第4回「第4期消費者基本計画のあり方に関する検討会」
2018年3月13日
公益財団法人 連合総合生活開発研究所(連合総研)
客員研究員 小島 茂
資料3
平成30年3月13日・第4回第4期消費 者基本計画のあり方に関する検討会
1.情報通信社会の進展、ネット被害の増加に対応した消費者行政の 体制整備
2.高齢社会の進展で高齢単身世帯と認知症患者の増大、また成人年 齢の引き下げによる消費者被害の増加
・世代別のライフサイクルに応じた消費者教育の充実
3.消費者による「迷惑行為」、悪質なクレームの増大への対応
・持続可能な社会形成に向けた SDGs の取り組みと倫理的消費の推進 4.頻発する企業不祥事と公益通報者保護制度の課題
2
3
◆インターネット、情報通信、SNS、シェアリング・エコノミー、フィン テック、仮想通貨等に関する相談・トラブルが増加
19 23 35
109 98 120 120
102 124 147
236
8 8 22
66 47 63
43 28
66 62 80
0 50 100 150 200 250
4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12
2014
年2015
年2016
年( 件)
( 月)
「 仮想通貨」 に関する 相談件数
総数 高齢者
資料)PIO-NETに登録された消費生活相談情報(2017年3月31日までの登録分)
36.0 38.2 38.9 39.7 41.3 44.2
16.7 19.3 22.6 23.9 23.7 24.0
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0
2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年
(%)
高齢世帯の全世帯に占める割合の推計
世帯主が65歳以上 世帯主が75歳以上
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(2018年推計)」より
◆高齢者世帯の増加:世帯主が
65
歳以上の世帯が2015
年36
%から2040
年44.2
%に増加◆高齢単身世帯(
65
歳以上の単身世帯/世帯数)の増加:2015
年32.6
%から2040
年40
%に増加・高齢男性の独居率は
2015
年14
%から2040
年20.8
%へ、女性は21.8
%から24.5
%に増加32.6 34.0 35.7 37.4 39.0 40.0
14.021.8 15.522.4 16.823.2 18.223.9 19.724.3 20.824.5
0.0 15.0 30.0 45.0
2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年
( %)
65
歳以上の独居率( 男女別)(
65
歳以上の人口比)65歳以上 単独世帯/世帯数 65歳以上 独居率( 男性)
65歳以上 独居率( 女性)
国立社会保障・ 人口問題研究所「 日本の世帯数の将来推計( 2018年推計) 」 よ り
4
◆
65
歳以上の認知症患者数は、約700
万人に増加・
65
歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率の将来推計;2012
年は認知症患者数が462
万人、65
歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15.0
%)、2025
年には約700
万人、5人に1人になる と見込まれている5
◆高齢世帯の地域でのつながりが希薄化している
○ 60
歳以上で、近所の人との「親しくつきあっている」とする者の割合は1988
年から2014
年で 半減している○
「親しくつきあっている」とする高齢者の割合は、単身者で平均より低く、賃貸住宅の居住者で、顕著に低い傾向が見られる
66.4
59.5
54.1
52.0
43.0
31.9
30.7
35.6
40.7
40.9
51.2
61.8
4.9
4.9
5.1
7.1
5.8
3.41.5 1.4
0% 20% 40% 60% 80% 100%
1998年
1993年 1998年 2003年
2008年 2014年
高齢者の近隣とのつながりの状況
親しくつきあっている あいさつをする程度 ほとんどつきあいはない つきあいがない わからない・無回答
資料)2008年以前は内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」、2014年は内内閣府「高齢 社会の日常生活に関する意識調査」
注1)対象は60歳以上の男女
全 体 単身世帯 夫婦二人 世帯
本人と親 の世帯
本人と子 の世帯
三世代 世帯
その他 持ち家 賃貸住宅 高齢者向け 住宅・施設
その他
世帯類型 住まい類型
◆調査概要
○目 的:行き過ぎたクレームや暴言・暴力などの迷惑行為に関する消費者行動の実態把握
○調査対象:調査会社(ネットエイジア)のモニターを母集団とする15歳から69歳までの男女
2,000人(一般消費者1,000人、接客業務従事者1,000人)
○調査期間:2017年11月13日(月)~14日(火)
7
◆調査結果のポイント
○消費者からの迷惑行為を接客業務従業員の半数以上が「受けたことがある」
○一般消費者の約6割が接客業務従業員への「迷惑行為を見聞きした経験がある」
○他の消費者の迷惑行為について、一般消費者の8割以上が「不愉快」
○勤務先で「迷惑行為に関するマニュアル作成や教育を行っていない」が約6割
○消費者の迷惑行為をなくすために必要なことは、1位「消費者への啓発活動」
◆消費者による「迷惑行為」、「悪質なクレーム」の現状(参考資料:連合調査)
<参考> 連合「消費者行動に関する実態調査」より
《消費者の苦情・クレーム経験》
◆一般消費者の約4割、50代では5割強が、サービスや商品に対する苦情・クレーム を「言ったことがある」と回答
8
9
◆接客従事者では、苦情・クレームを言ったことがある人の割合は約6割(
58.2
%)、50
代が約7割(68.5)
%となっている◆言ったことのあるクレーム:一般消費者は「食べ物に異物混入」32%が最多 接客業務従事者は「商品が不良品」38%が最多
10
32. 4 31. 4 30. 4 26. 3 20. 2 17. 6 13. 3 13. 0 9. 7 9. 2
32. 6 38. 4 34. 8 34. 5 20. 1 20. 5 14. 8 14. 2 11. 8 13. 5
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0
( %) 言っ たこ と のある 苦情・ ク レ ームの内容( 複数回答)
※上位 10
項目 対象: 苦情・ ク レ ームを 言っ たこ と のある 人一般消費者(
n
=392
) 接客業務従事者(n
=586
)食べ物に異物 が混入してい た
商品が不良 品
注文し た料 理が出てこ ない/出てく る のが遅い
注文し た料 理と 出てき たも のが違 う
釣り 銭が間 違っ ている
従業員のマ ナー、 態度 が悪い
待ち 時間が 長い
注文し た商 品と 違う も のが届いた
食器が汚れ ている 、 欠 けている
サービ ス内 容で不愉快 な思いを し た
◆苦情・クレームへの対応で消費者が許せないもの
1位「たらい回し」で42%、2位「消費者に落ち度があるような言い方」35%、
3位「失礼な言葉づかい」34%
11
41. 8 35. 3 34. 4 32. 3 27. 7 26. 0 19. 8 13. 9 9. 4
41. 5 36. 5 31. 3 31. 5 26. 6 26. 6 19. 7 11. 2 4. 8
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0
50.0( %) 苦情・ ク レ ームに対する店員・ 係員の対応で許せないも の( 複数回答)
一般消費者( n=1000) 接客業務従事者( n=1000)
色々な部署 を たら い回 し にさ れる
こ ち ら に落 ち 度がある よ う な言い 方を さ れる
失礼な言葉 づかいで対 応さ れる
謝る だけ で、 他にな にも し ない
なかなか返 事が来ない
一方的に言 い訳を さ れ る
対応でき な いと 断ら れ る
説明が専門 用語ばかり でわかり に く い
警察に通報 する と 言わ れた
12
《消費者からの迷惑行為》
◆消費者からの迷惑行為を接客業務従事者の半数以上が「受けたことがある」
◆受けた迷惑行為は「暴言」3割強、「威嚇・脅迫的な態度」約3割、「説教など権威的 な態度」約2割
33.1 28.5
19.2 16.7
10.4
5.3 3.5 3.3 2.3 1.7
43.1
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0
( %)全 体 (
N = 1 0 0 0
)勤務先で 、 消費者から 受けたこ と がある 言動( 迷惑行為)
( 対象: 接客業務従事者、 複数回答)
暴言を 吐く 威嚇・ 脅 迫的な 態 度を 取る
説教な ど 権威的な 態度を 取 る
何回も 同 じ ク レ ー ムを 執拗 に繰り 返 す
従業員を 長時間拘 束する
金品を 要 求する
セ ク ハラ 行為を す る
暴力を 振 る う
SNS・ イ ン タ ー ネッ ト 上 で 誹謗中 傷する
土下座を 強要する
あて はま る も のは な い
全体( n= 1000) 33.1 28.5 19.2 16.7 10.4 5.3 3.5 3.3 2.3 1.7 43.1 正規雇用( 367) 37.3 34.3 20.2 20.2 12.3 6.8 3.3 4.4 2.2 2.2 35.7 非正規雇用( 366) 32.5 26.2 20.2 15.3 9.6 3.6 4.1 2.2 1.4 1.4 44.5
いずれかの迷惑行為を 受けたことがある人
全 体
56.9
% 正規雇用64.3
% 非正規雇用55.5
% その他48.7
%◆勤務先が「迷惑行為についてのマニュアル作成や教育を行っていない」約6割
13
42.9 41.3 45.2 37.5
59.5
33.8 43.4 40.2 42.9
67.6
44.9
57.1 58.7 54.8 62.5
40.5
66.2 56.6 59.8 57.1
32.4
55.1
0 25 50 75 100
( %)
消費者の迷惑行為に関する マニュ ア ル作成や教育など の実施状況( 接客業務従事者)
実施さ れていない
マニュ ア ル作成や教育が実施さ れている
( n= 1000)
全 体
( n= 46)
情報通信
( n= 42)
運輸・ 郵便
( n= 192)
小 売
( n= 42)
金融・ 保 険
( n= 77)
飲食店・
飲食サー ビ ス
( n= 129)
生活関連 サービ ス・
娯楽
( n= 92)
教育・ 学 習支援
( n= 168)
医療・ 福祉
( n= 34)
公 務
( n= 178)
その他
14
店員・係員に対する消費者の迷惑行為が発生している原因だと思うこと(複数回答)
58.5
41.2 34.9
27.5 22.2
15.7
2.6 65.7
46.6
27.1 34.8
26.7
10.8
3.2 0
25 50 75
( %) 店員・ 係員に対する 消費者の迷惑行為が発生し て いる 原因だと 思う こ と
( 複数回答)
一般消費者 接客業務従事者
◆消費者の迷惑行為は、一般消費者の半数近くが「増えている」と回答
◆迷惑行為の原因と思うこと:1位が「消費者のモラル低下」約6割(一般消費者)
消費者のモラ ルが低下した
(店員・係員は)
ストレスのはけ 口になりやす い
SNSの普及 で情報が拡散 しやすくなった
サービスに対 する消費者の 期待が過剰に なった
店舗スタッフや サービス業者 の尊厳が低く みられている
スマートフォ ンの普及で 連絡しやすく なった
その他
15
46.0 42.0
36.0
26.9 24.7
2.9 49.5
40.6 37.3
32.5
26.7
3.3 0.0
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
(%)
一般消費者(1000) 接客業務従事者(1000)
店員・係員に対する消費者の迷惑行為をなくすために必要だと思うこと
(複数回答)
43.5
48.6
29.5
30.0
23.4
18.8
1.8
1.4 1.8
1.2
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0
一般消費者(1000)
接客業務従事者(1000)
事業者が迷惑行為に対して啓発や注意喚起を行うことをどう思うか (%)
やったほうがいいと思う どちらかといえばやったほうがいいと思う どちらともいえない どちらかといえばやらないほうがいいと思う やらないほうがいいと思う
( 73.0%)
( 78.6%)
◆消費者の迷惑行為をなくすために必要なこと 1位「消費者への啓発活動」が約5割
◆一般消費者の7割が「迷惑行為に対する啓発や注意喚起を行うこと」を肯定
消費者への啓 発活動
企業のクレー マー対策の教 育
法律による防 止
企業のマニュ アル整備
対応を円滑に する企業の組 織体制の整備
その他
○行き過ぎた苦情・クレームで「うつ病」になるケースがあることを接客業務従業員でも 4割が<知らなかった>と回答
○消費者から迷惑行為を受けたことで、従業員の半数以上が強いストレスを感じている
◆最近発覚した主な企業不祥事(不正)
年 次 業種(企業) 不正内容 内部通報で
発覚(○)
2015年5月
家電メーカー(T) 長期の不適切・不正な会計2015年11月
自動車部品メーカー(T) 自動車のエアバックの不具合・欠陥を長期にわたり隠蔽2017年6月
経営破綻
2016年8月
自動車メーカー(M) 長年の燃費データの不正表示 ※2016年10月
家電メーカー(S) グループ会社の元取締役らが計9億円分を架空発注し、一部を着服 ○2017年3月
食品メーカー(N) 社員が1億円を超える会社資金を横領 ○2017年5月
不動産業(M) リフォーム子会社が過去2年間に営業利益を約10億円水増し ○2017年9月
自動車メーカー(N) 長年に及ぶ完成車の無資格者による審査2017年10月
自動車メーカー(S) 完成車の無資格者による検査2017年10月
鉄鋼業(K) 社員がアルミ製品の不適格品の検査データを隠蔽 ○2017年11月
繊維メーカー(T)子会社 タイヤ補強材などの検査データの不正改ざん2017年12月
鉄道(JR)、重電メーカー(K) 新幹線(のぞみ)の車体に亀裂(重大インシデント)が発覚(点検不備)/製造メーカーの設計強度を無視した不正鋼材の使用(品質管理の不備)
2018年1月
振袖の販売・レンタル(H) 成人の日当日に「店舗閉鎖」で振袖が届かず2018年1月
仮想通貨交換業者(C) 外部からの不正アクセスで580億円相当の仮想通貨(NEM)が流出18
◆公益通報者保護法の認知度・普及状況(2016年度)
資料)消費者庁「平成28年度民間事業者における内部通報制度の実態調査」
消費者庁「平成28年度労働者における公益通報者保護制度に関する意識等のインターネット調査」
◆勤務先の不正についての通報先を勤務先以外(行政機関等)を選択する割合は、約半数(46.7%)
◆通報をする場合、匿名を希望する労働者の割合は約7割(66.9%)
19
(1)国・都道府県・市町村別の通報窓口設置の状況
(2)市区町村における通報・相談窓口の設置状況(都道府県別)
内部の職員等からの通報窓口:愛媛県(100%)から高知県(17.6%)まで大きな格差 外部の労働者からの通報窓口:愛媛県(80%)から高知県(11.8%)まで大きな格差 資料)消費者庁「平成28年度行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査」
20
府省庁(N=20) 都道府県(N=47) 市区町村(N=1,720)
内部の職員等からの通報窓口
20(100%) 47(100%) 901(52.4%)
外部の労働者からの通報窓口
19(100%)
※45(95.7%) 547(31.8%)
◆行政機関における通報・相談窓口の設置状況(2017年3月末現在)
1.情報通信社会等に対応した消費者行政の体制整備
○
高度な情報通信サービス(コンテンツ)、仮想通貨等の新たな技術に対応できる、自治体の 消費者行政の体制整備(消費生活センターの整備等)、ならびに消費者相談員の確保と質の向 上が必要・消費者相談員の相談経験年数等を考慮した雇用の安定・処遇改善が不可欠
・地方の消費者行政の整備・充実に向けた予算措置(地方消費者行政強化交付金、地方の独自予算の確保)
2.世代別のライフサイクルに応じた消費者教育の充実と法整備
○
高齢化、認知症高齢者の増大、成人年齢の引き下げに対応した消費者教育の充実、特別な法的保護措置の検討
3.「迷惑行為」「悪質なクレーム」への対応と持続可能な社会形成に向けた倫理的消費の普及
○
消費者による「悪質なクレーム」の是正に向けた消費者教育、倫理的消費の推進○
事業者によるクレーム対策の体制整備○
サービス提供者等のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい雇用)等に配慮した消費行動・
SDGs
の目標12
(つくる責任、つかう責任)+目標8(働きがい、経済成長)に関連 4.消費者被害の防止と通報者の保護に向けた公益通報者保護制度の普及21
○高度な情報通信サービス(コンテンツ)、仮想通貨等の新たな技術に対応できる
自治体の消費者行政の体制整備(消費者センターの整備等)、並びに消費者相談員 の確保と質の向上が必要
〇自治体の消費者行政担当職員、消費者相談員の研修等によるスキルアップ
〇消費者相談員の相談経験年数等を考慮した雇用の安定・処遇改善が不可欠
〇地方の消費者行政の整備・充実に向けた予算措置(地方消費者行政強化交付金、
地方の独自予算の確保)
22
■被害防止に向けた世代別のライフサイクルに応じた消費者教育の充実と地域のネット ワークの構築
①高齢単身世帯の増加、認知症高齢者の増大による被害防止(見守りネットワークの整 備・充実)
・高齢者、認知症、障がい者、若者、子ども等の被害防止に向け、
※「アウトリーチ」型の相談支援体制の整備(自ら相談や被害届をすることが困難な 人々への訪問・相談支援)
・(参考事例)「安心・安全ネットワーク」(岡山市)の取り組み
<http://www.city.okayama.jp/network/network_s00001.html>
・「地域共生社会」実現(我が事、丸ごと)の取り組み(厚労省)との連携強化(※参考資料)
※新たな「見守りネットワーク」形成よりも既存のネットワークとの連携が重要
②成人年齢の引き下げに対応した消費者教育の充実、特別な法的保護措置の検討
(地域での高校等への出前講座(好事例)の収集と広報:消費者庁等のHP)
23
24
<参考資料>
◆消費者による「悪質なクレーム」の是正に向けた消費者教育、倫理的消費
(エシカル消費)の推進
◆事業者によるクレーム対策の体制整備(従業員教育・研修、マニュアル作成、
組織内連携等)
◆国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標12(つくる責任、つかう責任)
+目標8(働きがい(※)、経済成長)に配慮した倫理的消費の普及
※サービス提供者(従業員)のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい雇用)、
「働く者の尊厳」に配慮した消費行動
〇労働組合としては、「働く者が、働く仲間の尊厳を守る」という“思いやり”の心でよりよい消費社会をつ くる取り組みを進めている
25
◆制度普及に向けた課題
①制度の認知度が低い(特に中小企業)、 ②通報先(勤務先)・制度への不信、③市区町村の通報窓口設置 に大きな格差、④行政機関による不適切な対応(通報の放置、不適切な調査、通報者氏名など秘密の漏えい)、等
◆制度普及と通報者の不利益取扱い保護・救済に向けた取り組みの推進
(1)「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」の検討事項(インセンティブ導入、対象者の範囲拡大、
労務提供先の守秘義務、不利益取扱いの明確化と行政措置・刑事罰等)を積極的に取り入れ、
早期の法改正と改正内容の周知徹底が必要
※とくに、対象者の範囲拡大(退職者、役員、取引先事業者、労働者の家族等)への周知徹底が必要になる
〇制度の濫用・悪用への危惧より、企業不祥事による当該労働者の不利益や消費者被害の事前・拡大防止が 重要(コーポレートガバナンス・コード等と併せて企業統治・内部統制による自浄作用に資する)
26
(2)制度の周知・普及に向けた国・自治体・経済団体・労働団体・消費者団体等の各ステークホルダーの 取り組み推進
〇「民間事業者向けガイドライン」の普及、民間事業者(責任者)への研修・講習等(内部通報の体制・規定整備)
の開催
〇「制度普及の実態(意識)調査」の定期的実施
(3)行政機関(国、自治体)の通報窓口の人員・体制整備、法制度の履行の徹底(守秘義務、迅速・
適切な調査と対処)、関係省庁や自治体間の連携(連絡協議会等の設置)
〇市区町村の通報窓口の設置促進と都道府県との連携
〇市区町村の通報窓口への支援体制の整備(都道府県によるアドバイス等)