18 平成26年度厚生労働科学研究費補助金
新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等 開発推進研究事業)
ワクチンの有用性向上のためのエビデンス及び方策に関する研究 研究協力者名 福島県立医科大学小児科学講座 細矢光亮
研究要旨;平成26年、福島県で発症した細菌性性髄膜炎の全例調査を行った。細菌性髄膜 炎は全例で3症例有り、2例がGBSでもう1例は起炎菌を同定できなかった。インフルエ ンザ桿菌および肺炎球菌髄膜炎の髄膜炎は無かった。福島県において細菌性髄膜炎は減少 してきており、過去 3 年間はインフルエンザ桿菌および肺炎球菌髄膜炎の髄膜炎は発症し ていないが、GBS による髄膜炎は散発している。今後とも全例調査を続けていく必要があ ると思われる。
研究目的;小児の化膿性髄膜炎が医療上問 題になっているが、Hib ワクチンが導入及 び肺炎球菌も結合型ワクチンが導入され普 及してきている。疾患の疫学はワクチンが 発売されることにより変化することが予想 されるが、ワクチン発売前の疫学調査はな く、また発売後の接種率を正確に把握しな いと、その効果の評価ができない。平成19 年から平成 21 年までワクチン発売前後の 髄膜炎の評価をしており、今回ワクチン発 売後の福島県の細菌性髄膜炎の全例調査を することは極めて重要である。また平成25 年11月より7価から13価の肺炎球菌ワク チンに変更になっており、肺炎球菌の血清 型の動向を調査するのは非常に大切である。
研究方法;平成26年1月から12月までの 福島県内の小児科の入院施設がある 16 病 院に対して、アンケート調査を行う。対象 は小児の化膿性髄膜炎全例である。調査は 個人を特定できるような情報は含めず、ま た研究期間中も個人情報の漏出内容に厳重 に注意する。
研究結果;平成26 年1月〜平成26 年12
月まで3例の細菌性髄膜炎が報告された。
2例はGBS(日令19発症;死亡、3ヶ月発 症;硬膜下膿瘍)であり、1 例は起炎菌を 同定できなかった。肺炎球菌、インフルエ ンザ菌による髄膜炎症例はなかった。
考察;平成22年からインフルエンザ菌およ び肺炎球菌による髄膜炎症例は福島県下で は減少しており、平成24年〜平成26年は インフルエンザ菌及び肺炎球菌による髄膜 炎は発症していない。GBSによる髄膜炎は 散見している。
結論
今後も、乳児早期のHibワクチン及び肺炎 球菌ワクチンの接種を啓蒙し、今後も細菌 性髄膜炎の発症動向を調査して、ワクチン の効果・有用性を評価していく必要がある と思われる。
研究発表
1.論文発表及び学会発表 なし
知的財産権の出願・登録状況 なし