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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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氏 名 岡村 篤

授与した学位 博 士

専攻分野の名称 工 学

学位授与番号 博甲第 6642 号

学位授与の日付 2022年 3月 25日

学位授与の要件 環境生命科学研究科 環境科学専攻

(学位規則第4条第1項該当)

学位論文の題目 中山間地域における生活交通の改善が住民の住み続けに与える影響に関する研究

論文審査委員 准教授 氏原 岳人 教授 比江島 慎二 教授 橋本 成仁

学位論文内容の要旨

自家用車による移動に依存する中山間地域では、車の運転ができない交通弱者の移動が著しく制限され てしまう問題がある。この交通弱者の移動手段に関する問題は、交通利便性の高い他地域への住み替えを 余儀なくされるといった事態につながる恐れがある。さらには、住み替えを行った交通弱者自身が慣れな い土地での生活で健康を害してしまう事態や、人口減少に伴う産業や地域そのものの衰退などといった悪 循環にまでつながる可能性がある。このような問題を打開するためには、中山間地域において、車の運転 ができなくても住み続けられるような交通対策を検討する必要がある。しかし、交通対策と住み続けの関 係は明確となっていない部分が多い。

これらの状況を受け、著者は、中山間地域において、交通弱者の移動手段確保を目的に実施される生活 交通と住み続けとの関係を明らかにする研究を行った。

第1章では、研究の背景と目的を述べ、第2章では既往研究のレビューを行っている。

第3章では、「車の運転ができなくなった後でも現居住地で住み続ける」という想定の下での移動に対す る重要度を評価し、生活交通の改善との関係を明らかにした。

第4章では、積雪寒冷地である中山間地域在住の高齢者を対象に、夏期冬期の環境の変化が外出や移動 に対して及ぼす影響を明らかにするとともに、さらに住み続けに対して及ぼす影響を明らかにした。

第5章では、生活交通の利用者を対象に、生活交通の改善によって「自立的に外出することができるよ うになった」という意識(「自立的外出可能感」と定義)の醸成実態を評価するとともに、自立的外出可能 感の醸成に対する要因を明らかにした。

第6章では、生活交通を普段利用しない非利用者を対象に、生活交通の改善が非利用者の住み続け意識 に対してどのように影響を及ぼすかを明らかにした。

第7章では、第6章の結果を踏まえて、生活交通を普段利用しない高齢非利用者に限定し、かつ個人の 健康状態や生活利便性といった生活交通以外の要因を含めた分析を実施し、生活交通の改善が住み続けに 対して相対的にどの程度影響を及ぼすかを明らかにした。

本研究は、中山間地域において、住み続けの上で外出及び移動の重要性を評価するとともに、生活交通の 改善が住み続けに対してどのように影響を及ぼすかを明らかにした。得られた成果は、住み続けられる生活 交通対策を検討する上で有益な知見となる。

(2)

論文審査結果の要旨

本論文は,自家用車による移動に依存する中山間地域において,車の運転ができなくても住み続けられ るような交通対策を実施することによる地域の持続可能性に関して研究を行った論文である。

本論文の特徴は以下の点である。

 「車の運転ができなくなった後でも現居住地で住み続ける」という想定の下で,移動に対する重要度 を評価し,生活交通の改善との関係を明らかにした。

 積雪寒冷地である中山間地域在住の高齢者を対象に,夏期と冬期の環境の変化が外出や移動に対し て及ぼす影響を明らかにするとともに,さらに住み続けに対して及ぼす影響を明らかにした。

 生活交通の利用者を対象に,生活交通の改善によって「自立的に外出することができるようになっ た」という意識(「自立的外出可能感」と定義)の醸成実態を評価するとともに,自立的外出可能感 の醸成に対する要因を明らかにした。

 生活交通を普段利用しない非利用者を対象に,生活交通の改善が非利用者の住み続け意識に対して どのように影響を及ぼすかを明らかにした。

上記について,極めて精力的に調査・分析をすすめ,中山間地域における住み続けのための外出及び移 動の重要性を評価するとともに,生活交通の改善が住み続けに対してどのように影響を及ぼすのかにつ いて明らかにしており,学位を授与するに値する研究論文であると判断した。

参照

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