Title
放線菌・枯草菌の低レベル streptomycin 耐性変異に関する
研究( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
西村, 賢治
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第462号
Issue Date
2007-09-12
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23469
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氏
名(本(国)籍)
学
位
の種
類学
位
記 番 号学位授与年月
日学位授与の要件
研究科及び専攻
研究指導を受けた大学
学 位
論、文 題 目審
査 委 員 会 西村
賢治
(静岡県)
博士(農学)
農博甲第462号
平成19年9月12日
学位規則第3条第1項該当
連合農学研究科
生物資源科学専攻
静岡大学
放線菌・枯草菌の低レベルstreptomycin耐性変異
に関する研究 主査静岡大学
教
授 副査静岡大学
准教授
副査
岐阜大学
教
授 副査信州大学
教
授孝
治一夫
康
真
啓菊
原 山合
田徳
河 千論
文 の 内容
の 要 旨 放線菌は多様な二次代謝を行う細菌である。ストレプトマイシン(Sm)は1944年に放線菌 物ぬ叫アαβ鮮血打βより見出された抗生物質であり、抗結核薬としての重要性から多くの知見 が得られている。 放線菌のSm耐性変異は主に2つのタイプに分類される。1つは親株の50倍∼100倍の耐性 を付与する取peI変異である。この変異はリボゾームタンパク質S12遺伝子(草丘ゎに変異が 導入される事により、耐性を獲得する。さらに特定の呼止変異は且〝肋の生産する青色 の抗生物質アクチノロジン(Act)の高生産を促す。一方、親株の5∼10倍の耐性を付与する取pe Ⅱ変異を持つ株は高濃度耐性株同様Actを高生産するが、その変異位置はSmの発見以来、約60 年間未決定のままである。さらに℃叩eⅡ変異株のみ、S・アデノシル・Lメチオニン(SAM)合成 酵素遺伝子皿e〟rの高発現が確認されており、これらの現象を解明する事は興味深い。以上の背 景より、本研究では低濃度Sm耐性原因遺伝子の同定及び解析を行った。 以前にゲノムマッピング法により、おおよその変異位置が報告されている低濃度Sm耐性 KO・132株ゲノムを新規変異同定技術であるMutationMapping法に供した。その結果、SCO3885 (闇α遺伝子にのみアデニンの488番目に欠失変異が認められた。新たに低濃度Sm耐性株 を分離し、児コGをシーケンスした結果、すべての株に変異が認められ、多くの株がナンセンス 変異を有していた。これより、RsmGが機能しなくなることでSm耐性になると強く示唆された0 遺伝子工学的手法により、乃皿G欠損株を構築した結果、本欠損株は野生株よりもSm耐性及び Act高生産を示した。以上の結果より、本遺伝子がSm耐性及びAct高生産の原因遺伝子であっ た。 Sm耐性機構を明らかにするため、野生株とヱⅧG欠損株よりリボゾームを調製し、Sm耐性 実験を行った結果、欠損株のリボゾーム画分にSm耐性が認められ、リボゾームが耐性に関与し ていた。詳細に解析するため、16SrRNAを調製後、ヌクレオシドを高速液体クロマトグラフイ-19-ーで解析した。その結果、欠損株の7・メチルグアノシン(m7G)と予想されるピークが欠失してい た。これより、岡本らが大腸菌において証明したようにR$mGは16SrRNAの518番目(大腸 菌では527番目)のグアノシンをメチル化するメチルトランスフエラーゼであった。G518はSm の結合塩基として知られており、メチル基の欠失がSmとrRNA間の結合に影響を及ぼし、耐性 の原因となっていると結論づけた。 Actを高生産するSm高濃度耐性乎SL,変異株は定常期のタンパク質合成が野生株よりも活性化 されている事が報告されている。親株とRsmG欠損株よりリボゾームを調製し、invitroで定常 期のタンパク質合成活性を比較した。∫ⅧG欠損株は、草ぷエ変異株同様、野生株よりも顕著に高 いタンパク質合成活性を示した。しかし、リボゾーム以外の画分が活性上昇の一要因となる草且乙 変異株と異なり、乃皿G変異株ではリボゾーム画分が原因であった。さらに、乃皿β欠損株は皿eば 発現レベルが野生株よりも顕著に上昇していた。MetKの高生産は細胞内のSAM濃度を上昇さ せる。放線菌は細胞内SAM濃度の上昇で抗生物質の生産を促進する。以上の結果から、乃皿β 欠損株のAct高生産は定常期におけるタンパク質合成活性に加えて、細胞内SAM濃度の上昇に 起因すると結論した。 最後に、RsmG機能の細菌における普遍性を確認するため、枯草菌励c必びβgロム地168株か ら低濃度Sm耐性株を分離した。枯草菌低濃度Sm耐性株は、放線菌同様に親株の5∼10倍の Sm耐性を示し、児打G遺伝子に変異が認められた。16SrRNA解析の結果より、枯草菌のRsmG は、大腸菌及び放線菌同様に530ループの535番目のグアノシンをメチル化するメチルトランス フエラーゼであることを明らかにした。さらに枯草菌∫毘ⅢG変異株は野生株よりも翻訳精度が上 昇していたため、本変異がリボゾームに何らかの影響を及ぼしていると考えられた。一方、枯草 菌乃皿β変異株は抗生物質生産や皿e〟rを高発現していなかった。枯草菌では、放線菌とは異な る結果が得られたことから、細菌における闇Gの機能の多様性が示された。