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IRUCAA@TDC : 骨格筋における可塑性の解明を軸とした研究体系

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

骨格筋における可塑性の解明を軸とした研究体系

Author(s)

阿部, 伸一

Journal

歯科学報, 113(2): 191-191

URL

http://hdl.handle.net/10130/3073

Right

(2)

骨格筋線維は,個体成長に伴い筋芽細胞が癒合し,いくつかの段階を経てつくられる多核の筋細胞である。 この筋芽細胞の癒合の過程において,筋の分化が同時進行している。さらに成熟した生体の筋組織においても 断続的に,機能変化に適応した筋分化が進行している。よって筋組織は生体内の他の組織と比較し,常に機能 的,構造的な変化を起こす優れた可塑性を持つとされている。また近年の細胞生物学的な手法を用いることに より,変化した筋を客観的に評価する指標が確立しつつある。我々は口腔領域の筋が,発生・分化の過程にお いて,四肢筋と比較し特徴的な経過をとる事をこれまで報告してきた。本講演の前半では,口腔領域に起こる 離乳という現象に代表される全身にはみられない特徴的な機能変化に,口腔領域の筋組織がどのようにその特 性を変化させていくのかについてまとめる。そして後半では,筋再生過程における筋衛星細胞の特徴的な分化 の過程について解説する。 さらに,筋機能と社会的背景について考えてみる。近年問題となっている高齢者の「摂食・嚥下障害」とい うとこれまでは中枢性の疾患のみにスポットがあたり,口腔機能の低下からくるものはあまり問題にされてこ なかった。しかし実際の介護の現場では,摂食機能低下という症状から危険信号を発しているものが少なくな い。そこで,摂食障害克服のためには,特定の筋を再生(筋組織の活性化)することが重要となってくる。筋 の成長と修復は体内の成長因子などの生化学分子によって調節されており,その分子は遺伝子によってコント ロールされている。人工の遺伝子を導入してこれらの分子を増やしたり阻害したりすれば,加齢や病気で失わ れた特定の筋組織の機能を修復できるのであろうか? 近年,インスリン様成長因子1(IGF‐1)が筋衛星細 胞に作用して細胞分裂を活発化させる可能性が示された。しかし,筋機能が活性化されるメカニズム,詳細な 関与遺伝子の研究は世界的にもまだ詳細に解明されているとは言い難い。さらには活性化された筋組織の筋線 維特性を明らかとし,きちんとした有効性の評価がなされている研究は少ない。よって,本講演の最後に「再 生医学」という観点に結びつけ,我々のこれまでの研究成果の一部を総括し,今後の口腔領域における筋研究 の展望を述べたい。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 1989年 東京歯科大学卒業 1993年 東京歯科大学大学院終了(歯学博士) 1994年 ドイツベルリン自由大学留学 2008年 台北医学大学口腔医学院臨床教授 2010年 東京歯科大学解剖学講座教授 2011年 東京歯科大学解剖学講座主任教授 2012年 延世大学校歯学部外来教授 現在に至る

骨格筋における可塑性の解明を軸とした研究体系

東京歯科大学解剖学講座教授

阿部 伸一

特 別 講 演 1

講 演 抄 録

歯科学報 Vol.113,No.2(2013) 191 ― 75 ―

参照

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