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Streptomycin 耐性腸チフス菌について : 第1報 SM加ブイヨン培地における腸チフス菌(SM感受性菌)の発育状態、及び腸チフス菌を移植したSM加ブイヨン培地中のSM含有量の変動について

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(1)

(東京女医大工 第25巻 第9号頁403−408昭和30年9月)

Streptomycin耐性腸チフス菌について

1 報

SM加ブ4ヨン培地における腸千7ス菌(SM感受性菌)の発育状態,及び

腸チフス菌を移殖しナこSM加ブイヨン培地中のSM含有量の変動について

東京女子医科大学細菌学教室(主任 平野憲正教授)

田 ダ キ ヨ

(受付 昭和30年7月2日〕

(1)

1944年WaksmanによりStreptomycin(以

下SMと略す)が発見されて以来.本剤について

基礎的,臨豚的研究についての多数の報告があ

り,特に諸種の菌が容易にSM耐性となり易v・

ということのために,SM耐性菌の性状,及びそ

の機序についても詳細な報告がある。私は腸チフ

ス菌を中心として,SM感受性,或いは耐性菌が

SM会意地中で如何なる発育状況を示すか,叉他

方之等の菌を移殖した腐合にSM加培地中のSM

は消費或いは分解されるか(1),父は耐性を獲得

した菌の形態,発育状況,運動性及び鞭毛の有

無,生物学的性状,マウスにおける毒力試験,免

疫学的性状,及び復帰の状態について観察し

(]1),また耐性菌と,その原株或いはパラチフス

A菌との混合培養を行うことにより,耐性菌及び

感受性菌に如何なる変化が起るかを観察し(1の, その結果から薬剤耐性の本態の一部でも考察する ことが出来るのではなかろうかと考え本研究を行 った。

A.SM加ブイヨン培地における腸チフス菌

(SM感受性菌)の発育状況につい丁

低濃度SM加ブイヨン培地に腸チフス菌を移回

して発育が抑制され,る状態をしらべた。即ち,こ の培地に培養後一定時間毎に,その培地より一定 量を採取して,寒天平板に流し,発生した集落数 の変動によって,ブイヨン培地中の腸チフス菌の 発育の程度について観察した。

実験方法

被検菌としては腸チフス菌(栢原株)を用い。本菌 はSM加ブイヨン培地では1⑪O/cc濃度において混 濁を示さず,発育を阻止される。この菌を370C20時 間ブイヨンに培養した後,10−5倍に稀釈し,それに夫 々,1,000,2,000,5,000,1万,2万倍となるように SMを含有せしめた。之等各種濃度のSM加ブイヨン 菌液より0.1ccずつを培養直前及び培養後,1時間毎 に,シャ・・レにとり,これに100。Cにて溶解後,45∼ 50。Cに保てる普通寒天培地を流し,充分混和して平 板とし寒天表面を乾かしてから,37。C 20時間培養 し,平板全体の集落数をかぞ豪た。同一時間に使用し た平板は各々2枚ずっとし,集落数はその平均値をと った。対照としてはSMを含有しない普逓寒天平板培 地に同様に培養を行った。

実験成績

表1に示すように,V・すれも培養後,】時閤で

急激に集落数は滅少し,図1に示すように集落数

の対数と培養時聞との関係はほぼ直線を画き,そ

の後1・000,5,000倍濃度では培養後5∼7時開

で全く集落を認めないようになったが,1万倍で

は7∼9時闇で全く集落を認めないようになる場

合もあったが,時に生残菌は耐性を獲得して再び

増殖を示すものもあった。2万倍濃度では6∼7

時間までは集落数は暁旦減少するが再び増殖を初 める。又移植直後の回数によって明らかであるよ

うに,下等SM加ブイヨン培地に菌を移植してか

ら数分後においては,SM濃度の濃いものではい

すれもその影響を受けて発育を抑制され,1万乃

至2万倍濃度のものでは大凡対照の菌数と同じで

あった。1,000∼2,000倍濃度のものでは%∼%で あった。いうまでもなく,対照においては菌の増 ri 40.o, 一

(2)

表1 SMを種々の濃度に加えたブ4ヨン培地に於ける腸チフス菌の生菌教

壷:璽雪曇建.・

2 3 4 5 ) 6 ] 7 i 8 g’一一P’ 一一6 r・4『

P・三1

4」 9 1,000倍 2,000 ,f 78 22 22

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5 5,000 ,1 1 1万 〃 319 2万 〃 ・7・

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93 i go 1 62 ( 60 l S’62一一’P’一’ iss i iss ii 6 1’s一’一=’1’1一”nvUT“

351・3.9.い6

i,li]1 tt.1111.IlrmJil・gl&IEII−2igl’1. 6 対 照 284 l 305 1 355 573 [ 1,083 co oo 1000 遊 ミ〃・ ミ

8

も ミ

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ほ り 、\\ \\、、、 \く\黒 \\、 ’

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123456789んレ

→ 刀ノηe5

殖は従来の文献に見るごとく,S回状の発育曲線

を示した。叉同じ濃度(1万倍)の培地に移植菌 =量を2倍とすると生残菌数も、多数となった。 小 括 腸チフス菌(相原株)は100・1/cc濃度にSMを 加えたブイヨン培地におV、ては発育を抑制されて 澗濁を示さない。本実験においては該菌をこの附

近の濃度のSM伽ブイヨン培地に培養を行いつ

つ,その0.1cc中の生菌数を,癸生した集落数に よってあらわした。その数は2,COo∼20,000倍の

SM濃度におv、ては培養後エ時聞目に急激に減

少,次いで4∼5時闇の間は,漸減し,この間の

集落i数の減少率は同一濃度においてはほぼ相等し く,集落数の対数をとると培養i時闇との間に直線 関係が認められた。しかしその減少率は図ユに示 すように各濃度の間には平行関係が認められなか った。又同一濃度の場合には移植菌量の多い程, 生残乱数は多く,従って二等の生残菌が再び増殖 することが考乏られ,耐性菌の増加がこのように して容易に得られ,ることは明らがである。

B.腸チフス菌を移植したSM加ブイヨン

堀地申のSM含:有量の変動についで

細菌が抗生物質に耐性を獲得し,漸次その耐性

を高めていくとき,培地中のSMは,これ等の移

植された菌によって,分解されてしまうのではな

いかとの考えのもとに,腸チフス菌のSM感受性

株及び耐性株をSM加ブイヨン培地に移植し,培

養直前及び培養後,培地中のSM力価の変動を

Cup法によって,測定した。

試験方法並びに成績

検定に用いた,寒天平板はFDAの規定に基ずい

て,ペプトン(武田)0.5%,肉エキス0.3%,二天 1,5及び3.0%,pH 7.0とした。この処方の3%寒天 培地約20ccをシやP・レに流し,凝野守,これに1.5% の上記寒天培地に,B. subtilis(219株)の芽胞浮遊液 を2%の割合に混合せしめたものを4cc重:層し,氷室 に1時間以上入れ充分に固めてから実験に使用した。 用いたCupはペニシリン検定用ステンレス製であ る。検定溶液はSM加ブイヨン(pH 7.0)に腸チフ ス菌(桐原株,及び6S株)を移植,培養した後,加 熱滅菌を行ったもので,これをCup内に注入し購卵 器に納めた。判定はB.subtiJisの示す発育阻止円の 直径をキヤリバーで踊mmまで測定してあらわした。 予備実験1.SM濃度と阻止円の直径との関係。 SMをブイヨンに溶解した場合の, SM濃度(対 数)と阻止円の直径との関係は表2,図2,に示すよ のくの うに諸家の報告におけると同様に直線関係を示した。 一 404 一

(3)

表2 ブイヨンを溶剤とするときのSM濃度と 阻止円の直径との関係 (d== log c十fi)

阻止円の直径(mm) I

SM濃度

SM

ioe (r) 1’ 100 10 8 4 2 1 0.5

A

B

27.8 20.6 19.4 15.9 14.3 15.8 1 14.6 112 Cupの下のみ(O・8)「 予備実験2.SM加ブイヨン液の加熱が阻止円に影 響を及ぼすか否かの笑験。 度 rfcc

t

fe 14

18 22

→阻止円の直径(mm)

26 30 処 表 3 加熱処理による阻止円に及ぼす影響 理 法 セ ほ ド し ココ コ ア (C):時 間 (分)

阻止円の潭:径(mm)

廠ラ噛のブ・・ン培綱

温 度 4 7 2 7 560 60 ゲ t1 70 80 100 rl tf tl rf 30 15 30 5 10 5 1 2 3 4 5 25.8 26.5 26.3 23.3 24.8 23.9 無菌試験(10−5) 26.3 26.0 26.9 26.8 26.6 25.9 23.3 22.8 232 23.6 25.2 24.8

照 非 加 面

一盛一 tl tt rl tl tt t/ ゲ tt tl tl 対 菌 25.9 実験方法及び成績:SM加ブ4ヨン溶液を数cc野分 注し,その各々について表3に示すように時間的に種 々の加熱処理を行い同時に腸チフス20時間ブイヨン 培養液を10”s倍に稀釈したものを加熱し,寒天斜面 に流して無菌試験を行った。その結果,56∼100。Cの 温度でいろいろの時間(表参照)加熱したが,加熱を 行わなかった対照に比べて,この試験における熱処 理の程度ならば,阻止円の直経に及ぼす影響は認めら れないQそして腸チフス菌培養液は同時に行った加熱 処理で完全に殺菌されることが確かめられた。仁井田 C4) 等はAct三nomycesの抗菌力保存のための殺菌法とし C5) て100。Cで1∼2分加熱が最適であると述べ, Rake も同様のことを報告している。私は出来るだけ低い温 度でその目的を達するために,処理法として60。C, 24.3 5分加熱を用いることとした。 叉高濃度と低濃度のSM加ブイヨン溶液に同様な加 熱処理を行った場合における影響を試験したが,低濃 度溶液の場合には幾分か加熱により力価に影響をうけ やすいように思われる。

予備実験3.Cupに.お6るpHの影響

a,寒天平板のpHの阻止円に及ぼす影響。 (3) (4) (8) 宮村,仁井田,早野等の報告にもあるように,寒天 平板のpHの阻止円に及ぼす影響は大きく, SM検 定の場合にはアルカIJ性側に傾く程プ阻止円は大き くなる。即ち表4に示すように,寒天培地のpH&0 のときSM4γの阻止円は平均27.8 mm, pH 7.0の 時は22,5mm, SM2 のそれではpH 8.0におい ては25。4mm, pH 7.OKおいては20.O mmであっ 一405一

(4)

表4 塞天培地のpHの阻止円に及ぼす影響

SM濃度

(7)

阻止円の直径(mm)

pH 7.0 4 6 22.5 20.0 p.Hm一一.e:Om一”一i 27.8 25.4

て,いずれも約5mmの差を示した。本実験において は阻止円を大きくする必要がないためpH 7.0とし た。tの附近のpHはかえって検定値にふれがないと くの いうことを仁井田等は認めてをり,私も叉そのような 傾向を認めた。

b,Cup内のpHの影響。

本実験に使用するsample solutionは腸チフス菌 ブイヨン培養液であるため培養後の培地のpHが変化 することによって,阻止円の直径に影響を及ぼすかも 知れないので本実験を行った。即ち寒天平板はpH7.0 とし,Cup内には燐酸緩衝液を用いて作った種々の pHのSM溶液を用いた。その成績は表5に示すよう 表5 Cup内溶液のpHの阻止円に及ぼす影響

}、M濃度

阻止円の直径(mm)

pH 6.21 6.6 7.0 8.0 25一 ? 19.4 198

203

21.0 に,pH 7. O・v6.6ではアルヵり性の方が幾分阻止円は 大となるが,その影響は寒天平板におけるpHの差程 著明でなく,Cup内のpHの影響は認められない。 従って培養中におけるpHの変動は阻止円に影響を及 ぼさなとい考えてよいと患う。pH 7.8∼8.0では腸チ フス菌は発育不良のため,培地のpHを変えるeとも C7)少く,実際には問題とならない。しかし宮村等は S.ampleのpHは陽止円に影響があると報告してい る。 本 実 験

実験ユ:SM感受性腸チフス菌のSMに対する

影響について。

SM感受性腸チフス菌(相原株)の20時閻ブイ

ヨン培養をブ・イヨンで10一 o「倍まで稀釈し,最後の

稀釈ブイヨン培養液に,SMをユ0γ及び5γの濃

度になるように含有せしめ,これを艀巣に納める 直前及び37。Cで培養を行いつつ, i数時間の聞, この培養液の一・部をとり,60。C 5分加1熱して殺

菌してから,塞天平板5枚に各々4回すつを立て

たCUP内に注入し,37。C18時閣培養後,阻止

円の大きさをキャリノ{一で1/10mmまで計測し

た。対照としては,菌液におけると同じ濃度とな るようにブイヨv}( SMを加えて実験を行った。

その結果は表6に示すように,10,5,2,及び

表 6 腸チフス菌培養液中のSM力価の変化 (SM感受性菌)

X−x. SM

塾籍

間 \、

培養直後

1 2 3 4 5 6 7 9 時間 Il tt tt lt tt tt tt 阻 止 円 の 直 径 (mm) 10

B

19.8 20.1 20.1 20.5 20.3 20.4 20.4 19.6

7 ・ 5 7

一一一@一一一一一 一・ 一 一 1一一一・一 C ! B I C 18.9 19.1 19.7 19.6 20.2 19.6 19.3 18.6 18.0 1&O ユ&0 18.0 18.0 18.7 18.2 17.8 17.1 17.7 17.5 17.5 18.0 18.0 18.0 17.9 2 7

B 1 C

15.1 15.0 15.0 14.6 14.6 14,8 15ユ 15.0 15.0 15.2 15.0 14.8 14.8 14.9 1 7 B I C i2.9 ( 13.0 12.6 12.8 12.3 12.9 13.3 12.6 12.9 12.7 12.6 12.5 12.7 1 12.9 i 1 一 一一1 B……ブイヨン培養液, C・・…・対照(SM溶液) 1γの阻止円の直径を比べると,菌の増殖による

培地中のSM濃度の変化は認められなかった。

実験2:SM耐性腸チフス菌のSMに及ぼす影

響1/こつV、て。

腸チフス菌(6S株)めSMの感受性株,及び耐

性株(SM100mg/cc加ブ・イヨン培地に14代及び

25代継代培養)をそれぞれ5γ/cc濃度のSM加ブ

・fヨン培地に1白金耳すつ移植し,37。Cで培養

を行いつつ,実験1におけると同様に処置した。

その結果表7に示すように耐性株,感受性株及

一4D6一

(5)

表7 SM感受性及耐性腸チフス菌培養液に於け

るSM力価の測定

てCup法を行ったものについても同様であっ

た。(表8) ・?kl:,lftfi, m 培養直後 1 2 3 4 5 7 9 24 48 時間 e tl tl rt tt tl tt tt

阻止円の直径(mm)

表8 腸チフス菌培養液の上清に於けるSM力価

Ptl性株建

株1対

照1 18.8 18.6 18.6 18.2 18.1 18.0 19.0 18.5 19.9 20.0 18.8 18.5 18.1 17.7 17.8 17.8 18.7 18.0 20.0 21.3 .ユ8.7 18.9 19.0 18.1 18.6 18.2 19.2 18.3 19.4 培養減上

阻止円の直径(mn)

耐性側株

r

剛対

24時間

18.3 18.4 18ユ び対照ともに48時聞培養の間,殆ど阻止円に変化 を認める程,SMに対する影響は証明されなかっ た。叉培養液を特に遠心沈澱させその上清につい

実験3;長期培養液中のSM量の変化につv・

て。

SM耐性腸チブス菌(SM100mg/cc濃度ブイ

ヨン培地に41代継代)及びその原株(6S株)を それぞれ10γ,57濃度のSM加ブ’イヨン培地に 移植し,対照はそのままとし,共に培養直前,及

び37。C20日放置後,前回同様にCup法によっ

て,阻止円の直径を比較した。 表 9 SM加ブイヨンに腸チフス菌を長期培養した場合に於けるSMの力価 トし

\\ 検

\\\ 液

セ ヨヒへ 培養

揩P嘗皇1

止 口 の 直 径 (mm)

耐 性 株 1原

10 71 50r1 IQr

株1対

照 50 7

iorl

培 養 直 前 〃 20. 日 12.2 19.2 12ユ 19.4 12.1

sori

−fi”

@1

19.0 1 12.7 (不 明) 21.2 (13.7) 12.8 (不 明) (14.2) (不 明)21.1 1 11.6 20.2 (13.5) ( )……ご重輪の内側の径 その成績は表9に示す通りであって,37。C 20 日後においても著明な変化を示さす,腸チフス菌 培養液中のSM:量は対照に比べて減少を示さない ことが明らかとなった。しかし20日後における阻 止円はいすれも二重輪を形成し,10γ/㏄濃度の ものでは多くの場合に,内輪は不鮮明で計測不能

であったが,その差異は大凡,2mm前後と思わ

れた。しかし507/㏄濃度の揚合には内輪の径と

外側輪との差異が著明であって,7∼8mmであ

った。SM力価測定にB. subtilisを用v・てCup 法を行った場合,しばしば二重輪を作ることは諸 家の認めるところであるが,本実験においては, 長期培養の場合に培養液及び対照液に特に著明に 認められた。

実験4:以上の実験は腸チフス菌(6S株)に

ついて行ったものであるが,この回腸チフス菌 (相原株)のSMエ00 mg/cc耐性25代継代株, パラチフスA菌(1015株)の同上27代継代株,パ ラチフス菌B(8006株)の同上22代継代株,及び 赤痢菌(志賀花房株)50mg/cc18代継代株及び 之等諸菌の原株について同様の実験を行った。 表10 SM 5/cc加ブイヨン培地に移植された 諸種の細菌のSMに及ぼす影響

「\検液

)Li x.. 一.菌丁丁 〉

阻止円の直径(mm)

耐性株…原 株・対 照

腸チフ

メ聯1・…

11.8 11.2 ”一一一≦6§槻L15ξ.一L1聖歩一.15・0

パラチフスA菌118.4118.2 18.O

I l. tt B ,, 1 17.5

志賀菌「17.9

17.2 17.1 18.0 17.0 一 ro7 一

(6)

その結果は表10に示すように,腸チフス菌(6

S株)の揚合と同様に,耐性株,感受性株及び対 照との間に阻止円の直径に差異を認めなかった。

小 括

SM感受性腸チフス菌を,発育可能の低濃度S

Mブ・イヨン培地に移植し,37。Cで培養を行v・,

培地中のSM濃度の変化をCup法を用いて測定

し,対照のそれとbk較した。又耐性菌につV・ても 同様に実験を行ったが,耐性菌,感受性菌,及び 対照との間に阻止円の直径に有意の差異は認めら

れなかった。又これ等腸チフス菌のSM感受性菌

及び耐性菌を対照とともに37QCに長期閤放置し

た後,阻正円を計測した実験からも,腸チフス菌 が増殖するときSMを分解或V・は消費するという ことを証明することは出来なかった。叉腸チフス

菌の他,パラチフスA菌,パラチフスB菌,赤痢

菌についても実験を行ったが,同様の成績を得

く う

た。しかし平野等はSM耐性結核菌について,館

(9) dO) 石等はブドウ球菌につV・て,榊原は大腸菌につい

て,それぞれ培地中のSMが破壊されることを報

告してv・る。 結 論

1,SM感受性腸チフス菌(相原株)を本菌の感

性の近くの濃度のSM加ブイヨン培地に移植培養…

を行うと,初めの1時間では急激に生菌数は減少

し,次V・で数時間の間はほぼ等しV・減少率をもつ て減少し,この割合は濃度によって異る。

2,SM加培地における生存菌数はSM濃度の低

い程,叉移植菌数の多い程大である0

3,SM感受性及び耐性腸チフス菌は発育可能の

程度の低濃度のSM加ブイヨン培地において,培

養の前後にSM濃度の消長に影響を及ぼさない。

(Cup法に依る。) 4,同様に長期培養においても叉変化は認められ なかった。

5,腸チフス菌(相原株),パラチフスA菌,パ

ラチフスB菌赤痢菌につv、ても同様の実験を行っ たが,v・すれも培地中のSM:量の変化は認められ なかった。 稿を終るに臨み平野憲正教授の御指導と御校閲を深 謝し,中西助教授の御懇切なる御助言に対し厚く謝意 を表します。

1, Waksman, S.A., Sehatz, A.,:Proc. Soc. Exp,

Biol. & Med., 55 66 (1944) 2,仁井田太郎,安田春太郎:J.Antib.,2,827∼ 829 (1949) 3,宮村定男,金沢裕:J.Antib.,2783∼785 (1949) 4,仁井田太郎,石室幸枝,安田春太郎=J.Antib., 2, 328rv332 (1948)

s, Rake, G., Donavick, R.,:J. Bact., 52 227 一一228 (1946) 6,早野正己:J.Antib.,2,24∼30(1948) 7,宮村定男:J.Antib.,4,290∼294(1951) 8,牢野憲正,長田富香,井上幸子:医学と生物学 20 174一一176 (1951) 9,館石,石吉田,福井:抗菌物質研究,4147 (1951) 10,榊原栄一:医学と生物学,18336∼339(1951) 一 408 一

参照

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