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喉頭扁平上皮癌におけるp53, EGFR, factor VIII発現と予後に関する検討

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Academic year: 2021

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Title

喉頭扁平上皮癌におけるp53, EGFR, factor VIII発現と予後に

関する検討( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

渡辺, 英彦

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1202号

Issue Date

1999-03-17

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15072

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 渡 辺 英 彦(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1202 号 平成11年 3 月17 日 学位規則第4条第2項該当 喉頭扁平上皮癌におけるp53,EGFR,factorⅥII発現と予後に関する検討 (主査)教授 宮 田 英 雄 (副査)教授 森 秀 樹 教授 清 水 弘 之 論 文 内 容 の 要 旨 悪性腫瘍の分子生物学的指標について予後因子としての有用性を示唆する報告は多く,頑頚部癌においても種々 の因子が報告されているが,臨床的に決定的な予後因子は未だ知られていない。今軌複数の生物学的指標を組 み合わせることにより,個々の悪性腫瘍の持つ特性を表現できないかと考え,その中でどの因子が喉頭癌の予後 を知るのに最も有用かを検討した。検討した因子は,悪性腫瘍の病態に影響しているとされる分子生物学的指標 の中から,核の所見としてp53癌抑制遺伝子産物の発現,細胞膜および細胞質の所見としてEGFレセプターの発 現,細胞外の所見として癌の発育のための栄養補給路かつ転移形成経路としての血管新生を評価するfactorⅧ について免疫組織染色を行い,予後との関係について統計的検討を行った。 対象および方法 対象は1986年から1996年までに岐阜大学耳鼻咽喉科で初回治療を行った喉頭癌症例のうち,予後の良いTl を除外したT2∼T4症例97例(男性92例,女性5例)で,平均年齢65.4歳である。組織型は全例扁平上皮癌で 高分化型58例,申分化型28例,低分化型11例であった。いずれも根治的治療を行い得た症例で,治療拒否や姑 息的治療を行った症例は対象から除外した。経過観察期間の中央値は39.9カ月(平均52.5カ月,0.7∼135.1カ月) であった。 免疫組織染色はモノクローナル抗体を用いた通常の方法に準じて行った。判定方法は,p53蛋白は腫瘍細胞の 10%以上の核が均一に染色されているものを陽性とし,腫瘍細胞の核が弱くかつ部分的にしか染色されていない ものは陰性と判定した。EGFR染色は腫瘍細胞の細胞膜および細胞質の染色の強さを強陽性(+++),中等度 陽性(++),弱陽性(+),陰性(-)の4段階に評価し,++以上を過剰発現(EGFR陽性)とした。factor Ⅷは腫瘍近縁または腫瘍内で血管の良く染まっている部分を数カ所選択し,200倍検鏡下における一視野あたり

の陽性血管数を計測し,その最高値から上位3部位の平均をde■nsity scoreとした。今回はdensity scoreの分布 の中央値が40であったので,density scoreが40以上の症例をfactorⅧ陽性とした。 統計解析は以下の如く行った。1)臨床的予後因子として性別,原発部阻TおよびN分類,病理組織分化度に っいてそれぞれp53,EGFR,factorⅧ発現との相関をx二乗検定にて検討した。必要に応じFisherの直接確 率およぴMann-WhitneyのU検定(両側検定)を行った。2)累積生存曲線をp53,EGFR,factorⅦ各々の陽 性,陰性群をエンドポイント別にKaplan-Meier法で算出した。両群の生存率の差の検定はLog Rank法で行っ た。エンドポイントは3種類のエンドポイント,すなわち全死亡,癌関連死,初回再発(局所再発及び遠隔転移) 別に解析を行い,OVerallsurvival(全生存率),CauSe-SpeCific survival(死因特異的生存率),relapse-free survival(無再発生存率)を各々評価した。3)回帰分析は単変量及び多変量解析をCoxの比例ハザードモデル を恥、,3つのエンドポイントに対する各予後因子単独および相互の影響を評価した。多変量比例ハザードモデ ルには,性,年齢,原発部位,T分類t N分類t治療方法およびp53蛋白,EGFR,factorⅧの各因子を組み込 んだ。統計解析ソフトウエアはSPSS7.5Jfor Windows'l、Mを用いた。

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-135-結 果 1)免疫組織染色と臨床的予後因子との相関では,P53蛋白発現,EGFR発現,factorⅧ発現のいずれも臨床 的予後因子との相関は認められず,独立した予後因子となる可能性が示唆された。2)Kaplan-Meier法による累 積生存率は・P53陽性群と陰性群を比較すると,OVera11survival,CauSe-SPeCificsurvival,relapse-fr占esurvival のいずれも生存率に有意な差を認めなかった。EGFR陽性群と陰性群では,relapse-free survivalにおいて陽性 群が陰性群よりも生存率が低く,LogRank検定にて有意差(P=0.0074)を認めた。OVerallsurvival,CauSe_ SpeCificsurvivalでは有意差を認めなかった。factorⅧ陽性群と陰性群では,CauSe-SpeCific surVivalにて陽 性群が陰性群よりも生存率が低く有意差(P=0・0351)を認めたが,OVeral1survival,relapse-free surVivalで は有意差を認めなかった03)回帰分析のうち単変量解析では,OVerallsurvivalに対しては性(P=0.0052),年 齢(P=0・0038),T分類(P=0・0096)およびN分類(P=0・0261)が有意な予後因子であった。CauSe-SpeCific SurVivalに対しては性(P=0.0076),T分類(P=0.0167)およびfactorⅦ(P=0.0443)が有意な予後因子と なり,relapse-freesurvivalに対してはT分類(P=0.0005)およびEGFR(P=0.0103)が有意な予後因子であっ た0多変量解析では,OVerallsurvivalに対して声門上部癌(P=0.0296)およびfactorⅧ(P=0.0345)が有意 な予後不良因子であった。CauSe-SPeCificsurvivalに対しては声門上部癌(P=0.0333),T分類(P=0.0179)お よぴfactorⅦ(P=0・0134)が有意な予後因子となり,relapse-freesurvivalに対してはT分類(P=0.0166), 化学療法(P=0.0087)およびEGFR(P=0.0016)がそれぞれ有意な予後因子であった。 考 察 分子生物学的指標を新たな予後因子とする試みは多いが,頑頚部癌においては現在までに決定的な因子は見つ かっていない。今回の検討の結乳p53蛋白の発現は3つのエンドポイントのいずれに対しても有意な予後因子 ではなかったが,EGFR陽性例は陰性例に対し再発のリスクが平均5.15倍高く,再発に関する独立した予後因子 であった。またf■actorⅧ陽性例は陰性例に対し平均2.52倍の死亡のリスクが高く,さらに癌関連死に死因を限 定すると7・296倍死亡のリスクが高い独立した予後因子であることが示された。また,3つのエンドポイント (全死亡,癌関連死,再発)のすべてに有意な予後因子は存在しなかったが,各因子の機能的関連や,それらを結 びつける新たな因子を模索することで,再発・転移と死亡(ことに癌関連死)の双方を予測可能な因子あるいは その組合わせを見いだせるのではないかと考える。 以上より,喉頭癌一次治療後の再発を予測するには,EGFR染色性の有無が有力な予後因子であり,再発後の 遠隔成績を左右しうる因子としてfactorⅧによる血管新生の評価が重要であると思われた。今後の課題として, EGFR発現と血管新生の問に機能的関連があるかどうかを検討する必要があると思われた。 論文審査の結果の要旨 申請者 渡辺英彦は・喉頭癌の予後因子につき,分子生物学的指標を用いて臨床的因子との相関で統計学的検 討を行った0その結果,EGFRおよびfactorⅧの評価が予後因子として重要であることを示した。この知見は, 頭頚部癌治療の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 喉頭扁平上皮癌におけるp53,EGFR,factorⅦ発現と予後に関する検討 平成11年2月発行 日耳鼻102:243-253

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