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第13回日本助産学会学術集会集録 一般演題 (口頭発表) 第10群

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31.尿 失 禁 を体 験 して い る褥 婦 の

心 理 に 関 す る研 究

聖母病院 ○ 岡有美 ・神永明美 ・木村美津 穂 聖母女子短 期大学 園生陽: 丸 山記念総合病院 山本智美 明星小学牧 加藤妙 子 I  は じめに 近 年,女 性 の尿 失禁が注 目され,我 が国 におけ る 妊婦 ・褥婦の尿失禁の頻度は71∼70%と 様 々な報告 がされている1),2),3),4)。1996年 に都内S病 院 に おいて、褥婦 を対象 に した実態調査では85%の 者が, 妊婦 中あるいは産後のいずれ 脳 こ腹圧 性尿 失禁を発症 していることが明 らかにされた。 尿失禁 を体験 して いる人 の心理 につ いては,最 近 にな って研究 されて きてお り中高年 の女性 を対象 と し た報告 があ る5)。しか し,妊 婦 ・褥婦 を対象 とした研 究はほとん どされてお らず,臨 床場面で実際に どの よ うな思いがあ るのかな ど,把 握 できていない。尿失禁 がある女性は尿失禁に対 して差恥心 があ り,な ん らか のメ ンタルケアの必要性 も示唆 されている。 そこで,本 研究は尿失禁を体験 している褥婦 を対象に 以下の2点 について明 らかにすることを目的 と した。 1)尿 失禁 を体験 している褥婦 の対処 と心理的影 響を知 る。 2)腹 圧性 尿失禁の ある妊婦 ・褥 婦に対す る看護 の方向性を見いだ丸 H研 究方法 1、 対象 1997年8月 か ら9月 に都内S病 院で経膣分娩 し, 分娩 ・産褥 期が正常に経過 した褥 婦で,現 在尿 失禁 を してお り、調査に協力 の意志表示 が得 られた もの6名 を対象 とした, 2、 調査方法 面接 はプ ライバ シーが保持 で きる個 室で研究 者1 名 と対象者1名 で行 った。 面接 時期 は産褥3日 か ら5 日属,所 要時間は1時 間以内 とし島 面接 項 目は尿 失 禁の発症 時期 と症状,心 理状態,対 処方法,医 療従事 者 への要望な どを聴 く半構成的 面接 とした。その際, 対象者の同意 を得て面接内容 をテープに録音 した。録 音 した内容は記録後消去す ることを約束 した。ま た, 面接の中断,録 音の中断ができることを伝えて,面 接 を始めた。 3、 分析方法 面接 内容 を逐語録 と し、 「尿 失 禁の症 状 と経 過」 「尿失禁 を初 めて体験 した時の気持ち」 「尿失禁 の原 因 とその捉え方」 「対処方法 とそれ に伴 う気侍 ち」 「尿 失禁の今後の見通 し」について検討 した。信頼性 を高 めるため,共 同研 究者全 員の合 意が得 られ るまで検討 を繰 り返 した。 III 結果お よび考察 1、 対象の概要(表1) 対象者は,1経 産婦4名(A,B,C,D),初 産 婦2名(E,F)で あった。年齢は20∼40歳 であ った。 2、 尿失禁の症状 と経過(表1) 事例Aは,第1子 妊娠 中か ら産後 ・第2子 妊娠 中 か ら出産後 にか けて尿失禁 があった。 く しゃみや笑っ た時に少量の尿が漏れ る程度 であった。

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表1 対象の概要 と尿失禁の発生時期 第2子 妊娠 中}よ 少 し笑 っただけでも下着が濡れ, 出産後には,尿 を止め られ ない状態であった。 事例Bは,第1子 出産後 ・第2子 妊娠 中か ら出産 後にか けて尿 失禁があった。 第1子 出産後は,腹 圧や かがんだ りす ると尿がでていたが,症 状が消失 した。 第2子 妊娠を契機 に再度,同 様の尿失禁の症状が出現 した。 事例Cは,第2子 の妊娠 中か ら出産後に かけて尿 失禁があった。 くしゃみ と力咳 を した時に尿 が漏れた ら止 まらな くなって しま う。 出産後の方が,更 にすご い。 事例Dは,20代 後 半の非妊 時か ら2回 の出産を 経て持続 して いた。20代 後半は,く しゃみや咳で下 着が濡れ る程度だった。第1子 出産後,自 覚す ると止 まっていたものが止ま らなくな って しまい,漏 れ る量 が多 くなった。 出産 半年後は,と りわけ力を入 れてい ない と出て しま う。 第2子 妊娠中は,漏 れ る量が多く なった。 事例Eは,第1子 妊娠 中か ら産後 にかけて尿失禁 があ った。く しゃみ ・力んだ時にチ ョロチ ョロっ と出 た。出産後は,1∼2滴 くらいの尿漏れ で減 った。 事例Fは 第1子 出産 後か らの発 症であ った。 パ ッ トを当てているのに,シ ョー ツが濡れる くらいす い 量が出た。 以 上の症状 か ら,6事 例全員が腹圧 性尿 失禁 と考 えられ る。 事 例Dを 除 いて,妊 娠 ・出産 を契機 に尿失禁 が発 症 している。 3、尿 失禁 を初めて体験 した ときの気持ち 事例Aは,「 いや あ もう悲 しい」。事 例Bは,「 な んで,こ んななんて」。事例Cは,「 最初はび っくりし ま した杁 で もなんか友達か らその話は聞いていたの で私 もか と思 って … まだ予備 知識 が あったか らよか った」、事例Dは,「 ア ラッっと思 うことがあ った」。 事例Eは,「 くしゃみや咳 した ときにや っぱ りす ぐチ ョロチ ョロと感 じで,生 暖か くて気持 ち悪 く嫌 だ っ た」。事例Fは,「 す ごい量でびっ くりした」。 6事 例に共通 してい ることは,尿 失禁 を体験 した ことでいずれも驚 きや悲 しみな どの衝撃的 な感情が見 られていた。 4、 尿失禁 の原因 とその捉 え方 事例Aは,「 妊 娠中は圧迫 され るため 」 「や っぱ り 筋肉かな,尿 漏れ って。子 供を産めば しょうがない」 「妊娠 しているから しょうがない」。 事 例Bは,「 ある程度圧 迫 され た たの が緩ん だた め」 「1回お産 をする と尿漏れ になるのは しょうがな い」 「多少緩んだ筋 肉は治 らない」。 事例Cは,妊 娠後期 の原 因は 「膀胱 が下 にな るか ら失禁す る」 「膀胱 を圧迫 していると失禁 しやすい」。 産後は,「会陰切開の傷があ り,カ が入 らない」 事 例Dは,非 妊時 の尿失禁の原因 は,「運 動 ・体 操 が嫌いで筋肉が鍛え られていないのか,緩 んでいるの か」 「女性 と して子 どもを産 んで緩 むか ら当た り前 」 「病気 とい うふ うには考えていない」 事 例Eは,「 妊娠 中は子 宮が圧迫 され るか ら」 「妊 娠 した らだいたい体内が変わ る」 「妊娠 した か らかな あ」

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事例Fは,「 尿失禁 はみんなある程度 あ り,自 分が 異常で特殊 なケースだ とは思 って いない」「年齢的な ことがあるか らしょ うがない」 「何年 も年を とると回 復が悪い」「病気ではない」 尿失禁の原 因を6事 例 が,妊 娠 してい るた め,出 産 したためな ど,妊 娠 ・出産に関連 付けてい る。 尿失禁 は,妊 娠 ・出産 に伴 う生理 的な変化 と して 認識 していることが示唆 され た。 5,対 処方法 とそれ に伴 う気持ち 事例Aは,最 初はお りものシー トをあてていたが, 産後か らはナプキンをあて,気 合いを入れて しめ るよ うに していた。それで も,2人 目の ときは,パ ンツ ・ ズボン も濡れ るようになって しまった。ず っとナプキ ンをあ てなけれ ばい けない ことが悲 しい。生理以外 に は、 当てたくな いと言 っていた。今後 は、肛 門の筋肉 を しめる体操に期待 している。 事 例Bは,仕 事 中尿漏れが 気にな るためパ ッ トを あてていた パ ッ トを当てることは,恥 ずか しかった が,漏 らす方が もっ と恥ずか しいため、あてていた。 また重たい物を持つのは さけていた。 第1子 の時の尿失禁は夫 には恥ず か しかったため, 相談 しなかった。第2子 の時 は夫に話 した ことで,気 分的精神 的に楽になった。 これか ら,家 事の 中で,自 然に体操 してみ ようと思っている。 事 例Cは,妊 娠 中は トイ レを探す,ま た頻 回に ト イ レに行 くよ うに していた。産後は厚手のナ プキンを あて,頻 回に トイ レに行 く。 夫には,気 持ちが分か っ て もらえないか ら相談 しない。妊産婦同士は何で も話 がで きるか ら,し ば しば尿失禁が話題になる。 事例Dは,尿 失禁 した時点で,下 着 ・スパ ッツを替 え(い た。パ ッ トは、尿失禁が起こるかかわか らない ので 当てなか った。膀胱 を空に してお く。 「今思って いることは、テ レビ でみた老人用尿漏れパ ンツを買お うかな?」 夫の母 に相談 し,ぜ ひ医療 者に聞きま しょ うと言われ た。夫は尿 失禁 していることは知 っている が,相 談相手にはなっていない。 事 例Eは,食 物 商売 を して い るた め,臭 いの方が 気にな り,微 香のお りもの シー トを当てていた。出産 後は量が減 ってきたので,自 然消滅 してくれ ると思 っ て余 り悩んでいない。今 は,自 分の体の こと(て んか ん)や 子供の ことが大変であ ま り考えないよ うに して い る。 事 例Fは,キ ーゲル体操について聞 きたい ことがあ り,興 味を もってい る。今 はキーゲル体 操を一生懸 命 や ろ うと思 っている。尿失禁の ことを母親 に話 した ら, 母親は尿失禁 の経験 がな く 「シ ョックだ った」。母親 は20代 で 出産 したので,年 齢的な違 いも しょうがな い と思っている。 頻回 に トイ レに行 く ・ナ プキ ンを当て る ・下着 を 替 えるな どの対処行動は,尿 失禁が一時的な もの と認 識 していることが影響 している と思われ る。 4事 例(A・B・D・F)は,何 らか の体操 をす ることで,尿 失禁が消失す ることを期待 じている。 事例Eは,「 てんかんを起 こす ことの ほ うが心配 な ので,あ ま り考 えない ように してい る」 と言って、尿 失禁 の認識 を回避 してい る。 尿失 禁 を他者 に うち明 けた者 は,事 例Eを 除 いた 5事 例で,う ち明けた相手は様 々であった。事例B事 例Cは,夫 に うち明け ることは 「恥ずか しい」 と して いたが,事 例Bは うちあ けた ことによ り精神的に楽に なってい る。尿失禁 を うち明ける相手 によって,不 安 が軽減 した者や事例Fの よ うにシ ョックが増強 した者 もいる。具体的に医療者に相談 した者 はいな い。看護 者は,妊 婦 ・褥婦が尿失禁の相談を しやす い ように, 働 きか ける必要 があろ う。 6、 尿失禁の今後の見通 し 事例Aは,妊 娠中のよ うなひ どさはないが,た らっ と尿が漏れ るのは,治 らない と思 ってい る。 事例Bは,多 少,緩 んだ 筋肉 は治 らな い と思 いな が ら、尿を出すのを我慢す る ・それ から出す よ うな体 操 をす ると治 る と思っている。前回 は,そ れで治 った か ら。 事例Cは,一 時的な ものであ ると思っている。 事例Dは,「 本 に書 いてあるお しりを締 めるとい う のでは,治 らない。」 「何かケアがあれ ば教えて もらい たい とい う一心。」 「何 もしなけれ ば,今 後 も更にひ ど くなるか も しれないな」 事例Eは,「 産 み終わってか ら2∼3ヶ 月かか るの

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かな」 「その頃にな ると,お 乳 も離れ,お 乳 さえ離 れ た らもう完全に止ま るん じゃないかな」 「自然に治 る だろうとしか 考えていない」 事例Fは,「 治 るか どうかが一番心配。」「症状の悪 化がないので,そ れほ ど心配 していな。 」 事例A・ 事 例Bと 事 例Dは,こ れ までの尿 失禁の 経験 とその経 過が今後 の見通 しに影響 してい る。 事例Cと 事例Eは,一 時的な もの と認識 している。 事例Eの よ うに,正 しい知識 がない と裏づ けのな い 自分な りの解釈 を してい る。 事例Fは,尿 失禁 の期 間が短い ため見通 しが曖 昧 である。 7、 腹圧性尿 失禁 の あ る妊婦 ・褥 婦に対す る看護 の方向性 「最初 はび っ くり した け ど予備知識 があって よかっ た。」 と事例Cの よ うに予期 的指導をする ことが 不安 の軽減 にっながることが考え られ る。また,予 期的指 導に よって、尿失禁を相談 しや すくする。医療者は尿 失禁 について気軽に話題にのせ,話 を しやすい雰囲気 づく りが大切 である。 キーゲル まきいた ことがあったが、 自分がなる とは思わなか ったので興 味がなか った。」(事例F) 「本に載 っている体操 では,治 らない と思っている」 (事例D)な ど指導方法に影響 され る。 したがって, キーゲル 体操(骨 盤 引き締め運動)の 効果的で実践的 な指導が必要 である。 IVま とめ 1.尿 失禁を体験 している妊婦 ・褥婦は, 1)初 体験時には,驚 きや悲 しみを表 出す る。 2)尿 失禁の原 因は,妊 娠 ・出産に関係 してい ると認識 している。 2.尿 失禁 を体験 してい る妊 婦 ・褥婦 は、尿失禁 の 対処方法 と して対症 的な行動 を とってお り,積 極的な改善 に結 びり いていない。 3.医 療者 は気軽 に尿失禁 の話題 を出 し,相 談 しや すい雰囲気づ く りが求め られ る。 4.医 療者 は、腹 圧性尿 失禁 のある妊婦 ・褥 婦に 対 して,予 期 的に効果的かつ 実践的な指導 をす る こ とが 重 要 で あ る。 本 研 究 の対 象 者 は,尿 失 禁 に 対 し前 向 き な 姿 勢 を もつ 褥婦 で あっ た こ とが 予 測 され る。 した が って,尿 失禁 を もつ妊 婦 ・褥 婦 全 体 の実 態 を把 握 した とは言 い が た い。 今 後,妊 娠 期 よ り積 極 的 に 尿 失 禁 に 対 す る 知 識, 対 処行 動 を広 め て い く こ とが示 唆 され た。 V引 用 ・参 考文 献 1) 上 原 茂 樹 ほ か: 妊 娠 中 お よ び 産 後 に お け る尿 失 禁 につ い て の 検討 、 産 科 と婦 人 科 、60巻10号 、 1511-1516、1993 2) 入 江 妙 手 ほ か: 妊 娠 ・分娩 経 過 が 産 後 の排 尿 に 及 ぼ す 影響 、周 産 期 医 学、25巻12号 、1701-1706、 1995 3) 池 田 しの ぶ ほ か: 分 娩 後 の 排 尿 障 害 発 症 に 関 す る リス ク フ ァク ター につ い て の検 討 、母 性衛 生 、 36巻4号 、489L493、1995 4) 吉 沢 豊 予 子 ほ か: 褥 婦 の骨 盤 底筋 力 回 復 の た め の骨 盤 底 筋 体操 の 効 果 、母 性 衛 生 、37巻2号 、 311-318、1996 5) 東 玲 子 ほ か: 尿 失 禁 を もつ 中 高 年 女 性 の コ ー ビ ング に関 す る研 究 、看護 研究 、29巻5号 、41渉 424、1996 6) 小 松 浩 子 ほか:尿 失 禁 のsexualityへ の 影響 を 測 定 す る質 問 紙 の作 成 と信 頼 性及 び 妥 当性 の 検 討 、 看護 研 究、29巻5号 、386-398、1996 7) 中 田真 木: 女 医 さん シ リー ズ尿 もれ ・尿 失 禁. 主 婦 の友 社 、1997 8) Lazarus, R.S, Folkman, S: ス トレ ス の 心 理 学-認 知 学評 価 と対 処 の研 究-、1991、 本 明 寛 他 訳 、実 務 教 育 出版

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32.更 年 期 女 性 の 健 康 意 識 と

心 身不 調 の 自覚 症 状

宮崎県立看護大学 ○菅沼ひろ子串 間秀子 北里大学看護学部 宮里和子 1緒 言 多 くの 女性 は,閉経 前 後 の約10年 間 女性 ホル モ ンの 低 下 に伴 う心 身不 調 によ る症 状(不 定 愁 訴) を経 験す る1)2)3)。そ の 種 類や 数 も多 種多 様 で あ り, また 自覚 の程度 に お いて は 「何 と もな い レベ ル 」 か ら 「日常 生活 に 支障 を きた す レベル 」 に まで 至 り,その 様相 は さ まざ まで あ る3)4)。現在,更 年期 障 害 の医学 的 な治 療 と して は漢 方療 法や ホ ルモ ン 補 充療 法 等の 薬物 に よ る ものが そ のほ と とん どあ る 。 しか し,実 際 そ れ らに よ っ て 回 復す る 者 ば か りで はな く,専門 家 によ るカ ウ ンセ リ ング の 必 要性 も 提 言 されつ つ あ る5)の。そ もそ も女性 の更 年 期 とは, 自然な 加齢 現 象 の一 過 程 で あ り,本質 的 に は 明 ら か に病 的 な 場 合 を除 け ば 医 学 的 な治 療 よ り,む し ろ看 護 的 なケ アが 求 め られ て もよ い性 質 の もの で は な いか と考 える。 しか し,看護 職者 に と って も, 現 実 には更 年期 そ の もの が よ く分 か って いな い と い うの が実 情 と言 え る。す なわ ち,具体 的な 変化 の 過 程 が どの よ う な もの か,ど の よ うな 自覚 症 状 を もつ ものか,そ れ が どれ ほ ど負 担 な のか,閉 経 前 後 の 月経 の変 化 の 実 態 と は どの よ うな も のか,な ど に つ いて の正確 な情 報 を 欠 いて いるの で ある7)。 これ ら に関 す る具 体 的 な 情 報 を 持 つ事 に よ って, あ る程 度 の予測 が た ち女 性 た ちの セル フケ アに も 役 立つ もの と考 える 。 本研 究 で は,更 年期 に は 不定 愁訴 が つ き もの な のか,女 性 た ち は自 分 を更 年 期 時 期 の ど こ に位 置 付 けて い る のか,ま た 自 らの 健 康 状 態 を ど のよ う に認 識 して い る のか 等 につ いて 調 査 し,分析 した の で こ こに報 告す る。 1研 究 目的 1)一 般 生活 者 と して の 更年期 女 性 の健 康状 態 の 自己認 識(健 康 意識)を 知 る。 2)自 覚 して い る心 身 の症 状 とそ の 負担 の 程度(負 担 度)を 知 る 。 3)月 経 の変 化 の実 態 を知 る。(閉 経 の 有 無含 む) 4)自 分 自身 を更 年 期 の どの時 期 に 位置 付 け て い るか を知 り,さ らに何 を もっ て更 年 期 と認 識す るの か を探 る。 II方 法 1対 象 水 戸 市周 辺及 び宮 崎 市周 辺在 住 の40歳 か ら60 歳 まで の 既 婚 女 性 で,調 査 の時 点 で 医 療 を 受 けて いな い健康 な一 般 女性 と した 。主 に地 域婦 人 会,学 校PTA,公 民館 活動 な どに参 加 して いる女 性 で,調 査 の目 的 を説 明 し同 意 を得 た者 を原 則 と して い る。 2調 査 期 間 1996年7∼10月 水 戸,配付582,回 収432 1997年12月 ∼1998年3月 宮 崎 配,付1073, 回収511(回 収56.98%,有 効 回 答70.0%) 3方 法 自己 記入 式(無 記 名)の 質 問 紙 を用 いた調 査 研 究で あ る。説 明 時 に質 問紙 を配 付,留め 置 き後 郵 送 に よ る回収 と した 。 本調 査 は個 人 的 な生 活 や さ ま ざまな プ ライ バ シー に関 す る質 問 項 目が 多 数含 ま れ て い るた め に,対 象 者 へ の説 明 と 了解 が 求 め ら れ,ラ ンダ ム サ ン プ リ ング の原 理 に は ま じ まな い た め,集合 調査 と した 。 自覚 症 状 はあ らか じめ30 項 目の症 状 を設 定 した8)9)。負担 度 の測 定 にはVAS 法 を用 い数量 化 した 。統 計 学 的分 析 に はパ ッケ ー ジ ソフ トSPSSを 使 用 した 。 III結果 1対 象 の 背 景(n=661) 平均 年 齢 は本 人48歳 ±515,夫51.歳 ±5.99で 各 年齢 層 別 に40-44歳160名(24.2%),45-49歳 246名(37.2%)5,0-54歳148名(22.4%)5,5-60歳

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106名(16.1%)で あ る 。 職 業 形 態 は 専 業 主 婦187 名(28.3%),フ ル タ イ ム 就 労 者205名(31.0%),パ ー トタ イ ム 就 労 者170名(25.7%),そ の 他99名 (15.0%)で あ っ た 。 1)健 康 状 態 の 自 己 認 識 自 分 の 健 康 状 態 を 「健 康 で あ る 」 とす る 者 は299 名(45.2%),「 気 に な る 事 が あ る が 病 院 に 行 く程 で は な い」 が259名(39.2%),「 相 談 や 治 療 を 受 け た い」 者 は90名(13.6%)で あ っ た。 2)更 年 期 時 期 の 自 己 認 識 現 在 の 自 分 を 更 年 期 の 時 期 の ど こ に 位 置 付 け て 認 識 して い る の か を み た と こ ろ,「 ま だ 入 っ て い な い 」246名(37%),「 入 っ た ば か り 」160名(24%) , 「真 っ 最 中 」89名(13 .5%,)「 そ ろ そ ろ 終 り」60名 (9.1%),「 終 っ た 」55名(8.3%)で あ っ た 。 3)現 在 の 月 経 パ タ ー ン 「こ の1年 変 化 な し」213名(32 .2%),「 量,持 続 日 数 の 変 化 あ り」143名(21.6%),「 周 期 不 規 則 」75 名(11.3%),「 閉 経 こ の1年 な し」164名(24.8%), 「外 科 的 閉 経 」44名(6.7%)で あ っ た 。 2自 覚 症 状 の 実 態 こ の 集 団 は 平 均 約10種 の 自 覚 症 状 を も っ て い た 。 保 有割 合 の 高 い も の の 順 に,「1物 忘 れ-2肩 こ り-3腰 痛-4倦 怠 感-5性 欲 低 下 」と な っ て い る 。 こ の 自 覚 症 状 を 負 担 度 す な わ ち 「つ ら さ 」 の 順 で 見 る と 「1肩 こ り-2冷 え-3頭 痛-4性 欲 低 下-5不 眠 」で あ り保 有 割 合 の順 と は異 な って い る ことが 分か った。 3健 康 意 識 と 自 覚 症 状 本 人の 健康 に対 す る認 識 を 「1健 康 で ある」 「2 気 に な る事が あ るが 病 院 に行 く ほ どで はな い」「3 相 談や 治 療 を受 けた い」の3群 に分 けて,保有 率 上 位10位 までの 自覚 症 状 と,その負 担度 につ いて を 一覧 表(表1)に してみ た。 この 表 か ら分か る こ と は まず 、 「健康 で あ る」 と自己 認識 して いる者 で あっ て も 自覚 症状 が 無 い わ けで はな い。約7割 の ものは 物忘 れ を,6割 は肩 こ りを持 って い るが,その負 担度 は概 して 低 い。そ れ に対 して 「気 に な る∼群 」 「治療 を受 けた い群 」 にな る に従 って 症 状 の 保有 割合 も高 く,負 担 度 も 上 昇 して い る事 が分 か る 。 こ とに 「気 にな る群 」 の性 欲 の低 下 の負担 度 が73.0は 飛 び 抜 けて 高 い 値 で ある。 4健 康 意 識 とそ の 関 連 因 子 1)健 康 意 識 と 自 覚 症 状 の 負 担 度 と 年 齢 どの 年 齢 層 も健 康 と 自覚 す る 者 ほ ど,そ の自 覚 症状 の 負担 が 少な い と い う結果 が 確 認で きた 。 年 齢50-54歳 で は 「治 療 を受 け た い」群 の 症状 の 負 担 が際 だ って 強 く,また45∼9歳 で は 「気 にな る」 群 の症 状負 担 がや や 高 い こと も分か っ た。 2)健 康 意 識 と 月 経 パ タ ー ン 「健康 で ある 」 と認識 して いる者 の 月経 の 変 化 に比 べ て 他2群 の 月経 の変 化 が 大 き く,不 規 則 で 表1健 康状態別の 自覚症状の保 有率 と負担度

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あ った り,閉経 して い る者 の割 合 も高 くな って い た 。 5月 経 パ タ ー ン の 変 化 と そ の 関 連 因 子 1)月 経 パ タ ー ン と 自覚 症 状 の 負 担 度 と年 齢 (図1)先 の 月経パ ター ン を 「変 化 な し」 「不 規則 」 「閉経 」 に分 けて みた 。 「不規 則 」群 に は 何 らか の変 化 を体 験 して い る者 全 て を含 ませ た 。 この結 果か ら,月経 に変化 の な い40-54歳 まで の 者 は症 状 が 軽 いこ とが分 か る が,40-44歳 で 閉 経 した者 は症 状 の 負担 が 強 く,逆 に55-60歳 で も 月 経 に変化 のな い者 は症 状 が重 い こ とが 分 か る。 2>月 経 パ タ ー ン と更 年 期 の 自 己 認 識 「まだ」 「始 ま った ば か り」 「最 中 」 「そ ろ そ ろ終 り」 「終 った」 の5つ の ステー ジ に分 けて み た。 「まだ 」 とい う認識 を もつ者 は月経 の 変化 が まだ な いか,少 しの変 化 のみ で ある。 「始 ま った ば か り」群 の 月経 の変 化 が最 も多 く,「終 った 」 と認 識 して いる群 で は95.4.4%が 閉経 して いた。 6更 年 期 の 自 己 認 識 か ら み た 関 連 因子 1)自 覚 症 状 の 負 担 度 ・保 有 数 と 更 年 期 の 自 己 認 識(図2) 自分が 「更年 期 の真 っ 最 中 であ る」 と認 識 して いる者 は 自覚 症 状 の保 有 数 も多 く,その 負 担度 も 他 よ り高 い。 2)更 年 期 の 自 己 認 識 と 年 齢(図3) この 図で は,明 らか に年 齢 は 更 年期 時期 の認 識 す る指 標 にな って い る 事が 分か る。 しか し,「 ま だ」 と認 識 して いる者 の 年齢 分 布 で,50歳 以 上 の 者が7.6%も いる。 「更 年期 の始 ま り」 とい う年齢 は45-49歳 層 が51.3%と 最 も多 い が,この認 識 の は個 人差 が ある こ とが容 易 に分か る。 「更 年期 の 真 っ最 中」と認識 す る のは お よそ45-59歳 で,全体 の 中に 占め るそ の年 齢 者が80.7%で あ る。「 そ ろ そ ろ終 り」と いう 者は50-59歳 間の 者で,こ の年 齢 層 の93.3%に あた る。 3)更 年 期 の 白 己 認 識 と 症 状 負 担 度 と年 齢 (図4)「 真 っ最 中」 とい う者 は どの年 齢層 で も症 状 の 負 担 度 が 高 い こと,し か も年 齢 が 高い 程 そ の 負担 が強 い。 「入 っ た ばか り」の 群で も年 齢 40歳 代 の 者は そ の 症 状 の負 担が 強 い こと も分 か る。「 まだ 入 って いな い 」 の群 は どの 年齢 で あ っ 図1現 在の 月経状況別症状負担度と年齢 図2更 年期の時期認識別 自覚症状の数 と負担度(平 均値) 図3更 年期の 時期認識 と実年齢

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図4年 齢別症状負担度 と更年期時期の認識 ても症状 の 負担 が 低 い。50歳 代 で 「更 年期 真 っ最 中」 と認 知 して い る者 の 症 状 は もっ と もつ らい も の にな って いる。 IV考 察 閉経 前後10年 の45∼55歳 に個 人差 を配 慮 して その前 後5年 を プ ラス した40-60歳 の女性 を対 象 とした。医療 施設 にア クセ ス せず,通常 の 生活 を送 って い るこの 女 性 た ちの 約 半 数(52.8%)が,自 ら の 健康状 態 を 「気 にな る」 あ るい は 「相談 治療 を 受 けた い」と認識 して い る こ との意味 は重要 で ある。 さらにそ の具 体 的な 症 状 は看 護 者た る 我 々に も 必 要 な もので ある 。本 調 査 の デー タの特 徴は 症状 の 負担 度で もある 。 健康 状 態 を 「気 にな る∼ 」 と 認 識 する群259名 の 自覚症 状 の負 担度 が最 も高か っ たのが 「性欲 低 下 」で あ り,その値 も73.0と 群 を 抜 いて いた 。lock9)(1984),日 本婦 人会 議3)(1991) の調 査 と比 較 して も本 調 査 の 「性 欲低 下」 は 上 位 にある。 調 査方 法 な ど影 響 され る因子 は 種 々あ ろ うが,今 日 日常 的 につ らい 症状 と して 表 現 され た もの と解 釈 され る 。性 に対 す る タブー が 薄 らい で きた と も推 測で き るが 「気 にな るが相 談 治療 を受 け る程 では な い」 とい う性 質 の もの なの で ある 。 また外 国 との 比較 で は,hot flushに 代 表 され る 血 管運 動 神経 系 の症 状が 少 な いの も特 徴 と いえ る7)。 自覚症 状 の負 担 が強 い者 ほ どそ の 健康 意識 は 低 く,50-54歳 の時 期 に深 刻 な 者が 多 い こ とは新 し い発 見 で あ った。 さ らに 月経 パ ター ンの 変化 が 年 齢 に相応 して いな い者 は 症 状 の 負担 が高 い こと は 何 らか の異 常 を示 唆 して いる と も考 え らる。 更 年 期 の 自己 認 知 に は,月 経 パ ター ンの 変 化 が あ る こと,自 覚症 状 の 数や 負 担 度 が大 き い こ と,さ らに年 齢 も大 切な 因子 で ある ことが うか が えた 。 この結 果 はlock9)の 指摘 す る 「日本女 性 は更 年 期 が 始 ま っ た か,終 っ た か を 考 え る時 に 月経 パ タ ー ンを 重要 視 して いな い」 と は一致 しな い。 調査 の 時 期や 方 法 に よ る違 い も考 え ら れる が,何 を も っ て 更 年 期 と 認識 す るか を探 る に は,よ り詳 細 な 事 例 ある いは縦 断 的研 究 も必 要 で ある。 V結 論 1,更 年 期 女性 の 健康 認識 は概 して やや 低 い もので あ った。 2,平 均10種 の 自覚 症 状 を保 有 し,たとえ 「健 康 で あ る」 とい う者で あ って も何 らか の 自覚 症状 を 保 有 してお り,その保 有 割合 の 高 い もの は,物忘 れ,肩 こ り,腰痛,倦 怠 感,性欲 低 下,の 順 にな っ て い た。 3,健 康 意識(健康,気 にな る,治療 を受 けた い)に は, 自覚症 状 の保 有 数が 多 い こと,そ の負 担度 が 高 い こ と,さらに月経 の 変化 が 関連 して いた。 4,月 経 の変化 は 大 き く分類 す る と,変化 な し-月 経血 の量 や 持続 期 間の 変化 一 周期 の変 化 一 閉経 の4段 階で あ った。 5,更 年期 時 期 の認 識 には 「月経パ ター ンの 変化 」 と 「年 齢」 そ して 「自覚 症状 」 が指 標 の要 因 に な っ てい た。 引用 文 献 1) 玉 田 太 朗 「更 年 期 一定 義 と 範 囲 」 産 婦 人 科 の 世界 vol 39 no.9 sep.1987

2) 小 山 嵩 夫 他 更 年 期 か ら楽 し くな る 生 活 ク ラ ブ 生 協 連 合 会 1994 3) 女 の か らだ と 医 療 を 考 え る 会 更 年 期 ア ン ケ ー ト中 間 報 告 1992 4) 大 川 章 子 他 「更 年 期 婦 人 の 不 定 愁 訴 と閉 経 の 受容 に 関 す る 調 査 研 究 」-そ の1-聖 路 加 看護 大 学 紀 要 第16巻44-55 1989 5) 厚 生 省 心 身 障 害 研 究REPRODUCTIVE HEALTHに 関 す る 研 究 平 成5年 度研 究 報 告 書 1994 6) 冬 城 高 久 、 堀 口 文 、 他 「更 年 期 障 害 患 者 に お け る 心 理 的 背 景 の 把 握 と カ ウ ンセ リ ン グの 必 要 性 につ い て 」 日本 更 年 期 医 学 会 雑 誌VOL.4 NO.21996 7) マ ー ガ レ ッ ト ・ロ ッ ク 「日本 とカ ナ ダ に お け る 閉 経 期 の症 状 と 閉 経 に 対 す る 考 え 方 に 関 す る 比 較研 究 」 産 婦 人 科 の 世界 Vol.39 No.647-53 1987 8) 赤 松 達 也 ・木 村 武 彦「 更 年 期 の 不 定 愁 訴 」Health Sciences vol.10 No.3 1994

9) Lock M.: "Culutural construction of mcnopausal syndrom; the Japanese case." Maturitas 10 317-332 1988

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33.不 妊 治 療 施 設 に お け る

看 護 者 の ジ レ ン マ ・ス ト レ ス の 分 析

聖路加 看護大学 ○森 明子 有森直子 三重県立看護大学 村本淳子 1緒 言 生殖 補 助技 術 の開 発 ・普 及 と共 に これ らに よる 不 妊治 療 を実 施す る医療 施設 は増 加 して お り、治 療 を受 ける患 者 ・家 族 へ の施 設内 にお け る看 護 ケ ア の現 状 を把握 す る必要 性 が 高 まって い る。 看護 者 自 らが不 妊 治療 に 関 わ る看護 者 の役 割 を明 確 に して い くこ とは患 者 ・家 族 に対 しての み な らず 、 社会 的 な 責務 であ ると考 え る。 そ の一環 と して、 不妊 治療 の第一 線 で患 者 ・家 族 に接 す る看 護者 が 看護 上感 じた り考 え た りして い る事 柄 につ い て明 らか にす る こ とで 、看 護 の現 状 の一 端 が 見え 、そ の役 割 の 明確化 や 看護 上 の さ ま ざまな 問題 解決 へ の一 助 とな る と考 え た。本 研 究 の 目的 は 、不妊 治 療 に関 わ って い る看 護 者 の意 識 の うち 、 ジ レンマ ・ス トレスに焦 点 を 当て 、看護者が表明 している ジ レン マ や ス トレス の 内 容 を 分析 す る こ とで あ る。 II方法 1.対 象 不 妊 治療 実施 施設 にお いて 不妊 患者 の 看護 に 関 わ って い る看 護 者 を対 象 と した。 2.デ ー タ収集 方 法 無記 名 の 自記 式質 問紙 を用 いた。 この 質問 紙 は 看 護 の役割 機 能お よび患 者 ・自身 ・看護 につ いて の認 識 、 看護 者 個人 の 属性 、 な ど計24項 目か ら な る。 今 回 は、 その うちの1項 目で あ る不妊 患者 の看護 に 関連 す る ジ レンマ ・ス トレスに つい て 、 自由記 述 して も らったデ ー タ を分析 対 象 と した。 不妊 患 者 の看護 上 、 体験 す るス トレス は様 々な ジ レンマ と関 連 し、 ジ レンマ とオ ー バー ラ ップ して 存在 す る こ とが予 測 され た た め 、 「問 い 」 に2語 を並 べ る こ とに よ りそ の 全体 像 が 見 えて くる と考 えた. 3.調 査 の手 順 生 殖 医 学 登録 参 加 実 施 施 設 一 覧(日 産 婦 誌48 巻12号 、1996年12月 、ppll95-6)お よび 出産 情 報 誌 に 掲 載 さ れ た 不 妊 治 療 施 設 の リ ス トを 参 照 し、 全 国 都 道 府 県 を 網 羅 す る よ うに 若 干 加 え 、 病 院 お よ び 診 療 所 を 合 わ せ 計264ヶ 所 に 依 頼 し た 。 配 布 部 数 は1898部 に 及 ん だ 。個 別 郵 送 回 収 した 。 4.デ ー タ 分 析 方 法 不 妊 患 者 の 看 護 に 関 連 す る ジ レ ン マ ・ス ト レス に つ い て 自 由 記 述 さ れ た 文 章 か ら 、 ま と ま りの あ る 意 味 内 容 を抽 出 、 コー ド化 し 、 分 類 、 カ テ ゴ リ 化 を は か る。 III結果 1.回 収 率 と対 象 の 背 景 150施 設(56ル8%)か ら963部(50.7%)の 有 効 回 答 を 得 た 。 回 答 の あ っ た 施 設 は 、 病 院(473%)、 大 学 病 院(32.0%)、 診 療 所(20.7%)の 順 で あ っ た 。 看 護 者 の 平 均 年 齢 は35.2(22-77,SD9.1)才 で あ っ た 。 資 格 は 助 産 婦 が も っ と も 多 く(56.8%)、 看 護 婦(30.9%)、 准 看 護 婦(11.7%)、 保 健 婦(0.1%)の 順 で あ っ た 。 病 棟 勤 務 者 が60.5%を 占 め 、 外 来 勤 務 者 が27.1%、 両 部 署 兼 務 の 者 が11.6%で あ っ た。 そ の 勤 務 場 所 で の 平 均 勤 務 年 数 は5.9年 で あ っ た 。 受 け た 看 護 基 礎 教 育 あ る い は 専 門 教 育 機 関 の カ リキ ュ ラ ム に 不 妊 に 関 す る 学 習 の 機 会 が あ っ た 者 は39.6%、 な か っ た 者 は38.4%で あ っ た 。 卒 後 に 院 内 研 修 を 受 け た 者 は17.4%、 院 外 研 修 は 11.9%で あ っ た 。 2.看 護 者 が もつ ジ レ ン マ ・ス ト レ ス 不 妊 患 者 の 看 護 に お け る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ス ト レス は24の サ ブ カ テ ゴ リを もつ5カ テ ゴ リに 分 類 さ れ た(表1)。 以 下 、 カ テ ゴ リ毎 に サ ブ カ テ ゴ リ とデ ー タ の 記 述 内 容 を 述 べ る 。 1)不 妊 治 療 の 提 供 シ ス テ ム か ら派 生 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ス トレ ス:7つ の サ ブ カ テ ゴ リが 含 ま れ た 。<不 妊 治 療 の 特 性 を 踏 ま え な い 診 療 設 備 に 関 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ス ト レス>に は 、「採 精 室 が な い こ と が 問 題 」「lVF専 用 の 処 置 室 が な く 安 ら い だ 雰 囲 気 が な い 」 「設 備 面 で 不 充 分 で 患

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表1 不 妊 患 者 に 関 わ る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 《 不 妊 治 療 の 提 供 シ ス テ ム か ら 派 生 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 》 不 妊 治 療 の 特 性 を 踏 ま え な い 診 療 設 備 に 関 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 妊 産 婦 と 不 妊 患 者 を 同 エ リ ア で 看 護 す る こ と へ の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 不 妊 患 者 の プ ラ イ バ シ ー 保 護 に 関 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 診 療 体 制 ・ 治 療 方 針 に 関 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 不 妊 患 者 の 看 護 の た め に 他 業 務 に 影 響 が 及 ぶ こ と に 対 す る ス ト レ ス 関 わ り が も て な い(理 由:短 時 間 接 触 、 場 所 が な い)ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 関 わ り が も て な い(理 由:多 忙 や マ ン パ ワ ー 不 足)ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 《 チ ー ム 関 係 や メ ン バ ー 役 割 か ら 派 生 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 》 職 種 間 の 関 係 ・ 連 携 に 関 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 不 妊 治 療 ・ 医 師 と 患 者 の 間 を つ な ぐ 役 割 に 派 生 し て 生 じ る ス ト レ ス 関 わ り に く い(理 由:医 師 と の 関 係)ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 《 不 妊 看 護 に 関 す る ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 》 不 妊 患 者 の 看 護 の 重 要 度 に 関 す る 看 護 者 の ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 継 続 性 の あ る 看 護 の 提 供 が 困 難 で あ る こ と に 対 す る ス ト レ ス 関 わ り に く い(理 由:関 わ り か た ・ 関 わ る 範 囲 が 分 か ら な い)ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 長 期 に 渡 り 妊 娠 し な い 患 者 、 妊 娠 す る こ と が 不 確 か な 患 者 、 妊 娠 に 失 敗 し た 患 者 、 患 者 の 治 療 継 続(中 断 ・ 中 止)の 意 思 決 定 、 に 対 す る 看 護 の 難 し さ に 伴 う ス ト レ ス 不 妊 患 者 の 内 面 ・ 心 理 面 ・ 精 神 面 の 看 護 の 難 し さ に 伴 う ス ト レ ス 不 妊 患 者 の ケ ア の 不 確 立 感 に 関連 し た ス ト レ ス 《 看 護 者 個 人 に お け る ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 》 看 護 者 の 結 婚 ・ 妊 娠 な ど の 経 験 に 関 連 し て 生 じ る ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 患 者 と 看 護 者 自 身 の 価 値 観 の 違 い に 関 連 し た ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 看 護 者 の 学 習 ・ 力 量 の 不 足 感 に 関 連 し た ス ト レ ス 患 者 の 悩 み ・ 苦 痛 ・ 負 担 を 見 て い る こ と に 関 連 し た 看 護 者 の ス ト レ ス 不 妊 患 者 に 対 す る ネ ガ テ ィ ヴ な 認 知 か ら 派 生 す る ス ト レ ス 《 患 者 ・ 家 族 と の 対 人 関 係 に お け る ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 》 関 わ り に く い(理 由:患 者 の 特 質)ジ レ ン マ ・ ス ト レ ス 夫 と 関 わ り を も つ こ と ・ 家 族 関 係 へ の 対 応 の 難 し さ に 伴 う ス ト レ ス 不 妊 患 者 に 対 す る ネ ガ テ ィ ヴ な 認 知 へ の 対 応 か ら 派 生 す る ス ト レ ス 者 が辛 い思 い を して い る」 な ど従 来 の診 療科 設備 の仕様 で不 妊 治療 を提 供 して い る こ とに関連 した 内容 が あ った。<妊 産 婦 と不妊 患 者 を 同エ リア で 看護 す るこ とへ の ジ レンマ ・ス トレス>に は 、「同 じ場 を共 有 す る うえ で の 配 慮 が難 しい 」 「不 妊 患 者 に 精神 的 苦 悩 を 与 え て い るの で はな い か 」 「不 妊 と産 科 の どち らもケ ア しに くい 」 な ど不妊 患 者 を妊 産婦 のい る外 来 や病 棟 に収 容 してい る こ とに 関連 した内 容 が あ った。<不 妊 患 者 のプ ライバ シ ー保 護 に 関す る看 護 者 の ジ レンマ ・ス トレス>に は、 「他 の 患 者 と診 察 室 が 同 じ」 「受精 台 が カ ー テ ン1枚 で仕 切 られ て い る だ け」 「パ ー トナ ー の プ ライ バ シー の対 応 を も考 慮 した 個 別の 場所 がな い」 な どプ ライバ シー を守れ ない こ とに関連 した 内容 が あ った。<診 療 体 制 ・治療 方針 に関す る看 護 者 の ジ レンマ ・ス トレス>に は、 「妊 娠 後 の フ ォ ロー を しな い 医 師 が い る」 「治療 や 検 査 の 適応 に 疑 問 を感 じ る」 「医 師 間 の統 一 性 を 欠 く」 「時 間外受 診 が 多 く振 り回 され る 」な ど診 療 の体 制 や 方 針 に関 す る内容 が あ った。<不 妊 患者 の看 護 の た め に他業 務 に影 響 が及 ぶ こ とに 対す る看護 者 の ジ レン マ ・ス トレス>に は 、 「不妊 患 者 の電 話 に 応 対す るの に他 の 患者 へ の 看護 を中断 しな けれ ば な らな い」「IVFの 介 助 が 加 わ る と他 の入 院 患 者 を受 け持 って い る上 に仕 事 量が 増 え る」 な ど他 の 業務 へ の影 響 に関 す る内 容 が あっ た。<関 わ りが もて な い(理 由:短 時 間接 触 、 場所 が な い)ジ レ ンマ ・ス トレス>に は 、 「入 院期 間 が短 く人 間 関 係 が成 り立 た な い 」 「患 者 とゆ っ く り話 す 時 間 が もて な い」 「話 す 場 所 が な い 」 な どの 内 容 が あ っ た。<関 わ りが もて ない(理 由:多 忙 や マ ンパ ワ ー不 足)ジ レン マ ・ス トレス>に は、 「仕 事 の 多 さに追 われ 、患 者 の話 をゆ っ く り聞い た り話 す こ とがで きな い 」 「多 数 の 患 者 に対 し看 護 婦 が 少 な く十 分 な対応 が で きな い」 な どの 内容 が あ った。 2)チ ー ム 関係 や メ ンバー 役割 か ら派 生す る看護 者 の ジ レンマ ・ス トレス:3つ のサ ブ カ テ ゴ リが 含 まれ た。<職 種 間の 関係 ・連 携 に関 す る看 護者 の ジ レン マ ・ス トレス>に は 、 「医 師 一 看護 者 の 連 携 が 少 な い 」 「外 来 一病 棟 の連 絡 が うま くい か

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ず 患 者 に迷 惑 が か か る」「医 師 間の コ ミュニ ケー シ ョン が 不 足 して い る」 「医 師 を含 めた カ ン フ ァ レン スが な く患者 の背 景 や治 療 方針 が把握 しに く い 」 な どが あっ た。<不 妊 治 療 ・医師 と患者 の 間 をつ な ぐ役 割 に 派生 して 生 じるス トレス>に は、 「医師 の 患者 へ の説 明 が難 しす ぎて患者 は看護 婦 に聞 い て くる」 「患 者 か らの 治療 に関 す る 質 問や 問 い合 わせ に対 し的確 に答 えな けれ ば な らな い責 任 を感 じる 」 「患 者 の 意 見 や要 望 が 医 師 に伝 わ っ て い ない様 子で 患 者 は不満 が残 って い る」 な どが あっ た。<関 わ りに くい(理 由:医 師 との 関係) ジ レ ンマ ・ス トレス>に は 、 「医 師 が す べ て を取 り仕 切 り看護 婦 が介 入 す る隙 間 が な い」 「患 者 と 医師 との間 だ けで進 み 、 あ ま り看 護 者 が入 り込 め ない 」 「患者 と医 師 との信 頼 関 係 が 厚 く患 者 は看 護 者 の 介入 を望 ん で いな い よ うに思 え る」 な どが あ った。 3)不 妊 看護 に関す る ジ レンマ ・ス トレス:6つ のサ ブ カテ ゴ リが含 ま れ た。<不 妊 患者 の看 護 の 重 要 度 に関 す る看 護 者 の ジ レンマ ・ス トレス>に は 、 「重 症 患 者 が い る と不妊 患 者 に 手 を か け る比 重 が 軽 くな っ て しま う」 「手 術 患 者 や 末期 患 者 に 比べ 重症 感 が少 な いた め に関 わ りが薄 くな る」 な ど看護 の重 要性 は認 識 しなが ら も現 実に は優 先 度 が低 くな って い るこ とに 関連 した内容 で あ った 。 < 継続 性 の あ る看護 の 提供 が 困難 で あ る ことに 対 す る ス トレス>に は、 「他 院 か らの 紹 介者 に対 し 継 続 性 が もて な い」 「多数 の患 者 との 短 い関 わ り の 中で継 続看 護 を 実施 す るの は難 しい」 な どであ った。<関 わ りに くい(理 由:関 わ りか た ・関 わ る範 囲 が分 か らな い)ジ レンマ ・ス トレス>に は 、 「不妊 患 者 に対 し どの よ うに 関 わ ってい け ば よい か迷 う」 「看 護 者 と して どこ まで 介 入 して い った らよい か 」 「どの 程 度 ま で 関わ りを もっ て い った らよい か わ か らない 」 「な かな か 深 く関 わ って い くこ とが で きな い 」 「中途 半端 に関 わ る とい けな い と思 う」 な どが あ った。<長 期 に渡 り妊娠 しな い患者 、妊 娠 す る ことが不 確 か な患 者 、妊娠 に失 敗 した患 者 、患 者 の治 療継 続(中 断 ・中止)の 意 思 決 定、 に 対す る看 護 の難 しさに伴 うス トレス> には 、 「治 療 成 果 が な く長 期 に渡 り通 院 して い る 患 者 に対 す る看 護 の 難 し さ」「治 療 が いつ ま で続 くか わ か らず 、 どの よ うに励 ま しや 言 葉 をか けた らよい の か わ か らな い 」 「生 理 が あ っ た後 の 対 応 の しか た が わ か らな い 」 「少 しの 可 能 性 に も賭 け た い 思 いや あ き らめ た い とい う思 い を もつ患 者 に どの よ うな 対応 が よい の か考 え させ られ る」 な ど 不 妊 患者 の 悩み に 対 す る具 体 的 な看 護 に 関す る内 容 が あ った。<不 妊 患者 の 内 面 ・心 理 面 ・精 神 面 の看護 の 難 し さに 伴 うス トレス>に は 、 「患 者 が 求 め るケ ア は個 々 に違 うよ うな気 が して難 しい 」 「不妊 患者 の看 護 は心 理 面 につ い て の看 護 が 重要 で あ る点 が ス トレス」 「表 面 だ け の 看護 しか で き ず 患 者 の 内 に 秘 め た 問題 に 対 す る看 護 が で き な い 」 「精 神 的 援 助 が 十 分 で き て い な い 」 な どが あ った。<不 妊 患 者 のケ ア の不 確 立感 に 関連 した ス トレス>に は 、 「不妊 患 者 の ケ ア が は っ き りつか め ず何 を なす べ きか 日々 悩 ん で い る」 「ケ ア が確 立 され て いな い の で戸 惑 う」とい うもの が あ った。 4)看 護 者 個 人 にお け るジ レンマ ・ス トレス:5 つ のサ ブ カテ ゴ リが含 まれ た 。<看 護 者 の結 婚 ・ 妊娠 な どの経 験 に 関連 して生 じる ジ レンマ ・ス ト レス>に は 、「自身 は 未婚 で不 妊 か ど うか もわか らず ほん と うに わ か って あ げ られ な いの で は と思 う」 「自身 が 妊 婦 の とき 対応 す る の が 患者 の気 持 ちを 考 え る と申 し訳 な い 気 が す る」 「自身 が不 妊 で悩 んだ こ とが な く充 分 に思 いを 汲 んで あ げ られ て い るか 不安 」 な どがあ っ た。<患 者 と看 護者 自 身 の価 値観 の違 い に関 連 した ジ レンマ ・ス トレス > に は 、 「子 を熱 望 す る気 持 ち は わ か るが 治 療 内 容 が エス カ レー トして しま って よい の だ ろ うか 」 「子 を もつ こ と以 外 に生 き方 が あ る と考 え るの で そ の こ とに 必 死 に な る の は ど うか と思 う」 「個 人 的 な価 値観 が違 い看 護 に限 界 を感 じる」 な どが あ った。<看 護 者 の 学習 ・力 量 の不 足 感 に 関連 した ス トレス>に は 、 「不 妊 治 療 につ い て の知 識 が 浅 く患者 に聞 かれ て も答 え られ な い ・相 談 に のれ な い」「患者 に わ か りや す い言 葉 で 説 明 で き ない 」 な どが あ った。<患 者 の悩 み ・苦痛 ・負 担 を 見て い る こと に関連 した 看護 者 の ス トレス>に は 、「通

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院 と仕 事 の 狭 間 で 苦 しむ 人 を見 て い る」 「世 間 は なぜ 不妊 の 人 を傷 つ け る言 動 をす るの か と思 う」 「治療 費が 高 い こ と」 な どが あ っ た。<不 妊患者 に対 す るネ ガテ ィ ヴな認 知 か ら派 生す るス トレス > に は 、 「神 経 質 な 人 が 多 い 」 「多 くが 自分勝 手 でわ が まま な 人 で あ る 」 「必 要 以 上 に知 識 が 豊 富 で悪 い ほ うに 考 えた り他 の 患者 に悪 い影 響 を与 え る こ とがあ る」 な どが あっ た。 5)患 者 ・家 族 との対 人 関係 にお け るス トレス ・ ジ レンマ:3つ の サ ブカ テ ゴ リが あ った。<関 わ りに くい(理 由:患 者 の特 質)ジ レンマ ・ス トレ ス>に は 、 「患 者 仲 間 の 団結 が強 くて 入 り込 めず なん とな く怖 い 」 「少 し変 わ って い る の で 関わ り に くい 」 「接 しづ らい人 が多 い 、神 経 質 に な って い る患 者 に ど う関 わ っ て いけ ば よい のか わ か らな い」 な どがあ った 。<夫 と関 わ りを もつ こと ・家 族 関係 へ の対応 の 難 し さに伴 うス トレス>に は 、 「夫 婦 ・家族 間 の こ とを どこま で 開い て よい の か、 聞 く こ とで これ らの 関係 が うま くいか な くな らな い かが 心 配 で 充分 相 談 にの れ な い 」 「夫 が 治療 に 消極 的な とき、 どの よ うに指 導 してい け ば よいの か」 「患 者 は子 が い な くて も よ い と考 え て い るの に周囲 の 人 が望 ん でい る とき」 な どが あ った。< 不妊 患 者 に対 す るネ ガ テ ィ ヴな認 知 への 対応 か ら 派 生 す るス トレス>に は 、 「IVF患 者 は回 数 を重 ね るに 従い だ んだ んわ が まま に な る人が 多 く、 対 応 して い る と不 快 な 思 い をす る こ とが 多 い」 「丁 寧 に接 した い と思 いつつ も話 を よ く聞か ず 、忙 し い時 間 に同 じ質問 を電 話 して きた り治 療 よ り仕事 を優先 させ る患 者 に冷 た い対 応 を して しま う」な どが あ った。 IV考 察 1.不 妊 治療施 設 の 現状 と看護 者 の ジ レンマ ・ ス トレス につ い て 不 妊 治療 施設 の現 状 は、 治療 と しては 必要 な こ とを提 供で きて も、看 護 の観 点 で は 、不 充分 ・不 適切 な もの で あ る こ とが わ か る。 そ の環境 は、 医 師の ニー ズ は満 た され て も、看護 者 の ニ ーズ は満 た され に くい環境 であ る。 看 護者 は医 師 か ら診療 を補助 す る役 割 を期 待 されつつ 、患者 ・家 族 の尊 厳 を 守 り、 苦 悩 を 除 き 、 リ ラ ッ ク ス を導 く と い っ た 役 割 に 価 値 を お い て い る。 限 られ た 時 間 ・空 間 ・マ ン パ ワー の 中 で この 二 つ の 役 割 を 果 た さ な け れ ば な ら な い 。 こ の よ う な 状 況 は 、 「役 割 の あ い ま い さ(Role Ambiguity)」 、「多 大 な 仕 事 量(Heavy Workload)」 を 生 み 、 看 護 者 の ジ レ ン マ や ス トレ ス に つ な が る1)。 日本 で は 、 妊 産 婦 や 病 気 療 養 者 とは 異 な る ニ ー ドを もつ 不 妊 患 者 が 皆 、 同 エ リア に い る こ と が 多 く 、 配 慮 が ゆ き と どか な い こ と に 看 護 者 は 苦 しん で い る 。 こ れ も役 割 を 分 散 させ 、 あ い ま い な もの に しや す く し て し ま う と 考 え る 。 2.不 妊 患 者 に 対 す る 看 護 の 特 性 と看 護 者 の ジ レン マ ・ス トレ ス に つ い て 常 に 「結 果 を 予 測 で き な い 、 妊 娠 す る こ と が 不 確 か な 患 者(Uncertainty of Patient Outcome)」 と 接 し、 妊 娠 に 失 敗 し 、 嘆 き悲 しむ 「患 者 の 悲 嘆 に さ ら さ れ る(Constant Exposure to Grief)」 こ と は 、 看 護 者 の ス ト レス に つ な が る2)。 こ う し た 不 妊 の 特 性 が 看 護 者 に 影 響 を 与 え る。 こ の よ う な 患 者 を 見 て い る こ と、 対 応 す る こ と 、 そ れ 自 体 が 看 護 者 に と っ て ス ト レス フ ル な こ と に な る。 日本 で は 、 不 妊 患 者 に 対 す る 看 護 は ま だ 充 分 な 確 立 を み て い な い の が 現 状 で あ る 。 ケ ア の 不 確 立 感 、 関 わ り か た が わ か らな い 、 学 習 ・力 量 の 不 足 感 、自 分 自身 の 価 値 観 と の 違 い か ら く る ジ レ ン マ 、 患 者 へ の ネ ガ テ ィ ブ な 認 知 な ど、 こ の よ うな ス ト レス は 、 不 妊 に つ い て 体 系 化 され た 看 護 が 確 立 し て い な い こ と と 関 係 す る の で は な い か と 考 え る 。 体 系 化 され て い な い こ と は 教 育 しづ ら く 、 学 び に く い 。 そ して 、 患 者 の 特 性 や 傾 向 を 適 切 に 理 解 し た り、 専 門 職 の 役 割 と して 対 応 す る の を 困 難 に す る 。 不 妊 患 者 に 対 す る よ り よ い 看 護 提 供 の た め に は 、 看 護 者 が 支 え られ 、 看 護 の 確 立 を は か る こ と が 必 要 で あ る と 考 え る。

引 用 文 献1) Rauscb, D.T., Providin Care For The Caregivcr , Inferrtillty And Reproductive Medicine Clinics Of North America , 7 (3), July 1996 , p627,p628 2) 1) pp629-630 参 考文献 森明 子他 、看護 婦 ・助産 婦等 の不妊 治療 を受 け る患 者 ・ 家族 への 関わ りに関す る調 査-看 護 の役割 機 能に焦 点 をあてて- 、 「不 妊 治療の 在 り方に 関す る研 究」、平成9年 度厚 生省 心身障 害研 究 ―199―

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34.看 護 職 の 子 育 て と仕 事 ス トレ ス

北海道大学 医療技術短期大学部 専攻科助産学特別 専攻 ○大西 由希 子 Iは じめ に わ が 国の 女性 の就 労割 合 は増加 し,共 働 き世 帯 も増加 してい るが,ラ イ フサ イ クルの 変 化 と して 子 ど もを もつ 有 業女 性 で は家 事 関連 時 間が 増 え, 拘 束 時 間 が増加 す る こ とが示 され て い る 。 小 野 寺 は,働 く母親 の仕 事 ス トレス は働 く男 性 に比 較 して 高 い こ と を報告 して い る。 さ らに,看 護職 は女 性 労 働 の 中で も厳 しい 労働 条 件 下 に あ り,心 身共 に ス トレス を 抱 えや す い 。 ま た,交 代 制 勤務 や 慢 性 的 な看 護 婦不 足 に よ り,子 育て をす る 女性 の事 情 を 考慮 した職 場 環境 を整 え る こ とは ま だ 難 しい課題 で あ る こ とか ら,看 護職 で働 く母親 は,仕 事 ス トレスが 高 く,仕 事 と家 庭 の両 立に は 困難 を抱 えて い る こ とが考 え られ る。今 回,女 性 看護 職 を対 象 に子 育 て と仕 事 ス トレス につ いて の 調 査 を行 った 結果 を報 告 す る。 II研 究 方 法 1.調 査 対 象;札 幌 市 内 の総 合 病 院 を含 む 法 人 格 病 院9ヶ 所 に 勤務 す る管理 職 以外 の 看護 職 女 性 100名(有 子 既 婚 者)。 所 属 科 に偏 りのな い よ う 配 慮 し,未 婚 者100名 か ら も参 考 意 見 を求 めた 。 2.調 査 方法:① 調 査 機 関 は1996年7月 ∼9月 で あ る。 ② 調 査 表 は小 野 寺 のス トレス 尺 度 に -部 修 正 を 加 え24項 目 を 使 用 し た 。 ま た,牧 野, 今 井 の 尺度 を参 考 に 有 子既 婚者 に対 育 児 ・対 夫 感 情 を問 う17項 目を設 定 し,今 回独 自に作成 し た。 ③形 式 は 自己 記入 ・無記 名 式 と した。 3.調 査 内 容;(1)調 査 対 象 の 背 景 に 関 す る基 礎 的項 目,(2)仕 事 ス トレス の 測 定項 目,(3)対 育 児 ・ 対 夫感 情 の 測 定 項 目,(4)子 育 て と仕 事 の両 立 の 心 情,意 見,(5)職 業継 続 へ の意 識 を問 う項 目 4.分 析 方 法:Whldows版SASを 用 い た。 III調 査 結 果 と分 析 1.調 査 対 象 の 背 景 調 査 対象 の背 景 に つ い て は表1に 示 す 。 対 象者 の平 均年 齢 は39.4歳 で あっ た。 勤 務 形 態 は 三 交 替 勤 務 者 が46%で あ り,未 婚 者 に 比較 し,常 日 勤 者 が 多 か った 。 子 ども の数 は1∼2人 が 多 く, 6歳 未満 の子 ど もを持 つ 母 親 が77%で あ っ た。 2.仕 事 ス トレス 仕 事 ス トレス尺 度 は 「非 常 に感 じる:5」 か ら 「感 じな い:1」 ま で を5段 階評 定 で回 答 を求 め た。 因 子 分析(バ リマ ックス 回 転)の 結 果,小 野 寺 の尺 度 と同様 の4因 子 を抽 出 した。4因 子 は そ れ ぞれ 「仕 事 多忙 」因 子,「 身 体 ス トレス 」因 子, 「職 場 の 人 間 ス トレス 」 因子,「 消 耗 感 」 因子 で あ る。 各 因子 間に は 有意 な相 関 を認 め た(r=0.36 以上,p<.001)。 因 子 平 均値 は 高 ス トレス順 に ① 仕 事 多 忙:3.24(SDO.80),② 身 体 ス トレ ス: 2.81(SDO.83),③ 消耗 感:2.45(SDO.90),④ 職 場 の人 間 関 係 ス トレス:1.82(SDO.71)で あ っ た。 ス トレス を 「感 じる」 ま た は 「非 常 に感 じる」 と評 定 した 割 合 を図1に 示 す 。 全 体 的 に ス トレス を 感 じる評 定割 合 は 「仕 事 多忙 」因 子 に 高 か った 。 職 場 の人 間 関係 が不 良 な者 で は,ス トレス度 が有 意 に高 く(p<.05),特 に 「消耗 感 」 に お い て 高 か った(p<.01)。 3.対 育児 ・対 夫感 情 と仕 事 ス トレス の関 係 対 育 児 感 情 お よ び 対 夫 感 情 測 定 項 目につ い て 「そ うだ 」 また は 「とて もそ うだ 」 と肯定 評 定 を した 割 合 を 図2に 示す 。 ほ とん どが 「子 ども はか わ い い 」,「母 親 に な っ て 成 長 で きた 」 と感 じ, 63%が 「育 児 は 楽 しい 」 と答 え て い た 。 対 夫 感 情 は全 体 的 に 肯定 的評 定 が 高か った。

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表1.対 象者 の背景

図1.仕 事ストレス項 目と評 定割合

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対 育児 感 情12項 目を ポ ジテ ィ ブで あ る ほ ど5 点 に 近 づ く よ う に 算 出 し た 平 均 得 点 は2.75 (SDO.47),対 夫 感 情5項 目 の 平 均 値 は2.87 (SD1.01)で あ っ た 。 仕 事 ス トレス と対 育 児 感 情 は 「消耗 感 」因 子 にお い て負 の相 関 がみ られ(r= -0.38 ,p<001),「 消耗 感 」 因 子 項 目の ス トレス 度評 定 の高 ・低2群 間 で感 情 評 定平 均 値 の 差 の検 定 を行 った と ころ有 意差 が あ り,消 耗 感評 定の 高 い 群 で は 対 育 児 感 情 が ネ ガ テ ィ ブ で あ っ た(p <.05).対 育 児感 情 の項 目別 にみ る と,「育 児 が 負 担 に 思 え る」 と評 定 す る者 で は,そ う感 じな い者 に 比 較 して 「仕 事 多 忙 」 「身 体 ス トレス 」 「消 耗 感 」 因 子 の ス トレス 度 が 高 か っ た(p<.05)。 同 様 に,「 子 ど もが い な か った らも っ と 自 由だ 」 と 回 答 す る者 で は 「職 場 の 人 間関 係 」 と 「消耗 感 」 因子 の ス トレス 度 が高 か っ た(p<.05以 上)。(図 3参 照)。 「育 児 が 楽 しく な い(5%)」 と回 答 す る 者 で は 対 夫感 情 がネ ガ テ ィ ブ であ っ た(pく.05)。 4.子 育 て と就 労 生活 (1)交替 制 勤 務:三 交 替 勤 務 者 が他 の 勤 務 形 態 者 に 比 較 して 最 もス トレス 度 が 高 く(p<.05),続 いて 二 交替,常 日勤,非 常勤 の順 で あ った。 (2)子育 て と就 労生 活:就 労 の理 由の74%が 「生 活 の た め」 で あ った。 複 数 回答 で約40%が 「生 き が い 」 「社会 参 加 」 の た め と回 答 して い た 。 ま た,75.5%が 「仕 事 を して い る時 の 自分 の 方 が生 き生 き して い る」 と回 答 して いた。 就 業 中 は保 育 園 や個 人 に託 児 してお り,1ヶ 月 の保 育料 は7,000円 か ら65,000円 とば らつ き が あ り,平 均34,710円(SD1.14)で あ った。 育児 協 力 者 は託 児機 関 以外 に は 「夫 の み」 と回 答 した 者 は59.2%で あ った 。 夫 以 外 の 協 力 者 と して は 「実母 」が20%,「 義 母(姑)」 が11%で あ った。 仕事 と家 庭 の 両 立に 関 して 「子 ど もや 夫 が 自分 の 仕 事 を理 解 して くれ る」 「子 ど もの た め に頑 張 る力 が湧 い て くる」 とい う記 述 が 多 く見 られ た。 一 方,「 子 どもが 病 気 で も休 め ない 」が20%あ り, そ の場 合,「 託 児 場 所 が な く困 っ て い る 」 実情 が あ った。 他,つ らか った こ と と して,「 子 ど もに 寂 しい と泣 か れ た 」 「夫 に帰 りが遅 い と責 め られ た 」 こ とや,「 同僚 の 理解 が得 られ な い 」 「上 司 か ら辞 め う と言 われ た 」 「周 囲 か ら母 親 の 資 格 な し と言 われ た」 こ とが あ げ られ た 。 5.子 育 て と就 労 継続 意 識 「これ か ら も仕 事 を続 け た い」 は77.3%,「 迷 っ て い る」 は17.5%,「 や め た い」 が3.1%で あ っ た 。 参 考 意見 と して聴 取 した 未 婚者 の意 見 を見 る と 「結婚 ・出産 に 関 係 な く仕 事 を 続 け た い 」 が 39.4%,「 子 育 て を 終 え た ら 同職 で 再 び 働 き た い 」 が65%で あ った 。 「自分 も子 育 て 中の 同僚 と 同様 に働 き た い 」 は33.7%で あ っ た 。 子 育 て 中 の 同 僚 に 対 し 「家 庭 と仕 事 の 両 立 は 大 変 そ う」 31%,「 尊 敬 す る」23%と い う意 見 が 多 か った が, 他 方,「 子 ど もの病 気 で気 軽 に休 ま れ て は 困 る」 「は っ き り言 っ て 迷 惑 」 「辞 め る か パ ー トに し て 」 とい った シ ビアな 意 見 も少数 あ った 。 IV考 察 1.子 育 てす る看 護職 の仕 事 ス トレス 仕 事 ス トレス は仕 事 の 多忙 さに よ る もの が 大 き か っ た。1日 の仕 事 量 が 多 く,時 間 に追 わ れ,責 任 が 重 く,緊 張感 とと もに 首や 肩 の 凝 りな どの身 体 症状 が あ り,休 暇 が 取 れ ず,慢 性 的 な疲 労 を感 じて い る者 が 多 い ことが 明 らか とな った。 さ らに 職 場 の人 間関 係 が不 良 な 者 で は,ス トレス 度 が 高 く,職 場 の 人 間 関係 とバ ー ンア ウ トに 密 接 な 関係 が あ る といわ れ る こ とか ら,管 理 者 は精神 衛 生 を考 慮 した職 場 の 人間 関 係 の 調整 をす る こ とが重 要 で あ る。 また,三 交 替 勤 務 者 の ス トレスが 他 の 勤 務 形態 者 に比 較 して 高 か っ た 。最 近,交 替 勤務 制 度 の 見 直 しが検 討 され て き て お り,そ の 必 要 性 を改 め て感 じる。 2.仕 事 ス トレス の 対 育児感 情 へ の影 響 今 回 の調 査 か ら,看 護 職 で 働 く母親 た ち は仕 事 をす る 自分 を生 き生 き と感 じて い る割 合 が高 い こ と,子 育 て に対 しポジ テ ィ ブ な感 情 を 持 っ てい る 者 が多 い こ とが わ か った。 ま た,夫 が 妻 の職 業 を 理 解 し支 え る役割 を と って い る家 庭 が 多 い こ とも 推 察 され る。しか し,仕 事 ス トレス の 高 い者 で は, 対育 児 感 情 が ネ ガテ ィブ で あ り,特 に,仕 事 で の 消耗 感 を強 く感 じてい る者 で は,そ の 傾 向 が 高 い

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こ とが 明 らか とな っ た。 これ に は,仕 事 多忙 に よ る疲 労 に重 ね て,上 司や 同 僚 に よ い感 情 を持 たれ て い な い な ど職 場 の 人間 関係 が影 響 要 因 と して考 え られ る。 また,育 児 へ の 協力 者 がお らず,仕 事 後の 家 事や 育児 に疲れ てい る母親,夫 の 理解 や協 力 が得 られ ず仕 事 も育児 も楽 しめ ない 母 親 が 少数 な が らい る こ とがわ か っ た。働 く母 親 の 「消耗感 」 とタ イ プA行 動 パ ター ン の 相 関 を認 め た 報 告 か ら,看 護 職 で働 く母親 で仕 事 ス トレスが 高 く, 家事 や 育 児 の協 力者 が少 な い者 で は,心 身 の 疾 患 に陥 りや す い 状 況 に あ る こ とが考 え られ る。 3.子 育 て と仕 事 の 両立 に必 要 な要 素 (1)協 力者 として の 夫:大 日向は,妊 娠 や子 供 の 存在 を受 け 入れ るに あ た っ ては,女 性 が 心理 的に 安 定 して い る こ と,と りわ け夫 婦 関係 の 安 定 が大 き く寄与 す る こ とを示 唆 して い る。 育児 が 楽 しい とい う感 情 は,夫 との 関係 に影 響 を受 けて い た結 果 か ら,夫 の 理解 や 励 ま し と 日常 的 な育 児 協 力 が重 要 で あ る。 子 ど もが小 さい うちは病 気 をす るこ とが 多 く,そ の場 合,母 親 の ほ うに負 担 が 大 きい の が 実状 であ る。 夫 の職 場 に理 解 を求 め る声 は多 か っ た。 男 性 の 多 く働 く職場 にお い て も子 育 てへ の理 解 と管 理 者 の配 慮 が 求 め られ る。 (2)職場 の理 解:子 ど もを 理 由 に早 退 や 欠 勤 す る ことは,チ ー ム メ ンバ ー に相 当な負 担 を強 い る こ とにな る。 しか し,生 活 のた め働 いて い る こと, 女性 の 多 い職 場 は 「明 日はわ が身 」 で あ る こ とを 受 け入 れ,「 お 互 い 様 」 と言 える 余 裕 を も った職 場環 境 作 りは必 要 で は な か ろ うか。 また,様 々な 立場 や背 景 を持 つ 者 が,互 い を批 判 す るに留 ま ら ず,そ れ ぞれ の生活 感 や 知 恵 を共 有 し,臨 床 場 面 での 生 活援 助 技 術 に有効 活 用 して ゆ く こ とがで き れ ば,職 場 の活 性 に つ な が るで あ ろ うと考 え る。 (3)子育 て 支 援 サ ー ビス:子 育 て す る看 護 職 の 半 数 以 上 は,夫 の ほ か に は育 児 協力 のな い 状 況で 働 いて い る。 保 育 所 に 預 け てい て も,病 児保 育 の整 って い な い現 状 で は,子 ど もの病 気 で 欠 勤せ ざ る を えな い状 況 で あ る。 しか し,先 進 諸 外 国 の 出生 率 が低 下す る一 方 で,ス ウ ェー デ ンや ドイ ツ,ス イ ス で 出生 率 は上 昇 して い る。 これ は働 く女 性 の た め の 制 度 が 改 善 され た た め で あ る 。 今 回 の 調 査 か ら,望 ま れ る サ ー ビ ス と して 保 育 時 間 の 延 長 や,病 児 保 育,休 日保 育 な ど,保 育 施 設 の 充 実 と,早 急 な 保 育 関 連 法 律 の 整 備 と 改 善 が 求 め られ て い る と考 え る。 Vま と め 子 育 て を しな が ら働 く看 護 職 の 仕 事 ス トレ ス は 高 く,特 に 三 交 替 勤 務 者 の ス ト レス は 高 か っ た 。 仕 事 の 多 忙 さ,慢 性 疲 労,職 場 の 人 間 関 係 不 良 か ら消 耗 感 を 感 じて い る者 が3∼4割 あ り,対 育 児 感 情 もネ ガ テ ィ ブ で あ っ た こ とか ら,高 い 仕 事 ス ト レス は 子 育 て に 悪 影 響 を 及 ぼ す こ と が 考 え られ る 。 ま た,夫 と の 関 係 が 不 良 な 者 で は 仕 事 ス ト レ ス も 高 く,育 児 を 楽 しめ て い な い 状 況 が 推 察 さ れ た 。 しか しな が ら,多 く は 仕 事 を す る 自 分 を 生 き 生 き と感 じて お り,子 育 て へ の ポ ジ テ ィ ブ な 感 情 と職 業 継 続 の 意 志 を 示 し て い た。 子 育 て し な が ら 働 く看 護 職 に 対 し,職 場 に よ り上 司 や 同 僚 の 理 解 は 異 な っ て お り,子 育 て す る 女 性 が 歓 迎 さ れ な い 職 場 も あ っ た 。 現 状 で は 子 育 て と仕 事 の 両 立 に 困 難 を 抱 え て い る こ とが 推 察 され,職 場 の 理 解 と と も に 保 育 サ ー ビ ス の 充 実 が 求 め られ る 。 文 献 1) 労働省: 平成10年 版労働 白書. 299, 1998. 2) 小 野寺敦子: タイブA行 動パ ター ンと仕事 ス トレスー働 く母親に焦点をあてて, タイプA, 5(1), 87, 1994. 3) カレンE. クラウス, ジュー ンT. ベイ リー/伊 藤幸子 他訳: ナー スとス トレス. 20・30, 医学書院, 1985. 4) 宮崎和子: 看護職のバ ーンア ウ ト症候群は職業病か, 看護 管理7(11), 859-865, 1997. 5) 前掲書2), 85. 6) 牧 野カツコ; 乳幼児 を持つ母親の生活 と育児 不安, 家 庭 教育研究所紀要3, 34-56, 1982. 7) 今 井道子: 乳幼児 を持つ母親 の子育 てに関す る研 究I, 武庫川女子大学紀要41, 41-46, 1993. 8) 稲 岡文昭: Burnoutに 導 く職場の心理的 ・対人的要因の 根源-事 例 ・面接 ・観察法を通 して-, 看護研 究, 21(2), 57-58, 1988. 9) 原ハ ツエ: 勤務 体制 と体験 的看護管理-12時 間夜勤型二 交替勤務体制 を中心に, 看護管理, 7(4), 244-256, 1997. 10) 前掲書2), 88. 11) 大 日向雅美: 子 どもの誕生は結婚生活に とって福音かス ト レスか, 家族心理学年報9, 30, 1991. 12) 経済企画庁国民生活局: 女性の 目で見る結婚 ・家庭 ・仕事. 4, 大蔵省印刷局, 1995.

参照

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