(東京女医大印画26巻第2号頁88一一95 日i:{禾r131臼二こ2F’一i)
Streptomycin耐性腸チフス菌に〆)いて
(第 皿 報)SM耐性腸チフメ菌と原著及びSM感受性
パラチフメA菌との混合培養について
東京女子医科大学細菌学教室(主任平野憲正教授) 須 ス 子 シ 田 タ キ ヨ.(受付 昭和30年10月25日)
(1) Vourkaは,1948年,ペニシリン耐性ブドウ球 菌と溶血性レンサ球菌,その他ペニシリン感受性 菌との混合培養を行い,耐性菌が感受性化すると (2) いうことを報告し,次いでINinnerはその感性 化の程度を濾紙法を用いて定量的に実験を行つ (3) た。叉Georgeは耐性菌をして.感性化せしめる物 質が感受性菌のRNA中に含まれることを証明し C4) た。しかし一方にMary Barber,及びBennison (Dr) etc.は多数の集落についての検討,及び室内放置 による実験によっても耐性の低下がありうること から,かならずしも混合培養によってのみ耐性菌 は感性化されるものでないと報告している。我国 C6) においても杉山,秋葉,石井,田村,等によって, 混合培養に於て耐性菌の低下がみとめらると報告 している。 私は試験管内培養によって高濃度のSMに耐性 となった腸チフス菌と,SM感受性の原株,或い はパラチフスA菌との混合培養を行い,耐性の低 下があるかどうか,或V・はこれ等の混合培地中で 耐性株と感受性株とが如/可なる発育増殖を示すか について実験を行った。 実験1.SM耐性腸チフス菌と原携との混合 堪養について 実験方法; 菌液としては腸チフス菌(6S珠)のブtヨン18時聞 培養液と,SM 5{ mg/cc耐性,22代継代培養の?らのと を1白金耳ずつ約20ccのブイヨンに移植して,2代継 代培養を行ったものとを実験に用いた。之は耐性株の 発育を良好にし,培地中のSMの影響をさけるためで あって,ブイヨン2代継代によっては耐性の復帰は認 められない。 移植菌量は,普通ブイヨン約15CCに上述の耐性株 及び原株のブイヨン培養液05∼0・lcc宛を移植した。 0.1CC中の工数は耐性菌においては909×10「)個,原株 においては911×10 「・個であった。充分混和し,その直 後に1白金耳をとり,普通寒天平板2枚に分離培養を 行ってから,混合菌液を37。Cに培養し,24,48,72時 聞及び1週三目にその培地より1白金耳宛をとり,寒 天平板に分離培養を行った。この寒天平板には370C 24時間では原株と覚しき集落が現われただけで,耐生 菌の集落らしきものは殆ど肉眼で見えなかったため に,48蒔閥培養を行った。原株の集落はやや大ぎく, R型となるが,耐肝管のそれと思われるものは非常に 小さく,数も少なかった。各集落とも注意して重って いないものを数十個選び,対照として原株の37。Cブ イヨン培養20時間のものから寒天平板培地に分離培養 を行い,24時聞後之より任意の集落30個を釣菌した。 之らの集落は各々ブnヨンに移植し,20時間培養後, これよりSM濃度0.1,0.3,3.Omg/cc及び時に 50mg/ccのブイヨン培地にそれぞれ1白金:耳ずつを 移植し,同時に対照として原株及び耐性株を同一濃度 のブイヨンに移植し,37。C,3日聞培養を行い,毎日 発育の有無を観察した。SM加ブイヨン培地に増殖を 示したものは之を寒天斜面培地に移楠し,Gram染色 及びガラス板凝集法を行い,またSM3mg/cc濃度に 発育増殖を示したものは50mg/cc濃度のSM加ブイ ヨン培地にも移植して,耐性株の混在の:有無について もたしかめた。Kiyo Suskida : On the streptomycin fast typhoid baci]lus. M. Mixed culture of the streptomycin fast typhoid bacillus and its original strain or strepto:nycin sensitive paratyphoid A bacillus.
31 実験成績: 丁丁及び耐性株の集落の発生数についてみる と,耐性株は単独に普通寒天平板に培養を行うと 表1 混合培養より釣菌し得た小集落(耐性菌) 混合培養時聞 発生集落数(50mg/cc醗性を示す)
培節司
3e〈 ヴ 24 t/ ri.8 2 15 rr 72 8 .…E きは48時聞培養で充分に集落を形成するけれど も,表1に示すように,混合直後に分離培養を行 った平板培地に於ては,耐性株の集落30個以上を 認めることが出来たが,混合培養24回転では2 個,48時間では15個,72峙問では8個を認めるこ とが出来ただけであって,之らの集落のすべてが 50mg/cc耐性を維持し,耐1生の復帰ぽみとめられ ながった。 原株と思われる大きい集落のSM加ブイヨン培 地における発育の状況はヅ表2,図1に示すよう に,耐性株と原株とを混合して後,37。C培養前 に分離培養を行った平板培地より釣菌した大集落 の揚合には,0ユ。.3及び3.Omg/cc濃度のSM加 ブ/「ヨン培地に於て,培養24時聞目でSMO.1mg /ccブイヨンに1株(3.3%)のみに増殖を示すだ けであったが,塘養2日月には半数の15株が増殖 を示し,SMO.3m9/ccブイヨンには7株(23.3%) が増殖した。混合後24∼72時十目に分離をそ騙った ものに於ては混合直後のものより,やや耐性が高 く,SM O.1mg/cc加ブイヨンに於ては培養24時 間後,3∼7株(約5∼15%)が増殖を示し,培 養時間が長くなるに従い,より多数の分離株が増 殖を示した。SMO.3mg/ccブ■ヨンにおいても ほぼ同様であった。混合培養7日目の分離株は, SMO.1mg/cc加ブ・イヨンに大部分のものが培養 24時間後に,0.3 mg/cc濃度のものにおいては半 数以上が増殖し,培養3日では殆どのものが混濁 を示した。SM3。Orng/cc加ブ’イヨン1(おいてぽ 7∼8株Ctt5%)が増殖した。原株の耐性度はす でに述べたように,0ユmg/cc耐性であるが,こ れを菌液として分離した30個の集落に就いて検し た結果は,0.1m副。つ濃度では24時閥培養で殆ど が混濁を示し,48時雨培養では全部が増殖した。 4v.3 m9/ccでは培養48時間で半数以上が増殖し, 72画面では更にその数は増した。SM3.Omg/cc の濃度においては原論のみの場合は勿論,耐性株 と原油との混合培養72時問目までに分離したもの1
混 合 培 養 時 間 培 養 直 前 表2 酬生株と原株との混合培養より釣菌した大集落の耐性度とその数及び胃分比i 大集落の耐性度とその門
下菌 数 ..t.… . ttt .… .一 SM O.1 mg/cc 1 SM O.3 mg/cc 1 SM 3.0 mgfcc (大集落)一t...一一一.一IFII 2
3 1 2 3 1 2 3 24時間 4.8 t1 72 ,1 7 日 原 株 30 57 1 (3.30% ) 3 (5.2) 4−5 3 (6.on ) 48 7 (14.6) 15 (so.e)2』t。
(76・6)1 7 1 ll (23.3) 1 (36.6) 15 (26.3) 28 (49.1) iF
3 (5.2) 11 (2.tt,.4) 29 (50.4. ) 26f27 i 27/27 27, 28, 29 一一璽6ρ)⊥(1.oo・o) .一D.o 19 (422) o6[ g
唖)i丞塑
29 1 30 (96.6) 1 (1100.0) 2 (4.4) 5,’TT, (72.9)1 (6.1) 7 (34・.6) lfi・一f?7[ ?一7!2.8 (96.4. ) (6s:5)一1 o 17 7 (15.5) 25 (51.0) 28f29 (96.5) 28 (56.6) 1 (93.3) o o o o 7 (25.9) o o o o o o o o 7 (25.9) I l o o 8 (292) o ()・…・釣菌集落数に対する耐匹株の百分比 分母… tl (雑菌混入のもの除外す) c9.9[oo e/q 80 集 落 60 数 ご%) i 40 20 図 ユ [==] 24日寺1創t臼養 翅48 ・ tt 團72 〃 tt O,t 03 直証
O.1 o,3 ・OJ 03 O.1 ,O.3 O,1 loL3 so 24時 48時 72Eキ ワ 臼 →混合墳養時固及びS図濃度(m2/cc) O,[ O.3 原株 の内にも増殖を示すものは全く認められなかった が,混合培養7日目のものよりの分離株の内約25 %が増殖可能であった。本実験においては大集落 の内SM 50mg/ccブイヨン培地に発育するもの があったが,おそらく耐性株が混在したものであ ろうと考え,本実験から除外した。
実験2SM耐性腸チフス菌(6S株)とパ
ラチフスA菌(1015株)との混合培 養について 実験方法: SM耐性腸チフス菌(6S株)としては100mg/cc醍 性,46代目ものを普通ブイヨン培地に2代継代培養し たものを用い,S Mms受性パラチフスA菌(1015株) としては,普通ブイヨンに37。C18時間培養したもの を用い,それぞれ約15ccのブイヨンに移植し,実験1 と同様に分離培養を行い,分離株については,1mg/ cc,51ng/cc濃度のSM加ブ4ヨン培地における発育 の有無,及びGram染色,ガスの発生,免疫1血清によ るガラス板凝集法を行った。その結果パラチフスA菌 で,しかもSM5mg/cc加ブnヨンに増殖を示す株を やや変化の認められた株とし,1mg/¢ρのみに混濁を 示すものを変化の認められない株とし,任意の両株に それぞれ前記1耐性腸チフス菌を加えた。このようにし て5回繰返して実験を行った。また本実験においては 耐性株の検出率が非常に少いので,混合培養を37QC で2・v3日行った後,約10ccのブ■ヨン培地にごの混 合培養液を0.05∼0.1ccとSM耐性腸チフス菌を0.1cc を加えて培養し,同様の操作を繰返えし,10回目及び 16回目に,それぞれ10−5∼10−7倍に稀釈しブこもの。.1 ccをSM5mg/cc加寒天平板培地に流し,発生した深 部集落より,染色,擬集反応等によって,パラチフス A菌を釣高した。なお継代1∼5代までの移植菌数は 表3に示すごとくであった。 表3 SM耐性腸チフス菌とSM感性パラチフスA菌との混合培養の継代1∼5代 に於ける腸チフス菌とパラチフスA菌との生菌数比較三三昏数
SM.R
PA
1 2×lor・ 2 27 × loT 3 17 × 10i 3.4×106 18×10T 10ユ×107 (No. 113) (No. 297) 10.5 × 107 (No. 298) 4 5119×107 1 8.5×107
85 × 10V 1 151 × 10’i 1 7.5 × 107 i (No. 345) 1 (No. 4・90) ( )・……・一集落の番号 SM・R・一・SM耐性腸チフス菌 PA……一・パラチフスA菌 E)0 ・33一, 実験成績:
SM耐性腸チフス菌とSM感受性パラチフスA
菌との混合培養における両者の発育の状況は実験 1と同様に耐性菌の発育が悪く,混合直後に分離 培養を行ったものでは,48時間培養で,小集落を 認めることが出来た。これら数十個の小集落は 100mg/cc耐性腸チフス菌であるごとが確認され た。しかし混合培養24時闇以後のものにおいては 全く耐性株と思われる小集落を認めることが出来 なかった。それ故SM感受性パラチフスA菌と思 われる大集落についてのみ実験を行った。使用し たパラチフスA菌(1015株)はSMlmg/cc加ブ ・fヨンでは培養3日目に増殖を示し,5mg/ccで は全く増殖を認めることが出来ながったものであ る。混合培養24時間目のものより分離されたパラ チフスA菌の集落を1mg/ccブイヨンに移植し% ところ,120個の集落のうち約60%強が培養2∼ 3日目に増殖を示し,5mg/ccには全く増殖を示 すものがなかつtz 。.培養6日間に亘って百数十個 劇震したパラチフスA菌}ますべて原爆と同じ程度 の耐性を示し,全く耐性の上昇は認められなかっ た。1スだ僅かにパラチフスA菌免疫血清による凝 集反応が非常に弱まって熔るものが少数あるに過 ぎなかった。従って第2回目の混合培養は培養6 日目の培地より分離し,発生し海集落を検し,パ ラチフスA菌免疫血清によって,軽度に凝集され る集落(集落番号113)と,強く凝集されるもの (集落番号115)とを釣菌して,直に菌液とし, 普通寒天平板に分離し,発生した集落20個につv・ て,各々凝集の強さ,ガスの発生,SM耐性一等 を観察した。その結果によると,之らの集落はい すれもパラチフスA菌の性状を示し,SM耐性≠ フス菌の混入を認めることはなかったが,パラチ フスA菌免疫1血浩に軽度に凝集され,た:No.113の 集落より分離した集落中,一つがSM5mg/cc濃 度の培地に培養3日目に混濁を示し,3株が弱い 混濁を呈した。強く凝集された:No.115の分離株 の中でも1株だけが5mg/ccの培地に混濁を示し た。 次に多少耐性の上昇が認められたパラチフスA 菌の集落No.113の菌液に, S M 100mg/cc耐性 腸チフス菌を混じて培養したが,この揚合におV・ ても,培養48時間目に分離培養を行ったものでば SM耐性腸チフス菌の集落は認められす,パラチ フスA菌の集落だり1が発生した。』とめ集落を検査 した結果によると,表4に示すようた集落男爵, 256,272,274,297,にやや耐性の上昇が認めら れた。表4
1一一…’””一” ” 混合培養時間 パラチフスA菌とSM耐性腸チフス菌との混合培養2代目より分離せる集落の性状 .一I翻iガ。発冨「.嫉塵1.一i.黒垂藩
2 日 3 Il rl lf 6 ,1 対 照 256 272 274 297 十 十 十 十PA 1 T
.一..@一[一. 十 ! 十 十 十 5 mg lO m窪 113(混合第1代目) 十 ±2 1=, :i 十’i: ±3 十! ・a 十 一3 原由(1015蛛)SM.R
100 mgfcc 53f℃ PA・ ・パラチフスA菌免疫血清 T………腸チフス菌 〃 十 1 十 1 一 一一3H・ 1 H・
次に私はこの耐性の上昇したと思われるパラチ フスA菌の集落No.297と,全く上昇の認められ なかった同論の集落No.298の菌液に,更に,そ れぞれSM耐性腸チフス菌を加えて培養し,これ一91一
等の菌株の増殖の模様を追求した。その結果は集 落No.297とSM耐性腸チフ冬菌との混合培養2 日目に分離されたパラチフスA菌集落345,(5mg /cc耐性を獲得す。)と同じく集落:No.298とS M耐性腸チフス菌との混合培地より任意に分離さ れ,変化の全く認められなかったパラチフスA菌 集落No.490をとり,これらを台湾に菌液として 塞天平板に分離し,集落20肥すつについてみる と,5mg/ccに耐性を示すものは,集落No.345 からは,20個中7個日得られ,その内,数個のも のは10mg/cc濃度にも増殖可能であった。他方 パラチフスA菌集落490は:5mg/ccには増殖を示 さなかったにも拘らす,その分離株は20個中4個 が5mg/ccに増殖しただけでなく,10 mg/ccに 増殖したものもあったが,No.345から分離され た集落の方に耐性を示すものがやや多Vb傾向を示 した。 この集落345と,集落490とに前実験と同様に SMIGOmg/cc耐性腸チフス菌を更に加えて培養 し,分離培養を行って5mg/ccに増殖を示した数 等を得た。かくの如きパラチフスA菌にSM耐性 腸チフス菌を混合して培養し,それから得たパラ チフスA菌集落501,504,515,をとり上記と同様 の実験を行った。即ち,SM感性パラチフスA菌 にSM耐性腸性チフス菌を加克て培養して耐性株 の出現を検した。かような操作をくり返えすこと 16代に及んだ。第10代目及び第16代目の培養をS M5mg/cc加寒天平板に分離し,発生した深部集 落を検するど,その殆どがSM耐性腸チフス菌で あって,その内数個の集落はパラチフスA菌免疫 一血清によって凝集されたが,その性状は十代普通 回天培地に継代培養を行うことにより消失したの で,パラ凝i集反応であったと考えられ,る。 実験3.SM耐性腸チフス菌と,その原亭亭 はパラチフスA菌の混合培養におけ る移植菌量と癸生集落数との関係 実験方法: SM耐性腸チフス菌(100 mg/cc耐性)をブイヨン に2代継代培養を行い,その0.1cc宛を(1CC中の回 数47×10T個)約10ccのナィヨンナ馳8本に加え,之 にSM感受性の原株(6S株,1cc中の菌数38×10τ 個),及びパラチフスA菌(1cc中の菌数101×10T個) のブイヨン培養液を10”‘i・VIO−S倍に稀釈して,その 0.1cc宛を加え,混合直後及び37。Cの購巣に納めてか ら24時間,2日,3日及び7日目にとれらの混合培地 より1白金耳をとり普通寒天平板培地に分離培養を行 い,37。C48時間培養後に発生した集落数の割合を肉 眼約に比較した。 表5 SM耐性腸チフス菌とその刈株とを混合培養した場合における両菌株出現の割合 混 合 培・ 三 時 骨 粉i愚 直 剛
24時
72 ri 7 日菌液混合の割合
R olR olR o,IR olR olR o
R O I R O
10二1 102 : 1 103 : 1 104 ・ 1 1or} : 1 ’1 o e, : 1 107 : 1 1og : 1
発生した集落の種類
R O
R O[R OIR OIR O
R olR olR o
一 一 一 冊 一 柵 一 冊 F 十 一一@十十十 一 柵 十 柵 (.一”i.r) 一 十 (50) 一 柵 一 柵 一 冊 一 十 (2) 一 柵 一 H 十 冊 g.{}一/)一. 紗 十 g−i一) 一 H 一 H 一 柵 P 一 十 v g.s一) H V 十 冊 (5.5) 一 一 十 十 柵 十 十 柵 (5.5) P 一 e 十 柵 一 柵 一 R・・一・・・・…一・resistant strain
O…… …・・つriginal strain
(数字)…一平均集落数 十+i…………集落無数 +1∼F・……〃多い 十..,._〃100以下 〃を認めないもの 一 ,9?, 一
35 実験成績: 表5に示すようにSM耐性腸チフス菌にそれの 約1/!万乃至1/1COO用量の原株を加えた揚油には これから分離培養を行うと耐性株も官記と共に集 落を形成するけれども1/1億量の原株を加えて混 表6 混 合 培 養 時 間 合培養を行った場合には培養後24時聞では原言及 び耐性株の集落が証明されたが,その他の揚煮に は耐性株の集落のみを認めた。 しかるに耐性株とパラチフスA菌との混合培養 の揚合には表6に示すように培養24時間において SM耐性腸チフス菌とSM感性パラチフスA菌とを混合培養した場合における両菌株出現の割合
菌液混合の割合
RT bA I RT pA li RT pAIRT pAIRT pAIRT pAIRT pAIRT pA
10:1
10e二1[109:1
t
10i : 1 1 105 : 1 106二1 107 : 1 10S : 1 癸生し fti.」i.rApt..5’rv.1’一.iiT−Pllr’fftt’LLI;一/NLrRTT’riA’た集落 の種類
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RT……S瓢耐性腸チフス菌 PA・…・・ゲ感性パラチフスA菌 +++1 一 轍P司+”
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一 報 一一@掛
T はいすれの濃慶の所でも耐性株の集落を認めるこ とが出来たが,72時間以後においては,いすれの 濃度においてもパラチフスA菌のみ発育した。 渚 累 SM耐性腸チフス菌と,原株との混合培養を行 うことにより,原株の耐性度が高められるか,或 いは諸家の報告の如く,耐性株が復帰を示すかに ついて観察を行った。その結果,培養前及び培養 後72時聞までは混合培養から分離された分離株の 耐性度は原株のそれよりはるかに低く,原株がS MO.1mg/c:の培地に培養24時置では分離集落の 96.6%が発育陽性であったけれども,混合培養か ら分離された原株の集落は僅かに3∼5%が増殖 を示し,培養48時間では原株の分離集落は兵部増 殖したけれども,混合培養から分離された原野の 集落は培養3日目になっても約25%が増殖を示し たに過ぎなかった。しかし混合7日目に分離した ものの内にはSM3。Omg/ccに増殖可能のものが 約25%あった。このように混合培養後3日目まで の分離株が原株の耐性度に比べると遙かに低い耐 性を示し,SM感受性がむしろ高まったような結 一 柵 一 構 一 柵 囎 某を得たことは全く予想に反することであって, 之が如何なる機序によるものであるかに就ては未 だ検討していないが,混合培養7貰目の分離集落 の;i:1には,原中より高い耐性を示し,耐性株との 混合培養中に耐性はやや高まるもののあることを 認めた。 S踊ICGmg/cc耐性腸チフス菌と, S M感受性 パラチフスA菌とのブイヨン混合培養液よIP 24時 間以後に普通寒天平板培地に分離培養を行った場 合には,耐性腸チフス菌はパラチフスA菌に発育 を抑制され集落を全く認めることが出来.なかっ た.しがるに混合培養から得たパラチフスA菌 に,耐性腸チフス菌を加えて培養し,それからパ ラチフスA菌を分離し,これに更に耐性腸チフス 菌を加えて培養し,かような操作を繰返えすこと 10代及び16代目に至ってSM5mg/cc濃度の寒天 平板培地に分離iを行った混合には選択的にSM耐 性腸チフス菌のみが発生した。 混合培養1∼4代までの間に分離した数個のパ ラチフスA菌の集落が,SM5mg/ccカ[1ブノfヨン 培養に培養3日目になって混濁を示し,やや耐性が上昇したかのように思われたが,その後,前述 のようにユ0∼ユ6代目にその混合培養をSM5mg/ cc濃度の塞天培地に分離培養した結果,パラチフ スA菌の集落は全く形成されなかったのである。 本実験に使用したパラチフスA菌をブイヨンに 浮游させて分離培養を行い,任意に数10個の集落 を釣摩してSMに対する耐性を検した成績による とSM5mg/ccに耐性を示すものは1個も証明さ れなかったので,上述の混合培地より分離された 数個のSM5mg/cc耐性の集落は僅かではあるが 明らかに耐性を得たものと考えられる。之らのや や耐性の上昇したと思われた集落と同じく混合培 地より分離され,耐性のE昇を認められなかった 集落とを浮游液として,これ等より分離培養を行 い,各分離集落について観ると,耐性の上昇を認 めなかった集落からの分離集落中に耐性の上昇し てV・る集落が証明された。しかし原株の分離集落 にはこのような耐性を示すものは認められながつ 疫。耐性腸チフス菌と感性パラチフスA菌とを前 述のように混合10思い}ま16代培養して,SM加寒 天平板培地に分離培養を行った揚合に,全くパラ チフスA菌の発育を認めなかったのは,5代目ま では耐性化の強VO傾向を示した集落を選んで混合 培養を行ったが,6代目以後集落の選択をせす, また上記の如く培養条件も異ったためであろうと 考えられる。 以上の実験における如く,耐性株を原茸又はパ ラチフスA菌との混合培養を行うにあたり移植菌 数をほぼ同数とすると,普通塞天平板画地上の分 離集落数は,耐性株に於ては非常に少数である か,叉は全くこれを認めなV・,しかし耐性株とそ の原株との混合の割合を104:1乃至108:1とし て培養し,それから分離培養を行うと原株と耐性 株の双方の集落が発生する。 耐性株とパラチフスA菌との混合培養において も同様の割合にて混合培養を行うと24時間では耐 性株を認めるけれども,それ以後におV・ては耐性 株をパラチフスA菌の1億倍量移植しても,全く 耐性株は発生を抑制されて,パラチフスA菌のみ 集落を形成する。 Vourka等のいう所謂“sensitizing”effectを 呈する物質は後にGeorge,秋葉等によると感受 性菌の核酸中に存在じ耐性菌の復帰を促進させ るものであるということが報告されているが,本 実験においては釣菌した耐性菌の集落は,全く復 帰の摸様を示さながった。これは使用した耐性株 が高濃度のSM耐性を示すものであって前報(8)に 述べた如く復帰し難V・株であった。それ故かかる 物質がSM耐性の高度のものに果してどのように 作用を及ぼすものであるかは,なお疑問である。ま た感受性薗の感性度は混合数日聞にはかえって高 くなる傾向を示した。Georgeはその実験成績中 に混合に用いたペニシリン感受性のブドウ球菌が 混合培養数時間でかえって感性度を示すことを報 告しているがその原因については何等追求されて V、なV・ようである。:私はこの混合培養を更に継続 して数日聞行うと原画の耐性の約300倍の耐性を 示すものがあらわれてくることを認めた。菌種の 異るパラチフスA菌の御合も同様にやや耐性の上 昇が認められた。このi現象は細菌のReconbina一・ tionによると考えるのが至当ではなv・だろうか。 又これらの混合培養によって耐性菌が感受性菌に 著しく発育を抑制されることも興味あることであ るが,この理由に就いては今後の研究にまたなけ ればならなV、。 結 論 1 原株と耐性株とを混合してその直後及び培養 後24時聞,48時聞及び72時闇後に分離培養を行う と,耐性株の集落が混合直後よりも24時間後に著 しく減少していることを認めた。また発生した集 落に耐性の復帰は証明されなかった。原株の集落 の中にはSMに対する感受性が一時高まるが後に 耐性を獲得するものが出現する。
2 SM耐性腸チフス菌とSM感受性のパラチフ
スA菌とを混合培養し,その培養の一部に更にS M耐性腸チフス菌の微量を加えて培養し,かよう な操作をくり酬えすごと10数回に及ぶと,僅かな がらパラチフスA菌の耐性の上昇が認められた。3.SM耐性腸チフス菌をSM感受性の原株及び
パラチフスA菌とを上記と同様の方法で混合培養 を行うときは耐性株は発育を抑制され特にパラチ フスA菌との混合の場合に箸明であった。 稿を終るに臨み御指導,御荘閲をいただいた平野憲 正教授に深謝し,叉種々なる御助言をいただいた中西 助教授に感謝を捧げます。 文 献(1> Vourka, A.:Lancet 1, 62−65 (19E4L8)
(2) Win”er H.1.:Lancet 1, 67:nt一 (19. 48)
C3) George M. Pandalai K. liSf.:Lancet 1, 955
・一957 (1949)
(4) Mary Barber:Lancet 1, 730 (19,48) 〈s) Bcnnison W. H., : Schwabacher H : Lancet
1, 885 (1948) i17 (6)秋葉,石井,田村:医学と生物学,24,55−58 (1952) (7)杉山他:最.新医学,5,11(昭25) (8)須子田キヨ:東京女子医大.誌25,4−12(1955) 一 9S 一一