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(1)

       平成24年度修士論文

目地を有する建築外壁仕上材料の汚染とその洗浄方法に関する研究

     博陳

首都大学㌶市環境科学研究科都市環境科学専攻建築学域

11886419櫻田律子 指導教授 橘高義典

(2)

目次

第1章 序論

1,1研究の背景と目的 1.2研究の概要 1.3結果の概要 1−4論文の構成 1.5既往の研究

  … P.2   … P.3   … P13   … P.4

… p.5〜12

第2章 高圧洗浄の概要 2.1はじめに

2.2高圧洗浄に関する用語 2.3設定水圧とその使用目的

2.4建築工事での高圧洗浄機の使用範囲 参考文献

   … P.14

…    p.14〜16    … P.17    … P.18   … P.19

第3章 シーリング目地を有する仕上材料の汚染の測定方法 3.1はじめに

3.2試験体表面の明度測定 3.3補正

3.4 明度低下率

… P.21

… P.22

… P.23

… P.24

第4章 シーリング目地を有するタイル試験体の15年間の屋外暴露による      表面の汚染性状

41はじめに      … p.26 4.2実験概要      … p.26 43測色概要      … p.27 4.4試験結果および考察      …  p.28〜38 まとめ       …p.39 参考文献       … pp.40

第5章 高圧洗浄機によるシーリング汚染の回復性に関する研究 5.1暴露実験概要

5.2洗浄実験概要

5,3洗浄面の圧力測定実験

…    p.42〜43

…    p.44〜46

(3)

5.5 高圧洗浄機による汚染の除去効果予測式 … p.61〜67

第6章 結論

6.結論 参考文献

…  P.69

…  P.70

謝辞

(4)

第1章

序論

(5)

1.1本研究の背景と目的

 既存建物の補修・改修を行レ),長期供用を図る際,建築外壁面の汚れは建物の美観の観点から 大きな弊害となる。また,近年,外装材料の一部として使用される太陽光パネルや,クールルー フなどと称され建物の熱負荷低減効果のある高い反射率を有する塗料外装面などでは,表面の汚 ればその機能を大きく低下させる。さらには,今回の福島第一原子力発電所の事故のように,放 射性汚染物質によって外壁面が汚染されると住環境に大きな影響を及ぼす。すなわち、外壁汚染 は、印象の問題だけではなく、日々の生活の経済・健康状態にも密接に関係している。

 ところで、建築物の外壁仕上材料の中でも、特にシーリング目地を有する外壁仕上材料は汚れ が問題となりやすい。シーリング目地を有する外壁仕上材料の汚染の原因は,降雨によってシー リング目地からの可塑剤が外壁表面に広がり,そこに空気中の塵挨などが付着することである。

しかしながら、シーリング目地を有する外壁仕上材料の汚染については不明な点が多い。

 また、仕上材料の汚染物質の除去方法には水による高圧洗浄がある。高圧洗浄は薬剤を用いた 洗浄とは異なり環境への影響が少なく,作業従事者にとっても無害な方法である。さらに、建物 を傷めにくく、歴史的価値の高い古い建物の修復の際にも使用しやすい方法であるため、今後よ り一層利用されてゆくと考えられる。高圧洗浄の効果に影響を与える要因の一つとして洗浄面圧 力が挙げられ,高圧洗浄機,ノズル,洗浄距離が大きく影響しているという報告があるが,実際 の洗浄条件と汚染の除去効果との関係についての研究は少ない。

 本論文では,シーリング目地を有する外壁仕上材料の汚染について,屋外暴露によりその実情 を把握するとともに,定期的な高圧洗浄を行い洗浄条件と汚染の除去効果との関係を把握し,汚 染の程度の予測方法を提案することを目的とする。

(6)

1.2.研究の概要

 本研究では、シーリング目地とその周辺の外壁仕上材表面を範囲として実験を行い、仕上材の 汚染状況を、詳細に把握した。その方法として、対象範囲内を、実大での3mm間隔で縦横方向 に明度測定し、汚染を明度値だけでなく、汚染部面積、コントラスト、形状という因子も含めて 評価できる方法を提案した。その後、15年間長期暴露したシーリング目地を有するタイル試験 体の汚染の状況を把握、また、シーリング目地を有する仕上材を、5ヶ月の間で暴露・洗浄実験

を繰り返し、洗浄前後での汚染状況の違いを明度分布で把握した。さらに、明度の変化量の比で ある、回復率で、目地の上下・仕上材の種類・洗浄条件ごとでの洗浄効果の違いを評価した。

1.3.結果の概要

 15年間長期暴露したシーリング目地を有するタイル試験体の表面は、シリコーン系シーリン グ材を用いた試験体は、他のシーリング材と比較して、外壁汚染に対する汚影響が大きいこと、

また、シリコーン系シーリング材を用いた場合、目地条件の違いによって、汚染形態が異なる結 果となった。試験体表面の写真と、提案した測色方法によられた明度分布図は類似し、画像デー タ取り込みおよびそれを用いた明度分布の定量的な分析は有効と言える結果が得られた。

 シリコーン系シーリング材を有する試験体を5ヵ月間屋外暴露し、高圧洗浄を行った場合、

目地の上下・仕上材の種類・設定水圧・洗浄回数ごとに汚染状況に違いが見られた。まず、比較 的高い設定水圧にした場合でも、1回の洗浄で落ちる汚れの量には限度があり、洗浄の回数を増 やすことで、より多くの汚れが落とせる、ということ、また、設定水圧が高くなるほど、洗浄効 果が高くなる、という結果となった。

 得られた結果より、目地の上下・仕上材の種類・設定水圧別に洗浄効果予測式を提案した。

(7)

1−4論文の構成

 第1章r序論」では,研究の背景と目的,シーリング汚染および,汚染の回復性に関する既 往の研究について述べた。

 第2章r高圧洗浄の概要」では,高圧洗浄に関する用語の説明および,設定水圧と使用目的 との関係,福島県で行われている除染の現状や問題点について述べた。

 第3章「シーリング目地を有する仕上材料の汚染の測定方法」では,試験体表面の明度分布 をシーリング目地との位置関係から詳細に把握し,汚染の状態を把握する方法を提案した。

 第4章「シーリング目地を有するタイル試験体の15年間の屋外暴露による表面の汚染性状」

では、第3章で提案した明度測色方法を用い、シーリング目地を有するタイル試験体について,

暴露期間15年という長期の暴露試験を行い,第3章で提案した明度測定方法を用いて,詳細に 把握し、考察を述べた。

 第5章「シーリング目地を有する仕上材料の高圧洗浄による汚染の回復性」では,高圧洗浄 機による,シーリング汚染の除去効果を把握することを目的とし、暴露・洗浄繰り返し実験を5 ヶ月間行った場合での実験方法および実験結果について述べた。また、実際の洗浄面圧力を測定 する方法の提案についても述べた。その後、得られた実験結果より、洗浄効果を表す回復率を算 出し,高圧洗浄による汚染の除去効果予測式を提案した。

 第6章「結論」では、本研究で得られた知見をまとめた。

4

(8)

1.5.1外壁面の汚染に関する既往の研究

■比企規恭、橘高義典、山本康弘、本間礼人、宮内博之:外装仕上材の汚染に及ぼすシーリング 材の影響一目地条件およびシーリング材の種類の検討一,日本建築学会学術講演梗概集,A−1,

材料施工,pp.1045−1046.1996 研究概要

 外装仕上材の汚染は、シーリング材が大きな原因となっている。また、その汚染形態は、シー リング目地の形状によるところが大きい。そこで、筆者らは、まず、従来の色差計では不可能で あった、試料全面の不均一な汚染の状態を把握できる方法として、スキャナーを用いた画像解析 システムによる測色方法を提案した。次に、目地形状およびシーリング材、タイル仕上材の種類 を変化させた試験体について屋外暴露試験を行い、仕上材の汚染の状態を比較している。その結 果、目地からの距離別に汚染の状態を把握し、目地が深くなるほど仕上材表面は汚染されにくく なること、また、仕上材の下部が汚れやすくなる、と結論付けている。

試験体(タイル試料)

\レ

画像入力装置(スキャナー)

C R T ホストコンピューター 記憶装置

\レ

画像解析ソフト

画像解析ソフト上での明度値L*

<・一一…一一一一一一一一一一一一一一一

真の明度L*

明度分布

図一1スキャナーを用いた画像解析システム

実験概要

 目地幅は、5,10,15mm、目地深さについては、0,3,6mmのそれぞれ3種類、シーリング 材については、一般的に使用されている2成分形シリコーン系と、それに汚染防止剤を塗布した

もの、外壁表面への汚染が少ないとされる、ポリサルファイド系の3種類としている。仕上材に はタイルを使用し、標準的な磁器質タイル(マット和)、多孔質の石器質タイル、高い光沢の磁 器質タイル(ブライト紬)の3種類としてレ)る。以下に、試験体条件と、使用材料を示す。

(9)

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蝿難曲 w

d:目地深さ w:日地幅

←一シ.リ州苫瓜.ライト板

240 81∫一10

シーリング材セメントパ.ライト板

図一2試験体の形状と寸法 華位1㎜

N oo卜

35。

10001∩∩∩

図一3 暴露の様子 単位:㎜

表一1使用材料一覧

シー リン グ材 仕上

SR1シリコーン  (2成分形)

Zm:

SRolシリコーン系(2成分形)

    十汚染防止剤 Ck:せっき質タイル   (無利)

PS1ポリサルファイド系 Zb:磁器質タイル  (ブライト熱〕

他言㎜

地。さmm シーリング

±上

10 8 Zm

2 0 Zm

3 5 0 SR Zm

一2 4 10

0 SR Zm

5 15

0 SR Zm

試験 の 件 6 7 8 9

5 10 15 5

3 3 3 6

SR  SR  SR  SR Zm  Zm  Zm  Z01

10 10 6 SR Zm

11 15 6

SR Zm

12 10 0 SRo

Zm 13 10 0 PS Zm

14 10 0 SR Ck

15 10 SR Zb

6

(10)

■橘高義典:外壁仕上材料の汚染促進結果の数式化,日本建築学会学術講演梗概集,A−1,材料 施工,PP.383・384.1986

研究概要

 筆者は、この研究を行う前に、外壁仕上材料の汚染の促進方法を考案し、検証を行うことで、

屋外暴露試験との対応は妥当である、としている。その上で、促進試験での試験サイクルと汚染 の程度との関係を定量的に表す方法を、材料表面の付着粒子の占有面積を使用することで検討し ている。これによって、促進試験を行うことで、各種外壁仕上材料の汚染の進行の特徴を把握で きるようになること、また、実際の汚染の経時変化を推定するための基礎的資料が得られる、と 結論付けている。汚染の程度を表す物理量は、促進試験前後の材料表面の測色値の平均(Y;X,Z)

より求まる色差としている。

外壁仕上材料の屋外暴露実験の結果 =    外壁仕上材料の促進試験での結果

促進試験による汚染の理論式を提案

促進試験での汚染の結果に沿うように理論式中の係数を決定 し、仕上材ごとに固有の汚染促進試験結果の予測式を得る

予測式から得られた各サイクルごとの理論値と、促進試験結果 を比較することで、予測式の妥当性を確認

予測式から、実際に屋外暴露した場合の仕上材の汚染結果を予 測することが可能となる

図一4研究のイメージ

促進試験による仕上材料の汚染の予測式

 試験サイクルがnでの材料表面の付着粒子の占有面積率をNnとし、最終的な飽和面積率を Mとすると、1サイクルでの試験での占有面積の増加量は、まだ粒子の占有していない面積に比 例すると仮定すると、

(11)

(1)式を変形すると、

      N。= 一1M(1−k)n+ lM[…  (2)

ここで、K=1−kとし、汚染定数と定義する。

また、付着粒子の占有面積率がxのときの材料表面の反射率の平均値R、は、以下の(3)式で 近似できる。

       R、= (1−x)・Ro + x・Rp…  (3)

ここで、Roは材料自体の、R。は付着粒子の反射率である。

以上の(1)、(2)式のxをN。、Mに、Rを測色の平均値(Y;X,Z)としたときの(3)式を(2)

式に代入し、整理することで、以下の式が得られる。

       Y、=Ym+(Yo−Ym) K皿…   (4)

       X、=Xm+(Xo−Xm)・Kn…   (5)

       Z、=Zm+(Zo−Zm)・Kn …   (6)

任意のサイクルnでの測色値(Y。,X、,Z、)は、一 「汚染状態での測色値(Yo,Xo,Zo)、定常状態での 測色値(Ym,Xm,Zm)、汚染係数Kで表せる。汚染の程度の色差(∠lE)は、Hunterの色差式に代 入し、求める。

(12)

1.5.2洗浄効果に関する既往の研究

■大内秀幸,橘高義典,上村克郎,小西敏正:建築外壁材料の汚染に関する研究(その2)材料 の汚染と回復性について,日本建築学会大会学術講演梗概集,No.1354,pp.707−708.1990.10

実験概要

 筆者らは、建物の外壁仕上材料の耐汚染性の評価は、汚染物質の付着性だけでなく、雨などに よる洗浄効果の高さ(回復性)も重要であるとし、塵挨を含んだ気流の作用による汚染と、水滴 の洗浄作用による回復性について、試験装置を使用して検討を行っている。その結果、洗浄力が 一定の場合、洗浄による汚染の回復性は、材料によって異なること、回復率は洗浄回数によらず、

ほぼ一定になること、表面が荒い仕上材は汚染物質が付着しやすいと同時に、洗浄によって落ち やすい、と述べている。また、得られた結果から、各材料の汚染の進行および回復率を定式化し

た。

一定の洗浄力で洗浄した場合での、

 汚染の回復率の理論式を提案

一一一■■一一一・一■一一一一■■一一■一■一一一・一■■■■一一・一・一一■■一

試験装置で各仕上材を促進汚染

促進汚染後の仕上材表面の汚染状況をY値で評価

試験装置で各仕上材を一定の洗浄力で洗浄

洗浄後の仕上材表面の汚染状況をY値で評価

一一一一一一一■一一一一一・一一一一一

促進汚染の進行と一定の洗浄力で洗浄した場合での汚染の回復 ヲの傾向を把握し、仕上村別に予測式を立てる

図一5研究のイメージ

一定の洗浄力の場合での汚染の回復率

 洗浄後の汚染物質の占有面積率N、は、回復率Zが一定の場合、

N.k= Nn 一(Nn−N.k.1)・Z ...(1)

N昌k:洗浄後の占有面積率

また、占有面積率xと、仕上材表面の反射率Y。との関係は、

(13)

         Yo:材料自体の反射率Y。:付着粒子の反射率

以上から、以下の式が得られる。

      Y.k=(Y.k.1−Yn)・Z+Yn …  (3)

       Z:回復率

表一3各仕上材のK,Y凪,Z

A 8 C D E F

K o.994 O.995 0.993 0.993 0.995 0.994

Yl■ 35.8 44,4 62,1 57.2 49,6 56.2

Z 0.504 0.483 o.292 O.296 0.422 0.317

G H I J ・〈 L

・〈 O.995 0.994 0.995 0.995 0.995 0.994 0.O 40.4 54.2 0.0 32,0 o.o

Z 0.830 0.573 0.310 0.699 0.359 0.783

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図一5

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暴露・洗浄繰り返し実験

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(14)

■天野賢治,橘高義典,上村克郎,小西敏正:建築外壁材料の汚染とその回復性の評価について,

日本建築学会大会学術講演梗概集,No.ユ177,pp.353−354.1991.9 実験概要

 筆者らは、促進試験機を用い、雨による試験体表面の汚染の回復性を、洗浄力を変化させて検 討した。洗浄条件は、弱雨、並雨、強雨、豪雨を想定した4条件とし、香水郷土、試料受水量 をそれぞれ変えて洗浄した。その結果、回復率と降水強度の対数とに比例の関係があること、汚 染が回復する最低の強度によって、各仕上村別の汚染の回復性の評価を行っている。

試験装置で各仕上材を促進汚染

促進汚染後の仕上材表面の汚染状況をY値で評価

試験装置で各仕上材を4種類の洗浄力で洗浄

洗浄後の仕上材表面の汚染状況をY値で評価

洗浄力を変えて洗浄した場合での、汚染の回復率の傾向を把握し、仕上 コ別に設定水圧と回復率との算定式を立てる

回復性係数と回復限界香水郷土Rmによって、各仕上材の汚染の回復性を評価

図一6研究のイメージ

降水強度と回復率との関係

Z=a+b・1ogR R:降水強度 表一4仕上材の種類

記号 材質静 洗浄袴彼鍾

a R理

エマ肋竃ン系樹脂塗装 馬0,豆36 o.婁鮒 4。◎

Σ田。 無機寅微騰塗装 ③.雌2 0.098 ⑪.1

メタ刎脳艦販 刈.300 ◎1394 5,8

丁三五§ 嘩緒貿磁融タイル ⑪。o銅 O.30?

(15)

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図一7降水強度と回復率との関係

12

(16)

  第2章

高圧洗浄の概要

(17)

2.1はじめに

 高圧洗浄機は、非常に多くの場所で使用されている。その用途に合わせて、適切な設定水圧・

洗浄機の大きさは異なる。たとえば、一般家庭で日常的に掃除などに使用する場合は、ホームセ ンターなどで購入できる家庭用のもの、ビルなどの外壁洗浄を行う際には、洗浄業者に依頼し、

高圧洗浄車で洗浄するのが一般的だ。また、福島県では、2011年3月11日に発生した福島第 一原発事故に伴い、大量に飛散した、放射性物質セシウムー134(134Cs)とセシウムー137(137Cs)

の除染作業が急務となっているが、なかなか進まない。その原因は、ある地点での空間線量値が 高いからといって、その部分だけを除染すれば線量が下がる、という訳ではない。なぜならば、

放射線は、周辺にある放射性物質から四方八方に飛び出していること、また、粒径がα3㎜と 非常に小さいため、肉眼で確認することができないからである。

 様々な除染方法が提案されているが、できるだけ速く、広く、多く、安く、汚染を除去する高 圧洗浄という手段は、有用な手段であると考えられる。

2.2高圧洗浄機に関する用語

 以下に、高圧洗浄に関する用語について示す。

1.高圧洗浄機1)

 モーターなどを活用することで水に圧力をかけて強い水流を使って汚れ などを落とす  機械。長時間にわたって高圧水を噴射、またはその圧力を調整することができる機械。家  庭で用いられるハンディタイプのものから、洗浄業者が所有する洗浄車タイプまで、洗浄  の用途に合わせて、大きさは様々である。

ハンディタイプ 業務用(レンタル)

図一8高圧洗浄機の種類

業務用(洗浄業者が所有)

2.高圧水洗浄

 設定水圧10〜50MPaで洗浄する場合を指す。

3.超高圧水洗浄

  設定水圧150MPa以上で洗浄する場合を指す。道路など、土木構造物の洗浄に使用され

14

(18)

る場合が多い。

4.設定水圧

  洗浄機で設定した圧力。水は、洗浄機の中にある、水タンクおよび高圧水ポンプと呼ばれ   るタンクで圧力をかけられ、押し出されることで、水ホース先端のノズルから噴射される。

  しかし、噴射された後は、水の勢いは減衰するため、水タンクで圧力をかけられた時の水   圧と、実際に洗浄面に到達する場合の水圧は異なると考えられている。

5.ノズルから洗浄面までの距離

  ノズルから洗浄面までの距離は、一般的に30cm以下にするのが望ましいとされているよ   うたが、作業者にできるだけ負荷がかからない姿勢で洗浄すると、60㎝程度になること   が多いと思われる。

表一5ノズルの種類3,

ノズル上∵一

d:ノズルから洗浄面までの距離

図一9洗浄の様子

ノズルの種類

高圧水噴出  一ξ 高圧水軌道

@の断面

直進型

扇形25。

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扇形40。 一<

サイクロン型  ○ ャ出口が回転

   一

@●)  、・

軌道を描く

6.水量

  水量が多いメリットは、広角での高圧洗浄が可能で、同時に広い範囲に強い圧力をかける   ことができ、洗浄時間も短縮されること。しかし、水量が多い分、周辺に水がたまりやす   いため、排水についても注意することが必要。

7.温度

  設定温度が高くなるほど汚れは落ちやすくなる、と言われる一方で、外壁面を傷める可能  性がある。

(19)

8.除染

 本来は、「汚れを落とす」という意味で使用されていたが、福島第一原発事故の発生以降   は、「放射線の量を減らす」という意味で使用されている。除染は、放射性物質が付着し  ている士や草木などを「取りのぞく」、取りのぞいた士や草木などを袋に入れ、土やコン   クリートで囲い放射線の影響を「さえぎる」、仮置場など、放射性物質を管理する所から  住居などを「離す」、という3つの作業を安全に行って完了する、という考え方。高圧洗  浄は、「取りのぞく」という作業で使用される。除染の第一の目的は、空間線量率で計測   される外部被ばくを避けることである。

9.単位

  高圧洗浄機の設定水圧の単位は、MPaが広く用いられている。1MPa=1N/㎜2=1O.2   kg眈m2=10bar。

lO.洗浄効率

  「洗浄効率が高い」とは、短時間に、簡単に、きれいにできることである2)。汚れを効率  よくきれいにするためにするために重要な因子は、ノズル、圧力、温度、洗剤、水量と言  われている。外壁面に当たった時の水の衝撃力が高いほど、汚染物質は剥がれやすくなり、

 また、一度剥がれた汚染物質が外壁表面に再付着しないよう、十分な水量で洗い流す必要  がある。そのため、汚染物質をはがすには、設定水圧は高く、水量は多くすれば良いが、

 それと同時に、洗浄水の反力が負荷となって、作業者にかかる。これによって、作業者は、

 疲労感、ならびに、高所での作業では、転落の危険性というストレスと戦いながら、長時  間洗浄作業を行わねばならない。そこで、必要以上に高い設定水圧・水量を使用するので  はなく、「最小のエネルギーで汚れを落とせること」が、洗浄効率を高めるために重要だと  考える。図一10に床の洗浄の様子、図11一に屋根の洗浄を示す。

図一10床の洗浄の様子 図一11屋根の洗浄

16

(20)

 2.3設定水圧と用途との関係

 用途と設定水圧との関係を示す。一般家庭で使用する際の設定水圧は、0〜7.5MPaである。

自動車や制作機械用の洗浄機の場合は、6〜8MPaである。それに比べ、外壁洗浄・建築工事に かかわる設定水圧は、15〜250MPaまで4)と、幅広い。通常の、外壁汚染の洗浄では、15〜20MPa であるが、放射性物質の除染の場合、最大限度は50MPaまでに引き上げられる5)。これは、放 射性物質が外壁表面の内部に潜り込んでいる6)、ということから、外壁表面を薄く削る、という

ことを意図した設定だと考えられる。また、設定水圧30MPa以上では、洗浄資格が必要となる。

すなわち、建物に付着している放射性物質は、住民が、自分で除染することは不可能である、と 考えられ、除染作業がなかなか進まない原因の一つであると考えられる。

0 2   6 8     15      30        45   50   80         150

■ †1

   機  責雀

ボ1 1

→   寡凄

       必        害

…一¥一二一十一  一十…

111 111

  三雲音

  τ壌習__→

  ン  す   )

 200  250

■ ・十

一二 鉄ク 筋リ 撮トを1 ε嚢 な物

養嚢_→

放射性物質の除染

図一12用途と設定水圧との関係(数字の単位はMPa)

(21)

2.4建築工事での高圧洗浄機の使用範囲

 表一6に、建築工事での高圧洗浄機の主な使用範囲を示す。洗浄対象物は、金属・石・コンク リートなど、比較的硬い素材でできているものが多い。また、汚れの種類は、油・塗料などの有 機物、石粉・コンクリート・さびなどの無機物を対象としている2)。

表一6建築工事での高圧洗浄機の主な使用範囲 洗与対  および   赤 ;れの 類 アスファルトフィニッシャー

タイヤショベル

建設 ブルドーザー ASタール類、さび、

機械 油圧ショベル 泥、石粉、土砂、油

ダンプトラック 脂、コンクリート

コンクリートポンプ車 コンクリートホッパー

劣化コンクリート、か コンクリート構造物 び、水垢、挨、挨汚 コンクリートの下地構造物 れ、シミ、劣化塗装 補修関係 石・コンクリート製彫刻物 膜、ペイント塗料、ス

構築物(貯蔵庫など) プレー・ペンキ(落書 きなど)、排煙汚れ、

油汚れ

コンクリート打継目処理 コンクリートレイタン 岩盤清掃・軟弱部分除去 ス、岩盤付着土砂、劣

施工関係 鉄筋清掃 化岩、泥、さび

アスファルトフィニッシャー タイヤショベル

ブルドーザー ASタール類、さび、

建築機械 油圧ショベル 泥、石粉、土砂、

ダンプトラック 油脂、コンクリート

コンクリートポンプ車 コンクリートホッパー

建築資材 型枠 コンクリート、

・機材 足場材

鋼材 モルタル、土砂、さび

18

(22)

参考文献

1)ケルヒャージャパンホームページ http:〃wwwkarchercojp/jp/Home.htm

2)(有)北山産業ホームページ

http:〃faceto.com/kitasan/good−s/SC/tim.htm

3)杉田敬太郎,吉田真悟,富田裕一,岡本肇,高橋拡:高圧洗浄の洗浄面圧力に関する研究,日 本建築仕上学会学術講演会梗概集,No.2369.2012

4)(株)アシレ 高圧洗浄車パンフレット

5)除染のガイドライン 環境省

6)中山真一:生活環境の除染,建築雑誌vo1,128,No.1640,pp.51−52.2013.1

(23)

      第3章

シーリング目地を有する仕上材料の     汚染の測定方法

(24)

3.1.はじめに

 図一1に汚染の評価方法の概念図,図一2に試験体表面の測色イメージを示す。仕上材表面の 汚染の程度は,明度値によって評価される。色差計を用いて得られた,仕上材表面の数か所の明 度の平均値で,仕上材表面の汚染の程度を評価する方法は多くの研究で用いられてきた。しかし,

美観という観点からの汚染の評価は,明度値だけでなく,汚染部面積,コントラスト,形状の複 雑さ,という因子も影響している。また,外壁面の汚染形態は,壁面形態やその周辺に存在する 建築材料の影響を受ける。以上の理由から,仕上材表面の汚染状況を把握するためには,仕上材 表面全体の明度を,周辺からの位置関係と共に把握する必要がある。

 今回提案した方法では,スキャナーによる画像解析手法1)を応用し,測色単位面積をmm単位 で細かく設定することで,あらゆる位置の明度値を測定し,仕上材表面の汚染の状況を,縦横無 尽に,詳細に把握でき,さらに,試験体全体の測色が,1つの試験体あたり1回で済むため,複数 回測色することによって試験表面が傷む心配が軽減され,より精度の高い測色データを得るこ

とが可能である。

外壁仕上材料試験体 長尾試験体

画像入力装■(スキャナー)

ホストコンピューター 記憶装置

画像解析ソフト

測色部分を設定ピクセル 1・画像変換

ピクセル単位での明度分 データL..

↓<一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一[壷コ

真の明度L.

明度低下率     明度分布 各明度値の度散分布

図一13汚染の評価方法の概念図

蔵章乏

1..

(25)

3.2試験体表面の明度測定

 まず、試験体の表面を高性能スキャナーで画像処理ソフトに取り込み、試験体表面の3㎜四 方のマス目の平均明度を縦横全方向に渡って測定した。また試験体と同時にあらかじめγ一刺激 値を色差計で計測したグレースケール(JIS Z8721)を取り込み、画像処理で得られる値をγ一 刺激値に変換補正した。尚、測定の度にスキャナーと試験体全体を布で覆うことでスキャナー の蓋と読み取り面の隙間から周囲の光が入り込むのを防いだ。また、試験体表面でスキャナー のガラス面を傷つけるのを防ぐため、間に保護膜として透明のアクリルシートを敷いた。

図一15測色の様子

図一16画像処理ソフト上での試験体画像

22

(26)

3.3補正

 また,画像解析ソフト上の明度値と,試験体表面上の真の明度値に誤差が生じることから,試 験体計測時に,グレースケール(JIS Z8721)を同時に写し込み,画像で得られるグレースケ ールの明度値からγ一刺激値に変換し補正曲線を求めた。

1.標準色票(JISZ8721)のグレースケールを保護膜のあるものとないものとで2度測色し、

それぞれの明度の測定値を求めて関係式を導く。図3−5にその式を示す。

300 250 」200

、150

=、

ト100

50 0

「…c

  …

凵。一 B.X− @1  …

0 50     100     150     200     250

    アクリル有り

図一17 アクリル有りとアクリル無しの関係

2.1.を経た、画像処理ソフト上で得られたしm* 値(255階調)から以下の式によってL*

値と同じ階調(100階調)に補正する。

Lm*=(100/255)×Lm*

3.各試験体の測定ごとに、共に読み取った標準色票のグレースケールにより、Lm*値を測定   し、色票より得られる真のL*値との関係をそれぞれ求め、補正式を得る。

以上の手順により、γ一刺激値を得た。

(27)

3−4明度低下率

 取り込み画像より,試験体表面の測色範囲の部分を切り取り,ピクセル数を指定して画像変換 し,ピクセル単位での明度を測定し,試験体表面の明度分布を求めた。今回は,3mm間隔で縦 横方向に測定した。その後,得られた試験体表面の明度分布を,視覚化するため,描画ソフトを 用いて明度度分布図を作製した。また,仕上材は,それぞれ元々の明度値がそれぞれ異なるため,

暴露開始前のγ一刺激値を乃,暴露試験後のγ一刺激値をγとし,明度低下率=(乃一η/月 とし,汚染の指標とした。汚染とシーリング目地との位置関係を把握するため,シーリング目地 から等距離にある部分の明度低下率を平均化した。以上の方法から,仕上材表面における,各明 度値が占める面積と,各明度値同志の位置関係により,汚染の状況を定量化した。

明度変化率∠lLm

二Lmω∴×(γ㌦)/い)

暴露目1』の明度       暴露m週目の明度

。.1』一

一1一鼈鼈黶 C1

ll GllIlll一 .l戟D

〕.

巧(ij)

ll ll. 1−

P 1,

h.

1一

K

(i,j)

図一18明度低下率

24

(28)

        第4章

シーリング目地を有するタイル試験体の      屋外暴露結果の測定

(29)

4.シーリング目地を有するタイル試験体の屋外暴露結果の測定 4.1 はじめに

 近年、建物への熱負荷低減のために、高い反射率を有する塗料を屋根やスラブに使用したり、

太陽光発電パネルを、外装材料の一部として屋根面に設置した場合、材料表面の汚染により機能 が低減することが懸念される。しかし、屋根という高所、かつ傾斜がついている場所で多用され ること、居住者が、機能性の低下を自覚しにくいことから、メンテナンスによる汚れの除去作業 が困難であると考えられ、目地材料の適切な仕様が求められる。そこで、今回は、3で提案した 方法を用いて,傾斜部分に施工される目地を有する外装材料の表面汚染の状態を把握することを

目的とし,シーリング目地を有するタイル試験体についての暴露期間15年暴露試験結果につい て1)詳細に把握した。

4.2実験概要

 図一18に試験体の形状と寸法,図一19に暴露の様子,表一7に使用材料一覧,表一8に試験体 条件を示す。試験体は水平面に対して35度となるように南面に暴露した。暴露場所は,東京都 立大学工学部棟(現首都大学東京9号館,RC進10層,八王子市南大沢)屋上とし,暴露期間 は1995年9月〜2010年9月の15年間である。試験体の条件は表一2に示す通りで,タイルの 種類は3種類,シーリング材は3条件,目地幅および目地深さの条件はそれぞれ3条件である。

・工

一  ■ 1

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I・、

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姜…

d1目地深さ

w:目地幅

1←rオ、...、一昔ナζトパーうイド編

240 8r−r10

     シーリング材セメントパ■ライト板 図一18試験体の形状と寸法 単位:㎜

N oo卜

35。

1∩∩(1000

図一19暴露の様子  単位:m

表一7使用材料一覧

SR:シリコーン  (2成分形)

Zm:

SRo=シリヲ粛誘餅分形)

Ck:せっき質タイル    (無紬)

PS:ポリサルファイド系 Zb蜴ハ鰍レ

26

(30)

表一8試験体の条件

地雷1㎜

目地.さ1㎜〕

シー1シグ

10 8 Zm

2 0 O Zm

3 5 0 SR Zm

4 10

0 SR Zm

5 15

0 SR Zm

6 5 3 SR Zm

7 1O

3 SR Zm

8 15

3 SR Zm

9 5 6 SR Zm

l 0

10 6 SR Zm

11 15 6 SR Zm

12 1O O

SRo Zm

13 1O 0 PS Zm

14 1O 0 SR Ck

15 1O O SR Zb

43測色概要

図一10に測色範囲を示す。第3章で提案した測色方法を用い、実大での3㎜間隔で縦横方 向に測定した。目地に接していないタイルの側面の縁から9mmの部分は計測対象外とした。

一つの試験体での測定箇所は中央のタイルが20・36箇所,4隅のタイルが1枚当たり17・33箇 所,両脇のタイルが1枚あたり20・13箇所で合計3484箇所となる。

測色範囲(周辺9㎜部分を除く)

図一20測色範囲

(31)

44測定結果および考察

  図一21に暴露期間15年での暴露試験後のタイル表面の明度低下率の総平均値を、図一5に 暴露期間15年の試験体の写真・縦横方向の明度変化率・明度分布図を示す。なお,No.1の試験 体は暴露期間中に破損したため暴露期間15年でのデータが得られていない。試験体の写真(左 上)と分布図(右下)とは類似しており,本手法による画像データ取り込みおよびそれを用いた 明度分布の定量的な分析は有効と言える。

50

明40

下30 平20

(%)1O

一Nωト岬①、OOO〇一Nωトα

OO蜆O㎝蜆O蜆蜆O蜆OOOOI    l    l    ・    I    1    .    .    l    I    I    I    I    I    I

OOOOOOωωω①⑦①OOOOI    1    1    1    1    1    1    1    1    1    ・    1    l    l    .

…胃 捕I 男  男  男 覧 男  男  男  男  男  8 易  男  男

1    1    I    I    I    l    l    l    l    l    l    l    I    l    l

昌ヨ昌ヨコ昌昌昌昌昌昌昌彗π〇一

 記号の説明(上から) 試験体番号一目地床さ一シーリング種類一タイル種類 図一21シーリング材及び仕上げ材による明度低下率比較

44−1シーリング材の影響

 暴露期間15年の場合、シリコーン系シーリング材を使用しなかった場合(No.2)の明度低下 率の総平均値は、約4%であるのに対し、シリコーン系シーリング材を使用した場合(No.4)は,

約45%となり、激しく汚染されている。また、シリコーン系シーリング材を使用した試験体(No,4)

の写真を見ると、タイルの下部に、水の表面張力で,滞留した水滴による,汚れの層が見られた り,シーリング目地の下部のタイル表面にはくさび状の汚れが生じたりと,複雑な汚染性状が目 視で確認できる。

 また、シリコーン系シーリング材を使用しなかった場合(No.2)とポリサルファイド系シー リング材を使用した試験体(No.13)の明度低下率の総平均値はいずれも約4%であり、両者の 写真からも、汚染は目立たない。すなわち、暴露期間15年において、ポリサルファイド系シー

リング材は、外壁面の汚染にほとんど関係しない、と言える。

 No,12は、シリコーン系シーリング材に汚染防止剤を塗布したものであるが、6ヶ月目におけ

28

(32)

る明度変化率は、シリコーン系(No.4)が約31%、シリコン系十汚染防止剤(No.12)が27%で あり、汚染防止剤を使用していない試験体の方が、明度変化率が高くなっている。一方で、15 年目における明度変化率は、シリコン系(試験体番号4)が約45%、シリコン系十汚染防止剤(試 験体番号12)が約46%であり、汚染防止剤を使用した試験体と、使用しなかった試験体とでは、

汚染の程度の差はほぼ見られなかった。汚染防止剤は、暴露初期では効果があったが、15年間 という長期間の暴露のうちに失われたと考えられる。No.12の写真でも、タイル下部に汚れの筋 やくさび形の汚染が見られることから、Nα4の試験体と汚染の状況はほぼ同じになっている。

 また、目地付近において、目地を設けなかった試験体(試験体番号2)では、タイル同士の接 着部分に汚染物質が溜まっていた。そのため、縦方向の明度変化率の値が、タイル同士の境界部 分で、値が大きくなっている。また、目地部分にポリサルファイドを使用した試験体番号13は、

縦方向・横方向の平均明度変化率において、目地付近で値が高くなった。これは、ポリサルファ イド系シーリング材が暴露期間15年の間に収縮し5)6)、目地深さができたことで目地部分に水が 溜まりやすくなり、目地とタイルの境界部分に汚染物質がたまりやすくなったため、と考えられ

る。

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