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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 掌蹠膿疱症における金属感作に関する検討

掲載雑誌名 昭和学士会雑誌 第 76 巻 第 4 号 平成 28 年 8 月

専攻名 片山恵子 内容要旨

掌蹠膿疱症は 40 代以降に好発し,手掌および足底に無菌性膿疱の多発を 認める難治性の炎症性疾患である。病態は好中球の遊走活性亢進状態と推 測されているが,原因は不明で誘因として病巣感染,喫煙,金属アレルギ ー等が挙げられている。本症における金属アレルギーを検討する目的で,

22 年間のパッチテスト結果を検討した。1990 年 4 月より 2012 年 3 月まで に昭和大学病院附属東病院皮膚科を受診し,歯科金属シリーズのパッチテ ストを施行した 1025 名(男 210 名,女 815 名,平均年齢 40.1, SD±18.1 歳)を対象に,掌蹠膿疱症群(148 名:男 42 名,女 106 名,平均年齢 47.0,

SD±13,5 歳)と他疾患群(877 名:男 168 名,女 709 名,平均年齢 38.9,

SD±18,5 歳)で陽性率の比較を行った。パッチテストは 18 種類の金属試 薬 (Table 3)をパッチテスト用絆創膏ミニ(1990〜1994)ないしはパッチ テスター「トリイ」(1995〜2012)を用いて背部の健常皮膚に貼付し,48 時 間後に除去した。判定は 72 時間後に ICDRG (International Contact Dermatitis Research Group)基準に基づいて施行し,+〜+++を陽性とし た。得られた各金属に対する陽性率を,掌蹠膿疱症群/他疾患群間で IBM SPSS Statistics ver.22 を用いて χ2 検定で比較検討した。掌蹠膿疱症 群/他疾患群で各金属の陽性率を比較すると,5%硫酸ニッケルに対する陽 性率は 12.2%(18/148)で他疾患群の 29.6%(260/877)に比して有意に低 かった (p < 0.05)。0.5%塩化白金酸に対する陽性率は前者では 6.8% (148 名中 10 名)であったのに対して,後者では 2.6% (877 名中 23 名)に過ぎず 両群間に有意差が認められた(p<0.05)。

掌蹠膿疱症患者においてニッケルの陽性率が低かった理由としては,ニ ッケル感作者は若年女性ほど多い傾向があるので,中高年に好発する本症 では他ニッケルの陽性率が低くなったためと考えた。他方,掌蹠膿疱症で は白金に対する陽性率が他疾患群に比して有意に高く,白金に対するアレ ルギー反応が本性に重要な役割を担っている可能性が高いと考えられた。

(2)

白金に陽性反応を認めた掌蹠膿疱症患者 10 名(男 1, 女 9)の平均年齢は 49.8 ( S.D.±13.5)歳で,少なくとも 8 名は明らかな歯科治療歴を有して いた。しかし,上述の 8 名中,自身の装着している歯科金属の組成を知っ ていた者は認められず,今後は歯科金属の組成等について患者への情報還 元が望ましいと考えた。本症のパッチテスト結果について,1施設での長 期間にわたるデータの検討結果は報告されておらず,

新知見を与える研究と考えられる。

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