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Qualitative Research for a Factor a Second Coming Motivation at Intake

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Academic year: 2022

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人間科学研究 Vol. 27, Supplement(2014)

修士論文要旨

【問題と目的】

 楡木(2004)は,初回面接について「今後,来談を続け る意欲を高める最初の機会である」としており,初回面接 において再来動機を形成することが重要であると考えられ る。森田(1998)はこれまでの諸理論や技法に関する論文 から来談動機の概念を整理し,自分自身が変化していくこ とに関する動機づけと治療者との関係をめぐる動機づけが あることを指摘している。この治療者との関係をめぐる動 機づけが,初回面接においてどのような要因により高まる のかについて,これまでに研究としてはほとんど検討され ていない。岩壁(2005)が実際のクライエント(以下Cl)

に対して「面接中において最も印象的なこと」を中心にイ ンタビューを行い,「話すことの治癒力」や「出会い」につ いてClが強く印象を抱くことを確認している。しかし,こ れらの項目は抽象的で,カウンセリング場面におけるセラ ピスト(以下Co)のどのような具体的な関わりが次回への 来談動機が促進・抑制されるのかは明らかではない。そこ で本研究では,初回場面においてClが印象づけられた具体 的なCoの言動とCoの関わりの意図を質的に探索すること を目的とする。

【方法】

調査対象者 心療内科やカウンセリングに通っていない大 学生4名と臨床心理学を学ぶ大学院生4名を対象とした。

手続き 大学生をCl役,大学院生をCo役とし,模擬カウン セリングを行う。その後それぞれに対し,インタビューを 行い,模擬場面で関わりの意図や印象について聴取した。

分析 佐藤(2008)の質的データ分析法とKJ法を援用し,

インタビューデータの整理を行った。

倫理的配慮 本研究は早稲田大学の倫理審査会にて承認を 得て実施された。

【結果と考察】

生成されたマトリクスについて

 「Cl役のカウンセリングイメージ」において<解決策が ほしい(A)>,<助言をくれる(C)>,<たくさんアドバ イスが得られる(G)>のコードが得られ,カウンセリング という場でClがアドバイスを求めていることが確認され

た。

 「Cl役の来談動機と料金感覚」において,Cl役の今回の 面接で形成された来談動機は高くないことが確認され,

元々悩みがない,初回面接で悩みが解消した事により,イ ンタビュー時点で悩みがない状態にあったことが,再来動 機を低くしていると考えられた。

 「Cl役がCo役の関わりや自分の行動別に感じたポジティ ブな印象」において〔話したいことが話せる〕〔話しやす い〕〔話をまとめて理解しやすい形で返してくれる〕につい て,Cl役がポジティブだと印象付けられやすいと考えられ た。

 「Cl役がCo役の関わりや自分の行動別に感じたネガ ティブな印象」において,ポジティブな印象のカテゴリと 比較して,ネガティブに感じるところはCl役やCo役によっ て異なると推察された。

まとめ

 マトリクスと事例の双方を合わせて,考えると,Clの期 待と面接に差があった際に,それを感じたままになるとモ チベーションが低下する可能性が考えられる。そのため,面 接の最初にClの持つカウンセリングイメージや期待につ いてCoが十分に把握することで,ネガティブな感情が生起 するのを抑える可能性が示唆された。

【本研究の限界】

 本件研究では目的とした,Coの具体的な関わりとClの来 談動機の関係について,Coの関わりが抽象的なカテゴリに まとまってしまったため,十分な検討ができなかった。

 本研究の限界として,クライエント役が健康な大学生で あったことがあげられる。倫理的な配慮から健康な大学生 を対象としたが,特にAとCは悩みを抱えておらず,E,G も今回の面接である程度の悩みが解消されてしまった。そ れは,1回の面接においてもカウンセリングが成立するこ とを示すが,再来動機を確認するには不適切な対象であっ た可能性かが考えられる。実際に悩みを持っている場合,1 回では解決しない悩みを持っている場合に再来動機は異な る可能性があり,今後検討が必要だと考えられた。

カウンセリング場面における初回面接での再来動機の形成に 関わる要因の質的検討

Qualitative Research for a Factor a Second Coming Motivation at Intake

藤野 雄教(Takenori Fujino)  指導:菅野  純

参照

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