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博士(工学)弓削哲史 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(工学)弓削哲史 学位論文題名

開 放及び短絡故障モードを持っシステムの信頼性評価      に関する研究

学位論文内容の要旨

  近年、技術の進歩とともに電子部品等の信頼性の向上がめざましい.一方でシステムの規 模が大きくなるにっれシステム全体の信頼性向上やその評価技術の研究が重要となってきて いる.さらに従来、信頼性の評価として論じられているシステムが故障か正常かとぃう単純 な評価ではなく、システムがどのような故障を起こしているのか,あるいはどの程度の確率で 故障する可能性があるのか,また正常状態でもどのような状態で正常となっているのか,と いう状態の細分化が要求されている.

  これらの要求を満たすためにはシステムを構成する各部品の状態を細分化し複数の故障 モードを仮定したシステムの信頼性評価が必要となってきている.このような多状態システ ム の 信 頼 度 解 析 は 故 障か 否か の二 状態 シス テム に比 ベ急 激な 計 算量 の増 大を 伴う ,   多状態システムは大きくニつに分類することができる.一っは劣化の状態が徐々に進行す る劣化システムであり,他のーっは互いに排反な複数の故障が存在するシステムである.後 者のシステムにおいて故障モードとして短絡故障と開放故障を仮定したモデ´レが一般に三状 態システムと呼ばれている,この三状態システムは電流を媒体とする電気回路または水やオ イルを運ぶ流体システムの信頼性解析に適しているとされ信頼性に関するさまざまな研究が 行われている,三状態システムに関する従来の研究は主に信頼度評価式の導出と信頼度を 評価尺度とした各部品の最適配置問題であった,その中でITe1111y等はシステムの入カから出 カに至る複数のパスが正常であることを要求するモデルを提案し信頼度解析を行った.この モデルはより現実モデルに近く実用性が高いモデルであるが,その解析方法に誤りであるこ とがMalonにより指摘された.

  本論文は、上に述べたように故障モードを複数有する部品から構成される工学的に重要な システムの信頼性解析において,複数バスが要求されるシステムを含め,新たな種々の解析 方法を提案したものである.

  第一章では、本論文の目的および構成について述ぺた.

  第二章では、信頼性理論および三状態システムの基礎概念の説明を行いっまた本論文で取 り上げる数学モデルの説明を行った.

  第三章は流量の制約がある三状態システムの信頼度解析を行った.三状態システムは従来,

システムの始点に入カされた流体が終点に到着するかどうかによルシステムが正常であるか 故障であるかの判断を行ってきた.しかし,電気回路や流体システムなどの適用例を考える

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と,流体が終点に到着する量があるー定以上のときシステムが正常とみなされることが多い.

例えば太陽電池では定格の電圧っ電流が得られていること,またパイプラインネットワーク では要求している流量が流れていることが求められる.また終点でー定値以上の量が得られ ていてもそれを遮断することができなければシステムが正常とぃえない.そのようなシステ ムモデルでの信頼性解析は簡単な直列や並列構造以外のシステム構成では現在まで信頼度を 求める評価式が得られていない.よって第三章で流量の制約がある三状態システムの信頼度 解析を行った,方法として四種類の解析方法を提案した,それはっ組み合わせ論的アプロー チを用いる方法,パス集合またはカット集合を用いたInclusion−Exclusion法,構造関数を用 い て 信 頼 度 を 得 る 方 法 っ 及 び シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 信 頼 度 を 得 る 方 法 であ る.

  第四章はシステムを構成している各部品が故障した場合、修復を行うと仮定した場合のア ベイラビリテイ解析を行った.システムの信頼性を評価するとき,時点評価だけでは不十分 でありっ区間評価をすることが重要である.アベイラビリテイの解析は故障率,修復率が指数 分布に従うとき.状態推移がマルコフ過程に従うことを用いて解析することができる.しか し.その状態数は二状態システムに比べるとはるかに大きいので部品の数が大きいときァベ イラビリテイを得ることが困難であった,本論文では修復の方法あるいは状態推移にいくつ かの仮定を設けることにより,n個の部品から構成される直列並列システム,並直列,直並列 システム等のシステム構造に対して、定常アベイラピリテイが比較的容易に求められること を示した.また定常アベイラピリテイを評価尺度とした最適なシステム構成を議論している.

  第五章は各部品に与えられる命令が、定周期で交替する場合の解析を行ったものである.前 章までに述ぺた解析はシステムに与えられている命令のことは考慮に入れず,どのような命 令に対しても正常である確率を求めてきた.しかし,三状態システムが適用される流体シス テム等では,システムに与えられている任務が流すことを目的とするのか,あるいは止める ことを目的とするのか時刻により変化(交替)することが通常であるので,その時刻におけ る命令を考慮に入れた解析を行う必要がある.よって本章では、故障モードと修復の方法に より異なる三通りの数学モデ少に対してMTTF、アベイラビリテイ解析を行った,このモデ ルには三状態モデ´レに加え漏洩故障を想定した故障モードが存在する場合を考慮している.

  第六章は結論である.従来困難であった故障モードを複数有するシステムにおける本研究 の意義を述べたものである.

‑ 422

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

開放及び短絡故障モードを持っシステムの信頼性評価      に関する研究

  システムの規模が大きくなるに従い、システム全体の信頼性評価の研究が重要となっ てきている.更に従来、信頼性解析を行う上で論じられてきたっシステムが故障か正常か とぃう単純な評価ではなくっどのような故障を起こしているか,とぃうシステムの状態の 細分化が要求されている.これらの要求を満たすためにはっシステムを構成する各部品の 状態を細分化し複数の故障モードを仮定したシステムの信頼性評価が必要となってきてい る.故障モードとして短絡故障と開放故障を仮定したモデ´レが一般に3‑st.ateシステムと 呼ばれている.この3‑stateシステムは,電流を媒体とする電気回路または水やオイルを運 ぶ流体システムの信頼性解析に適しているとされっ信頼性に関する様々な研究が行われて きた.その中で、システムの入カから出カに至る複数のパスの正常が要求されるモデルが 提案され,その信頼度解析が行なわれている.このモデルは,より現実モデルに近く実用 性が高いモデルであるが、その解析方法には誤りのあること,すなわちニつの故障モード が同時に起こる状態が存在することが指摘されている.

  本論文は、開放及び短絡の二種類の故障モードが存在するコンポーネントから構成さ れるシステムの信頼性解析において、現在までの研究の問題点を検討し,新たな種々の解 析方法を提案したものである.

  第一章では、本論文の目的及び構成について述べている.

  第二章では、信頼性理論及ぴ3‑st.at.eシステムの基礎概念の説明を行い、また本論文で 取り上げる数学モデルの説明を行っている.

    第三章では、流量の制約がある3‑stateシステムの信頼度解析を行っている.3−stateシ ステムは従来、システムの始点に入カされた流体が終点に到着するかどうかによルシステ ムが正常であるか故障であるかの判断を行ってきた,しかし電気回路や流体システムな どの適用例を考えると、流体が終点に到着する畳がある一定以上のときシステムが正常と

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み なさ れる こと が多 い. その よ うな シス テム モデ ルで の信 頼性 解析 は、 簡単な直 列や並列 構 造以 外の シス テム 構成 では 、 現在 まで 信頼 度を 求め る評 価式 が得 られ ていない .よって 本 章で 流量 の制 約が ある3−stateシ ステ ムの 信頼 度解 析を 行っ てい る. 方法とし て四つの 解 析方 法を 提案 して いる .そ れ は組 み合 わせ 論的 アプ ロー チを 用い る方 法っパス 集合また はカット集合を 用いたIriclusionーExclusion法.構造関数を用いて信頼度を得る方法,及び ネ ット ワー クの 最大 流を 求め る 手法 とシ ミュ レー ショ ンに より 信頼 度を 得る方法 である.

ま た、 各手 法を 用い て、 信頼 度 を評 価尺 度と した コン ポー ネン トの 最適 配置問題 を考察し ている.

    第 四章 では 、シ ステム を構成している各コンポーネントが故障したとき,修復 を行うと 仮 定し た場 合の アベ イラ ビリ テ イ解 析を 行っ てい る. シス テム の信 頼性 評価は時 点評価だ け では 不十 分で あり 、区 間評 価 をす るこ とが 重要 であ る. 本章 では ,修 復の方法 あるいは 状 態 推 移 に い く っか の仮 定を 設け るこ とに より っn個 のコ ンポ ーネ ント から 構成 され る直 列 、並 列, 並直 列, 直並列 等のシステム構造に対して,定常アベイラビリテイが比 較的容易 に 求め られ るこ とを 示し てい る .ま たっ 定常 アベ イラ ビリ テイ を評 価尺 度とした 最適なシ ステム構成について議論している.

  第五 章で は、 コン ポーネ ントの運用形態が,周期的に変化する場合の解析を行っ ている.

前 章ま でに 述べ た解 析は ,シ ス テム に与 えら れて いる 命令 のこ とは 考慮 に入れず 、どのよ う な 命 令 に 対 し ても 正常 であ る確 率を 求め てい た. しか し3‑stateシス テム が適 用さ れる 流 体シ ステ ム等 では 、シ ステ ム に与 えら れて いる 任務 が流 すこ とを 目的 とするの か、ある い は止 める こと を目 的と する の か時 刻に より 変化 (交 替) する こと が通 常である ので、そ の 時刻 にお ける 命令 を考 慮に 入 れた 解析 を行 う必 要が ある .よ って 本章 では、故 障モード と 修復 の方 法に より 異なる 三通りの数学モデルに対して、平均故障時間、アベイラ ビリテイ 解析を行っている.このモデルには3ーst.a f.(`モデルに加え漏洩故障を恕定した故障モード が存在する場合を考慮している.

  第 六 章 で は 、 本 研 究 でi譬 ら れ た 結 果 を ま と め , 今 後 の 課 題 の 検 討 を 行 っ て い る .   これ を要 する に、 著者 は、 種 々の 開放 及び 短絡 故障 モー ドを 持つ シス テムに対 して,シ ス テム 信頼 度の 導出 方法 を確 立 し、 信頼 性理 論におい て有益な新知見をi薯ており 、システ ム工学、信頼性工学の発展に寄与するところ大なるものがある.

  よっ て著 者は 、北 海道 大学 博 士( 工学 )の 学位 を授 与さ れる 資格 ある .ものと 認める.

参照

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