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令和元年度(平成31年度)学内研究助成金 研究報告書

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Academic year: 2022

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(1)令和元年度(平成 31 年度)学内研究助成金 研究報告書. 研. 究. 種. ☑奨 励 研 究 助 成 金. □研究成果刊行助成金. □21 世紀研究開発奨励金 (共同研究助成金). □21 世紀教育開発奨励金 (教育推進研究助成金). 目. 研 究 課 題 名. 膵臓癌細胞特異糖鎖修飾タンパク質の探索による膵臓癌早期診断法の開発. 研究者所属・氏名. 研究代表者:薬学部 共同研究者:. 山本. 哲志. 1.研究目的・内容 難治性の癌である膵臓癌を早期に発見するための有効な診断方法を開発することが重要な課題 となっている。申請者は、新たな膵臓癌診断のためのバイオマーカー候補を探索するため、正常 膵細胞と膵臓癌細胞を用いたプロテオーム解析を行うことで、膵臓癌細胞において特異的に発現 が変動している候補タンパク質を同定し、その糖鎖修飾構造を標的とした新たな膵臓癌診断法開 発の基礎的研究を行う。 2.研究経過及び成果 膵臓癌細胞で特異的に発現が変動しているタンパク質を同定するため、培養正常膵細胞である hTERT-HPNE と培養膵臓癌細胞である PANC-1 及び BxPC-3 を用い、それぞれの細胞よりタン パク質を抽出した。得られたタンパク質をそれぞれ還元アルキル化後、トリプシン消化すること でペプチド断片化を行った。得られたペプチドを LC/MS を用いたショットガンプロテオミクス により網羅的に解析し、それぞれの細胞に発現しているタンパク質の同定を行った。その結果、 正常膵細胞である hTERT-HPNE からは 726 種類のタンパク質が同定され、膵臓癌細胞である PANC-1 からは 775 種類のタンパク質が、BxPC-3 からは 762 種類のタンパク質がそれぞれ同定 された。 次に、それぞれの細胞より同定されたタンパク質についてスペクトラルカウント法による半定 量解析を行い、正常膵細胞と比べ膵臓癌細胞で発現量が変動しているタンパク質の解析を行った。 その結果、PANC-1 細胞では 275 種類のタンパク質が、BxPC-3 では 485 種類のタンパク質が正 常膵細胞である hTERT-HPNE と比べて 2 倍以上発現が変動していることが明らかとなった。こ れらの結果をさらに比較解析を行ったところ、膵臓癌細胞で共通して発現が変動している 143 種 類のバイオマーカー候補タンパク質を同定することができた。そこで、同定された候補タンパク 質より、膵臓癌の早期診断することが可能なバイオマーカーを探索するため、遺伝子オントロジ ー(GO)解析による機能分類を行った。今回は、膵臓癌の早期診断法の開発を目的としているた め、血中で検出することが可能なタンパク質が候補として有用であると考えられる。そこで、GO 解析の細胞内構成要素分類により細胞外に分泌されるタンパク質である“細胞外基質”タンパク 質に分類されたタンパク質に着目することとした結果、17 種類のタンパク質が同定された。今回、 これらの中の膵臓癌細胞で発現が低下している“タンパク質 A”に着目することとした。タンパク 質 A は、近年発見された細胞外基質タンパク質の一種であり、膵臓癌での発現や機能についての 報告がなされていないことから、新規の膵臓癌診断のためのバイオマーカー候補として有用であ ることが示唆された。 次に、プロテオーム解析の結果を確認するため、培養膵細胞におけるタンパク質 A の発現をウ ェスタンブロットで確認したところ、プロテオーム解析の結果と同様に膵臓癌細胞では正常膵細 胞に比べて顕著にタンパク質 A の発現が低下していることが明らかになった。一方、細胞外に分 泌されているタンパク質 A について同様にウェスタンブロットで確認したところ、膵臓癌細胞の 方が正常膵細胞よりも過剰に分泌されている傾向が認められた。これらのことより、癌化するこ とによりタンパク質 A の分泌が促進されることが示唆されたため、タンパク質 A の血中での発現 上昇が膵臓癌診断のためのバイオマーカーとして適応できることが考えられた。.

(2) 3.本研究と関連した今後の研究計画 ELISA 法を用いてタンパク質 A の分泌が膵臓癌細胞で亢進しているかを確認するとともに膵 臓癌患者血液中でのタンパク質 A の発現量についても検討を行っていく予定である。また、 ELISA 法で検出することが難しい場合は、LC-MS を用いたタンパク質 A の検出法の構築も行っていく。 一方、タンパク質 A の糖鎖修飾構造についても今回使用した正常膵細胞と膵臓癌細胞を用いて 比較解析を行っていき、より膵臓癌選択的な診断法の構築についても検討を行っていく予定であ る。. 4.成果の発表等 発. 表. 機. 関. 日本癌学会. 名. 種類(著書・雑誌・口頭). 発表年月日(予定を含む). 口頭またはポスター. 2020 年 10 月 1-3 日(予定).

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