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口腔扁平上皮癌におけるSOX2、KLF4およびBrachyury の発現と予後との関与

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

口腔扁平上皮癌におけるSOX2、KLF4およびBrachyury の発現と予後との関与

吉濱, るみ

http://hdl.handle.net/2324/1500629

出版情報:Kyushu University, 2014, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

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(様式3)

氏 名 :吉濱 るみ

論 文 名 :

口腔扁平上皮癌におけるSOX2、KLF4及びBrachyuryの発現と予後との関与

区 分 :甲

論 文 内 容 の 要 旨

口腔扁平上皮癌 (OSCC) における浸潤、転移は臨床的に予後を左右する重要な因子であることが 知られているが、近年、癌の浸潤、転移機構への癌幹細胞の関与が報告されるようになった。癌幹 細胞は組織幹細胞と同様に、SOX2、Oct4、KLF4、c-Mycおよび Brachyury等の共通の遺伝子発 現を示すことが報告されている。しかしこれらの因子の口腔癌における発現と、予後との相関を検 討した報告はない。そこで、OSCC における SOX2、Oct4、KLF4、c-Myc および Brachyury の 発現と予後との関連について検討した。

2001年3月から2006年12月に九州大学病院顔面口腔外科にて治療を行ったOSCC 108例およ びそのリンパ節転移組織 23 例の未治療生検組織を対象に SOX2、Oct4、KLF4、c-Myc および

Brachyuryの発現を免疫組織化学的に検討した。OSCC組織においては、発現強度、発現率を客観

的に評価するために画像解析による輝度および陽性率の計測を行った。リンパ節転移組織において は陽性率のみ計測を行った。それぞれの計測値をもとに強発現群と低発現群に分け、臨床的背景因 子および予後との関連について検討した。

1. 口腔扁平上皮癌患者におけるSOX2、Oct4、KLF4、c-MycおよびBrachyury の発現と予後 との関与

OSCC (108 例) において、発現強度は発現率よりも臨床的背景因子および予後との間に、より強

い相関を示した。 SOX2、Oct4、KLF4 および Brachyury の発現強度はリンパ節転移と相関を認 め(p = 0.002、p = 0.031、p = 0.003 および p = 0.007)、 KLF4およびBrachyuryの発現強度は 遠隔転移と相関を認めた(p = 0.014 および p = 0.012)。

次に、これらの分子のうちどれが最もリンパ節転移、遠隔転移と相関するか、ロジスティック回 帰分析を用いて検索した。多変量解析では、リンパ節転移が SOX2 および KLF4 の発現強度と強 く相関し(p = 0.011、オッズ比 4.526 および p = 0.004、オッズ比 4.851)、遠隔転移がKLF4の 発現強度と相関する傾向にあった (p = 0.053、オッズ比 9.607)。

次に、5 年全生存率、疾患特異的生存率、無病生存率について検討した。これらの分子の発現強 度と全生存率との間には強い関連は認められなかったものの、疾患特異的生存率においては SOX2 およびBrachyuryの発現強度との間に相関を認め、無病生存率においてはOct4およびKLF4の発 現強度に相関を認めた。さらに、SOX2、KLF4およびBrachyuryが共に高発現している群では、

共に低発現である群と比較して疾患特異的生存率、無病生存率において有意に予後不良であった (疾患特異的生存率:78.6% vs. 100%、p = 0.025、 無病生存率:60.7% vs. 90.9%、p = 0.015)。

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2. 口腔扁平 上皮 癌患者 のリ ンパ 節転移 組織 に おける SOX2、Oct4、KLF4、c-Myc および Brachyuryの発現と予後との関与

OSCC患者のリンパ節転移症例23例において、SOX2、Oct4、KLF4、c-Myc およびBrachyury の発現率について検討した。これらのタンパク質のリンパ節転移巣における発現率と、原発巣にお ける発現率との比較を行った結果、SOX2、Oct4、KLF4 およびc-Myc のリンパ節転移巣における 発現率の平均値は、原発巣よりも有意に低い結果となった (p = 0.019、p = 0.010、p = 0.006 およ び p = 0.004)。また、2次転移を起こした症例に関しては、これらの因子の発現率との間に明らか な関連は認めなかった。

以上より、OSCCにおいて原発巣におけるSOX2、KLF4およびBrachyuryの発現が予後予測因 子となりうる可能性が示唆された。

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