7
8
( 5 )
カ ワ イ ミ カ コ
氏名(生年月日〉
本 籍
学 位 の 種 類
学 位 授 与 の 番 号
学 位 授 与 の 日 付
学 位 授 与 の 要 件
学 位 論 文 題 目
論 文 審 査 委 員
川 井 未 加 子 (
医 学 博 士
甲第145 号
昭和60 年 3 月15 日
学 位 規 則 第
5
条第
1
項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者〉
ウイリス動脈輪閉塞症の臨床遺伝学的研究
( 主 査 〉 教 授 福 山 幸 夫
〔 副 査 〉 教 授 喜 多 村 孝 一 , 教 授 高 尾 篤 良
論 文 内 容 の 要 旨
目的
ウイリス動脈輪閉塞症の成因について遺伝的観点か
ら検討する.
対象ならびに方法
全国312 施設と東京女子医科大学小児科より,ウイリ
ス動脈輪閉塞症の家系資料を集め,診断基準上の確実
例222 家系(うち 56.3% は戸籍謄本による確認済〉につ
き臨床遺伝学的に検討した.
結果
1.全患者の男女比は, 1: 196. , (成人例; 51歳以
上発症では1 : .1 9,小児例;51歳未満発症1 : .1)7
といずれも女性に多かった.
2
. 初発時病型は,小児例では一過性脳虚血発作型
(以後
TIA
型と略)が 48.2% ,成人例では,出血型
60.9% と最も多かった.
3
. 一般人口中の本症発生頻度が確立されていない
ため,相対頻度法に基づき,本学小児科における熱性
けいれんおよび糖尿病患者数との比較から,一般集団
における本症の発生頻度を0.07% と推定した.
4
. 近親婚は2家系のみに認められ,一般集団の頻度
に比し,多くなかった.
5
. 家族内発症例は,確実例31家系 (5.86%) ,未確
認例を入れると22家系 (9.9%) に認められた.
6
. 双生児は3組あり,ー卵双生児の姉妹は本症に関
し一致し,他の卵性不明の2組は不一致であった.
7
. 単胎児における同胞擢患率は3.32% であった.発
端者が小児例の場合のそれは5.26% ,成人例のそれは
1
. 81% であり,小児例の同胞擢患率は成人例のそれの
3倍であった.また発端者が男性の場合の同胞権患率
は4.95% ,発端者が女性の場合のそれの2.75% より高
値であった.
8
. 同胞擢患率を発端者の病型別に分析すると,出血
型1. 97% ,梗塞型1. 61% ,
TIA
型3.87% ,てんかん型
0% で
TIA
型において最も高率であった.
9
.
小児例・成人例に分け発端者の同胞における分離
比を算出すると,成人例1. 704
t
:
748.0 ,小児例94.5 士
1
.
6
8
9 ,両群合計では633. 士6832. であり,いずれも常
染色体性劣性遺伝と仮定した場合の理論値25% より有
意に低値であった.
1
0
. 本症の一般集団における発生頻度と発端者同胞
における再発率を比較すると,後者は前者に比し全症
例で40 倍-70 倍,小児例で04 倍-100 倍,成人例で02 倍
-30 倍高かった.
1
1
. 一般集団中における本症の発生頻度0.07% と,
分析により得た同胞擢患率3.32% との比47.4 は,多国
子遺伝仮説の期待比 37.8~こ近似していた.
結論
ウイリス動脈輪閉塞症222 家系につき遺伝学的分析
を行なった.その結果家族集積性がみられ,遺伝的要
因が関与することが示唆された.
家系内での発症の仕方および近親婚の頻度,同胞に
おける分離比の債などから,常染色体性単純優性遺伝
および劣性遺伝仮説には適合せず,多因子遺伝仮説に
良く適合した.またその遺伝率は 78% と高く,遺伝的
要因の関与が大きいことが判明した.
-698-7
9
論 文 審 査 の 要 旨
本研究は,日本人に特異的に多発する特発性ウイリス動脈輪閉塞症の病因究明に寄与する目的で,
診断確実な本症患者
2
2
2
家系を全国施設から蒐集し,その
56%
で戸籍照合確認を行ない,近親婚率,家
族内発生率,同胞における分離比算出などの臨床遺伝学的分析を行なった結果,本症の病因に遺伝的
要因が関与すること,その遺伝型式が多因子遺伝仮説に最もよく適合することを示した,学術上価値
ある研究である.
主論文公表誌
ウイリス動脈閉塞症の臨床遺伝的研究
東 京 女 子 医 科 大 学 雑 誌 第
5
5
巻 第
5
号
4
2
7
-4
4
1
頁(昭和
0
6
年
5
月
5
2
日発行〉
副論文公表誌
1
) 先天型進行性筋ジストロフィー症(福山型〉
小児内科
2
1
)
2
1
(
4
7
5
2
-
7
6
5
2
)
0
8
9
1
(
2
) 川崎病一一肝・胆道疾患
小児内科
3
1
)
3
(
417-433
1(
8
9
)1
-699
3
)
小児多発性硬化症疑いの検討一一教室
9
1
年間の
5症例一一
東女医大誌
1
5
)
0
1
(
5
2
2
1
-
1
1
2
1
)
1
8
9
1
(
4
)
双胎間輸血症候群の
1
剖検例
(CPC)
小児科診療
5
4
)
3
(
4
3
4
-
7
2
4
1(
)
2
8
9
5
) 小児のミオパチー外来
小児科臨床
5
3
)
4
(
0
6
8
-
1
5
8
1(
)
2
8
9
6
) 限でみる遺伝病一一ウイリス動脈輪閉鎖症
薬の知識
3
3
)
9
(
20-21
)
2
8
9
1
(