24 次いで4日置き症状に並行して1000・L・92 mg. /dlに下 り急性症状消退と同時に73 mg/dtと全く症状の高低 と同一の消長を認め,極めて興味有ることが示され, 各グループの血糖直の差及び症例に基き歯槽膿漏症患 者はやや高血糖値を示すものではないかと思われる。
3.本邦都鄙保健状態の分析 第6報癌死亡
(衛生)諸岡妙子
1951年,結核死亡が国民死因の第1位より転落して 卒中に次ぐ第2位となり,癌は第3位に上った。結核 死亡は漸減の勢にあるから,近く癌死亡は卒中につつ く第2位に上るであろう。我国でも漸く文明国なみに 高年性の死因による死亡が注目される様になって来た ので,本論文の第4報で卒中死亡,第5報で所謂「老 衰」による死亡を報じたが,第6報として,都鄙に於 ける癌死亡について観察する。 地域的には,奈良県が全国一高率の癌死亡を示す (全国癌粗死亡率は1947年人口10万に対する67.9 に対し,奈良県は93.2)ことは,昔も今も変らない。 年令による人N構成を訂正しても,全国一であること あることは変りない。近畿地方は一体に癌死亡は高率 である。年令構成を訂正して粗死亡率より高くなるの は東北諸県で,これよりみれば東北地方は老年人声が 意外に少く,みかけ上癌死亡は低率に現れていること が判る。 年次的には,今世紀初年入口10万対40台であった 癌死亡率は,逐年上昇して,今次大戦前には70台ま で達している。勿論時代の進歩とともに診断の正確化 も与っているであろうが,癌死亡の漸増ということは 欧米諸国とも軌を一にするもので,単に診断の正確化 ばかりによるものとは断定でぎまい。都市と農村の粗 死亡率を比較すると,大正中期まで都鄙殆んど差がな いが,大正中期以後は,毎年農村が都市より高率であ る。人口構成を訂正すると,都市では粗死亡率よりは るかに高く,農村では,粗死亡率よりりやや低い訂正 死亡率を得る。そこで都郷の関係は粗死亡率の場合と 逆転して,都市の癌死亡率は全年度を通じて農村より 高率となる。即ち,明かに都市的弓曉は農村よりも癌 に対して悪影響を及ぼしていることが判明した。4.DPNの平衡恒数に及ぼす水素イオン濃度
の影響
(生化学)松 村 義 寛 乳酸,乳酸脱水素酵素系を用いてDPNを還元する 場合に,乳酸,焦性ブドウ酸,DPN及びDPN・H2聞 に平衡が成立し,その平衡恒数は,DPN・H2の340mμ の吸牧を用いて分光光度計によって求める事が出る。 乳酸,DPN量は既知の濃度のものを用いて平衡時 のDPN・目明から焦性フドウ日量を求め,夫々の濃 度より平衡恒数を算出すれば,pH 6.0乃至8,0の間 では大は略330倍の変動を示す。然しK/〔H+〕はpH 6.8−8.0の間では略一定となるから, DPN十2 H == DPN.H, なる式に従って,反応が行われるのではなく, DPN十2H一=(DPN.H)一一十H+ 若くは』 2H一・H÷e十H+ D?N十H十e= (DPN.H)一 なる形式をとるものと考えられる。 この事実は又DPNが一価の塩基, DPN。Hzが二価. の塩基の如く見られる事実と一致する。5.欧洲留学印象
(1) (薬理)岩瀬恭子
(2) (賛詩会)岩 橋 澄 江東京女子警科大子々會第59回忌會
日時昭和28年3月6日(金)午後2時
場所東京女子医大病院臨床講堂
1.結核性脳膜炎を合併せる卵管腹膜妊娠の
一例 (婦人科)石 田 美 技躰例:患者湯○美028才未産婦
既往歴:幼児時肋膜炎罹患,結婚4回目,月経正調 主訴:頭痛,腹部腫瘤 現症:昭和27年3月より無月経,悪阻症状(+), 8月より衰弱加わり国立病院で子宮内容除去術施行。・ 子宮出血(一),13日よりヒステリー発作(?)あり と。意識溺濁あり,自覚症不明。 診察所見:栄養不良,体温403。q胸部:左後下 に湿性ラ音聴取,乳房に妊娠性変化(土),初乳分泌 (一),子宮前傾右方転位,新産児頭大,軟,その左に一54一
25 子宮と境界不明な超幼児頭大,硬度靱な腫麟触知,ダ グラス氏溢に膨隆,抵抗(十),子宮腔長15cm,膣部 リビド色(÷),柔軟,分泌物膿性,ブリドマソ反応 (十),レ線にて粟粒結核,脊髄液所見にて結核性脳膜 炎を認知,その為手術不応となった。 診断:妊娠5カ月及卵巣腫瘍 経遍:マイシン療法も効なく10月死亡 剖検及組織的所見:周囲と結合組織性癒着せる幼児 頭大の胎嚢を認め,胎令5カ月位の胴長20cm,浸軟 化した胎児と9×7.5cmの胎盤,25cmの腰帯を蔵し ていた。右卵巣は皮様嚢腫で鳩卵大。組織所見は左卵 管膨大部より釆に至る卵管に拡張を認め,壊死に陥っ た絨毛組織と思われる像より,卵管腹膜妊娠と確認さ れた。
2 急牲腹膜炎症状を呈したる小児の亜急性黄
色町萎縮症
(小児科)近 藤 昌 子 4年9ヵ月の女児が,突然胃部疹痛並に食慾不振を’ 以て発病し,第3日より腹:部膨満を認め,第4日目よ り嘔吐始まり,球結膜黄色に気付き,腹痛を主訴とし イレウスの疑で送院されたが,来院時,顔面蒼白で苦 悶状を呈し,体温37.9℃,}泳撞132,呼吸38で,球 結膜の黄染は認めるが,他の粘膜並に皮膚は普通色で 出血なく,腹部一様に膨隆緊張して上腹部は全体に濁 音を呈して波動を触れ,Mc, Busneyには腫瘤も抵 抗物も触れず。肝・脾を触れず。白血球数8000,中性 嗜好63%で左方移動を示す。以上により急性汎発性 腹膜炎と診断し,眼球結膜の黄色なる理由不明のまX 外科へ依託して開腹術を行った所,血性を帯びた多量 の腹膜滲出液留出の後に,肝の萎縮を認めたが,術後 17時聞に死亡し,肝脾切片標本の病理所見に依り,亜 急性黄色肝萎縮症と確認されたので,本邦報告例と比 較して見た。5.筋短縮とその伝播に関する実験的考察
(生理)小 林 芳 寿 (抄録未着)4.筋電図の臨空的必用
(整形外科)五 味 重 春 最近2,3年来吾が国に於ても,筋電図(E.M. E.) の研究が盛んになり,その臨淋的応用も可成り広いの で,筋電計を供覧しつつ,筋電図の概略と臨林的応用 価値に就いて述べた。 筋牧縮に伴5活動電流を誘導し,之を増幅記録した ものが筋電図であるQ 筋電計の装置と誘導電極,記録の方法を説明し,表 面電極と針電極誘導による正常筋電図の波形,特に針 電極誘導にみられるスパイク放電の振幅,持続時間, 活動様式を述べ,之と筋牧縮の機能的単位である前角 細胞,之に連る神経線維,之が麦配する筋線維,即ち N.M. U.(neuromuscular unit)との相関々係を 述べた。 次に診断学的根拠となる異常筋電図,1即ち一Fibri− lation Valtage. complex N. M. U. Volt. Fasci− culation Volt. Synchronization Volt. spontane− ous discharge at rest. exaggeration of stretch reflex一等の所見をスライドで供覧し,夫々対応する 神経一筋系の病変部位との関係を説明した。 その他筋k縮を効果器官とする反封の機序解明,病 変の予後判定,治療効果の決定,広くは神経一筋系病 態生理の究明に,新しき指標となり得ることを強調し た。 5. (綜説)無菌性膿尿症について(皮泌科)大田隆子
無菌性膿尿と著明な膀胱症状を主症状とする場合, 最近迄は先づ腎勝胱結核の診断のもとに処理されて来 たが,最近「無菌性膿尿症」の存在が関心を持たれる 様になった。 本症は腎膀胱結核と誤られ易いが,膀胱尿,旧記の 培養,動物試験,膀胱鏡検査,腎孟撮影品等によって 診断を確定した上でなければ,軽々しく腎摘出術等を 行うべきではない。 本症の原因は,今白未だ不明であるが,原因究明の 鍵は,Pleuro−pneumonia like organis皿(P. P.・L.・O 叉はL−organlsm)及び,本症の特効薬であるNeo−Salvarsan, Mapharse難in等の砒素剤の作用機転の 究明にあるものと考える。