学 位 論 文 題 名
博 士 ( 水 産 学 ) 酒 井 治 己
Life− histories and genetlCdiVergenCe inthreeSpeCieSOfヱ ̄rZろ〇Z〇匸Z〇凡(Cyprinidae) ( ウ グ イ 属 魚 類 の 生 活 史 の 分 岐 と 遺 伝 的 分 化 )
学位論文内容の要旨
ウグイ属
rrit
〕1.odonは、コイ科の巾で唯一降海性の種 を 合む 特異 なグ ルー プで あ る。本臓魚類は、日本を中心 と した 極東 地域 に分 布し 、 婚矧色の避いや頭部側線感覚 管 の 形 質 状 態 か ら 、 ウ グ イT
.hakonensL
量 、 マ ル 夕brandti、 エ ゾ ウ グ イ1. , イ 1` . sp.の 4種 に 分 類 さ れ
ezoe
、 お よ びウ ケク チウ グ ている(中村、】‖
69
;Kurawaka
,l9 77
)。 その うち 、ウ グイには遡河回遊性の も の と 河 川 残 留 性 の もの とが あり 、マ ルタ は すべ て遡 河 回遊性、エゾウグイ.はすべて河川残留 性である。ウケク チ ウ グ イ は 、 河 川 残 留性 で肉 食性 だと いわ れ てい る。 こ れら 魚類f
ま、 同一 河川 に分 布す るこ とも少なくない。特 に 北 海 道 で は 、 ウ ケ ク チ ウ グ イ を 除 く3
種 が 多 数 生 息 し て お り 、 交 雑 魚 も 確 認さ れ、 交雑 魚の 存在 が 本属 魚類 の 分 類 を い っ そ う 困 難 に し て い た も の と 考 え ら れ て い る( Sakai and Ilamada
,1985
)。本研究では、北海道産のウク´イ、マルタ、およひェゾ ウ グ イ の 生 活 史 を 比 較レ 、降 海性 獲得 を中 心 とレ た生 活 史、の分岐がどのような過程を経て兜現 されるかを、発育 段階的視点から調査すること、山J『う県産のウケクチウグ イを 含め た
4
種 の酵 素遺 伝子 多型 から 、その遺伝的樊頁縁 関係を匁l
ること、 酵素遺伝子多型ならびにmtDNA
の制限酵 素 断 片 長 多 型 (RFLPs
)を 用 いて 北海 道産3
種 間に っい て交雑魚の検出を行い、穏間の´,ヒ鯛nり1繊離の程度を集団遺 伝 学 的 に 検 討 す る こ と 、 さ ら に、 也 物 地理 学 的 な知 見 を 加 え て 、 本 臓 魚 類 の 種 分 化 過 程が 、 い っど こ で どの よ う な 生 活 史 の 分 岐 を 伴 い な が ら 進行 し て きた か を 総合 的 に 考瞭することを目的とした。
まづ、 仔魚期( 、ふ化 から稚魚 に変態す るまで )の発育 段 階 区 分 を 試 み た 結 果 、 摂 餌 およ び 遊 冰に 関 レ た機 能 の 発 達 を 手 が か り に
5
段 階 くinterval
) に 区 分 さ れ た 。in terval1
は ふ 化 か ら 黒 色 素 胞 が 目 に 出 現 す る ま で 、H
はrH
黄 を吸 収 す るま で で 、河 床 の 砂利 中 に隠れて いる。I II
は 鰾 の 後 室 が 膨 ら み 、 浮 上し て 餌 を食 ベ 始 め、 尾 鰭 が 完 成 す る ま で 、1V
は 鰾 の 前 室も 膨 ら み、 腹 部 に膜 鰭 が 大 き く 発 達 し て 、 背 鰭 お よ び しり 鰭 が 完成 す る まで で 、 ま だ 直 線的 な 運 鋤 しか で き なレ ヽ 。V
で は 腹部の膜 鰭が退 縮するのと同時に胸鰭および腹魚二茸が発達し、より複雑な 運 動が可 能になる 。この 段階はぃ わゆる変 態期に あたる。仔 魚 の 発育 段
5
皆 にお い て は穏 間 で 犬き な 差異は認 められ なかった。稚魚期 以降の発 育は3段階(
in terval
) に区分 され、種 間 の 生 活 史 の 大 き な 差 異 は 雑 魚期 以 降 に発 現 し た。 す な わ ち 、intervalVI
は い わ ゆ る 稚魚 期 で 、豆 賈 部 側綜 感 覚 管 系 が 完 成 し 、 体 各 部 の 相 対 的大 き さ がほ ば 決 定す る 。 こ の 段 階 に 、 ウ グ イ で は 表 眉 摂餌 に 対 する 志 向 性が 、 マ ル タ お よ び ェ ゾ ウ グ イ で は 底 層摂 餌 に 対す る 志 向性 が 強 く 現れて くる。ま た、降 海性のウ グイおよ ひマル タでは、秋 と舂に 高い塩分 耐性. を示すよ うになる 。この 段階は河 川 性 の ウグ イ 、 エ ゾウ グ イ で3才 ま で、 降 海性のウ グイ、
マ ル タ で
2
才 ま で 統 く 。VlJ
は 若魚 期 で 、性 的 に 成熟 す る ま で の 段 階 で あ る 。 降 海 性 の ウグ イ お よび マ ル タで は 、2
才 の 春 に降 海 し 、ま た 冬季 に 河 川ヘ 越 冬回遊を するよ う に な る 。 こ の 段 階 は 、 降 海 性の ウ グ イ、 マ ル タで
2
ー3
年 、 河 川 性 の ウ グ イ 、 エ ゾ ウ グ イ でU
−1
年 で あ る 。VII[は 成 魚 期 で 、 河 川 性 の ウ グ イ で は 3才 か ら 、 エ ゾ ウ グイと降海性のウグイでは4才から、マルタでは5才か
ら な 台 ま っ た 。 成 魚 期 は 、 そ れ ぞ れ 裟kfltHjl続 く よ う で あ る カ i、 そ の 剿 間 | よ 河 川 性 の も の の ほ つ か l蜂 海 性 の も の よ り 長い傾向にあった。
北 海 道 鵡 川 で の 産 ぢ Ij lUIは ウ グ イ で 5Jl下 旬 か ら 、 マ ル タて゛ 6月,ヒ旬カ、ら、 エソ.ウ・ク゛イC f5Jtj中旬カヽらな台まり、
7月 上 旬 ま で 続 い た 。 産l‖ は5牽 | | トiの 数 旧 後 に 槃flTし て 、 一 産oi其 ‖ に 数 回 行 わ れ る が 、 複 数 やItカ (I耐 時 に 産9‖ す る 場 合 で も ヒ き 己 の 順 で 産 卵 場 に 睨 れ た 。Jl碇 ぢt1は 小 数 の 雌 を 多 く の 雄 が 追 尾 う , る 形 で 行 わ れ た 。 小 数 の ウ ク ゛ イ お よ ひ ェ ソ . ウ グ イ の 艦 カ ` マ ル タ の 産 馴 君 乍 に ガ ぇ じ る こ と を 除 け ば 、 ほ と ん と の 場 合 産 髟 14群 の 混 合 は 起 こ ら q^ 、 こ の こ と が 交 配 前 生 殖 的 隔 離 機 キ 鶩 ・ と し て 勵 い て い る と 考 え ら れ た 。 酵 素 お よ ひ 非 特 異 的 タ ン パ ク を .jt IIIICす る 21遺 伝 子 座 の遺 伝子 多型か ら、 穏間の 遺伝 ぬくJ ltli燃(l〕値)を求めた結粟、
マ ル タ は ほ か の 種 に そ れ ぞ れ 等 ″ ほ 聞f二 に 近 縁 で ( l〕 = 0. 245ーU.lU4) ゛ 、 ウ グ イ は マ ル タ をI姙 く 他 緬 と は ま 霞縁 が 逍 い (1) =U.441ー0‐5.21) こ と が 判I川 し た 。1蜂 海 件 お よ び 河 川 性 の ウ グ イ が 男 0穏 で あ る 証 拠 は f:Iら れ な か っ た 。 近 隣 接 合 法 に よ ル ク ラ フ 、 タ ー 分 析 を ffっ た 結 果 、 ま す ウ グ イ の 系 統 が 、 つ い で ェ ゾ ウ ′/゛ イ ・ ウ ケ ク チ ウ グ イ の 系 統 が ウ グ イ 属 祖 先 集 団 か ら 分 か れ 、 さ ら に ェ ゾ ウ グ イ と ウ ケ ク チ ウ ク ゛ イ が 分 岐 し 、 マ ル タ は ウ グ イ 属 祖 先 集 剛 に iei二 接 由来したと考えられた。
酵 素 遺 伝 子 お よ びcn tD NA通 伝 :rを ー 冫 一 カ ー に 、 北 海 道 鵡 川 産 の 稚 魚 を 巾 心 に 交 雑 魚 の 椴 fJ。 1を ffっ た 結 果 、 マ ル タ と ウ グ イ あ る し ヽ は ェ ゾ ウ ク ゛ イ と の 殳 織 魚 が 10% 以 上 も 出 現 し 、 レ か も そ の 84% Iま マ ル タ を 雌 親 と し た 雑 種 で あ っ た 。 一 方 、 ウ グ イ と エ ゾ ウ ク ´ イ の 交 雑 魚 は わ す か 0. 03% し か 得 ら れ な か っ た 。 こ れ 凵 : 、 3種 の 産 gu群 で 観 察 さ れ た 多 少 の 混 合 や 、 遺 伝 的 ま nキ 巌 f瑚 係 と 矛 盾 レ な い 結
果 で あ っ た。 遺 伝子 をマー カー
f
こ し し、 シミュレーションを行った(|f爪た 交 雑 モ デ ル を 考 案
子 孫 が 少 な ぃ こ と か ら 、 雑 種 崩壊 が 起 か交ぬB後´.E賦的隔離槻f冓として働いて れた。
交 縦 魚 に よ る
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の こ っており、これ い る もの と 推 損
4
さウ グ イ
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篤 は 典 型 的 な 周 日 本 海 的分 布 パ タ ーン を 示 す 。 なか で も ウ ク. イ は 周 日本 海 全 域 に分 布 す るか 、沿海 州か ら 朝 鮮 半 島 に か け て の 大 陸 側 に は 河 川 残 留 型 は 出 現 し な い 。 マ ル タ は や5
よ り 周H
本 海 的 分 布 を 示 す か 、 北 半 分 域 に限 ら れ て いる 。 エ ゾ ウグ イ は 北 半分 域 の オホ ー`ソ ク・太 平 洋 側 に 分 布 し 、 さ ら に ウ ケ ク チ ウ グ イ は 本 州 の 北 陸 か ら 東 北 に か け て の 一 部 に 分 布 が
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定 さ れ て い る 。 こ れ ら の 分 布 パ タ ー ン は 、 少 な く と も ウ グ イ 属 の 褂 先 そ の も の は 塩 分 濃 度 が 薄 か っ た 時 代 の 日 本 海 に 起 源 し た と し て も( 西 村 、1974
) 、ウグ イ 、 エ ゾウ グ イ およ びウケ クチ ウグ イ の 分 化が 、 分 布 域の 大 陸 側 では な く 、オ ホー` ソク
・ 太 平 洋 側 で 起 こ っ た こ と を 示 し て い る 。
以 上 の 結 果 を 総 合 的 に 考 察 す る と 、 ウ グ イ 属 魚 類 の 穂 分 化 過 程 は 以 下 の よ う に 進 行し た と 推 淡
0
さ れる 。 ま す 、 ウ グ イ 属 の 祖 先 集 団 が 、 氷 河 期 に 入 り 江 で 塩 分 濃 度 が 溥 か っ た 頃 の 日 本 海 で 塩 分 耐 性 を 獲 得 し 、 そ の 後 の 間 氷 期 に 太 平 洋 岸 ま で 分 布 を 広 げ た 。 つ い で 、 ウ グ イ の 系 統 が 回 遊 性 お よ ひ 河 川 性 の 両 生 活 史 を 持 ち っ つ 、 表 層 摂 餌 者 と し て 、 分 布 域 の 南 西 側 で 分 化 し た 。 氷 河 期 と 間 氷 期 の 繰 り 返 し の な か で 、 ウ グ イ は 北 方 ま で 分 布 を 広 げ 、 つ い には 遡 河[i
遊型 の も の .が 大 陸 側 まで 到 達 した 。次に 、分 布域 の 北 東 側で 、 エ ゾ ウク ゛ イ の 系統 が 河 川性 の底層 摂餌 者 と し て 分 化 し た 。 エ ゾ ウ グ イ は 、 そ の 後 氷 河 馴 に 倣 よ り 南 方 ま で 分 布 を 広 げ 、 間 氷 期 に は ま た 北 へ 選 く こ と を 繰 り 返 し た 。 最 後 に 、 エ ゾ ウ グ イ が 北 方 へ 選 く と き に 、 本 州 北 陸 地 方 に 取 り 残 さ れ た 集 団 が 、 肉 食 性 の ウ ケ ク チ ウ グ イ と レ て 分 化 レ た 。 そ レ て マ ル タ は 、 遡 河 回 遊 性 で底層摂餌者として、ウグイ属祖先集団から直接由来した ものと考えられる。
学 位 論 文 審査 の 要 旨
学 位 論 文 題 名
I
Life― historleSandgenetiCdiVergenCe inthreespeciesofユヮfろ〇Z〇d〇凡(Cyprinidae) (ウグイ属魚類の生活史の分岐と遺伝的分化)
我国 に 生 息す る ウ グイ 属 に は 遡河 回 遊 性と 河 川 残留 性を 示すウ グイ(Tribolodon hakonensis) と遡 河 回 遊性 のみ を示すマ ル夕(T. brandti)と 河川残留 性のみを 示すエ ゾ ウグ イ(T. ezoe)と ウケ ク チ ウグ イ (T.皿 )の4種が知ら れてい るが、互 いに形 態的に類 似す る こ と に加 え 、 種問 交 雑 によ る 形 態形 質 の 交錯 が あ って 分 類が困 難なグル ―プと さ れて い る 。
申 請者 は こ の 点に 注Hして 、 北 海道 に 生 息す る ウ グイ 、 マ ルタ 、 お よ びエ ゾ ウ グイ の 3種 を 中心 に 、 そ れぞ れ の 種の 発 育 段階 を 比 較し 、 更 に遺 伝 子 マ― 力 ― に よっ て 種 間の 遺伝 的 類 縁 性と 種 問 交雑 の 実 態を 明 ら かに す る と共 に 、 分布 と 地史的 な情報を 加えて 種 分化 の 過 程 をfWら かに し よ うと し た 。
本 申 請 論文 は 参 考論 文16篇 を 添 えて 提inさ れ て おり 、 本 論 文に関 連する多 くの研 究成 果が 既 に 申 請者 か ら 原著 と し て報 告 さ れて い る 。本 論 文 の審 査 にあた って、審 査員は 特 に 次 の 点 を 評 価 し た 。1.ウ グ イ 、 マ ル 夕 、 エ ゾ ウ グ イ の3種 に っ い て 、 個 体 の 発 育 を 仔 魚 期 に っ い て は5段 階 、 そ の 他稚 魚 期 ,若 魚 期 、成 魚 期 の計8段 階 を明 確 に 区分 け して 、 そ れ ぞれ の 顧 の発 育 に 伴う 特 徴 を明 ら か にし た 。 その 結 果、種 間の生活 史の大 き な差 異 は 稚 魚期 以 降 に発 現 す るこ と 、 すな わ ち 摂餌 行 動 、塩 分 耐性に みられる 種差は 稚 魚 期 に 発現 し 、 降 海性 は ウ グイ と マ ルタ が2才の 春 に 発現 す る のに 対 し 、 工ゾ ウ グ イで は発 現 し な いこ と を 確か め た 。成 魚 期 の開 始 に も種 に よ る差 が 明確に 存在し、 ウグイ で は3年 、 エ ゾ ウ グ イ で は4年 、 マ ルタ で は5年 ゛ か ら始 ま る こと を 示 し 、3種 が 発育 上 も 種 と し て 明 確 な 独E・J性 を 保 っ てい る こ とを 実 証 した 。2.ウ グ イ 、 マル タ 、 工ゾ ウ グ イ3種 の 繁 殖 生 態 に っ い て 、 産 卵 期 は ウ グ イ で5月 下 旬 、 マ ルタ で は6月上 旬 、 工ゾ ウ グイ で6月LIJり から 始 ま り、 降 雨 の数 日 後 に集 中 し て産 卵 し 、一 産卵期に 数回産 卵する こと を 明 ら かに し た 。ま た 、 複数 種 が 同時 に 産 卵す る 場 合で も 上記の 順に産卵 場に現 れ るこ と 、 少 数の ウ グ イお よ び エゾ ウ グ イの 雄 が マル タ の 産卵 群 に混じ ることを 除けば 、 ほ と ん どの 場 合 、 産卵 舛 の 混合 は 起 こら ず 、 これ ら の 産卵 生 態 に関 す る 観 察か ら 、3種
‑205―
雄 夫晃 文邦 崎岡 藤 山尼 後 授授 授 教 教教 助 査査 査 主副 副
間で は交 配前 生殖 的隔離 機構 の存 在す るこ とを 明ら かに した。3.酵素および筋漿蛋 白を 支配 する21. 遺伝f座の 遺伝予多型から、種間の遺伝的距離(D値)を求めて、そ の値を比較した結果、マルタがほかの種にそれぞれ等距離に近縁で、ウグイがマルタを 除く他種とは遺伝的類縁性が遠いことを明らかにし、更にウグイにみられる降河型と河 川型は遺伝的に区別されるべきではなく、両型は遺伝予プールを共有する同種間の生活 多 型 で あ るこ と を 明 ら か に し た 。4.酵 素遺伝 子お よび 母性 遺伝 をす るMt DNAの切 断多型を用い、興味ある種間交雑の実態を明らかにした。マルタとウグイおよびマルタ とエゾウグイとの交雛魚が北海道鵡川集団内にlOY6以上出現することを酵素遺伝子型の 分析によって確かめ、更にMt DNAの分析によって交雑魚の84Xがマルタを雌親とした雑 種であること、ウグイとェゾウグイの交雑魚の出現率は0. 03Xと極めて低いことを明ら かにして、産卵期にみられたマルタの産卵群ヘウグイとエゾウグイの雄が混合すること によ って 交雑 のお こるこ とを 確か めた 。5.遺伝 予を マ― カーにした交雑モデルを考 案し、シュミレ−―ションを行って、交雑によるFlの子孫が少ないことから交雑がおこ っても、F2以後に雑種崩壊があり、これが交配後生殖的隔離機構として働いて、それ ぞれ の種 が維 持さ れてい ろこ とを 示し た。6.種 分化 は近 隣接合法によるクラスタ一 分析から、先ずウグイ属祖先集団からウグイの系統が、っいでエゾウグイ・ウケクチウ グイの系統が´/}かれ、更にェゾウグイとウケクチウグイが分岐し、マルタはウグイ屈m 先集 団に 直接 由来 したと する 考え を提 示し た。7.上 記種 分化の様式を口本海の形成 過程および4種の分布パタ―ンから総合して考察した。ウグイ属の祖先は塩分濃度の薄 かった時代の臼本海に起源したとし、氷河期と問氷期の繰り返しの中で、ウグイは北方 まで分布を広げ、分布域の北東側でエゾウグイの系統が河川性の底眉摂餌者として分化、
更にエゾウグイが北方へ退く時に、本州北陸地方に取り残された集Uが、食肉性のウケ クチウグイとして分化、更にマルタは上記の如く遡河回遊性としてウグイ属祖先集団か ら 直 接 由 来 し た と す る ウ グ イ 属 魚 類 の 種 分 化 過 程 を 初 め て 提 示 し た 。 以上、本研究はウグイ属魚類の´/}類にみられた混乱の原因である雑種形成の実態を明 らかにすると典に、ぞれぞれの種は交配前および交配後生殖隔離によって、種の独自性 を保ち、明確に区別できること、更に稲間の遺伝的類縁性と種分化過程を推定し、種分 化における交雑の意義を明らかにしたもので、審査員一同は、本研究が博士(水産学)
に相当する業績であると判断した。
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