平成
26年
度
学 位 論 文
整数係数
2次
形式問題の有限アルゴ リズム
ーフォードの円とトポグラフを用いて一 兵 庫 教 育 大 学 大 学 院 教 育 内容・ 方 法 開 発 専 攻M12155B
学 校 教 育 研 究 科 認 識 形 成 系 教 育 コ ー ス 山口
智
美
目 次
第1章2次
形式11
整数係数2次形式 の表す整数 の問題12
固有値 と固有ベ ク トル13
符号 による2次形式の分類 第2章 フォー ドの円21
フォー ドの円につ いて22
ま とめ 第3章 基底 と超基底31
格子 の基底32 2次
形式の値 の関係式33
包括ベ ク トル34
フォー ドの円への追加35
フオー ドの円 と素ベ ク トル 第4章 トポグラフ41
トポグラフにつ いて42 2次
形式 と トポグラフ43
トポグラフが閉路 をもたない こと44 +型
の2次形式の トポグラフ45 +型
の2次形式 ノのとり得る値について 第 5章+型
以外の2次形式の トボグラフ51 +一
型の2次 形式の トポグラフ52 +―
型の2次 形式 ∫の とり得 る値について53 +0型
の2次形式の トポグラフ54 +-0型
の 2次 形式の トポグラフ55 +-0型
の 2次 形式 ∫のとり得る値について 7 7 9 14 24 24 33 34 34 37 39 40 41 43 43 48 53 56 63 68 68 74 76 81 86参考文献 謝辞 2 9 0 8 9
は じめに
研 究 の き っか け 筆者は従前か ら初等的な整数論の分野に興味があったこともあり,卒
業研究で簡単な整数論を学び,そ
の中では, どのような自然数が平方数 の和で表せ るか という内容を扱つた。そのような条件を一般的に求める のは抽象的な数学の議論を必要 とするが,具
体的な平方数の和による表 示,例
えば 2017==92_+442 が与 え られ れ ば,誰
で も計算 で確 か め る こ とがで き る上,そ
の式 に美 し さを感 じる こ ともで き る。 その学部 時代 の卒業研 究 の際,ス
マー トフォ ン上 で動 く,入
力 した数 が素数 で あ るか どうか を調べ るソフ トウェアを用 いたが,その ソフ トウェ アは素 数 か ど うか を判定 す るだ けで な く,特
定 の条件 をみた す場 合 には 入力 した素数 を,平
方数 の2倍と平方数 の和や,平
方数 の3倍と平方数 の 和 で表 示 す る式 を出力 す る機 能 を もって いた。 それ を見 て, どの よ うな 素数 に対 して,そ
の よ うな表示 が可能 なのか とい うこ とに興 味 を もった のが本 研 究 の きっか けで あ る。 例 えば,与
え られ た整 数 ηを平 方数 の2倍 と平方数 の和 で表 す こ とは, ″2+2ν2=η をみた す整 数解 "と νを求 め る問題 で あ る。 この よ うに与 え られ た整 数 係数 の式 をみ たす整 数解 を求 め る問題 は,デ
ィオ ファン トス方程 式 と呼 ばれ,古
くか ら研 究 され て い る。 また,現
行 の高等 学校 の学 習指導要領 にお いて も,数
学Aの
なか で整 数係 数1次不定方程 式 の整 数解 を求 め る 問題が内容 として取 り上げられるなど,学
校教育のなかにも取 り扱われ 始めている。4 研 究 の 内容 上で述べたように
,当
初興味をもったのは,与
えられた自然数ηとm
に対 し, ″2+mν 2=η をみたす整数解 ″とνが あるか どうか を調べ ることで あるが,″2+π
ν2 は2次の項 ばか りか ら成 る多項式であ り,つ
ま り,2次
形式の特別 な場合 で ある。 そ こで,問
題 を次 の よ うに一般化 す る。すなわち,与
え られた 整数係数の2元 2次形式 ∫(χ ,ν)と整数 ηに対 して,∫(″ ,ν)=η をみたす 整数 ″,ν が存在 す るか どうか を考察す る問題で ある。 例 えば,2次
形式 ∫(″ ,ν)=3″ 2_5″ ν+2ν2と 100と い う整数が与えら れた とす る と3π2_5χν+2ν2=100と
な る整数(″ ,ν)の 組 は存在 す るの か,ま た,存
在 す るのな らば どの ように して求 め られ るのか, とい うこ とを有 限のステ ップで求 め ることを目指 したのが本稿 で あ る。 本論文で は線形代数学 の行列 の理論 とベ ク トル を主 に利用 し,上
述 の 整数係数 の2元 2次形式 に関す る問題 に対す る有 限 アル ゴ リズムの解法 を述べ る。 最初 の準備 として,固
有値 と固有ベ ク トル について述べ る。 これ は,2
変数の2次形式が実2次対称行列 ス を用 いて表せ るこ とに起 因す る。実 際,固
有値 を用 いて与 え られた2次形式 を表す ことで,与
え られた2次形 式の値が一定 とな る(″ ,ν)の集合が どの ような概形 を しているのかみ るこ とがで きる。また,ス の固有値 の符号 によ り,整
数係数2次形式の とる値 を分類 す るこ とがで きることがわか る。 上述の整数係数2次形式の値 に関す る問題 は,ラ グランジュ等 の研究 に 始 ま り,ガ
ウスによって,1801年 ,そ
の著作 『整数論』 にま とめ られて いる。 その内容 は,す
で にその段 階で完成 された もので あったが,1997
年,コ ンウェイが 「 トポグラフ」 と名付 けた新 しい方法 によ り,ガ
ウス の理論が視覚 的に捉 え られ るよ うになった。 この トポグラフは既約分数 を小 さい順 に並べ た数列で あ るファレイ数列 と関係 を もつ円群 「フォー ドの円」 と関係が あ るた め,本
論文で はフォー ドの円について も解説 す る。 フォー ドの円 とは,中
心の ν座標が正で,格
子点で ″軸 に接 す る半 径:の円の族 か ら始 めて,そ
の うちの互 いに接 す る2円 α,bと "軸に接 す る円 cを 用 意 し,さ らに これ と同様 に して得 られ る円cと円 αとの間 に 生 まれ る円 α,円
cと 円 αとの間 に生 まれ る円cと い うように次々に追加 していった ときに得 られ る円の族である (図 1を 参照)。 実 は この フォー5 ドの円の族 にお いて
,各
円の α軸 との接 点 はすべ て有理 数 で あ る とい う 定理 が得 られ る。 図1フ
ォー ドの円 また,0で
ない整数ベ ク トルで,″ 成分 とν成分が互いに素であるもの を素ベ ク トル といい, この素ベ ク トルを利用 して2次形 式の値 を考察 し た。さ らに,素
ベ ク トルの全体が先 に述べた フォー ドの円の全体 と1対 1 対応で ある ことを用 いて 「 トポグラフ」 につなげ るこ とがで きる。トポ グラフはフォー ドの円を基本 に し,そ
の中で定 め る頂点 と辺 と面の全体 の ことをいい,互
いに逆 向 きの素ベ ク トルの組で定義 され る包括ベ ク ト ルの全体 と基底 の関係 を図に した ものである。最終的に,整
数係数 2次 形式 を トポグ ラフに対応 させ ることで,コ ンウェイが行 つた よ うに2次 形式の問題 を視覚化 で きるので あ る。分類 した整数係数2次形 式の とる 値 とそれ に対応 す る トポグラフの型 についてそれ ぞれ性質 を述べ,得
ら れ る性質 を用 いて本稿 のテーマで あ る整数係数 の2変数2次形 式 に関す る問題 の有限 アル ゴ リズムを得 た。 論 文 の構 成 第 1章では2次形式の基本的な定義をし,ガ
ウスが論じた整数係数 2次 形式に関する問題を提起 している。2次形式は行列を用いて表記すること6 が可能 で あ り, この こ とを利用 して まず与 え られ た2次形 式 の値 が どの よ うな符号 とな るか を述 べ て い る。手段 として は固有値 と固有 ベ ク トル を扱 い
,与
え られ た2次形式 と定数 αにつ いて ∫(%,ν)=α で定 まる図形 の概形 を考 え,そ
の2次形式の とる値 の符号 によ り2次形 式 を分類 して い く。第2章で は,既
約分数 を小 さい順 に並べた数列で あ るフアレイ数 列 と関係 を もつ円群 「フォー ドの円」 につ いて定義 し,そ
の性質 につい て述べてい る。 フォー ドの円において重要 な ことは フォー ドの円 とx軸 との接 点がすべて有理数で あ ることと,そ
の接点 としてすべての有理数 が現れ ることで ある。第3章で は素ベ ク トル とい うものにつ いて定義 し, 素ベ ク トル を定義す る上で必要 な格子 の基底 につ いて もは じめに述べて い る。 さ らに,有
理数 とフォー ドの円に ∞ とい う元 を追加 す るこ とで, 素ベ ク トルが有理数 の集合 を媒介 として フォー ドの円 と1対 1に対応 す ることを述べてい る。第4章で は,第
3章で記 した素ベ ク トル に対 して, 与 え られた2次形式が どの ような値 を とるのか考 えるため「 トポグラフ」 とい う図 を取 り入れて い る。 この トポグラフの基本 的な性質 と,正
の値 しか とらない2次形 式の トポグラフの性質 について述べ てい る。得 られ た トポグラフの性質 を用 いて, この論文のテーマで あ る有限ステ ップで の整数係数2次形式の問題 の解法 を得た。第5章で は,正
の値 だ けを とる もの以外の2次形式 について,それぞれの トポグラフの性質 を述べ,第
4 章 と同様 にそれ らを用 いて有限ステ ップでの整数係数2次形式 の問題解 法 を求 めた。第 1章
この章で は2次形 式 について の基本 的な定義 を し,ガ
ウスがかつて論 じた整数係数 の2変数2次形式 に関す る問題 を提起す る。そ して まず,与
え られた2次形式の値が正,負
の数,0の
いずれの値 を とり得 るか につい て固有値,固
有ベ ク トルを用 いて考 える。1.1
整数係数
2次
形式の表す整数の問題
定義 1.1.1″1,″2,・ …,″πを変数 とする。このとき,″1,π2,…・,″れに関す る2次 の項ばか りの実数係数の多項式を “1,″2,・ …,″れに関する2次形式 (実2次形式)と いう。 つまり,2次
形式 ∫(″1,・ …,″η)と は,実
数Q′ をもちいてルメぁ…っ
"=Σ
t≦′%″を
χ
′
と表される多項式のことである。 例 1.1.2例 えば2変数の 2次 形式 ∫(″1,π2)は 3つ の実数cll,c12,C22を 用 いて ∫(■1,″2)=Cll″12+c12πl″2+C22″22 と表され,行列を用いると と表 す こ ともで き る。 1 ■ ヽ l ︲ ′ / ″ ” / ′ ︲ ︲ ヽ ヽ ヽ 、 ︲ ︲ ′ ノ Q 一 2 の 鈍 C・2 2 / ′ ︲ ヽ \ ″ ″ 〓 Z ″ ∫第1章
2次
形式 実際,(11)式
はい分
≪
毎
の修助紛
=(″1,″2)(:り Ii‡::::)二
:│II::icilili■cttI考 1%2+C22χ2 (12) とい うように具体 的な計算で確か め られ る。こ
の
と
き
,行
夕
Jθ=(写
3)は
転
置
し
て
も
変
わ
ら
な
い
,つま
り
ι
θ
=
θ とな る対称行列で あることに注意す る。 この(11)の形 の表示 を2変数 の2次形Jこくの行夕J赤:テスとい う。いま, ^ミク トル"= (I:)
と「ケる と(12) は ∫("1,Z2)=ι “θ"と表 され る。 この とき ∫(″1,″2)を ∫(")と 書 くこと もある。 注意 として,(11)は
2変数 の2次形式であ るが,η変数 で あつて も行列 表示 は存在 す る。ただ し, この論文で は2変数 の2次形 式 ばか りを取 り 扱 う。1801年
,ガ
ウス(Carolus Frlderlcus Gauss)は 著作『整数論』において,整数係数 の2変数2次形式 に関す る以下の問題 につ いて考察 し
,一
連 の 理論 を完成 させて い る。 問題 整数係数の2次形式 ∫(″ ,ν)=P″2+s″ν+gν2と整数 αが与 え られ た とき ∫(″ ,ν)=α をみたす(χ ,ν)の 整 数 の組 み合 わせが存在 す るか。 あ るな らばそれ を求 め よ。1997年,コ ンウェイ (JOhn Horton Conway)は 著作『The sensual quadratlc
form』 の中で,「 トポグラフ」 と名付 けた新 しい方法 を取 り入れた。 この
コンウェイの方法 によ リガ ウスの理論が視覚的に捉 えることがで きるよ うになったのであ る。また,この トポグラフは「フォー ドの円」 とい う円 の詰 め込 み に関す る理論 に も関連 してい る とい うか ら興 味深 い。 フォー ドの円 とは
,既
約分数 を小 さい順 に並べた数列で あ るフアレイ数列 と関第1章
2次
形式9
係 を持 つ円群 の こ とで, この論文で は この 「 トポ グラフ」 と「フォー ド の円」 を用 いて,上
記 の2次形 式の問題 に対す る有限の手続 きによる解 法 を解説す ることを目的 とす る。 1。2
固有値 と固有ベク トル
まず,与
え られた2次形式の値が どの ような符号 とな るか,つ
ま り,正
や負の値 を とり得 るか につ いて考 え る。そのために与 え られた2次形 式 と与 え られた定数 cに つ いて ∫(・ ,ν)=C
で定 まる図形 (一般 に2次曲線)の
概形 を考 える。具体 的には与 え られ た2次形式 ∫(″ ,ν)=p″2+s″ν tt gν2を 行列表示 して,行
列 の対角化 によ り分類す る。そ こで まず,固
有値 と固有ベク トルを扱 う。以下,ベ
ク トル は縦ベ ク トル と考 え る。 定義 1.2.1ス を実 η次正方行列 とす る。 この とき,複
素数 λが スの固有 値であ る とは ス “=λ" を満たすあるη次元の複素ベ ク トル π("≠ 0)が存在す ることで ある。ま た,複
素ベ ク トル"が
ス"=λ
“を満たす とき,“ を ス の固有値 λに対 す る固有ベ ク トル とい う。 特 に,ス の固有値 λが実数 の場合,固
有ベ ク トル "と して実ベ ク トル を とることがで きる とき,π を 入の実固有ベク トル とい う。 定理 1.2.2実η次対称行列 ス について次が成 り立つ。1ス
の固有値 は実数で,その固有ベ ク トル として実固有ベ ク トルが存 在す る。2ス
の異 な る固有値 の実固有ベ ク トルは直交す る。 ここで,定
理 の証明 に入 る前 に定義 と補題 を用意す る。 定義 1.2.3“,ν ∈Cれ に対 してし
,ω=Σ
"・銑∈
C
e=1第1章
2次
形式10
を ",ν の内積 とい う。(″。,銑 は“,υ の z番 目の成分。)こ
こで,1行
1列 の行列 とスカ ラー を同一視 すれ ば (“ ,υ)=t“υ とか くこ ともで き る。 この内積 は次 の性質 を もつ こ とが容易 に確 か め られ る。 つ ま り, o,b,c∈ Cれ とαcCに
対 して 1(a7,b)=(b,α) 2(α tt b,C)=(a7,C)+(b,C) 3 (α α,b)=α(a,b), (α,αb)=α(α,b) 注意 一般 に複 素 ベ ク トル空 間上 で はエル ミー ト内積 を用 い る こ とが 多 いが, ここで扱 う内積 はエル ミー ト内積 で はない こ とに注 意 す る。 補題 1.2.4ス を η次正 方行 列 とす る。π,ν ∈Cれ に対 して (“,スυ)=(t五",υ) が成 り立 つ。 証 明 以下 の よ うに変形 で き る。 (tス ",ν)=t(ι 五“)ν =ιπスν=(π,スυ) □ 補題 をふ まえて定理 の証 明 に入 る。 定理1.2.2の証 明 まず,ス を実 対称行列 とし,ス の固有値 は実 数 で あ る こ とを証 明 す る。 い ま,複
素数 βに対 して,β と共役 な複 素 数 を ここで は β と表記 す る。複 素行 列Aや
複 素 ベ ク トル πに対 して,Иや 雨 とは, 行列 ス や πの各成 分 をその共役 な複 素数 に置 き換 えた もの とす る。 ス は実行 列 なので ス=ス
(13)
で あ る。 ス の固有値 を α とし,“ cCれ に対 して ス"=α
“(14)
第1章
2次
形 式 11 とする。(ただし,“ ≠0)こ のとき,(13)に
注意 して(1.4)の両辺の複 素共役をとれば ス勇=a勇(15)
とな る。 こ こで,"と
スπ の内積 を とる と,(15)よ り (",スπ)=(",a勇) =面(“,π) 一方,補
題124と
(14)よ り (“,24π)=(■ “,π)=(α“,π) =α(“,π) で あ るか ら 面(π,雨)=α(",π) (16)
となる。ここで,“ ≠0よ りし
,→=Σ
Zz可=Σ
レ
212>0 なので,(“,π)は 正 の実数であ る。 ゆえに(16)よ り つ ま り,α は実数で あることがわか る。 次 に,η次実対称行列 ス の各 固有値 に対 して,そ
の固有ベ ク トル は実 ベ ク トルで とることがで きることを示す。 実際,ス の固有値 α∈Rに
対 して スz=α
z となる z∈ Cれ を とる と,複
素共役 を とれば ノ4フ =αア なので ス(Z十フ)=α(Z十 万) とな り,z+7∈
Rπ とな るこ とがわか る。 最後 に,異
な る固有値 の実固有ベ ク トルが直交 す るこ とを示 す。Aを
実 η次対称行列 とし,ス の固有値 α,β ∈Rに
対応 す る固有ベ ク ト ル をそれ ぞれ “,υ ∈Rπ とす る。ス"=α
",スν=βνよ リス"と りの内 積 は (ス “,ν)=(απ,ν)=α(",υ)第 1章
2次
形式12
であるが,一
方で スは実対称行列であるか ら,補
題124よ
り (ス “,ν)=(π,スν)=(",βν)=β(",ν) とも表される。よつて,α(“,υ)=β(",ν)で あり,移
項 して, (α ―β)(π ,υ)=0
とな り,今
,α ≠ β よ り(",υ)=0で
あ る。 したが って,π ⊥ υ が示 さ れた。□ 定義 1.2.5以下,η次 正方行 列 ス の行 列式 を│ス│とか く。 また
,Eを
単 位行列 とす る。変数 λに関 す る η次方程 式 │ス ーλEI=0
を ス の固有 方程 式 とい う。λが ス の固有値 とな るた めの必要 十分条 件 は 人が ス の固有 方程 式 を満 たす こ とで あ る。特 に,η次正方行列 の固有値 は 高 々η個 で あ る。 特 に2次正 方行 列 につ いて次 が成 り立つ。 補題 1.2.6ス=(::)の
固有 方程 式 は λ2_(α +α)λ+αα―らC=0
で あ り,特
に 入1,入2を ス の固有値 とす る と, λl+λ2 α +α λlλ2=ααbC
E 〓留
する。
る 1 る あ 明 理 な で 証 定 と第1章
2次
形式13
証明 定理122よ
り,実
2次対称行列 スの固有値 は実数で あ るか ら,ス の固有方程式 は異な る2実解 をもつか,重
解 の実根 をもつ。よって,ス の 固有値 が重解 の とき と,異
な る2実解 の ときの場合 に分 けて証明す る。1ス
の固有値 が異 な る2実解 の とき,そ
れ らを 入1,λ2と す る。 この とき λl,λ2の固有ベ ク トル をそれぞれ α,bと お く。つ ま り,スα=
λlo,スb=λ
2bとす る。ただ し,lαl=lbl=1と
なるようにα,b∈ R2 を とってお く。この とき縦ベク トル αとbを 並べた2× 2行列を(α b) と表せ ば,バ
の一
a lala…
■
o
よって,P=(ab)と
お けば 為 0 / ′ ︲ ヽ ヽ P 〓 P ス見
) (17) トル を α a7∈ R2 ただ し, が いえ る。 この とき ιPP=
となるのでPは
正則であ り,(17)に= (: :)
P-1を左か らか けて の の イ α α l l哺
り
ぱ
ぃ
< < P-1スP=(午
見) とな る。 スの固有値 が重解 の とき,そ
れ を 入とす る。λの固有ベ ク とお き,スα=λα とす る。(ただ しlαl=1と
な るよ うに を とってお く。)この とき α tt bと な る b∈ R2を とる。( lbl=1と な るように とる。)α とスbの内積 を とる と (α,スb)=(スα,b)=(λα,b)=λ(α,b)=0
立 早 ょ が と っ ょ が る 第 て ナ カ ら
う
か
/︲
ほ
Ψ
墜
ヽ
︱
ノ
一
一
F
O
λ
の
■
叫
千
?
Ⅲ
ま P で の る な と □ となる。 1。3
符号 による
2次
形式の分類
以上 の定理 をふ まえて,Aを
実2次対称行列 とし,2変
数 の2次形 式 ∫(“)=ι "ス"第 1章
2次
形式 に対してバπ)=c
127よ
り, 15 (c∈R)で
表 され る図形 の概 形 につ い て考 え る。定理%
ハ
﹁
り
て
,
ヽ l l ノ し 0 為 為 0 と山
■
彊
刊
0 し る ノ き と で る 形 ゝえ 変 考 と て (P lπ)=c
(19) と書 き換 え られ,す
なわち λlνl +―λ2ν2 ==C となる。 この とき,「"が
(19)を満たす こと」 はっ ま り を満たす」 ことであ り,す
なわち ν=P 1“ と変数 をお きか え (1 「P― 場 が (1 C 〓 ν \ ︱ ︱ ノ 0 ん 九 〇 / 1 1 \ υ 0 0 P lπ が(1 lo)の表す図形上 にあ る とい うこ とで ある。 したが って,"は
(110)の表す図形 をPで
回転 した図形上 にある といえる。 そ こで,∫(“)の行列表示 を与 え る行列 スの固有値 の符号で場合分 け し て ∫(")=Cの
図形 を調べ ることで,“ にo以外 の整数ベ ク トル を代入 し た とき,整
数係数2次形式 ∫(")が正,負
,0の
値 を とるか を考 え る。1為
>0,λ2>0の
とき(a)c>0の
とき16 第1章
2次
形 式 (110)│ま平 十
==1
´ C Cτ
j::戸十
τ
ji:戸封
とな り,楕
円 とな る。(b)c=0の
とき (110)│まこ
る
一嘲
ゝ乳
耐一
>乳
〆
。 あ に 2 3 4第1章
2次
形 式(b)c>0の
とき (110)を 満 たす νlは λlν12==c νl =舟 17 とな り,平
行な2直線である。(c)c<0の
とき (110)を満たす点はな く,空
集合である。 ∫(“)を υ=P 1“ の変数変換により(νl,ν2)の関数 として考えると, (νl,ν2)平面上でνl=0の
直線上では∫=0,そ
れ以外の点では正の 値 となる。よって,(″1,%2)平面上でもある直線上でのみ ∫=0で
, それ以外の点では正 となる。つまり,"∈ Z2_{0}に
対 して,∫(・) は正または0の 値をとる可能性があるが,実
際 0の 値をとることを 次に示す。 \ 、 ︲ ′ ノ 旦 2 9 >ん
に
V
為
ル
”
′
均
知
は
〓
0
轍
“
す
る
と
,
l p と定理.。3
<ただし,
中
が成 り立つ。 証明 λ2=0に
対する固有ベク トルを “。とすると,ス“。=λ2"0 より, ∫("o)=ι"oAπ。 ι π。0=0
となるので,“。∈″ ―{0}で あればよいことがわかる。固有方程 式は九=0を
解にもつので,ス=(:i)と
して, 10E―AI=II:
二
il=pg―
if=0
第1章
2次
形式 したがって,∫(π)は “∈Z2_{0}に
対 して 0及 び正の値 をとる。 このような整数係数 2次形式を+0型
という。また,∫ は半正定値 であるともいう。5
λl<0,λ2=0の
とき 一∫し)は+0型
とな るので,∫し)=―
(―バπ))は "∈ ″ 一{0}に 対 して 0ま たは負の値 とな る。 このような2次形式 を…0型 とい う。 また,∫ は半負定値 で ある ともい う。6為
>0,λ2<0の
とき(a)c>0の
とき (110)は格
一
赫
封
とな り,双
曲線 とな る。(b)c=0の
とき (110)は,
λlν12+λ2ν22=0で
ぁ り,移
項 して λl仇2==_人2ν22抄
=士
ャ
輛 ν
l とな るので,原
点で交 わ る直線 とな る。(c)c<0の
とき (110)は λlν12+==1
C C 一 赫 十 赫 =1 18 ば ヽヽ ︱ ノけ
′
的
L
Ψ
誂
〓
ヽ 、 ︲ ′ /︹旧
W
¨物
従
停
得る。
, 一 一 か ﹂徴
︹旧
W
一︲。︲
る。
A
﹁
ッ
彰
盪
′
ん
﹂
ν
﹃
ぼ
好
¨
り り ま な つ と第 1章
2次
形式 であり, 上記(a),(b), ようになる。 19 双 曲線 で あ る。 (c)を図にすると,(νl,ν2)平面上で∫の値は図11の 図11(νl,ν2)平面でのノの値 つまり,(νl,抄)平 面上の原点を通る2直線でのみ ∫=0で
あり, これらの直線を境界 とする領域で ∫は正,負
となるから,("1,″2) 平面上でもある角領域で ∫は正,負
の値をとり,"∈
Z2_{0}に
対し,∫ は正 と負の値をそれぞれ とることができる。最後に, この λl>0,λ2<0の
場合に∫(“)が0の 値をとることができるかについ て定理を述べる。 定理 1.3.2整 数P,9,sに ついて,ス=
が 入1>0,λ
2<0を
みたす とき,∫(“) π∈z2("≠
0)が 存在するための必要十 ることである。 証明1
∫(“) π = “∈z2(“ ≠0)が存在すると仮定する。 ると, μ恥2+s″0蜘 +αν02=0
れ る なつ
切
効
2 ν 一 の ” ′︹
H
︺
一
榊
この とき (111)第1章
2次
形式 (a)νo=0の
とき “≠0よ り,"0≠ 0なので,(111)よ り p″02=0っ
まりp=0
である。よつて,s2_■
9=s2と
なり,平
方数である。 (b)拗 ≠0の とき (111)よ り で あ るか ら,2次
+S(甜
)+9=0
解 の公 式 よ り 上 ャ/s2_脅η ′ハ塀
詢 一
η ∈Q
ょって, 三型弓霧亜亜 が有理数 にな るためにはs2_■
9が平方 数でな けれ ばな らない。2+分
性s2_争
9が平方数だ と仮定 す る。(a)p=0の
とき 適当な0で ない整数″0と して∫(■0,0)=0
(b)p≠ 0の とき で ∈Qよ
り, 0)を とると _s■ν
′
s2_■9=分 となるπ
O,鈎∈
Z(蜘≠
P(勢
)2+s(参
)+α
=0
これにより∫(%0,νo)=0と
なることがわかる。 したがつて,s2_勺
αが平方数の とき∫(“)=0と
なるπ∈Z2が存在するこ とがわか る。 以上より,定
理が示された。□ 上の定理により,次 のことがわかる。つまり,整数係数の2次形式∫(“
)=
p″2+s″ν tt gν2について,ノし)=犠
スπ となる行列 スをとった とき,1ス
の2つ の固有値が異符号で,か
つs2_争
9が平方数でないとき バ “)は “∈Z2_{0}に
対して正、負の値のみをとる。このような 整数係数 2次形式を十一型 という。21 第1章
2次
形式2ス
の 2つ の固有値が異符号で,か
つs2_争
9が平方数のとき ∫(π)は "∈Z2_{0}に
対 して0,正
,負
の値をすべて とる。 この ような整数係数 2次形式を十-0型
という。 =p+9 =● g_s2 (112) である。1為
>0,λ2>0の
と 上の式(112)よ り (113) いま,定
理122よ
λl,λ2は 0で な く同 為<0と
なるか ら, 為<0,λ2<0の
とき 式(112)よ り (114) 先 ほ どと同様 に定>0よ
りた,λ2は 0 と入1+λ2>0と
な λ + 滝 λ λ r l く ︱ 、 に あ も珈
は
も
を
し
得
,
る
。
と
獅
¨
で
あ
中
る
。
な ス 号 > と り 符 為と
き
,
恥
%
い 1 な か が 理 で る22 第1章
2次
形式3
λl=為 =0の
とき 式(112)よ り (11つ 0 0 一 一 〓 S g 一叶
効
f り ヽ tである。
団
¨
のとき,
な の あ > に ヽ あ 0 + < に ヽ と な で 為 式 で は 九 為 式 4 5 (11つ と同様 に して λ2=0を
,切
〓
嚇
0
得
る
。
メ 上 を 9 一 , 0叶
勿
猪
・
<
f く t の 人 7 h ソ ー よ き 0 と 件 条 < の り激
易
2
<
0
準
る。
た
ぃ
ぃ
あ た ゝ ′ 式 で ま た 6 争g_s2<0 (118)
で あ る。逆 に条件 (118)の とき λlλ2<0で
あ るか ら,λl,λ2は異符 号 で あ る。 こ こで,入1>0,λ2<0と
して一般性 を失 わ な い。 以上か ら,P,9,Sの 条件 と行列 スの固有値の符号,∫(“)の型の関係を 整理 して表にまとめると以下のようになる。第1章
2次
形式 表 1l P,9,sの 条件,行
列スの固有値の符号,∫(“)の型の関係 つ 0 0 4 P,9,sの条件 ス の固有値バ″
)の型
争9_s2>0
p+g>0
λl>0
λ2>0
十型(∫ は正定値) 争g_s2>0
ρ+9<0
λl<0
λ2<0
一型(∫ は負定値)p=9=s=0
λl=0
λ2=0
0型 ■g_s2=0
p+g>0
λl>0
λ2=0
+0型
(∫ は半正定値) 争9_s2=0
p tt g<0 λl<0
λ2=0
―o型 (∫ は半負定値) ■9_s2<0
s2_争
gが平 方数 で ない λl>0
λ2<0
十一型 争g_s2<0
s2_争
αが 平 方 数 λl>0
λ2<0
十-0型
24
第
2章
フ ォー ドの 円
ここで は,フ
ォー ドの 円の定 義 を述 べ,そ
の性 質 につ いて述 べ る。特 に,フ ォー ドの 円 の ″軸 との接 点 はすべ て有理 数 で あ り,さ らに はその 接 点 として すべ て の有理 数 が現 れ る。 2。1
フオー ドの円について
フォー ドの円とは次のように段階的に構成される円の族のことである。 定義 2.1.1中 心のν座標が正で,″軸に接するような″ν平面上の円の族 を以下のように定めてい く。1ま
ず,半
径 :で,%軸
に(η,0)(η ∈Z)で 接する円をcと
し,c(η
∈ Z)を 第 1階の円と呼ぶ。このとき,Cと
Q+1は
互いに接 している。2第
1階の円のうち互いに接する2円cと
OL+1に ついて,cと
OЪ+1 と″軸に接する円α で,″ 軸 との接点(P,0)がη<p<η
+1と
な る円の を考え, こうして得 られる各円を第 2階 の円とする。3各
た∈Nに
ついて以下のように第 た+1階
の円を考えてい く。つま り,第
た階の円%と
第 1階 か ら第 た階の円 ら で,互
いに接する ものについて,%と
ら と″軸に接する円で ″軸 との接点(r,o)がp<r<9と
なる円の を考え,こ うして得 られ る各円を第 た+1階
の円 とす る。 (図21参
照) この ように して定 め られたすべての円の集 ま りをフォ… ドの円 とい う。 (図22参
照) フォー ドの円につ いての性質 を示すために少 し準備 を行 う。第2章 フォー ドの 円 図
21第
k+1階
の円 補題 2.1.2″ 軸 に接 し,か
つ,外
接 す る平面上 の2円を考 え る。(図23
参照)こ の2円の半径 をそれぞれR,rと し,″ 軸 と2円 との接点の ″座標 を χ,ν とす る。 この とき 4Rr=(π 一ν)2 が成 り立つ。 証明 図24の
ように2円の半径 の和R tt rを斜辺 とし,半
径 の差R一 r を高 さ,″ 座標 の差lν ― “│を底辺 とす る直角三角形 において三平方 の定 理 を適用 す る と,(R+r)2=(R_r)2+(ν
_″)2で ぁ り,こ れ を整理 す る と 4Rr=(″ ―ν)2 を得 る。□ 最大公約数 な どの基本 的用語 を確認 してお く。 定義 2.1.3整数 α,bについて,α
=b%と
なる整数 "がある とき,bは
αの 約数で ある とい う。αの正 の約数 のみを αの約数 とい うこともある。特 に すべての整数 は0の約数で ある。次 に, どち らかが0でない整数 α,α′に 対 して αの約数であ り,か
つ,α′の約数である整数の うち最大のものをα と″の最大公約数 という。特に0と α(≠ 0)の最大公約数はlαlである。整 数α,ろが互いに素であるとは,α とbの最大公約数が1であることである。また,次 の定理は既知とする。証明は
plを参照のこと。
定理 2。1.4整数 ″,ν が互 いに素であるための必要十分条件 は,あ
る整数 P,9を用 いてp″ +gν=1と
表せ ることであ る。 25第2章 フォー ドの 円 26
第2章 フォー ドの円 y=o 図
23x軸
に接 す る2円 図242円
の中心 を頂点 にもつ直角三角形 以上の準備 をふ まえて次 を示す。 定理 2。1.5フ ォー ドの円の族 において次が成 り立つ。1各
円の ″軸 との接点 は全 て有理点で ある。2接
点座標 を(:,0)(α,b∈Zで
,α とらは互 いに素)と す る と,円
の半径は券 となる。
証明 た階の円について定理が成 り立つ ことを たに関す る帰納法で示す。1た
=1の
とき 明 らか に成 り立つ。2た
<η の とき定理が成 り立つ と仮定 して,た =η+1の
ときを考 え る。つ ま り,円 Dを
第 η+1階
の円 とし,Dは
円 θ,α,″軸 に接 す る とす る。(ただ し,θ,α はη以下の階数 の円)θ,θ′が定理を満た す としてDも
また定理 を満たす ことを示せ ばよい。θ,α の接点座 標 をそれ ぞれ(:,0),(:,0)(α,b,C,α ∈Zで
,α とb,cと αはそれぞ れ互 いに素)と す る。 また,α>0,c>0,:>:と
して も一般性 を 失わない。 27第2章 フォー ドの円 図
25定
理214の
証明 まず円 θ とα に ここで,Dの
接点座標 を (t,0),半 径 をrと す る。 よ り, つ いて補題212
4× :菱戸 × 2c2==(: ―:)2
島 =(・ ≒ 子 生 )2 (αα―bC)2=1 となるが,:>:よ
り,αα―bc=1で
ある。また,円
θ,Dに
つい ても補題212よ
り 4× 茅 ×r=
で あ り, こオtよ り 2r =(αι―b)2 で ある。 同様 に円 α,Dについて補題212よ
り (21) 28 ヽ ︱ ′ ノ あ υ 一 α 一 / 1 1 \ 4× 」L× γ=(ι_:)2
2r=(α 一 α)2 つまり (22)第2章 フォー ドの円 で あ る。 この とき
,式
(21)と (22)よ り (αι_b)2=(α
_α)2 で あ る。 (a)αι一b=Cι ―αのとき ι=冠
であり l α>cの
とき円σ,Dの接点の χ座標の大小関係をみると α>0,c>0,αd―bc=1よ
り :一定
=望
荒等型
=静
も
>0
とな り,t<:<:で
不適で ある。 1l c>α の とき同様 に して αα―わc=1,α>0,c>0よ
り :一定
=型
毛穿型
=誰
も
<0
とな り,:<:<tで
不適である。 11l c=α の とき ιの解なしで不適である。 (b)αι
―
b=―
α
+αのときι
=:韓
であり
,α>0,c>0,α
α
―
bc=1
の とき=一
:=宅
鵠軍
=女
結
>0
:一==型
場寺型
=詰
も
>0
とな るので,石<留
<:を
満たす。 以上 よ り,求
め る円Dの
接点座標 は(:濯,0)で あ り,有
理 点で あ るこ と が示 された。 29第2章 フォー ドの円 30 2 / 1 \ / 1 \
六
昨
〓
2 ま 径 半 の D 円 に 次⇒にι
=器
を代入して
,× 争キ《―b)2 1 )2 =(t卜 ≡ 卜 )2 1 (α +c)2 つ ま り,γ=ボ
議 を得 る。 最 後 に,冠
が 既 約 で あ る こ とを示 す。実 際, α(α+C)+(―
C)(b+α)=αα+αC― Cb― cα =αα一bc=1
な ので,定
理214よ
り α+cと
b+α は互 い に素 で あ る。 以上 よ り,定
理215が
示 された。□ 有理数
:(た
だ し,α,わ ∈Z,α とらは互いに素)に
対 して,中
心の ν座 標が正で,″ 軸 と (:,0)で 接す る半径 券 の円を考 え, これ を θ(:)と書 くことにす る。 系2.1.6:<:で
あ る既約分数:,:(α,C∈ N,b,α ∈Z,α とb,cと αは 互 いに素)に 対 して次が成 り立つ。1:<留
<:で
あ る。2円 θ
(:)とθ
(:)が接するとき
,θ(伊誕
)は "軸,θ(:)とθ
(:)の 3 つ に接 す る。 証明 定理215の
証明 よ り明 らか。□ 補題 2.1.7既約分数:,:に対 し,θ(:)と θ(:)が接す るための必要十分 条件 は αα―
bc=±
1を 満 たす こ とであ る。 証明 θ(:)と σ(:)の半径 はそれぞれ 券 ,み であ り,接点の π座標 は ,,: であるか ら,σ(:)と θ(:)が接するとき,2円の半径 の和 券 十分 を斜辺 と し,半径 の差 茅 一み を高 さ,″座標の差│:一:│を底辺 とす る直角三角形 に第2章 フォー ドの 円
31
おいて三平方 の定理 を適用 す る と,(券
十 寡)2=(券
_券
)2+(,_:)2
で あ り,こ れ を整 理 す る と (αα―bC)2=1 αα―bc=±
1 を得 る。 また,逆
に αα―bc=±
1の とき, (αα―bC)2=1 α2c2_2αbcα+b2α2=1
であり,α2c2≠ 0ょ り,両
辺をα2c2でゎって整理すると α2 2bα ら2 1c2
αc +7=扉
ワ(:__:)2.(ラ
),一」♭
)2=(;),十
」♭
)27(:_:)2+(寡
_髪
,)2=券 +姦
とな り,2円
の中心間の距離 (左辺)が
半径の和 (右辺)と なるので,θ(:) とθ(:)は 接す る。□ 定理
215で
フォー ドの円はすべて θ(:)の形 に表 され ることを示 した。 逆 に,任
意の既約分数:∈Qに
対 して,σ(:)は すべて フオー ドの円の1 つであ るこ とを示 したい。 そのために次 の補題 を用意す る。 補題 2.1.8既 約分数 競(m,η ∈N,0<洗
<1)に
対して次の条件をみた すα,b,c,α ∈Zが
存在する。 lα,c,α>0, b≧
0, 0≦:<北
<:≦
1, αα―bC=1
2
γん=α+C,
η=ろ+α 証明 既約分数 荒に対してm,η は互いに素なので,定
理214よ
り η″ ―mν =1 (23) となる非負整数 ″,ν が存在 す る。νをπ減 らし,″ を 鶴 減 らして も式 は満 たされ るか ら,(23)は0<″
<鶴
の範囲で解 をもつ。(″=動
となること第2章 フォー ドの円 はない。実際,そのときηπ一πν
=π
(η―ν)=1と
なるからm=1と
な るが,0<角
<1よ
りそれはありえない。)その解を″=α,ν=bと
する。 このときηα―鶴b=1, 0<α
<mと
なる。このときわは,0≦
b<η
で ある。:と 者の大小関係は b η=b鶴
― αη=三 <0
α π απ απ より,五<荒
である。また,c=π
一α,α =η ―わとお くと, 小関係は α η竹ズη―
b)一η
(m―α
)
α
η―
bm
=満
>0
C m m(π ― α) これにより,:>者
を得る。最後に, m(π ― α) αα―bc=α(η ―b)一 b(π―α)=αη一b鶴=1
であるので,α,ら,c,α が条件をみたす。□ 定理 2.1.9任 意の既約分数 量
(0<角 <1)に
対 して接点座標(角,0)の 円 θ(洗)が フオド
の円に含まれる。 証明 π についての帰納法で示す。lπ
=2の
とき 円はσ(:,0)よ り明 らかに成立する。2π
<た の とき 定理が成 り立つ と仮定 してm=た
+1の
ときを考 える。 補題218よ
り,既
約分 数 武が0<万
≒<1)に
対 して,次
の条件 を 満 たす α,ら,c,α ∈Nが
存在 す る。 (a)α,C,α>O b≧
0, 0≦:<芦
<:≦
1, αα―bC=1
(b)た+1=α
tt c, η=b+α
αα―bc=1よ
り,:,:は
既約分数 で あ る。 また,た+1=α
+cよ
り, :,:の分母 は た以下。よつて,帰納法 の仮定 よ りα :),θ(:)は フオードの円に含まれる。さらに
,0≦ :<青
≒<:≦
1,α
α―
bc=1
より,補
題217か
らθ(:),θ(:)は互いに接 していて た+1=α
+
c, η=b+α
より,系 216の
2か らσ(:),θ(:)の間に階が大 きいフォードの円の
1つとしてθ転綺
)が現れる。
□
32 :と者の大
第2章 フォー ドの円 系2。1.10任 意の既約分数 競∈
Qに
対して,α
荒)はフオードの円に合 まれる。 証明 景∈Zの
とき,円
σ(角)は第1階の円となり,明
らかに成 り立つ。 π ≧2の とき,既
約分数 者∈Q(m∈
N,η ∈Z)に
対して,た ∈Zとη
′
∈
Nを
角
=た十霧
,か
つ
,0<霧
<1と
なるようにとる。θ
(霧)は定
理
219よ
リフォードの円に含まれ
,θ(湯)はこれを″軸方向にた平行移
動したものだから
,θ喘
)もフォードの円に含まれる。
□
2e2
まとめ
第2章か らわか った ことを定理 として ま とめ る。定理
2.2。1 1{フ
オードの円の全体}={θ
(:)│:∈Q}で ,特
にフォー
ドの円 と有理数 には自然 な全単射が存在 す る。2既
約分数 を,:∈Qに
対 して,α
:)と σ(:)が接するための必要十分 条件 は αα―わc=±
1を満たす ことであ る。3既
約分数 を,:,荒 ∈Q(α,C,m∈ N,b,α,η ∈Z)に対 して,:<景 <:
かつ,各
円 θ(:),θ(荒),θ(:)の どれもが互いに接するとき,π
=
α tt C,η=b+α
である。 証明 定理215,補
題217,系 216,2110よ
り明らか。□ 33
34
第
3章
基底 と超基底
この章では,格
子 の基底 を考察す る。0でない整数ベ ク トルで,"成
分 とν成分が互 いに素 とな るものを素ベ ク トル とい うが,格
子 の基底 を成 すベ ク トルはすべて素ベ ク トルで ある。そ して,2次
形式の値 を考察 す る には素ベ ク トルでの値が重要 とな る。実 は素ベ ク トルの全体 は有理数 の 集合 を媒介 に して フォー ドの円の全体 と一対一 に対応 す る。 3。1
格子の基底
2次元 のベ ク トル空 間R2の部分集合 としてZ2を考 え る と,Z2は
ベ ク トルの和 と整 数倍 につ いて閉 じて い る。Z2を ここで は格 子 とい う。 定義 3.1.lα,b∈ Z2とす る。任 意 の"∈ Z2に対 して π=pα+gb
とな るP,9∈Zが
存在 す る とき,2つ
のベ ク トルの組 α,bを格 子 の基底 と よぶ。 証明 α,bが格子 の基底で あ る とす る と が と ス υ ソ ﹂ ら す , た き 満 と を の 1 フ ﹂ 土 0 一 一 る ﹂ す の と 一 ヽ ︱ ノ めた
″
L
V
れ
,b〓
紳
紛
喘
一 一 必 α の 2 , め Z た ∈ る , b あ α で 。 ・ ・ 2 瓢 。 3 の る 理 子 あ 定 格 で > > b b b b < < Q の + 十 > > α α α α < < p p 一 一 〓 > > 1 0 0 1 < <第3章 基底 と超基底 35 ク トル の 式 を1つの行 列 の ::) であり
,両
辺の行列式をとると「‖
=LJほ
J
つま り,1=(α
lb2 blα 2)× (整数)とな るので,α lb2 blα2=±
1を 得 る。 逆 に, Qb2 blα2=±
1と Iケる と, 4任発iC)“= (;)
∈Z2にメ寸して p=続 鴻 =靱 とおけばπ=pα+9bを
得 る。 命題 3.1.3e.,c2が 格子の基底であるとき,い
は
っ 、 日 ﹁ J 7 2 b bわ
仁
ある 。 ︲> 〓劾
/・
μ
︲∩
V
∈ の Q と 2, る ″ め 2 と る ま な に と 式 □elと C2, e■ とe2, e■ と 一e2 も格子 の基底で あ る。
言正明
Q= (::),C2= (::)
とIケると, c.,c2カツ陸「モ子の現:力晨て,あ るの)・で,定理
312よ
りαlb2 α2bl=±1をみたす。e.と 一c2, e■ とe2, elと C2が格子の基底であるための条件 を調べ ると,それぞれ αlb2 α2bl=±1 で あ り条件 をみたすので,c.と
一c2, e■ とc2, C■ と一e2も格子 の基 底 で あ る。 □ き,C3= (e■
+e2)と お い ま, cl,c2 Clと C3につ と 一 一 に 題 と 明 格 ︿ 叩 く 証 が る と す る と すり
濾
第3章 基底 と超基底 図
31命
題314の
c.,c2,C3 い て αl( α2 b2) α
2( αl bl)=―
αlα2 αlb2+αlα2+α2bl = αlろ2+α2bl =±1 で あ り,同
様 にe2と e3につ いて αlb2 α2bl=±1に注 意 して ら1( α2 b2) b2( αl bl)=一
α2bl blb2+αlb2+blb2 =αlわ2 α2bl =±1 で あ るか ら,定
理312よ
りclと c3,C2と e3も格 子 の基 底 で あ る。 □ 定理 3.1.5o,b,c∈ Z2に対 して α とし,bと c,cと αが それ ぞれ格 子 の 基底 で あ る とき,c=士
(α tt b)ま た はc=土
(α一b)であ る。 証 明 α,bは格 子 の基 底 なのでc=pα
+9b(P,9∈
Z)と
表せ る。 この とき,P,9=±
1を示 す。 bl(pα2+gb2) b2(pαl+gbl)=pα2bl+9blわ2 pαlb2 gblb2 =P(α2bl αlb2) =土 p 36 つ が に c b と と b脚
て
,
る し動
鎌
ハ
﹁
副
ツ
コ
9 9 ン ﹂ 十 + るた
W
鷹
ψ
も
と
一
一
旦
る
綸
自
W
諄
聴
一 一 は の α て 子 い 格第3章 基底 と超基 底
37
で あ り,い
ま し,cが格 子 の基底 よ りp=±
1であ る。 また,同
様 にcと α につ いて も αl(Pα2+9b2) α2(pαl+gbl)=Pα2αl+9αlb2 pαlα2 9blα2 :9(αlb2 α2bl) :±9 で あ り,い
まc,α が格子 の基底 よ りg=±
1を得 る。□ 定義 3。1.6e.,c2,C3∈ Z2に対 して次 の条件 を満 たす とき,c.,c2,C3を 超基底 とい う。 l Cl,C2が格子 の基底
2 cl+c2+C3=0
この とき,命
題314よ
り,c2と C3,C■ とe3も 格子 の基底 となっている。 3。2 2次
形式の値の関係式
"∈ z2に 対 して,整
数係数 2次形式 ∫(")がどのような値をとるのかが 本論文のテーマであるが,実
はα,b∈ グ について,α,b,α +b,α ―bに 対する∫の値には関係がある。 議 “ に の フ 切 り 響 鶴 ∝ 劾 剛 は ス=も
う とお くと∫0)=%ス
“であつた。 このとき,",ν ∈R2に 対 して [",υ]=t"ス ν∈R
と定める。 この,",ν に[“,υ]を対応させ る写像R2×R2→ Rを
∫に対 応する双線型形式 という。 この とき,∫(“)=[π,"]である。 補題 3.2.21,1を 2次形式 ∫に対応する双線型形式 とする。このとき,次
の性質が成 り立つ。1“
,ν ∈R2に 対 して [",ν]=[υ,司2“
,υ∈
R2に対して レ十″
,ν]=[",υ]+[“′
,ν]第3章 基底 と超基底
38
3π
,ν ∈R2に 対 して レ,ν+グ
]=[“,υ]+[“,ν′!4",ν
∈R2,た ∈zに
対して Iた ",」 =l",たν]=ん[“,ν] 定理3.2.3∫ を整数係数の2次 形式とする。α,b∈ Z2に 対して ∫(α tt b)十 ∫(α ―b)=2{∫(a)十 ∫(b)} が成 り立つ。 証明 双線型形式の性質により,左
辺の∫(α +b),∫(α 一b)は以下のよ うに変形できる。∫
(α+b)=レ
+b,a7+bl=し
,a7+bl+[b,α tt bl=し
,α]+し
,b]+[b,a7]十 1b,bl =ノ(α)+∫(b)+2[α,bl ∫(α ―b)=[α ―b,α ―bl=し
,α ―bl十 [―b,α ―bl =[α,司十
[α,一bl十 [―b,α]十 [―b,一bl =ノ(α)十∫
(b)-2レ,b]よつて
,∫(α+b)+∫
(α―
b)=2{バ
α
)+∫(b)}が成り立つ。
図32平
行 四辺形OABC
□ 上の定理は,例
えば図32において,磁
,売
,お
,浦
の∫の値には関 係があ ることを意味 してい る。3。
3
包括ベク トル
定義 3.3。1“=
とνが互いに素 ∈z2が素ベクトルであるとは,π ≠0で,か
つ,″ ことである。 任意のベク トル “∈Z2は 素ベクトルPと 整数 たをもちいて π=り
と 表せ, このとき,∫(“)=た 2∫ (P)と なるので,素
ベクトルpで
の∫の値が すべてわかれば∫(π)の とり得 る値はそれらに平方数をかけた値 となる。 素ベクトルPに対 して ∫(P)=∫(―p)で あるから,土Pは"同じもの"と して考えたい。そこで次の定義を用意する。 定義 3.3.2素 ベク トル α,bについての2項 関係 ∼を α∼b⇔ α=圭
b と定めるとこの関係は同値関係 となる。素ベクトル全体の集合をこの同 値関係 ∼で割った商集合の元を包括ベク トル という。つまり,包
括ベク トル とは互いに逆向きのベクトルの組{α ,一α}で あり,これをaと 表す。 定理323よ
りα,b,α tt b,α ―b(た
だ し,o,b∈Z2)に
対す る ノの値 には関係が あ ることがわか ったが, この α,bが格子 の基底 の とき,命
題313,314よ
り 107とa7+b
2bと
α+b
3α
とα―b4bと
α―b も格子 の基底で あ る。 この ように素ベ ク トルにつ いて ノの値 の関係 と格 子の基底 の関係 には関連性が あ る。 これ を包括ベ ク トルの概念 を もちい て整理 してい く。 定義3.3.3a,3,aを
包括ベ ク トル とす る。a,3が
包括基底 で あ る とは, α,bが格子 の基底で あることをい う。命題313よ
り, この定義 はa,bの 代表元 に依 らない。また,a,3,aが 包括超基底であるとは
, 39 第3章 基底 と超基底O
餞
第3章 基底 と超基底
3aと
a
が それ ぞれ包 括基 底 で あ る こ とをい う。 定理3.3.4a,3が包括基底で,か
つ,a,3,aが
包括超基底であるならば, ε=α tt bま たはα―bで ある。 証明 定理315と
定義333よ
り明らか。□ つまり
,互
いに異なる包括ベクトルa,b,aα についてaと bとaお
よ び,aと
εとdが
包括超基底であるとき,c,α はα+b,α ―bと なるので, 定理323よ
リノ(α),∫(b),∫ (C),∫(d)には関係式が成 り立つのである。3.4
フォー ドの円への追加
形式的に∞ という元を
Qに
加え
, Q∪ {∞}=Q*
とす る。 また,∞
の既約分数表示 を:また は 子 と定める。(すなわち, ∞=:=千
とす る。)フォードの円にν
=1と
いう直線を加え
,この直線をθ
(∞)(または
θ
(:),θ(千))と表す。つまり
,フ
ォードの円全体は
{σ(α)lα∈
Q*}とな
り
,フォードの円と
Q*の間に自然な全単射が存在する。
以上 の追加 をふ まえて,定
理221が
拡張で きることを確か め る。 定理 3。 4。1 1既
約分数 :,:∈ Q*について,円
θ(:)と θ(:)が接 する ための必要十分条件 は αα―bc=±
1を 満たす ことで あ る。2既
約分数
:,:,:∈ Q*について
,θ(:),θ (:),σ(』)のどの
2円も接
するとき
,』 =告耗または』=卜
:(α,C,C∈ N,ら,α,ノ∈
Z)である。
証明1に
ついて,2円
の うち,1つ
が θ(∞)の ときのみを示す。つ ま り, θ(:)=θ(∞)の 場合 を考 え るので,c=0,α
=1と
す る。 いま,C(:)と
θ(:)が接す るとす ると,σ(:)は第1階の円で,α=1を
得 る。 この とき, 40 → 0 ︿ C レ ﹂ ﹂ c ︿ α ︿ λ υ l 2第 3章 基底 と超基底
41
αα―わc=1×
1-b×0=1で
ある。また,逆
にαα一bc=α ×1-b×0=±
1 のとき,α=±
1で あるので,θ(:)の半径が:と な り,σ(:)と σ(:)は接 する。(c=0,α=-1と
しても同様である。) 次に,2を
示す。3円 のうち,1つ
が θ(∞)であるときとそうでないと きで場合分けする。lθ
(∞)を含むとき
,残
りの
2円はη∈
Zをもちいて
,θ(f)とθ←
#)
と表 され るの で, η+l
η+1 1 (η
+1)一 η η (η+1)-1
1 1+0' 0 1-1 ' 1 1-0
より3円 のどれが θ(1)に相当しても主張は正 しい。2θ
(∞)を含まないとき,:<:<:と
すれば,定理221よ
り:=留
である。また
,:<:<:と
すれば,:=:響 となるが
,部
も既約
(定理215の
証明の最後を参照)であるから,α=c+C,b=ノ
+α より,c=α
一C,∫=b―
αなので:=冠
となる。他の大小関係の ときも同様 で あ る。3.5
フオー ドの円 と素ベク トル
と表 す。 こ とを考 え る。 (ただ し,︿↑
澄
る。
を 応 あ ル 対 で 卜 を き飢
ば
,
包
括
け
咋
一 一 き ν π て α と の し の フ ﹂ 対 1 こ r ︲ ︲ L る こ 0 1定理
3.5。1上
記の対応
{包括ベクトル
}→
Q*は全単射である。
証1月│;│=│三
;│に対 して 静=毒
で以あるか ら上1言己C)'吋淀ヽはwell―deflned である。 任意 の α∈Q*に対 して, αを既ぷリタ)]枚で 労とすれヤゴ l;│が αに文lり芯す るので,こ の対応 は全射 で ある。第3章 基底 と超基底 また
,任
意 の とすると, {フォードの円
}←→呻 ←→
{包括ベクトル
} θ(α)
αa
上の図式で
{フォードの円
}と Q*の対応および
,Q*と {包括ベクトル
}の対応が全単射であるから,{フ ォードの円
)と {包括ベクトル
}の対応
も全単射となる。このとき,次 が成り立つ。
定理 3.5。2 1α
,b∈ Q*についてa,ゎ が包括基底であるための必要十 分条件は,円
θ(α)と θ(b)が接することである。2α
,b,c∈ Q*についてa,b,aが包括超基底であるための必要十分条件 は,円
θ(α)と θ(b)と σ(C)が互いに接することである。 証明 1を示す。α=勢,b=多
とす ると,定理312よ
りa=LI「
=LII
が包括基底で あるための必要十分条件 は″ν′一″′ν=±
1であ り,定
理341
よ り円 θ(α)と σ(b)が接 す るための必要十分条件 もまた ″ν′―″′ν=±
1 で あるか ら主張が従 う。 2について は,包
括超基底の定義333お
よび 1よ り明 らか。□ 42 グ フ 〓 ν 一 π て し 対 ソ ﹂ ” 油 y ″ ″ y . . 上 上 オ な 以 フ に
43
第
4章
トポグラフ
与 え られた2次形 式が素ベ ク トルに対 して どの ような値 を とり得 るか を考えるために,す
べての包括ベク トルについて,包
括基底,包
括超基底 の関係 を図に表 す こ とを考 え る。 その ような図が トポグラフで あ る。 こ の章で は トポグラフを用 いて,十型の2次形式の とり得 る値 を調べ る。ま たその過程で, トポグラフの もつ性質 も明 らか に してい く。 4。1
トポグラフについて
定理 4。1.1互いに接す る3つの円o,o,の
があ る。 この とき10と
の の共通接線2の
との の共通接線3の
との の共通接線 は1点で交わ る。 図411点
で交 わ る共通接線 (定理411)
第4章 トポ グラフ 証 明 図
42の
よ うに3円の中心 をそれ ぞれ ス,3,θ とし, 径 をそれ ぞれP,9,rと す る。 この とき スB=p tt g, 3σ =g tt r, θス=r+p
で あ る。 よって (41)を P,9,rにつ いて解 けば θA+ス
B一 Bθ p= 2 ス3+3θ
一θス g= 2 3θ tt θス ー スB
r= である。 図42定
理411の
証 明一方
,三
角形ABθ の内心 を 」,Iか
ら三角形 スBθの各辺Bθ,θA,スB
に下 ろ した重線 の足 をL,ν,Ⅳ とす る。 この とき
,図
43の
よ うに p′=ス
Ⅳ=スν 9′=3Ⅳ =BL
r′=0ルf=θL
とすると,スB=ノ
+g′,3σ =g′ 十γ′,θス=r′ 十P′ なので 44 また3円の 半 (41) (42) (43) ノ=
ゲ=
〆=
第 4章 トポグラフ
45
となる。このことから(42)と (43)よ り,Iか
ら三角形 スBθ の各辺に下 ろした垂線はQと
め,0と
C,Cと
の の共通接線に一致する。よっ てすべての共通接線は三角形 スBσ の内心で交わる。□ 図
43三
角形 スBθ と内心f 上 の定理411を
ふ まえて, トポグラフ とい うものの構成 を以下 に述 べ る。 定義 4。1.2θ(∞)も含 めたすべての フォー ドの円において1
それぞれの包括超基底 (a,aの(α,b,C∈ Q*)に対 して θ(α),σ (b),σ(C) の共通接線が交わる点を(a,ら,の に対応する頂点という。a,ら,∂のい ずれも∞ と異なるときはそのような点の存在が定理411よ
りわか る。a,b,∂のいずれかが∞ のときも図44よ り明らかであろう。 C((n+1)/1) 図 44a,b,ε のいずれかが ∞ の とき第4章 トポ グ ラフ
2定
理334よ
り,そ
れぞれの包括基底a,3に対 して(a,aの が包括超 基底 となるようなεは2つ ある。それをa∂ とする。この とき頂点 の定め方からθ(α)と θ(b)の共通接線は(a,b,の の頂点 と(a,b,σ)の 頂点を通 る。この2つ の頂点を結ぶ線分を超基底(a,b)に対応する 辺 という。3そ
れぞれの包括ベク トルaに 対 して(a,の が包括基底 となる3は 無 限にある。辺の定め方からそれらの包括基底に対応する辺はすべて θ(α)に接する。この ときθ(α)を aに 対応する面 といい,単
に面a とも表す。 以上の頂点 。辺・面の全体をトポグラフ という。 このように トポグラフ とは包括ベク トルの全体 とその間の基底 という関係を図に表 したもので, 無限個の頂点 と,辺 ,面
から成 る。 トポグラフの一部を図45に
示す。 実際には図45の
幾何学的な形状は重要ではな くて,頂
点や辺のつなが り方が重要である。特に, どの頂点に対 してもその頂点につながる辺は 3つ ある。実際,(a,ら,の に対応する頂点には(a,b),(b,0,(aa)に対応す る辺がつながっていて,その間にa,b,aに対応する面がある。そのつなが り方の局所的な状況を図にすれば図46の
ようになる。(ただ し, トポグ ラフに閉路があるか どうかなどの大域的性質はまだ明らか とは言えない。 これについては後述する。) 今後は, トポグラフを中心に議論を展開するので,文
脈だけでは誤解 を招きやすい場合を除いて,包
括基底,包
括超基底を単に基底,超
基底 と呼ぶことにする。 トポグラフは無限個の頂点をもつグラフと考えることができるが,グ
ラフに関する用語をまずい くつか用意する。 定義 4.1.3頂 点 民のが隣接するとは,民
のをつな く゛辺があることをい う。辺elと辺 e2が端点を共有するとき,θlと e2は隣接するという。頂 点Pが
辺cの端点であるとき,eは Pに
接続 しているという。頂点 と辺の交互列POθlPle2 Cπ
Rが
あつて,各
辺e2が各頂点 民_1と民 をつなく゛辺であるとき,こ の交互列 POelPle2 Cれ 見 を歩道 という。歩 道はしばしば辺を省略 して
POPI Rと
も表す。歩道PoPl
几 で,特
にP。,Pl, ,鳥
がすべて異なるとき,歩
道POPl
島 は道であるとい う。また, この ときηを道の長さという。 一方,無
限に続 く頂点 と辺の交互列 λlθOPOelPle2 において 民 がすべて異なるとき, 21θ
OPOclPle2 は無限の長さの道 という。 4647 第4章 トポグラフ