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(1)

不飽和砂の三軸圧縮試験時における変形強度特性

                       

      神戸大学大学院  学生会員  畑中 憲彦       神戸大学工学部  正会員  加藤 正司 リクルートコスモス㈱  吉川雄一郎

はじめにはじめに

はじめにはじめに  不飽和土に関する研究は,サクションによる変形強度特性への影響が現れやすい粘性土を中心 に進められている.しかし,実際の地盤には砂質土も含まれている.よって,不飽和状態の地盤の挙動を予 測するためには,不飽和砂質土の変形強度特性に関するデータの蓄積が必要である.本研究では,豊浦標準 砂を用いた不飽和三軸圧縮試験を行ったので,その変形強度特性に関して報告する.

試料と実験方法 試料と実験方法 試料と実験方法

試料と実験方法  試料には豊浦標準砂を用いた.浸水飽和した気乾試料をモールド(直径5cm,高さ10cm)

内に4層に分けて水中落下させ,各層を突き棒で突き固めて間隙比を約0.71に調整した後,凍結させた.こ の凍結試料をセル内に設置した後,側圧20kPaのもとで通水解凍して実験に用いた.なお,実験にはペデス タル部分に AEV500kPa のセラミックディスクを埋め込んだ,二重セル方式の三軸セルを用いた.実験条件 としては,①飽和状態のまま所定の拘束圧(σ3=196kPaおよび396kPa)まで圧縮,②所定の拘束圧(σ3

=196kPaおよび396kPa)で圧縮後,排水経路に負圧を与え て排水させて飽和度を95%および60%に調整,③サクション

(s=196kPaおよび396kPa)載荷により不飽和化後,所定 の平均基底応力(σnet=196kPaおよび396kPa)まで圧縮の 3 種類の等方圧縮過程後,拘束圧およびサクション一定条件 でせん断過程(ひずみ速度0.05%/min)を実施した.

実験結果および考察 実験結果および考察 実験結果および考察

実験結果および考察  図-1 は平均基底応力σrnet=392k Pa 条件下でのせん断時の主応力差〜軸ひずみの関係を示し ている.主応力差〜軸ひずみ関係は,軸ひずみの増加ととも に主応力差は増加し,ピーク値を示した後に減少している.

ピーク時の主応力差の大きさは,飽和砂が一番小さくなって いる.一方,最大のピーク時の主応力差を示したものはs=

392kPaの結果であり,Sr=95%の結果がそれに次いでいる.

すなわち,作用しているサクションの順とピーク時の主応力 差の順序は対応していないのが特徴である.

図-2 は平均基底応力σrnet=392kPa 条件下でのせん断時 の軸ひずみ〜体積ひずみ関係を示している.体積ひずみはせ ん断初期に圧縮した後,軸ひずみが2%付近より膨張に転じ ている.不飽和状態の供試体に関しては,サクションが大き いほど膨張する傾向がみられる.

図-3はせん断時の含水比〜軸ひずみ関係の例を示している.

(a)はサクションs=392kPaの場合,(b)はSr=90%の場合を

それぞれ示している.各図において,拘束圧の小さいσ

196kPa の場合の方が吸水側の挙動を示していることが分か

る.興味深いことは,体積ひずみはせん断初期に圧縮傾向を 不飽和土,砂質土,三軸圧縮試験,強度特性,変形特性

連絡先(〒657-8501  神戸市灘区六甲台町1-1  神戸大学工学部  TEL・FAX 078-803-6030)

0 5 10 15

0 500 1000

軸ひずみ ε

1

(%)

s=392kpa s=196kpa Sr=60%

Sr=95%

飽和砂

σr

net=392kPa

主応力差(σ

1-

σ

3

) (k

Pa)

0 5 10 15

0 2 4

s=392kPa s=196kPa Sr=60%

Sr=95%

飽和砂 σr

net=392kPa

軸ひずみ ε

1

(%)

体積ひずみ ε

v

(%)

図-1 せん断時の軸ひずみ〜体積ひずみ

図-2  せん断中の含水比〜軸ひずみ関係

  土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月) Ⅲ-A29 

(2)

示した後,膨張に転じているにも かかわらず,含水比の挙動は各条 件によって異なる傾向を示してい ることである.その傾向としては,

作用しているサクションの小さい

(飽和状態に近い)Sr=95%の 場合は軸ひずみの増加とともに吸 水から排水挙動を示し,サクショ ンが大きくなるほど大きな排水傾 向を示した.すなわちサクション が大きくなるほど,体積ひずみの 傾向と含水比の挙動にずれを生じ ている.作用しているサクション が大きいほど,圧縮にともなう変 形によりバルク水の水膜が破れや すく,その結果バルク水が多く排 水されることが,このような排水 挙動の原因と考えられる.

図-4 は s=392kPa および飽和砂

のせん断時のストレス・ダイレイ タンシー関係を示している.今回

の結果においては,せん断時のサクションの大きさや飽和度によ り,この図に示されるようなストレス・ダイレイタンシーが異な る傾向が見られた.このようなせん断時の変形挙動にも,間隙水 の分布状況が影響しているものと考えられる.

  図−5 は不飽和砂の内部摩擦角が,飽和砂の内部摩擦角(φ

=37.5)と同じと仮定して得られる粘着力とサクションの関係を示 している.加藤ら 1)は,シルト質粘性土である DL クレーについ て水分特性曲線より予測されるサクションとサクション応力関係 を示している.その傾向としては,サクションの増加とともにサ クション応力が増加し,サクション応力がピーク値を迎えた後に 減少している.図-5に示される傾向は,加藤らの結果と対応する 傾向にあると考えられる.

図-6は中のプロットは,飽和砂とs=196kPaおよび392kPaの 場合の最大圧縮点における平均基底応力とせん断応力の関係を示 している.また,図中の実線は飽和砂に対する包酪線であり,点 線はこの包絡線との平行線を示している.この図から不飽和砂に おいてもサクションの増加に従いサクション応力(各点線のpnet

軸切片)が増加する傾向を示すことがわかる.

参考文献 参考文献 参考文献

参考文献     1)加藤正司、吉村優治、寸田 亘,不飽和土の一軸圧縮 試験時の強度・変形特性に及ぼすサクションの影響建設工学研究所 論文報告集,第 41−A号, pp.141‑148, 1999.

図-5  φ=37.5°とした時の粘着力 とサクションの関係

図-6  最大圧縮点における平均 基底応力〜せん断応力関係

0 200 400 600 800 1000

0 200 400 600 800 1000

s=392kPa s=196kPa 飽和砂

net

 (kPa)

q (kPa)

0 5 10 15

-0.3 -0.2 -0.1 0 0.1

軸ひずみε1(%)

含水比変化量Δw(%)

σrnet=196kPa σrnet=392kPa

(a) s= 392kPa

0 5 10 15

-0.1 0 0.1 0.2 0.3

軸ひずみε1(%)

含水比変化量Δw(%) σrnet=196kPa

σrnet=392kPa (b) Sr= 95%

0 100 200 300 400

0 20 40 60

サクションs (kPa)

粘着力c(kPa)

-1 0 1

0 1 2 3

-(dv/dε)

q/p

σ3=196kPa σ3=392kPa (b) 飽和砂

-1 0 1

0 1 2 3

-(dv/dε)

q/p

σ3=196kPa σ3=392kPa (a) s=392kPa

図-3  せん断時の含水比〜軸ひずみ関係

図-4  せん断時のストレス・ダイレイタンシー関係

  土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月) Ⅲ-A29 

参照

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