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小学校における喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育の実施及び評価に関する研究

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Academic year: 2021

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(2)           目  次. 第1章 序論   1.. 目的…一一…一一…一一一一一一一一一……一…一一一一一一一一一一一1. 第2章 研究方法   1.対象および調査方法一……一一一…一一一一一一……一一一一一一一一4   2.授業内容および手順一一…一一一……’”’”’”””””””一噂””−7.   3.分析方法一一…一一……一一一一…一一一…一…一一一一一一一一一13. 第3章 研究結果   1.. 授業における児童の反応一一一一一一一一……一一一一一……一…一14.   2.. 事前・事後調査結果の概要. 1)事前調査の結果一一…一一…一一一一…一………一一一一一一15 2)事後調査の結果一……一……一一一…一一一一一一一一一一一一一…15 3.. 効果 1)態度一一一一一一…一一一一一一………一一一一一一一……一一一一15 2)知識…一一一一一一一一一一一一…一一一一一一……一一一一一一一…一i8. 3)行動一一…一一…一一一一一一一……一一一一一一一一…一一一一一一24 4.. 重要な態度に関わる要因一一一………一一一一一………一一…一一25. 第4章 考察   1.. 事前・事後調査結果の概要………一一一一…・…一一一一一一…28.   2.. 効果. 1)態度………一…一一一一一………一一一一一一…一………28 2)知識一一一一一一…………一一一一………一一…一一一一……一一一30. 34. 3)行動一一一一一……一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一…33. 重要な態度に関わる要因一一一一一一一……一一一一””…一一一一一33. 今後の課題一一一””’”””””一”””’””一”””””””””…36. 第5章 結論一一一一一…””’”’””””””’”’””’’”””’”一’”…38. 参考・引用文献 謝辞 資料.

(3) 第1章序論 1.目 的  近年、子どもたちを取り巻く現代社会の環境の変化に伴って、小学生の間にまでも喫 煙、飲酒、薬物乱用の危険性が及んでいる。喫煙、飲酒、薬物乱用はそれらの使用が習慣化. され、やめることが困難となることが分かっている。たばこの成分であるニコチンが依. 存を引き起こすためである。喫煙に関しては、喫煙開始が未成年期からと喫煙期間が長 いほど、肺がんをはじめとする多くのがんに罹患するリスクが大きくなると言われてい る1)。尾崎らの研究によると、喫煙経験者率は、男女とも学年が上がるにつれ喫煙経験. 者が上昇した。加えて、中学生での初めての喫煙経験学年は、男女とも小学校4年以下. と回答した者が2∼3割台で最も高く、次いで小学校6年と回答した者が1∼2割台で あった。女子のほうが、男子よりやや高い学年で初めての喫煙を経験している傾向が認 められた。以上から、かなりの者が小学校のうち、しかも低学年で喫煙を経験している ことが分かる1)。.  また、喫煙、飲酒、薬物乱用は心身の健康のみならず、人格の形成にも重大な影響を与. える。生涯にわたって健康でたくましく生きる子どもたちの育成をめざして、保健学習 において、喫煙、飲酒、薬物乱用によってもたらされる健康への影響について、早い時期 から理解させていくこと、つまり小学生のうちからの、喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育が 必要であり大切である。.  喫煙、飲酒、薬物乱用は「生活習慣病」や心の健康(セルフエスティーム)と密接な関. わりがあり、心身の健康問題として避けては通れない事柄である。すなわち、喫煙、飲 酒、薬物乱用はこれからの社会において健康と最も関わりの深い要因の一つである2〉。.  しかし、わが国では、たばこやアルコール飲料が未成年でも容易に手に入る環境にあ る。ここ数年違法な薬物が児童生徒でも手に入る社会環境となってきているが、未成年 者の喫煙・飲酒にっいては、それ自体の健康影響だけでなく、こうした薬物乱用の入り. 一1..

(4) 口としての捉え方も必要となってきている2)。.  わが国の小学校では、現在のところ薬物乱用の問題が深刻化している状況ではない。 しかし、自動販売機の普及や深夜型生活の一般化などにより、子どもたちの行動に大人 の目が行き届かなくなり、薬物乱用のきっかけのなりやすいといわれる未成年者の喫煙、 飲酒がさらに低年齢化しつつある3)。中学生における喫煙、飲酒は、有機溶剤乱用(シン. ナー遊び)と強い関係があると推定され、中学生における喫煙と飲酒の一部が有機溶剤 乱用開始ないしは継続への「ゲイトウエイ」になっている可能性が高い4)。.  また薬物が青少年にも容易に手に入るという社会環境の変化や罪の意識の希薄化な どの社会規範の低下を背景に、薬物乱用が特別なことではないという意識が青少年層の 間に広がる兆しを見せている3)。.  このような状況の中で、子どもたちが好奇心や大人への反抗心などをきっかけに、薬 物乱用を始めないようにするためには、小学校の時から薬物についての正確な知識を持 つとともに、自分の健康や行動に責任を持つ態度を育てることが重要となる3)。すなわ. ち、早い時期からの喫煙、飲酒を含めた薬物乱用防止教育のための教育が、ますます重 要となってきているわけである。.  防止教育が成果を上げるためには、喫煙、飲酒、薬物乱用の有害性、危険性を理解さ せるとともに、知識を行動へと結びづけることができるような学習指導が必要である。.  現状では、小学校においては、学習指導要領の教科「保健体育」第6学年、単元「病 気の予防」たばこと酒の害・薬物乱用の害と健康(全3時間程度)を取り上げているに すぎず、防止教育の時問を豊富に確保できているわけではない。したがって、教育内容 および効果に関する評価を行ない、より効果的、効率的な教育について検討する必要が ある。しかし、現状の保健学習においては、こうした評価研究は少ない。.  そこで本研究では、保健学習において子どもたちに喫煙、飲酒、薬物乱用の有害性に 関する防止教育を行ない、併せて教育前後に事前・事後調査を実施し、態度、知識、行. 一2一.

(5) 動に関する効果および相互の関連性について分析した。. 一3一.

(6) 第2章研究方法 1.対象および調査方法  大阪府丁市公立小学校1校の6年生2クラス児童75人(男子39人,女子36人)を 対象として、2005年2月に保健学習において、3時間からなる喫煙、飲酒、薬物乱用防 止教育を、主に養護教諭が指導者となり実施した。教育効果を測定するために、最初の. 授業1週間前に事前調査を、3時間の授業終了1週間後に事後調査を実施した。事前・ 事後調査ともクラス間での児童の交流による情報交換を避け、回答の信頼性を高めるた. めに、2クラスとも同一日に実施した。両調査とも回収率は100%であった。授業にお いてもクラス間での児童の交流による情報交換をできる限り避けるために、2クラスと も同一日に実施した。授業および調査の目時と手順を、以下の表1に示す。. 表1 授業および調査の目時と手順 年A組38人(男子20人,女子18人). 6年B組37人(男子19人,女子18人). 事前調査. 2005年2月10日(水). 2005年2月10目(水). 実施機会. 始業前の朝の会. 終業後の終りの会. 防止教育. よび 要時間. 0分. 0分. 1時間目. 2005年2月17日(木)4限目. 2005年2月17目(木)3限目. 2時間目. 2005年2月21日(月)3限目. 2005年2月21目(月)2限目. 3時間目. 2005年2月28日(月)3限目. 2005年2月28日(月)2限目. 事後調査. 2005年3月9目(火). 2005年3月9日(火). 実施機会. 終業後の終りの会. 始業前の朝の会. よび. 要時間. 0分. 0分.  調査への回答の妥当性を高めるために、いずれの調査も授業者が、NICEH(JKYB) 健康調査の手引書にしたがって実施した。また、調査票を密封するための封筒を児童ご とに配布し、記入後の調査票は、各自に密封させ回収した5)。. 一4一.

(7)  調査は無記名式としたが、対象毎に別のI D番号を使用し、両調査結果の個人間の対 応を可能とした。効果を正確に判定するためには、内容だけではなく測定の方法も重要 となる。評価指標について授業前後の変化を、個々の児童の変化を調べることで、より. 微細な効果までとらえることができる。さらには効果の程度に影響する様々な要因を明 らかにすることが可能のものとした6)。.  無記名式で、かつ個人間のデータを対応させるための方策は、次の通りである。まず、. 児童に2桁のI D番号を書いた2枚セットのタックシールを無作為に配布した。児童は、. 調査記入後、調査票の所定に位置にシールを貼り、調査用紙回収用の封筒に入れ密封し た。残りのシールは各自がシール回収用の小封筒に入れ密封し、表面には自分の名前を. 書いた。調査実施者は、シール回収用の小封筒を開封せず、その処理に学級担任を関与 させないことを確約したうえで,調査用紙回収用の封筒とシール回収用の小封筒を回収. した。次回の調査では、シール回収用の小封筒に書かれた名前により、各自の児童に配. 布し、開封させ、同一のID番号を利用させた。  調査項目は、NICEH(JKYB)プログラムの評価の評価項目を踏まえて構成した5)。.  行動に関わる指標として、「生涯の喫煙や飲酒経験」や「最近1ヶ月の喫煙や飲酒経 験」とした。喫煙に関する強化因子(環境因子)として「周囲の喫煙状況」も指標とし た。態度に関わる指標として生涯にわたる非喫煙・非飲酒を目指すとすれば、法的に喫 煙・飲酒が認められる成人時の喫煙・飲酒行動も重要な指標と考えられるが、成人時を待. って評価を行なうことは困難である。さらに、成人時の行動を調べる場合、教育と評価. の実施時期に大きな隔たりがあるため、測定効果に教育以外の様々な要因が影響し、教 育効果が出にくいと考えられる6)。したがって、成人時の喫煙・飲酒行動と関連が強い 「成人時の喫煙意思」「成人時の飲酒意思」を先行因子に関わっての態度の指標とした。. 薬物乱用については、成人・未成年にかかわらず法的に認められることがないために、. 「生涯の薬物乱用の意思」を指標とした。さらに促進因子であるr喫煙、飲酒、薬物乱. 一5一.

(8) 用の誘いへの対処の自己効力」も態度の指標とした。知識に関する指標としては、「喫 煙の健康影響」「飲酒の健康影響」「薬物乱用の健康や社会への影響」「乱用される薬物」 「たばこを吸い始めるきっかけ」とした。. 調査の質問項目と構成を、以下の表2に示す。.           表2質問項目と構成 質. 構成 行動. 項. 問. 目. O喫煙経験:生涯喫煙経験、最近1ヶ月喫煙経験. 6項目 O飲酒経験:生涯飲酒経験、最近1ヶ月飲酒経験 O周囲の喫煙状況:友だち・先輩・遊び仲間の喫煙状況.         家族の喫煙および喫煙者数 態度. O成人時の意思:成人時の喫煙意思、成人時の飲酒意思. 9項目 O生涯の薬物乱用の意思 O誘いへの時の対処の自己効力:友だちからの喫煙の誘い、.     友だちからの飲酒の誘い、友だちからの薬物乱用の誘い     先輩や大人からの喫煙の誘い、先輩や大人からの飲酒の誘い、.     先輩や大人からの薬物乱用の誘い 知識. O健康影響:喫煙の健康影響、飲酒の健康影響. 5項目 O薬物乱用の健康や社会への影響 O乱用される薬物. ○たばこを吸い始めるきっかけ.  喫煙、飲酒、薬物乱用防止に関する行動については、喫煙、飲酒の経験(生涯および 最近1ヶ月)、周囲の喫煙状況(友だち、先輩や大人、遊び仲間、家族)、態度にっいて. は、成人時の喫煙意思、成人時の飲酒意思、生涯の薬物乱用の意思、誘われた場合の対 処の自己効力(友だちや先輩や大人からの喫煙、飲酒、薬物乱用の誘い)、知識につい. ては、喫煙、飲酒、薬物乱用の健康影響や社会への影響、乱用される薬物、たばこを吸. い始めるきっかけ(開始要因)、から構成し項目数は合計20となった。また、知識に関 する項目は自由記述形式にして他の項目は選択肢形式にした。(資料:調査票参照). 一6一.

(9) 2.授業内容および手順  現行の学習指導要領の教科「保健体育」第6学年、単元「病気の予防」における「た ばこと酒の害・薬物乱用の害と健康」(全3時間)に基づいて、防止教育の指導内容を 構成し授業を実施した。授業の指導案を作るに際して、喫煙は小学生にも身近なもので. あり、その防止のための学習は最も重要であるため1時間とした。誘いへの対処法に関 する学習も、対処能力を育てるためには、少なくとも1時間は必要である。したがって、. 限られた残りの1時間で飲酒・薬物乱用防止の指導内容を構成した。限られた時問を有 効に使う必要があるため、講義形式の中に発問形式を取り入れた。さらに、視聴覚教材 を利用し視覚的・聴覚的な情報を提供することで、効率化を図った。.  高橋は、r喫煙というテーマで指導する際に、児童のr喫煙→肺がん→害」といった ステレオタイプの認識に対して、「喫煙は害があります」という当たり前の形で入って. は思考活動が促されない。十分な思考活動が促されなければ深い理解につながらないた. めに、現状で多くの大人が喫煙をしているという現実の状況に対抗できるような認識は できないと思われる」と述べている7)。.  それをふまえると、児童の自発的な学習を促す必要がある。その意味からも、発問は 児童が自主的に考えるので、より深い理解につながる可能性は大きい。  発問による時間を十分にかけることはできないので、それに代わる手法として、一部、. 当該の授業の前に、児童に調べ学習の課題を出して授業に臨ませた。その課題とは別に. 全授業において、授業中に行なう課題をワークシートに設け取り組ませた。児童の学習 の進捗状況を観察するために、その問は適宜机間指導を行った。.  これらの学習に関しての児童に対する評価は、学習活動の中に提出させたワークシー トなどの記入状況から、授業目標の達成状況を把握し行なった。.  事前学習課題および授業内容は、以下の表3に示す。. 一7一.

(10) 表3 事前学習課題および授業内容 事前学習課題    喫煙の健康影響について調べてくる 1時間目      ・喫煙の身体影響 ・たばこ煙中の有害物質 喫煙と健康     ・未成年者の喫煙禁止の理由 ・禁煙スペースの拡大. ・受動喫煙の身体影響 ・世界の禁煙対策 ・まとめ(ワークシート). 事前学習課題   i飲酒の健康影響について調べてくる i薬物とは何かについて調べてくる. 2時間目      ・飲酒の身体影響 ・飲酒が脳に与える影響 飲酒と健康     ・未成年者の飲酒禁止の理由. 薬物乱用と健康   ●まとめ(ワークシート) ・薬物の名称. ・シンナーの害による心身への影響 ・覚せい剤の害による心身への影響 ・薬物乱用とは. ・薬物乱用の法律による禁止と罰則(目本および世界) ・まとめ(ワークシート). 3時問目      ・誘われた時の効果的な対処 ・コミュニケーションの3つのタイプ. 誘われた時の対処          ・誘われた時の断り方の実際. (授業者である養護教諭と担任教師によるT・T、 ロールプレイング). ・薬物の誘いへの効果的な対処 ・まとめ(ワークシート).  1時間目(喫煙防止教育)、2時間目(飲酒・薬物乱用防止教育)は児童の事前学習課. 題を解決に導き、より深め理解するための学習であることなので、内容としては、1時. 一8一.

(11) 間目は、まず事前学習課題である喫煙の健康影響について調べてきたことを児童に発表 させて、学習への動機づけ(導入)とした。同様に2時間目は、飲酒の健康影響と薬物と. は何かについて調べてきたことを児童に発表させて、学習への動機づけ(導入)とした。. そうすることで児童は課題に意欲をもって積極的に臨み、授業に取り組むことができる と考えた。.  授業はおもに、講義形式とし、その際に、ビデオ教材、展示用教材、学習ワーク用教 材などの身近にある資源を積極的に活用することで、限られた授業時間の中での効率的 な学習を試みた。その際に、文部科学省発行のパンフレットや日本学校保健会発行のビ デオ等を利用した。.  1時間目の喫煙防止教育では喫煙の害については、喫煙の慢性影響(がんや心臓病な ど)についても触れたが、主に児童にとって身近な問題である急性影響を取り上げた。. 具体的には呼吸機能への影響(せきやたんが出る)、循環機能への影響(心臓への負担 や運動能力の低下)、思考力や学習能力の低下や肺の機能低下の問題性、たばこの有害 成分の呼吸・循環機能への作用のメカニズムなどを主な内容とした。.  たばこ煙中の有害物質が身体に及ぼす影響についてはビデオを使用した。.  周りの人への影響についても学習内容に盛り込んだが、受動喫煙は児童には言葉が難 しく意味が理解しづらい。そこで、受動喫煙により健康影響が出ることを示した資料を、. 掲示物として提示することで視覚的に理解しやすい工夫をした。また、板書の時間を省 略するために、資料などはあらかじめも模造紙に書いておき、フラッシュカードなども 準備した。.  2時間目の飲酒・薬物乱用防止教育では、授業時間の前半を飲酒防止教育、後半を薬 物乱用防止教育とした。今回の事前調査において、「今までに一口でも飲酒したことが. ある」と回答した児童は男子約7割、女子約8割である。また、「今までに一口でもた ばこを吸ったことがある」と回答した児童は男子2割、女子で約3割であったことから. 一9一.

(12) 比べると、飲酒経験者は喫煙経験者に比べて、圧倒的に多いということがわかる。  尾崎らの、中・高校生の喫煙経験、飲酒経験に関する調査(2000年)においても、喫煙. 経験率は、中学1年の男子22.5%、女子16%であるのに対して、飲酒経験率は、中学1 年の男子58.8%、女子59%で半数以上の者が経験しているという結果が示されている。. 喫煙経験率は学年が上がるにつれ、男子は急激に増加し高校3年では55.7%、女子は緩. やかではあるが増加し高校3年では36.7%となっている。一方、飲酒経験率も同様に学. 年が上がるにつれ、男女ともに増加傾向はほぼ同じで、高校3年では、男子88%、女 子87.3%で9割近くとなり、ほとんどの者が経験しているという結果となっている8)。.  飲酒が児童にとっては、喫煙より罪悪感は低いため、抵抗が少なく受け入れられてい る。だからこそ、飲酒によって身体に及ぼされる健康影響を科学的に理解させる必要が ある。.  指導の内容は、身体に及ぼす急性的および慢性的影響や依存性をもたらすことなどを 取り上げた。具体的には脳への影響(酔いの程度による身体症状)、肝臓への影響、ア. ルコール依存症などを主な内容とした。以上の内容を学習した後、学習に関する内容を ビデオ視聴させた。.  後半の薬物乱用防止教育では、薬物乱用の害についてはシンナーや覚せい剤が心身に 及ぽす影響について取り上げた。具体的には、健康影響だけではなく依存性を強く持つ ことや開始に心理的な要因が影響することに加えて、自分だけではなく、家族や社会に 対する影響ついての内容も含めた。.  事前学習課題で多く書かれていた薬物の名前を書いたフラッシュカードや文部科学 省発行の「薬物ってなに」のポスターを提示し、視覚に訴えた。児童とって身近な薬物 であるシンナーの害については、科学的認識を深めるために、シンナーを吸うと身体に どのような影響が出るのかを、ビデオ視聴を中心とした内容で視聴覚に訴える工夫をし. た。シンナー以上に依存が強い覚せい剤の害についても、健康影響や社会的影響(自分. 一10一.

(13) だけではなく、家族や社会に対する影響)を主な内容とした。覚せい剤について児童は 言葉は知ってはいるが、触れる機会はないので理解しづらいため、ビデオ視聴を中心と した。シンナーは身近であることから、害についてはワークシートで確認させた。.  3時間目の誘いへの対処法については、喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育のまとめとし て位置づけ、それらの開始の大きな要因である友だちからの影響に焦点を当てた。.  具体的には、最も身近であると思われる、友だちから喫煙を誘われた場合の断り方の 学習をした。こうした学習活動を経験することで、児童は実際にそうした場面に出会っ た時に、より効果的に対処できることが多くの研究によって示唆されている6)。喫煙を. 誘われた場合、勇気を持って断ることが必要である。友だちとの人間関係を損なうこと なく自分の意思を明確に伝えることは、大人であっても容易なことではない。したがっ て、どのように断るかについての学習が必要である6)。この学習におけるねらいは、人. は他人から圧力を受けると不安や葛藤が生じ、その結果として自分の意思とは異なる行 動をとることがあること、そのような場合でも自分の考えを伝えるための方法が大きく. 分けて3つのタイプがあること、その中でも最もうまく伝えるための方法が自己主張的 コミュニケーションであることを確認する。さらに、そうした自己主張的コミュニケー ションでの対処法が効果的であることを確かめた。自分らしい対処法を見つけることで、 様々な誘いに対する対処の仕方を考えさせた。.  誘われた時の断り方の実際として、3つのタイプで誘われた時の対処について、授業 者である養護教諭と担任教師によるT・Tで、たばこを誘う側と誘われる側の2人から 成り立っている構成済みロールプレイングを行なった。.  ロールプレイングは実際に体験することが有益なのだが、体験する機会が少なかった り、体験することが望ましくない側面をもっているものについて安全に体験学習ができ るというメリットがある7)。さらに、児童自らが台本(シナリオ)を作り、作る段階で自. 発性が発揮される。学んだことを自分の言葉で表現すること自体大きな意義がある7)。. 一11一.

(14)  ただし、このような学習には時間を要する。例えば、小学校高学年向け喫煙防止プロ. グラムNICEHでは、3時間構成となっている6)。その内容は以下のとおりである。  1時間目r自分の気持ちをうまく伝える(1)」.      ・喫煙開始には友人からの圧力が影響することを確認する。.      ・ 3つのコミュニケーションタイプから、自己主張的コミュニケーション       スキルの要素を確認する。  2時間目r自分の気持ちをうまく伝える(2)」.      ・喫煙の誘いを断るいろいろな応答の仕方があることを確認する。      ・喫煙を誘われた時の自分らしい断り方を見つける。  3時間目「たばこの誘いを断る」.      ・喫煙を誘われた時、自己主張的に対処するスキルを獲得する。.  3時間配当の学習内容を1時間という枠の中で、児童に理解させスキルを獲得させる ためには時間的に制約がある。そのためにロールプレイングの台本(シナリオ)は、あら. かじめ指導者が準備し、役割は授業者と担任教師により演じた。その際に、文部科学省 発行のパンフレット(ストップ・ザ・薬物)や自作教材(友だちからのプレッシャー)や 自作のロールプレイングの台本(シナリオ)を使用した。.  具体的な各時間の目標、学習の展開を示した授業指導案、学習に使用したビデオ教材 の内容、事前学習課題、教材として使った友だちからのプレッシャーや、ロールプレイ ングの台本(シナリオ)、各時間の評価に用いたワークシートは、別紙資料として示す。 (資料参照). 一12一.

(15) 3.分析方法 1)事前・事後の各調査での喫煙、飲酒、薬物乱用に関する態度、知識、行動について、.  全調査を受けた児童の結果を、全体(男女一緒)と男女別、組別に集計した。また、  事前・事後の調査結果を、男女差、クラス差について、カイ2乗検定を行なった。 2)防止教育実施の効果の有無を検証するために、喫煙、飲酒、薬物乱用に関する態度、.  知識、行動について、各項目の変化の状態を調べるために、事前・事後調査の差の検.  定を、Wilcoxonの符号付き順位検定により検討した。. 3)事前調査結果から態度(成人時の喫煙、飲酒意思、生涯の薬物乱用の意思)に関連.  する要因ついて調べるために、カテゴリカル回帰分析を実施した。具体的には、成  人時の喫煙意思については、成人時の喫煙意思を目的変数として、説明変数を周囲  の喫煙状況として友だち、先輩や大人、遊び仲間の喫煙状況および家族の喫煙状況、.  喫煙経験として生涯および最近1ヶ月、誘われた場合の対処の自己効力として友だ  ちおよび先輩や大人とした。さらに、成人時の飲酒意思を目的変数として、説明変  数を飲酒経験として生涯および最近1ヶ月、誘われた場合の対処の自己効力として.  友だちおよび先輩や大人として分析した。最後に、生涯の薬物乱用の意思を目的変.  数として、説明変数を誘われた場合の対処の自己効力として友だちおよび先輩や大  人として分析した。それぞれについて男女別と全体に分析した。分析には最適尺度  法を使用し検定を行なった。.  それぞれの分析には、SPSS(Windows版)VbL12を使い、検定の際の有意水準は5% とした。. 一13一.

(16) 第3章 研究結果 1.授業における児童の反応  児童の反応を、指導者の印象から主観的に述べる。.  1時間目の喫煙防止教育では、ビデオ教材「ストップ・ザ・薬物」視聴による喫煙に より血管が収縮して身体に栄養や酸素がいきわたらなくなる様子、2時間目の飲酒防止 教育では、副教材として使用した文部科学省発行のパンフレット「ストップ・ザ・薬物」. の写真で、アルコール依存症の人の縮んでしまった脳の写真や急性アルコール中毒で死 ぬ場合があることや、薬物乱用防止教育では、ビデオ教材「ストップ・ザ・薬物」のシ ンナー中毒で縮んでしまった脳の写真や、脳の障害で手が震え字が書けない様子などは. いずれも、児童に驚きを与えたようであった。一方、様子を見るに限り、児童にとって. 覚せい剤については、身近に感じ取れないために、どんなものであり身体にどのような. 影響を及ぼすのかを知らなかった。しかし、「ストップ・ザ・薬物」により最近の薬物 使用者が起こす社会事件について、何故そうした事件を起こしてしまうのかなどは、よ く理解できたようであった。.  3時問目の誘いへの対処法の学習では、友だちからたばこを勧められた場合を想定し、. 断り方について授業者と担任教師とのロールプレイングを活用した。A組女性教師、B. 組男性教師であったことが、実際の児童の反応に大きく影響していたと思われる。B組 の教師が男性であったこともあり、言葉使いや抑揚などよりリアルに演じてくれたため に、児童にとってはまさに今そこにある現実かのように捉えることができたようであっ た。教師の演じる態度により、児童の反応は大きく違ってくるように思われた。.  授業は3時間ともに、ほぼ予定通りに進めた。児童の事前学習課題である、喫煙の健 康影響については詳しくたくさん書かれていたが、飲酒の健康影響や薬物については一 般的なことで記入量も少なかった。児童の事前学習課題に取り組む態度に差があったも. のの、大方の児童が授業者の予想を越える事前学習をしていた。そうすることで授業に. 一14一.

(17) 前向きに取り組むことができた。このことは、実際に授業中の学習に有効であった。 2.事前・事後調査結果の概要.  喫煙、飲酒、薬物乱用に関する態度、知識、行動について、事前・事後調査結果の項 目の割合を全体(男女一緒)と男女別、組別に比較し検討した。. 1)事前調査の結果  ほとんどの項目について、男女差、クラス差は見られなかった。差が見られたものと して、事前調査の男女の有意差があった項目は、先輩や大人からの薬物の誘いへの対処 の自己効力(pニ0.023)であり、男子の方が断る自信が強かった。A組、B組の間で有意. 差があった項目は、友だちから薬物のへの対処の自己効力(p=0.037)であり、B組のほ. うが断る自信が強かった。より詳細に分析すると、A組の男女間に、友だちからの喫煙 の誘いへの対処の自己効力(p=0.050)、先輩や大人からの飲酒の誘いへの対処の自己効 力(p=0.021)、先輩や大人からの薬物の誘いへの対処の自己効力(p=0.013)であり、い. ずれにおいても、男子の方が断る自信が強かった。B組では男女間に有意な差は見られ なかった。. 2)事後調査の結果  事後調査において、男女の有意差があった項目は、先輩や大人からの飲酒の誘いへの 対処の自己効力(p=0.016)であり、男子が断る自信が強かった。A組、B組の間に有意. 差は見られなかった。より詳細に分析すると、A組の男女間に、先輩や大人からの薬物 の誘いへの対処の自己効力(p=0.032)であり、男子の方が断る自信が強かった。B組で は男女間に有意な差は見られなかった。. 3.効果 1)態度  喫煙、飲酒、薬物乱用に関する態度、知識、行動について、各項目の割合を授業実施 前に比べて授業実施後に各項目の変化について、Wilcoxonの符号付き順位検定により有. 一15一.

(18) 意な変化が認められるか否かを検討した。以下では、各項目ごとに検討する。(別紙資. 料:図1−1∼1−9)  全体として、成人時の喫煙意思では、「ぜったいに吸っていない」、「たぶん吸ってい ない」とする非喫煙の態度を示す肯定的な回答の増大した割合が12%(p=0.001)、飲酒 意思では同割合が18.7%(p=0.001)、先輩や大人からの飲酒の誘いへの対処の自己効力 についてでは10.7%(pニ0.011)であり、いずれも有意に変化した。.  男女別においては、男子では全ての項目で有意な変化は見られなかったものの、肯定 的な回答の増大した割合が、成人時の喫煙意思では12.8%(p=0.086)、飲酒意思では 15.3%(p=0.064)いずれも増えて、改善傾向が認められた。一方、女子においては、成 人時の喫煙意思では11.1%(pニ0.001)、飲酒意思では22.1%(pニ0,004)、先輩や大人か. らの飲酒の誘いへの対処の自己効力についてではIL1%(pニ0.003)であり、いずれも有 意に変化した。さらに、生涯の薬物乱用意思では5.6%(p=0.053)増え、事後には100%. となった。 先輩や大人からの薬物の誘いへの対処の自己効力についても8.3%(p =0.059)増えて、改善傾向が認められた。.  組別においては、A組では成人時の喫煙意思では10。5%(pニ0.014)、友だちからの薬 物の誘いへの対処の自己効力では7.9%(pニ0.048)いずれも増加し、有意に変化した。. 成人時の飲酒意思では13.2%(pニ0.063)増えて、改善傾向が認められた。一方、B組で は、成人時の喫煙意思では13.5%(pニ0.016)、飲酒意思では24.3%(p=0.006)、先輩や. 大人からの飲酒の誘いへの対処の自己効力では13.5%(p=0.003)いずれも増加し、有意 に変化した。友だちからの飲酒の誘いへの対処の自己効力では10.8%(pニ0.058)増えて、 改善傾向が認められた。一方、生涯の飲酒経験は13.5%(p=0。025)減少した。.  態度項目における肯定的な回答の割合(%)および事前・事後の変化を、以下の表4 に示す。.  態度項目における、男女それぞれの事前・事後の変化を示したグラフを別紙資料とし. て示す。(図1−1∼1−9参照). 一16一.

(19) 表4 態度項目における肯定的な回答の割合(%)および事前・事後の変化    (男子:N=39,女子:N=36). 質     問 20歳の時にたばこを吸っていない. 20歳の時に酒やビールを飲んでいない. 一生薬物乱用をしない. 友だちからたばこを勧められたら、断ることができる. 先輩や大人からたばこを勧められたら、断ることができる. 友だちから酒やビールを勧められたら、断ることができる. 先輩や大人から酒やビールを勧められたら、断ることがで きる. 友だちから薬物を勧められたら、断ることができる. 先輩や大人から薬物を勧められたら、断ることができる. *p<0.05 **p<0.Ol. 一17一. 性別. 事前. 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体. 64.1 76.9 77.8 88.9 70.7 82.7. **. 30.8 46.1 19.5 41.6 25.3 44.0. **. 事後. 変化. **. **. 89.7 89.8 94.4 100 92.0 94.7 79.5 76.9 66.7 72.2 73.4 74.7. 71.8 69.2 50.0 58.3 61.3 64.0. 61.6 69.3 55.6 63.9 58.7 66.7. 61.6 71.8 44.4 55.5 53.3 64.0 92.4 92.4 88.9 88.9 90.7 90.7 89.7 94.9 75.0 83.3 82.7 89.4. ** *.

(20) 2)知識  知識の個数は、授業により男女とも著しく増大した。特に飲酒の健康影響に関する増 大が目立った。. 表5 知識項目別の知識の個数(1人あたりの平均個数)の事前・事後とその変化量    (男子:N=39,女子:N=36). 項  目. 0(1。39). 8(2.44). 8(1.06). 11(1.48). 66(2.21). 5(0.73). 29(0.74). 男子. 3(0.36) 2(0.56) 37(0.95). 男子. 4(L78). 16(L54) 59(1.51). 23(0.59) 1(1.42). 4(0.99) 22(0.56). 5(2.08). 0(1.11). 2(0.96). 34(1.79). 2(0,83). 41(1.05). 17(0.44). 0(0.83). 6(L56). 6(0.72). 4(0.72). 7(L29). 3(0。57). 35(0.90). 男子. 52(1.33). 5(0.97). 24(0.62). 男子. 子全体. たばこを吸い始めるきっかけ. 男子. 子全体. 薬物乱用の健康影響. 変化量 17(0.44). 子全体. 乱用される薬物. 事後 78(2.00). 子全体. 飲酒の健康影響. 事前 61(1.56). 子全体. 喫煙の健康影響. 性別. 53(1.36). 18(0.46). 1(1.14). 1(1.97). 0(0.83). 6(1.01). 24(1.65). 8(0.64).  知識項目別の知識の個数(1人あたりの平均個数)について、男女それぞれの事前・事. 後の変化と変化量を示したグラフを別紙資料として示す。(図2−1∼2−5参照)  次に、各項目別の知識のうち、事前と事後の知識量が大きく増加したものについて変 化量を示す。.  喫煙の健康影響では「臭い」が、男子では17.9%、女子では47.2%、全体では32.0%. それぞれ増えた。また「歯が黒くなる」などが、男子では10.3%、女子では19.4%、全 体では14.6%それぞれ増えた。さらに「依存症」が、男子では12.8%、女子においても 11,1%、全体では12.0%それぞれ増えた。.  飲酒の健康影響では、「急性影響」が、男子では15.3%、女子においては27.8%と大 幅に増え、全体では21.4%増加した。またr依存症」が、男子では7.7%増え、女子にお. 一18一.

(21) いては19.4%、全体では13。4%増えた。加えて、「脳への影響」が、男子では15.4%、 女子では8.3%、全体では12.0%増えた。.  乱用される薬物では、「シンナー」が、男子では2.6%、女子では38.9%と大幅に増え、. 全体では20.0%増えた。また、「大麻」が、男子では10.2%、女子では22.2%、全体で は16.0%増えた。さらに、「覚せい剤」が、男子では変化しなかったが(0%)、女子では 25。0%、全体では12.0%増えた。.  薬物乱用の健康影響では、「幻覚・幻聴」が、男子15.4%、女子では22.2%、全体で は18.7%増えた。また、「依存症」が、男子では17.9%、女子では13.9%、全体では16.0%. 増えた。さらに、「事件・事故」が、男子で15.3%、女子では9.4%、全体では14.7%増 えた。.  たばこを始めるきっかけでは、「友だちや先輩からの誘い」が、男子では35.9%、女子 では63.9%、全体では49.4%といずれも大幅に増えた。また、「ストレス」が、男子で は12.8%、女子では1Ll%、全体では12.0%増えた。さらに、「大人や親や家族からの 誘い」が、男子では5,1%、女子では8.7%、全体では6.7%増えた。.  知識項目別の知識の回答内容および男女それぞれの事前・事後の変化と変化量を、以下. 表6−1∼6−5に示す。  知識における各項目の、事前・事後における知識内容の割合を男女別に示したグラフを. 別紙資料として示す。(図3−1∼3−5参照)  知識における各項目の、知識内容別の割合の事前・事後の変化量を男女それぞれに示し たグラフを別紙資料として示す。変化量であるためにマイナスの値を示したものもある。. (図4−1∼4−5参照). 一19一.

(22) 表6−1. 喫煙の健康影響. 2.7. 9.3. 0.0. 8.0. 0.0. 1.4. 2.6. 2.7. 5.3. 1.3. 5.5. 2.7. 0.0. 2.8. 8.3. 0.0. 0.0. 0.0. 2.5. 2.6. 2.7. 5.6. 9.3. 4.0. 2.8. 2.6. 7.7. 2.7. 0.0. 2.7. 1.3. 0.0. 2.7. 5.3. 0.0. 1.3. 4.0. 4.0. 4.0. 4.0. 0.0. 4.0. 2.7. 0.0. 2.7. 2.7. 0.0. 0.0. 2.7. 1.3. 0.0. 0.0. 0.0. 1.3. 1.3. 0.0. 0.0. 1.3. 2.8. 8.0. 9.3. 0.0. 0.0. 5.6. 0.0. 0.0. 5.6. 0.0. 2.8. 0.0. 0.0. 8.3. 5.6. 0.0. 2.8. 0.0. 0.0. 5.6. 5.1. 0.0. 0.0. 5.1. 0.0. 2.8. 5.1. 0.0 0.0. 7.7. 5.1 5.1. 0.0. 2.5. 0.0. 5.1. 2.6. 5.1. 0.0. 0.0. 0.0. 7.7. 2.6. 2.6. 0.0. 0.0. 2.8. 5.1. 0.0. 1.3. 2.8. 0.0. 5.6. 7.7. 0.0. 1.3. 1.3. 0.0. 2.8. 2.8. 0.0. 0.0. 0.0. 一20一. 一5.3. 17.3 12.0 11.1 16.7 一15.3. 12.0 13.3. 13.9 11.1. 一1.3. 一2.6. 成長. 5.1. 0.0. 誤答. 0.0. 思考力. 0.0. 体力運動能力. 0.0. 病気(脳梗塞). 2.6. 病気(胃潰瘍). 5.1. 病気(心臓病). 23.0 受動喫煙. 0.0. 症状(苦しい). 5.1. 症状(声が低くなる). 14.6 0.0. 症状(食欲不振). 12.8 12.8. 依存症. 一1.3. ll.1 一10.3. 15.4 一般的影響. 34.7 32.0. 47.2 47.2 23.0 17.9 臭い. 13.3. 19.4 16.6 呼吸器への影響. 5.1. 61.5 76.9 15.4 66.7 66.7. 17.3. 25.0 19.4 10.3 10.3 歯(黒くなるなど). 2.6. 血液血管への影響. 2.6. 心臓への影響. 7.7. 肺への影響. 一12.8. 22.2 16.7. 64.0 72.0. 一9.3. 24.0 14.7 25.6 12.8. 一5.5. がん. 一6.6 一11.1. 後. 化量 後. 前 後. 化量 前. 11.1 一2.6. 死. 前. 化量. 全体. 全体. 全体 女子 女子 女子 男子. 男子 男子.

(23) 表6−2. 飲酒の健康影響. 1.3. 0.0. 9.3 4.0. 1.4. 1.4 1.3. 1.3 9.3 2.7. 0.0. 4.0. 9.3. 8.3. 2.7. 6.7. 0.0. 8.3. 8.3. 5.6. 5.6. 5.6. 5.6. 0.0. 2.6. 2.6. 0.0. 5.6. 8.3. 7.7. 5.6. 8.3. 5.6. 2.5. 0.0. 6.6. 9.3. 2.7. 5.3 9.3. 2.7. 1.4. 6.7. 0.0. 0.0. 6.7. 1.4. 2.7. 1.3. 1.3. 2.7. 1.3. 2.7. 0.0. 0.0. 1.3. 9.3. 1.3. 0.0. 2.7. 8.3. 0.0. 1.3. 5.6. 8.3. 0.0. 2.8. 5.6. 2.7. 0.0. 2.8. 0.0. 0.0. 2.8. 0.0. 0.0. 6.7. 5.6. 0.0. 8.3. 5.6. 0.0. 0.0. 5.6. 5.6. 0.0. 2.8. 0.0. 5.1. 2.6. 0.0. 0.0. 0.0. 2.6. 0.0. 0.0. 2.6. 0.0. 2.6. 0.0. 5.1. 2.6. 0.0. 5.1. 0.0. 8.3. 0.0. 2.6. 0.0. 0.0. 0.0. 8.3. 0.0. 5.1. 7.7. 0.0. 0.0. 5.6. 5.6. 0.0. 4.0. 4.0. 0.0. 2.8. 2.8. 2.7. 4.0. 1.3. 0.0. 0.0. 0.0. 1.3. 1.3. 0.0. 0.0. 0.0. 0.0. 0.0. 1.3. 1.3. 1.3. 2.6. 2.6. 2.6. 0.0. 0.0. 5.1. 2.6. 0.0. 2.6. 5.1. 2.6. 0.0. 7.7. 2.6. 誤答(脳梗塞). 5.1. 誤答(肺に悪い). 0.0. 誤答(血液循環に悪い). 0.0. 事件事故. 一21一. 13.4 14.7. 19.4 19.4. 一1.3 一2.6. 成長. 2.6. 思考力. 10.3. 依存症. 一1.4 一2.5. 病気(糖尿病). 0.0 2.6. 病気(高血圧). 7.7. 病気(プリン体が溜まる). 一2.6. 体力運動能力. 一2.7. 一5,6. 0.0. 症状(太る). 10.3 10.3 症状(赤い顔など). 一2.6. がん. 12.0. 12.0 12.0 15.4 15.4. 脳への影響. 22.7 21.4 2.6. 胃への影響. 13.9. 10.7 13.9 一5.1. 12.8. 肝臓への影響. 一2.6. 心臓への影響. 10.3. 一般的影響. 13.3 13.9 10.3 12.8 酔う. 13.9 13.9 頭(クラクラするなど). 16.0 13.9 17.9 10.2. 慢性影響か急性影響か不明. 後. 化量 後 前 後. 化量 前. 27.8 27.8 17.9 15.3. 急性影響. 前. 化量. 全体. 全体 全体 女子 女子 女子 男子. 男子 男子.

(24) 表6−3. 乱用される薬物 前. 後. 女子. 全体. 全体. 前. 後. 化量. 4.0. 0.0. 25.0 25.0. 2.7. 25.0 22.2. 8.0. 22.2 13.9. 2.8. 0.0. 10.7. 18.7. 16.0. 16.0. 12.0. 2.7. 0.0. 1.3. 0.0. 1.3. 0.0 1.3. 8.0. 10.7 一4.0. 1.3. 6.7. 5.3. 一2.6 0.0. 1.3. 0.0. 2.7. 0.0. 1.3. 2.8. 0.0. 5.3. 5.6. 5.3. 2.8. 一1.4 一11.1. 28.0 34.7. 6.7. 33.3 56.4 23.1 22.2 11.1. 4.0. 0.0. 1.3. 0.0. 2.8. 4.0. 5.6. 2.8. 0.0. 0.0. 2.6. 11.1 11.1. 1.3. 1.3. 1.3. 0.0. 5.6. 0.0. 0.0. 一8.3. 18.7. 0.0. 7.7. 0.0. ll.1. 一1.3. 2.8. 0.0. 7.7. 0.0. 2.6. 0.0. 0.0. 2.6. 16.7 30.6 13.9. 一1.4 1.4. 2.7. 0.0. 0.0. 一2.8. 9.3. 2.7. 8.3. 0.0. 0.0 0.0. 8.3. 0.0. 0.0. 0.0. 2.8. 2.6. 0.0. 0.0. 12.0. 2.6. 5.1. 一2.6. 化量. 18.7. 2.5. 0.0. 2.6. 一7.7. 全体. 19.4 58.3 38.9 18.7 38.7 20.0 8.3. 7.7. 7.7. 誤答(健康影響). 2.6. 誤答(ドラッグ). 2.6. K隠語. 7.7. MD陥隠語. 0.0. マリファナ隠語. 0.0. 覚せい剤隠語. 0.0. 医療薬品. 一2.6. 0.0. ニコチン. 2.6. ヒロポン. 0.0. モルヒネ. 15.4 10.3. 2.6. ヘロイン. 12.8 10.2. 2.6. マリファナ. 女子 女子. 化量. 15.4. 5.1. コカイン. 男子. 17.9 20.5. 7.7. 覚せい剤. 後. 2.6. 大麻. 前 7.7. 麻薬. 男子. 2.6. シンナー. 男子. 表6−4 薬物乱用の健康や社会への影響. 前. 全体. 全体. 前. 後. 化量. 化量 5.3. 5.3. 13.3. 8.0. 2.7. 8.3. 一11.1. 全体. 一8.0. 2.7. 4.0. 2.8. 一1.3 8.3. 1.3. 9.3. 8.0. 2.8. 1.3. 1.3. 0.0. 2.8. 6.7. 8.0. 1.3. 2.6. 0.0. 4.0. 4.0. 0.0. 11.1 2.6. 8.3. 2.8. 0.0. 5.1. 5.1. 0.0. 5.1. 8.3. 0.0. 7.7. 0.0. 一22一. 13.9 5.6. 2.8. 0.0. 一2.6. 19.4. 後. 女子. 8.3. 一5.1. 5.6. 2.6. 2.6. 2.6. 0.0. 意欲減退. 女子 女子. 化量. 10.3. 5.1. 歯(ボロボロになるなど). 2.6. 目への影響. 男子. 一5.1 2.6. 手足麻痺. 後. 5.1. 全身への影響. 前 7.7. 頭(おかしくなるなど). 男子. 0.0. 脳への影響. 男子.

(25) 18.7. 2.7. 0.0. 2.7. 4.0. 5.6. 5.6. 0.0. 一1.3. 5.3. 6.7. 2.8. 5.6. 2.8. 8.0. 8.3. 22.2 13.9. 22.7. 2.7. 2.8. 5.6. 5.1. 一5.2. 4.0. 2.8. 2.6. 0.0. 一2.8. 一1.4. 24.0 16.0. 17.9 15.3 22.2 36.1 13.9 12.0 26.7. 14.7 2.7. 2.8. 4.0. 2.8. 5.6. 4.0. 0.0. 0.0. 1.3. 2.5. 2.6. 2.8. 5.1. 2.6. 誤答(気分がよくなる). 25.0 22.2. 2.6. 生活への問題. 一7.7. 25.6 17.9. 2.6. 事件・事故. 10.3 7.7. 依存症. 2.6. 思考力. 7.7. 健康影響. 20.5 15.4. 0.0. ストレス. 5.1. 幻覚・幻聴. 2.7. 一1.3. 全体. 全体. 全体. 前. 後. 一2.8. 表6−5 たばこを吸い始めるきっかけ. 興味好奇心. 23.0 17.9. 一5,1. 27.8 25.0. 化量 一2.8. 25.3 21.3. 12.0 6.7. 5.3. 0.0. 1.3. 1.3. 0.0. 12.0. 一4。0. 0.0. 5.3. 17.3. 化量 0.0. 1.3. 2.8. 0.0. 0.0. 0.0. 2.6. 0.0. 7.7. 16.7 13.9. 1.3. 1.3. 0.0. 8.3. 19.4 11.1. 1.3. 0.0. 2.8. 2.8. 2.8. 0.0. 2.8. 0.0. 0.0. 15.4 12.8. 後. 女子. 15.4 51.3 35.9 19.4 83.3 63.9 17.3 66.7 49.4. 10.7. 6.7. 4.0. 16.7. 8.4. 8.3. 5.1. 5.1. 0.0. 大人や親や家族からの誘い. 前. 化量. 0.0. 友達や先輩からの誘い. 女子 女子. 2.6. 親への抵抗. 男子. 7.7. かっこいい. 後. 2.6. ストレス. 前. 0.0. 二十歳. 男子. 0.0. 大人感. 男子. 不特定の人からの誘い. 15.4 10.3. 一5.1. 13.9 11.1. 一2.8. 14.7 10.7. 一4.0. 誰が吸っていたから. 12.8 10.3. 一2.5. 19.4 13.9. 一5.5. 16.0 12.0. 一4.0. 1.3. 2.7. 4.0. 8.0. 一5.5. 5.3. 5.3. 1.3. 2.8. 0.0. 0.0. 8.3. 0.0. 2.8. 0.0. 一7.7. 2.8. 0.0. 0.0. 5.1. 7.7. 7.7. 7.7. 7.7. 依存症. 2.6. 自動販売機. 0.0. 広告. 一6.7.  次に、男子、女子、全体のいずれかにおいて、項目別の回答内容で知識を持つ者の割 合が20%以上増大したのは、喫煙の健康影響では「臭い」、飲酒の健康影響では「急性影 響」、乱用される薬物では「シンナー」「大麻」「覚せい剤」、薬物乱用の健康や社会への. 影響では「幻覚幻聴」、たばこを吸い始めるきっかけでは「友だちや先輩の誘い」であっ た。. 一23一.

(26) 3)行動  行動においては、大きな変化は認めらなかった。行動における肯定的な回答を示した. 者の割合を、以下の表7に示す。  表7 行動における肯定的な回答の割合(%)(男子:N=39,女子:N=36) 質問項目. 事後. 男子. 30.8. 25.6. 6.7. 3.9 0.0. 4.0. 男子. 94.9. 89.7. 1.7. 8.9. 3.3. 子全体. この1ヶ月に酒やビールを飲んだことがない. 事前. 子全体. 今までに一口でも酒やビールを飲んだことがない. 性別. 9.3. 家族の中でたばこを吸う人がいない. 男子. 子全体. 友だち・先輩・遊び仲間の中でたばこを吸う人がいない. この1ヶ月にたばこを吸ってない. 男子. 子全体. 今までに一口でもたばこを吸ったことがない. 9.4. 5.0. 4.7. 4.7. 30.8. 33.3. 5.0. 7.8. 0.7. 79.5. 79.5. 2.2. 2.2. 6.0. 6.0. 94.9. 97.4. 1.7. 4.4 6.0. 3.3. 子全体. 男子. 74.4. 8.0. 子全体. 男子. 79.5.  行動における、男女それぞれの事前・事後の変化をグラフにしたものを別紙資料とし. て示す。(図5−1∼5−6参照). 一24..

(27) 4.重要な態度の関連する要因.  態度(成人時の喫煙意思、飲酒意思、生涯の薬物乱用の意思)に関連する要因を明ら かにするために、事前調査結果について、カテゴリカル回帰分析を実施した。その際、 あらかじめ調査票の項目において態度(成人時の喫煙意思、飲酒意思、生涯の薬物乱用. の意思)と関連が考えられると予測される項目について、最適尺度法によりそれぞれの 要因を分析した結果、強く関連する要因について検討した。以下では、男女別と全体(男 女一緒)ごとに検討する。.  成人時の喫煙意思については、同変数を目的変数として、あらかじめ関連性があると 予測した項目を説明変数とした。すなわち周囲の喫煙状況として友だち、先輩や大人、. 遊び仲間の喫煙状況および家族の喫煙状況、喫煙経験として生涯および最近1ヶ月、誘 われた場合の対処の自己効力として友だちおよび先輩や大人とした。それらを男女別、 全体に回帰分散分析した結果は、決定係数(R2)は、男子0.606、女子0.610、全体では. 0.522で、それぞれの回帰分散分析の有意確率は男子p=0。000、女子p=0.001、全体. ではp=0.000であった。次にそれぞれの説明変数について、関連が強い説明変数にっ いて標準化係数(β)と有意確率を示す。男子では、友だちからの喫煙の誘いへの対処の 自己効力が(β=0。587,p=0.000)最も強い関連を示した。女子では、友だちからの. 喫煙の誘いへの対処の自己効力が(βニ0.892,P=0.000)と最も関連が強く、次いで. 最近1ヶ月の喫煙経験が(βニ0.310,p=0.046)であった。全体では、友だちからの 喫煙の誘いへの対処の自己効力が(β二〇.583,p・=0.000)と最も関連が強く、次いで 生涯の喫煙経験が(β=0.334,p=0.001)であった。.  成人時の飲酒意思については、同変数を目的変数として、説明変数を飲酒経験として. 生涯および最近1ヶ月、誘われた場合の対処の自己効力として友だちおよび先輩や大人 とした。それらを男女別、全体に回帰分散分析した結果は、決定係数(R2)は、男子0.826、. 女子0.456、全体では0.403で、それぞれの回帰分散分析の有意確率は男子p=0.000、. 一25一.

(28) 女子p=0.005、全体ではp=0。000であった。次にそれぞれの説明変数にっいて、関 連が強い説明変数についての標準化係数(β)と有意確率を示す。男子では、先輩や大人 からの飲酒の誘いへの対処の自己効力が(β=1.127,p=0.000)と最も関連が強く、. 次いで最近1ヶ月の飲酒経験が(β=0.401,p=0.001)であった。女子では、友だち からの飲酒の誘いへの対処の自己効力が(β=0.446,p=0.001)と最も関連が強く、. 次いで最近1ヶ月の飲酒経験が(β=0.318,p=0.036)であった。全体では、友だち からの飲酒の誘いへの対処の自己効力が(β=0.333,p=0.001)と最も関連が強く、. 次いで生涯の飲酒経験が(β=0.231,pニ0.020)であり、次いで最近1ヶ月の飲酒経 験が(β=0.203,p=0.047)であった。.  生涯の薬物乱用の意思については、同変数を目的変数として、説明変数は、誘われた 場合の対処の自己効力として友だちおよび先輩や大人とした。それらを男女別、全体に 回帰分散分析した結果は、決定係数(R2)は、男子0.204、女子1.000で、全体では0.487. で、それぞれの回帰分散分析の有意確率は男子p=0.164、女子p=0.000、全体ではp ニ0.000であった。次にそれぞれの説明変数について、関連が強い説明変数についての 標準化係数(β)と有意確率を示す。男子では、先輩や大人からの薬物の誘いへの対処の 自己効力が(βニ0.557,p=0.001)であった。女子では、友だちからの薬物の誘いへ. の対処の自己効力が(β=1.000,pニ0.000)強い関連を示した。全体では、友だちか らの薬物の誘いへの対処の自己効力が(βニ0.996,p=0.000)と最も関連が強く、次. いで先輩や大人からの薬物の誘いへの対処の自己効力が(β=一〇.423,pニ0.001)で あった。.  重要な態度(目的変数)それぞれにおける、全ての説明変数ごとに男女別、全体に分析 した結果の一覧は、以下の表8に示す。. 一26一.

(29) 表8 重要な態度に関連する要因の分析結果 分散分 有意. 標準化 説明変数. 性別. 数︵β︶. 数︵R2︶. 決定 目的変数 性別. 男子. 0,016. 0,893. 女子. 0,186. 0,229. 全体 男子 女子. 0,033. 0,715. 率. 男子 0.606 0。000. 成人時の’ 友だち・先輩・遊び仲間 女子 0.610 0.001 煙意思・ 喫煙状況. 全体 0.522 0.000. 家族の喫煙状況. 生涯の喫煙経験. 最近1ヶ月の喫煙経験. 友だちからの喫煙の誘 への対処の自己効力. 先輩や大人からの喫煙 誘いへの対処の自己 力. 成人時の1 酒意思・. 男子 0.826 0.000 女子 0.456 0.005 生涯の飲酒経験. 全体 0.403 0。000. 最近1ヶ月の飲酒経験. 友だちからの飲酒の誘 への対処の自己効力 先輩や大人からの飲酒 誘いへの対処の自己 力 生涯の薬. 男子 0.204 0。164. 友だちからの薬物の誘 乱用の 女子 1.000 0.000 への対処の自己効力 意思 全体 0.478 0.000 先輩や大人からの薬物 誘いへの対処の自己 力. *P<0.05 **P<0.Ol***P<0.001. 一27一. 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子. 有意. 有意. 率. 準. 0,240. 0,061. 一〇.020. 0,881. 0,111. 0,199. 0,195. 0,152. 0,273. 0,065. 0,334. 0,001. 0,103. 0,439. 0,310. 0,046. 0,134. 0,154. 0,587. 0,000. ***. 0,892. 0,000. ***. 0,538. 0,000. ***. 0,035. 0,803. 一〇.270. 0,189. **. *. 0,100. 0,369. 0,020. 0,795. 0,207. 0,169. 0,231. 0,020. *. 0,401. 0,001. **. 0,318. 0,036. *. 0,203. 0,047. *. 0,007. 0,998. 0,466. 0,001. **. 0,333. 0,001. **. 1,127. 0,000. ***. 0,027. 0,889. 0,146. 0,294. 一〇.250. 0,200. 1,000. 0,000. ***. 全体 男子 女子. 0,996. 0,000. ***. 0,557. 0,001. **. 0,000. 0,434. 全体. 一〇.423. 0,001. **.

(30) 第4章考察 1.事前・事後調査結果の概要.  事前調査結果において、男女に有意差があったのは「先輩や大人からの薬物の誘いへ の対処の自己効力」であり、男子が断る自信が強かった。また、クラス別に有意差があ. ったのは「友だちからの薬物の誘いへの対処の自己効力」についてであり、B組が断る 自信が強かった。しかし、他の項目については、男女差、クラス差が認められず、男女 差、クラス差はほとんどないと判断できた。. 2.効果 1)態度  成人時の喫煙意思については、男子では非喫煙の態度に改善傾向が見られたが、女子 では非喫煙の態度は授業により顕著に向上した。全体でも同様であった。事後調査にお. いて非喫煙の態度を示した者の割合は、男子で8割弱、女子では9割弱の者が非喫煙の 態度を示した。したがって、授業により非喫煙の重要性が充分に認識されたといえる。.  成人時の飲酒意思については、男子では非飲酒の態度に改善傾向が見られたが、女子 では非飲酒の態度は授業により顕著に向上した。また、全体としては有意に変化した。. しかし、事後調査結果において非飲酒の態度を示した者の割合は、男女ともに4割強で あり、喫煙の場合と違い意識が低かった。.  生涯の薬物乱用の意思については、薬物は児童にとって触れる機会もないことから、. 授業前でも全体で9割以上の者が非薬物乱用の態度を示しており、授業により女子では 全員が非薬物乱用の態度を示した。増加した割合は少なかったが、事前調査において高 い値を示したために、もともとの伸び幅が少なかったためであって、増加したことは評 価できる。. 一28一.

(31)  喫煙の誘いへの対処の自己効力については、友だちからと先輩や大人からの誘いのい ずれにおいても、男女で大きく違いが見られた。女子では、有意に変化はしなかったも. のも断る自信は微増した。しかし男子では、減少傾向が見られ期待とは異なる結果とな. った。3時間目の授業で扱った内容だけに意外であった。ただし、先行研究の結果から も対処の自信を低下させることは容易であるが、高めるためには、内容や授業時間数な. どに工夫が必要である。実際、1時間の授業で自己効力の向上を期待することは難しい とされている9)。本研究においても、時間数の少なさが一因と考えられえる。.  飲酒の誘いへの対処の自己効力については、友だちからと先輩や大人からの誘いのい ずれにおいても、授業後に男女ともに増加した。特に、先輩や大人からの飲酒の誘いを. 断る自信は、女子において顕著に向上した。全体でも先輩や大人からの飲酒の誘いを断 る自信が向上した。飲酒は、児童にとって日常の生活の中で最も身近にある。正月行事. や祝い事や祭りの際に飲酒の行為があることや、飲酒の害についても社会的認知が低い ために、親などの身近な大人が勧めてくる場合も考えられ、断る自信を強めたことは意 義があった。.  薬物の誘いへの対処の自己効力については、友だちからと先輩や大人からの誘いのい. ずれにおいても、生涯の薬物乱用の意思と同様に、全体で授業前でも全体で8∼9割の 者が断る自信を示しており、授業により先輩や大人からの薬物の誘いを断る自信は、男. 女とも少しではあるが増加した。友だちからの薬物の誘いについては、男女ともに変化 が全くなかった。薬物は児童にとっては縁遠い存在であり、それを身近な友だちが誘う ということは、現実性がなく実感しにくかったのであろうと思われる。.  ところで、誘いへの対処の学習にっいては、喫煙を取り上げて進めた。しかし、効果 を示したのが、喫煙ではなく飲酒であった。その理由については、今後検討をしていく 必要がある。. 一29一.

(32) 2)知識  知識の習得においては、知識を持つ者の割合が男女とも授業により著しく増加した。. 全ての知識項目の内で、男女ともに大きな増加が見られたのは、「たばこを吸い始める. きっかけ」についてであり、3時間目の誘いへの対処法の学習内容であったことから、 授業の効果が大きく現れていると思われる。.  なかでも、飲酒の健康影響に関する知識の増加が顕著であったことは、事前調査段階 で飲酒の知識を挙げている児童が、男女ともに少なかったことに一因があると考えられ る。特に女子は圧倒的に少なく、授業後には男子以上に増加した。.  全般的に飲酒については、喫煙に比べて有害性が社会的にも浸透していないことが、. 児童の規範意識が低い背景にあると思われる。さらに詳しく各項目別に、回答内容にっ いて検討する。.  喫煙の健康影響では、男女ともに「息が臭くなる」や「歯が黒くなる」など授業で直 接扱った急性影響の中でも、より身近に感じられる項目が圧倒的に増えた。他にも「呼 吸機能への影響」なども授業で大きく取り上げた内容であり女子で大きく増えた。「依. 存性がある』といったことは授業で初めて知ったようであった。すなわち、事前調査で. は男子では全く挙がってなく、女子でも1人だけであった。事後調査で男女ともに大き く増えた。同様に、事後調査で初めて授業で扱った「思考力」の回答が見られた。また、. 一般的にたばこの害で知られている「肺への影響」は、事前調査段階でも児童の回答は 多く見られた。事後調査でも多く挙がっていた。逆に、「死」や「がん」といった一般 的に即答できそうなものや「体に悪い」といった影響は、事後調査では全体で減少して いる。このことから、授業後に児童は学習したことにより、学習内容に則した知識の内. 容が、より具体的なものに変化してきたことが考えられる。受動喫煙については、授業 で多く取り扱った内容だったが、全体的に減少してしまった。受動喫煙という言葉が、 児童には難しかったのかもしれない。. 一30一.

(33)  しかし、回答の具体性が進んだように見受けられる。すなわち、事前調査段階では、 「まわりの人のほうが害が大きい」、「まわりの人が煙を吸い肺を悪くする」、「まわりの. 人ががんになりやすい」、rまわりの人の迷惑になる」といったものであった。一方、事 後調査では、まわりの人に影響があると回答した中に、「特に子どもには影響が強い」、. r自分は吸っていなくてもまわりで煙を吸うだけも吸ったことになる」など、より具体 的な回答内容に変わってきた。事後調査の感想の欄にも吸わない人にも害があることが 分かったとした者が数名いた。このことから、受動喫煙については児童の理解が深まら. なかったとするには即断すぎるが、学習において理解につなげていくためには、インパ クトがあり児童の印象に残るような内容など、何らかの工夫が必要であると考えられる。.  飲酒の健康影響では、前述したように事前調査段階で飲酒の知識を挙げている児童が 男女ともに少なかったことで、事後調査では学習した内容が多く挙げられた。事前調査. 段階では一般的によく知られている「酔う」といった大まかに捉えた回答から、事後調 査では、「身体に及ぼす急性影響」が男女とも多く挙げられた。具体的には、事前調査. 段階ではr頭がクラクラする」やrボーっとなる」などの症状的な回答が多かった。事 後調査では、授業の内容を反映して「脳が麻痺する」や「脳が縮む」などの脳への影響 へと変化してきた。加えて、ビデオの内容に則した「赤い顔」、「事件・事故」、「思考力」、. 「依存症」といった回答が、事後調査で初めて挙がってきた。授業の効果が大きく現れ ていると思われる。.  乱用される薬物では、事後調査において、女子では「シンナー」が圧倒的に増えたが、. 男子では変化が少なかった。事前調査結果では、男女差が見られなかったことから、教. 育効果の違いが示唆された。男子では事前調査段階でも誤答r健康影響」が多かったが 事後調査ではより多くなってしまった。女子では事前調査段階では同様に多かったが、 事後調査では大きく減少した。質問を丁寧に読むことで、女子のほうが誤答r健康影響」. を減らすことができたのであろうと思われる。事前調査段階で、女子は薬物名の隠語を. 一31一.

(34) 挙げていたが、男子はそういった傾向はなかった。しかし、事後調査では、男子、女子 ともに正式な薬物名が多く挙げられるようになった。とりわけ女子では顕著であった。 なお、覚せい剤の隠語であるエス(S)とかスピードなどの隠語が女子で増え、男子では. 事後調査で初めて挙がってきた。これらは、ビデオで覚せい剤の隠語が紹介されたこと. の影響が大きいと思われる。事前調査段階では、男子、女子ともに薬物のことを、世問 一般で「ドラック」と言っていることが影響して、誤答で「ドラック」を挙げていたが、. 事後調査では男子で改善されたが、女子では改善されなかった。  薬物乱用の健康や社会に及ぼす影響では、事後調査で、男女ともに「幻覚・幻聴」、「依. 存症」、「事件・事故」といった回答が大きく増えた。これらは、ビデオで詳しく説明が されていたことであった。ビデオの効果によると考えられる。加えて事後調査で初めて、 「手足麻痺」、「意欲減退」、「生活への問題」といった回答がでてきたことも、同様に考. えられる。事前調査段階では「頭がおかしくなる」程度に理解していた内容が、事後調 査では「脳への影響」と学習内容を反映したものに変わってきた。  たばこを吸い始めるきっかけでは、事前調査段階では、男女ともr興味・好奇心」、r依 存症」、「誰かが吸っていたから」、「不特定の人からの誘い」といった曖昧な回答内容で. あったが、事後調査では、「友だちや先輩からの誘い」が急増し、具体的に学習内容を. 反映したものになった。また、事後調査において、男女とも「ストレス」と回答したの が増えたことについては、学習活動においてワークシート教材として使用した「友だち からのプレッシャー」の影響が考えられる。断ることにプレッシャーを感じることを、 rストレス」を感じることと結びつけたのかもしれない。.  全般的に見て、男子と女子で回答数に大きく違いがあったのは、女子における喫煙の 健康影響であり、r臭い」、r歯が黒くなる」は、男子の2∼3倍回答していた。事前事後. の調査段階で女子は、薬物乱用の健康影響「歯がボロボロになる」を男子の2倍程度回 答していることがあげられる。. 一32一.

(35) 3)行動  行動において大きな変化が認められなかったことは、先行介入研究からも、村松らは、. 高校2年生を対象として、喫煙防止教育を実施し、実施前と1年後に調査を行ない、効 果について評価した。知識、態度に関して変化が認められたが、行動に関しては変化が. なかったと述べている10)。また、川畑らは、高校2年生を対象として、喫煙防止教育. プログラムを実施し、実施1週間前と実施後1週間および約3年6ヶ月後に調査を行 ない、その短期的及び長期的効果を評価した。行動に関しては、いずれの時点において も、プログラムの効果は認められなかったと述べている10)。また、西岡らは、小学校. 高学年を対象として、喫煙防止教育プログラムを実施し、実施1週間前と実施後1週間 において調査を行ない、その短期効果を評価した。行動面についての短期的効果につい ては明確でなかったと述べている12)。本研究においても、事前調査と事後調査の間が. 短期間であったこと、小学校6年生段階であり喫煙経験者率が低いことなどが、行動変 容につながらなかったものと考えられる。しかし、態度のうち、将来の喫煙行動、飲酒 行動に強い関連をもつ成人時のそれぞれの意思については、前述したように、授業後に 女子においては有意に変化し、男子においても改善傾向が認められて、全体では有意に 変化した。以上のことから、将来の非喫煙・非飲酒行動においても効果があるものと期 待される。. 3.重要な態度に関する要因  従来の研究では喫煙行動の関連要因としては、友人の喫煙、父母や兄弟姉妹などの家 族の喫煙、本人の過去の喫煙行動、将来の喫煙行動の予測、喫煙に対する本人の態度、. 喫煙に対する周囲の態度が挙げられている11)。喫煙経験のある小学生に対する調査結. 果によれば、喫煙開始のきっかけとしては、「好奇心や興味」が最も多く、次いで「友 人からのすすめ」「親・きょうだいからのすすめ」が高い値を示した2)。. 一33一.

参照

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