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第 二 十 七 巻 第 三 号

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(1)

!公益事業の制度経済学的研究1  

公益事業曾b−in⊆已琵e盟とは﹃われわれの生活に日常不可欠め用益を捏供する〟健の事業のことであって︑  

それは電笥ガス︑永道︑鉄道︑軌道︑自動車︑パス︑定期船︑定期航空郵便︑電信︑電話︑放送等の諸事業が  

︵琵1︶  

包托される﹄これ等公益事業と呼ばれる一連の企業群紅対する研究ほこれを経済学的︑技術的︑法律的︑乃至政治  

学的に行うことが出来る︒然し乍ら公益事業が人間の欲望を充足するところの用益 ︵琶くice∽︶又は用益財︵ゆer  

各eg邑s︶を生産し︑その用益又は用益財か二定の価格で販売する限りにおいて経済学竺部門である︒然し公    第二十七巻 第三号    公益事業本質諭  

言   ︻︑序  

ニ︑公益事業概念の生成  

三︑公益啓発の経済的特性  

四︑公益事業の本質  

五︑公益事業と公共事業  

ー 序   一盲   棉  柑  橘  七   三六  

(2)

益事業はその特性よりして法制的研究なくして完全なる経済的把握はあり得ない︒即ち公益事業には経済的法制的 

研究︵ecOn?紆ga−apprOaCF︶ が必要である︒   

かくて公益事業経済は広義の制度経済学管掌鼠邑E8n︒mi旦 の一分野である︒公益事業経済においてほ  

個人主義的自由競争と亭う正統派経済学の前授は不適当であり︑社会的習慣及び法制的諸制蕨が主賓前揖となる︒  

をれを要するに制渡経済学としての公益事業論はTbO貞︶抄On教授の指摘している如く﹃⁝⁝:常山にその制度的  

限界︵i邑it象Onai邑且を見出しこれを説明すること︑第二にこれらの法制的に規制せられた領域内において経  

︵註2︶  

済的諸要素が如何に作用し又ほ反作糊するかと言う相関関係を究明するにある︒﹄   

以上の方法論的視点に立ち︑公益事業を研究する軋当り︑われわれを混迷をさせるものほ公益事業の本質とその  

︵註3︶  

経済的特性の混同である︒筆者軋依れほ本質とほ本源的不変の性格であり︑経済的特性とほ制度的基盤の上に立つ  

可変的性格である︒涌者ほ時代に依り又国に依り変ることがないが︑後者ほ時代思潮及び制度的規制紅依り昇りう  

るものである︒   

本稿の目的は先づ公益事業概念の生成を歴史的に検証し︑現在制度の下にお・ガるその経済的特性を解明し︑然る  

後に公益事業のもつ不変的本質を抽出せんとするにある︒即ち慣習法時代における公益事業と現代における公益事  

尭とは勿論外見的に昆ハなるが︑その精神即ち社会がそれらの企某群を他の企業と区別して公益事業とした社会的時  

代的要論についてほ共通のものがあると考えられる︒これが公益事業の本質である︒しかして社会的︑制度的基盤  

の上に立つそⅥ他の性格ほその精神を薇う外被である︒聾者ほその精神を公益事業の本質とし︑その外被をその経  

済的特性とみるレしかして本稿においてほ第山に公益事業の不変的性格即ち本質と制度的基盤の上に立つ経済的特  

性とを区別し︑第二ぬ公益事業の本質基準と七ての定説である経済的必需性と独占性に対して再検討を加えた︒  

公益寧菜本質論   三七   

(3)

 公益事業概念の生成 ︑  

公益事葵なる用語ほ比較的最近の発生に属するけれども︑ある企業又ほ職業がその料金及び業務の条件紅関して  

帝殊な取扱い匿服すると言う考え方は非常に古く︑舌代に遡及することが出来る︒われわれほ先づ公益事業概念を  

英国における慣習法︵Pmm01−a阜︶軋求めることが出来る︒即ち当時理髪師︑外科医︑.旅館主︑製粉業者︑波止  

場経営者︑運輸業者等ほその業務の公益性なる敢を以て公共職業︵cOmmOゴ邑ings︶と呼ばれ︑料金及び業務に  

関して特別の取締りを受けた︒この事は後述するマン事件におけるウェイ寸裁判長の判決文の中紅次の如く引用せ    ︵註  1︶   られている︒  

ItFasbe2nC邑Omary叶nE最an=rOロー訂imm2mO邑﹀andlntbiscOuntry frOmitsfi邑cO−0旨atiOn:○    ︵註1︶ 公益事業学会規約第六条︒   ︿管︶拙稿﹁公益事業め法制的研究﹂香川大学﹁経済論攣軍手五巻解毒︵昭和二十七年︶讐弓  

TFOmpSOn︑W・C・andSmi声W・R∴2blicu−i書EcOnOmlcヂ﹈毎葦.p.p  

︿註3︶ 我国における︑公益事業の本質及び経済的特性に関する主要なる論文ほ次のものがある︒  

鳩山政道﹁公益野菜本質論﹂学会編﹁公益企業政策﹂︵昭和二八年︶  

小高春雄﹁公益事業の経営的特質﹂﹁公益事業研究﹂第二巻第二号  

確氷原次﹁公益事業の意義と特質﹂同第三巻勇一骨︒  

北 久.山﹁公益事業概念の成立と変遷﹂同第四巻第一号︒  

国弘員人﹁公益事業の経済的特性﹂同罪四巻第三号︒   第二十七巻 第三号  

(4)

reg已ate訂巧r坤es︸ COmヨOn Carri2rS−・訂ckmen−b昇2rS︑miers︸ W訂ユingeHS\innkee罵Hタ etC: and in sO dOing  

︷O fi舛a ma已両num Of cFarges tO be made fOr Se才ices rendered≠ aCCOmmOdatiOn﹀ and artic訂s sO︼d.  

又二ハ一三年の由ichくー開nee甘nd事件において︑ロンドンとケント問の船舶輸送業者は特にcOmmOn8rriers  

と呼ばれ同様の取締を受けたっ   

これ等の公温事業概念ほ米国紅おいても植民地時代より移植せられた︒例えば二七七五年においてパンの売価を  

定めたり︑各種労賃を定めた植民地立法をみることは稀くなかった︒特に陸上及び海上運輸業者は比較的厳重なる  

︵註2︶  

取締りを受けてぃた︒然し三三年戦争紅続く西漸進動泣に訂i笹針ふ腎e思想の惨透と共に︑公益事業概念ほ  

︵註3︶  

山噂滞らぎ︑近代的公益事業概念が成立した︑のほ山九世紀半過ぎ特に南北戦争八六一−五年∵前後であった︒   

山八大〇年より山八八〇年にかけて米国経済ほいわゆる農業国家よりエ業国家へ変貌しっ1ある時代であった︒  

しかして鉄道ほ連邦及び州政府の保護奨励を受けて急速なる発達をとげ︑農業経済と密接なる関連をみるに至っ  

た︒然し鉄道の経営ほその公益性を鯉祝し︑高率運賃︑差別待遇︑放伐な財政等仙般の不信をかうことが多かった︒  

丁鮮八七〇年代軋米国農村を襲った深刻な巌菜恐慌聴一種.の農民運動となりその鉾先ほ鉄道に向けられるに至っ  

た︒これが有名なGrangeぺmO諾mentである︒この運動ほ特に中西部及び南部諸州に強く起り︑その主眼ほ鉄道  

及び倉庫料金に向けられた︒この運動に呼応してイリノイ︑︑︑\ネソタ︑クイズコンレン聖二州は山八七山年より七  

四年にかけて鉄道及びその関係事業の取締法を制定し︑鉄道委員会を設け蔵高運賃及び料金の取締りを行った︒こ  

れがいわゆるGrangeニawsである︒これに対して鉄道側ほこれらの立法ほ﹃何人と雑へども法律上Q正当なる手  

続を踏まずして︑生命︑自由︑財産を剥奪されることなく︑又私有財産は公正なる報償なしに公共の用に併せられる  

︵註4︶  

ことなし﹄という連邦憲法修正欝五条麓に修正第十四条の私有財産権保護条項違反セあるとして論争した︒即ち鉄  

三九    公益事業本質論  

(5)

道側ほ上記三川の制空た差違鸞あると嘉した︒この遠の事件が有名なるGr屋er安芸誉︒ ノ︵註5︶   

グレン言事件の中で慧造りしかも最も有名なのは完七七年のM喜⁚ヒ賢芸件で雪︒イリノイ   州意法ほ鉄道芝揚穀機業者為する取締りを認めていたので︑イリノイ州議会ほ山八七宗法律を制定して姦 慧  び揚穀機業に対して営業免許制を′ひき︑それ還って穀物を取扱う場合の最高料金を設けることを定めた︒然   る紅シカゴ市の有力な揚穀機業着であるマン及びその共同経営者スコッ誌この法律が達意であ去としてこれ蒜 せな  かった︒当時冨ゴほ西部諸州よりの小麦が東部諸州へ輸送せられる誓の集散地であり︑︑︑︑シガン湖岸に多 数  の揚穀械が設けられ二度シカゴに集荷せられたる後東部地方へ輸送せられていた︒  

本事件に河して最高裁判所は第山軋シカゴ帝の揚穀械著ほ﹁通商の関門﹂︵ga雪ayO=︒mmerCe︶豊ち︑  

事実上の独占︵まrt邑m︒n名号︶であること指摘した︒  

TF房iニsappar2n=訂−a−=訂2ぎa−ing−邑i−ies−FrO喜w訂cht訂se星︵wh2at︶prOductiOn・・〇fseさ  

Ore尊greatstate⁝fIh2W2St︸﹀mu⁝as⁝tFeway=−OfOurO⁚仰望ftFe蔓esOn−訂s2a・SFOreこ音  

bea・ぎt邑mOnOpO−y・こ:・⁚⁚→首s−andこ01Se督nt訂富u蔓Of−訂ircO旨Se⁚nt訂責y蜜ewかy  

亀︒︒mmerce︑︑こndtakea≡01=rOmawFOpaSS.  

第二堅頃高裁判所は揚穀械栄膚の課する料金ほ一種の大衆課税︵cOmmOn料rge︶であることを明にした︒  

Th2ir許n2¢昌○⁝er−邑yニーends−OaCOmmOnCすge盲disb2COmea−どngOfpub︼ici旨estand房e.=  

E責yb邑2=札的這infOニーspassage盲ysa−きwbicFIsacOmmOnC訂ge㌔  

しかして十六世紀時代における英国の法学者こどrd碧空嘉を屈して﹃すべてのかかる農業者は公共的  

統制︵量㌻g已旨︶甲下紅あるべきであり︑彼は単覧理的通行料︵rea㌢邑et皇の宕取得すべきであ    第二十七番 第三号  

(6)

る﹄とした︒  

th2r2fOr2−aCCOrding tOどrd Hale﹀ e扁ryS宍h waぷFO房eman=○貞ぎ10beu已2r pub︼仰cr品已a−iOn−  

まNこthatFe⁝・  takeb已詔aSOnab訂tO︼−﹀︑   

最後に私有財産といえども公共の利益に関係をもつ︵乳fectedま昏ap邑仙ciuterest︶ときは私権はある程度制  

約されるのほ英国の慣習法時代からであると緒論しイリノイ州法の合意潅を認めた︒  

⁝Lg打ingV then−tOt訂cOmmOn︸aw﹀f⊇㌢whence came tbe r首ぎwhicFtbe COnStit象On p;teCtS﹀ We  

find tFat when prいヰate prOperty訪こa認ected with a p仁b訂c interest−it cease∽tO be jur坤s priくati On首.ぷ  

PrOperty dOeS訂cOme C−OtFed w鎧F a p已已c訂terⅣstwhen u詔d叶n a manner tO−ゴake it Of pub︼仰c cOnSequenCe︑  

and affect the cOmmぷn叶ty at−arge.  

かくて私有財産といえども専ら公共の利益の為紅用いられる場合ほ公共的統制に服さなけれはならないという慣  

習法時代からの公益原則︵t訂dOCtrineOfp邑−icぎteres叶︶が復活せむれ︑公共の利益に関係ある事業b邑nesses  

︵註6︶  

affected witba竜旨−山c︑ぎ叶ere泳が近代的公益事業概念となりその公共的統制の基本理念ともなった︒  

︵註1︶ だ官呂づⅠ≡n︒訝芝已・S・−−∽︵−00ヨ︶  

英国慣習法時代の公共営業についてほSmens︒n⁚Th22at旨a−GO完rnmentandBns叶完のS−ppJb甲1−お参照︒  

︵註2︶ TFOmpSOn︶ Hb芦 pp・双Tム申  

︵註3︶ 米国植民地時代払おける公益事業についてほざ岩仁⁚冨ater邑s叫︒rt訂SどdyOf publ訂亡t旨yE︒OnOmi︒S−  

pp.N墾㍗十崇Ⅹ一参照︒  

公益事業本質論  

p可▲山   

(7)

三 公益事某の経済的特性  

公益事業と呼ばれる避の企業群が他の事業と異なる特性をもつことは自明の理である︒以下公益事業の特性を  

公益事業百体あ特性︑公益事業資本の特性︑公益事業給付の特性及び公益事業経費の特性に分類して検討してみ  

る︒  

公益事業の経済的特性  

〟︑公益事業自体の特性    ︵註4︶ 米国連邦患法修正寛五条及び修正第十四条  

句i巾tF Amendment⁚こ20perrOn SFaご⁚ ⁝・be︵訂pri≦川d O叫l坤fe一l旨eユy﹀ Or p⊇peユy﹀ W首hOut due prOCeSS Of  

−awい nOr SFa−︼pM首ate・prOperty be ta打en fOr p仁b−岩.宏e−W認bOま盲StCOmpenSa︷iOnS㌧﹃○焉teentぎAmendme已⁚  

て20State tFa−1  い depri諾any pe誘On Of︼㌫e−−叶beユy︸ Or prOpeユy﹀ W認FOut d完 prOCeSS O抽︸aw︶ nO†deコy  

tO any perSOil WitF首帥訂j≒仲sd叫ct6n tFe eq仁a︼p岩teCt6n O叫tbe︼aws●;  

︵註5︶ グレンジャ事件とは次の五つの事件を言う︒  

民unづく.≡ぎOis−¢料⊂.S.ご∽︵−∞ヨ︶⁝Cb岩agO B◆ 軒Q.R● ヂ IO宅a﹀ 澄U● S●−∽∽いPe芽∵ヂ ChいCagOか  

ZOユFwes罫rn Rこ 澄C.S.−監∴C訂cagO﹀ M.紆St.P.R.ヂ Ac空ey澄U.S.−遥⁝宅訂○呂酔St.Pe霜r  

Rr﹂戸 Biake−¢料一U.S.−讐∴ an笹StOneく.WiscOnS抑n﹀ ∽恥亡.S﹂00ー.  

TFOmpSOn−ibidこ pp.筈−芝リ pp﹂山︺−−∽↓.  

拙稿﹁州際交通法の立法的変移﹂香川大学﹁経済論叢﹂第二亙巻第三骨︒   第二十七登 第三号  

(8)

1︑独占性乃至不完全親筆性  

2︑広  域  性  

3︑分散経営性  

4︑蛸状巷産性   

二︑公益事業資本の特性 

1︑集中性及び固定性  

2︑低 収 益 性  

3︑⁚収益安定性   

三︑公益事業給付の特性  

1︑不可欠性乃至経済的必常性  

2︑公  開  性  

3︑貯蔵∵不能性  

4︑不  断  性  

5︑無 差 別 憮  

6︑標  準  性   

四︑公益事業経費の特憮  

︑  1 

2︑共通贋部分が大である  

公益事幾本質論  

(9)

H 公益事業自体の特性   

1︑独占性乃至不完全競争性   

仮に公益事業は独占性乃至不完全東争性をもつと言われる︒公益事業の独占性ほ法的独占︑自然的独占︑経済  

︵註1︶  

的独占に分けて考えられる︒公益事業ほ刷般公衆の不可欠用益を供給する事業であるから︑その間に激烈なる漑争  

特に破滅的競争︵ru山nOuSCOmpe叶註OnO巧C仁昏呵OatCOm顎什itiOn︶が起ることは避けなければならない︒従って親争  

を抑制する何等かの法的柑置がとられ藩ことは公益原則から言って当然なことである︒これが法的独占である︒第  

二紅独占ほ白然的条件に基く場合がある︒例えば唯劃の水源地をもつ水道会社ほ水の供給については独占的とな  

る︒又天然瓦斯についても同様のことが言える︒その外都軒の道路を使用する公益事業について▲は技術的に排他的  

︵註2︶  

になることほ明かである︒これらの瘍合が自然的独占である︒第三に公益事業資本の特性において詳述する如く公  

益事業は一般公衆に対して日常不可欠用益を不断に供給するものなるが故に︑大規模の施設を必要とする︒従って  

公益事業ほ大資本を要し︑しかもその資本の大部分は固定性をおび︑投下資本に対する収益率は他事業に比して著  

しく低い︒これらが経済的独占と奮う結果をもたらすのである︒   

以上の如く法的独占にしろ︑自然的独占にしろ将又経済的独占にしろ公益事業分野においてほ独占乃至不完全競  

︵註3︶   争性ほ現在経済制度における盈要なる経済的特性の山つである︒   

2︑広  第二十七巻 第三号  

3  4︑費用逓減逓増の法則が働くこと   四四  

(10)

公益事業の営業領域ほ他事業に比較して広地域に亘るわが通常である︒公益事業は営業領域の範囲よりみて全国       ︵註  4︶   的公益事業︵邑iO邑邑ities︶と地域的公益事業︵−︒邑象−ities︶との二っに分類出来る︒ 

全国的公益事業である鉄道事業︑電話︑放送事塵濠勿論のこと地域的公益事業である水道事業の例をとってむ一  

都市全域及びそ 

至ってほ都市内ほ勿論都市相互間或は米国の大陸横断バスの如く全国的に亘るものさえある︒又瓦斯事業の如く数  

都市の瓦期事業を統山的経営の下に行っているものもある︒ここに米国の若干の公益事業をあげその用益を受けて  

いる人口をみてみよう︒  

公 益 事 業 会・社 名  

公益事業本質諭   

パルチモア合同瓦斯、電燈電力会社  

1,200,000    1,400,000  

1珪0,000  

ガ ス 事 業   電 気 事 菓   ロワエル瓦斯会社   

(マサチ・ユセッツ)  

†レンド・.エデソソ電気会社   アメリカン電信層雲市会社   レンジナチ帝筒鉄道会社  

00 国 00   ︐0 全 ︐0   90  67   4 は 5   これを要するに公益事業ほ比較的広地域堅且って多数の人口に対  

︵註5︶   して行われることは特督あ二つである︒  

3︑分散経営性   

公益事業は悠地域に甘ちて経営せられるためその作業単慮も広地  

域に亘って必然的に分散経営せられる︒しかも公益事稟ゐ営業領域  

が広ければ広い程経常の分散化は必然的となり︑∵冠の権爬と責任  

をもつ分散的地域組織 ︵蒜giOna−めy浄m︶ をとることは当然であ  

る︒例えば日本国鉄は全国を二十七管理局に分ちその下に九︑三五五  

︵註6︶   の現業機関を有している︒又電気事業も各主要地に支社又は支店を  

もら更に営業所︑発電所︑.変竃所及び給電所等の下部機関を広地域  

四五   

(11)

⇔ 公益事業資本の特性  

1︑集中性及び固定性   

公益事業は広地域に亘り仙般公衆疫日常不可欠なる用益又は用益財を不断に供給するものなるが故に大規模な施  

設を要する︒・従って一般に公益事業は巨大資本を要し↓その大部分ほ固藍蒜に向けられると言うこどになる︒一  

般工索部門においては固定資本完率は四〇ま○%であるが︑公益事業部門においては七〇−九〇%を占めて小  

︵註8︶  

るのが普遭である︒我国における昭和二十七年下半期公益事業の固定資本率を軋る紅次の如くである︒  

交通事業に具体的例をとれば︑線路蒜を建設するにも五︑六千万円を要し然もその外停車場施設及び輪転材料    4︑蛸状生産性   公益事業の生産及び供給紅は忘の通路を必要上す薫このことは現在公益事業と呼ばれるすべての企業監ハ通   鱒言えることで︑交通事業においては勿論のこと︑電気事業ほ送電線︑蘭電線︑水道事業は給水管︑瓦斯事業ほ瓦斯   管︑電信電話事業は電信電話線等一定の通路を通じて用益又は用益財を生産又は供給している︒この傾合通路は固   定的有形施設虹限定すべきでなく︑航空事業における航空路︑放送事業における放送網も亦等しく通路を見撤すべ   きであることは勿論である︒占部助教授の言う如く扇状生産手段を基礎構造とする﹄ことが現代公益事業の経済      ︵註7︶   的特性の一つである︒   第二十七巻 第三号  

に分散経営している︒  

(12)

公益事業でほ資本の回転率ほ非常に遅い︒即ち収益率ほ非常に低いと言うことが出来るバ これは公益事業にあり   絵資本   回転率   公 益 事 業  

公 準 事 業   固定資本率   地方鉄道業  83・26%  

電  男  菜   9061%   

瓦 斯  71い6】%   

公益事業平均   84168%  

その他事業  

製  造  業   33巾P9%  

鉱   菜   5Q・、57%  

商   業   6.66%  

公益事業本質論  

地方鉄道業  0、69回   電  賃も  菜  0」30  

瓦  斯  菜  071  

公益恕業平均  0.41   その他番業   

製  造  業    鉱   菜    商   業   

7  1  1  

0  9  8   1▲  0  3   てほ画定資産が庄倒的に大きな割合を占めていること箇に時間的︑李   節約需翠の変動があって設備の利用効率が低いためである︒我国にお  

ける昭和二十七年度下半期公益事業の資本回転率をみるに次の如くで   

︵註10︶  

ある︒   

次紅米国における公益事業の瞥本回転率をイリノ十大学企業研究所  

調査に依ってみるに七︑九年に山回二九一五1二五年間︑二宮公益事  

業会社につき調査︶と言う割合を示めしている︒これに対して鉄及製  

鋼業︑自動車製造業︑製紙工業等ほ一年紅二回︑肉権詰業は一年に一二  

四七    等を考えれば如何紅巨額の資本が必貫か\がわかる︒   

更に公益事業が生慮する用益又は用益財は後述する如く貯蔵不可能  

であるから︑その生厨設備は時間的︑季節的の最大需要亀︵pe昇−Oad︶  

に常時適応する如く設けられなければならない︒このことが公益事業  

資本に集中性及び固定性をもたらす第二の原因である︒しかして  

pe浄−OadとOf?pe路どadの差が大なれぼ大なる程所要資本蛍に大  

︵註9︶   なる相連をもたらし︑固定資本比率は大となる︒  

2︑低\収 益 僅  

(13)

ル  

︵証12︶  

統年に一回︵いづれも一九三七年調査︶と言㌢回転率を示している︒  

3︑収益安定性  

上記の如く公益事業は投下資本に対する収益率は他事業に此戟して著しく低いが︑その収益は貰気の変動に依る  

影響を受けることが少くないから他事業に比して安定している︒公益事業の収益安定の理由として国弘教授は H  

公益事業ほ公衆の日常生活上︑不可欠の用益を供給するものであること︒ ⇔公益事業ほ自然的独占であること︒  

斡公益事業の供給する用益は公衆の日常生活上︑不可欠の用益であるから︑その料金は政府の強度の統制を受け料  

金の決定変更紅ほ主務大臣の認可︵アメリカでほ要員会の認可︶が必要である等のため一般の価格のように料金の  

︵註13︶  

変動は少い等の理由をあげている︒  

⇔ 公益事業給付の特性  

1︑不可欠性乃至経済的必需性   

公益事業はわれわれの日常生活に不可欠なる用益又は用益財を供潜するものである︒従ってその僚付はわれわれ  

の生活に不可欠であること即ち有可欠性怠ndiめpenS詮ぎy︶\乃至経済的必需性︵ecOnOmic諾Ce乳旦が第一の特性  

でなければならない︒  

2︑公  1開  性    第二十七巻 第三号  

︵註11︶  

回と言う回転率である︒更に最近の資料に依ると電話事業四︑   四八  

州年に山回︑電信事業三︑七年に山回︑電気事業大︑  

(14)

公益事業給桐は不可欠用益であるから︑何人に対してもひろくこれを供給しなけれはならない︒即ち公益事業ほ  

ひろく∵駁公衆に対して静箪がありさえすれば公開的紅用益掟供の義務をもつものであ.る︒用益提供に当ってほ公  

︵≠証1ヰ︶   益事米ほその設備の最大能力を発揮して最大用益︵日舞im已m籍rまce︶を供冷しなければならない︒  

3︑貯蔵不能性  

公益事業給付の第三の特性は生産と消欝の同時性即ち即消財官in針邑ane呂SCOmm註ty︶ であると言うこと  

である?生産と消資の同時性はその給付が貯蔵不能性︵nOn洛Orabi琵y︶をもづことを意味する︒この貯蔵不能性ほ  

交通事業及び通層事業において巌も政着である︒電気︑瓦斯︑水道事業の如き用益財を生産する事業においてほい  

くぶん貯蔵可能であるけれども極めて制限せられており︑㌦般製造業の如く貯蔵疫依り季節的君給の調節をはかる  

/′  

ことは不可能である︒   \  

4︑不  断  性  

公益事桑給付の第四の特性ほ公益事業給付が日常生活笹不可欠なるものであり︑しかも貯蔵不能であるから︑こ  

れを絶えず不断に供給しなければならないと言う不断性︵cOntin象ty︶ である︒  

5︑無 差 別 性  

公益事業給付は不可欠用益であるから何人に対しても公平に無差別に供給しなければならない︒従って公益事業  

給付についてほ人に依る差別揆 ︵扇⊇On已di警ユ邑岩tiOn︶用益に依る差別扱︵di鷲riminatiOnbetween serまces︶  

四九    公益事典本質論  

(15)

が出来る︒例えば社債の利子︑各種公課﹂減価償却費︑保除料︑配当金等ほ前者︑一般管理費︑原料費︑運転維持  

費︑人件費等ほ後者軋ふくまれる︒  

︵註15︶   

我国の電気事業払おける資本費率をみるに次の統計の如くである︒    第二十七巻∴第三号   五〇  

又は場所に依る差別扱︵−○邑di汽rimぎa哲ヱは法律に依って禁じられている︒この無差別性ほ料金決定上差別料  

金を設ゆることを禁止すると言う意味でなく︑同劇等級内における不当なる差別扱︵unju洛di誓rimin邑On︶ と解  

すぺきである︒  

6︑標  準  性   

公益事業給付は一般公衆に対する不可欠用益であるから︑その品質ほ他の商品の銘柄の如く多種多様であること  

ほ許されない︒即ち公益事業給付は比較的銘柄が単純であ鳥こと及び疋秒給付基準をもつと言うことが第六の特  

性である︒例えば電気事業払おいては電圧︑周波数等︑瓦斯事業においてほ熟鼠︑純度︑︑圧力等︑水道事業におい  

ては純度︑圧力等︑電話事業においては交換設備の容畢疎通の迅速度︑正確度︑信頼度等先の給付基準︵ser昇e  

S訂ロdard︶がある︒  

紳 公益事業経費の特性  

1︑資本費部分が大である  

公益事業経費ほこれを発生別にみて  

′  

H資本静︵c眉i邑cO診︶ ⇔営業費︵Oper象ngcOひ旦 とに分けること  

(16)

2︑共通静部分が大である   

公益事業経費は可分性に依り共通蟄︵︒牒m︒n計t且と個別  

費︵specia−cO乳¢︶ とに分類出来る︒鮒者ほ生産せられる総給  

付た対して共通連帯的に発生する経費で︑後者ほ特種の給付に  

個別的に要する経費である︒   

この分類よりすれば公益事業経費は生産せられる給付全体に  

対して共通的に発生する共通費部分が然らぎる個別費に放して  

潜んく大である︒共通費は会計処理上経費の合理的割賦と言う  

公益事業本質論   項   目   金 額 ,比 率  

(晋万円)  

資 本、静   

減価償却費   123  12%   

利   子   141 13・.8    税   金   108 10り6    配 当 金   260  25.4   資本費計   632  618   営 業 費   397  382   総営業収益   1,029 1000  

(昭和17年)   

即ち資原資六∴︑八%︑営業費三八︑二%︑の割合である︒資本費の内訳  

は配当金二五︑四%︑利子二三八%︑減価償却費一二%︑税金仙○︑六  

%である︒  

︵註16︶   

次に米国の電気事業における資本費率をみると次の如くである︒   

即ち資本替玉二︑三%︑営業費四八︑七%である︒   

鉄道事業匿おいては電気重森ぬど資本費部分は大きくないが我が国鉄  

において︵昭和二十五年贋︶ 山八︑○%︑控pす 教授の分析に倣ると  

︵註17︶  

二七︑二三%である︒  

これに依っても公益事業においてほ資本費が如何に大きいかがわかる  

であろう︒  

日  金 額.比 率  

(百万弗) %    資 本 費   

減価償却静    税   金   

ニ‥i   

・.・  

優先株配当金    普通株配当金   資本密計   営 業 静  

234   9.2   349  13.8   282  11.2   126   5.0   305  12.1    1,299  51..3   1,187  48、7  

総営業収益   2り532   

(17)

8︑固定費が著大である  

公益事業経費は上述の如く資本費と営業費とに分ち︑.営業費ほ更に業務遠とは無関係の固定的営業費 ︵fi諾d  

Oper邑ngcO∽旦 と業務故に依って増減する可変的営業野︵畠甘かb−e Oper象ngcOS且 に分けることが出来る︒会  

計学の用語からすれば前者は間接製造原価︑後者は直接製造原価である︒   

かかる分類よりみ 

との合計︶ほ他事業に比較して著しく大である︒国弘教授は﹃公益事業の業種軋よってかなりの相違ほあなが︑平  

均して公益事業でほ大体固定費が七〇−八〇%︑可変費が二〇−三〇%にあたるのでほなかろうかと思う﹄と述べ  

︵註18︶  

ている︒  

4︑費用逓減逓増の法則が働くこと  

欝四の公益事業経静の特性は資用逓減逓増の法則が働くことである︒一般紅ある事業が管用逓減の法則をとるた  

めには先づ資本の固定部分が相当大きく︑生産鼠が設備の利用粒限内︵貞こ?昏e佃島象iizatiOnOご訂e舛i裟ng  

p−βt︶にあること及び大規模生産に伴う費用節約の可能性があることが条件である︒然しこの静用途減ほ固定設  

備の相当な部分が利用極限内にあることが前提で利用極限を越えると.㌢は反って費用ほ逓増すると考えられる︒こ   第二十七巻 ■第三号  

困難なる問題を随伴する︒  

の点Fair教授は輸送設備︑輸送能力と輸送費用の相互関係について明確なる説明を与えている   五二  

∵ムー   

(18)

⊥註l︶ R首ba邑↓.E首ほ独占を社会的独占sOC数日○ロ○習叫yと自然的独占nat已a−mOn︒p︒首とに分ち︑自然的独占を吏紅  

日原料の供給が制限せられているため紅生ずる独占 国事其の特性より生ずる独占 韓製法などの秘密から生ずる独占  

の三つに類している︒  

E−y./R.T.︸ Out︼訂es O叫EcOnOm叫声−詑芦 pp.詑や1黒革  

︵註2︶ ThOmpSOn︶ Hbi㌢−pp・笥−芸・   

︵註3︶ TFOm甥On・i荘d・−p・の∞・   

︵証4︶ G訂eser.牢G: ○已−in認○叫p各l首まi−⊥すEcOnOm訂︸−揺↓︸pp・N∽−讐=  

︵註6︶ 高橋秀雄﹁鉄道企業の経営経済的特蜜﹂ ﹁公益事業研東﹂第四巻罪四骨第六仙頁︒  

︵註7︶ 占郡部美﹁公共企菓体論﹂ ﹁公益企発政界﹂第一三二﹂仙三三頁︒  

︵註8︶ 日本銀行統計局﹁本邦主要企薬経営分析調査﹂昭和二十七年下半期︒  

︵註9︶ 佐波宣平﹁交通概論﹂第大玉頁︒  

︵註10︶ 日本銀行統計局︑上掲讃︒  

︵註11︶ Standard・Financia−R悪どOf theP旨どじ註ity ind宏tryい 望〇・Nの︑B焉eau B誘inesひResearch−U已完rSity気  

Ⅰ≡nO−S−−ゆN軍.  

︵註5︶ クレメンズ﹁公益企業経営論﹂第四五頁︒  

︵註望 TbOmpSOnこb苧七p・00N−0000・  

︵註13︶ 国弘員人﹁公益事業の経済的特性﹂ ﹁公益容共研究﹂欝四巻罪三号第九三−九四頁︒  

︵註14︶ ′TFOmpSOn−1bid: pp・ゴY⊥戸  

︵註15︶ 北 久山 ﹁公益企共論序説﹂第八九質︒   

公益事柴本質論   五三   

(19)

︵註望 拙稿﹁鉄道経費の動態的分析﹂香川大学経済論叢第二七巻第盲  

F営芦L・anや空家ms﹀E・声W Ec琶首sO叫→喜SpOr−al世Onpp﹀冒よ詔.    ︵註16︶ TFOmpSOロ.岩芦u p.00P   ︿註17︶ Ripす一声Z・︸琵lrOad⁚Ratea已R2g已a−賢こ琵−p.芦   ︿註18︶ 国弘買入﹁公益事業静用論﹂公益企業経営第∴∩九頁︒  

鉄道裏芸ける国憲率誓いてはSa蒜2す︵問憲﹀1官苛変撃とし2ira−Fほ穴山%︵固定軍三九%  

︵可変撃とした︒又ぎaまaも鉄道経静の六〇−八〇%が輸送管り独嘗ているとみている︒次にRip−2yは全体  

として六七︑五%︵固晃彗︑︑三二︑五%︵可変密︶と一層う結論に述した︒   第二十七巻 第三写  

堆  潮  職  

場  湘  噂   

轟撃沖H謡蔀瑚噂  

︑侶 惑 来 朝 噂   

鮎    芯 噂   

茅   蔀  噂  

琴   砂 聖T興朝地   Ri已ey 坤   苛  

婚鋤嘩腎竣ヰか望砂  

N  トl ト⊥  ひ1   1fゝ  0〇  ⊂〉  ∽  Ul  

⊆し ⊂) ⊂> ■皐 .ゝ  

N ト▲   ヰゝ  

く⊃〇  く=〉  の Jゝ  

⊂〉 (=〉  の  の  

砂箱噂閂竣ヰか彗ゆ  

Jゝ  ト⊥  ト■  

∽ (=〉  Ul Ol  

⊂〉  く=〉  ⊂〉  〈=〉   

聖⊥m讐剤職  

(20)

四 公益事業の本質  

以上の公益事業の歴史的検証及び現代制膝の下における経済的特性の解明に依り︑ここに公益事業の本源的性格  

即ち本質が何であるかを明か軋したい︒   

先づ第一にわれわれは歴史的検証に依り公益事業に包摂せられる企業群の内容は時代に依り異なることを知り得  

た︒即ち英国の慣習法時代においては旅館業︑′外科医︑渡船業︑波止場某︑製粉工場等は公益営業と考えられてい  

たが︑近代的公益事業の範疇には入らないことは明かである︒C−emens教授の言う如く ﹃われわれは公益事業の  

︵註1︶   範疇を限定することを歴史に求めることほできない﹄又ネビヤ事件の判決文軋奮う如く﹃公共の利益に関係ある事  

︵註2︶  

業にほ限定せられた範閣ほ存在しなかったことは明かである︒﹄ 然し公益事業を構成する事業内容ほ異るけれども  

二鼠した不変の理念はその時代時代にそれ等の事業が山般公衆の公共的利益に重大な関係をもち︑その利益を擁護  

するために何等かの公共的統制を必要としたと言うことである︒即ち公益原理盲e dOCtrineOfpub−icintere毘  

これである︒   

しから鷹この﹁公益原理﹂とは何かと言うと山八七七年マン事件より仙九一四年独逸同盟保険会社事件までほ公益  

事業概念は有形財産を専ら公共の使用に供する︵de召什iOnOニぎgib訂pF首邑pr名ertytOapub−icu旦 ことと  

考えられていた︒しかし山九小四年独逸同盟保険会社事件において火災保険業は﹁一般の企業活動に必舘なもので  

︵註3︶   ある﹂故を以て公共の利益に関係ある事業と見徹された︒ここに有形財産性訂5gibi−ityの概念は喪失し︑経済的  

︵註5︶  

︵註4︶       必需性が中心理念となった︒その後一九三四年ネビヤ事件迄に最高裁判所は食肉躍語業︑劇場切符仲買業︑職業細  

︵註6︶  ︵註7︶  

︵註8︶  ︵註9︶   介業︑石油販売業︑タクシー業︑製氷業を﹁競争的営業であること﹂ ﹁すべての常箪者に連続サーヴィスを提供す  

公益事業本質論   五五   

(21)

五六   第二十七巻 第三号  

る義務のないこと﹂を以て公共の利益に関係ある事業と認めることを拒否した︒即ちこの時代においてほ経済的必  

君性の外に独占性が公益事業概念の中心理念となったのである︒   

一九三四年ネビヤ事件において最高裁判所はニュヨーク州のミルク販売業を公共の利益に関係ある事業と認め   

︵註10︶  

た︒ この事件の重要性ほ従来公益事業の本質基準であった独占原理に対する重要なる修正である︒従来独占性を  

公益事業の本質基準とした理由は公益事業の特性からくる自然的独占性の外に公益事業給付は経済的必需性をもつ  

が故に独占に依る弊害が公共の利益をおびやかす場合にほ公共呵統制に服すると嘗うことである︒然るにネビヤ事  

件においては独占に依る弊害除去よりも寧ろ問題ほ野放しの親筆状態に依る価柏体系の破壊が公共の利益をおびや  

かしたことである︒   

ネビヤ事件において最高裁判所は営業特許畜及び独占性ほ公益事業の本質基準でないことを明かにして次の如く  

述べている︒  

The tO宍hst旨eO叫p各−6・どterest㌢a芦y b宏冒eSSY its pract岩e∽and cFa蒜2S・C訂aユy仰のnOt旨22mp訂ym2nt  

冒r is it t訂emp−Oyment Of a mOnOpO−y.    Of any francF−Se frOm tFe state⁝・ 

ここにおい.て公益事業の本質基準である独占性ほ重大なる修正を受けTFO眉pSOn/教授の如きは独占と過度の窺  

︵註11︶  

争乱方をふくむ﹁不適当なる親筆﹂in乳equ賢cOmpe注Onとした︒  

︵註㍑︶   

いずれにせよ現在米国学界払おいてほ公益事業の本質基準を経済的必沼性と独占乃至不適当なる競争性に求め日  

本匿おいでも大体対国の学説の祖迷妃止まっている様である︒   

然し乍ら公益事業の本質基準の第二の質素である独占性は明かに現代払おける公益褒業の経済的特性ではある  

が︑本質基準として柁多少の疑問の余地がなかろうか︒即ち公益事業親側の初期においては激烈なる競争があった   

(22)

︑  が公益事業たるに変りほなかった︒寧ろ公益事業なるが故一軋その間に破壊的競争を抑制せ★とする努力が払われ  

た︑のであって︑この場合独占性は公益事業の本質でほなくて練乳である?又経済的独占についてもバス及び上フッ   

ク事業等の如きは現在においても競争的営業が行われている︒   

東国払おける代表的公益事業経済学着である缶染完nS教授も﹁必常性と独占性ほ公益事業の地位にとって欠く  

ことのできない要件で・ある﹂と述べているが︑他方﹁独虜性と必欝性ほ公益事業の本質的地位にとって︑二つの根  

本的要件であるように思われるが︑われわれはこの点紅ついて硲侶をもっているわけでほない︒白︑効率運送業は高  

度に漑学的であるが︑しかしそれは公益事業である︒公益事業の範疇が拡大されつゝあるので︑間もなく︑石炭︑  

ミルク業など︑競争が本則とされているような事業をも包含するようになるであろう︒独占性に依る検証は完全な        ︵註  13︶    ものではない﹂と率直に認めている︒   

勿論筆者ほ公益事業一般については経済的特性において述べた如く独占乃至準独占的傾向をもつが︑・これを本質  

とは考えない︒例えばバス専業や放送事柴の如き公益事菜が競争的に行われていても公共の利益をおびやかさない  

範囲であれば競争ほむしろ歓迎すべきである︒独占屈巣であ㌃と言うことと公益事業との関係ほ独占に依る弊害が  

公共の利益をおびやかすか否やについてのみ考えられるのであ告従って反対に競争に依る弊害も亦公共の利益を   

おびやかす限りにおいては同様である︒   

ここで問題となるのは独占性そのものでなく︑独占に依る弊害が公共の利益に反するかどうかと言うととで︑反  

るに公益事顛は﹂般公衆の日常隼活に不可欠なる用益を授供する即ち経済的必感性の経めに︑独占であろうが兢争  

であろうが合理的料金を以て合理的用益内容を掟供する義務があると考えられる事菜である︒  

公益串柴本質論   

(23)

五八    第二十七巻 第三号  

以上の推致に依り筆者ほ公益事業抄本質基準を定説とほ異なり H経済的必需性︒ ⇔料金及給付の合理性とす  

ることを主張する︒  

︵註1︶ クメシズ上掲蕃欝四〇頁︒  

︵註2︶ 岩eb宮aく・り訂w YOrk﹀N讐已・S・∽ON︵−巴e  

︵註3︶ GermanA≡ancein00uranC2C〇・く・只an∽a¢−N∽∽U・S・∽∞り︵−空士  

カソサス州が火災保険英を公益革共と見徹し火災保険料統制を行った事件である︒  

︵註4︶ 宅○−f Packどg C9・﹂P COurtOf lndu監ユa−Re−at訂nsO叫Kan㌶S︶ NのN亡・S・ひNN︵−¢N∽︶  

カソサス州は食品製造業を公益事業であると見徹したに対しワ†ルフ食肉総譜会社が論争した事件である︒  

この事件においてタフ一哉判畏ほ﹁公共の利益に関係ある学業﹂に関する有名な三つの範疇を明かにした︒  

罪仙 用益を提供する義務を課せられることにおいて許容せられた特権の下において運営亘られている鉄道及その他の  

公益事業︒  

第二.旅館業︑粉礫場の如く慣習法時代の義務が残存している公共営業の残存物パ  

第三 その起りにおいてほ私的企共であったが漸次公益泰盛となったもの︒  

しかして食肉緯語業はこの三つの範疇のいずれにも属さないとした︒  

このタフーの分顆は古典的価値があるにしてほ余り合理的とほ言えないも  

ThOmpSOn︸ igdこ p.巴蔓のN.  

Cどef J琵tice Taft♂cOnCept O軌p邑Eic in訂詔St⁚呵irs什︑tFere we詔r巴−岩a詠and p仁b−ic 已琵tie¢ Opera叶どg  

仁ロder讐ant¢○叫pユまーege wy首F−mpOSed af崎i亡nati詔duti2S O抽′r2邑reHing s2rく首2・neヂ t訂re we蒜tFOSe焉S宇   

(24)

惣a=emnant00Of t訂cOmmOn︼a宅dut語−S宍Fasぎns and g諒tmiご肌一tOWEch t訂cOmmOn︼aw dut訂stiご  

adhered・TbirP t訂re宅ere昏訝eb邑nesse:nitia昔pri表te岩⊥旨ei;rigぎb已w訂cF訂Pri給nt?tbepさ詳  

iロtereSt StaゴーS.   

︵註5︶ Ty父首㌻酔BrOt許巧ヂBantOn.■N詔已・S.舎00︵−篭ご  

⁝−ヨーク州は劇場切符仲買人軋負評判をしき︑切符の再販売価格を決定した︒この事件において営業免許制は必ず  

しも公益事業とは限らない旨の判決があった︒  

︵註6︶ RibnikヂMc守ide−NヨU・S・∽∽○︵−りN00︶  

本事件はニュージャシー州で起り瀾菓紹介業は公益寧菜でないと言う判決があった︒  

︵註7︶ W巨amsく・StandardO坤︼CO:N謎亡.S.N∽∽︵−∽N00︶  

テネシー州はガソリン販売業を公共の利益虹関与する事業としてその価格を統制せんとした︒然し最高裁判所はこれを  

拒否した︒  

︵註8︶ Ter邑na−Ta払cabCO・く・芦−tP Nき已.S.N∽N︵−淫㌫︶  

タクシー業ほサーヴィス掟供の義務がないとして公益事業と認められなかった︒  

︵註9︶ 穿w State打eCO・く・Li2b㌢ann∵N∞∽U.S.NのN︵㌫00N︶  

オクラホマ州は製氷事業を公益事発と重己た︒これが為云ユー・スターー製氷会社は免許なしに儲氷所を建てようと  

したリープマン軋対して訴訟を起した︒  

︵註10︶ Op.cit.−N讐已.S.∽ON一訟−.  

モ﹁ヨーク州議会ほ︑︑\ルク菜を公衆の健康及び利益に関係ある事業であるとし︑︑ふク法を制定し︑J\\ルク統制局を設  

け︑\︑ルクの最底卸売及び小売価格を定めた︒即ちミルクの値段ほ一ウォー一九仙と定めたが︑ネビヤほミルクニクォー   

公益事業本質論   憲九   

(25)

公益事業︑公益企業︑公企業又ほ公共事業と言う二蔑の概念ほ極めて混同しやすい◇占部助教授搾﹃公益事業    第二十七巻第三骨   六〇  

トとイタリヤパン∵堺をヰ八仙で発った事件である︒整阿裁判所ほ︑\\ルク事業は言草の小般の承認せられた意味におけ  

る公益事業ではないが︑公共の利益に関係のある事業であるとの判決を下した︒  

︵註11︶ TFOmpSOn\ibid.−p.の∽.  

IntheZ2bbiacase︑theprOb−2m眉S旨−Of2琵乳房Or Cu茅r邑cOmp2露On叶nt欝ma首et息○=r竪  

mi−kw旨mt訂s蛋20軌欝wYOr打・さ宏∵旨・冒t許ROb已=尊号discard¢mOnOpO︼yasO莞○=訂tOuCh・  

S誉e00︒f p已ヒ首.邑eresナ ¢邑s註旨ngby監e詣ロCe家宅ー邑p−e O叫許deq邑ecO鳶Ⅲ意ぎwFicF cO責S  

bOtbmOnOpO−yOnt訂One訂ndande宍2邑諾CO鳶2t抑どnOnlh20旨er●T:epeatこFe b琵⁝言邑訂intere盟  

詔em tObe︵亡nec2邑tyand ︵帖こnadequatecOmpe琵訂n一  

筆老はごの場合inad2q嘗2COmp2t旨n姦論経済学における不完全競争と訳すぺきでなく公共の利益を害する独戸  

及び適度なる溌争双方を包含する不適当なる栗争と訳すぺきであると思う︒  

北久仙﹁公益車褒概念の成立と変遷﹂公益軍資研究第四を虚二号喘二五五頁の見解にほ賛成出来ない︒  

︵註12︶ TFOmpSOn﹀ ibidこ p.澄.  

クレメンズ上掲番 第四二頁︒  

︵註13︶ クレメンズ上掲番第四八頁︒  

五 公益事業と公共事薬  

(26)

p邑iか邑i首ind象呵yの概念が生産手段の性格にかかわるもめであるに対して︑公益企寮p邑ic邑it訂は生産  

手段に対する支配統制の制度in邑utiOnにかかわる概念セある′︒⁝⁚⁝・次に公益企業の制度と密接不可分の関係 

軋あって︑しかも異なるものが即ち公企業p邑icen琵p詠eの制炭である︒公企業も公益企業と同じく︑生産手  

段の支配にたいする社会的統制の﹂態様をなしていJる︒しかし両者が明かに異なるところは草つ︑公企業は公益企  

菜協合と異なり︑墓手段の所有を社会化し︑社会的所有p象c①㌢e註pの基礎にもとずいて︑崖手段の管  

理及び女配に対して夜会的統制を行うものである︒いいかえれば﹁所有を伴った統制﹂・︵CO旨○−wi昏OCOner賢p︶  

を意味する釘であ鳶公益企漂があくまでも生産手段の私有に基膝を姦くのにたいして︑公企業は生産手段の社会  

的所有に基くのであるから︑両者は明かに区別されねぼならない︒同時に︑他方において︑公益企業と公企業の両  

制麓のいずれも︑社会的に壷質な生産手段の管理及び支配過程にたいして社会的統制を行うことを目的とする制渡  

である点で軌を山托している︒両者を区別するものほ︑目的でなYて︑むしろその方法にあることを認識すること  

︵註1︶  

は︑まつ重要である﹄と述べている︒  

公益寧美本質論    P仁荘ic象i−i首   P邑Y−ic邑i−ity ind戻肯y   まず公益事業と公益企業に関する占部助教授の   この概念規定ほ生産手段とその管撃又配制度を区   別するところに問題がある︒即ち生産手段あると   ころに必ずその管理支配制度があり︑管理支配御   簾は生産手段の存在を前提とするが故に両者の概   念区別は実益がない︒pub−ic u邑it珂ind已洛ryと   は﹂賢二す曾邑ryO輪p各−ic uti︼itie00 との意味であ  

六劇   

(27)

B家路Tran点るユCOmmi乳Onの如きほ公有ハ公企業︶では賜るが公益事業である︒  

︵註1︶ 占部都実︑上掲論文常山三甲﹂一.三六詞︒   

︵註2∵G岩Cす︐A・G・⁚MOdernEcOnO邑c↓FO点ざ一望㌘pt−歩   

︵蕊3︶ G︼駕SeぺーM・G:宗id・u pp・サー少    り︑公益事業ほ公益企業の集合体であり︑公益企業は公益事業内の個々の企業単位であると解釈する︒   

次に公益事業と公共事業との概念規定についても占部助教授の如く﹁生産手段の私有﹂を基礎として︑公益事業   第二十七巻 第三号  

n■ivaぬ1y oⅥned  

は生産手段の私有を前校とし︑公共事業は生産手段の社会化を基礎と  

する区別は英瞭杵適していないと思う︒著し公益企業が生産手段の私  

有を前提とするとせば市営公益事業なる概念は存在しないこととな  

る︒一九〇七年COmmOnS教授がワイスコンレン大学で最初の公益事  

業論を講義したのは市営公益事業論 ︵Municip已p落−ic象家e且 で ︵註  2︶   あり 又G−ae籍r教授の経済的職能の分類においても明かに公益事  

業を公有二p各−ic−y占宅ned︶と私有︵pユ畠te首○ヨーed︶とに区別して  

︵註3︶   いる︒筆者は米由学者の如く公益事業にも公有と私宥があり︑公有の  

公益事業ほ公企業ゐ二部であると解する︒しかして公共事業体とは公  

企業あ二管琴形態である︒   

例えば米国における ゴ叩nne宗ee <巴訂y Autぎ邑y英由払おける   六二  

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