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博士学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博士学位論文内容の要旨

氏 名 安永

ヤスナガ

雅美

マ サ ミ

所 属

学 位 の 種 類 博士(作業療法学)

学 位 記 番 号 健博 第

168

号 学位授与の日付 平成

31

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第2項該当

学 位 論 文 題 名

Agreement between long-term care users’ quality of experience in daycare and providers’ perceptions : a cross-sectional study based on the flow model

(要介護者のデイケア活動中の経験の質と職員による推量との相 違:フローモデルに基づく横断的研究)

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 小林 法一 委員 教 授 石井 良和 委員 教 授 小林 隆司

【論文の内容の要旨】

人の日常生活は仕事や趣味,家事など様々な作業の連続である.これらの作業は人に楽 しみや満足,不安,退屈などの経験をもたらすことが知られており,その経験の質は生活 の豊かさ,すなわちQuality of life(以下QOL)に影響する(副論文1).

要介護者が利用する通所リハビリテーション施設(以下,デイケア)では,利用者の

QOL

の向上に寄与する活動の提供や支援が求められている.このためには,施設職員が利用者 のデイケア活動中の経験の質を的確に推し量る必要がある.しかし,果たして正確に推量 できているのか,その実態に焦点をあてた研究はこれまでに見当たらない.そこで本研究 では要介護者のデイケア活動中の経験の質を調査し,同時に施設職員による推量を調査し て両者の相違を明らかにした.

対象は,研究協力の公募に応じた失語症のないデイケア利用者48名と,彼らをよく知る 施設職員5名とした.経験の質の調査にはFlow modelを用いた.まず,デイケア利用者から 普段行う活動を聴取し,各活動がもたらす経験の質をFlow modelに基づきFlow,Worry,

Relaxationなど8つのchannelに分類した.次に,施設職員を対象に同様の聞き取り調査を

行い,利用者本人の報告と施設職員による推量との相違を分析した.

その結果,デイケア利用者から合計364個のデイケア中の活動が報告された.各活動の

channel

(経験の質)別の内訳は,

Positive

(望ましいchannelであるFlow, Arousal, Control

をまとめてPositiveと称した)が最も多く108個(29.7%),次いでDemanding(望ましく

(2)

博士学位論文内容の要旨

ないchannelであるWorryとAnxietyをまとめてDemandingと称した)が106個(29.1%),

Relaxationが64個(17.6%)であった.一方,施設職員が推量したchannelの内訳は,

Demandingが最も多く,ついでRelaxation,Positiveであった.合計364個の活動のchannel

について,利用者の報告と施設職員による推量が同一であった割合(一致率)はわずか24.5%

であった.channel別の一致率では,望ましくないchannelであるDemandingの一致率は

47.2%であった.施設職員が,利用者が望ましくない経験をしている状況を正確に推量でき

るのは半分程度であった.また,望ましいchannelであるPositiveの一致率はわずか11.1%

と,推量することが困難であった.

本研究により,施設職員が利用者のデイケア活動中の経験の質を的確に推量することは

困難であることが示された.利用者の

QOL

の向上に寄与する活動の提供や支援を行うため

には,利用者の経験の質により注意を払うことが必要であると考える.

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