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「就職活動 と自己の関係性三

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「就職活動 と自己の関係性三

学籍番 号  12032077

和 爾奈保 子

担 当教員   立本茂雄

(2)

目次

1章   序論

第2章   先行研究 の展望

2.1  青年期 の 自己の形成過程 (1)青 年 と危機

(2)自 我同一性地位

2.2  現実の社会的構成論

2.3  再帰的 自己論

`      第3章   調査 につ いて

3。 1  調査 の対象

3.2  調 査 の方法 第4章   結果 と考察

4,l Y君 の就職活動体験記

(1)や りた い こ とが分か らない〜面接 の失敗

:こ

よるクライシス〜

(2)知 人の勧 めで内定先の説明会ヘ

(3)就 職活動 の展開〜 自己の確 立〜

(4)将 来展望 とその創 出プ ロセ ス

4.2 Hさ んの就職活動体験記

(1)ア パ レル業界を 目指 して〜モラ トリアムヘの妻入〜

(2)航 空業界での最終面接〜転機 〜

4,3  証さんの就職活動体験記 (1)就 職活動 当初 の不安

(2)や りたい こと探 し〜モ ラ トリアム〜

(3)将 来展望の創 出

4.4 Sさ んの就職活動体験記

(1)積 極的将来展望 と否 定的将来展望 (2)な りたい 自分 とい う将来展望 第5章   結論

お わ りに

(3)

第 1章   序識

「就職活動を終えて、 自分が成長 した」「自分が変わつた」

就職活動 を終 えた学生か らよく聞かれ る言葉 である。私 は、 自分 の経験講 に鐘それ が事 実 である とい うことが分かつていた。事実 と して、私 自身、就職活動 において様 々な出会 いにようて 世界が広が つた ことや、面接 に よつて 自分 を表現す ることで以前よ 準成長 した

こ とを感 じるか らである。

私 はその実感 を他者が どの よ うに感 じてい るのか を調べ るた め

iこ

、インタビュー調査 を 行 うことに した。 そ して 「就職 活動 によつて学生の 自己が どの よ

.う

に確 立 され る鋤か」 と い うことを自己論 の視 点か ら、具体例 を用いて検証 したい。

第 2章   先行研究 0展 望

2.1  青年期の 自己 0静 威過程

(1)青 年 と危機

エ リクソン (1950)は 、内的葛藤の観点 か ら青年期のアイデ ンテ ィテ ィについて論 じて いる。

まず、最善のアイデンティティ感 とは

│「

自分が今 どこに向かつて進んでいるかがよく分 かる意識 Jで あるとい う。「自分は どう生きていきたいのか、 どうい う道を歩みたいのか

J

とい う将来への展望が拓

│す

ている時、または 自らの行 き先を自分で撫めている時、アイデ ンテ ィテ

=が 確立 されているとい うことである。また、エ リクソンは大入母健全なパー ソ ナ リティの定義 として M・ ジヤホダの定義を取 り上げている。それによると、ま 健全なパ ニ ソナ リティとは 1環 境を積極的に支配 し、パー ソナ リテ ̲ィ の統一性 を示 し :世

1界

≧自分 自身 とを IEXに 認識 しうるようなものである Jと きれている。言い換 えれ :fξ 自分 自身 と 世界 とを自らコン トロール している状態」 とい うことである

.

エ リクソン

:ま

、このアイデ ンテ ィテ ィの確立め前に内的葛藤め経験、アイデンテ ィテ ィ クライシス (危 機 、混乱 )が 必要であるとしている。 クライシス とは、人生のい くつかの 可能性の どれ を選ぼ うか迷い、決定 しようとす る葛藤 と苦闘の時期のことである書すなわ ち、自分 自身の将来への展望が拓 けず、先が見えない状態のことだ驀この状態

:こ

おいては、

自分に対 しての統一感が持てず、また自分 自身や 自分の将来に対す る信頼が持てない。 ま

(4)

た、 自分 自身だ

:す

ではな く社会 に対す る正 しい認識 を持つ こと

.が

で 吉

:‐

tい 。 在ずや ら‐ 、 申 分 の中で統一 され た基準が

│な

し ― ヽ ためである。 このクライ ンスキ こよつて、崩壊 した 自我 が、

葛藤や苦悩 に よつて再構築 され てい くことで、 クライ シス以前 と

:ま

異な る、よ り強 図で新 しいアイデ ンテ ィテ ィが発生す るのである。

急性 のアイデ ンテ ィテ ィの混乱 は、肉体的親密性 、重要 な轟 業選択 、激烈 な競 争等、心 理社会的 自己規定 に対す る同時的 な コミッ トメン トを要求 してい る体験 に 自分 が今 さらさ れてい る と気づ く時 に、通常は顕在 化す る、 とエ リク ソンは述べてい る。

つ ま り、将来への展望 を持 ち、 自分の人生 と社会 に主体的

:こ

アプ ロー チす ることができ る、健全なアイデ ンテ ィテ ィを持つ には、一度

│ま

、それ ´

までの価値観 をひ・ ●く 響返す よ う な、葛藤 や 苦闘を伴 う経験 をす るこ とが必要なので る。

(2)自 我 同一性地位

エ リクソンの理論 を元に した、 自我 同一性尺度 とい うものが存在す る。早難完了、モラ トリアム、アイデ ンテ ィテ ィ達成、アイデ ンテ ィテ ィ拡散 の麗つである。

この 自我同一性 地位 の二つの尺度 は、二つの基準によつて類型・ fLさ れた ものであ る。 そ の基準は、クライ シス (危 機 )と ゝ コ ミッ トメン ト (額 観 t自 己投入 .積 極的関与 )の

つ である。 こ吟クライ シス とコ ミッ トメン トの有無が、 どの尺度 に当て

:ま

まるのか を決定 す る。 クライ シスは先 に述べた よ うに、人生 のい くつかの可能性 の どれ を選ぽ うか迷い、

決定 しよ うと苦聞 してい る時期 、葛藤 と混乱の時期 の こ とで ある。 コ ミッ トメン ト

:ま

、 自 分 の信念 を明確 に表現 し、それ に墨づいて行動す るとい う姿勢で あ る。 ここで鐘、 この 自 我 同一性尺度 に注 目して きたい。以 ドか ら、この国つの尺度 について順番 に説明 してい く。

モ ラ トリアム とは、 クライシス、つ ま り自我が危機 に襲われている真 つ最 中の状態 であ る。 自分 自身 の存在 、 また 自分の将来、 これか らどのよ うに生 きてい くか どうかにつ いて 苦悩 し、葛藤 してい る。 しか し、 自分 について悩みなが らも、様 々な 臓 f能 性 を積極 的 に試 し、 自分の将来 を切 り拓 こ うとしている状態である。つ ま け、混乱 しなが らも自分の可能 性 を諦 めていない状態 であ ると言 える。

一方、アイデ ンテ ィテ ィ達成

│ま

、 クライシスを経験 し、それ を乗 り越 えて、 自己 とい う 存在 を確 立 してい る。確立 した後 も、 自分 自身 と自分の将来 に対 して積極的に関与 してい る状態である。

アイデ ンテ ィテ ィ拡散 とは、 クライ シスを経験 した後、そのまま /イ デ ンテ ィテ ィを確

(5)

立す ることな く、 自分 自身 につ いて も将来について も積極的 に模索す ることもな く、放置 して しまつてい る状態 であ る。つま り、 自分 に対す る確信 を持てない 、 も しくlt将来への 展望 を持 たず 「ただ生 きて いる」 とい う状態 である。

最後 に、早期完了 とは、危機 を経験 してお らず 、 自分の生 き方

:こ

つ いて積極的

:こ

関与 し ていない状態 である。分か りやす い例 を挙げれ ば、代々店 を受 け継 いでいる店 の主人な ど が、 これ に当てはまる。 このよ うな人々は子供 の頃か ら将来の道筋が決 め られ てお 讐、早 い時期か ら自分の将来 を決定 してい ると考 え られ る。言い換 えれば、 「誰かが敷 いた レール をそのまま歩いて大人 になつた」 とい う状態 である。そのため、青年期 に 「自分鐘将来 ど の よ うに してい きたいのか、 どのよ うな人にな りたい●か」 とい う迷いや葛藤 を経験 して いない。 自我 は確 立 されている と言 えるが、アイデ ンテ ィテ ィ達成 の地位

:こ

比べ 、 自我 が 弱 く、惑 わ されやすいのが特徴 であ る。

自我 同一性尺 度 (ア イデ ンテ ィテ イステイタス〕

危 機 積極 的関与

モ ラ トリアム 有   危機 の最 中 関 与 しよ うと して い る アイデンティティ拡散 有 or無 X  回避 して い る

アイデ ンテ ィテ ィ達成 有 関 与

早期完 了 X

2.2  現実 0社 会的横威論

バーガー &ル ックマ ンは、日常生活 は繰 り返 しに よつて、何 の疑 FFlを 持つ こともな く「当 た り前の もの」、 として提 え られてい る。

彼 らが説明す るこの 自明性 の崩壊 のプ ロセ スは次 の通 りである。日常生活 モ自明な こ と

)

が、何 らかの外部要因によつて崩壊す るとい うこと

:ま

、今 まで続 いていた ことがで きな く なつた状態である。 それ によつて、新 たな 自明性 を主体的 に Ell出 され る と言 う 0で ある。

「 here and nolw」 と「far zoneJの 二つの言葉 によつて、さらに詳 しく説 明 されている。

まず 「 hett and nowJと は、 日常生活 にお ける個人の注意 拳関心の中で、直接 翼わ る範 囲 の ことである。つ ま り個人が影響 を与 え られ る範 囲内であ り、その現実を変 え うるものだ

とい うことで ある。

(6)

一方 、鴫 r"ne」 はその逆で ある。いつかは個 人の生活 に も影響 を与えるも鍮な鍛だが 、 直接 の関わ りがな く、関心 も緊急度 も低 い範 囲の ことである

.

つま り、繰 り返 しに よつて成 立 してい る 日常生活 は 「 htett a滅 now」 であると言える。

そ して何 らかの要因で 自明性が崩壊 し、「 hlere anla nlowJも 破壊 され た場 合、新 た な 自明 性 が構築 され る過程 の 中で、 これ までは 「撮

"ne」 だ つた ことが、新 たな 白明性

:こ

よつ て 「here and■ ow」 にな るのであ る。

2.3  再帰的 自己識

ギデ ンズ (1993)が 言 う、再帰的 関係 とは主に社会科学全般 にお ける研究 と研究対象 と の関係 に見 られ るものであ る。 た とえば、経済学はそ もそ も現実の経済 を分析す るための 理論 を構築 した もので あるが、実際 には、経 済学の理論 がその まま現実 の経済 に も影響 を 与 えてい る。 つま り「スーパーで買い物 をす る Jと い う経済的行為か ら、経済学が発生 じ てい るだ けで

│ま

な く、経済学が現実の私たちの買い物 とい う行為に も影響 を与 えてい る と い うのである。社会学 も同 じである。社会 とい う揺れ動 くものが対象 であるため、そ もそ も どの よ うな社会 であ るか を知 るた めの調査 その ものが、対象に変化 を与 えて しま うので あ る。

ギデ ンズ

:ま

自己に この再帰的 関係 を当てはめてい る。 本質

:ま

過去 を振 り返 ることその も のにある、 と述べてい る。エ リクソンの理論 か ら分か る とお り、 自己は 自分を知 り、主体 的 に 自己を形成 しよ うし、将来への展望 を拓 くことによつて確 立す る。未来へ と鏡 く自己 を警醒す るには、過去か ら現在 にか けての 自分 の行為 を認識す ることが必要な母である。

しか しギデ ンズは 「行為 は耐 え ざる生の流れ で あ り、折 にふれて反省 した り振 り返 つた り す る時 にのみ 、途切れ途切れに見 えるもので あ る」 と述べてい るゃつ ま り行為 を

本稿 では、 この 自己の再帰性 を 「自分 を知 るための振 り返 る とい う行為が 、 自己そのも のに変化 を生 じさせ るもの」 と定義す る。

以上の二つ の理論 か ら、 自己が確 立 され るた めに必要 な要因鐘◎ アイデ ンテ ィテ ィの危 機 を経験 しているこ と、② その際、単な る挫 折や失敗でま まな く、 自明性 の崩壊 を感 じ、新 たな 自明性 の創造 を行お うとしてい ること、③ 自己を振 り返 ることで、将来展望 を創 出 し

よ うとしていること、の二つが挙げ られ る。

4

(7)

第3章   薔査につ Ltて

3.1  調査の対象

就職活動 を終えた、もしくは就職活動を継続 中である同意社大学の 4回 生。以下の 4本 に協力をして もらつた。 Y君 (生 命保険会社内定

)、

Hさ ん (航 空業界志望で就職活動中

)、

Mさ ん (人 材サー ビス業界志望で就職活動中

)、

Sさ ん (Wteb制 作・ マークテ イング会社 内定 )で ある。 ()内 はいずれ も調査当時の ものである。

3.2調 査の方法

一人 当た り約一時間半のイ ンタビュー を行 つた。学生生活 での体験や心情、就職活動 に ついて、そ して将来展望について 自由に語 つて もらう形式 を聯 た。

第4章   織 果 と考察

先行研究 か ら、自己の確 立に必要 な要因 として「アイデ ンテ ィテ ィの危機 の経験 』「鋼明 性 の崩壊 を感 じてい る点」「自己を振 り返 り、将来展望 を Ell出 しよ うとしていること」の三 つ を挙げた。 この章では、 この二つ の観点か ら、四人のインタ ビュー を見てい く。

4.l Y君 (生 命保険会社 に肉定 )の 就職活動体験記

(1)や りたい ことが分 か らない〜面接での失敗 に よるクテイ シスー

「最初はテ レビ局 を受 けてた。最初 、一番エ ン トリーが早かつた一社 だけエ ン トリーシ

ー トを出 してん。 それ が十一月。それか ら年 明

:す

まで何 もなかつた。一月第一週 と島難 め

切 りや つたか ら。 テ レビ局 は『 単純 にテ レビが好 きや つたか ら』 つてい う理 由で受 けた感

じ。 しか もテ レビ局は試験が早いや んか。お試 しで受 ける人 も多いや ん。 エン トリー シー

トだ け出す と力、 だか ら皆受 けて る し自分の受 けよ うつてい う、そ うい うの もあつた。一

時期、司法試験 を受 けよ うと思 つてた時があつて、その時に、   時 だけテ レビ局 も面 白そ

うと思 つた こ とはある。 で も、それ はそ こまでは 自分の 中では大 きな位置

l・

t占 めへんか つ

たわ。だか ら、テ レビ局は行 けた らち ょつ とで も面接進 /Lrで 、色んな話聞 けた らいいな ぐ

らいに思 つてた。 だか ら、本気 で メデ ィアを志望 して る人 と俺では、情熱 が違 う。 一回テ

レビ局に見学 に行 つたのは面 白かつた。 それで、ち ょつ とモチベー シ ョン上がったつてい

(8)

うのはあつた。俺や るな ら報道 が したかつた。

J

エ ン トリー シー トが通過 し、面接 を迎 えた Y君 。 しか し、このテ レビ局の面接で シ ョッ クを受 けることになる。

「テ レビの面接の時に『 何を伝 えたい ?』 ってい う質問があつて、それにハ ッキ リと答 えられんかつた 自分がいた。報道がや りたい と

l■

思つてるけど、漠然 としす ぎてて、結局 俺は何が したかつたんやろ うと思つた。だか らその後

:ま

マスコミを受 キ すん くなつたわ。や りたいことが見つか らんか ら。法学部で勉強 した視点を生か して、報道が したい ≧思つて たはずやのに。かな り面接でシ ョックを受けた。今思えば『 報道でや りたいこと』なんて 聞かれて当然のことやねんけど、それで しどろもどろになつて しまった 自分が嫌や つた。

絶対聞かれることやのに、俺は答 えれへんかつて』

その時、 Y君 はすでに内定先の生命保険会社への就職活動や他の業界への活動 も平行 し て進めていた。

「テ レビ局の面接でショックを受けて、その 日は、 『 なんで俺 あんなことも言えんかつた んや ろ う』と思つてたけど、その時受け初めてた生保、それか ら百貨店の面接に活かそ う、

ちゃん と言えるよ うに しよ うと思つて 自己分析に活か した。各業界で、必ずや りたいこと を言えるように、ショックな体験を逆に活か した。 まあテ レビ局

:ま

そ こで落ちて しまつた か ら、も う受 ける機会ない し。だか らここで ウジウジしてて もあかんなと思 rJて 。 百貨店 が、保険 より百貨店先やつてんけど、百貨店の時

:ま

ちゃん と言えた。なんて言つたか とい うと『 やっぱ りお客 さん一人一人の顔が見える仕事が したい』つて。百貨店

:ま

対面薦売や んか。だか ら 『 お客 さん一人一人のニーズに答 えられ るような仕事が したい』 『 今やつてる ドラッグス トアでのアルバイ トも好 きです』つて言つた蓼正確に『ま覚えてないけど『 とに か く俺が選んだ何かでお客 さんが喜んで くれた ら』 と言 つた らクケはよかつた。実際そ う 思つてた し。百

:貨

店は結局、最終面接まで進んだわ」

そ して Y君 は当時の心境 をこ う語つている。

「今の内定先に出会 う 12月 までは葛藤があった。それがテ レビ局であ り、その百貨店 の販売であ り。接客業の中でも、販売よりは企画 とか したかつたけど。 どつち FJLと 言 うと テ レビ局 とかつてバブ リーつてイメージで。実際そ うい うイメー ジに俺

l■

因われてるとこ があつた。俺、最初は生命保険会社 とか銀行 とか、金融は視野に入れてなかつてん蓼やつ ぱ り目に飛び込んで くんのつて、最初

│ま

マスコミやん。テレビ局 とかつてよう飛び込んで

くるやん。完全に周 りに呑まれてた感 もあつた。二

6

(9)

「そ うい う意味で、その時点での、自分の将来への希望

│ま

固まつてなかつた。販売に関 しては『 別に接客業嫌い じやない』つてい う理由。 うん。鎌い じゃないってい うの fJ‐ i理 由 やつたか ら、今思 うと。受けた時点で。 『 向いてなく

│ま

ないな―』と思って。だか らちよつ と甘かつたかな、俺」セ ミナーに行き出 したのも遅かうた し b始 まったん 12月 曇頭やん か。学校のセ ミナーにはあんま り行つてなかつた。学部の友達 とか

:ま

めつちゃ行つてて。

その時は、 『 セ ミナーに行 つた』つて ことがステータスみたいになつとつて。それで、無用 な焦 りがあつた。 あるやん、そ うい う時期。今思 うと『 何アホなことで悩んでたんや』 と 思 うけど。全 く自分の行きたい業界 じやないのに。俺は松下電器の説明会社は行かんかつ てんけど、周 りは『 行つた行つた』つて言つてて、 Fあ れ、俺行かへんかつたぞ』みたいな。

『 やばいやばいやばい』みたいな。完全に周 りの春 まれてた。 この時

l・

■将来も漠然 として たなぁ」

ここまで、 Y君 の就職活動初期のコメン トを見てきた。ではなぜ Y君

:ま

、当時焦 りや面 接でショックを受 けたのだろ うか。その理 由は、具体的な将来展望を持つていなかつた こ と、そ してそれが原因 となつてアイデ ンテ ィテ ィクライシスの状態

:こ

陥つていたか らであ る。

彼が話 しているよ うに、就職活動を始めたばか りの頃

│ま

、 自分の将来が漠然 としていた とい う。そ してその状態で迎えた初めてのテ レビ局の面接で 「や りたいこと」が思い浮か ばずに玉砕す る。

彼はこの面接で 「自己 PRは 言えた」 と語つていることか ら、彼

iま

ゝ 自分 自身について はある程度正 しい認識ができていたのである。 しか し、それはあくまでも 「学生 としての 自分」であつた。 この面接で彼が答 えられなかつた とい う『何がや りたいか Jと い う質問 は、「うちのテ レビ局で何が したいか Jと い う会社に入つた後の自分の希望、つま摯将来展 望について間 うものである。つま り、この質問に答 えるには 「社会人 としての 自分髪を想 定 していること、テ レビ局における将来展望を思い描いていることが必要だつた。 しか し

Y君 に とつては、これまでの自分像 とテ レビ局での 自分像が結びつかなかつた。だか ら Y

君には答えられなかつたのである。

バーガー &ル ックマンの理論で説明すれば、当時の Y君 にとつて、テ レビ番組鐘 日常に 爾‖ 染み深い「 here and now」 な ものではあつたが、テ レビ局で仕事をす るとい うのは「 far

zoneJの ものであ り、直接 自分 と関わ りのあるものであると想像できなかつたのである。

Y君 は、 この面接によつて、これまでの 日常 と

:ま

異なる現実 に直面 した。そ してこれま

(10)

での学生生活 の一員 としての 自分の考え方が崩壊 し、維持す ることができなくなつたので ある。

ただ し、彼は、その面接の後は 「や りたいこと」を言えるよ う

:こ

自己分析に活か したと 語 つている。この Y君 の行動か ら、彼はけ して講めてアイデンテ ィテ ィ拡散尋状態

:こ

陥 る

ことなく、新たな 自明性を作ろ うと積極的に模索 している姿勢が見て とれ る。

この就職活動初期の出来事で、 Y君 はアイデ ンティティクライシスを経験 し、モラ トリ アム状態に突入 しているのである。

(2)知 人の勧めで内定先の説明会ヘ

この項では、モラ トリアム状態に突入 した Y君 が どのよ うに転機 を迎える攀力 ・を見てい こう。

「 11月 までは金融業界を受けるつ もりは全 くなかつた。でも、 12月 の頭に、知 り合い が内定先の会社の人 と知 り合いやつて、 『 行 つてみ―や、いい会社やか ら』 と機められた。

だか ら、投げ込みみたいな感 じで説明会に入れてもらつてん。それだけ。元々生命保険会 社に対 して、結構暗いイメージを持 つててんけど、実際に行つてみた ら、全くそんなん じ

ゃなかつた。会議室 も光がめつちゃ差 し込むよ うな雰囲気の明るい ところで『 轟、これは 思つてたん と何か違 うな』 と思つた。なんか さ、人でも最初か ら 夢いいな』 とむヽ いイメー ジ持つてる場合よ りも、最初のイメージが悪 くて、付き合つてみた ら実際はいい競やつた 時のほ うが好感度上が らへん ?そ れ と同 じで『 こんな会社 もあるんや』 と思つた。それ以 外にも、人事の人が凄いイキイキ してたつてい う物凄い就活生 らしい理 由でこの会社を好

きになつた。」

彼はそれ以降、それまで全 く興味がなかつた金融業界志望にな り、これ まで素通 りして た業務内容にも興味を持ち始め、勉強をし始める。彼がその時感 じた

r■.命

保険会社の仕事 の魅力は何なのだろ うか。

「うちの会社は、誰 も手をつけてない部分を扱 う、隙間産業みたいなもんやか ら『 や り がいはある』 と思つた。俺、元々人のために動 くのが好 きや し、この会社鈴仕事 も『 人の ためかな』 と思つた。生保やねんけど、若干他の会社 ≧

iま

違つてて、会社単位で契約 して もらうねん .社 長が死んだ時のために、残 された人のために仕事す るねん。普通やつた ら 大黒柱に保険を掛 けて家族がそれを受給す るやんか。それの もつと拡大版で、大黒注であ

る社長が死んだ時に社員 さんが助かるつてい うシステム春」

(11)

「会社の事業は九割は法人やねん。だか ら、色んな中小の社長さんに会える、経当を任 され るねん。まあ、会 えるとかそんな優 しい ところ じゃないんや lFfど 、俺はそんな人らか ら話が聞けるつてい うのはす ごい魅力に感 じてん。色んな人か ら吸収 したい と。そ こが気 に入 つた。会える人の地位が、中小 とは言え社長 さんで、皆美学持つてる人やか ら、なん か一年 目か ら大きい大御所の人 と会 えるみたいな感 じになる じ .J

そ して彼は生命保険の仕事に魅力を感 じると同時に、自分 自身吟変化 をも感 じた とい う。

「この説明会では、ほんまに『 ガーン !』 と 180度 変わつてんな。元々、頭の中に『 俺 は、人の影に立ってサポー トす るタイプなんかな ?』 つてい う思い

l■

あつた し。で、それ がそのまま生かせ る、そ うい う業種があるのを、まず知 らんかつてん。生命保険にそ うい う会社 を救 うつてい う業種の仕事があるの知 らんかつてんな。それを、ガツンと見せ られ て さ。演出されてるに しろ『 すげえ、これ』 と思つて。何か、生命保険つて人の命 を売 り 買いす るみたいなイメージあつたけど、 そつちの人だけ じやなくて会社が救えるつてい う、

あ と『 全 くの他業種の社長 と会えるか ら、仕事がすべて人生勉強 Jつ て言われて。 これは

『 めっちゃ地味や

iす

どめつちゃいいやん、 自分に向いてる』 と思つて。そ うい う説覇会、

それまでは経験 してなかつたか ら」

「説明会に行 くまでの、この当時の将来展望は、今のと

:ま

全然違つてた。ある鋳鐘あつ た。百貨店 とかで人に楽 しんで もらうものが作 りたいつてい うのがあつてん。でもなんか 人のためつてそればつか じやないなあと思つた。人を楽 しませ るとか、華やか さがある 『 人 のため』 じゃなくつて、もつと地味なほ うで もええかつて。地味つて言い方は悪いけど、

保険はやつぱ り会社に とつてはなくてはな らないものだ とい う話 を聞いて Fあ 、これ

Iま

ア ツい』と思つてん。根元か ら支えるのが 自分には向いてるつて昔か らずつと思つてたか ら。

自分でもビックリした。結局俺はそ こに戻つてきたんか と。それが 12月 の時点手人を楽 しませ る仕事がいいと思つてたのは、 (テ レビ局を受けた りしていた )11月 書は― Jき り分 かれた。でも 12月 になつてももちろん、人を楽 しませ る仕事への興味がなくなつたわけ じゃないけど、 根元か ら支える仕事のほ うが 自分には向いてるな、と考えるようになつた。

働 くってい うことを実感 を持つて考 えられたのは 100パ ーセ ン トそ こやわ。」

ここか ら

1ま

考察に入 る。前項では、 Y君 はモ ラ トリアム状態に陥つていた。そ鋳原因は 現在の 自己像 とその会社における将来の 自己像が結びつかなかつたこと、つま り自己認識 のズレであると述べた。

しか し、 Y君 は内定先でもある説明会で、そのモラ トリアム状態に終止符を打つ轟会ぃ

(12)

を果たす ので ある。彼 は生命保 険会社 の仕事 の魅力 を話 つてい るが、 Y君

:ま

なぜ そ鍛説 明 会 まではむ しろ悪 いイ メー ジを持 つていた とい う、生命保険会社 に難 力 を感 じた鈴だ ろ う か。 Y君 か らの言葉 を借 りて説明 しよ う。

「その説明会 まで も、色んな説明会 とか会社見に行 つてたけ ど、そ こで 自分が働 いてる絵 が浮 かばんか つた ところもあつた。 『 俺がテ レビマ ン ?テ レ・ ビ好 きや け ど、テ レ ・ ビマ ン ?』

みたいな感 じで。 で も、生命保険の営業 とかや つた ら『 あ、結構 ビッタ リくるな』 と、 自 分 の中で しつ くりきた。逆 に俺イ メー ジ して就活 したか ら、 うまい こ といつたかなつて。

テ レビ局 はイ メー ジがなかつたか ら、初歩的な ことも言 えへんかつた し」

上の Y君 の言葉 か ら分か るのは、そ こで働 く自己像 を描 くか描 けないかによつて、自分 の心境 が変わ るとい うことである。 Y君

│ま

、生命保 険会社 の具体的 な仕事 内容 を知 つた こ とに よつて、 Y君 は実 は 自分が以前か ら抱いていた 『人 のために働 きたい と思 つて いた

J

とい う自己像 に気 がつ いたのである。そ して、その会社 での仕事が、実

│ま

自分 とビ ッタ リ ー致す ることを知つたのである。 Y君 は、仕事

│ま

確 かに地職だが、 これ ほ ど自分 に向いて い るものはない、 とい うことを新たに発見 した とも言 える。 Y君 に とつて、テ レビで報道 をす ることとは違 つて、「人のために働 くJと い うのは、高校時代 での クラス行事や アル バ イ トの経験 に よつて、当た り前の ことだつた。

つ ま り、生命保険会社 の仕事が何 よ りも人のためになることを発見 した彼 の中で、 これ まで悪いイメー ジ しかな く「 faF"neJな 存在 であった生命保険会社 の仕事が、「人 のため に働 く」 とい うキー ワー ドの発見によつて 「 hett alla nlow」 な存在 に変化 したのであ る。

だか ら彼 は生命保 険会社 に魅力 を感 じたので あ る。

Y君 は、生命保険会社 の説 明会 とい うきつか けによつて、 これか らの 自分の生 き方 とい う自明性 を創 り出 したのである。言 い換 えれ ば、将来展 望を Elj出 した と言 える。

こ うして、 Y君 はテ レビ局の時 とは異な り、現在 の 自己像 と会社 での将来 の 自己像 が結 びつ けることがで きた。 その結果彼 は 自分の就職活動 を、 自信 を持 って進 めるよ うにな る のである。

(3)就 職活動 の展開〜 自己の確 立

「十一月の終わ りか ら十二月の頭 は、就活 をや らされて る感 が ものす ごく大 きくて、一 日一社 で疲れ て、三社 を回 るのが限界や つた。 で も、途 中か らはす ごい楽 しか つた。 二月 くらいか らは毎 日回つて も全然苦 じゃなかつた し。ナチ ュラノ レ ・ハイみたいな感 秘 .『 会社

10

(13)

を回つてんのが当然』 つて感 じや つた し。 たぶ ん俺 の場合 、就活 で行 くのが大阪ばつか り や ったか ら、気 も楽や つた つてい うの もある と思 うねん け ど

J

二月 くらいには、ただ楽 しむだ け じゃな くつて、逆に面接官 の人 とな りを読むほ ど、余 裕 が出て きたそ うだ。 それ が災 い したのか、 ある銀行で調子

:こ

のつて いた 自分 を見透か さ れ たのか、幽次面接 で落 ちて しまつたのだ とい う。

「俺、普通 に喋つたつ も りや つてん けど、人柄 を見たつて感 じで。 シ ョックではなかつ てん。 そ うい う風 に言 われ る とい うことは、 ち よつ とたぶん、 自分 も天狗 になつてた とこ が あるんかな、 とその 日に気づいた。 四月の頭 って金融 はす ごいか ら、毎 日何社か面接 が あったか ら、その 中で、二月の楽 しかつたテ ンシ ョンが、調子に乗 つてるみたいになつて 出てたんや と思 う。 それがたぶん大人 に

│ま

そ うい う風 に『 こいつイキ ッて る理 つて写つた のか もしれへ ん。 で もそ こで気 に してた ら次 の 日の面接 もあかんか ら、あま 秒落 ち込 まず に、その教謝 1だ け得て、行 くよ うに した。 ズル ズル行 きた くなかつたか ら、悩 んでてなん か『 ミスつたん ?』 みたいな。金融 は四月頭 が勝負や つたか ら、頭 を切 り替 えて。 で、無 事 4月 11日 に内定 をも らつてん」

Y君 が言 う、十一月か ら十二月 の頭 とい うのは、ち ょうど彼のアイデ ンテ ィテ ィクライ シスに当たる期間である。 この時、彼 は主体的 に 自分め将来像 を描 けていなかつた。 だか ら彼 は就職活動 を 「や らされている」 と感 じた と言 える。 しか し、彼

:ま

前項で説明 した出 来事 によつて、アイデ ンテ ィテ ィクライ シスを克服 し、 「人のためにな る生命保険の仕事で 生 きて生 きたい」 とい う将来展望 を創 出 した。 だか ら途 中か ら就職活動 を楽 しい ≧思 える にまで、彼の 自己は変化 したのであ る。

(4)将 来展望 とその創 出プ ロセ ス

Y君 の将来展望 は、アイデ ンテ ィテ ィクライ シスを経験 し、説明会で 自己像 とその会社 にお ける将来像が結びついたか ら創 出 された と述べ た。

Y君 は元 々 「人 を支 えた り、人 のために何かす ることが好 き Jだ とい う性格 で、高校時 代 の クラス活動や また大学のサー クル で も同 じよ うな立場 だ つた とい う。 しか し、 T君 は 最初か らその 自分 の性格 が仕事 につ なが る とは思 つて もいなかつた。性格 につ いては 自党 していたか も しれ ないが、その性格 を生か した将来展望を持つ までには至 っていなかつた。

彼 が将来展望 を持つ に至 るプ ロセ スは、 ギデ ンズの再帰的 自己論 によつて説明できる。

彼 は、生命保 険会社 との事業 内容 を知 つた ことによつて 、 自己を振 り返 ることになつた。

11

(14)

その振 り返 りを通 して、 自己の性格 と生命保 険会社 の仕事が結びつ くことを発 見 した。 そ れ によつて、それまではそんな こ とを考 えていなか つた彼 の内面 に変化が生 じ、『地味な仕 事で も、生命保険会社 の仕事は向いてい る。 この仕事 を通 じて、人 のためにな ることをや って生 きていきたい」 とい う思いを持 つた新 たな 自己像 を Eljり 出 し ,た のである。つ ま り、

自分 を知 るとい う行為 を通 じて、 自分 について知 るだけではな く、 自分 自身 を変化 させ た と言 える。

Y君 の将来展望の全容 は以下の通 りである。

「最初

│ま

まず会社 で、仕事 を最初 の三年位で完璧 に覚 えて、それ か らは最 初の 目標 や つ た『 人のため』つてい うのを実現 したい。結構 、面接のためだ

:す

に偽 りで言 う人 もいるけ ど、俺 は結構 ほん まにや りた くつて。だか ら色んな人 に感謝 された り「 I君 で よか つた」 「担 当が君で よかつた」 と言われ るのが 目標。そ う言われ るまでにな りたいか ら、まあ勉強 も して、成長 していきたい と思 う。 で、お客 さんにも会社 にも、や大事 に され る人にな りた い。 そのまま十年 FH5は 頑 張 つて、 さらにその先の十年

│ま

、考 えてない。 そのままず つ と会 社 に残 つて、俺、   トップにな りたい つてい う気持 ちはないんや け ど、頑 張 つて幹部位 には な りたい。 も う一つは、資格試験 を受 けよ うか な と思 つてる。俺 、 コースクール

:こ

行 きた か ったんや け ど、家計 の事情で泣 く泣 く講 めたつてい うのがあつて。 だか らそれ鐘何年後 になるかわか らへんけ ど、司法試験 の資格 も、 ち ょ rJと 目指 してみ よ う、視野 に入れ よ う か な、 とここ三ヶ月位 で考 えて るねん。 まだ働 いて るわ

:す

じやないか ら、まだまだ甘い考 えか もしれん け ど、で も夢 として、現時点ではそれ をち ょつ と響 L戦 してみ よ うかな と思 つ て る」

司法試験 とい うワー ドが登場 して るが、 これ はなぜ だ ろ うか ?Y君

:ま

、 自分の家 の事情 に よつて ロー スクールヘ行 くとい う将来展望 を諦 めた経緯 があつたのだ。就職活動 を終 え、

自分で稼 いで働 く、 とい う将来展望 を手に入れ た ことに よつて、 T君 は 「自分 で稼 いで、

今 よ りも大人になつたな ら、新 しい挑戦 としてや つて もいいのではないか」 と思 うよ うに なつたのだ とい う。 この ことか ら、将来展望 は一度確 立 され たその後 も常 に変化 し続 け る 性質 を持 つてい る とい うことが分か る。

ここまでの考察 によつて、 Y君 は「アイデ ンテ ィテ ィクライ シ スの経験 J「 自明性 の崩壊 と新たな 自明性 の創 出 J「 自己を振 り返 ることで、 自己を変化 させ てい る J「 アイデ ンテ ィ テ ィクライ シスを克服 し、将来展望 を創 出」 とい う過程 を経てい ることが分か るゃ以上の

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(15)

ことか ら、 Y君 は就職活動 によつて 「社会人 としての 自己」を確 立 させ 、「人のためにな る こ とを して生 きてい く」 とい う生 き方 を決定 した と言 える。

4.2 Hさ んの議騰活 動体験記 (航 空業界志望で就職活職 中》

(1)ア パ レル業界 を 目指 して〜モ ラ トリアムヘの突入〜

Hさ んは、就職活動 の当初か ら、アパ レル業界が第下志望である と明言 していた。 Hさ

んに とつて、それ ほ ど服 は大切 な ものだつた。

「理 由は、蝶 つてい うファッシ ヨンサー クル でファッシ ヨンシ ョーを してたか ら。蝶の メンバーの皆

tま

す ごく個性 があ る し「あ―お栖落や な」 と思 つていつ も見てて、そ うい う の見るのも好きや し、服作つた りす るのも好きや しと思つて。 『 やつぱ り殿が好きなんや な』

と思つてアパ レルを受 けてた」

しか し、就職活動 を続 ける中で、現実に直面す る。

「アパ レル

│ま

もういいや と思つた。そ うなつたきつ力ゝ け

l■

ゝいつもエン トリー シー トは 通 るけ ど面接で落ちることばつか りだつたか ら。翻長に対する考え方が、私 と会社 とでは違 うんかな』 と思つた。私は服がめつちゃ好きとい うか、服にこだわ りがあつたか らこアパ レルを目指 しててんけど、でもやつぱ り自分の中に制限があつた。 ここの会社の殿鐘好き やけど、ここのプラン ドの服は嫌い とか、そ うい う好き鎌いつてあるやん力、 でも、そん な風に服に好みがあるつてい うのは求められてなくて、 自分が服 とつながるよ りも、会社 側は『 接客が好き』 とか『 お客 さん と服 をつなげ、お客 さんに服を売れ』つてい うのを求

めるんかなと思つてん」

「それで、趣味で服は作れるやん と開き直つた。それまでは向いてへんのかなと思つた りもした。悔 しかつた し、たぶん身長が足 りひんつてい う鍮も理 由としてあつたんや と思 う。エン トリーシー トは、アパ レルは ‐ 社 を除いてほとん ど通つてん。その落ちた ところ は、身長 を書かなあかんくって、身長の欄以外は同 じ内容で出 したのに、そこだけ落ちて ん。だか ら、身長のせ いかな と思つた。」

「販売員の人は、 どんな服でも似合わなあかんつてい うのがあつて、皆スタイルがいい 人 も多いやんか。そ うい う点で『 私は向いてへんねんな』と思つた部分はある。 『 売 るため の道具で しかないん』みたいに思つた りもした し。私は (専 門技術を学んだわ

lす

ではない か ら)『デザイナーにもなれへん、で も服 とつながつていたい』つてい う気持 ちがあつた。

だか らアパ レル業界での就活をやつててん。で もやつていくうち

:こ

『 好 き』つてだ‡ すじや

13

(16)

あかんねんな と思 つた。そんなん悔 しかつたか ら、プ ロ じゃな くて も、汚 いな りに作 るの はで きるか ら、趣 味で作 ってい こ うと思つた。一個の会社にず つといて、その会社 の服 し か着 られへん よ り、一般人 として 自分の好 きな服だけを選んで着て、それでいいん ちゃ う か な と思 つた。私 に とつて、一個 の会社 に縛 られ るのはそんなに大事 じゃなか つたかな と も思 つた。服 つて会社 によつて違 うやんか。 そ こまで、そめ会社 の服 が好 きかつて言 われ た ら違 うし。

J

Hさ んの コメン トの中で注 目すべ きは 「アパ レルは も ういいや。趣 味でいい と轟 き直つ た」 とい う発言である。 なぜ彼女 はそのよ うに思つたのだろ うか。

就職活動 当初 の Hさ んの方針 は、「好 きな もの と関わる」 とい うものだつた。 しか し就 職活動 を続 ける中で、「 Hさ んが思 うファッシ ョンヘの気持 ち Jと 「アパ レノ

p../Lt業

が社員

に求 め るファ ッシ ョンヘ の気持 ち」が結びつかない とい う現実 に直面 したのである゛彼女 は 「自分 に とつて好 きな ことを仕事 としてや つていきたい」 と思 つていたのだが、企業が 求 めていたのは 「自分 と好 きな もの をつ な ぐこ とで

│ま

な く、他人 ≧服 をつ な ぐこと」だ つ た。彼女の志 向 と企業 の志 向にズ レが生 じてい ることが判明 した ことによつて、彼 女に と っての 自明性 が崩壊 したのである。つ ま り、 Hさ んはアバ ンル業界への就職活動でアイデ ンテ ィテ ィクライ シスを経験 し、モ ラ トリアム状態 になつたのである。

バーガー &ル ックマ ンの理論 を用いて分析 してみ る と、彼女 に とつて服 を作 ることや服 その ものは 「 herle and now」 な存在 で あつた。 しか し、アパ レル業界 において、人 に服 を 売 る とい う行 為は 「 faF ZOlne」 な存在 だったのである。 そのため、 Hさ ん

:ま

自ら鍮将来展 望 をアパ レル業界 において描 くことがで きなかつたので あ る。

その後、彼女に葛藤や迷いがいかに生 じていたかに

iま

「身長のせ いで向いてないのかな と思 つた」「自分の中に好 き嫌 いがあった」 とい うコメン トか ら理解す ることができる。

(2)航 空業界での最終 面接 〜転機 〜

Hさ ん にも転機 が訪れ る。彼 女は、好 きな もの と関わ りたい、 とい う方針 の元、アパ レ ル業界の他に も紙 の商社や航空業界の地上職 も受 けていたのであ る。彼女の転機 鐘、航空 業界の最終面接 に落 ちた ことだつた。

「航空をずつと受けてて、一社だけ最終に行つてん。結局落ちたんやけど、その前に紙の 商社の最終で落ちた時とは何か違つた。最終面接を受けてみて 『 ああやつぽ好きなんやな』

つて思つた。好きつていうか『そういうことがしたい』みたいな二

14

(17)

「就活をずつと続けていくうちに、結局サークルでも人を支える立場や し、人の役に立 つ ことが うちは好きやなつて思つた。まあ働 くってい うことは『 人の役に立つ』 ってい う

ことなんやろ うけど、だか ら好 きなことを仕事にす るつてい う考えよ り『 人の役に立つ』

とい うことを考えて就活 したほ うがいいんか もしれへん と思つてん。 まあ航空は好 きなこ とや けど、結局は人のためになるし。それにバ ン屋のバイ トで接客も してたか ら、お客 さ んに喜んでもらえた ら嬉 しいつてい うのもある し。 フアッシヨンサークル とは別に入つて たサークルで も、 『 自分のことより人のこと』みたいな感 じでいてた時 もあ つて、とりあえ ずいつ も『 人がや りやすいように、動 きやすいように自分は動 こラ』つてい うのは いつ も 考えてたか ら。そ うい うことが仕事 として出来 るんか もと思つて、やつぱ り自分がや りた い仕事は航空業界にあると思つた」

さらに Hさ んはこ う続 ける。

「サークルの皆で沖縄に行つた時、台風で飛行機が欠航んあつて空港で一濃 した時がある やんか。 あの時、凄いバタバタしてたやん。や つと飛行機に乗れ ることになつた時、最後 のほ うは『 出発時剣なんて過ぎてるけど、今か ら乗れ』みたいな感 じで、 うちはグラン ド スタッフ (空 港の地上職 )の 人達 と一緒に荷物 を持 つて、走つて乗つてん。その時

:こ

『 あ、

この人 ら凄い』と思つた。そ うい う、ただでさえ台風でお客 さ /・ Jの気持 ちが不安定な時に、

一緒に走つて くれるのが凄 く嬉 しかつた。だか ら『 あ―す ごいな、 自分 もや りたい理 と思 ってん。困つてるお客 さんに大 して、やつぱ り飛行機に乗 るつて物凄 く不安なことや と思 うねんか。 うちも沖縄の台風の時に不安やつた

:す

ど、そのグラン ドスタッフ達鍮曇おかげ で不安が少な くなつたか ら、そ うい うのんながや りたい と思つた。 自分 もお客 さんの不安 な気持ちを少なくした り、笑顔 に変えた りしたいな と。一ホスピタ リテ ィかな

J

「サークルでフリーペーパーを作つた リファッションシ ョーを した りとか して、 自分の作 つた ものが形になつた時は、確かに嬉 しいと思 うねん。でもそれ以上に ‐ 番嬉 しかつたん は、一緒にや うてる人達か ら、ちつちやいことやけど『 あん時は助かつたわ』 と感謝 され

うこと、それが一番嬉 しかつた」

これまで、 Hさ んは航空業界に対 して も、アパ レル業界 と同 じよ うに 「空港や飛行機が 好 きだか ら」 とい う理 由で受験 していた。 しか し「面接 に落ちた J体 験によつて、以前か ら彼女 自身が持つていた 「沖縄の空港での体験 と、人のために役立ちたい自己像」の二つ を呼び起 こした。そ して彼女は航空会社の地上職な らば、自分の 自己像 と、そ鈴職種にお ける将来の自分像が一致す ることに気がついた。そ してこの時、彼女の中で、 自己像が確

15

(18)

立 され るだけで

│ま

な く、将来へ の展望が拓 けたので ある。

ギデ ンズの理論 を用いて分析 してみ よ う。面接 で落 ちた時に シ ョックを受 けた ことか ら、

Hさ んは 「なぜ シ ョックなのだ ろ う」 と自分 の感情 を基点 として 自分 自身 を振 警返つたの である。 この振 り返 る とい う行為 によつて、沖縄 の空港 でグラン ドホステ スの仕 事

:こ

魅力 を感 じた体験 が発掘 され、そ してそれ に伴 った 自己観 も Ell出 され たのであ る。

Hさ んは、その後、航空会社 の地上職 を 目指 して就職活動 を続 けてい る。彼 女が 自信 を 持 つて就職活動 を行 えるのは、先の体験か ら自らの将来展望 を創 出 してい るた め

:こ

、迷 い がな くなつたか らなのであ る。

ここまでの考察 によつて、 Hさ んは 「アイデ ンテ ィテ ィクライ シスの経験 J「 典明性 の 崩壊 と新たな 自明性 の創 出」「自己を振 り返 ることで、 自己を変 fLさ せている J「 アイデ ン テ ィテ ィクライ シスを克服 し、将来展望 を創 出」 とい う過程 を経てい ることが分か る。以 上の ことか ら、 Hさ ん

│ま

Y君 と同様 、就職活動 によつて 「社会人 ≧しての 自己 Jを 確 立 さ

せ 、「航 空会社 の地上職 として、人の役 に立って、人 を支 えていきたい」とい う生 き方を決 定 した と言 える。

4.3  ‖さんの就職活動体験記 (人 材サー ビス業界志望で就職活動 中

)

(1)就 職活動 当初 の不安

「就活 を意識 し始 めたのは、 3回 生 の十月の終わ りぐらいかな。就活 が今度

1ま

自分 の身 に降 りかかつて くるつてい うのを意識 し始めたのはその時。 (最

l・

t)全 然意識 なんて して なかつたかな ぁ。 しな きゃいけない と思 つて も、で もなんか まだ大文夫、つて安心感 じゃ ないけ ど、余裕が あつた

J

Mさ んは、昔か らマ ス コミ業界へ の憧れ を持 つていた。特 に、サー クルでイベ ン ト運営 に携 わった こ とか ら、イベ ン ト関連 の会社 に入 りたい と考えていた。 当初 は就職その もの もあま り現実的に提 えてお らず 、不安 も感 じなかつた。 それ

:ま

その当時サ ー クル活動の集 大成 とも言 えるイベ ン トの実行 に Mさ んが関わつていたために、就職活動 に関 しては しば らくは忘れてお こ うと思 つたか らで あ り、就職活動 を楽観視 していたのである .問 題

:ま

そ のイベ ン トが終わ り、就職活動が徐 々に本格化 し始 めた頃亀 Mさ ん も、いつ まで も就職 活動 を意識 しないわけにはいか なか つた。

「就職活動 を始めて しば らくした二月 と二月は、も う説明会 と、エ ン トリー シー トを書い

16

(19)

た り、その繰 り返 し。だか らひたす ら情報を集 めてた。やつぱ リマスコミ関係 に関 して

1ま

、 私す ごい憧れか ら入つたものがあつて、 でも実際就職活動 を始めて情報収集 してい く中で、

やつば りその憧れだけじや駄 目つてい う部分が出てきて。やつぱ り志望す るか らに

1ま

、具 体的な志望理由を伴つてないといけないんだ、 と思い出 して。具体的に自分は何をや りた いんだろ ラつて考える うちに『 それはマスコミじやなきゃだめな命かな』 とか、そ ラいつ た とこで、や つぱ リマスコミに対す る不安なのは出てきた。情報収集 していく時に『 面接 で こうい うことが聞かれる』 とか『 こうい う志望理由は嫌われる』 とか、そ うい 多ことを 耳にす る うちに自分の考えの甘 さ、そ うい う志望理 由を面接で言 う時に自分は どうい う言 うんだろ うつて考えた時に、具体的にや りたい ことつてい うのが出てこなくて、うん。 『 そ れ じゃあこの会社に受か らないの も当た り前だわ―』と思つて、 『 こんなんで、面接通過で

きるのか』 とか『 内定 もらえるのか』 とかはあつた。

J

「二月に入つてか ら、初めて面接受けて、その時ほん とにポロボロで、言いたいことも 言 えなくて。そこでほん とにやつぱ り、や りたいことをちゃん と言える人は元々色んなこ と考えて、そ こで 自分の考えをま とめて、言 えるよ うに準備 してきた。でも私は何の準備 もしてな くて。考えもまとま りきれてなくて。そ ういつた姿勢で会社を受験 している自分 意対 して、自分で落ち込んで。なんで行 きたい と思つてたマスコミ関係の仕事 の面接で、

何かほん とに必死で準備 して、考えをまとめた りしてつて L・ ■うことを しなか rJた 母かな―

って。今まで。」

以上のコメン トか ら分かる当時の Mさ んの心境

:ま

『焦 り Jと 「後悔」である。

Mさ んはなぜ、これ らの感情を感 じたのであるか ?Mさ ん

iま

、就職活動の前、楽観的に 就職活動 を提 えていたため、 自分の過去を振 り返つた り、もしく

iま

マスコ ミの仕事への理 解 を深 める等の勉強を行つていない。つま り、就職活動に対す る予備知識が何 もなかつた のである。

情報収集によつて、彼女は 「自分が就職活動 に対 して全 く準備 していない Jと い う現実 に直面 した。それによつて Y君 や Hさ ん と同 じよ うに、この時に彼女の生活の自明性が 壊れ、アイデ ンテ ィテ ィクライシスが起 こつた と言える。

(2)や りたいこと探 し〜モラ トリアム〜

「転機。 うん、その迷いが晴れた時つてい うのがあつて、 自分の志望 してる会社がやつ ていないことでも、その自分の考えをその会社に対 して明 らカム に して くことで、いつかは

17

(20)

理解 が得 られ るだ ろ うつて思 えるよ うになつた。た とえばテ レビ会社 だか ら、テ レビ番組 を作 りたいです とか、報道 をや りたいです つてい うだけ じやな くて、 もつ と今 その会社 が や ってな くて も、 自分 が こ う考 えてて、 こ うこ う考 えが あつて、将 来御社 で こ うい うこ と がや りたいです、 といつた考 え も、面接 の場 では言 えることも可能 なんだ な、 と思 うよ う になつた。 (会 社に合わせてや りたいことを言 うん )じ ゃなくて『 自分のや りたいことを実 現できる会社 を自分で見つけていく』。思つたのは、やつぱ リマスコミ関係 の内定 した人だ とか、そ うい う人の話を聞いてると、なんかね 「志望理由は言つてない」つて人がいたの ね。 『 自分のや りたい ことを言つていただけ』つてい う人がいて、そつか らかな、本当に志 望理 由に縛 られるん じゃな くて、 自分のや りたいことを面接の場で表現 してい くことが大 切なんだな、と思つた。やつぱ り今までは会社のいい とこだけを並べて、で、 『 こうい うと こが魅力的に思つたんで志望 します』 とか、で具体的に将来何がや りたいの ?と 聞かれた 時 に、答 えられないことがあつて。やつぱ りそれ じゃダメなんだ、 と思つて。そこか ら、

面接の場で会社のいい ところはその会社の人 も分かつてる。 じやあその会社の人たちは、

私が将来何がや りたいのか、 とか将来 どうい う社会人にな りたいのか、 とかを面接の場で 聞きたいん じゃないのか、 と思つてて、面接の経験を積んでいくことでそ う感 じるよ うに なつてきて、で、そこか ら自分の考えてる将来や りたいこととか、自信持つて言えるよ う になつた」

(3)将 来展望の創出

「人材サービス業への興味は、最初は就職情報支援サイ トを見てて、 『 この作つてる人た ちつて どうい う人なんやろ う』 と思つた ところか ら始まつて。で、その事業内容を見てた ら、なんかす ごい『 面 白そ うだな』 と思つて。やつぱ り『 人 と人 とで直接開われる仕事』

だ と思つて、不特定多数の人を相手にす るん じゃな くて、  1対 1で 顔 を合わせて、接す る ことができるつてい うのにす ごい魅力を感 じて。で、 自分の仕事がそのお客様に対 して影 響 を与えることができるつてい うとこに魅力を感 じて。で、そこにその人材サー ビス業界 を志望す るよ うになつた。そこか らは、何かマスコミ関係 を志望 してた時

lま

、 自分の憧れ か ら入つて、 自分がサークルでやつてきた経験 を生か しなが ら仕事 していきたいと思つて たけど、人材サー ビス業界を志望す るよ うになつてか ら

1ま

、 自分の、 自分 自身の性絡だつ た り、持 ち味を生か しなが ら仕事 していきたい と思 うよ うになつた。長所は、私母場合は

『 人の話 を聞いて、そ こで自分の意見を言 う』 こと。それつて、人材サー ビス業界の仕事

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(21)

に向いて るん じゃないかな一つて。や つぱ り人の話 を聞いて 、その人が 自分 に何 を求 めて るのか とか、その人が不安 に思 つて ることに対 して、 自分が ど うサポー トして いつた らい いのか、 とか、そ うい うことに対 して、その人に足 りない部分 を 自分がサポー トす ること に よつて、その人 自身の持 ち味が、その人 自身 の強みが もと強園なも参になるん じゃない かなつて

J

「ホテル のホール のバイ トを してたんだ け ど、その中で経験 になつたのは、誰 かの相談役 になるつて こ と。私 よ りも後 に入 つてきた新人の社員にな りたての子 がいて、そ曇子が入 間関係 です ごい悩 んでて。 いつ ぐらいだ ろ う、二回の春 かな。 ち ょつ と慣れて きた くらい の時。で、その子が、他 にもバイ トの女の子がいたんだ

iナ

ど、なぜか あた し● ≧ころに色 々 相談 して くるよ うになつて、たまたま一緒 に働 いて る時間が時間が多かつた つてい うの も あったんだけ ど、そ こか ら色 々話 を聞いた りす るよ うになつて、そ こで この、働 く上での ア ドバイ ス、 どうした らその子が もつ と働 きやすい環境 がで きる母かな一 つて思 うよ うに なつて。 そ こか らかな。 ほん とに職場 の環境 も自分 か ら変 えてい こ う、つてなつたのは。

殆 ど受身や つて、職場全体か ら した ら、第一地 アルバイ トとして 自分 はい られれ ばいいか な と思 つてた。だか ら、初 めて相談 を受 けた時 はあた しなんかに相談 を して くれ て、頼 ら れ てす ごい嬉 しいの もあるけれ ども、その子 に対 して適切 なア ドバ イスができるのかなつ てそ うい う複雑な気持 ちだつた」。

「これか ら何 を中心に、 どの業界 を中心 に、軸 に、就活 してい こ うい こ うか と悩んだ時 が あつて、でその時に出会 つたのが人材サー ビス業界だつたか ら。そ こか らそ鍮業界 を中 心 に就職活動 を してい こ うと思 つた。今の会社 に内定貰 つたのは六月の下旬豪 まあ、辞 退 しま した け ど。辞退 した。そ う、も う十月人 る前 に。も う (会 社 を )待 たせ るの も悪 い し。

だか ら今 も就活 してる。待たせ て就活 してて、 も うなんか時間が時間だ し、 も う内定式 も 迫 つてきてて、人事の人か らも『 どうします』みたいな風に連絡があつて。や つぱ りその 会社に決めるつてい う踏ん切 りがつかなくて。一応人材、求人広告の営業の会社や つてる 会社で。踏ん切 りがつかない一番の理由は、営業ってい う仕事、ほんまに数字ばつか り違 つてる印象があつて、実際に職場を見学 させてもらつた時に。そ こで 自分の描いて る 「営 業 Jと はちょつと違 うな― と。 もつ と企画 とか、企画営業 としての仕事がや りたい と思つ てて、ほん とにノルマだけを意識 しての営業 じやな くて。 この会社だ と、 自分の考えをあ んま り生かせ ないん じゃないかな―つて。ほんまにノルマを達成す るのだけ

:こ

必死になつ て、あんま り自分の考 えを相手に売 り込む ことつてできないん じゃないかつて馨今はだか

19

(22)

ら人材サー ビスで就活。迷 いはないかな―。今 ほん とに人材サー ビス業界だ

:す

受 けてて、

で、そ こだった ら迷いな く入社できる。だか ら将来たぶん転職す ることになるか も しれ な い け ど、で もその大学 を卒業 した後 は、その人材サー ビス業界で頑張 つてい

l・

■た らな ぁ、

と。 なんか色んな業界 の人 と知 り合 えるつてい うの もあつて、 自分の視野 も広 が るん じゃ ないかな一つて。色んな業界 を理解 しなが ら していける仕事 つてい うことで重

彼 女が、人材 サー ビス業 に出会 つたのは、彼 女が当初か ら希 望 していたマス コ ミ業界に 全 て落 ちた後 である。彼 女 はその時 に どんな業 界を軸 に活動す るのか を悩 んだ と言 つてい るよ うに、彼女

│ま

マ ス コミ業界の試験 にすべて落ちた ことで、アイデ ンテ ィテ ィクライシ スを経験 した。彼女はマス コミヘの諦 めきれ る思いに踏 ん切 りをつけ、積極的

:こ

自分の行 き方 に コ ミッ トメ ン とし続 けた結果 、人材サー ビス との出会いを果た したのである。

人材 サー ビス業 界 との出会 いに よつて 、彼 女 の将来展望 が創 出 され たの

:ま

なぜ だ ろ う か ?ま ず 、人材 サー ビス業界 との出会 いによつて、 「人材サー ビスの人対人の仕事に興味を もつた こと」そ してその仕事内容 を知 った こ とで 「自分 自身 停人の話 を受 け止めた 上で、

ア ドバイ スをす る」 とい う自分 の性格 に気がつ いたので ある。 それ に よつて彼 女 lt人 材 サ ー ビスの仕事でな ら将来展望 を拓 くことができる、 と確信 したのである。

結果的に、 Mさ ん は人材サー ビス業界の会社 に内定 をもらつたが 、自分が望む営業 スタ イル と会社側 が望んで くるス タイル の違 いを感 じた。それはつま り、 自己像 とそ鍮会社 に おいて描 いた将来の 自己像 の不一致である。

彼女 は現在 も同 じ人材 サー ビ

.ス

業界の別 の会社 に向

:す

て就職活動 中である。 まだ将来が 未確 定の状態 において Mさ んが「次 に人材サー ビス業界に決 まつた ら、自信 を持 つて入社 で きる Jと 明言 してい るのは、彼女 の中で将来展望が固 まつてい るか らで ある。

4.4 Sさ んの就職活動体験 (hb制 作会社 内定

)

(1)積 極的将来展望 と否定的将来展望

Sさ んは元 々芸術家肌 タイプで ある。小 さい頃か ら絵 を描 くのが好 きだつた とい う。高 校 の時、 ある広告 ク リエイ ター に よる広告 キャンペー ンに衝撃 を受 け、 自分 も将来 は広告 を作 る人 にな りた い と思 つた とい う。大学では広告制作サー クル に入 り、デザイ ンや映像 制作 を行 つていた。

「就活は、絶対広告系 に行 きたい と思つててん。広告 つてマ スコミや ん。で も うちは他 の ラジオ と新聞 と雑誌 つてい うマス コ ミは受 けてへんか ら。 とりあえず 、映像 関連 だけや

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(23)

な。表現 つてい うコンテ ンツを持 つて るビジネ ス集 団、みたいな。映画 とか も言 うた らそ うや ん。 こ うい う、企 画 とか もそ うや ん。表現 をもつた、そ うい うの をや りたい、 と思 つ て、そ した ら運 よ く元 々行 きたかつた内定先 に決 まつたか ら、就活 の悩みはそんな もんか な、ない な。就活 の時 にす でに前向 きは完成 されてたな。 と りあえず うちそん な重 く考 え てへんかつた」

彼 女 は、就職 活動 当初 か ら、「広告系」「表現す る仕事」 とい う将来展望 を持 つていたの で ある。

「とりあえず最初 はテ レビ局 を受 けて。 ポンポ ンつて最初は順調 に進 んで、結局筆記で 落 ちてん。 ほんでその時 に 「自分 の話 を聞いて くれ る大人がい るんや」 と思つた。 画接 で は、 もつ と社会問題 とか聞かれ ると思つててん け ど、結構学生時代の体験 を一生懸 命話 し た ら、興味深 く聞いて くれはるか ら、ち ょつ と自信 に。 まぁ元 々 自分 の学生生活 には 自信 あつた し。 『 やつたつた―』みたいな。結構 自分のや りたいよ うにやつてきたか ら、だか ら 面接 とかあつても後ろ向きになることはなく。ま、筆記で落ちたか らや と思 うねん。面接 で落ちてた ら『 フワー』ってなつてた と思 うけど、筆記で落ちて、まあまあ、遊び感覚や ねんな、東京行 くとか。ほんで年明けるやんか、それまでめつちやバイ トしてた しな。三 月 くらいまではバイ ト漬けやつてん、とりあえず」

「ほんで二・二月 くらいに、エン トリー始まるやん力、二月 とかテ レビ局受 tlて たけど、

それ も遊び感覚やつて。 うちテ レビでや りたい こととか、ほんまにとつてつけたよ うなこ とやつて、それ聞かれたら結構戸惑ってて。テ レビでや りたいんつて何―みたいな尋』

「で、広告業界が始まるやんか。 00社 (お 洒落で若者に人気の通販会社 )と か始まる

やんか。 もう、なんか大企業だけじやなくて、 自分のや りたいことをやつてる、さらに、

社員 もいい感 じ、 さらに、ちょつと穴場みたいな会社探 じがちよつと自分の中で流行つて てん。んで内定先を見つけた。そ うい うの、見つけよう、みたいな。 うちは『 大企業にい なさそ う』つてめつちゃみんなに言われて。で、確かにそやな―つて思つて。 うちは結構 今まで 自由に生きてきた し、 自分のや りたいよ うにやつて、かつ、中も『 オエァ』みたい な。商社みたいな体育会系の人 もいなく、んで皆、渋谷系みたいな変なノリの人がいる環 境で働いてそ うやならて思つてんか。ふ とな。ふ とイメー ジできて、 『 ああ―そ りやそやな』

みたいな。結構デキる女つてい うのは憧れててんけど、でもどうして も自分には結 びつか へんかつて

J

「だか ら、 うちは広告の企業 とかは入 りたかつたけど、普通の一般企業 とかで OILし て

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参照

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