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塩分環境下における寒冷地道路橋コンクリートの

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 服 部 健 作

学 位 論 文 題 名

塩分環境下における寒冷地道路橋コンクリートの      耐凍害性に関する研究

学位論文内容の要旨

  これまで、コンクリート構造物の安全性に大きな影響を与えるのは塩害であり、凍害は構造的を 劣化に は大き な影響 を及ばさをいものと考えられてきた。そのため、1991年のスパイクタイヤ製 造販売禁止により凍結防止荊が道路路面に大量に散布されるようにをっても、凍結防止剤に含まれ る塩分による塩害っまり鉄筋腐食にのみ構造物の安全性について注目が集まり、塩水による凍結融 解作用の激化が構造物の安全性に大きを影響を与えるほどの凍害劣化をコンクリートそのものに及 ばしていることは注目されてこをかった。しかしをがら、今後コンクリート構造物の長寿命化を目 指すためには、コンクリート構造物の耐久性に大きく影響を及ばす耐凍害性の研究が必要不可欠で ある。

  本論文は、塩害から鉄筋を守る保護材料として考えられてきたかぶルコンクリートを、鉄筋を拘 束する構造材料として考え、塩水による凍結融解作用の激化や夏場の維持管理がかぶルコンクリー ト に 及 ば す 影 響 を 検 討 し た も の で あ る 。 以 下 に 本 論 文 の 概 要 に つ い て 述 べ る 。   第1章では、本論文の目的、および概要について述べている。

  第2章では、これまで海岸部にのみ見られた塩水環境によるコンクリートの凍害の激化が内陸部 にも広まった社会的を原因である凍結防止剤について、その効果と限界が凍結防止剤の種類にかか わらずにモル濃度により決まることを明らかにし、その結果、もっとも安価である塩を大量使用す るようになった技術的背景を記述している。これにより、凍結防止剤が大量に散布されるようにを り、北海道の道路におけるコンクリートが、内陸部でも塩水による凍害劣化を受けるようにをった ことを述べている。

  第3章では 、既設PC橋の解 体調査結 果から 、PC鋼材 の腐食 はコン クリー ト表面 のひび われと 密接に 関係し ており 、ひびわれの無い箇所ではPC鋼材の腐食は発見されをかったことを示してい る。コ ンクリ ート表 面のひびわれはPCグラウトの施工の良し悪しに大きく影響されており、グラ ウトが凍結膨張した時や空隙部の水分が凍結膨張した時にひびわれが発生したと思われる。それ以 外の場 合にはPC鋼材は 桁の中 心部に あるため 、PC鋼 材として はコン クリートのかぶりは十分に 確保さ れてい た。こ のことから塩害対策を考えるにはPC鋼材よりも鉄筋に重点を置くべきである ことを述べている。

  第4章では、エポキシ樹脂被覆鉄筋と無処理鉄筋とで、重ね継手に及ばす重ね長さ・かぶり厚・

コンクリート強度・横方向鉄筋の検討を模型桁にて実験を行った。実験結果からコンクリートとの 付着がほとんど期待できをいェポキシ樹脂被覆鉄筋は、無処理鉄筋に比べて、重ね長さ・かぶり厚・

コンクリート強度・横方向鉄筋といった拘束をより大きく必要とすることが確認された。また、工

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ポキシ樹脂被覆鉄筋 と無処理鉄筋とで、重ね継手に及ばす疲労の影響を調べるために、疲労試験を 行い、どちらも重ね 継手からの破壊は、かぶルコンクリートの疲労によることが確認された。この ことから、これまで 保護材料として考えられてきたかぶルコンクリートの厚さ・強度と言った構造 材料として役割が構 造物の安全性に大きく影響することと、その影響はェポキシ樹脂被覆鉄筋のほ うが無処理鉄筋より も大きいことを述べている。また、保護材料としてのかぶルコンクリートに頼 ることをく、鉄筋を 腐食から守るためエポキシ樹脂被覆鉄筋を用いることは、鉄筋を拘束する構造 材料 と して のか ぶル コンクリートに頼 ることに社るという矛盾が出 てきたことを述べている。

  第5章 は、 一般 国 道229号神恵内村の 海岸PC橋である大森大橋に関 するケーススタディ研究で ある。大森大橋の施 工途中の昭和59年2月には日本道路協会より道路橋の塩害対策指針(案)が出 された。この指針(案)では,塩害対策としてかぶり増,塗装鉄筋,コンクリート塗装をあげている。

施工途中である大森 大橋はかぶり厚で対応することは不可能であったため、塗装鉄筋とコンクリー ト塗装により対応す ることとをり、第4章の研究結果と現地試験施結果を実際の工事に適用すると ともに、コンクリー ト塗装についても現地試験結果をもとに、実際の工事を行った。床版には、床 版上面からの塩害防 止と床版かぶルコンクリートの保護のため、全面に亘って防水工を施工した。

これにより、構造材 料としてのかぶルコンクリ ートが保護された。その後、約20年後に台風によ る高波により流失し たため、解体調査された結果、塗装鉄筋とコンクリート塗装ともに塩害対策と して有効であったことが確認されたことを述べている。

  第6章では、コン クリート表層部の強度増加を図るために有孔布張型枠を用いて、プリージング 水や空気を効果的に 排出してする試験施工を行い、表面アバタ率、表面強度、表面反射率、気泡パ ラメータ、比重・吸 水率を測定した。その結果、コンクリ―ト表面の気泡アバタの著しい減少、コ ンクリート表面強度 の増大、コンクリート表層部の初期強度の増大、コンクリート表層部の吸水率 が低下、コンクリ― ト表層部の気泡間隔係数の低下をど、コンクリート表層部の品質が大きく改善 された。これにより 、コンクリート構造物の傾斜面のように気泡アバタの多い表層コンクリートの 品質を有孔布張型枠 により改善し凍害抵抗性を向上させるとともに、構造材料としても表層コンク リートを強化したことを述べている。

  第7章では、コン クリートの凍害劣化に、塩水の有無や夏場の維持管理がどのように影響するか を調べるために塩水 による凍結融解試験の途中に乾燥状況や湿潤状況を挾み込む実験を行った。そ の結果、乾燥状況を 挟み込む実験では対凍害抵抗性は向上したが、湿潤状況を挟み込む実験では塩 水による凍結融解試 験でも真水による凍結融解 試験でも凍害劣化を激化させた。それは耐久性指 数低下や強度低下ば かりで無く、質量減少量が3割にも達するものもあり、 このことはスケーリ ングによルコンクリ ート表層がlcmも消滅したこ とを意味している。また、 コンクリートの耐凍 害性を評価する試験 法として広く普及しているJIS試験を活用してのスケーリング評価の可能性を RILEM試験と比較す ることで検討したことをどを 述べている。これにより、 塩水による凍結融解 を受けるコンクリー トは夏季の維持管理によっては構造材料としてのかぶルコンクリートが無カ化 するほどの深いスケ ーリングをどの凍害を受ける可能性を述べるとともに、夏季の維持管理とくに 排水状況の改善をど によルコンクリートの対凍害抵抗性を向上させることも可能であることを述べ ている。

  第8章は、本論文 の総括であり、本研究によっ て得られた結果をまとめ、 結論を述べるととも に、今後の展望について述べている。

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学 位 論 文 審 査 の要 旨 主査   准教授   堀口   敬 副査   教授   千歩   修 副査   教授   杉山隆文

副査   教授   鮎田耕一(北見工業大学)

学 位 論 文 題 名

塩 分 環 境 下 に お け る 寒 冷 地 道 路 橋 コ ン クリ ー ト の      耐 凍 害 性 に 関 す る 研 究

  コンクリ ートの耐凍害性に関する研究は国内外において古くから実施されており、それほど新し い研究では をい。特に寒冷地地方におけるコンクリート構造物では耐凍害性を考慮することは必要 不可欠の項 目である。ところが、構造物の安全性と凍害との直接的を関係は明確ではをく、凍害が 構造物の安 全性に大き誼脅威を及ばすことを指摘する研究は少をい。さらに、近年急増する凍結防 止剤・融雪 剤の使用により、塩分環境下におけるコンクリート構造物の凍害が顕在化し、寒冷地に おけるコン クリート構造物の安全性が危 惧されている。

  本論文は 、凍害と塩害を同時に受ける寒冷地のコンクリート構造物、特に道路橋コンクリートの 耐久性向上 を目的とした一連の研究である。著者の長年の道路橋の施工と維持管理に関する貴重を 研究成果を まとめ、さらにコンクリートの実環境に即した塩分環境下の凍結融解抵抗性について詳 しく検討し た研究成果を纏めたものであ る。

  本論文は8章から構成され、2章から6章は著者の長年にわたる研究 成果を纏めたものであり、

コンクリー ト実構造物の耐久性向上に関 する経験的研究成果が纏められている。続く7章では、こ れらの成果 をもとに、新た放視点でコンクリートの耐凍害性を検討したものである。その詳細を纏 めると以下 のようにをる。

  第1章では 、本論文の目的、論文の概 要について述べている。

  第2章では 、これまで海岸部にのみ見 られた塩分環境によるコンクリートの凍害の激化が内陸部 にも広まっ た社会的橡原因である凍結防止剤について、その効果と限界が凍結防止剤の種類にかか わらずにモ ル濃度により決まることを明 らかにしている。

  第3章で は、 寒冷 地の 既 設PC橋の 解体 調査 結 果から、PC鋼材の腐 食はコンクリート表面のひ びわれと密 接に関連しており、ひびわれ の無い箇所ではPC鋼材の腐 食は発見されをかったことを 示し、寒冷 地の既設PC橋の塩害対策を考 えるには、かぶルコンクリ ―トの品質向上に重点を置く べきである ことを述べている。

  第4章では 、寒冷地道路橋コンクリー トに対してエポキシ樹脂被覆鉄筋の適用を検討したもので ある。保護 材料としてのかぶルコンクリートに頼ることをく鉄筋を腐食から守るためにエポキシ樹

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脂被覆鉄筋を用いることは、鉄筋を拘束する構造材料としてのかぶルコンクリートに頼ることにを るという矛盾を明らかにしている。

  第5章 では、 寒冷地 海岸PC橋 である 大森大橋に関するケーススタディー研究を纏めたものであ る。大森大橋の施工途中に道路橋の塩害対策指針(案)が出され、塗装鉄筋とコンクリート塗装に より対応することとをり、第4章の研究結果と現地試験施結果を考慮して実際の工事を行った。床 版には、床版上面からの塩害防止と床版コンクリートの耐凍害性確保のため、全面に亘って防水工 を施工 した。 その後、約20年後の解体調査の結果、塗装鉄筋とコンクリート塗装ともに塩害対策 として有効であったことが確認された。

  第6章では、コンクリート表層部の耐凍害性の改善を図るために有孔布張型枠を用いて、プリー ジング水や空気を効果的に排出する試験施工を行い、これにより、コンクリート構造物の傾斜面の ように気泡ア′ヾタの多い表層コンクリートの品質を有孔布張型枠により改善し耐凍害性を向上させ ることが有効であることを明らかにしている。

  第7章では、コンクリートの凍害劣化に、塩水の有無や夏場の維持管理がどのように影響するか を調べるため凍結融解試験の途中に乾燥状況や湿潤状況を挟み込む実験を行った。その結果、乾燥 状況を挟み込む実験では耐凍害性は向上したが、湿潤状況を挟み込む実験では凍害劣化を激化させ た。この傾向は特に塩水環境において顕著を劣化を示した。また、コンクリートの耐凍害性を評価 する試験法として広く普及しているJIS試験によるスケーリング評価の可能性を示した。夏季の維 持管理とくに排水状況の改善などによルコンクリートの耐凍害性を向上させることが可能であるこ とを示している。

  第8章は、本論文の総括であり、本研究で得られた結果をまとめ、結論を述べるとともに、今後 の展望について述べている。

  これを要するに、著者は、寒冷地におけるコンクリート構造物の耐久性向上に不可欠を塩分環境 下の道路橋コンクリートの凍結融解作用の解明とその改善対策、かぶルコンクリートの品質が耐久 性に及ばす重要性を指摘し、さらに年間を通じての排水対策がコンクリート構造物の耐凍害対策に 有効であることを実験的に明らかにしたものである。コンクリート工学および構造物の維持管理工 学の発展に寄与するところ大をるものがある。

  よ っ て 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 (工 学 ) の 学位 を 授 与 され る 資 格 ある も の と 認め る 。

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参照

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