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センターレポート

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(1)

ISSN  0915‑7565 

N a g a s a k i  U n i v e r s i t y  I n f o r m a t i o n  S c i e n c e  C e n t e r  

センターレポート

一第 17 号一

‑研究における計算サーバの利用

特 集 .www を使った部局からの情報発信

一抽出〓空

同 刑 判 釧

耐 悼

マョ~.t'tt~)

長 崎 大 学

総合情報処理センター

1 9 9 8  

(2)

1  .巻頭言

センターレポート第 17 号によせて

総合情報処理センタ一長 黒 田 英 夫

kuroda~ec.nagasaki-u.ac.jp

本号のセンターレポートを手に取られて、「体裁が変わったな

J

とお気付きのことと思います。知 何でしょうか。皆様に気に入っていただければと思っております。

近年のファイリング技術の進歩により、あらゆる分野で、各種資料や冊子のサイズの統一化がうた われております。サイズとしては、ほとんどの分野でA会化が進められています。そこで、平成9年 度広報部会センターレポート編集委員会でも、センターレポートのA 4化の提案がなされ、今回の改 訂の運びとなりました。

さて、サイズの次は表紙のデザインです。「センターレポートの表紙は緑色に黄色の線」という特 徴を継続させるという考え方と、 A 4化を機に一新する考え方が出されました。これまでのセンター

レポートの表紙も、とってもスッキリしていて、私は大変気に入っていました。しかし、既に 16巻 発刊されており、そろそろ変えても良い頃ではあります。そこぞ、新たなデザインとすることとし、

おもて表紙には、その号での特集の内容を示す見出しを付け、読者の注意を引き、少しでも多く読ん でもらえるように工夫しました。また、裏表紙には目次を載せ、掲載項目を調査する時などに、ペー ジをめくることなく調査できるようにしました。さらに、センターに要望等がある時の連絡に便利な ように、裏表紙の裏のページにセンターの業務案内を掲載するようにしました。できるだけ多くのご 愛読をお願い致します。

総合情報処理センターでは、平成9年度から、希望する全ての学生に対してIDを発行しておりま す。全学における利用者数は、学生が

2

5  9  6

名、教職員が

1

3  9  6

名、教育利用が

1

9  6  9 

名にまで達しており、今後ますます拡大していくものと思われます。来る21世紀の情報化社会にお いては、一人一人の人が、情報リテラシィ技術を自由自在に利用できるようになっておくことが重要 です。大前研一氏は、このことを、世界の情報を覗くための眼鏡を体の一部にしておくことが重要で あると言っています。長崎大学の全ての学生および教職員が、情報リテラシィ技術を自由自在に利用 でき、世界の情報を覗くだけでなく、自ら情報発信を行い、そして世界の中の長崎大学となることを 期待しております。このため、総合情報処理センターではできる限りのお手伝いをする所存であり

ます。

しかしながら、総合情報処理センターで、は今端末室の維持確保で、問題を抱えております。これま で、一般情報処理演習を行うための端末室として、全学教育棟の

207.208

室を使わせて頂いて おりました。さらに、全学教育の目玉のーっとして取り上げられている一般情報処理教育の充実のた めに、総合情報処理センターの増築がなされるまでの仮住まいとして、地域共同研究センターの一室 を端末室として借用しております。しかし、これらの端末室も、環境科学部および工学部の改組のた め明け渡しを要求されております。

上述したように、全学の学生および教職員が情報リテラシィ技術を身につけるための設備を提供す るためには、これらの端末室に代わるスペースは是非とも必要なものです。ネットワークや端末の異 常時の迅速な対応のためにも、現在の総合情報処理センターの近くでの増築を切に希望する次第で す。全学のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

(3)

2 . 投稿

SSL2 との訣別

工学部構造工学科

修 行 稔 (shugyo@st.nagasaki‑u.ac.jp) 阪上直美 (sakaue@st.nagasaki‑u.ac.jp) 1  はじめに

富士通製汎用計算機は永らく長崎大学の主機に座にあったが、平成93月にその任を解かれたO 大学の計算業務の大方を担ってきた汎用機に代わって設計思想のまったく異なる UlllX機が主機にな るのであるから、大学全体に大きな混乱が起こることが予想されたが、その心配をよそにこの大転換 は平穏裡に進んだように感じられる。

これはもちろんセンターのご努力に負うところが大きいのは言うまでもないが、そのほかの要因の ーっとして数年前からの大学各所への UlllX機の浸透が挙げられようounix機にもさまざまあるが、

汎用機の主な仕事であった数値計算を自前の計算機に移行させようとするとき、 FORTRANの互換 性の点で富士通が08とFORTRANコンパイラを提供している 8UNの製品が選択されたであろうこ とは想像に難くない。汎用機とはエディタもコンパイルや実行のさせ方も異なるものの、 FORTRAN で組まれたソフトウェア資産がわずかな修正で走る、とりわけ科学技術計算用サブルーチン 88L2を 呼んでいるソースにほとんど何の手も加えずにすむことが、数値計算主体のユーザに実感されある程 度認知されていたのではなかろうか。

筆者は二十数年にわたって富士通製汎用機上で仕事をしてきたが、その間科学技術計算用ライブラ リを 88L2からほかのものに変えたいと思ったことはほとんどないO これには筆者の実生活が投影さ れているのかもしれない。センターの主機の汎用機から UlllX機への転換も、 88L2の継続的存在の保 証がなければこれほど自然に賛成できたかどうか疑わしい。 88L2はあって当たり前、という人生を 筆者は送ってきたのである。

ところが平成9年の半ばに至ってにわかに暗雲がたちこめてきた。構造工学科共通の数値計算サー バの08格上げに伴う 88L2ライセンス契約料問題が表面化したのであるO ピーク時の同時使用人数 を余裕をもってカバーしようとすると、大学向け料金と言えどもかなりの金額になる。無理をすれば 振る袖がないこともなかったが、当時すでに学科内で88L2の使用者は少数派になりつつあって各教 官への研究費一部拠出提案も持ち出しにくく、つまり袖はもはや綻んでいたのである。金の切れ目が 縁の切れ目であった。

今は富士通製Fortran90をコンパイラとし、 NUMPACの一部を科学技術計算用サブルーチンとし て使っている。 88L2の代わりとして海外製品なども試用したが、 8PARC station 20と日本語801aris 2.5.1 +Fortran90ではいずれも演算速度や使い勝手の点で不満が残り採用には至らなかった。本稿は 似たような立場におられる方への情報提供を意図した一文であるが、 88L2への感謝と惜別の思いを 込めて表記のような題名とした。以下に阪上直美が経過を報告する。

(イ│多行記) 2  事情

構造工学科では、学科共通管理のワークステーションで、構造解析数値計算処理を行っているO 言語 処理系は FUJIT8UFortran90(他に 8UNFORTRAN77)が標準であり、科学技術計算用サブルーチ

4

(4)

ンライブラリとして富士通88L2を使用してきたが、平成9年9月の08レベルアップを機に、ソフ トウェアライセンス契約料等の理由により 88L2の使用を廃止した。 88L2に替わるライブラリとし て幾つかの数値計算ライブラリをテストしたが、ユーザプログラムの変更の容易さや計算精度の評価 などを考慮の上、 NUMPACを採用することに決した。 NUMPACは、二宮市三先生(元中部大学教 授、名古屋大学名誉教授)監修のもと、名古屋大学をはじめとする学術機関の先生方によって開発さ れた数値計算ライブラリである。このNUMPACの中から 22個のルーチンを作成者から無償でご提 供いただいた。当学科ではこのソースプログラムを単精度および倍精度用サブルーチンとしてコンパ

イルし、システムライブラリとして運用している。

3 経過

3.1 

NU

1PACソースプログラムの入手

平成9年6月の時点で、中京大学情報科学部情報工学科教授秦野やす世先生が

www

上↑1 で NUMPACの情報を公開しておられたが、 ftpでのファイル転送は未公開であったためe‑mailで問い 合わせることにした。しばらくして提供個数の制限付きでよければ、との但し書きはあったが提供ご 承諾の返事が届いた。必要とするサブルーチンについて学科内でアンケートをとり、最終的に 22個 のサブルーチンと 25個のスレーブサブルーチン、合わせて47個のソースプログラムをご提供いただ いた。

3.2  インストール

NUMPACをインストールした計算機システムの概要は以下のようである。まずハードウェアが、

本体8PARCstation 20 Model H814、メインメモリ 128MB、ハードディスク 8GB、ソフトウェアは 08が8un80ft日本語801aris2.5.1、言語処理に FUJIT8U Fortran90と8PARCwor ks Professional  Fortran version 3.0.1 (FORTRAN77準拠)。提供いただいたソースファイルは次のような形式であっ た。 (1)一個のファイルに複数個のサブルーチンが含まれている。 (2)73から 80桁の部分に行番号が付 いている。 (3)各サブルーチンの一行目のコメント文字列に規則性がある (1桁目から C#NUMPAC#、 10桁日からサブルーチン名)。

ソースプログラムはほとんどが単精度ルーチンであった。 Fortran90にはコンパイル時のオプショ ンで単精度実数を倍精度実数として処理する仕様があったがFORTRAN77にはこれがなく、作成者 のご了解を得てプログラムを以下のように書き変えた。 (1)型宣言文implicitreal*8(A‑H,O‑Z)を 追加。 (2)定数のE形式を D形式に変更。 (3)定数の指数部の4およびー7をー16に変更。 (4)組込み 関数と外部関数を倍精度関数に変更。 (5)call文のサブルーチン名を倍精度用サブルーチンに変更。

これらのソースプログラム群を Fortran90(コマンド名frt)とFORTRAN77(コマンド名f77)でコ ンパイルしてオブジェクトモデユール(ファイル名:サブルーチン名.0)を作成した。 Fortran90によ るコンパイルの際に一つのスレーブサプル}チンで一件の iレベルエラーメッセージ(警告)が表示 されたが、ほかには特に問題は生じなかった。作成したオブジェクトモデュール群をコンパイラ別に ディレクトリに集め、システムライブラリとしてインストールした。 NUMPACへの移行後約半年を 経ょうとしているが、今のところユーザからのクレイムは出ていない。

4  まとめ

88L2から NUMPACへの移行に伴う計算精度の劣化や各教官所有のプログラム修正時のトラブル が懸念されたが、 NUMPACは88L2と親和性が高く移行は思いのほかスムーズであった。ただ長時

http://hatagtr.lalab.sccs.cl

円 ︒

(5)

聞の計算をほかの計算機でやらせようと思うと、長大センターの主機にはNUMPACが入っていない ため九大に送らざるを得ない。センターにも NUMPACが入ればなーと考えているO

最後になったが、 NUMPAC導入に際し貴重な週末の時間を割いていただいた秦野やす世先生はじ め、情報をお教えいただいた方々のご厚意に感謝の意を表したい。また、本稿に関しより詳細な情報 が必要な方は阪上までご連絡賜りたい。

‑ 4 ‑

(6)

計算機を利用した分子進化系統樹の作成

医学部生化学講座 中 山 享

f0539~cc.nagasaki-u.ac.jp

1  はじめに

総合情報処理センターからユーザのセンタ一利用事例紹介の寄稿依頼がございましたので、私がセ ンターの計算サーバをどのような研究に利用しているかについてご紹介したいと思います。

題名にもありますように、私は主にEFハンド蛋白質め分子進化系統樹を作成するためにセンター の計算機を利用しています。 EFハンドとは、 2本のヘリックス (Eヘリックス・ Fヘリックス)とそ の問にはさまれたカルシウム結合ループとからなる立体構造単位のことで、 1972年に Kretsinger

らによって立体構造が決定されましたパルプアルブミン(筋肉細胞内に存在するカルシウム結合蛋白 質)で最初に見いだされました。 Kretsingerはこの構造が細胞内カルシウム結合蛋白質の構造モチー フの一つであると予測し、 EFハンドという名称、を与えました。この構造を彼がEF ハンド"と呼 んだ理由は、右手の人差し指と親指を伸ばしてあとの3本の指を曲げたときに、 Eヘリックスが人差 し指に、 Fヘリックスが親指に相当すると考えたからです。このEFハンド構造をもっ(もしくはア ミノ酸配列からEFハンド構造をもっと考えられる)一群の蛋白質をEFハンド蛋白質と呼ぴます。

EFハンド蛋白質にはカルモジュリンやトロポニンCのようにカルシウムを結合するものもあります が、なかには骨格筋ミオシン触媒軽鎖のようなカルシウム結合能のないものや生理的機能が明らかで ない蛋白も存在します。なぜカルシウム結合能がなくてもEFハンド構造と判定できるかと申します と、 EFハンド構造は立体構造上の特徴のみならず、アミノ酸配列も非常に特徴的であることが知ら れており、 Kretsingerによって下のような目安が示されているからです。

ループ一一一一一一

一一一一

‑E

ヘリックス一一一一一 Fヘリックス一一一一 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2   1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9   E n 

*  * 

n n 

*  * 

Z G 

I ‑X 

*  * 

‑Z 

*  * 

n n 

*  * 

典型的なE Fハンドはこのような29残基からなっています。 l残基目の E"、 15残基目の

G"

17

残基目の

I

"は、これらの位置にそれぞれグルタミン酸

( E )

、グリシン

( G )

、イソロ イ シ ン (I )がくることが多いということを示しています。また、 n は、この位置に疎水性残基 が多いことを示しており、 X,Y, Z, ‑ X, ‑Z, #はカルシウムを配位する残基の位置を示して います。このアミノ酸配列の目安を用いて、今日まで500近くのEFハンド蛋白質が見いだされて きました。私は 1989年から 92年にかけて Universityof VirginiaのKretsingerのもとでEFハ ンド蛋白質の分子進化についての研究に従事し、さらに長崎大学に帰ってからもセンターの計算機を 用いてEFハンド蛋白質の分子系統樹を作成してきました。ここでは、私たちがEFハンド蛋白質の アミノ酸配列データを用いて分子系統樹を作成した方法について順を追って説明したいと思います。

系統樹作成法には、最大節約法、近隣結合法など種々の方法があり、計算プログラムも現在まで 多数開発されていますが、私たちは主として最大節約法の原理を採用して、共同研究者の Goodman

hu

(7)

(Wayne State University School of Medicine)の研究室で開発された一連のプログラムを用いて計 算しました。これらのプログラムはすべてFORTRAN言語で書かれておりまして、総合情報処理セ ンターの計算機にインストールして使用しています。系統樹作成法には、また、入力データとして各 蛋白質問の進化的距離を計算してできる距離行列を用いるものと、配列そのものを用いるものとがあ り、最大節約法によるプログラムは後者に相当します。私たちは、 (1)距離行列を用いる方法で初期 系統樹を作成する、 (2)初期系統樹を出発点として分枝交換法により枝の長さの合計が最小となる系 統樹を探索する、という手順で系統樹を作成しました。以下に系統樹作成手順の各段階をもう少し詳

しく説明したいと思います。

2  系 統 樹 作 成 の 手 順 1) 配列データベースの作成

アミノ酸配列データから分子系統樹を作成するには、まず全ての蛋白質について正しくアラインさ れたデータベースを作成しなければなりません。つまり、長い進化の過程で様々な箇所に挿入や欠失 が起こっていると考えられますので、何らかの基準によってこれらの位置を判定し、入力データベー ス中の全蛋白質のアミノ酸残基を全長にわたって正しく対応させる必要があるのです。このアライン メントが正しく行われていないと蛋白質問の進化的距離の計算や祖先型配列の推定が正しく行われ ず、結果として誤った系統樹を作ってしまうことになりますo

EF ハンド蛋白質は 2~6 個の EF ハンドドメインをもっています。幸い EF ハンド構造には上記

の目安がありますので、 E Fハンドドメイン同士のアラインメントは比較的容易です。ところがE F ハンドドメイン以外の部分の配列は多様性に富み、アラインメントが困難なことも多くあります。そ

こで私たちは各E Fハンドドメインおよびドメイン間の配列を分離して扱うこととし、こうしてでき た部分構造をフォルダーと呼びました。つまり、例えばカルモジュリンのように4つのE Fハンドド メインをもつものはドメイン 1,2,3,4がそれぞれフォルダー 2,4, 6, 8に対応し、ドメイ ン間の配列がフォルダー3. 5.  7に対応するのです。また、もし 4つのドメインのN末端部および C末端部にさらに配列があるならば、それらはフォルダ‑1およびフォルダ‑9となります。このよ うな手順で全E Fハンド蛋白質のアミノ酸配列のアラインメントを行い、データベースを作成しま した。

2)距離行列の作成

アラインされた2つの蛋白質のアミノ酸配列を比較することで進化的距離を計算することができま す。データベースの全ての蛋白質についてこの距離を計算して作成された距離行列は系統樹作成プロ グラムの入力データとなります。私たちは系統樹作成の第一段階として、 MMDというプログラムで 各蛋白質問の進化的距離を計算し、距離行列を作成しました。

上に述べましたように、 E Fハンド蛋白質のアラインメントはE Fハンドドメイン部については比 較的容易ですが、ドメイン間のアラインメントは非常な困難を伴います。そこで、私たちはドメイン の配列のみ(つまり偶数番号のフォルダーのみ)を用いて計算を行いました。

3)初期系統樹の作成

MMDによって出力された距離行列を用いて、次の段階で最大節約法による系統樹を作成するため の初期系統樹を作りました。最終的な系統樹は、後述しますように、初期系統樹のトポロジーに大き

向 ︒

(8)

く影響されますので、私たちはUPGMAおよびFTEという、異なるアルゴリズムに基づく 2つのプ ログラムを用いて、 l組の配列データにつき 2種類の初期系統樹を作成しました。

‑4)最大節約法に基づく系統樹の作成

こうしてできた2種類の系統樹を初期系統樹として、最大節約法に基づく系統樹を作成しました。

最大節約原理によりますと、枝の長さの総計が最小のものが最良の系統樹とされます。アミノ酸配列 データと系統樹が与えられますと、枝の末端(操作的分類単位 (operationaltaxonomic u~t , OTU) 

と呼ばれます)から順次結節部(仮想的分類単位 (hypotheticaltaxonomic unit

, 

HTU)と呼ばれま す)の配列が推定され、枝の長さはその両端の配列から計算されます。私たちが用いたSWAPlとい うプログラムは、入力データとしてアラインされたアミノ酸配列データと初期系統樹とを必要とし、

系統樹の各枝の両端の配列を比較してアミノ酸置換数か伝それに必要な最小の塩基置換数を計算して、

その総計をスコア (NRscore(nucleotide substitutions that cause amino acid replacements))とし ます。そしてさらに 1サイクルあたり l組ず、つ枝の交換を行って新しい系統樹を作成し、そのスコア を計算します。こうしてできた新しい系統樹のスコアが前の系統樹のスコアより大きいか、もしくは 同じであればプログラムが停止します。 SWAPlは通常せいぜい30サイクルくらいで停止しますの で実際上は初期系統樹からの変化はそれほど大きくはなく、 SWAPlで出力される最大節約系統樹は 初期系統樹のトポロジーにかなり依存しているといえます。つまり、 SWAPlはスコアが最小の系統 樹を最良と判定しますが、それは局所的な最小値であって、真の最小値ではないかもしれません。も

ちろん、考えられる全てのトポロジーについてスコアを計算すれば真の最小値が得られるのですが、

2 0個ほどのOTUを用いた場合でも 10 20以上の可能なトポロジーがあるとされておりまして、現 実的ではありません。私たちはこのSWAPlの他にSWAP8というプログラムも用いましたが、これ は80TUまでであれば全ての可能なトポロジーに対するスコアを計算することができるものです。

80TUの場合は 10,395個の系統樹のスコアを計算することになります。

上に述べましたように SWAPlの結果は初期系統樹のトポロジーに依存しますから、 UPGMAと FTEによって計算された2種類の系統樹でほぼ結果が決まってくることになります。そこで、どの 様にして単なる局所的最小値ではなくできるだけ真の最小値に近いスコアをもっ系統樹を探索するか が大きな問題になってまいります。この問題は計算機の力のみでは解決できませんでした。つまり、

私たち自身が計算結果を検討して、最良として選択された系統樹のトポロジーを手作業で変更し(こ れは系統樹の入力ファイルをエディターで一部書き換えることによって可能です)、それを初期系統 樹として SWAPlで再計算させたのです。また、 SWAPlの入力系統樹は特定の分岐点から先のトポ ロジーを固定するという操作が可能ですので、この機能を用いて枝の固定を行い、 OTUを8個まで 減らすことができます。この操作を行いますと SWAP8による計算が可能となります。私たちはこの

ような計算を多数繰り返すことによって最も妥当と思われる系統樹を得ることができました。

5)枝の長さの計算

以上のようにしてスコアが最小となる系統樹が得られましたら、 LADというプログラムを用いて 系統樹の枝の長さを計算しました。 LADは各HTUの祖先型配列と系統樹内の各枝の長さを推定す

ることができます。

以上のような手順でE Fハンド蛋白質の系統樹を作成しますと、 EFハンド蛋白質がいくつかの グループに分けられることがわかります。私たちはこれらのグループをサブファミリーと呼んでいま

‑7 ‑

(9)

す。この、蛋白質のアミノ酸配列データを用いた計算から導かれたサブファミリーは、カルモジュリ ン、トロポニンC、ミオシン軽鎖など、生化学者による蛋白質の機能に基づいた分類とよく一致して います。各サブファミリー内のアミノ酸配列を比較してみますと、同じサプファミリーに属する蛋白 質問士ではドメイン部だけではなくドメイン問でもアラインメントが可能なことが多いことがわかり ました。そこで、私たちは、全E Fハンド蛋白質についてドメイン部のみを用いた系統樹を作成した 後に、さらに各サブファミリーにつきまして、全配列を用いた系統樹をも作成しました。

3  おわりに

私たちは以上述べましたような方法を用いてE Fハンド蛋白質の分子進化を研究してまいりまし た。この研究には計算機の利用は必須です。現在までに開発された系統樹作成プログラムにはマッキ ントッシュやIBM互換機などのパソコン用のものも多くありますが、 E Fハンド蛋白質のように何 百ものデータを用いる計算はパソコンレベルでは不可能と思われます。 1990年に Kretsingerらの 最初の論文が出されたときには 150あまりだったデータ数も今では約500にまで増加しておりま す。現在はデータベースの整備中ですが、今後は最大節約法以外の系統樹作成法の使用も検討しなけ ればなりませんし、また、作成した系統樹の信頼性に関しても統計的に検討を加えなければならない と考えておりまして、現在そのための適切なプログラムを探しているところです。系統樹の信頼性の 検討に関しましては、最尤法という特定の統計モデルを用いる方法や、ブーツストラップ法というア ミノ酸配列をランダム化して特定のトポロジーの再現率を計算する方法などを考えていますが、いず れも膨大な演算を要することから、ますます大きな計算能力が必要となってきています。

私はこの

EF

ハンド蛋白質の分子進化の研究のために、上述の

SWAPl

など以外にも、

FASTA

PHYLIP

PAML

など様々なプログラムを総合情報処理センターの計算機にインストールさせてい ただきました。これらのプログラムのインストールに際しましては、総合情報処理センターの鶴先生 をはじめ職員の方々に多大なご助力をいただきました。最後になりましたが、ここで改めて感謝の意 を表させていただきたいと思います。

‑ .8  ‑

(10)

教育学部からの情報発信

長崎大学教育学部附属小学校 守同 附属中学校

楠木良浩 (kusuki@net.nagasaki‑u.ac.jp) 江 口 武 (t‑eguchi@net.nagasaki‑u.ac.jp) 森 淳 (atushi@net.nagasaki‑u. ac.jp)  同

附属養護学校 上回文啓 (bunkei@net.nagasaki‑u.ac.jp) 技 術 教 育 講 座 藤 木 卓 (t升グiki@net.nagasaki‑u.ac.jp) 1 .教育学部ホームページの概要

長崎大学教育学部として情報発信を開始し たのが 1997年 1月である.直接的なきっ かけは,学内 LANの ATM化 と 前 後 し て

www

サーバに使えるワークステーション の運用権が学部に移ったことである.ちょう

どホームページ開設の気運が高まりを見せて いた時期でもあり,大きな問題もなくオープ ンすることができた.

現在のところ,学部のページと附属小学校,

附属中学校,附属養護学校のページがオープ ンしている.まだ,完成されたページとは言 えない部分もあるが,開設準備から現時点ま での運用の範囲内における取り組みや課題等 について,組織毎に紹介をさせていただくこ

とにする.

2.教育学部での情報発信への取り組み 2.  1 教育学部でのネットワーク運営・

管理体制

学部内における基幹的なネットワーク及び ホームページの運営や管理は, fLAN運営委 員会j と言う組織により行われている.ネッ トワークの運営・管理に関して専用の委員会 組織を構成した背景には,専門家集団がいな いという学部の事情によるものが大きかった ように思う.情報コンセントの整備をはじめ 様々な事柄について,委員会の構成員が学び ながら処していったわけである.それが,結 果的にネットワークやホームページ開設を学 部全体の課題として考えることにつながった

ものと思われる.

情報発信の原則は,発信者(あるいは発信 組織)が自らの責任において自らの手で行う

ことである.

2.  2  情報発信に伴う諸課題

発信する情報としては,①教育学部そのも のの概要や沿革,学部長挨拶等に関する事務 的な情報公開の部分,②学部・大学院,附属 学校,附属センタ一等の紹介に関する組織か らの情報公開の部分,及び③教育学部構成員 が個人として情報発信する部分の3つに分け られている.①の事務的な情報発信について は,事務官の関与が欠かせない.しかし,短 期間での人事移動が予測される事務職員がど こまで関わるかは,難しい問題である.②の 学部内組織からの情報発信は,まだ一部の組 織からしか行われていない.発信したくても そのための技術がなかったり,技術を持つ人

・はいても情報の更新や管理に時間が割けない というのが実状である.このように厳しい条 件の中,附属学校3校と附属教育実践研究指 導センターが情報発信を行っているのは頭が 下がる.③の学部内構成員による個人として の情報発信は,組織を離れた個人レベルでの 研究紹介や研究成果の公開に役立っている.

現在のところ,福田正弘氏による社会科教育 関連情報の発信,近藤寛氏による地学に関連 する情報発信,中原豊氏による中原中也に関 する情報発信が行われている.個人で発信可 能な形態ではあるが,人的・時間的な問題か ら発信者がなかなか増えないのが課題である.

( 藤 木 卓 )

‑ 9 ‑

(11)

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制作中

附属小学校のホームページ 図 2

1

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教育学部のホームベージ

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附属養護学校のホームページ 図4

10  附属中学校のホームベージ

図3

(12)

3. 附属小学校での情報発信への取り組み 3.  1  ホームページ開設までの経緯

附属小学校にコンヒoュータ一室が完成し,

児童用 2 0台,教師用 2台のパソコンが導入 されたのが 1996年の4月である.ちょう どその年から,本校では「生活体験学習」を スタートさせた.

r

生 活 体 験 学 習 」 と は 創 造的思考力J

r

自己形成心J

r

社会性」の3つ の資質や能力を総合的に拓く学習である.つ まり,教科では補えない「生きてはたらく力J を体験的に学習させようというものである.

各学年,年間4 0時間を使い,国際,環境,

福祉,情報の4つを学習の窓口とし,土曜日 の1・2校時に取り組んでいる.

6年生では,この4つの窓口を選択性にし,

自分の希望する活動を 1年間続けることにし た.そこで,情報を選択した6年生37名で

「学校の楽しい様子を全国の人に知ってもら おう」というテーマのもとホームページ作成

を開始した.

本校では,まだサーバーを立ち上げていな いので,教育学部のサーバーにファイルを置 いていただき, 1 997年 1月より公開して いる.なお, 1 997年からは 6年生に加 え,パソコンクラブの子どもたち (4年 生

6年生)も,ホームページ作成に取り組んで いる.

3.  2  ホームページ管理体制

ホームページの管理にあたっては,情報教 育係2名と 6年担任の情報担当 1名の計3名 で

ないのでで、,ホームページの管理自体は簡単な のであるが,パソコンを操作できる人材の不 足を感じている.そこで,パソコン研修会を 開いたり,個人的に相談に乗ったりしながら 人材育成に努めているところである.

3.  3  成果と諸問題

子どもたちがこの学習で学んだ成果は次の 通りである.

①パソコンの操作技能がとても上達した.ま た、パソコンに触れてからまもないが,特に絵 を描く技能は大人の発想や技能を遥かに越え ている.また,文章の入力も,最初はキーの 配列にとまどってなかなか作業が進まなかっ たが,今ではスラスラと打てる子が増えた.

②子どもたちが,情報を集めて表現する喜び,

情報を発信する楽しさを感じている.学校紹 介のホームページを作るということは,自分 の学校を見つめ直すことである.取材をする 中で,まだよく知らなかったことに気づいた り,取材したことをどのように表現すれば,

全く知らない人にも伝えることができるかを 工夫したりすることができた.

次に,問題点である.

①情報量及び相手意識の問題である.子ども たちはレイアウトの段階では,絵や写真を大 きくして派手なページを作りたいと考えるが,

それでは,情報量が大きくなりすぎて,見る 側にとっては,非常に困るということになっ てしまう.また,ホームページは,見る人が 不特定多数であるため,明確な相手意識を持 たせることが難しい.

②作成に時間がかかる.子どもたちが情報を 収集し,記述するため,完成するまでに時間 がかかり,公開もどうしても 1月頃にずれこ んでしまう.

③個人情報の公開の問題である.ホームペー ジを公開することで,子どもが犯罪に巻き込 まれてはたいへんで、ある.そこで,子どもの アップの写真は載せない,名字は載せず名前 だけにするなど一応の基準を設けて作成して いる.個人情報をどの程度まで公開してよい のかについては,これからも考えていきたい.

(楠木良浩)

14 

E4

(13)

4.附属中学校での情報発信への取組み 4.  1  ホームページ開設に当たって

1997年 1月,教育学部のホームページが 開設され,その直後から,附属学校園の 1

として本校も早急に情報発信の体制作りを進 めなければならないという声が立ち上がった。

そこでまず,そのためのプロジェクトチーム を 組 む こ と か ら 取 り か か り ホ ー ム ペ ー ジ を作ろう会Jと称して 7人がそのメンバー となった。しかし,コンビュータの知識はあ っても,当時,ホームページ制作の知識を持 っている者は 1人もおらず,そのための情報 収集と研修を重ねることを確認して夏休みが 過ぎていった。

そういった中,メンバーの 1人が,民間の

www

サーノくから発信する個人のホームペー ジ制作を手掛けたことを契機に,一気に開設 への気運が高まり

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工事中」の文字を残し ながらも,ょうやく 12月に開設の運びとな った。

4.  2  ホームページの内容構成

現在,本校のホームページには,学校の概 要,施設紹介,生徒会,学校行事,研究内容,

各教科,部活動,正課クラブといったコーナ ーを設けいている。しかし,上述したように,

そのほとんどがまだ制作中であり,ホームペ ージと呼ぶにはほど遠いものばかりである。

内容の充実が急務とされるところである。

4.  3  ホームページの管理体制

さて,ホームページは1度制作すればそれ で終わりというものではないことは周知のと おりである。常に新たな情報を発信していく ことが使命とされる。そのためには,管理体 制を確立しておくことが大切である。開設問 もない現在に至っては,先のメンバーの 1部 の者だけで作業を進めており,この状態では 負担が大きく,長続きしないことは明白であ る。そこで,本校では,新年度から情報担当 を校務分掌の中に位置づけることが検討され ている。そして,その担当者を中心にメンバ

ーを再編成し,例えば,各教科のコーナーは まさしく当該教科で内容を構成し,制作及び 更新作業を進めていくようにしたいと考える。

もちろん,縦横の共通理解を図りながら行う ことは言うまでもない。さらに,年次的にメ ンバーを入れ替え,担当者の異動にも十分備 えていきたい。

4.  4  課題と今後の展望

内容構成については,独善的にならないよ う,内多方面の方々から意見を拝聴しながら制 作を進めていきたいと考える。先だって,附 属小の先生から貴重な御意見を電子メールで いただいた。内容は,画像の枚数やそれにか かる容量に絡む通信速度に関わるもので,ま

さに受信者の立場としてのものであった。情 報を発信・することだけにとらわれ,一般の電 話回線利用による受信者への配慮に欠けたこ とへの御指摘はたいへん感謝に絶えない。今 後の課題とさせていただきたい。

また,今後は,生徒個人や育友会のコーナ ーなども設け,生徒や保護者にとっても,楽 しく役に立つものにしていきたいと考えてい る。そのためには,本校教官と生徒,保護者 の三者の協力体制をどのように作っていくか が大きな課題である。

さらに,具体的な課題として,掲示板機能 を載せたいと考えている。そのきっかけとな ったのは,開設直後に送られてきた卒業生か らの電子メーノレで、あった。以前から,卒業生 からのホームページ開設の要望が口伝えで届 いてはいたが,開設と同時にその反応があっ たことについては驚きとともに大きな喜びで あった。こうしたインタラクティブなやり取 りがホームページの発展に,ひいては学校の 活動の発展につながると考える。制作に至る 課題は山積しているが,研修を積むことで克 服し,できるだけ早急に実現したいと考えて し1O

今,新たなホームページ制作への夢を抱い ているところである。

( 江 口 武 , 森 淳)

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(14)

5.  附属養護学校の情報発信への取り組み 5.  1  ホームページ開設までの経緯と現状 附属養護学校においては, 1 9 9 6年 3 月末までに環境が整備された. 1 996年4 月からコンビュータの利用が始まったが,現 状は教材としての利用が主でインターネット

を利用しての積極的な発信はまだこれからの 課題である.

1 996年4月'"'"'1997年3月の 1年間,

小,中,高の各学部の教官5名でコンビュー タプロジェクトを立ち上げた.プロジェクト においては先行研究を元に,知的な障害のあ る子どもたちのコンビュータ利用の可能性を 提言としてまとめた.このプロジェクトの提 言から知的障害養護学校におけるコンビュー タ利用について一定の方向性を得ることがで きたと考える.この提言の中に情報発信に関 することも含まれていた.プロジェクトのホ ームページについての提言では,先行する養 護学校のホームページを参考に本校で発信す る必要のある内容を検討したものであった.

1 997年4月当初にプロジェクトの提言 を受けて管理部においてホームページの作成 に取り組んだ.現在の本校のホームページの 構成はプロジェクトの提言を骨子としている.

各ページの具体的内容は,できていないため,

現在公開に至っていない.そのため現在公開 中のホームページは表題のみが表示されてい

る状態である.

5.  2  ホームページの管理体制

1 996年4月から校務分掌の中の管理部 がコンピュータを管理し 1997年4月から ホームページの管理も行うようになり現在に 至っている.管理部の構成メンバーは小・中・

高の各学部から 1名ずつの3名で構成されて いる. 3名とも HTMLを知らないので,ホ ームページをワープロ感覚で作成するアプリ ケーションソフトを利用している.

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サーバーへのデーターの転送は 1名が行って し1る.

5.  3  情報発信にともなう課題

本校における情報発信は前述のように,ま

だ未熟な状態である.本校が積極的な情報発 信をしていくためには,現状では次の三つの 課題がある.

まずーっは,本校教職員の情報発信に対す る認識を育てることである.多くの職員は,

ワープロはイ吏うがコンビュータは使っていな いのが現状である.そのためインターネット 上での情報に接する機会が少なく,情報発信 の必要性を認識するに至っていないと考えら れる.情報発信に対する職員の認識を変化さ せるためには,先進校の実践や実践例をコン ヒ。ュータ上で見たりする機会を持つことが必 要であろう.情報発信が学校の情報公開とし ての当然の実践であると実感できれば,自ず と職員それぞれが手持ちの情報を吟味レ情報 発信をするようになると考える.

二つめは,各ページの具体的内容を検討し 決定し公開するまでの手順や手続きが暖昧な ことである.どこがどのページを担当し,原 案を作成し,どのように検討して,どのよう な手続きで実際に公開していくのが,組織的 な手順や係を明確にする必要がある.具体的 には各ページの具体的内容を校務分掌の各係 や各学部で検討後,原案を管理部がホームペ ージに作成していくような方向が望ましいで あろう.

三点目は,ホームページの係が3名ともコ ンピュータやインターネットに関する基礎的 な技術的知識を持たなかった点である.この 点に関しては,係の自己研修が必要である.

また,学内外の人的資源を活用する具体的な 方法を考えることも必要と思われる.

5.  4  情報発信に関する今後の展望 先進校においては情報発信をきっかけに,

他校とのメールを使った交流や共同作業(コ ラボレーション)等が実践されている.

本校においては,まず,各ページの内容を 作ることが必要である.具体的には,各分掌 の係や各学部ごとにそれぞれの責任において それぞれのページの原案を検討し管理部でペ ージとして試作することが必要である.

(上回文啓)

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E

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熱帯医学研究所ホームページ く作 成 と 特 色 >

熱帯医学研究所・環境医学部門・疾病生態分野 大 渡 伸

(email: ohwatari@net.nagasakiuac.jp) 

熱帯医学研究所のホームページの作成を 19  9  6 年 1 月 10 日から始めた。当時、大喜先生 (現在、九州大学)の教室で開設してたホームページを見て、研究所のホームページの作成にっ て田井村先生(環境科学部)と話し合ったのがきっかけである

o

作成に当たり、我々が注目した のは、来訪者に対する当研究所の案内書として、昭和

52

年から随時改訂し毎年発行されている

「長崎大学熱帯医学研究所」である。

現在、当研究所は 3 大部門 13 研究分野 2 附属施設から構成されている。この案内書が無かっ たら、各研究分野からホームページの作成委員を選出し、各部門の意見を集約したレイアウトを 決め、原稿を集める煩雑な作業から始めなければならなかった。この作業は、各教室の様々な事 情があり、研究所全体のホームページ作成で、最も時聞がかかり、作成後も不満が残る事が多かっ ただろう。更に大きな学部になると、ホームページ作成の成否は、この作業に左右されるのでは ないだろうか。しかし、各教室に作成も含め自由裁量とすると、未完成の教室が含まれ、作業は 楽であるが、"作成中"の文字が散在する、穴だらけのホームページとなってしまう。当研究室 のホームページ作成が比較的短期間に出来たのは、案内書として発行されている「長崎大学熱帯 医学研究所」の存在が大きく貢献している。

作成に当たり、 「長崎大学熱帯医学研究所」の数ページについて田井村先生と共にレイアウト を決め作成し、後は我が研究所のホームページであるので、研究の合間に 1人で、行った。当時、

本研究室の必要性から購入した、イメージスキャナ,文字読み取りソフト

(OCR)

を使用した。し かし、

OCR

の読み取りエラーが多く、約 1/3 はキーボード入力となってしまい、当時の

OCR

完 成度は低かった。私にとって初めての経験でもあり、 23 頁にわたる文字と 32 枚の写真を入力 し、校正するのに

3

週間かかってしまった。本年は、学生の全面的協力で更新ができた。また、

伝送スピードに関する難点から、第 1頁にキリマンジャロの景色を載せていたが外す事となった。

本研究所は、長崎大学の附置研究所で、熱帯医学の研究を行っている。発展途上国からの研修 生

(J

1  C  A 集団研修コース) ,熱帯医療従事者(熱帯医学研修課程),医学部大学院生の教育 も行っているが、研究が主体である。従って、各教室のホームページの内容は、現在の研究内容 が主体となっている。また、熱帯医学の研究所であることから、熱帯地へ赴き原地で行う研究の

占める割合が大きい。上記の点から、他学部のホームページと違いが出てくる。

写真でホームページの一部を紹介する。

(1) 

1  9  9  3 年、分子構造解析分野が、熱帯性ウイルス病の資料と研究のための、 WHO 協力セ ンターに指定され、 1 994 年に行われた関所式典の一部である。

( 2 ) マラリアは、熱帯地で猛威をふるい、未だ 3 億人が感染し、 100 万から 200 万人が犠牲 となっている。蚊が媒介し、日本では熱帯地への旅行者が感染し帰国する症例として見受け られる。この写真は、マラリアの研究を行っている、感染細胞修飾機構分野の研究成果であ

‑ 14  ‑

(16)

る 。

(3)

ケニア・クアレ地区で、寄生行動制御分野が行った、バンクロフト糸状虫症対策プロジェク トの原地調査である。現在、約 9 , 000 万人が感染していると推定されて、陰嚢水腫の症 状が現れる。象皮病も近系の糸状虫症として観察される。

(4)

蚊は、多くの熱帯病を媒介する。蚊の発生率は、その年の病気流行を推測する重要な指標と なる

O

東南アジアで行われた蚊採取の様子である

o

熱帯病資料情報センターには、専門分野でなくとも、興味深い多くの資料・標本が展示されて います。是非、日本では唯一つの熱帯病研究所へ見学に来てください。

本ホームページの利用状況については、既にセンターレポートで紹介した。その特色としては、

海外からのアクセスが多く、国内とほぼ同数のアクセスがある。

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で、熱帯地で、医療活動を行っ ている日本人医師から、資料請求,検査・治療法の問い合わせや、中には日本への留学を希望す る依頼が飛び込んでくる。また、アクセス件数から、研究・教育機関,一般インターネット利用 者に次で企業,特に米企業からのアクセスが多いのには驚いた。更に、和文のホームページに、

海外からのアクセスが多く、熱帯地に長期滞在する日本人が、熱帯病に対する予防や知識を得る ために、情報を集めていると考えられ、多くの詳細な熱帯病の情報提供の必要性が痛感される。

いまや、インターネット通信の中で W eb は 、 「インターネット放送」として一大産業となり 急激な変化を示している。大学や研究機関からの W e b は、利益追求で無い点で異なるが、情報 内容の質により淘汰される段階に入ってきた。 W eb には、放送のように免許や規制が無いが、

その影響力を考えると、質の向上に留意しなければならない。

当研究所の附属施設である「資料室」が廃止・転換され、昨年「熱帯病資料情報センター」が 新設された。これまでの、資料・標本の展示に加え、インターネット通信による情報の収集・解 析・蓄積し情報提供を行う。現在、コンピュータおよびそのシステムの構築作業に参画している。

l 年半前にホームページを紹介した時、インターネットによる情報提供を予想し、情報提供の構 想について一部紹介した。しかし、コンピュータ性能の進歩は目覚ましく、その機能拡大により

システム構想は改善されている。現在、最先端の技術を駆使した、情報提供を目指しているので、

完成時には、是非ご一覧下さい。

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(17)

WHOワークショップ

ハマダラカ胃外壁にみられるマラリア原虫のオーシスト とそれが破れて遊離中のスポロゾイト

ケニア パンクロフト糸状虫症対策プロジ.ェクト:

仔虫検査の為の夜間採血

蚊を採集するためのラムプトラップ

1

(18)

はじめに

水産学部ホームページ書戦記

水産学部 海 洋 生物化学講座 松林 法寛

長崎大学水産学部の

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サービスへょうこそl!

長崎*~

水産~吾F

*~院水II:.~研.克科

『ルリハタ:芝三亙三..<日本膏'漫ぴ蘭'念頭聞置〉宮、ち』

〈畢崎ー貨当止附属図書館所麓〉

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今日はFridayFebru~13, 199818:04:18 との買は今日 .... 回参照されました。

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水産学部のホームページは1995年7月3日に立ち上げました。この原稿を書き始めた1998年2月、 ホームページの表紙のカウンターの数字は48、344となっています。年間2万件以上のアクセス数に 改めて驚いています。今回、長崎大学総合情報処理センターのセンターレポートにホームページの紹 介、作成奮戦記をとのお話がありました。センターレポートを読んでも理解できるところがない私がなぜ この文を書く羽田になったか、以下を読んでいただければご理解し、ただけると思います。素人にはお それ多いことですが、素人でもわかる文章も話の種にはなるのではと思い、水産学部ホームページ奮 戦記を始めたいと思います。

背景

最近のことはよく覚えているのですが、数年前となると、とんと記憶にありません。教授会でセンター の話がたびたびでてきたことをかすかに記憶しています。そのうち廊下に電線が張りめぐらされ、部屋 の前にへんてこな箱が取り付けられ、ただでさえ汚らしい廊下がよけいごちゃごちゃしても、それだけ のこと。ところがところが、世の中には物好きがいるものでこの電線にパソコンをつないで遊んでいる人 がこの水産学部にいたのです。その先生の言うことはちんぷんかんぶん、耳に入る言葉はカタカナば

1

(19)

かりで、モザイクとかなじみの言葉はよくわかるのですが、でも百聞は一見にしかず、よく言ったもので、

パソコンのテレビ、の画面にいろいろと出て来るではありませんか。ふーん電線はこんなにして使うのか。

納得。

早速ノfソコン屋さん

l

こ電話をし、電線をつないで貰いました。すると見えるではありませんか!ダウン ロード、ブラウザー、ウエッブ、ネット、アドレス、ホームページ、リンク、メール、カタカナ言葉もずいぶん たくさん暖味なまま覚えました、結果良ければすべてよし、まあそんなもんじゃ。

ところが、ところが話は大変なことになってしまったので、す。先の先生、アメリカの大学のホームページ を見て回るのが趣味?それを私に見せて日く、 日本もそのうちこんなになるぜ、どうするや、先んずれ ば則ち人を制し後るれば則ち人に制せらる"。この先生なしには私のパソコンは動かない状況下、脅迫 以外の何物でもありませんが、弱者は弱者、煽動に乗らないわけにはし、きません。

始まり

私のカタカナ語の語葉がまた一つ増えました。ユニックス、サーバー?英語も覚えました。 HTTP、 html ?先の先生日く 立ち上げるとしたらウインドウズ上で、動く.サーバーでないとユニックスが無いけん どうしょうもなか、俺がこっちをやるけんあんた htmlファイノレば作らんね。一応立ち上げて既成事実ば 作ってみようや"。ふーん、パソコンやインターネットのことなんて本を読めばわかる。日曜日、こっそり 本屋に行ってインターネットの本を探しました。ありました、数冊。ところが、ところが、昨今の本屋には 私向けの易しい本がたくさん並んでいますが、当時、読んでわかるような本がないのです。忘れていま した、コンビュータのこと、本を読んでわかるくらいならあの先生の世話にならなくても私のパソコンが動 くはずであることを。でも、数冊あった本のうち一番(わかり)安い本を一冊買ってきましたO家で読んだ のですが、ネットがどうのこうの接続がどうのこうの、案の定、枕以外の用を果たしませんでした。(枕に も厚みが足りません。今どこにあるのかそれすらわかりません。)

盛者必衰の理、いつの世も弱者の努力がこの理を実現したのだ、と言う歴史上の事実を頼りにがんば るしかありません。今に見ていろ僕だ、って。しかし、世の中良くできたもので、あの先生、強者のおごり、

見せてくれるではありませんか。ブラウザーでホームページを読み込み、ビューを選択すると htmlファ イルの中身が読めるで、はありませんか。ワードスターで文章を書くときタグをつけて印刷様式を設定す るのと同じじゃありませんか。仕組みさえわかればこっちのもの。一週間です。(後で人に聞かれたとき は、このように答えています。あんなのそんなに難しくありませんよ一週間で書きましたよ。その前の四 苦八苦は誰も知りません。)

先の先生もずいぶん苦労したみたいで、やっと窓95上で、動くアリババというソフトをインターネットか らダウンロウドしてご自分のパソコンにインストールして、一応使える状況になりました。毎年夏に学部 説明会がある、そのとき高校生に見せると言うことで実際に立ち上げようと話がトントンと進み、教授会 でそのように報告しました。しかし、そこで、また壁があったので、す。

またカタカナ語を覚えました。ドメインネームサーバー?ホームページのアド、レスには必ずと言ってい いほど

www

とし、うのが付いているではありませんか。(最近辞書を引いて蜘蝶の巣の意であることが わかりました、どうりで、一端係わると厄介だ!)やはりよそと同じようにしないとかっこわるい。どうしたら いいの?さらに、ダ、ウンロード、したアリパパは試供品で、有効期限30日とのことです。ソフトの使用に関し ては後進国の私もこの30日しか使えないと言うのにはあきれてしまいました。そこで、先の先生と二人 して情報処理センターの花田先生にいろいろと教えていただき、とりあえずセンターのユニックス上で、

本学部のホームページが立ち上がりました。たぶんこの日が、かの国の独立記念日の1日前、 1995年 7月3日と記憶しています。(一日でも早いのは気分がいし1ものです)

円 ︒

1

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たなぽた

とりあえず立ち上げましたが、なにせ1週間、英語版も未完成、センターにおいておくとカタカナ言葉 に洗脳されるのではないか、し、ろいろとありまして。結局、アリパバさんにお金を取られ、一月ほどでユ ニックスから学部へ引っ越してきましたOその後、まあそんなもんじゃ、うちのホームページはよそより早 かとバイ、ハツハツノ、と過ごしていましたOするとまた、かの先生、庶務からこんなとば言うてきた、と紙を 見せる(押しつける)ではありませんか。窓 95~こもやっと慣れ立場は強くなっているはずですが、習慣と は恐ろしし、ものでつい読んでしまいました。文部省のなんとかが今度大学のホームページの懸賞募集 をするについての応募要項です。こういうものは応募してなんぼのもの、出すだけ出そうじゃなし、かとし、

うことで書き始めたのはよいのですが・一。なんと、カウンターはつけているか、フレーム機能は、・・・私が 知らない機能がたくさん並んでいるではないですか。 1年半前、始めたときはそんなの無かったのに。

たしかに、よそのホームページをいろいろと見てみると、花電車みたいです。桑田変じて蒼海となる。

応募するのは良いけれど、このままではということでせめてカウンターぐらいはつけとかんとかっこ悪 いと言うことになり、 1年半前状況の再現です。窓95で動いているアリバパにどのようにしてカウンター をつけるのか、アリパパの説明書は英語で、しカも例に漏れず、読まないでもできる人用の説明書です。

終日四苦八苦、やっとこさカウンターをつけました。ほかの機能はどうしようもありません。応募用紙に は、 今日の通信事情を考えると、重たくなるような機能はできるだけさけるようにしている。"と言うような ことを書いて応募しました。石に激ぎ、流れに枕す。

ところが、ところが当たってしまいました。それから約1年、水産学部のホームページに文部省大臣官 房からの賞状と横山学長からの感謝状が掲載されていました。ところが、ところがこうし、うのには必ず景 品がついているとばかり思っていたのに、紙切れ2枚で終わりだというのです。あの努力は何だ、ったの だ。私も、これまで数多くのしよう(原付、自動二輪、自家用車の免許しょう)を貰ってきましたが、景品 付きの賞を頂いた経験がありません。事務長にせめて紅白鰻頭で、も…と言っていたところ、なんと年度 末のどさくさにホームページ用のパソコン、しかもサーバーモデルで

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がふたつもついたのを買っ ていただ、きました。まさにたなぼた。渡る世間に鬼はなし。

それまで、学生実験用の吸光度計に付属のパソコンで動いていたのがまともなパソコンに引っ越した とたん、なんと、なんと見違えるように早くなったで、はありませんか。通信事情のためばかりではありませ んでした、文部省の担当者の皆様申し訳ありませんでした。感謝しております。

その後

ここまで書き進んで、ホームページのカウンターを見てみると、日本語版48、421回、英語版は22、 902回となっています。世界中の人々の誰かが常に我が社のホームページを閲覧している状況です。

また、国内、国外からいろんな問い合わせが頻繁に寄せられて来るようになっています。なかでも、海 の生物についての問い合わせが多く、学部教官全員の協力の下に運営されている状況です。

学部外への情報発信だけでなく、学部内向けのへ。}シeの充実も図っています。研究室に配属した学 生は身近に通信環境を利用できますが、 3年次生までの学生は図書館を利用するしかありませんでし た。これも、事務の方の努力で、 1年前から、学部学生が24時間自由に使えるように、学部内にパソコ ンSを設置していただきました。このパソコンS向けにネットスケーフ。の使い方や電子メールの使い方 の説明、就職情報等の発信などを行っています。現在このパソコンSの前は学生のたまり場になってい ます。

これから

数年前と較べると、通信環境の整備、情報発信密度の格段の進歩を体で感じることができるようにな

‑ 19  ‑

(21)

りました。他学部のホームページもすばらしいものが出来、本学部もそろそろ学部と社会の接点として のホームページのあり方について真剣に考えてし、かなければとしづ昨今です。また、学部内での利用 方法、それによって生み出される利点を考えると、数年内には現在より数段充実した形になっているの ではと想像しています。現在、本学部のホームページの実務的な問題は3名の素人の集団がそれぞ れ分担して運営しています。しかし、パソコンによるデータベースの提供、相互通信の密度増加を考え ると、早晩運営に問題を生じるのではなし1かと心配しています。素人の集団がホームページを立ち上 げることができたのは、私が教授会で寝ている聞に、学部内に電線を張り巡らせる先見の明と予算によ るところが大きいと考えています。今後、運営面でも、情報処理センターの魁たる役割に大きく期待し ながらこの駄文をおしまいにしたいと思います。

‑20  ‑

参照

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