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モンゴルの肝細胞癌・肝機能障害患者における HBV・HCV マーカーの検討

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Academic year: 2021

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モンゴルでは,B 型肝炎ウイルス(HBV)・C 型肝炎ウイルス(HCV)の感染率が高く,一般住 民の HBs 抗原陽性率は 6.9〜15.6%,HCV 抗体陽 性率は 10.7〜36.3% と報告1)〜3)されている.また肝 細胞癌の発症が高頻度1)3)であることが知られてい るが,モンゴルの肝細胞癌・肝機能障害患者にお ける肝炎ウイルスの関与については,国内の会議 録1)を除いて報告はみられない.今回我々は,ウラ ンバートルの肝細胞癌・肝機能障害患者における HBV・HCV マーカーについて報告する.

対象と方法

ウランバートルの癌センター・国立大学病院に おいて,2002 年〜2004 年の間に肝細胞癌と診断さ れた 90 例と,2003 年 7 月〜2004 年 3 月の間に外 来を受診し,transaminase が高値(AST 41IU!L 以上かつ ALT 36IU!L 以上)であった 28 例を対 象とした. また患者の informed consent を得て,

その血清検体を本邦へ空輸し,HBs 抗原・抗体は Chemiluminescent immunoassay(CLIA)法,HBe 抗原は Radioimmunoassay(RIA)法,HCV 抗体 は Immunoradiometric assay(IRMA)法にて測定

した.

1.肝細胞癌患者 90 例のうち,HBs 抗原陽性例 は 49 例(54.4%),HBe 抗原陽性例・HBs 抗体陽 性例は 2 例(2.2%)であった.また HCV 抗体陽性 例は 36 例(40.0%)で,HBs 抗原・HCV 抗体が共 に陰性の症例は 10 例(11.1%)であった.

2.transaminase が高値であった外来受診者 28 例のうち,HBs 抗原陽性例は 8 例(28.6%),HBe 抗原陽性例は 3 例(10.7%)で,HBs 抗体陽性例は みられなかった.また HCV 抗体陽性例は 18 例

(64.3%)で,HBs 抗原・HCV 抗体が共に陰性の症 例は 3 例(10.7%)であった.

モンゴルでは HBV・HCV の感染者が多く,肝 細胞癌患者の急増1)により,国家規模での肝炎ウイ ルス防止策がとられており,1991 年から新生児・

乳幼児への HB ワクチン予防接種1)3),1993 年か ら HCV 抗体のスクリーニング1)が導入されてい る.しかし,モンゴルの肝細胞癌・肝機能障害患 者における肝炎ウイルスの関与については,国内 の会議録1)を除いて報告はみられていない.

なおモンゴル国内では,慢性肝炎患者における HBs 抗 原 陽 性 率 は 53.3%,HCV 抗 体 陽 性 率 は 48.8% と報告1)されているが,transaminase の上

モンゴルの肝細胞癌・肝機能障害患者における HBV・HCV マーカーの検討

東海大学医学部生体構造機能学

静 間 徹

(平成 17 年 6 月 13 日受付)

(平成 17 年 7 月 20 日受理)

〔感染症誌 79:824〜825,2005〕

別刷請求先:(〒259―1193)神奈川県伊勢原市望星台 東海大学医学部生体構造機能学

静間 徹

hepatitis B virus, hepatitis C virus, Mongolia Key words:

824

感染症学雑誌 第79巻 第10号

(2)

昇例を対象とした我々の検討では,89.3% の症例 で HBs 抗原または HCV 抗体が陽性であり,肝機 能障害患者においては,HBV・HCV の関与が大 きいものと推測された.

また肝細胞癌患者については,モンゴル国内の 会議録1)にて,HBs 抗原陽性率は 39.6%,HCV 抗 体陽性率は 68.2% と報告されているが,我々の検 討では,HBs 抗原または HCV 抗体が陽性の肝細 胞癌症例が 88.9% を占め,モンゴルの肝細胞癌に おいても,肝炎ウイルスの関与は極めて大きいも のと考えられた.なお今回の検討では,HBs 抗原 陽性の肝細胞癌症例が 54.4% を占めていたが,

HB ワクチンの普及により,今後は HBV 関連の肝 細胞癌は減少する可能性が考えられる.また本邦 では,HCV 関連の肝細胞癌は高年齢層に好発する とされているが,モンゴルの平均寿命は本邦より 約 20 年短く2),今回の検討で,HCV 抗体陽性例よ

り HBs 抗原陽性の肝細胞癌が若干多かった理由 のひとつと推測された.

謝辞:御協力頂いた Nyamdavaa Khurelbaatar MD., PhD.(National Medical University of Mongolia)に深謝い たします.

1)Oyunsuren T:Viral hepatitis in Mongolia. Mino- phagen Medical Review 2000;45:140―7.

2)Fujioka S, Shimomura H, Ishii Y, Kondo J, Fujio K, Ikeda F,et al.:Prevalence of hepatitis B and C virus markers in outpatients of Mongolian gen- eral hospitals. J Jpn Assoc Inf Dis 1998;72:5―

11.

3)Takahashi M, Nishizawa T, Gotanda Y, Tsuda F, Komatsu F, Kawabata T,et al.:High prevalence of antibodies to hepatitis A and E viruses and viremia of hepatitis B, C, and D viruses among ap- parently healthy populations in Mongolia . Clin Diag Lab Immuno 2004;11:392―8.

Prevalence of Hepatitis B and C Virus Markers in Patients with Hepatocellular Carcinoma and Outpatients with Liver Dysfunction in Mongolia

Toru SHIZUMA

Department of Physiology, School of Medicine, Tokai University

モンゴルの HBV・HCV 825

平成17年10月20日

参照

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そのうち HBs 抗原陽性率は 22/1611 件(1.3%)であった。HBs 抗原陰性患者のうち HBs 抗体、HBc 抗体測定率は 2010 年 18%, 10%, 2012 年で 21%, 16%, 2014 29%, 28%, 2015 58%, 56%, 2015

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