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掲載雑誌名 昭和学士会雑誌 第77巻 第3号 2017年6月

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論文内容要旨(甲)  

論文題名 ヒト乳がん培養細胞MDA−MB−231のCD44陽性細胞におい   てmlR−17,miR−93はp21発現を抑制する  

掲載雑誌名 昭和学士会雑誌 第77巻 第3号 2017年6月   掲載予定  

病理系 薬理学(医科薬理学分野)専:攻 飯島 堅太郎   

Cancerstem−1ikecell(CSC)は自己複製能と多分化能を有する癌の源とな  

る細胞で再発や遠隔転移の原因とされ、乳がんでは細胞表面抗原CD44陽   性(CD44+)で鑑別される。トリプルネガティブ乳癌(TNBC)はホルモン   感受性がなく標的治療法が確立されていない予後不良な疾患で、TN月C組   織にはCSCが多く散在する。CSCは薬剤抵抗性の要因であるp21発現が   恒常的に高く発現して治療ターゲットも多く報告されているが、未だ研究   段階で臨床応用には至っておらずTNBCのCSCに対する治療方法の確立  

が急務とされている。microRNA(miRNA)は21−25塩基の1本鎖RNA分   子で、タンパク質発現を阻害する働きを持つ。今回我々はヒト乳がん培養   細胞MDA.MB−231のCD44+細胞を用いてtubulin阻害剤のpaclitaxel,  

eribulinおよび白金製剤cisplatinを1nM濃度で24時間曝露した後の   miRNA発現とp21およびグルタチオン代謝経路およびCaspase−3活性を  

観察した。miRNAはp21発現に関係するmiR−17,miR−20a,miR−20b,miR−  

93,miR−182の発現を調べた。各種抗がん剤曝露後でCD44陰性細胞   

(2)

(CD44 ̄)とCD44+を比較したところCD44+のp21発現はcisplatin曝露後で  

有意に発現が低下しておりcisplatinを曝露してもCD44+は細胞周期が停止  

しないことが明らかとなった。グルタチオン酸化率もcisplatin曝露後の   CD44+で酸化率が有意に低下したことからcisplatin曝露後のCD44+には酸   化による細胞障害を与えていないことが明らかとなった。さらにcisplatin   曝露後のCaspase−3活性はCD44−と比べてCD44+で有意に発現が低下し   ていたことからcisplatin曝露後でもCD44+はアポトーシスに誘導されな   いことが明らかとなった。細胞周期を制御するp21発現に関連するmiRNA  

を明らかとするためにmiR−17,miR−20a,miR−20b,miR−93に阻害剤を曝露   してp21発現を観察した。CD44+ではコントロールと比べてmiR−17阻害   剤とmiR−93阻害剤曝露後で有意にp21発現が上昇したことにより、p21   発現をmiR−17およびmiR−93が抑制している可能性が示された。本研究結   果からMDA−MB−231培養細胞においてcisplatin曝露による抗がん剤抵抗   性の原因にはCD44+が関与すること、さらにmiR−17,miR−93が薬剤抵抗性  

の要因となるp21発現を抑制していることが示唆された。   

参照

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