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実大供試体によるコンクリート一体型鋼製セグメントの耐火性の検討

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Academic year: 2022

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401.5

3232(加熱後載荷実験に用いる供試体) 932

フック継手 鉄筋(ひび割れ抑止)

形状保持鋼材

シール材 スキンプレート

耐火しろ隙間6.4mm 縦断面

加熱範囲

2650 350

A

A

401.5 66mm

3232(加熱後載荷実験に用いる供試体) 932

フック継手 鉄筋(ひび割れ抑止)

形状保持鋼材

シール材 スキンプレート

耐火しろ隙間6.4mm 縦断面

加熱範囲

2650 350

A A

A A

66mm

:供試体中央付近(深さ5,30,60,200,395.5mm)

:フランジ近傍コンクリート(深さ60mm)

:主桁フランジ表面(深さ71mm)

:フック継手表面(深さ180mm)

:シール材表面(深さ286mm) 温度計測位置(熱電対設置位置)

1800

401.5

主桁 主桁

スキンプレート

耐火しろ かぶり60mm 横断面

(A-A) 形状保持鋼材 30mm

鉄筋(ひび割れ抑止)

:供試体中央付近(深さ5,30,60,200,395.5mm)

:フランジ近傍コンクリート(深さ60mm)

:主桁フランジ表面(深さ71mm)

:フック継手表面(深さ180mm)

:シール材表面(深さ286mm) 温度計測位置(熱電対設置位置)

:供試体中央付近(深さ5,30,60,200,395.5mm)

:フランジ近傍コンクリート(深さ60mm)

:主桁フランジ表面(深さ71mm)

:フック継手表面(深さ180mm)

:シール材表面(深さ286mm) 温度計測位置(熱電対設置位置)

1800

401.5

主桁 主桁

スキンプレート

耐火しろ かぶり60mm 横断面

(A-A) 形状保持鋼材 30mm

鉄筋(ひび割れ抑止)

1800

401.5

主桁 主桁

スキンプレート

耐火しろ かぶり60mm 横断面

(A-A) 形状保持鋼材 30mm

鉄筋(ひび割れ抑止)

図-1 供試体の形状・寸法および計測位置

実大供試体によるコンクリート一体型鋼製セグメントの耐火性の検討

東京都第二建設事務所工事課 非会員 吉野 康晴 大成建設(株)土木技術研究所土木構工法研究室 正会員 ○堀口 賢一 大成建設(株)建築技術研究所防災研究室 非会員 馬場 重彰 大成建設(株)東京支店品川線シールド作業所 正会員 福田 隆正・西岡 巌

1.はじめに

中央環状品川線シールド工事では,発進立坑や連絡坑などで高耐力が必要な施工部位のセグメントとして,

鋼殻にコンクリートを充てんしたコンクリート一体型鋼製セグメントを使用している.一方,本工事では,施 工の合理化と工期短縮を目的として二次覆工を省略するが,完成後は道路トンネルとして供用される.そのた め,車両事故などによる火災時に,セグメント耐力に影響を及ぼす爆裂などの有害な損傷が生じないことが要 求されている.そこで,実大セグメントを模擬した継手付き平板供試体を製作し,設計上の最大荷重を作用さ せた状態で RABT 加熱実験を行った.加熱実験では,コンクリートの爆裂の有無を観察し,供試体内部の受熱 温度の測定結果からコンクリートや主桁鋼材,フック継手,およびシール材の耐火性を確認した.

2. 実験内容

図-1 に供試体の形状・寸法を示す.供試体は実際に使用するものと同じ嵌合式のフック継手を有し,設計 断面力相当の荷重を導入するための PC 鋼棒を設置するシースを設けた.供試体諸元のうち,幅と厚さは実際 のセグメントと同じくし,長さは加熱実験後に供試体の一方を,継手を含まない単体曲げ試験に供することか ら設定した.火災時に内部の鋼材を保護する耐火しろ..

の厚さは 60mm とし,継手突合せ部分の耐火しろ..

の隙間 は 6.4mm とした.この隙間はセグメント組立て時の角欠けを防止するためのものであるが,その間隔は既往の 実験でシール材などの耐火性に影響を及ぼさないことを確認している1).鋼殻内部に充てんしたコンクリート の設計基準強度は 42N/mm2で,加熱時の爆裂を抑止する目的で PP 繊維を 0.2vol.%(1.82kg/m3)混入した.

加熱実験は,供試体の加熱面側が圧縮となるように PC 鋼棒で軸力と曲げモーメントを導入してから大型加熱 実験炉に設置し,非加熱面側に地盤を想定したH型鋼材を設置して,RABT 加熱曲線(加熱 60 分)にしたがい 行なった.加熱時には,図-1に示す計測位置で供試体内部の受熱温度を測定した.なお,加熱時の最高受熱温 度の目安は,既往の文献2)を参考にコンクリートで 350℃,鋼材で 300℃とした.これは,火災を受けた後の 補修範囲を,耐火しろ..

に留めることを考えて設けたものである.

キーワード セグメント,鋼殻,コンクリート,耐火性,RABT 加熱,ポリプロピレン繊維

連絡先 〒245-0051 横浜市戸塚区名瀬町 344-1 大成建設(株)土木技術研究所土木構工法研究室 TEL045-814-7228 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑479‑

Ⅵ‑240

(2)

図-2 供試体の加熱後表面状況

3. 実験結果

加熱実験時のコンクリートの圧縮強度は 71.8N/mm2 であった.図-2 の加熱後表面状況からわかるとおり,

著しい爆裂は生じなかった.加熱時に供試体は非加熱 面方向に反り上がり,供試体中央付近の変位は 5mm 程 度であったが,非加熱面側に地盤を模擬したH型鋼材 を配置したことにより,継手面の競り合いによる著し い角欠けは生じなかった.

図-3に供試体中央付近内部の受熱温度履歴を,図-4 に供試体内部の測定点での最高受熱温度を示す.供試 体中央付近内部 5 カ所の受熱温度履歴は,滑らかな上 昇・降下をしている.このことからも,コンクリート 内部の受熱温度に影響を及ぼすような爆裂は生じてい ないことがわかる.耐火しろ..

のかぶり 60mm の深さでの 最高受熱温度は,供試体中央付近で 328℃,フランジ 近傍で 353℃と後者の方がやや高く,目安とした 350℃

をわずかに超えたが,受熱による強度への影響の程度 は変わらないと考えられる.フランジ近傍のコンクリ

ート温度の方が高くなったのは,コンクリートよりも鋼材の熱伝導率が高いためと考えられる.主桁鋼材とフ ック継手の最高受熱温度は目安とした 300℃に対し,それぞれ 242℃,92℃に抑えられた.また,シール材の 最高受熱温度は 100℃の目標に対し 80℃であった.図-4によれば,継手やシール材の受熱温度は,耐火しろ..

の隙間の影響のない供試体中央付近でのそれぞれの深さの受熱温度とほぼ変わらないことから,耐火しろ..

の隙 間が内部の受熱温度に影響を及ぼしていないこともあらためて確かめられた.

4. まとめ

継手を含む実大供試体によるコンクリート一体型鋼製セグメントの耐火性を RABT 加熱実験により確認した 結果,必要な耐火性を有していることが以下のことから確かめられた.

1)本配合では,PP 繊維を 0.2vol.%(1.82kg/m3)混入することにより,著しい爆裂を抑止できた.

2)耐火しろ..

を 60mm 設けることにより,火災時および火災後に強度を期待する範囲のコンクリートや鋼材の受 熱温度を,ほぼ目標とする温度とすることができた.

参考文献

1)近藤ほか:コンクリート一体型鋼製セグメントの開発(その2),第 64 回年次大会講演集,pp.47-48,2009.9 2)土木学会:コンクリート構造物の耐火技術研究小委員会報告ならびにシンポジウム論文集,2004.10

0 200 400 600 800 1000 1200 1400

0 30 60 90 120 150 180 210 240 時間(分)

温度(℃)

制御温度 炉内平均温度 深さ5mm 深さ30mm 深さ60mm 深さ200mm 深さ395.5mm

0 200 400 600 800 1000 1200

0 50 100 150 200 250 300 350 400 表面からの深さ(mm)

温度(℃)

供試体中央付近

フランジ近傍コンクリート 主桁フランジ表面

フック継手表面 シール材表面

フランジ表面 242℃

フランジ近傍コンクリート353℃

中央付近328℃

継手表面92℃

シール材表面80℃

図-3 供試体中央付近内部の受熱温度履歴

図-4 供試体内部の最高受熱温度 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑480‑

Ⅵ‑240

参照

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