobox/messages/82.shtml) 15 「 イ タ リ アの 高 齢 者 介 護」( 村 上 義 和 緇 『現 代 イ タ リ アを 知 る た め の44章 』 明 石 書 店 2005 pp.141-142.) 16 「 ス ウェ ーデ ンの 高 負 担 高福 祉 」( 藤 井 威 『 ス ウェ ーデ ン・ ス ペ シ ャ ル 〔I 〕』 新 評 論 2002 p.5) 17 「 ス ウ ェ ー デ ン の財 政 収 支」( 丸 尾 直 美 ・ 塩 野 谷祐 一 『 先 進 諸 国 の 社 会 保 障 5 スウ ェ ーデ ン 』東 京大 学 出 版 会 1999 p.388 ) 18 「 国民 の家 演 説 」( 藤井 威 『 ス ウェ ーデ ン・ ス ペ シ ャ ル[ 日 新 評 論 2002 pp.3 6-37]) 19 「失 業 保 険 の改 正 」( 平 石 長 久 「 失 業 保 険 改正 」『 海 外 社 会 保 障情 報J No.27 1974』 20F ス ウ ェ ー デ ン の高 齢 者 サ ービ スj (http:yynippon.zaidan.info/seikabutsu/1998/00104/contents/026、htm) 21 「 スウ ェ ー デ ン の産 業 柵 造 と 女 性 の 社 会進 出 」( 藤井 威 『 ス ウェ ーデ ン・ ス ペ シ ャ ル 〔I 〕』新 評 論 2002 p.142, p.224) 22 「 デ ンマ ー ク の失 業 手 当 」( 仲村 優一 ・ 一 番 ヶ瀬 康 子緇 『世 界 の 社 会 福 祉 6 デ ン マ ー ク・ ノ ル ウ ェ ー 』 旬報 社 1999 pp.210-213.) 23 厂デ ンマ ー ク の高 齢 者 介 護亅( 大熊 一 夫 『 あ な た の老 後 の運 命 は』 ぶ ど う 社 1996 pp.45-47.) 24 「 ド イ ツ の介 護保 険 」( −a 介 護 保 険 の 仕 組 ( 鬼 崎 信好 他 縉 『 世 界 の 介 護 事 情 』 中 央 法 規 2002 p.68), - b 民 間 介 護 サ ー ビ ス の進 展 ( 古 瀬 徹・ 塩 野 谷 祐 一 編 『先 進 諸 国 の社 会 保 障 4 ド イ ツ』 東 京 大 学 出 版 会 1999 p.356 \ - c ド イ ツの 財政 ( 鬼 崎 信 好 他 緇 『 世 界 の介 護 事 情 』 中 央 法 規 2002 p.37) 25 厂独 , 経 済 低 迷 で 福 祉 削減 に転 換 」( 産 経 新 聞 2003 年 8月26 日付 け )