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目 次 平成 25 年度医学部医学科認証評価のための自己点検評価書に寄せて 使命と教育成果 教育プログラム 学生評価 学生 教員 教育資源 プログラム評価

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医学教育分野別評価基準日本版に基づく

新潟大学医学部医学科自己点検評価

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目 次

平成 25 年度医学部医学科認証評価のための自己点検評価書に寄せて ... 1

1 . 使命と教育成果 ... 2

2 . 教育プログラム ... 37

3 . 学生評価 ... 107

4 . 学生 ... 128

5 . 教員 ... 159

6 . 教育資源 ... 178

7 . プログラム評価 ... 222

8 . 統轄および管理運営 ... 264

9 . 継続的改良 ... 284

あとがき ... 305

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平成 25 年度医学部医学科認証評価のための自己点検評価書に寄せて

わが国では、大学に対する機関別認証評価は、大学評価学位授与機構、大学基準協会、 高等教育評価機構によって行われてきました。しかし、分野別の認証評価については、法 科大学院などごく一部に限られ、医学教育についての認証評価は行われていませんでした。 一方で、2010 年にアメリカの Educational Commission for Foreign Medical Graduates (ECFMG)から、2023 年以後の ECFMG 受験申請は、国際的な基準で認証評価を受けた医学部の 出身者に限るとの発表がありました。いわゆる 2023 年問題です。この問題を乗り切るため に、我が国でも日本医学教育認証評議会(Japan Accreditation Council for Medical Education: JACME)が発足し、世界医学教育連盟(World Federation for Medical Education: WFME)のグローバルスタンダードに準拠した基準で、医学教育の認証評価を行うことにな ったわけです。 新潟大学は、この問題に対して、平成 24 年度文部科学省大学改革推進委託事業(GP) で採択された「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」のメンバーとして、医学教 育認証評価制度確立に向けた研究に参加してきました。こうして、今年度、日本の80医 学部・医科大学に先駆けて、日本初の医学教育分野別認証制度トライアルを受審すること となりました。 おりしも、新潟大学では、平成 26 年度実施を目標に、医学教育カリキュラムの見直しと 新カリキュラムの策定を行い始めているところでした。したがって、今回の国際認証評価 の準備は、新カリキュラムの策定とともに進むことになりました。そこで新カリキュラム の骨子であるアウトカム基盤型カリキュラムの構築、学部一貫教育の強化、医学研究実習 の充実、診療参加型臨床実習の充実に基づいて、さらに詳細な見直しを行い、グローバル からローカル(地域医療)に至る事象、問題、変化に対応できるカリキュラム作成をめざ しました。こうしてできた新カリキュラムとともに、医学教育分野別認証評価に臨むこと になったわけです。 新潟大学医学部医学科の教育理念は「医学を通して人類の幸福に貢献する」というもの です。今回の認証評価により、この理念に基づいた新潟大学の医学教育が、国際的に評価 されることを祈るとともに、さらに本学の医学教育のレベルアップを目指したいと願うも のです。 この自己点検評価書作成には、多くの教職員のご協力をいただきました。とくに総合医 学教育センターの諸氏にはあらゆる点でご活躍いただきました。これらの方に改めて感謝 申し上げます。 平成 25 年 12 月 医学部長 髙橋 姿

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1 . 使命と教育成果 1 . 1 使命 基本的水準: 医科大学・医学部は ・自己の使命を定め、大学の構成者ならびに医療と保健に関わる分野の関係者に理解を得 なくてはならない。(B 1.1.1) ・その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として以下 の内容を含めて定めなくてはならない。 ・学部教育としての専門的実践力(B 1.1.2) ・将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎(B 1.1.3) ・医師として定められた役割を担う能力(B 1.1.4) ・卒後研修への準備(B 1.1.5) ・生涯学習への継続(B 1.1.6) ・その使命に社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびその他の 社会的責任が包含されなくてはならない。(B 1.1.7) 自己の使命を定め、大学の構成者ならびに医療と保健に関わる分野の関係者に理解を得な くてはならない。(B 1.1.1) A. 基本的水準にかかわる点検 新潟大学医学部医学科(以下、新潟大学医学科)の歴史は、1910 年の官立新潟医学専門 学校の開校から数えられるが、その設立の母体は 1870 年の共立病院にまでさかのぼること ができる。このように、新潟県における唯一の医師養成機関として長い歴史を有している。 官立新潟医学専門学校は、1922 年に新潟医科大学に移行し、1949 年に国立学校設置法の 公布により、新潟大学が設置されたことで、新潟大学医学部に移行することとなり、2004 年からは国立大学法人新潟大学医学部(医学科)として発展してきている。また、この間、 1999 年からは医療短期大学部が医学部保健学科として加わっている。 高度な医学・医療の推進のために、1955 年には大学院医学研究科を併設、2001 年に大学 院重点化を果たし、歯学研究科と統合した大学院医歯学総合研究科として、博士課程の人 材育成を行ってきている。また、1957 年に附属脳外科研究施設(1967 年には脳研究所に組 織転換)、1973 年には附属腎研究施設が加わり、これらは研究の高度化に役立ってきてい る。さらに、2003 年からは大学院医歯学総合研究科(修士課程)が併設され、生命科学者 の教育育成も可能にしている。 一方で、病院の歴史は、1869 年の施蘭薬院までさかのぼることができる。1910 年に官立 新潟医学専門学校附属医院、1949 年に新潟大学医学部附属病院となった。2003 年に歯学部 2

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附属病院と統合し、医歯学総合病院としてさらに発展を遂げ、卒前・卒後および生涯教育 の推進とともに、高度先進医療から地域医療まで幅広い医療と医療者教育を通じての社会 貢献と医学部の理念達成を目指している。 官立新潟医学専門学校における創立の理念は、「医師の養成は、専門学校を以て満足す べきにあらず」とあるように、医師養成とともに、医学研究を推進する最高学府としての 使命が示されているが、これは創立 103 年に及ぶ歴史の中で、途切れず引き継がれてきた ものである。現在の新潟大学医学科の使命たる教育理念は「医学を通して人類の幸福に貢 献する」であるが、これも設立時の精神が引き継がれたものといえる。 新潟大学は「自律と創生」を全学の理念とし、教育と研究を通じて地域や世界の着実な 発展に貢献することを全学の目的とし、教育、研究、社会貢献、管理運営の基本的目標が 定められている。 資料 B 1.1.1.A-1:新潟大学 基本的目標 教育: 精選された教育課程を通じて、豊かな教養と高い専門知識を修得して時代の課題に的 確に対応し、広範に活躍する人材を育成する。 研究: 伝統的な学問分野の知的資産を継承しながら、総合大学の特性を活かした分野横断型 の研究や世界に価値ある創造的研究を推進する。 社会貢献: 環日本海地域における教育研究の中心的存在として、産官学連携活動や医療活動等を 通じ、地域社会や国際社会の発展を支援する。 管理運営: 国民に支えられる大学としての正統性を保持するために、最適な運営を目指した不断 の改革を図る。 新潟大学医学科では新潟大学全学の理念、目的、基本的目標を参考にして、2010 年に「医 学を通して人類の幸福に貢献する」という使命に基づいた 6 つの教育目標を設定した。 資料 B 1.1.1.A-2:新潟大学医学科 教育目標 1 豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療に貢献できる人材の育成 2 高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる人材の育成 3 広い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育者となり得る人材の育成 4 保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる人材の育成 5 地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の育成 6 探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ちつづける人材の育成 3

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これらの新潟大学医学科の教育理念と教育目標は、名刺サイズのカードに印刷され、す べての教職員、学生、保護者に配られており、入学時や進級時のガイダンスにおいて、折 に触れ示されている。また、シラバス、学生便覧、大学案内、大学ホームページ、入学要 項などを通じて開示されている。 参考資料 B 1.1.1.A 新潟大学学則 新潟大学医学部規程 新潟大学医学科の教育理念カード 2 年次~6 年次 シラバス 学生便覧 大学案内 医学科案内 2013 医学科ホームページURL: http://www.med.niigata-u.ac.jp/ 新潟大学医学部医学科学務委員会内規第 2 条 新潟大学教育研究院規則第 2 条 新潟大学教育研究院規則第7条 新潟大学教授会通則第 4 条 B. 基本的水準にかかわる自己評価 「医学を通して人類の幸福に貢献する」という使命を明示している教育理念と 6 つの教 育目標を定め、カードの配布、ホームページなどによる公表を通じて、教職員や学生など 大学の構成者ならびに関連病院の指導医師など医療と保健に関わる分野の関係者に適切に 理解を得ていると考える。 医学・医療の変化に対応するため、2011 年からカリキュラム改定の準備を開始した。2014 年度開始の新カリキュラムでは、カリキュラム改定準備作業部会が中心となり、カリキュ ラム委員会、学務委員会が、6 つの教育目標をもとにした 6 つの教育成果(アウトカム)を 決定した。カリキュラム改定準備作業部会は学務委員長、副学務委員長、総合医学教育セ ンター教授、総合医学教育センター准教授 3 名の 6 名から構成される。カリキュラム委員 会は各講座の教育担当教員とカリキュラム改定作業部会のメンバーから構成される。学務 委員会と教授会議は規定により選出されたメンバーから構成される。 4

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資料 B 1.1.1.B-1:新潟大学医学科 新カリキュラムの 6 つの教育成果(アウトカム) 1 豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療に貢献できる 2 高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる 3 広い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育者となり得る 4 保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる 5 地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる 6 探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ちつづける 資料 B 1.1.1.B-2:新カリキュラム策定にかかわる組織図 C. 現状改良に向けた提言 カリキュラム改定準備作業部会が中心となって、新カリキュラムで定めた 6 つの教育成 果(アウトカム)のそれぞれに評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに 作成する。新カリキュラムの教育成果(アウトカム)の内容をより普及させるため、教員 に対しては、FD を開催して情報共有を徹底する。学生に対しては 1 年次の新入生研修をは じめ、2 年次~6 年次の新学期ガイダンス、クラス幹事懇談会などの機会を活用して新カリ キュラムの 6 つの教育成果(アウトカム)の内容の周知を図る。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年には初めて卒業生が出る。新カリキュ ラムの教育成果(アウトカム)、それぞれの到達目標(コンピテンシー)が達成されてい るかどうかを学年進行で評価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 5

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学部教育としての専門的実践力(B 1.1.2) A. 基本的水準にかかわる点検 学部教育としての専門的実践力を含む教育目標として、「高度の専門性を持つ医療チー ムの一員として貢献できる人材の育成」が定められている。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 教育目標のなかで、学部教育としての専門的実践力を含む、「高度の専門性を持つ医療 チームの一員として貢献できる人材の育成」を適切に定めていると考える。2014 年度開始 の新カリキュラムでは「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」を 6 つ の教育成果(アウトカム)のひとつに含める。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムでは「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」教育成 果(アウトカム)について評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成 する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)の「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献 できる」に対する到達目標(コンピテンシー)が達成されているかどうかを学年進行で評 価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎(B 1.1.3) A. 基本的水準にかかわる点検 将来さまざまな医療の専門領域(あらゆる臨床領域、医学行政および医学研究)に進む ための適切な基礎を含む教育目標として、「広い視野と高い向学心を有する医学研究者・ 教育者となり得る人材の育成」、「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる人材の育成」 が定められている。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 教育目標のなかで、将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎を含む、「広 い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育者となり得る人材の育成」、「保健、医療、 福祉、厚生行政に貢献できる人材の育成」を適切に定めていると考える。2014 年度開始の 新カリキュラムでは 6 つの教育成果(アウトカム)に「広い視野と高い向学心を有する医 学研究者・教育者となり得る」、「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる」を含める。 6

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C. 現状改良に向けた提言 2014 年度までに新カリキュラムの教育成果(アウトカム)である「広い視野と高い向学 心を有する医学研究者・教育者となり得る」、「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献でき る」のそれぞれに評価可能な到達目標(コンピテンシー)を作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)である「広い視野と高い向学心を有する医学研究者・ 教育者となり得る」、「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる」のそれぞれに到達目 標(コンピテンシー)を作成し、それが卒業生において達成されているかどうかを学年進 行で評価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 医師として定められた役割を担う能力(B 1.1.4) A. 基本的水準にかかわる点検 医師として定められた役割を担う能力を含む教育目標として、「豊かな人間性と高い倫 理性を備え、全人的医療に貢献できる人材の育成」、「高度の専門性を持つ医療チームの 一員として貢献できる人材の育成」が定められている。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 教育目標のなかで、医師として定められた役割を担う能力を含む、「豊かな人間性と高 い倫理性を備え、全人的医療に貢献できる人材の育成」、「高度の専門性を持つ医療チー ムの一員として貢献できる人材の育成」を適切に定めていると考える。2014 年度開始の新 カリキュラムでは、「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療に貢献できる」、「高 度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」を 6 つの教育成果(アウトカム) の中に含める。 C. 現状改良に向けた提言 教育成果(アウトカム)である「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療に貢献 できる」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」のそれぞれに評価 可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)である「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医 療に貢献できる」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」のそれぞ れに到達目標(コンピテンシー)を作成し、それが達成されているかどうかを学年進行で 7

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評価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 卒後研修への準備(B 1.1.5) A. 基本的水準にかかわる点検 卒後研修への準備を含む教育目標として、「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的 医療に貢献できる人材の育成」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献でき る人材の育成」、「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の育成」が 定められている。 教育プログラムでは卒後研修への準備は 4 年次に臨床実習入門、5 年次に臨床実習Ⅰ、6 年次に臨床実習Ⅱと段階的に実践している。臨床実習入門では、全人的医療の実践を目標 とした臨床実習を円滑に行うために必要な臨床医学の知識、技能および態度を修得する。 臨床実習Ⅰでは、実際の医療に接する場で、全人的医療を実践するために必要な各臨床科 目の基本的知識、問題解決能力、技能および態度を修得する。特にコース「地域医療」で は、全人的医療を遂行し、地域医療に積極的に参加するために、地域医療の特性を理解し、 地域における包括的医療を実践するために必要な情報と基本的な技術・態度を修得する。 臨床実習Ⅱでは、主として、患者と接する医療現場において、翌年、医師として全人的医 療を実践するために必要な、患者、医師、他職種医療スタッフとのコミュニケーション能 力、問題解決能力、診察法などの基本的臨床技能と態度を修得する。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 教育目標のなかで、卒後研修への準備を含む、「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全 人的医療に貢献できる人材の育成」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献 できる人材の育成」、「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の育成」 を定め、臨床研修への準備を段階的に適切に行っていると考える。 「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の育成」という文言に関し て、「地域医療」と「国際」とは矛盾するものではない。新潟市内の産科婦人科病院で地 域の医療に貢献しながら、新潟大学病理学教室で研究を行い、いわゆる荻野学説を発表し、 国際的に高く評価された荻野久作博士のようなすぐれた人材を育てることを意図している。 2014 年度開始の新カリキュラムでは、「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療 に貢献できる」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」、「地域の 医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」を 6 つの教育成果(アウトカム)の中に 含める。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムでは、教育成果(アウトカム)の「豊かな人間性と高い倫理性を備え、 全人的医療に貢献できる」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」、 8

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「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」それぞれに評価可能な到達目標 (コンピテンシー)を 2014 年度までに作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)の「豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療に 貢献できる」、「高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる」、「地域の医 療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」それぞれに到達目標(コンピテンシー)を 作成し、それが達成されているかどうかを学年進行で評価するためのアウトカム・ロード マップを 5 年以内に策定する。 生涯学習への継続(B 1.1.6) A. 基本的水準にかかわる点検 生涯学習への継続を含む教育目標として、「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ち つづける人材の育成」が定められている。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 教育目標のなかで、生涯学習への継続を含む、「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯 持ちつづける人材の育成」を定め、教育プログラムの中で適切に実践していると考える。 2014 年度開始の新カリキュラムでは「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ちつづける」 を 6 つの教育成果(アウトカム)のひとつに含めている。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムでは、教育成果(アウトカム)の「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生 涯持ちつづける」に対して評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成 する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ちつづける」 それぞれに評価可能な到達目標(コンピテンシー)を定め、それが達成されているかどう かを学年進行で評価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 9

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その使命に社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびその他の社 会的責任が包含されなくてはならない。(B 1.1.7) A. 基本的水準にかかわる点検 社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびその他の社会的責任 を包含する教育目標として、「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる人材の育成」、 「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の育成」が定められている。 これらの教育目標には、地域社会、特に健康および健康関連機関と協働すること、およ び地域医療の課題に応じたカリキュラムの調整を行なうことを含む、社会の保健・健康維 持に対する要請に応えることが包含されている。 さらに社会、患者、保健や医療に関わる行政およびその他の機関の期待に応え、医療、 医学教育および医学研究の専門的能力を高めることによって、地域あるいは国際的な医学 の発展に貢献する意思と能力を含む、社会的責任を果たすことが包含されている。これら の教育目標は、「医学を通して人類の幸福に貢献する」という独自の教育理念に基づいて、 自律的に定められている。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 教育目標として、「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる人材の育成」、「地域の 医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の育成」を定めており、そのなかに、 社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびその他の社会的責任が 適切に包含されていると考える。2014 年度開始の新カリキュラムでは、「保健、医療、福 祉、厚生行政に貢献できる」、「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」 を 6 つの教育成果(アウトカム)の中に含める。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムでは、教育成果(アウトカム)の「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献 できる」、「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」それぞれに評価可能 な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)の「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる」、「地 域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」それぞれに評価可能な到達目標(コ ンピテンシー)を作成し、それが達成されているかどうかを学年進行で評価するためのア ウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 10

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質的向上のための水準: 医科大学・医学部は ・その使命に以下の内容が包含されているべきである。 ・医学研究の達成(Q 1.1.1) ・国際保健(Q 1.1.2) 医学研究の達成(Q 1.1.1) A. 質的向上のための水準にかかわる点検 新潟大学医学科の使命は、教育理念にあるように「医学を通して人類の幸福に貢献する」 ことであり、その使命を達成するための教育目標の 1 つとして、「広い視野と高い向学心 を有する医学研究者・教育者となり得る人材の育成」が含まれている。 B. 質的向上のための水準にかかわる自己評価 教育目標の 1 つである「広い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育者となり得る 人材の育成」に医学研究の達成が適切に包含されていると考える。2014 年度開始の新カリ キュラムでは「広い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育者となり得る」を 6 つの 教育成果(アウトカム)のひとつに含める。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムの教育成果(アウトカム)の「広い視野と高い向学心を有する医学研究 者・教育者となり得る」に対して評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度まで に作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)の「広い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育 者となり得る」に対する到達目標(コンピテンシー)を作成し、それが達成されているか どうかを学年進行で評価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 国際保健(Q 1.1.2) A. 質的向上のための水準にかかわる点検 新潟大学医学科の使命を達成するための教育目標のひとつとして「地域の医療に貢献す るとともに、国際的に活躍できる人材の育成」が含まれている。この教育目標には、国際 的な健康障害の認識、不平等や不正による健康への影響などの認識を持つことが含まれる。 11

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B. 質的向上のための水準にかかわる自己評価 教育目標のひとつである「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる人材の 育成」に国際保健が適切に包含されていると考える。2014 年度開始の新カリキュラムでは 「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」を 6 つのアウトカムの中のひと つに含める。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムでは教育成果(アウトカム)の「地域の医療に貢献するとともに、国際 的に活躍できる」に対する評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度以内に作成 する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムを学年進行により開始し、2020 年に初めて卒業生が出る。新カリキュラ ムの定める教育成果(アウトカム)の「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍で きる」に対する評価可能な到達目標(コンピテンス)を作成し、それが達成されているか どうかを学年進行で評価するためのアウトカム・ロードマップを 5 年以内に策定する。 注 釈: ・[使命]は教育機関の全体にまたがる基本構造を示し、教育機関の提供する教育プログラ ムに関わるものである。使命には、教育機関固有のものから、国内そして地域、国際的 なものまで、関係する方針や期待を含むこともある。 ・[医科大学・医学部]とは、医学の卒前教育(学部教育)を提供する教育機関を指す(medical faculty、 medical college とも言われる)。[医科大学・医学部]は、単科の教育機関 であっても大学の1つの学部であってもよい。一般に研究あるいは診療機関を包含するこ ともある。また、卒前教育以降の医学教育および他の医療者教育を提供する場合もある。 [医科大学・医学部]は大学病院および他の関連医療施設を持つ場合がある。 ・[大学の構成者]とは、大学の管理運営者、教職員および医学生、さらに他の関係者を含 む。 ・[保健医療の関係者]とは、公的および私的に医療を提供する機関および医学研究機関の 関係者を含む。 ・[学部教育(卒前教育)]とは多くの国で中等教育修了者に対して行なわれる卒前医学教 育を意味する。なお医学ではない学部教育を修了した学士に対して行なわれる国あるい は一部の大学もある。 ・[さまざまな医療の専門領域]とは、あらゆる臨床領域、医学行政および医学研究を指す。 ・[卒後研修]とは、医師登録前の研修(日本における必修卒後臨床研修)、専門領域(後 12

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期研修)教育および専門医教育を含む。

・[生涯学習]は、評価、審査、自己報告、または認定された継続専門職教(continuing professional development:CPD)/医学生涯教育(continuing medical education:CME) などの活動を通して、知識と技能を最新の状態で維持する職業上の責務である。継続専 門教育には、医師が診療にあたる患者の期待・要求に合わせて、自己の知識・技能・態 度を向上させる専門家としての責務を果たすための全ての正規および自主的活動が含ま れる。 ・[社会の保健・健康維持に対する要請を包含する]とは、地域社会、特に健康および健康 関連機関と協働すること、および地域医療の課題に応じたカリキュラムの調整を行なう ことを含む。 ・[社会的責任]には、社会、患者、保健や医療に関わる行政およびその他の機関の期待に 応え、医療、医学教育および医学研究の専門的能力を高めることによって、地域あるい は国際的な医学の発展に貢献する意思と能力を含む。[社会的責任]とは、医科大学独自 の理念に基づき、したがって大学が自律的に定めるものである。 ・[社会的責任]は、社会的責務や社会的対応と同義に用いられる。個々の医科大学が果た すことのできる範囲を超える事項に対しても政策や全体的な方針の結果に対して注意を 払い、大学との関連を説明することによって社会的責任を果たすことができる。 ・[医学研究]は、基礎生物医学、臨床医学、行動科学、社会科学などの科学研究を包含す る。6.4 にさらに詳しく記述されている。 ・[国際保健]は、国際的な健康障害の認識、不平等や不正による健康への影響などの認識 を含む。 13

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1 . 2 使命の策定への参画 基本的水準: 医科大学・医学部は ・その使命の策定には、教育に関わる主要な構成者が参画しなければならない。(B 1.2.1) その使命の策定には、教育に関わる主要な構成者が参画しなければならない。(B 1.2.1) A. 基本的水準にかかわる点検 新潟大学医学科の使命である教育理念と教育目標は、医学科学務委員会(以下学務委員 会)が責任を持ち、医学部長(医学科長を兼務;以下学部長)、医学科担当副医学部長(以 下副学部長)を含めた複数の教育関係者により策定されたものである。学務委員会には医 学科学務係長、医学科学務係員が参加しているが、学生代表は含まれていない。 参考資料 B 1.2.1.A 新潟大学医学部医学科学務委員会内規第 2 条 新潟大学教育研究院規則第 2 条 新潟大学教育研究院規則第7条 新潟大学教授会通則第 4 条 B. 基本的水準にかかわる自己評価 使命の策定には学務委員会が関与しており、これに学部長、副学部長が加わっているこ とから、教育に関わる主要な構成員が参画していると考える。ただし、学生代表は含まれ ていない。今後、検討を要すると考える。 C. 現状改良に向けた提言 学務委員会では新潟大学医学科の使命を策定する場に適切な形で学生を参画させること を検討していく。 D. 問題改善に向けた提言 現在の新潟大学医学科の使命である教育理念は 2010 年に明文化されたものである。次に 新しく使命を策定するときには適切な形で学生が参画できるようにしたい。 14

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質的向上のための水準: 医科大学・医学部は ・その使命の策定には、広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取すべきである。(Q 1.2.1) その使命の策定には、広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取すべきである。(Q 1.2.1) A. 質的向上のための水準にかかわる点検 新潟大学医学科の使命である教育理念「医学を通して人類の幸福に貢献する」は、それ まで明文化されていなかった大学の使命を、2010 年に学務委員会での議論に基づき、医学 部医学科教授会議(以下、教授会議)において学部長、副学部長を含めた複数の教育関係 者によって明示するために策定したものである。しかし、策定にあたって公共ならびに地 域医療の代表者、教育および医療関連行政組織、専門職組織、医学学術団体から意見を積 極的には聴取していない。 B. 質的向上のための水準にかかわる自己評価 使命としての教育理念の策定には、学務委員会、学部長、副学部長のみならず全講座か ら広く意見を聴取してきたが、公共ならびに地域医療の代表者、教育および医療関連行政 組織、専門職組織、医学学術団体からは意見を積極的には聴取していない。今後、検討を 要すると考える。 C. 現状改良に向けた提言 新潟大学医学科の使命に基づく教育理念と教育目標は、定期的な見直しが必要である。 公共ならびに地域医療の代表者、教育および医療関連行政組織、専門職組織、医学学術団 体からも意見を聴取することを 2014 年度に行いたい。まず、最初に、定期的に意見交換を 行っている県知事、県の福祉保健部に新潟大学医学科の使命について意見交換を行う。 D. 問題改善に向けた提言 現在の新潟大学医学科の使命である教育理念は 2010 年に明文化されたものである。今後、 使命を見直すときには可能な範囲で、公共ならびに地域医療の代表者、教育および医療関 連行政組織、専門職組織、医学学術団体からも意見を聴取する体制を準備していきたい。 15

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注 釈: ・[教育に関わる主要な構成者]には、学長、学部長、教授、理事、評議員、カリキュラム 委員、職員および学生代表、大学理事長、管理運営者、関連省庁ならびに規制機関が含 まれる。 ・[広い範囲の教育の関係者]には、上記以外の教職員代表、公共ならびに地域医療の代表 者(例:患者団体を含む医療制度の利用者)、教育および医療関連行政組織、専門職組 織、医学学術団体および卒後教育関係者が含まれる。 16

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1 . 3 大学の自律性および学部の自由度 基本的水準: 医科大学・医学部は ・教職員および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施することの組織自律性を 持たなければならない。以下の内容は特に含まれなければならない。 ・カリキュラムの作成(B 1.3.1) ・カリキュラムを実施するために必要とされる配分された資源の活用(B 1.3.2) カリキュラムの作成(B 1.3.1) A. 基本的水準にかかわる点検 新潟大学では、学部、研究科等における教育活動の高度化と研究活動の飛躍的な発展を 図るため、教育研究組織の整備を目的として 2004 年 4 月に教育研究院を設置した。教育研 究院には「人文社会・教育科学系」「自然科学系」「医歯学系」の 3 学系が置かれ、医学 部(医学科)と大学院医歯学総合研究科を担当する教員は、医歯学系に所属している。 これらの教員が構築し実施する教育施策は、医学科にあっては、学部長を責任者とする 教育組織が自律的に行っている。大学院医歯学総合研究科にあっては、研究科長を中心と する教育組織が自律的に行っている。また、医学部と歯学部に附属する共用の教育施設と して、医歯学総合病院が設置されている。学系教授会議は、新潟大学教育研究院規則第 7 条により 25 名を標準として組織し、学系の組織運営に関する事項、学部及び研究科からの 教育に係る要請に関する事項、学系における研究に関する事項、教員の選考に関する事項、 学系に配分される予算及び決算に関する事項等を審議する。新潟大学教育研究院医歯学系 列合同教員会議第 2 条に基づいて系列教員会議は、当該学系が定める教員をもって組織し、 系列の組織運営に関する事項、学部及び教育の担当に関する事項、系列の研究に係る要請 に関する事項、教員選考委員会の委員選出に関する事項等を審議する。このように組織自 律性を有している。 新潟大学医学科の教育課程は新潟大学医学部規程の第 3~5 条に規定されている。 現在運用しているカリキュラムは、1998~1999 年に医学科の各科教員(教授および教育 担当教員)と学生代表(各学年若干名)を交えて行ったカリキュラム策定ワークショップ をもとに、カリキュラム検討委員によって作成され、教授会議で決定された。 2014 年度開始の新カリキュラムについては、医学科教授会議の承認のもと、学務委員会 と総合医学教育センターがカリキュラム改定作業部会を設置して合同の会議を行ってカリ キュラムの計画内容を策定している。計画内容はカリキュラム委員会で承認された後、教 授会議の承認を得るように組織が構築されている。 (資料 B1.1.1.B-2:新カリキュラム策定にかかわる組織図 参照) 17

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資料 B 1.3.1.A-1:新潟大学医学部規程(抜粋) (教育課程) 第3条 本学部の教育課程は、教養教育に関する授業科目及び専門教育に関する授業科目 により編成する。 2 保健学科の専門教育に関する授業科目は、専門基礎科目及び専門教育科目に区分す る。 (教養教育に関する授業科目の履修) 第4条 学生は、教養教育に関する授業科目について、医学科にあっては別表第1に定め るところにより、保健学科にあっては別表第2に定めるところにより履修しなければなら ない。 2 前項の別表第1及び別表第2に規定する科目区分等並びにその科目区等分に基づく授 業科目は、新潟大学における授業科目の区分等に関する規則(平成16年規則第38号)の定 めるところによる。 3 外国人留学生等が留学生基本科目の日本語の授業科目を履修し、その単位を修得した ときは医学科にあっては6単位までを、保健学科にあっては4単位までを初修外国語の授 業科目の単位に、留学生基本科目の日本事情の授業科目を履修し、その単位を修得した ときは4単位までを人文社会・教育科学の授業科目の単位に代えることができる。 (専門教育に関する授業科目の履修) 第5条 学生は、専門教育に関する授業科目について、医学科にあっては別表第3に定め るところにより、保健学科にあっては別表第4及び別表第5に定めるところにより、履修 しなければならない。 参考資料 B 1.1.3.A 新潟大学医学部規程 新潟大学医学部医学科学務委員会内規第 2 条 新潟大学教育研究院規則第 2 条 新潟大学教育研究院規則第7条 新潟大学教授会通則第 4 条 B. 基本的水準にかかわる自己評価 新潟大学医学科は、教職員および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施する ことの組織自律性を持っており、それにはカリキュラム作成が含まれていると考える。 18

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C. 現状改良に向けた提言 総合医学教育センターは 2011 年に設立されたが、教育改革推進室から発展的に発足した 当時の関連規程が改定されずに残っている。学務委員会との役割分担を明確にするため、 総合医学教育センター規程を 2014 年度中に整備する。 D. 問題改善に向けた提言 2000 年度開始の現行カリキュラムから 2014 年度には新カリキュラムに移行する。その後 も継続して、カリキュラム委員会と学務委員会を中心にカリキュラム改定を行っていく。 今後も継続的に 10 年程度をめどに次の新カリキュラム策定を検討していく。 カリキュラムを実施するために必要とされる配分された資源の活用(B 1.3.2) A. 基本的水準にかかわる点検 教員の採用は、新潟大学学則に基づき、教員の配置を全学教員定員調整委員会で審議し た後に、教員の採用について医学科教授会議で選考を行い、学長の承認を得る必要がある。 教育に関わる資源も大学の独立したルールによって配分されている。カリキュラムを実施 するために必要とされる配分された資源の活用は、各コース責任者の裁量にまかされてお り、組織自律性を有する。 教員の採用・昇格、雇用形態、研究、資源配分については、新潟大学学則と新潟大学医 学部規程にすべて明示されており、他の機関(地方自治体、宗教団体、私企業、他の関連 団体)から独立している。 各講座には運営費交付金をもととする基盤教育経費をはじめとするカリキュラムを実施 するための経費が講座に適切に配分され、活用されている。 参考資料 B 1.3.2.A 平成 23 年度 業務達成基準が適用された経費の事業報告書 「医学系の活動に関する多様な改革の支援事業」 平成 25 年度新潟大学組織的教育プロジェクト(新潟大学 GP) 「国際認証評価に向けた先進的医学教育カリキュラムの作成と実践」 平成 22 年~24 年度新潟大学組織的教育プロジェクト(新潟大学 GP) 「メディカル・アトリビュート育成プログラム」 B. 基本的水準にかかわる自己評価 新潟大学医学科は、教職員および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施する ことの組織自律性を持っており、それにはカリキュラムを実施するために必要とされる配 分された資源の活用が適切に実施されていると考える。127 名と学生定員数が過去最大にな ったことに伴い、教員の定員増が行われてきたが、教員数は十分であるとはいえない。 19

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C. 現状改良に向けた提言 カリキュラムを適切に実施するためには教員数は多いことが望ましく、学部長を中心と した医学科執行部により、継続的に教員の配置を見直すとともに定員増を図る努力を行う。 また、教育経費獲得のための努力も継続して行う。 D. 問題改善に向けた提言 学部長を中心とした医学科執行部により、教員の配置を見直すとともに定員増を図る努 力を長期的な見地から継続して行う。 20

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質的向上のための水準: 医科大学・医学部は、以下について教員ならびに学生の教育・研究の自由を保障すべきで ある。 ・カリキュラムに対する意見(Q 1.3.1) ・カリキュラムを過剰にしない範囲で、特定の教育科目の教育向上のために最新の研究結 果を探索し、利用すること(Q 1.3.2) カリキュラムに対する意見(Q 1.3.1) A. 質的向上のための水準にかかわる点検 日本国憲法第 23 条では学問の自由が保障されている。教育基本法第 7 条 2 では、「大学 については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなけれ ばならない」とある。新潟大学医学科は、これらを遵守し、教員ならびに学生の教育・研 究の自由を保障しており、これには適切な表現の自由、質疑と発表の自由が含まれる。ま た、教員・学生は、現行のカリキュラムのなかで医学的事項の解説分析について異なった 視点を持つことが許されている。 教員については、全教員懇談会や全講座アンケートなどを通じて、学生については授業 評価アンケートや全学生カリキュラムアンケートなどを通じて、カリキュラムに対する意 見を自由に表明できるよう保障してきた。毎年、各科目について履修修了時に授業評価ア ンケートを実施し、その内容を各教員にフィードバックするとともに、学務委員会でカリ キュラムの問題点を抽出し、改善を図っている。全学生対象のカリキュラムアンケートは、 記名式で、医学科の教育理念と教育目標の改定の必要性の有無、各カリキュラムに対する 評価(5 段階程度)とその理由や改善案など、全 44 項目について具体的な自由記述を求め た。回収率は、1 年生が 80%(97/122)、2 年生 12%(17/141)、3 年生 8%(10/132)、4 年 生 29%(32/110)、5 年生 29%(30/102)、6 年生 19%(20/105)であった。全教員懇談会、 授業評価アンケート、全講座対象カリキュラムアンケート、全学生対象カリキュラムアン ケートなどにより寄せられた意見は、2014 年度開始の新カリキュラムに反映されている。 要約すると、 1 年次は五十嵐キャンパスで教養科目を学び、医学科の先輩もおらず、医学から疎外され ている思いがあるために、専門科目を早期に実施すべし、という意見があり、2 学期に医学 科のある旭町キャンパスで「医学入門」を開設することとした。 2 年次は進級困難者が毎年 20 名程度と多く、カリキュラムが過密ではないか、という意 見があり、基礎医学科目の一部を他学年に振り分けたり廃止したりすることにより、カリ キュラム負担を軽減することとした。 3・4 年次では、講義形式の反省から現行カリキュラムに取り入れた小人数グループ学習 に関して、十分な教員数を配置することが困難であることもあり、小人数グループ学習が 十分な教育成果を達成していないのではないかという意見があった。講義を復活させると 21

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ともに、少ない教員数で小人数グループ学習と同じように学生の考える力、議論する力を つけさせることができるようにチーム基盤型学習(TBL)を導入する予定である。 5・6 年次での臨床実習に関して、実習すべき週数やローテートすべき診療科を含め、 多様な意見が出された。特に、診療参加型臨床実習が十分に行われていないのではないか という意見が聞かれた。カリキュラム準備作業部会、学務委員会、全教員懇談会、カリキ ュラム委員会、教授会議で活発な議論を行い、臨床実習Ⅱを診療参加型臨床実習にするこ ととともに、週数と内容を拡充する方針とし、議論を続けている。 参考資料 Q 1.3.1.A 2012 年度 授業評価アンケート 2011 年度 全講座対象カリキュラムアンケート 2011 年度 新潟大学卒の研修医対象カリキュラムアンケート 2012 年度 全学生対象カリキュラムアンケート 2014 年度開始 新カリキュラム配布資料 B. 質的向上のための水準にかかわる自己評価 教育については各教員の裁量に任される部分が多い。毎年、各科目について履修終了時 に授業評価アンケートを実施し、その内容を各教員にフィードバックし、教員、学生に対 して実施したカリキュラムアンケートの解析結果を全教員懇談会、カリキュラム委員会、 クラス幹事懇談会でフィードバックすることにより、カリキュラムに対する教員ならびに 学生の意見については教育・研究の自由を適切に保障していると考える。 C. 現状改良に向けた提言 授業評価アンケートを毎年、継続して実施する。全教員、全学生、新潟大学卒の研修医 に対するカリキュラムアンケートを 2014 年度以降も行う。 D. 問題改善に向けた提言 授業評価アンケートを毎年、継続して実施する。全教員、全学生、新潟大学卒の研修医 に対するカリキュラムアンケートを繰り返して実施して、新カリキュラムの改善に役立て る。 カリキュラムを過剰にしない範囲で、特定の教育科目の教育向上のために最新の研究結果 を探索し、利用すること(Q 1.3.2) A. 質的向上のための水準にかかわる点検 カリキュラムの実施にあたり、シラバスの作成ならびに講義の形式については、各教員 の裁量に任されており、カリキュラムを過剰にしない範囲で、教育向上のために能動学修 22

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(active learning)、問題解決能力などの最新の研究結果を探索し、利用している。 1 年次から 6 年次まで能動学修、問題解決能力学修を取り入れている。 1 年次 医学論文を読む、早期医学体験実習(EME) 2 年次 医学概論Ⅰ、医学概論Ⅱ 3 年次 臓器別統合医学の少人数グループ学習 4 年次 臓器別統合医学の少人数グループ学習、医学研究実習 5 年次 臨床実習Ⅰ 6 年次 臨床実習Ⅱ B. 質的向上のための水準にかかわる自己評価 カリキュラムを過剰にしない範囲で、特定の教育科目の教育向上のために最新の研究結 果を探索し、適切に利用していると考える。 C. 現状に向けた提言 毎年、新潟大学医学科の教員がヨーロッパ医学教育学会(AMEE)や日本医学教育学会に積 極的に参加して内外の医学教育の専門家と意見交換を行い、最新の医学教育に関する研究 結果を探索するように心がける。 D. 問題改善に向けた提言 2015 年度に、日本医学教育学会を新潟大学で主催する。そこでは、新潟大学医学科の教 員が医学教育に関する最新の研究成果を探索する適切な機会を提供する。以降も積極的に 医学教育関連の学会の成果を取り込む環境を検討していく。 注 釈: ・[組織自律性]は、教育の重要な分野、例えばカリキュラムの構築(2.1 および2.6 に示 す)、評価(3.1 に示す)、入学者選抜(4.1 および4.2 に示す)、教員採用・昇格(5.1 に示す)および雇用形態、研究(6.4 に示す)、そして資源配分(8.3 に示す)につい て政府機関、他の機関(地方自治体、宗教団体、私企業、専門者、他の関連団体)から 独立していることを意味する。 ・[教育・研究の自由]には、教員・学生の適切な表現の自由、質疑と発表の自由が含まれ る。 ・教員・学生は、現行のカリキュラムのなかで医学的事項の解説分析について異なった視 点を持つことが許される。 ・カリキュラム(2.1 の注釈を参照) 23

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1.4 教育成果 基本的水準: 医科大学・医学部は、 ・学生が卒業時に達成すべき目標とする教育成果を定めなくてはならない。それらの成果 は、以下と関連しなくてはならない。 ・卒前教育として達成すべき基本的技能・態度(B 1.4.1) ・将来の専門として医学のどの領域にも進むことができる適切な基本(B 1.4.2) ・保健医療機関での将来的な役割(B 1.4.3) ・卒後研修(B 1.4.4) ・生涯学習への意識と学習技能(B 1.4.5) ・地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任(B 1.4.6) ・学生が学生同士、教員、医療従事者、患者、そして家族を尊重し適切な行動をとる ことを遵守させなければならない。(B 1.4.7) 卒前教育として達成すべき基本的技能・態度(B 1.4.1) A. 基本的水準にかかわる点検 新潟大学医学科は、学生が卒業時に達成すべき目標とする教育目標 6 つを定めている。(資 料 B 1.1.1.A-2:新潟大学医学科 教育目標 参照) 2000 年度から実施されている現行カリキュラムは、小人数グループ学習を導入し、個々 のシラバスを明確に作成することが課せられた。2005 年度に全国の医学部で共用試験 CBT と OSCE が導入され、臨床実習までの最低限の知識、技能、態度の明確な達成目標が示され た。 卒前教育として達成すべき基本的技能・態度と関連する具体的な教育成果として、6 年次 の臨床実習Ⅱでは、以下の 5 つの行動目標を定めている。 資料 B 1.4.1.A-1:臨床実習Ⅱ 5 つの行動目標 1. 医学科 6 年次学生として、注意事項を遵守し、医師となる自覚を持って行動できる。 2. 適切で、患者に信頼される医療面接ができる。 3. 患者に不快感を与えず、必要な身体診察を行い、所見を説明できる。 4. 医師一般に必要な基本的臨床手技の適応、準備、手順、合併症を説明し、自ら実施でき る。 5. 選択した診療科・病院の医療上の役割と医師の業務について理解を深める。 共通カリキュラムの「医療面接」、「身体診察法」、「基本的臨床手技」、「診療科・ 病院業務」それぞれについても、行動目標を定めている。 24

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参考資料 B 1.4.1.A 臨床実習Ⅱの手引き B. 基本的水準にかかわる自己評価 新潟大学医学科は、学生が卒業時に達成すべき目標とする教育成果を定めている。これ らの教育成果には、(a)基礎医学、(b)公衆衛生・疫学、行動科学および社会医学、(c)医療 倫理、人権および医療関連法規、(d)診断、診察、面接、技能、疾病の治療、予防、健康促 進、リハビリテーション、臨床推論および問題解決を含む臨床医学、(e)生涯学習を行なう 能力、および医師の様々な役割と関連した専門職としての意識(プロフェッショナリズム) が適切に含まれていると考える。2014 年度開始の新カリキュラムでは、 1. 豊かな人間性と高い倫理性を備え、全人的医療に貢献できる 2. 高度の専門性を持つ医療チームの一員として貢献できる 3. 広い視野と高い向学心を有する医学研究者・教育者となり得る 4. 保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる 5. 地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる 6. 探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ちつづける この 6 つを教育成果(アウトカム)とするアウトカム基盤型カリキュラムを構築するこ とがカリキュラム委員会、学務委員会、教授会の議論に基づいて決定されている。 C. 現状に向けた提言 新カリキュラムの 6 つの教育成果(アウトカム)のそれぞれに評価可能な到達目標(コ ンピテンシー)を 2014 年度までに作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムの 6 つの教育成果(アウトカム)のそれぞれに評価可能な到達目標(コ ンピテンシー)を定め、それらを修得しているかどうかを学年進行で評価するアウトカム・ ロードマップを 5 年以内に構築する。 将来の専門として医学のどの領域にも進むことができる適切な基本(B 1.4.2) A. 基本的水準にかかわる点検 4 年次の医学研究実習では基礎医学、社会医学、臨床医学の医学研究を行うための発想法、 思考法、実験手技、実験結果の解釈法、実験結果の発表法などの医学研究の基本を修得し、 将来どのような医学の領域に進んでも活躍することができる適切な基本を学ぶ。学生は研 究室として基礎医学、社会医学、臨床医学を自由に選択することができる。4 年次の社会医 学の講義・実習では厚生技官として活躍するためのキャリアパスが示される。 5 年次の臨床実習Ⅰでは、「実際の医療に接する場で、全人的医療を実践するために必要 25

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な各臨床科目の基本的知識、問題解決能力、技能および態度を修得する」ことを一般目標 とし、以下の行動目標をあげている。 資料 B 1.4.2.A-1:臨床実習Ⅰ 行動目標 1. 人に不快感を与えない清潔な身だしなみで行動できる。 2. 礼儀正しく行動できる。 3. 時間厳守で行動できる。 4. 病院を含め社会の規範を守って行動ができる 5. 患者さんに思いやりを持って接することができる。 6. 患者さんのプライバシーに十分配慮し、守秘義務を遵守できる。 7. 指導教員や医療スタッフの指示を守って行動できる。 8. 医療スタッフや同僚と協調して行動できる。 9. 院内感染対策に十分配慮して行動できる。 10. 医療安全対策に十分配慮して行動できる。 11. 医療機器、物品、消耗品などを大切に扱うことができる。 12. 医学生としての誇りを持って行動できる。 24 の臨床科(内科学第三、外科学第一、産婦人科学、小児科学、小児外科学、皮膚科学、 精神医学、血液・内分泌・代謝内科学、循環器内科学、検査診断学、形成外科学、整形外 科学・リハビリテーション、神経内科学、脳神経外科学、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学、泌 尿器科学、内科学第二、総合診療部、総合地域医療学、眼科学、麻酔科学、放射線科学、 救急医学)それぞれで、将来の専門として医学のどの領域にも進むことができる適切な基 本と関連した具体的な教育成果として、行動目標を定めている。 例えば、内科学第三のユニット①「病棟患者診察」では、以下の行動目標を定めている。 1) 病棟入院患者の医療面接と身体診察を円滑に行い、患者との良好なコミュニケーショ ンを持つことができる。 2) 患者の正しい病歴採取と身体診察を行い、病態理解を行った上でカルテに適切に記載 し、その要点を明瞭に説明できる。 3) 病歴、身体所見をもとに最も考えられる疾患および鑑別診断を挙げることができる。 4) 診断確定に必要な検査項目を挙げることができる。 5) 検査データの解析と各種画像所見・内視鏡所見の読み取りができる。 6) 治療法の概略を説明できる。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 将来の専門として医学のどの領域にも進むことができる適切な基本と関連する教育成果 が、学年進行に応じて具体的に定められていると考える。 26

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C. 現状に向けた提言 2014 年度開始の新カリキュラムでは、教育成果(アウトカム)のそれぞれに 5 年次臨床 実習Ⅰの一般目標、6 年次臨床実習Ⅱの行動目標に対応した到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成する。 D. 問題改善に向けた提言 2020 年には新カリキュラムの卒業生が誕生する。新カリキュラムの 6 つの教育成果(ア ウトカム)のそれぞれに 5 年次臨床実習Ⅰの一般目標、6 年次臨床実習Ⅱの行動目標に対応 した評価可能な到達目標(コンピテンシー)を定め、修得しているかどうかを学年進行で 評価するアウトカム・ロードマップを 5 年以内に構築する。 保健医療機関での将来的な役割(B 1.4.3) A. 基本的水準にかかわる点検 保健医療機関での将来的な役割と関連する教育成果として、「保健、医療、福祉、厚生 行政に貢献できる」を定めている。また、4 年次の保健所実習では、以下の 3 つの実習目標 を定めている。 資料 B 1.4.3.A-1:保健所実習について-実習目標(抜粋) 1. 地域特性と地域住民の健康状態を把握し、理解する。 2. 地域の健康の向上や健康問題の解決のために、医師が展開している活動の意義と方 法を理解し実践する。 3. 地域住民の健康の保持・増進・疾病の回復と予防をねらいとする地域の保健・医療・ 福祉システムにおける医師の果たす役割について理解する。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 保健医療機関での将来的な役割として「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献できる」と いう教育成果を適切に定めていると考える。2014 年度開始の新カリキュラムでは、「保健、 医療、福祉、厚生行政に貢献できる」を 6 つの教育成果(アウトカム)のひとつに含めた。 C. 現状に向けた提言 新カリキュラムでは、教育成果(アウトカム)の「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献 できる」に対して評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成する。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムでは教育成果(アウトカム)の「保健、医療、福祉、厚生行政に貢献で 27

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きる」に対して評価可能な到達目標(コンピテンシー)を定め、修得しているかどうかを 学年進行で評価するアウトカム・ロードマップを 5 年以内に構築する。 卒後研修(B 1.4.4) A. 基本的水準にかかわる点検 新潟大学臨床研修病院群研修プログラムの理念は、「新潟の豊かな自然環境と心暖かい 人間環境のもとで、医師として必要な基本姿勢・態度を身につけるとともに、日常診療で 頻繁に遭遇する疾病や病態に対応でき、将来のキャリア形成につなげることができる基本 的な診療能力(態度、技能、知識)を修得する。」であり、その到達目標は、「(1)患者 −医師関係と医療面接、(2)基本的な身体診察法、(3)医療記録、(4)チーム医療、(5) 問題対応能力、(6)安全管理、(7)症例提示、(8)診療計画、(9)医療の社会性、(10) 緩和ケア・終末期医療、といった医師として必要な基本姿勢・態度を身につけるために、 将来の専門性にかかわらず、日常診療で頻繁に遭遇する疾病や病態に適切に対応できる基 本的な診療能力(態度、技能、知識)を修得する。」としている。 B1.4.1 で述べたとおり、医学科では 6 つの教育目標、6 年次臨床実習Ⅱでは 5 つの一般 目標を掲げている。 参考資料 B 1.4.4.A 新潟大学臨床研修病院群研修プログラム 臨床実習Ⅱシラバス B. 基本的水準にかかわる自己評価 卒後研修と関連する教育成果として、新潟大学医学科の教育目標、臨床実習Ⅱの一般目 標、行動目標が具体的に定められており、その内容は、新潟大学臨床研修病院群研修プロ グラムの到達目標と照らし合わせて、ほぼ妥当なものであると考える。2014 年開始の新カ リキュラムでは 6 つの教育目標に基づく 6 つの教育成果(アウトカム)を定めた。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムアウトカムの 6 つの教育成果(アウトカム)のそれぞれに評価可能な到 達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに策定し、臨床実習と卒後研修の成果の合致を 目指す。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムの 6 つの教育成果(アウトカム)のそれぞれに評価可能な到達目標(コ ンピテンシー)を定め、修得しているかどうかを学年進行で評価するアウトカム・ロード マップを 5 年以内に構築し、卒業生の卒後研修につながるキャリアパス形成に役立てる。 28

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生涯学習への意識と学習技能(B 1.4.5) A. 基本的水準にかかわる点検 生涯学習への意識と学習技能と関連する教育成果として、「探求心、研究心、自ら学ぶ 態度を生涯持ちつづける」を定めている。1 年次の早期医学体験実習、2 年次の医学概論、 3・4 年次の臓器別統合コースの少人数グループ学習では、教員が一方的に知識を教えるの ではなく、K-J 法、教育ディベート、情報検索法、プレゼンテーション法などを通じて、学 生が自主的に学習する能力を身につけるようにしている。 4 年次の医学研究実習では、学生自らが仮説を立てそれを検証するために、文献検討、研 究計画の策定、研究結果の解釈を行うことができるよう指導することによって、生涯学習 能力の開発を図っている。教員は研究者として生涯学習により先端的な医学研究を実践す る姿を学生に見せることによって、生涯学習のロールモデルを提供している。 5・6 年次の臨床実習では、学生が主体的に担当患者を診察し、診断・治療計画の策定に 携われるように指導することによって、生涯学習能力の開発を図っている。また、教員は 医師として生涯学習によりエビデンスに基づいた医療を実践することを通じて、学生に対 して生涯学習のロールモデルを提供している。 B. 基本的水準にかかわる自己評価 生涯学習への意識と学習技能と関連する教育成果は、適切に定められていると考える。 2014 年度開始の新カリキュラムでは「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持ちつづける」 を 6 つの教育成果(アウトカム)のひとつに含めている。 C. 現状改良に向けた提言 新カリキュラムでは教育成果(アウトカム)の「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯 持ちつづける」に対する評価可能な到達目標(コンピテンシー)を 2014 年度までに作成す る。 D. 問題改善に向けた提言 新カリキュラムの教育成果(アウトカム)の「探求心、研究心、自ら学ぶ態度を生涯持 ちつづける」に対する評価可能な到達目標(コンピテンシー)を定め、修得しているかど うかを学年進行で評価するアウトカム・ロードマップを 5 年以内に構築する。 地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任(B1.4.6) A. 基本的水準にかかわる点検 地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任と関連する教育 成果として、「地域の医療に貢献するとともに、国際的に活躍できる」、「保健、医療、 福祉、厚生行政に貢献できる」を定めている。また、5 年次のコース「地域医療 臨床実習 29

参照

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