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Streptomycin耐性腸チフス菌について : (第2報)SM耐性腸チフス菌の一般的性状について

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(1)

(東京女医大慌第25巻第11号頁490−498昭和30年11月) 〔原 著〕

Streptomycin耐性腸チフス菌1こついて

(第

2 報)

SM耐性腸チフス菌の一般的性状について

東京女子医科大学細菌学教窒,(主任 平野憲正教授)

ス 子 シ 田 ダ キ ヨ

(受付 昭和30年8月9日)

腸チフス菌(6S株)をストレプトv■シン

(以下SM)加ブ■ヨン培地に移植し,発育阻止 の最:低濃度をもつて,本菌の感性を測定し,発育 可能の最高濃度の培地より順次高濃度の培地に移 植を行いつつ,高濃度の耐性株を得た。このSM 耐性腸チフス菌について,1.形態の変化,2. 運動及び鞭毛の消失,3.発育状況,4.生物学 的性状,5.マウスに対する毒力,6.免疫学的 性状,7.復帰について実験を行った。これらの 実験については内外多数の学者の報告があり,本 実験の結果も又諸家のそれとほぼ一致しているも のであるが,次にその大要をのべる。 実験方法並びに成績 供試菌としては腸チフス菌(6S株)を用いSM加 ブ■ヨン培地としては硫酸ジヒドロストレプトマイシ ン(MERCK:製後に第一製薬製)10 mgを10ccの ブ■ヨンにとかし,之を適宜稀釈,1ccずつ分注した ものを用い,これに腸チフス菌の20時問ブ■ヨン培養 液を渦巻=t 一一 sで1白金耳移植し,37。Cで20時聞培 養した。本菌は100γ/ccSM加培地に於いては37。C 24時間までは発育を認めないが,48時間では濯濁を示 し,1mg/ccでは48時間以後においても増殖を認め なかった。との100γ/ccの濃度の培地に48時間で増殖 を示したものより順次SM濃度の高い培地に移植し, 24∼48時間培養で増殖を認めた最高濃度の培地から次 代へ移植するととを繰返えして,漸次1耐性を高め,最 高工50mg/ccの濃度の培地に24時聞で増殖可能の耐性 株を得た。 1.形態の変化。 SM耐性腸チフス菌は耐性を獲得した初期にお いて,その形態はすでに原株と異り,菌体は大部 分膨大してやや短く,楕円形を示し,下階ものは 太く長くなる。高濃度のものの中には紡錘形のも の,又は一端が細くなっているものなどが認めら れた。三体の染色性は一様でなく,両端が濃染す るもの,中央部が空泡様に脱色してみえるもの, 叉長い平体のものでは,この野冊様のものが1乃 至数個認められ,顯粒状に染色されているものも あった。これらの変化は最高濃度(150mg/cc)の SM培地に培養を行った場合におv・ても,ほぼ同 様であって,これ以上著明な変化は認められなか った。高濃度耐性株及び原株の核染色(pyronin−

methylengrUn nach Unna−Pappenheim染色)

を行うと5∼10分では両端叉は中央或v・は一端に 濃染する核を証明することが出来たが,両者に何 らの差異を認めることが出来なかった。しかしこ の耐性株をSMを含まなv・普通ブ■ヨンへ移植 し,2∼3代継代培養を行うと上述のような形態 学的所見は非常に少なくなり,三代継代培養を行 うと,耐性は未だ復帰しないにもかかわらず(7 参照)殆ど形態的には原株と同様となった。

腸チフス菌及びその他のGram陰性菌のSM

耐性株の形態の変化につV・ては,大部分の学者は (1)∼(9)変化のあるごとを認めているが,Price(エ。) Elias,(]1)秋葉,(12)Miller et a1,(13)は著明な変化 はないと報告している。 2.運動及び鞭毛の消失につV・て。 実験に用V・た腸チフス菌は運動性がやや弱く, 鞭毛染色では全くこれをみとめることは出来なか 一 490 一

(2)

つた。0.5∼0.7%半流動寒天培地に穿刺培養を行 、 つたものに於ては,原株,耐性株及び復帰途上の 株との聞に著明な差異が認められた。本実験に用 いた培地を検定する目的で運動活濃な腸チフス菌 (相原株)と他に赤痢菌を本培地に培養した。 その成績は相原株では培地の全体が白濁し,6 S株では試験管壁に近い部分はなお菌の増殖を見 ない透明部を残していたが,耐性株は穿刺部のご く周囲に僅かばかり播種状に発育していて,著し い運動性の低下を思わせた。復帰株(14代)はそ の中間にあって,耐性の復帰と共に運動性も復帰 することを認めた。以上は37。C24時間培養iの断 見であるが,48時間,或いは72時間におV・てもこ の傾向には変化がなかった。Elias,(11)宮川,(14) 横山(15)等は大腸菌のSM耐性株に鞭毛の減少を 認めているが,渡辺(9)ほ腸チフス菌のSM耐性株 では変化はないと述べているが,私は運動活磯な 相原株についてユ00mg/cc 36代継代株について 同上の実験を行い,鞭毛の滅少を認めた。 3.発育状況 液体培養において高濃度のSMに耐性となった 腸チフス菌は,その濃度より低v膿度のSM加ブ ノfヨン培地,或いはSMを含有しな㌔(普通ブイヨ ン培地に移植すると良好な発育を示すが,その溺 濁の程度は原株のそれに比べると著しく劣る。固 形培地においてはSMを含有しなv・普通寒.天培地 にも,高度のSM耐性株は発育不良であって,37Q C24時闇培養では全く集落を認めないか,叉は 非常に小さな,僅かにその発生を思わせるような 露滴状の集落であって,48時間培養でも少集落で ある。このようなSM耐性株はSM含有培地でも 発育は悪く,SM依存性とは考えられない。 4. 生物学白勺’ith)i犬 耐性株及び原株の糖分解能,インドール産生 能及び,グリセリン分解能について,実験を行っ た。成績は表1に示すようであって,耐性株は

Mannitol, Sorbitol, Maltose, Galacto.c−e ig, 」〈) やおくれて分解したが,Xyloseを加えたペプト 表 1. SM耐性腸チフス菌とその原株との生物学的性状の比較 糖 の 種 類 (lee mg e 150 1 gfcc)耐 性 株 ; 原: 株

i (6s株)

Giucose Mannitol Dulcitol Sorbitol Inositol Maltose Arabinose Rhamnose Xylose Dextrin Adonitol ・ Sucrose Lactose Galactose Sulicit Indol産生 Glycerin 分解 十 十 十 十・ 干 十. 十 (Li−3) (十2) (+u) (士) (+u) 一F 十 十 軍 H一 士 平 (+2),(+t})・…一・15∂mg/cc耐性菌を原株と同量移殖した場合2∼3日昌に分解することをあら わし,移殖即智を多くすれば他株と同様に分解することを示す。 ン水は,高度SM耐性株(150mg/cc)の場合に 培i養10日目ではやや酸性(pH 6.4∼6・6)を呈し・ 原株ではpH 7.2であった。しかし2週間後には 原株もpH 6.6∼6.8とfs 1),耐性株との著明な差 異はみとめられなかった。インドール産生は両株 とも陰性であったが,Glycerin分解能はいすれ 一491一

(3)

も微弱であり,耐性株を培養した方は培養3日目 で,既に大凡pH 5・8となり,1週間の観察の闇, そのままの状態を保つた。原株はこの間徐々に GLycerinを分解し,1週間目に培地vrk pH 6・2 となった。以上の性状は原株耐性の程度の低い株 (100mg/cc)及び復帰株においても殆ど同様であ った。又糖分解のおくれたものも,移植菌量を大 量にすることにより,分解能を原株と同程度にす るととが出来るから,糖分解のおくれるのは諸家 (2)(3)(9)(15)∼(20)の報告の如く,耐性株の発育の悪 V、ことに原因するものであろうと思われるQ 5.マウスに対する毒力 。 抗生物質に耐性となった細菌の毒力の低下する ことは諸家のみとめる所であり,その原因は耐性 株が原株に比べて発育が悪V・ためであろうとV・わ れている。本実験においてSM耐性腸チフス菌を 用いて,マウスに対する毒性試験を行V、,ほぼこ れらの意見と一致する結果を得た。 本実験に用いた腸チフス菌は100mg/cc及び, 50mg/ccに耐性であって,これらを普通寒天培 地に移植し,37。C 20時間培養菌の食塩水菌浮游 液を菌量にして,0.2,0・5,1・0,3・0及び5・Omg 宛,15g前後のマウスの腹腔内に接種した。その 結果は表2に示すように,旧株を,3.O∼5.emg 表2.耐性株とその原株とのマウスに対する毒性比較試験(1) (接種後3口における生存マウス数) へ り ド ぎお コ

\τ騨 ’.・.Lユ_L._L一:.一一一鱒一....:9・2...一i

継代薮\幣.・.

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計{・/・1・79い・/・21・/・21・・/・2[・/・21・/・1・/・{・/・L竺」 R……SM耐性腸チフス菌(6S株) C……対照(同上原口) 接種:すると接種後3日間で・全マウス・又は大部分 が発死するが,SM耐性株では5・Omgでもなお3 匹中1匹が生存し,又3.Omgでは原株接種群では 12匹中4匹が生存したが,耐性株の群では12匹中 11匹が生存した。このように耐性株の毒力が原株 のそれよりも弱っている原因の一つとして,その 発育がおくれるというのであるならば,原株を接 続3.耐性株とその原株とのvウスに対する 毒性比較試験(2) (長期観察による)

ドぐ騨」墾1童里_一_迦㌧…

聾♂株1距1RCRC{

21代 28 ] 2f4 ] Of4 」 4/4 i lf4 r/ 3酬・/41ρノ・1・/・い/・ 63 ff tl

鐙⊥坐⊥・/野畑_型チ

・・一・/・1・/・・ノ42/・ 種したマウスよりも遅れて発死するものがあるの ではなV・かと考えられたので,観察日数を長くし て,13∼39日間観察を行った。’ i表3)これによる と4週以後になって,3.Omg接種群における蜷死 マウス数は耐性株の方にやや増加を示した。しか し1.Omg接種群では二三との間に差異はみとめら れなかった1又6S株より毒力の強い相原株及び そのSM耐性株(1⑪Omg/cc 36代継代)も同様に マウスに対して,耐性株の弱毒化が認められた。 6、免疫学的実験 a) マウスにおける免疫力について

実験2,及び5,における如く,腸チフス菌

(6S株)のSM耐性株は鞭毛染色及び穿刺培養 によると,鞭毛は消失するか,若しくは減少する と言えられ,又マウスに対して毒力が低下してV・ るので,その免疫力に如何なる影響があるかを知 ろうとして,次の如き実験を行った。 耐性株及び原株の0。5∼1.Omg宛を13∼159の 一 492 一

(4)

マウスの皮下に1週1回,2∼3回接種し,最後 の注射より10∼14日目に無類(6S株)及びこれ より強V、毒力を有する相原株で攻撃を行った。攻 撃菌量は原株においては5.Omg,相原株において は 工Omgであった。 その結果は表4に示す如く,耐性株及び原株を 0.5,0.8mgの2回,:或v・は0.5,0.8,0・8rngの3 回免疫し,之等のマウスを相原株で攻撃した揚合 表 4. 耐性株とその原株との抗原性の比較:マウスに就ての実験 免 疫 菌

響町菌株

及 び 回 量: 攻 撃 数 及

菌株・塑郵生認

び 菌 量…攻撃時生回数

耐 ・匹 榛 (10Gmg/cc 65代) 原 株 (mg) 1::}・回 相 原 0.5 株 (mg) 13 7 13 11 対 照 無 処 置 に ロロ ヨ

1耐性株

1(警∠唖響

対 照 2耐 性 株 (同 上) …一 N「…一. .一森一 i対 照

10 [ O

111}・回

無 処 置 3 0.5 ,

.8:§}3回

.無 処 置 相 原 1.0 株 10 3 1 33.3 53.8 84.6 i af”ii I 原 5.0 株

14. 1 7 1 50.O

i2’@”一堰h’”’”6 ’IM一’ ’一(・l

f, i 2 1 22.2

E rj 1 7 1 77.4一 6 o o には,耐性株をもつて免疫した群の生存率は,原 株をもつて免疫した群の約%強であり,原株で攻 繋した削合には%弱であって,後者の如く,耐性 株で免疫を行った場合,その原株に対する免疫力 が,最も劣っていた。しかし異った菌株を以て攻 繋する揚合には原株の易合程度著明でないが,い 1タれも耐性株による免疫力は著しく低下してV・る ことを認めた。 b) SM耐性腸チフス菌(相原株)の抗原に つV、て SM耐性腸チフス菌(相原株)には六二の低下 及び半流動塞天培養において,鞭毛の些少が認め られたので,原株の生菌家兎免疫血清を用いて, 耐性株(100 mg/cc 36代継代)及び原株とにつ いて凝集反応を行った。その結,果,2時聞値及び 48時聞値:共に両株全く同じであって,SM耐性腸 チフス菌の抗原は原株のそれと変化のないことを 認め諸家の報告と一一致するものであることを知っ た。 7,復帰について a) 普通ブ4ヨン継代培養による復帰。 100mg/cc濃度のSM加ブイヨン培地に51代継代培 養を行つta S M耐性腸チフス菌をSM50 mg/cc加寒 天培地に分離培養を行い,48時間後任意に集落3G個を 選び,各々普通ブ・1ヨンへ移植し,復帰株No.1∼ 30株とした。罰に分離前の耐性51代よリユ白金耳を普 通ブイヨンへ移植して,対照の復帰第1代とした。か ようにして,この分離前の親株の耐性株の復帰をその 個々の集落の復帰と比較して,差異があるか否かを同 時に観察したのである。継代培養の時間は各代37。C 2G時間とし,継代中,数回鷺毎に,9.ee,70,50,25, 12.5,6.25及び3.125mg/cc濃度のSMを加えたブイ ヨン培地に移植し,発育可能の最高濃度をもつて,復 帰株の耐性慶とした。又耐性菌をブイヨンへ移植後, 150臼以上室温に放置したものについても同様に数代 巨毎に耐性の復帰の状態を観察した。 実験成績:復帰株,No.1∼30株は,夫々継 代,15代位まですべての株が100mg/ccの耐性を 保持し,表5及び図1に示すように,20∼25代の 問におv・ては30二二,28株が未だ耐性の低下を示 さす,2株(No 6, No.20)だけが1GO mg/cc 濃度にSMを加えた培地に発育を示さす,やや復 帰の傾向を現わした。更に継代を重ねると,100 mg/ccに発育を示さない株数がやや増加を示し, 70mg/cc或いはそれ以下の濃度にも発育を示さ ないものが出現した。しかしこの100mg/cc濃度 に発育しなくなった復帰株数は,50代頃までは30 株中8株で,70mg/ccに発育を:示さぬもの5株,

(5)

表5. 耐性株の復帰試験(復帰集落数)

庁慈誌ミ摯讐麟数旨1GO

I 数 \\, 70 50 25 12.5 6.2s / 3.12s ・日・日巨 E’一P’1’一’ 2i 2

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lo 20・ 図1 各濃度のSM力日ブイヨン培地、

頒帰芝示した集落株数

(20時「百1培養) 「一”,O・、 .!』/oo物・

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継二項一一

50mg/cc,25 mg/cc,及び12。5 mg/ccにそれぞ 株数は急激に増加し,60∼80代で・は30株中殆どの れ1株すつあった。しかるに60代に至ρて・復帰 株が100mg/cc及び70 mg/cp濃度に増殖を示さ 一 494 一

(6)

なかった。しかるに旧株は80代前後になって再び 100mg/cc,或V・はそれ以下の濃度に増殖を示し た。また6.25 mg/cc濃度に辛じて発育を示すま でに復帰した株(:No.6,.:No.20)もあったが, 復帰の傾向の強いものでも原株の感性までには復 帰しなかった。以上の成績は復帰株を各種濃度の SM加ブ・fヨン培;地に37QC 20時間培養を行った 結果であるが,これを48時間培養後観察したもの では,100代目の威績をみると100mg/cc耐性を示 すものが,30畑中7株あった。80代前後で一度耐 性が逆もどりしたように見えた現象につV・ても, 48時間培養のそれも同様な曲線を示した。(図H) 個k一の集落を追って復帰の状態を観察すると, 容易に復帰した株と,復帰しにくかった株とがあ 30 集 落

株 20

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io 図工1各農度のS図加刀ヨン培ie 1こてそ夏リ帯を示した集落手年委交 (48臼寿面培養)

50

,勲、 /00ン”多ん /\馬 ノ し / ,・.,,。..____.の 70 MS / レ ノ

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70 se ge

継代数→

loa つた。坂本(3)等の報告によっても集落に難易のあ ることが認められている。図皿についてみると, 註に特に述べたように,:No.1,2,11,12,21, の5株は復帰し難く,50代頃まではいすれも全く 復帰を示さなかった。しかるに図IVに示したNo. 6,20株は復帰が最:も早く,その程度も著明であ った。:No.10,(図HI)は丁度その中位にあるも のと云える。復帰しにくかった5株も,50代前後 において急激に復帰を示したが70代を境にして, 再び高濃度の培地に増殖を示すようになった。復 帰しやすかったNo・6,20,は50代以後に復帰を 初めた他の株とは異り,38代頃から100mg/cc或 いはそれ以下の濃度に発育を示さず,50代以後で は急速に復帰して,6.25∼3.125mg/cc前後まで 復帰した。しかし100代に至るも原株の感性まで は復帰しなかった。また他の株に見られたよう に,一且耐性が低下したものが再び80代前後で逆 為どりするような事はなかった。48時間培養を行 っても高濃度に増菌を示すようなこともなかっ た。

(7)

増撮 IOOI i 70 SM 濃

度50

25 125 G,25 図1[[復帰し難し揮個集落の復帰 (20E寺面」音養) ふ 51 ・[}【3 60 70 80 90 100 代 活謎代数 一一ゆ 註:tl 8時間培養では上5株共すべて]00mg/cc耐性を示しNo.10は75代以後においては7Gmg/cc 耐性を示した。 図π復帰{や伽犀個集落の復帰 脚 /0 c 70 丁

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40代 50 60

70 80

継代数一一

90 100 こめように個A一の集落の大部分は初期には復帰 し難く,50代以後において急激に復帰を初め,坂 本(3)等の云うごとく,復帰開始期或v・は復帰増進 期に相当するもののようである。しかし以上の実 験1『よると,多くの株は70代前後で最もよく復炉 を示したが,更に代数を重ねるに従って,一見耐 性が高まり,再び低下する現象が見られたが,、2 株(No.6,20)のみは早期に復帰を初め,じか も・一旦復帰した後は再び耐性が高まるような現象 はみられなかった。 このように,培地中の個々の菌は各々異った耐 性を示し,培地の肉眼的所見はその大部分の菌の 耐性によってきまり,24時聞培養では耐性を保持 している少数菌の増殖があったとしても之を肉眼 一 496 一

(8)

的に認めることが出来なV・が,「48時闇培養iによっ て湖濁しうるもの.もあろうと思われる。復帰した ばかりの菌は,その薬剤に非常に不安定であっ て,このような状態のとき再び同一薬剤に接する ことにより容易に耐性を獲得しうるものであろう と思われる。坂本(3)はSM耐性大腸菌の復帰株に おける再耐性は得やすいと報告している。 復帰の早かったNo.20株について,復帰101 代目ブイヨン培地より,二天平板培地にて,分離 培養を行v・,30個の集落についてSM感性を実験 したが,1株のみが20時間培養で3.125mg/ccに, 48時聞培養iでは6.25mg/ccに増殖し,その他の 株もすべて20∼48時間培養で6.25∼12.5mg/ccに 増殖し,親株であるNo.20株とほぼ同じ程度で あった。 対照としてブイヨンに継代培養を行ったもので は,その復帰の状態は復帰のおくれた株とほぼ同 じ程度であったが,上述の如く各Aの集落につい ては復帰の状態或いは速さに差異のあることがわ かる。室温に165日放置したブイヨン培地の復帰 の状態はブ・fヨン継代のものとほぼ同様であっ て,発育停止期の状態においてもSMの存在しな い培地中で復帰は可能である。 b)マウス通過による復帰 SM 100mg/cc耐性腸チフス菌(6S株)の0.5mg ずつをそれぞれ5匹のマウスの腹腔内に接種し,翌日 姥死したマウス或いはエーテルで殺したマウスの心血 を普通寒天培地に培養し,数個の腸チフス菌の集落を 釣引し,更に普通寒天斜面に培養して,之をマウス1 代とした。次代よりマウスへ接種菌量をO.2皿9とし て同様に継代し,約30代継代を行い,数代目毎IC SM 品性度を前実験同様に各種濃度のSM加ブ■ヨン培地 によつて検した。対照として普通寒天斜面培地へ,継 代培養を行い,3代継代のものをマウス1代に相当す るものとして復帰の状態を観察した。 実験成績:マウス継代24代までは,対照の寒天 培地(継地72代)と共に全く復帰を示さなかった が,マウス継代30代前後でやや復帰を示し,(表6, 及び7)特にマウスNo.2及び対照ではやや復帰 して,24時間では50mg/cc濃度に僅かに発育を 示したが,48時間培養ではV・すれも100mg/ccに 容易に増殖を示した。このような現象は実験(a) において観察されたものと同様であるが,ブイヨ ン継代による復帰と同様に,マウス通過によるも 表6.マウス継代に二よる復帰(24代) I SM濃度… mgfcc li 1 マウスNo. 2 3 _.一一:鑑隷 4 ;(70代) 100 十i 十↓1 十コ予ロ (十十2) 70 Hi 旨十十1 1 十i1 ++・

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50 十十工 i十1 甘i 十十1 十十1 註・・∵肩の数字は培養1日 jSZ kX 2日目の成績をあらわす 表7.マウス継代による復帰(30代) SM 濃度 mg/cc マウスNo. :寒天培 1 .一ゆ.i..廿一一一

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十十i 一i

] の及び寒天培地継代培養によるものは復帰し難 い。しかし坂本(3)等の報告の如く,ブイヨン継代 培養の方が回天培地よりも著明に復帰しやすいと いう傾向はみられなかった。 結 論

1.SM耐性腸チフス菌(6S株)はSM加ブ’イ

ヨン培地においては形態の変化を示すけれども, SMを含有しない培地に継代培養を行うときは, 耐性の復帰よりも遙かに早く形態の復帰を示す。 核染色による所見は原株と同様であった。

2.SM耐性腸チフス菌(6S株及び相原株)は

運動の減弱,鞭毛の消失,或いは減少を示すけ.れ ども復帰株は復帰の程度に従って原株の形態に回 すく。 3.耐性株をSM加上天培地叉は普通寒天培地に 移植した出合には,370C,24時聞では殆ど集落 を認め難く,48時聞で露滴様のコロニーを作る。 4.耐性株の生物学的性状は四一のそれに比べる とやや遅れて発現するものもあったが,之らは接 種菌量を増加することにより,旧株と同様にする ことが出来,その原因は耐性株の発育の悪いこと に由るものと思われる。 5..耐性株のマウスに対する毒力は低下する。

(9)

6.耐性株のマウスに対する免疫力は低下し,抗 原には変化はみとめられなV・。 7.耐性株をSMを含有しないブイヨン培地に継 代培養を行うと,次第に原株の性状に復帰するけ れども,その速さは各集落によって著明な差異が 認められ,その程度も,まちまちであって,継代 100代においてもなお,原株のそれまでに復帰し なかった。寒天培地を用いた場合にはブイヨン培 地に移植した場合に比しやや復帰し難い。復帰株 をSM加培地に移植した場合には容易に高濃度の 培地に発育するようになる。マウスの体内を通過 継代した揚合にも寒天培地継代の場合と同様に復 帰の傾向は認められるけれども著明でなV・。 終りに臨み終始御懇篤なる御指遵と御校閥とを頂い た平野憲正教授に深甚の謝意を表し種々御助言下さっ た中西助教授に厚く御礼申し上げます。 文 献

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参照

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