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ぺた語義:新しいスキル標準体系を活用した人材育成 -iコンピテンシ・ディクショナリ(試用版)の公開-

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Academic year: 2021

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(1)解説. 基応 専般. 新しいスキル標準体系を活用した 人材育成 ─iコンピテンシ・ディクショナリ(試用版)の公開─ 秋元裕和 (独)情報処理推進機構(IPA). 新しいスキル標準について. ディクショナリの登場. IPA( (独)情報処理推進機構)HRD イニシアティブ. さらに IPA は,企業等における IT 利活用やビジネ. センターは近年のクラウドに代表されるサービスビジネ. ス環境のさまざまな変化を踏まえ,IT 人材育成にお. スの台頭,Web ビジネスの進展などビジネス環境のさ. けるスキル標準の在り方について検討した.その結果,. まざまな変化を踏まえ,これからの IT 関連ビジネス. これまでの 「CCSF 追補版」で示してきたタスクモデル・. に求められる業務とそれを支える人材の能力や知識を. スキルモデル・人材モデル等のコンテンツを 「タスク (業. 「タスクディクショナリ」 「スキルディクショナリ」として体. 務)」と 「スキル (業務遂行に求められる個人の能力や知. 系化し,企業戦略など目的に応じた人材育成に活用で. 識)」に区分整理し, 「iコンピテンシ・ディクショナリ」. きる 「iコンピテンシ・ディクショナリ (試用版)」を 2014. の試用版として 2014 年 7 月 31 日に公開した.図 -1 に. 1). 年 7 月 31 日に公開した .以下に紹介する.. スキル標準体系の変遷を示す. 「iコンピテンシ・ディクショナリ」では,システムイン テグレータなど従来からのビジネスモデルを始め,新. スキル標準の経緯. 時代に求められる情報セキュリティやクラウド,デー. 経済産業省は,IT 関連のスキル標準として 2002. タサイエンティストなどのタスクやスキル,役割分担例,. 年に「IT スキル標準(ITSS)」,2005 年に「組込みス. 職種等を新たに追加した.また, 「3 つのスキル標準」. キル標準(ETSS) 」 ,2006 年に「情報システム ユーザスキル標準(UISS)」を公開した.その 後 2008 年に 「3 つのスキル標準(ITSS,UISS,. ITSS 3つの スキル 標準. 枠組みを整理した「共通キャリア・スキルフレー 後 IPA は 2012 年に「CCSF 追補版」を公開し, 産業界における IT 人材共通の育成や評価等の. キャリアフレームワーク. キャリアフレームワーク. スキルディクショナリ. ETSS) 」と「情報処理技術者試験」の共通の ムワーク(CCSF) 」の第一版を公開した.その. UISS. 機能・役割定義. スキル基準. タスク・スキル. CCSF追補版. 参照. CCSF への 展開 参照. l タスクの拡張 l スキルの新設 l 広範囲な参照元. (SLCP,ITIL ,試験,BOK系等) など. 成を支援してきた. 今後 の 活用. l 大企業・中小企業・組織(各種スキル指標等) l 個人( IT 資格・試験等) l 学校等教育機関(教育プログラム) など. 図 -1 スキル標準体系の変遷. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. キャリアフレームワーク. 人材モデル(類型). CCSF第一版. 指標として活用促進を図ることで IT 人材の育. 196. ETSS. 拡充. 活用. i コンピテンシ・ ディクショナリ.

(2) 新しいスキル標準体系を活用した人材育成─iコンピテンシ・ディクショナリ(試用版)の公開─. システム要件定義・方式設計 運用設計. DV-020. ハードウェア・ソフトウェア製品導入. DV-130. ファシリティ設計・構築. ル. US-010. サービスデスク. US-020. IT運用コントロール. 利 活 用 評 価 ・ 改 善. US-030. システム運用管理. US-040. Webサイト運用管理. US-050. ファシリティ運用管理. EV-010. システム評価・改善. EV-020. IT戦略評価・改善. EV-030. IT製品・サービス戦略評価・改善. EV-040. US-060. CM-050. CM-040. CM-030. CM-020. CM-010. MC-070. CM-060. デ ー タ サ イ エ ン ス. DV-120. サービス マネジ メント. イ ク. 標 準 の 策 定・維 持・管 理. ソフトウェア保守. 調 達・委 託. 移行・導入. DV-110. 再 利 用. DV-100. マ ー ケ テ ィ ン グ・セ ー ル ス. システムテスト. サ. 人 的 資 源 管 理. Webサイト開発. DV-090. コ ン プ ラ イ ア ン ス. DV-080. フ. 契 約 管 理. イ. 組込みソフトウェア開発. 品 質 マ ネ ジ メ ン ト. ソフトウェア製品開発. DV-070. 内 部 統 制 状 況 の モ ニ タ リ ン グ. アプリケーションシステム開発. 事 業 継 続 マ ネ ジ メ ン ト. DV-050 DV-060. ラ. 情 報 セ キュリ ティマ ネ ジ メ ン ト. 移行設計 基盤システム構築. プ ロ ジ ェ ク ト マ ネ ジ メ ン ト. 開 発. DV-030 DV-040. DV-140. 新 ビ ジ ネ ス・新 技 術 の 調 査・分 析 と 技 術 支 援. DV-010. MC-060. システム企画立案. MC-050. IT戦略策定・実行推進. PL-020. MC-040. IT製品・サービス戦略策定. PL-010. MC-030. ST-020. ③推進・支援. ②管理・統制 MC-020. 企画. 事業戦略把握・策定支援. MC-010. 戦略. ①計画・実行 ST-010. 事業戦略評価・改善支援. EV-050. システム監査. EV-060. 資産管理・評価. 図 -2 タスクディクショナリ. や「情報処理技術者試験」に加えて,国際規格適合の. ❏❏タスクディクショナリ. 共通フレーム 2013 を始め ITIL や PMBOK など IT. タスクディクショナリは,共通フレーム 2013,ITIL. 関連の 15 のプロセス体系,知識体系 (BOK)との参照. V3,ESPR Ver2.0 等のプロセス体系を参照して整理. 性を確保しており,内容についても大幅な拡充を図っ. 統合し,構築されている.. ている. これにより各企業・組織は 「iコンピテンシ・ディ. タスクは大分類 (約 50 分類),中分類 (約 200 分類),. クショナリ」 に用意された豊富なコンテンツから,各企業・. 小分類(約 500 分類)および評価項目 (約 2,000 項目). 組織のビジネス戦略や人材育成ニーズに合わせたタスク. で構成されている.利用者はすべてを把握する必要. とスキルの選択が可能となる.これまでの「CCSF 追補. はなく,まずは大分類で活用し,利用者にとって必要. 版」 に比べて索引機能も充実しており,より容易に目的に. 性が高い特定のタスクのみ中分類へと深堀して活用す. 即したタスクモデル・スキルモデルを作成することができる.. ればよい.以下,小分類や評価項目の扱いも同様で,. また各企業・組織が「iコンピテンシ・ディクショナリ」. 必要に応じて活用すればよい.図 -2 にタスクディクショ. を活用しやすくするための解説書と活用ツールを同時に. ナリの大分類を示す.. 公開した.解説書では「iコンピテンシ・ディクショナリ」. タスクは次の 3 つのタスク群に分類される.. の仕組みや活用方法を解説している.活用ツールは各. ①計画・実行. 企業・組織が目的に応じたタスクモデルを定義するため. ②管理・統制. のもので,経営目標をベースにした自社のタスクモデル・. ③推進・支援. スキルモデルの策定から,自社の人材育成目標を具体. またタスクディクショナリには,自タスク (自組織で利. 化するまでの一連の作業を効率的に行うことができる.. 用するタスク)策定のためにタスク一覧から取捨選択 する際にタスクの理解を助けるための参考情報として,. ディクショナリの構成. 「タスクプロフィール」が用意されている.. 「iコンピテンシ・ディクショナリ」を構成している 「タ. ❏❏スキルディクショナリ. スクディクショナリ」と「スキルディクショナリ」について. スキルディクショナリのコンテンツは,3 つのスキル. 以下に説明する.. 標準や CCSF 追補版の知識体系を始め,図 -3 のスキ 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 197.

(3) ※ 企業固有スキルは,個々の企業が自社のビジネスや業務の遂行に必要なスキルを独自に定義する.. 狭. 利用対象領域. ビジネスインダストリ/企業活動/法規・基準・標準. ③ 関連 知識. 広. 参照元. ⑤企業固有スキル(ビジネス・関連業務) ※. ②テクノロジ 戦略分野. 市場機会の評価と選定 マーケティング 製品・サービス戦略 販売戦略 製品・サービス開発戦略 システム戦略立案手法 コンサルティング手法 業務動向把握手法. 支援活動分野. 品質マネジメント手法 リスクマネジメント手法 ITガバナンス. ・CCSF BOK (IPA) ・ITSS V32011 (IPA) ・ITS (IPA). 組込み・計測・制御. ・UISS Ver.2.2 (IPA). 組込み技術(基礎,構築,利用) ディジタル技術 ヒューマンインタフェース技術 マルチメディア技術 グラフィック技術 計測・制御技術. 要求分析手法 非機能要件設計手法. アーキテクチャ設計手法 ソフトウェアエンジニアリング手法 カスタマーサービス手法 業務パッケージ活用手法 サービスマネジメント サービスの設計・移行. ・情報処理技術者試験 午前の出題範囲 (知識体系)(IPA). ITサービスマネジメント業務管理技術 ITサービスオペレーション技術 システム保守・運用・評価 障害修理技術 施工実務技術 ファシリティ設計技術 サポートセンター基盤技術. システムアーキテクティング技術 システム開発管理技術. 企画分野. 利活用分野. 保守・運用. 開発. システム企画立案手法 セールス事務管理手法. 実装分野. システム(基礎,構築,利用) ソフトウェア技術 Webシステム技術 データベース技術 プラットフォーム技術 ハードウェア技術 ネットワーク技術. 名称(発行団体). ・ETSS 200 8(IPA) ・J07(情報処理学会) ・SABOK (日本ITストラテジスト協会). 非機能要件. データマイニング手法 見積り手法 プロジェクトマネジメント手法. ・SWEBOK 2004 (IEEE/ACM). 非機能要件(可用性,性能・拡張性) セキュリティ技術(基礎,構築,利用). ・PMBOK 第4版(PMI). 共通技術 IT基礎 ナレッジマネジメント技術. サービスマネジメントプロセス サービスの運用. ・ITIL V3 (itSMFJapan) ・SQuBOK 第1版 (日本科学技術連盟) ・CBK ((ISC)² Japan). 資産管理手法 ファシリティマネジメント手法 事業継続計画. システム監査手法 標準化・再利用手法 人材育成・教育・研修. ①メソドロジ. など. ④ITヒューマンスキル. 創造力/実行・実践力/コミュニケーション力. 低. 図 -3 スキルディクショナリ. 高. IT固有性. ルディクショナリ構成図の右欄に示すさまざまな知識体. ❏❏タスク評価・スキル判定. 系 ( BOK)を参考に,IT 関連業務の遂行に必要なスキ. 定義したタスクの遂行力を診断する基準として,. ル・知識を集約した幅広いものとなっている.. タスク評価の診断基準(ランク 0 ~ 4 の 5 段階)が定. スキルは,スキルカテゴリ (5 分類),スキル分類 (約. められている.. 90 分類),スキル項目(約 400 項目),知識項目(約. また対象となるスキルの保有状況を診断する基準と. 8,000 項目)で構成されている.タスクと同様に,利. して,スキル熟達度判定基準(レベル1〜 7 の 7 段階). 用者はこのすべてを把握する必要はなく,まずはス. が定められている.. キル分類で活用し,必要性が高い特定のスキルのみ スキル項目へと深堀し活用すればよい.以下,知識 項目も同様の活用でよい.. ディクショナリの活用. スキルカテゴリは,IT ビジネス活動のさまざまな局. iコンピテンシ・ディクショナリの活用視点として想. 面で発揮される次の 5 分類よりなる.. 定している形態を以下に示す.また図 -4 にそれらの. ①メソドロジ. 活用視点の位置付けを図示する.. ②テクノロジ ③関連知識. ❏❏組織戦略を示す指標として. ④ IT ヒューマンスキル. 企業等のビジネス組織は経営戦略や事業計画をもと. ⑤企業固有スキル. に,将来を踏まえて求められる活動内容およびそれに必. スキルディクショナリには,3 つのスキル標準等で定. 要な実行能力を明らかにすること,すなわち組織戦略の. 義されている職種・専門分野,人材像,人材モデル. 明示が必要である.この実現のためには,組織戦略の. をスキルディクショナリのスキルと組み合わせ,職種と. 要件をもとに自タスクを定義し,それらを役割として組み. して定義した 「職種×スキル対応表」が用意されている.. 立てるというiコンピテンシ・ディクショナリの基本思想が. これは,個人・組織が習得すべきスキルを特定する場. 有効である.具体的には次のプロセスで適用する.. 合などの参考情報として活用できる.. (1)要件分析:自組織の経営戦略や事業計画などに 基づき,ビジネス目標の達成に必要な組織や人材. 198. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015.

(4) 新しいスキル標準体系を活用した人材育成─iコンピテンシ・ディクショナリ(試用版)の公開─. るために,どのような組織機能が必要になるのか. ための評価項目や判定基準を設定する. (5)試行と確定:設定した自タスクと,評価項目,役割, 診断基準等を検証する.. ❏❏スキル習得評価の指標として. iコンピテンシ・ ディクショナリ 活 用 充 実. (4)評価項目判定基準策定:自タスクの遂行力を測る. 活用. 定し,タスクを遂行するための役割を定める.. 【1】 組織戦略を示す 指標として. 充実. (3)自タスク・役割定義:組織機能を自タスクとして確. 【3】 市場動向を示す指標として 用 活 実 充. を具体化する.. 市場変化に応じた実践的スキルを重視する視点. 【2】 スキル習得評価の指標として. 市場で共有する人材定義の視点. (2)タスク分析:企業・組織がビジネス目標を達成す. 個別戦略に基づいて設定する人材定義の視点. に関する要件をまとめる.. 共通に求められる普遍的スキルを重視する視点. 図 -4 iコンピテンシ・ディクショナリの活用視点. . 「スキル習得評価の指標」としての活用も,スキルディ. IT 人材個人や,その能力向上を目指す組織では,. クショナリの各スキルと各教育機関が提供する研修カ. スキルディクショナリにより対象スキルを特定し,その. リキュラムとの連携を明らかにするなどで,すでに始. 保有状況の把握や向上に取り組むことができる.さら. まっている.情報処理技術者試験とスキルディクショ. には,特定したスキルがどのような種類のタスクの遂. ナリの関係や,本会で推進されている次期カリキュラ. 行力を高めることにつながるのかを類推する素材とし. ム標準 (J17)との整合性確保に向けた活動も始まろう. て利用するなど,スキル習得評価の指標として活用す. としている.学会関係者には,高度 IT スキル保有者. ることができる.. のコミュニティ活動等を新たに運営いただき,スキル. また学校等の教育機関は,スキルディクショナリの. ディクショナリの最新化や改訂の方向性提示を牽引し. 各スキルと各教育機関が提供する研修カリキュラムと. ていただけるとありがたい限りである.. の連携を明らかにすることで,企業・組織および個人. 今後に期待される「市場動向を示す指標」について. の双方にスキル向上の機会を提供することができる.. は, 「組織戦略を示す指標」や「スキル習得評価の指 標」と連携しながら,IT 関連市場を牽引する位置づ. ❏❏市場動向を示す指標として. けとなり得る.産官学の主要プレイヤにより,すでに. 「組織戦略を示す指標」を企業グループや業界団. それぞれの得意分野での市場動向等を示す指標がさ. 体等で構築し,将来予想を反映すれば,IT 人材市. まざまな形式で提示されていると推測されるが,それ. 場ニーズを示す指標となり得る.また「スキル習得評. らにiコンピテンシ・ディクショナリを活用いただけれ. 価の指標」も教育,学会,研究等の関連機関などで. ば,IT 関連のタスクとスキルを中心に指標間のコンテ. 構築し,近年,重要視されているスキル等の傾向を. ンツの一貫性や整合性を保つことができる.その結果,. 反映すれば,技術動向を示す指標となり得る.これ. IT 関連市場の可視化に大きく貢献できると確信してい. らの 「市場動向を示す指標」としての活用はこれからで. る.産官学の主要プレイヤを始め多くの皆様にiコンピ. あるが,産学官の主要プレイヤのご協力を得て,ぜ. テンシ・ディクショナリを活用いただき,ともに IT 関. ひ実現したい活用法である.. 連市場の活性化を目指して励んでいきたい.. 今後の課題. 参考文献 1) IPA の Web サイト上での 紹介ページ,http://www.ipa.go.jp/ jinzai/hrd/i_competency_dictionary/index.html (2014 年 11 月 10 日受付). 「組織戦略を示す指標」としての活用はすでに幾多の 実績があり,IPA の Web サイトや事例集等でも紹介さ れている.だがこの活用法はビジネス成果を前提として いるので,学会等でのアカデミックな活用はそぐわない.. 秋元裕和 [email protected] 1978 年に富士通(株)へ入社し,金融機関をお客様とした SE 業務 に従事.2005 年より人材開発業務に従事.2012 年に IPA へ異動し, 現職(IT 人材育成本部 HRD イニシアティブセンター長).. 情報処理 Vol.56 No.2 Feb. 2015. 199.

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