アディクション看護 第 17 巻 第1号 2020 年
20
21
表3. 信仰を通じた繋がりと居場所と交流(カテゴリ)(続き)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・他の宗派ともよいところを認め合って交流していくべき
・
どの宗教もお互い知った上で,合わないなら合わないでダメだとか否定する必要はない
・生活の中で宗教活動をしているということになるが,他の宗教の話を聞いて受けた感銘な
ど,また自分の信仰に置き換えて伝えていくことはしていきたい
・他宗教だからできる話などもあり,自分達には及ばないところもあると思う
表4. 信仰と家族(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・家族全員で信仰している
・家族全員で入会している
・父が牧師で家族で教会に住んでいた
・家族は信心を通して団結している
・兄弟全員で信仰に関わる職についている
・家族で習慣として日曜日に教会に行っている
・夫婦で教会に通っているケースは少ないが,父は母の影響で信仰をもち始めたのだと思う
・妻とは信仰との姿勢が違うが,自分が悩んでいると「なぜ神様を仰げないのか」といわれ
たりもする
・家族も信仰に理解があり,こだわりなく信仰を日常の普通の瞬間だと捉えている
・信仰のない家庭なら家族崩壊になるようなことでも,同じ信仰をもっていることで目指し
ているもの,心の支えになっているものは同じと思いそこまで至らなかった
・教会の活動で娘と時間を共有することはあまりないが,色々と意見をいわれたりする.そ
ういう関係もよいと思う
・家族にとって信仰とは使命みたいなもの
・夫とは信仰は違うが信仰生活を続けることには理解してくれる
・夫は仏教徒だが信仰に反対はしていない.夫の反対で洗礼を受けられなかった人が何人も
いた
・夫は日蓮はよくわからないが,ご先祖様は大事だからお寺に来てよかったと思っていると
いう
・妻はクリスチャンではないが母がクリスチャンなので話は合う.無理に来いとかそういっ
たことはしない
・家族から信仰に反対された
・長男を教会の土曜学校に入れたかったがやめてしまった
・家族に一緒に信仰してほしいとは思わない
・父親は見えないところで時間もエネルギーも使って,寺の敷居を低くしようと努力してい
た.尊敬している
・宗教の考え方にも親の影響は出ると思う.考えに沿うわけでなくてもどうしても出てしま
うものはある
・クリスチャン2世として育ち,反発もあったが父の信仰を継いでいきたいと思うようにな
り,それが自分の信仰部分の核心になっている
・父親は信仰についてはあまり伝えてこなかったが,生き方や死に方というものはちゃんと
伝えてくれていた
・母親は自分を産むときも,周囲に反対されつつも信仰を支えにしていた
・父と祖父との間に葛藤はあったが,父はきちんと祖父の信仰を継いでいた.人間の不思議
なところ
表5. 信仰を基軸とした日常生活(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・祈ることはなくても,今この瞬間神様に生かされている.一瞬一瞬に感謝している
・職員,施設も神の見守りのもとにある
・神様は日常的にずっといる,ずっと見てらっしゃる
・神道では亡くなった方,ご先祖様はいつまでも子孫を見守ってくださっているという感覚
がある
・学会の役に立ちたいという思いで仕事をしてきたので,やりたいと思っていることをその
まま職業にできたのはありがたい
・住職になるとなかなか二足の草鞋というわけにはいかなくなっていった
・お寺にも一般の家庭からの目線が大事
・会社でも信仰についてわかってもらっている
他宗教との交流のメリット(4)
家族が同じ信仰をもつこと(19)
異なる宗教をもつ家族,宗教をもたない家族と
の関係(12)
信仰する父母の姿から学ぶ(15)
神様に見守られているという感覚(7)
社会生活を営む上での信仰とのバランス(6)
表1. 対象者の属性等
カテゴリ 職位 宗教 信仰歴 性別 年代 未/既婚
僧侶 浄土真宗 60年以上 男性 60歳代 既婚
僧侶 浄土真宗 35年 男性 60歳代 既婚
僧侶 浄土真宗 16年 男性 20歳代 未婚
僧侶 浄土宗 60年 男性 60歳代 既婚
僧侶 真言宗 60年 男性 60歳代 既婚
僧侶 曹洞宗 40年 男性 60歳代 既婚
僧侶 日蓮宗 40年 女性 40歳代 既婚
牧師 プロテスタント 48年 男性 60歳代 既婚
牧師 プロテスタント 41年 男性 40歳代 既婚
神主 神道 27年 男性 50歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 34年 男性 50歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 10年以上 男性 60歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 29年 女性 40歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 26年 女性 40歳代 既婚
一般信者 カトリック 40年 女性 60歳代 既婚
一般信者 カトリック 38年 女性 60歳代 未婚
一般信者 カトリック 29年 女性 60歳代 既婚
一般信者 カトリック 2年 女性 50歳代 既婚
一般信者 創価学会 54年 男性 60歳代 既婚
一般信者 創価学会 52年 女性 60歳代 既婚
一般信者 浄土宗 50年 女性 70歳代 既婚
団体職員 創価学会 50年 男性 50歳代 既婚
得度者 修験道(真言宗) 30年 男性 50歳代 既婚
神社氏子 神道 - 男性 40歳代 既婚
聖職者
信者
その他
族】【信仰を基軸とした日常生活】【宗教の役割と信
仰の意味と祈り】
【日本人にとっての宗教と信仰】
【信
仰とケア】
【自分にとっての信仰の意義】
【死と宗教・
信仰】【信仰の継承】の10カテゴリと36サブカテゴ
リが見出せた.カテゴリごとのサブカテゴリ,サブ
カテゴリのコード数,コードの抜粋を表2,表3,表
4,表5,表6,表7,表8,表9,表10,表11に示す.
以下本文中では,カテゴリは【】にて,サブカテゴ
リは〈〉にて,コードは[]にて表記する.
【信者と聖職者になるきっかけと葛藤】では,
〈実
家が聖職者ないし信者〉であったことや,〈聖職者
や聖典との出会い,原体験や困難な体験,もともと
の関心〉があったことなど,信者や聖職者になるきっ
かけと,〈信仰をもつにあたっての葛藤と抵抗〉が
集約された(表2).【信仰を通じた繋がりと居場所
と交流】では,〈信仰を通じた地域やコミュニティ,
他者との繋がり〉と,
〈寺や教会が提供する居場所〉
としての存在意義,〈他宗教との交流のメリット〉
が集約された(表3).【信仰と家族】では,〈家族が
同じ信仰をもつこと〉とその有益性,〈異なる宗教
をもつ家族,宗教をもたない家族との関係〉,〈信仰
する父母の姿から学ぶ〉経験が語られた(表4).【信
仰を基軸とした日常生活】では,〈神様に見守られ
ているという感覚〉,聖職との兼業を含めて〈社会
生活を営む上での信仰とのバランス〉が重要である
こと,
〈日々の生活の中に信仰が取り込まれている〉
こと,
〈生きる上での拠り所〉としての信仰であるこ
と,〈奉仕活動〉の意義が語られた(表5).【宗教の
役割と信仰の意味と祈り】では,〈宗教の役割と存
在意義〉〈信仰の意味と伝統と今後の課題〉〈祈るこ
とと拝むことと唱えることの意味とルール〉が(表
6),【日本人にとっての宗教と信仰】では,〈日本人
の宗教観と宗教からの乖離〉現象について,さらに
[信仰心を絶対的な存在を信じ尊ぶことという漠然
とした思いとするならば,おそらく日本人全員が
もっているのではないか]というように,〈日本人
の無宗教と信仰心〉が意味すること,
〈仏教と神道〉
の内実が示された(表7).【信仰とケア】では,〈信
仰の癒しとケアの類似性〉と〈ケアに活かされる信
仰〉の意義,信者が〈ケアする立場の人に望むこと〉
と,〈健康を取り戻した信仰体験とそれを通じた信
仰の深まり〉が語られた.〈信仰により病気を乗り
越える〉経験や〈宗教施設におけるケアや支援〉の
実態,さらに[臨床宗教師として傾聴するが,医療
表2. 信者と聖職者になるきっかけと葛藤(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数)
コード(抜粋)
・物心つく前に入会していた
・父親の後を継いで住職になった
・寺の末子だったので自然と宗教に親しんでいた
・9歳で沙弥という得度をした.お盆や法事など,なんとなく普段とは違う厳かな雰囲気が
あり,その中で神仏と一緒になっているという気持ちがあった
・父親が牧師でキリスト教について教えてくれた.青年期に入って自分のキリスト教の狭さ
に気づき,キリスト教の広さ,深さをもっと知りたくなっていった
・カトリックで幼児洗礼を受けていたが,成人後プロテスタントで洗礼をもう1度受けた
・家族が全員クリスチャンだった
・家族の入信がきっかけで自分も入信.家族は,みんなで集まって悩みを打ち明けあって励
まし合ってという姿を見て入信した
・母親が信仰のきっかけで,小さなころから洗礼を受けようと思っていた.母親の姿,生き
方そのものが信仰で子ども心にも感じるものがあった
・聖書について知らずに意見をいうのはどうかと聖書を読み始め,疑問を解決するために教
会に通い始めた
・内観という心理療法に出会い,提唱する先生が僧侶でもあり,仏教の勉強を始めて僧籍を
取った
・病院で司祭に出会い,その司祭をきっかけに洗礼を受けた
・大学生の時にボランティアでインドのマザーテレサのもとへ行き祝福を受けた.その時の
経験から聖職者になろうと決意した
・子どものころ,母の引き出しで聖書を見つけた.父も中学生のころ教会に通っていた.神
の導き,助けがあった
・学会長の先生から頂いた激励は数えきれない.先生は何でも報告できるお父さん,そして
師匠
・師匠の家に子どものころから遊びに行って可愛がってもらっていて,亡くなった後に縁
あって得度した
・学生時代に信仰について触れ,卒業後職場の問題で自己否定感をもったり家庭でのトラブ
ルもあり,教会に通い始めた
・15歳の時に洗礼を受け,聖書の学校に4年間通って23歳の時に牧師になった
・子どものころの地蔵盆で,人が死んだら地獄に落ちる,その地獄の怖さがインパクトが
あった.地獄がどんなところなのか子ども心に知りたいと思った
・寺育ちの3男坊だが,もともとは寺も坊主も嫌いだった
・高校に行った頃から信仰に対する葛藤があった.歴史ある神社の跡取りとしての葛藤,そ
れに対して自分がどんな気持ちなのか,神主は大なり小なりもつ葛藤だと思う
・高校生くらいの時には宗教に対するイメージがネガティブだったので,そういうところも
含めて葛藤があった
表3. 信仰を通じた繋がりと居場所と交流(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・氏子をやっていく中で地域との繋がりができる.そういう価値観をもった人が氏子を引き
受けるのかもしれない
・僧侶になりたての頃は義父についていって地域のやり方やあいさつ,お酒の飲み方まで学
んだ
・卒塔婆1つ書くにも住職じゃなければだめというのもある.それだけ地域に密着している
・留学先で出会った教会の方が自宅に招いてくれたりして慰めになった
・闘病中,お題目を上げるのにも本部長さんや地域の学会員の方々などが来て助けてくれた
・次女が癌になったときも婦人部長が激励してくれた.みんながお題目を上げるために会館
を供養して作っている
・教会の人たちとの交流,普段出会えないような人たちとのコミュニティが楽しい
・教会のコミュニティで自然と助け合っている.結束力が強い.兄弟にもいえないような悩
みを打ち明けられたりする
・地域で集まって1人じゃないと感じることができること,寺や念仏や作法もその助けにな
るかもしれない
・(夫が亡くなった後)拠り所として毎日のようにお寺に通った.その後もあいさつ程度だ
が顔をだし,ほっとしていた
・世俗の成功に左右されず,なにごとも楽しく笑いに変えていくくらいの力,教会はそうい
う集まりなのではと思っている
・お寺にお参りするのも,お参りして人が集まってきて話をすることでその場所から道が開
けたとしたら,それは仏様のおかげになる
・もっとお寺に来てもらいたい
・教会は周りの人も知っているから気を使わなくてよいし自由
・何か辛いことがあったら教会に行くとか集まりに行くとか,教会だったらどうにかなるか
なと思ったりする
・がんカフェに来た患者さんたちが涙を流していく.実はお寺というのは,自分の心を癒し
てくれるんだと再発見した喜び
実家が聖職者ないし信者(12)
聖職者や聖典との出会い,原体験や困難な体
験,もともとの関心(22)
信仰をもつにあたっての葛藤と抵抗(4)
信仰を通じた地域やコミュニティ,他者との繋
がり(19)
寺や教会が提供する居場所(17)
アディクション看護 第 17 巻 第1号 2020 年
20
21
表3. 信仰を通じた繋がりと居場所と交流(カテゴリ)(続き)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・他の宗派ともよいところを認め合って交流していくべき
・
どの宗教もお互い知った上で,合わないなら合わないでダメだとか否定する必要はない
・生活の中で宗教活動をしているということになるが,他の宗教の話を聞いて受けた感銘な
ど,また自分の信仰に置き換えて伝えていくことはしていきたい
・他宗教だからできる話などもあり,自分達には及ばないところもあると思う
表4. 信仰と家族(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・家族全員で信仰している
・家族全員で入会している
・父が牧師で家族で教会に住んでいた
・家族は信心を通して団結している
・兄弟全員で信仰に関わる職についている
・家族で習慣として日曜日に教会に行っている
・夫婦で教会に通っているケースは少ないが,父は母の影響で信仰をもち始めたのだと思う
・妻とは信仰との姿勢が違うが,自分が悩んでいると「なぜ神様を仰げないのか」といわれ
たりもする
・家族も信仰に理解があり,こだわりなく信仰を日常の普通の瞬間だと捉えている
・信仰のない家庭なら家族崩壊になるようなことでも,同じ信仰をもっていることで目指し
ているもの,心の支えになっているものは同じと思いそこまで至らなかった
・教会の活動で娘と時間を共有することはあまりないが,色々と意見をいわれたりする.そ
ういう関係もよいと思う
・家族にとって信仰とは使命みたいなもの
・夫とは信仰は違うが信仰生活を続けることには理解してくれる
・夫は仏教徒だが信仰に反対はしていない.夫の反対で洗礼を受けられなかった人が何人も
いた
・夫は日蓮はよくわからないが,ご先祖様は大事だからお寺に来てよかったと思っていると
いう
・妻はクリスチャンではないが母がクリスチャンなので話は合う.無理に来いとかそういっ
たことはしない
・家族から信仰に反対された
・長男を教会の土曜学校に入れたかったがやめてしまった
・家族に一緒に信仰してほしいとは思わない
・父親は見えないところで時間もエネルギーも使って,寺の敷居を低くしようと努力してい
た.尊敬している
・宗教の考え方にも親の影響は出ると思う.考えに沿うわけでなくてもどうしても出てしま
うものはある
・クリスチャン2世として育ち,反発もあったが父の信仰を継いでいきたいと思うようにな
り,それが自分の信仰部分の核心になっている
・父親は信仰についてはあまり伝えてこなかったが,生き方や死に方というものはちゃんと
伝えてくれていた
・母親は自分を産むときも,周囲に反対されつつも信仰を支えにしていた
・父と祖父との間に葛藤はあったが,父はきちんと祖父の信仰を継いでいた.人間の不思議
なところ
表5. 信仰を基軸とした日常生活(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・祈ることはなくても,今この瞬間神様に生かされている.一瞬一瞬に感謝している
・職員,施設も神の見守りのもとにある
・神様は日常的にずっといる,ずっと見てらっしゃる
・神道では亡くなった方,ご先祖様はいつまでも子孫を見守ってくださっているという感覚
がある
・学会の役に立ちたいという思いで仕事をしてきたので,やりたいと思っていることをその
まま職業にできたのはありがたい
・住職になるとなかなか二足の草鞋というわけにはいかなくなっていった
・お寺にも一般の家庭からの目線が大事
・会社でも信仰についてわかってもらっている
他宗教との交流のメリット(4)
家族が同じ信仰をもつこと(19)
異なる宗教をもつ家族,宗教をもたない家族と
の関係(12)
信仰する父母の姿から学ぶ(15)
神様に見守られているという感覚(7)
社会生活を営む上での信仰とのバランス(6)
表1. 対象者の属性等
カテゴリ 職位 宗教 信仰歴 性別 年代 未/既婚
僧侶 浄土真宗 60年以上 男性 60歳代 既婚
僧侶 浄土真宗 35年 男性 60歳代 既婚
僧侶 浄土真宗 16年 男性 20歳代 未婚
僧侶 浄土宗 60年 男性 60歳代 既婚
僧侶 真言宗 60年 男性 60歳代 既婚
僧侶 曹洞宗 40年 男性 60歳代 既婚
僧侶 日蓮宗 40年 女性 40歳代 既婚
牧師 プロテスタント 48年 男性 60歳代 既婚
牧師 プロテスタント 41年 男性 40歳代 既婚
神主 神道 27年 男性 50歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 34年 男性 50歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 10年以上 男性 60歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 29年 女性 40歳代 既婚
一般信者 プロテスタント 26年 女性 40歳代 既婚
一般信者 カトリック 40年 女性 60歳代 既婚
一般信者 カトリック 38年 女性 60歳代 未婚
一般信者 カトリック 29年 女性 60歳代 既婚
一般信者 カトリック 2年 女性 50歳代 既婚
一般信者 創価学会 54年 男性 60歳代 既婚
一般信者 創価学会 52年 女性 60歳代 既婚
一般信者 浄土宗 50年 女性 70歳代 既婚
団体職員 創価学会 50年 男性 50歳代 既婚
得度者 修験道(真言宗) 30年 男性 50歳代 既婚
神社氏子 神道 - 男性 40歳代 既婚
聖職者
信者
その他
表2. 信者と聖職者になるきっかけと葛藤(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数)
コード(抜粋)
・物心つく前に入会していた
・父親の後を継いで住職になった
・寺の末子だったので自然と宗教に親しんでいた
・9歳で沙弥という得度をした.お盆や法事など,なんとなく普段とは違う厳かな雰囲気が
あり,その中で神仏と一緒になっているという気持ちがあった
・父親が牧師でキリスト教について教えてくれた.青年期に入って自分のキリスト教の狭さ
に気づき,キリスト教の広さ,深さをもっと知りたくなっていった
・カトリックで幼児洗礼を受けていたが,成人後プロテスタントで洗礼をもう1度受けた
・家族が全員クリスチャンだった
・家族の入信がきっかけで自分も入信.家族は,みんなで集まって悩みを打ち明けあって励
まし合ってという姿を見て入信した
・母親が信仰のきっかけで,小さなころから洗礼を受けようと思っていた.母親の姿,生き
方そのものが信仰で子ども心にも感じるものがあった
・聖書について知らずに意見をいうのはどうかと聖書を読み始め,疑問を解決するために教
会に通い始めた
・内観という心理療法に出会い,提唱する先生が僧侶でもあり,仏教の勉強を始めて僧籍を
取った
・病院で司祭に出会い,その司祭をきっかけに洗礼を受けた
・大学生の時にボランティアでインドのマザーテレサのもとへ行き祝福を受けた.その時の
経験から聖職者になろうと決意した
・子どものころ,母の引き出しで聖書を見つけた.父も中学生のころ教会に通っていた.神
の導き,助けがあった
・学会長の先生から頂いた激励は数えきれない.先生は何でも報告できるお父さん,そして
師匠
・師匠の家に子どものころから遊びに行って可愛がってもらっていて,亡くなった後に縁
あって得度した
・学生時代に信仰について触れ,卒業後職場の問題で自己否定感をもったり家庭でのトラブ
ルもあり,教会に通い始めた
・15歳の時に洗礼を受け,聖書の学校に4年間通って23歳の時に牧師になった
・子どものころの地蔵盆で,人が死んだら地獄に落ちる,その地獄の怖さがインパクトが
あった.地獄がどんなところなのか子ども心に知りたいと思った
・寺育ちの3男坊だが,もともとは寺も坊主も嫌いだった
・高校に行った頃から信仰に対する葛藤があった.歴史ある神社の跡取りとしての葛藤,そ
れに対して自分がどんな気持ちなのか,神主は大なり小なりもつ葛藤だと思う
・高校生くらいの時には宗教に対するイメージがネガティブだったので,そういうところも
含めて葛藤があった
表3. 信仰を通じた繋がりと居場所と交流(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・氏子をやっていく中で地域との繋がりができる.そういう価値観をもった人が氏子を引き
受けるのかもしれない
・僧侶になりたての頃は義父についていって地域のやり方やあいさつ,お酒の飲み方まで学
んだ
・卒塔婆1つ書くにも住職じゃなければだめというのもある.それだけ地域に密着している
・留学先で出会った教会の方が自宅に招いてくれたりして慰めになった
・闘病中,お題目を上げるのにも本部長さんや地域の学会員の方々などが来て助けてくれた
・次女が癌になったときも婦人部長が激励してくれた.みんながお題目を上げるために会館
を供養して作っている
・教会の人たちとの交流,普段出会えないような人たちとのコミュニティが楽しい
・教会のコミュニティで自然と助け合っている.結束力が強い.兄弟にもいえないような悩
みを打ち明けられたりする
・地域で集まって1人じゃないと感じることができること,寺や念仏や作法もその助けにな
るかもしれない
・(夫が亡くなった後)拠り所として毎日のようにお寺に通った.その後もあいさつ程度だ
が顔をだし,ほっとしていた
・世俗の成功に左右されず,なにごとも楽しく笑いに変えていくくらいの力,教会はそうい
う集まりなのではと思っている
・お寺にお参りするのも,お参りして人が集まってきて話をすることでその場所から道が開
けたとしたら,それは仏様のおかげになる
・もっとお寺に来てもらいたい
・教会は周りの人も知っているから気を使わなくてよいし自由
・何か辛いことがあったら教会に行くとか集まりに行くとか,教会だったらどうにかなるか
なと思ったりする
・がんカフェに来た患者さんたちが涙を流していく.実はお寺というのは,自分の心を癒し
てくれるんだと再発見した喜び
実家が聖職者ないし信者(12)
聖職者や聖典との出会い,原体験や困難な体
験,もともとの関心(22)
信仰をもつにあたっての葛藤と抵抗(4)
信仰を通じた地域やコミュニティ,他者との繋
がり(19)
寺や教会が提供する居場所(17)
アディクション看護 第 17 巻 第1号 2020 年
22
23
表3. 信仰を通じた繋がりと居場所と交流(カテゴリ)(続き)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・他の宗派ともよいところを認め合って交流していくべき
・
どの宗教もお互い知った上で,合わないなら合わないでダメだとか否定する必要はない
・生活の中で宗教活動をしているということになるが,他の宗教の話を聞いて受けた感銘な
ど,また自分の信仰に置き換えて伝えていくことはしていきたい
・他宗教だからできる話などもあり,自分達には及ばないところもあると思う
表4. 信仰と家族(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・家族全員で信仰している
・家族全員で入会している
・父が牧師で家族で教会に住んでいた
・家族は信心を通して団結している
・兄弟全員で信仰に関わる職についている
・家族で習慣として日曜日に教会に行っている
・夫婦で教会に通っているケースは少ないが,父は母の影響で信仰をもち始めたのだと思う
・妻とは信仰との姿勢が違うが,自分が悩んでいると「なぜ神様を仰げないのか」といわれ
たりもする
・家族も信仰に理解があり,こだわりなく信仰を日常の普通の瞬間だと捉えている
・信仰のない家庭なら家族崩壊になるようなことでも,同じ信仰をもっていることで目指し
ているもの,心の支えになっているものは同じと思いそこまで至らなかった
・教会の活動で娘と時間を共有することはあまりないが,色々と意見をいわれたりする.そ
ういう関係もよいと思う
・家族にとって信仰とは使命みたいなもの
・夫とは信仰は違うが信仰生活を続けることには理解してくれる
・夫は仏教徒だが信仰に反対はしていない.夫の反対で洗礼を受けられなかった人が何人も
いた
・夫は日蓮はよくわからないが,ご先祖様は大事だからお寺に来てよかったと思っていると
いう
・妻はクリスチャンではないが母がクリスチャンなので話は合う.無理に来いとかそういっ
たことはしない
・家族から信仰に反対された
・長男を教会の土曜学校に入れたかったがやめてしまった
・家族に一緒に信仰してほしいとは思わない
・父親は見えないところで時間もエネルギーも使って,寺の敷居を低くしようと努力してい
た.尊敬している
・宗教の考え方にも親の影響は出ると思う.考えに沿うわけでなくてもどうしても出てしま
うものはある
・クリスチャン2世として育ち,反発もあったが父の信仰を継いでいきたいと思うようにな
り,それが自分の信仰部分の核心になっている
・父親は信仰についてはあまり伝えてこなかったが,生き方や死に方というものはちゃんと
伝えてくれていた
・母親は自分を産むときも,周囲に反対されつつも信仰を支えにしていた
・父と祖父との間に葛藤はあったが,父はきちんと祖父の信仰を継いでいた.人間の不思議
なところ
表5. 信仰を基軸とした日常生活(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・祈ることはなくても,今この瞬間神様に生かされている.一瞬一瞬に感謝している
・職員,施設も神の見守りのもとにある
・神様は日常的にずっといる,ずっと見てらっしゃる
・神道では亡くなった方,ご先祖様はいつまでも子孫を見守ってくださっているという感覚
がある
・学会の役に立ちたいという思いで仕事をしてきたので,やりたいと思っていることをその
まま職業にできたのはありがたい
・住職になるとなかなか二足の草鞋というわけにはいかなくなっていった
・お寺にも一般の家庭からの目線が大事
・会社でも信仰についてわかってもらっている
他宗教との交流のメリット(4)
家族が同じ信仰をもつこと(19)
異なる宗教をもつ家族,宗教をもたない家族と
の関係(12)
信仰する父母の姿から学ぶ(15)
神様に見守られているという感覚(7)
社会生活を営む上での信仰とのバランス(6)
表5. 信仰を基軸とした日常生活(カテゴリ)(続き)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・毎日毎日お祈りをして,一生やってもきりのあるものではないが,これからも習慣は身に
ついていくのだと思う
・世俗の生活そのものが信仰そのもの
・信仰は自然な生活の一部
・生活の上での信仰心は当たり前になっている.感謝や人を思いやるというところ
・日々の生活の中で祈りについての指導があり,日々祈っているというか,その時間を過ご
している
・信仰に目的を求めていないので,日常生活にそれが取り込まれている
・仏教はまず掃除,15の時から下働きをずっとやってきた
・修道院では1日7回のお祈りの時間を守りながら共同で日常生活が営まれている
・どんな生活活動も,父なる神に向かって自分は生活をしていく,そういうものとして生き
ていく
・神社の中で生活をしているので,生活のなかで宗教活動をしていることになる.生活と宗
教活動は非常に密接
・神棚の掃除などをすると,大事にしようという気持ちになる.粗末には扱えないと
・御書を根本に学会の庭で育ってきたので,もうそれ自体が生活そのもの
・毎日お勤めをする.それが1つの信仰心というもので,自分がそれで生かされているとい
うこと
・経典をもち歩き,普段から目にしている.拠り所になる
・障害があり生活が大変だったという時期も,信仰が支えになっていた
・目に見えないものに仕えるというのは謙虚な気持ちが必要,その気持ちが普段の生活にも
生きてくる
・神様の許しがあるから自分は今生きている.生かされている
・苦しい時はそれを自分の問題として捉える.どんな人でも生活の中に喜びや楽しみをもち
ながら生活している.それが浄土真宗の教え
・足るを知る.感謝が人を目覚めさせ,豊かになり,欲望を抑えてよい意味で感謝に変える
・皆,どんなものにも心がある,心のあるすべてのものに思いを馳せる,巡らせる
・家庭の中で,仏や永遠というしっかりした縁起や縁を大切にする
・生活の色んな悩みや問題の中で自分で行動してしまうこともあるが,実際には聖書の言葉
通り神様に委ねて自分の思いを捨てなければならない
・無意識のうちに,聖書の言葉を日常の行動にしているのはあると思う
・ものを粗末にしてはいけない,バチがあたるなど,そういったことを踏まえて生きてきた
・何にでも神様が宿っていて自分のことを見ている,正しいことをしなさいというような.
生き方への影響が大きい
・信仰で心に残っている言葉を自分でも改めて思いなおしてみたり,子どもに対しても促し
たりしている
・自分で教会を自分に戻そうという時期があって,教会に少し恩返しができた
・大学に入ってからクリスチャンの活動にも熱心に加わって,スタッフになりたいとも思っ
ていた.今でも1番やりたいのは教会のための仕事
・教会の活動は自然にやっている.調整役やまとめ役,クッション役
・自分の幸福のためだけに信仰しているのではなく,人のために自分は何ができるのかとい
う行動によって自分自身がまた励まされたり勇気づけられたりする
・教会での奉仕活動はやることはやっていた.誰かのため,時間と体を使って尽くす.祈っ
ていないとできない
・地域の氏子総代が神社のお祭りの手伝いなどをする
・仕事の傍らボランティアをやっていて,当時はノウハウも少なく限界ギリギリだった
・カウンセリングを通して,キリスト教の救いの力で今より楽しく幸せになっていけるよ
う,働きかけは心掛けている
・ボランティアで臨床宗教師をしている.僧侶が時間の空いた中で来るような形
・教誨師,篤志面接,保護司をやっている
・刑務所で法話などをする.彼らは失敗して立ち上がろうとしている.そういう時に色々な
人の話は癒しになる
・自分の病気の経験を元に,癌の悩みのある人たちのところに応援に行った
・ボランティアは皆,経済的にも時間的にも恵まれていて健康だということで活動してい
る.宗派の違いなどは感じない
日々の生活の中に信仰が取り込まれている(21)
奉仕活動(28)
生きる上での拠り所(24)
表3. 信仰を通じた繋がりと居場所と交流(カテゴリ)(続き)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・他の宗派ともよいところを認め合って交流していくべき
・
どの宗教もお互い知った上で,合わないなら合わないでダメだとか否定する必要はない
・生活の中で宗教活動をしているということになるが,他の宗教の話を聞いて受けた感銘な
ど,また自分の信仰に置き換えて伝えていくことはしていきたい
・他宗教だからできる話などもあり,自分達には及ばないところもあると思う
表4. 信仰と家族(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・家族全員で信仰している
・家族全員で入会している
・父が牧師で家族で教会に住んでいた
・家族は信心を通して団結している
・兄弟全員で信仰に関わる職についている
・家族で習慣として日曜日に教会に行っている
・夫婦で教会に通っているケースは少ないが,父は母の影響で信仰をもち始めたのだと思う
・妻とは信仰との姿勢が違うが,自分が悩んでいると「なぜ神様を仰げないのか」といわれ
たりもする
・家族も信仰に理解があり,こだわりなく信仰を日常の普通の瞬間だと捉えている
・信仰のない家庭なら家族崩壊になるようなことでも,同じ信仰をもっていることで目指し
ているもの,心の支えになっているものは同じと思いそこまで至らなかった
・教会の活動で娘と時間を共有することはあまりないが,色々と意見をいわれたりする.そ
ういう関係もよいと思う
・家族にとって信仰とは使命みたいなもの
・夫とは信仰は違うが信仰生活を続けることには理解してくれる
・夫は仏教徒だが信仰に反対はしていない.夫の反対で洗礼を受けられなかった人が何人も
いた
・夫は日蓮はよくわからないが,ご先祖様は大事だからお寺に来てよかったと思っていると
いう
・妻はクリスチャンではないが母がクリスチャンなので話は合う.無理に来いとかそういっ
たことはしない
・家族から信仰に反対された
・長男を教会の土曜学校に入れたかったがやめてしまった
・家族に一緒に信仰してほしいとは思わない
・父親は見えないところで時間もエネルギーも使って,寺の敷居を低くしようと努力してい
た.尊敬している
・宗教の考え方にも親の影響は出ると思う.考えに沿うわけでなくてもどうしても出てしま
うものはある
・クリスチャン2世として育ち,反発もあったが父の信仰を継いでいきたいと思うようにな
り,それが自分の信仰部分の核心になっている
・父親は信仰についてはあまり伝えてこなかったが,生き方や死に方というものはちゃんと
伝えてくれていた
・母親は自分を産むときも,周囲に反対されつつも信仰を支えにしていた
・父と祖父との間に葛藤はあったが,父はきちんと祖父の信仰を継いでいた.人間の不思議
なところ
表5. 信仰を基軸とした日常生活(カテゴリ)
サブカテゴリ(コード数) コード(抜粋)
・祈ることはなくても,今この瞬間神様に生かされている.一瞬一瞬に感謝している
・職員,施設も神の見守りのもとにある
・神様は日常的にずっといる,ずっと見てらっしゃる
・神道では亡くなった方,ご先祖様はいつまでも子孫を見守ってくださっているという感覚
がある
・学会の役に立ちたいという思いで仕事をしてきたので,やりたいと思っていることをその
まま職業にできたのはありがたい
・住職になるとなかなか二足の草鞋というわけにはいかなくなっていった
・お寺にも一般の家庭からの目線が大事
・会社でも信仰についてわかってもらっている
他宗教との交流のメリット(4)
家族が同じ信仰をもつこと(19)
異なる宗教をもつ家族,宗教をもたない家族と
の関係(12)
信仰する父母の姿から学ぶ(15)
神様に見守られているという感覚(7)
社会生活を営む上での信仰とのバランス(6)
関係者でも何でもない相手に呟くのは心の懺悔,誰
かに伝えておきたいこと,看護師では聞けない話と
いうのも出てくる][ボランティアで臨床宗教師を
しているが,有給になってしまうと責任も重くなる
し専門性があるわけでもないので双方難しい]とい
うように,〈聖職者として求められるケア役割とジ
レンマ〉が集約された(表8).【自分にとっての信
仰の意義】では,〈信仰や宗教的体験をもって癒さ
れる,浄化していく〉様や,〈自分を取り巻く縁や
偶然への気づきと思考の基盤〉となっている信仰意
義,
〈信仰によるメンタルヘルスの維持・向上〉と〈信
仰による自己洞察〉が振り返られた(表9).【死と
宗教・信仰】では,
〈死の受容と信仰〉の関係と〈死
に関する宗教観の相違〉が(表10),【信仰の継承】
では〈子どもに対する信仰継承への希望〉と,〈子
どもの信仰継承に向けて動く〉経験,〈継がないと
いう選択肢も必要〉という認識が語られた(表11).
Ⅴ . 考察
1. 入信のきっかけと葛藤,得られた繋がりと居場所
対象者は実家の家族が聖職者ないし信者であった
ことや,聖職者や聖典との出会い,また困難な体験
やもともとの関心から信者や聖職者になった.それ
に伴って葛藤と抵抗も経験したが結果的に,信仰を
通じた繋がりと居場所を得ていた.また寺や教会の
存在意義,さらには他宗教との交流のメリットも認
識していた.猪瀬
6)
は,最大の新宗教集団たる創価
学会を事例に,信仰継承を通じた宗教集団における
個人と組織の維持・変容のメカニズムを考察してい
るが,その中で,会員を対象とした調査票調査の結
果を紹介しており,二世信者の信仰継承率は約7割
で,信仰継承は親と教団の影響が大きかったことを
報告している.したがって実家や親が信仰をもって
いたことや,教団等を通じて聖職者や聖典と出会っ
たことが入信のきっかけになり得ることは想像に難
くない.また松下ら
7)
は,牧師の子ども(20-30歳代)