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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

リエントラントスピングラス相におけるスピンの凍 結状態 : 磁気混晶Co_<1-x>Mn_xCl_2・2H_2Oのプロ トンNMR

善明, 和子

https://doi.org/10.11501/3079453

出版情報:Kyushu University, 1994, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第三� 4- :�

要旨

リニr::_ :::.-.--ト でフニ/ト 二えヒプニ/タプ、fラ三之本目 におけるスピンの凍糸吉オ犬兎主主

前章で混品C01-xMnxC12・2H20のRSG相におけるプロトンNMRでは, メイン ラインがCoC12・2H20もしくはMnC12・2H20のスピン構造をもっ長距離秩序領域, サ テライトラインがSG領域を反映していることを示した. この章ではサテライト ラインのスペクトルの温度変化を隣接8個のスピンの強磁性的結合と反強磁性的 結合に濃度の重みをつけ たモデルで解析し, S G領域のスピンの凍結状態が全く ランダムではないことを示す.

1 . サテライトライン line shape の濃度変化

1-1. ゼロ磁場スペクトルの濃度変化

前章でプロトンNMRスペクトルのサテライトラインはスピングラス(S G ) 領域を反映していることを示した. 従って, このサテライトラインがどの様なス ピン構造を反映しているかを明らかにすれば, S G領域のスピン凍結状態を明ら

かにすることができる.

図4-1にRSG相におけるゼロ磁場スペクトルの濃度変化を示す. 測定温度は全 濃度領域にわたり1.5:tO.1Kである. 図4-1のNMRスペクトルは非対称なメイン ラインとサテライトラインからなっている. これをいく つかのガウス形ラインの 重なりとして分解した例を図4-2に示す(メインラインの非対称の原因については 第5章で述べる) . これらの分解した各ラインの中心周波数, 半値幅の濃度変化 を図4-3, 4-4に示す. 図4- 3に示すようにメインラインはほぼ18MHzで一定である

が, サテライトラインの中心周波数は濃度の増加に伴い急激に下がっている. こ のサテライトラインの中心周波数の急激な減少はこの混品のNMRスペクトルに おける一番特徴的な点である.

図4-4に示すようにメインラインの幅の濃度依存は, 約 x = 0.65をピークとして

(3)

ゐ一一寸

一一一

一一--r-- ---.

0 0 00

0.86

L�ら二、一向。

0 0

8

X。

OO� __

V 山?。。 ∞00000∞00

0.81 θ

0

θ

0

8

<0

。oc?

o

θ

/

0.72

0.62

川一 。 。0 0 0 0 0 。 0 0 0 0 0 0 コ ♂ 門》

0 0

。 。

。 。

0.54

。 o o ny 。

<t,

I �句。{♂閣がh�

21 25

(MHz) 0.30

13

Frequenc-y

図4-1 RSG相の濃度領域における混品COt-xMnxC12・2H20のプロトンNMRス ベクトルの濃度変化. ゼロ磁場, 1. 5 :tO.1K.

-66-

(4)

(a)

(b)

13 17 21 25

NMR Frequency (MHz)

図4-2 観測されたスペクトルのラインの重なり. (a) t (b)はそれぞれMn濃度x

= O. 54, O. 72である. 各ラインはガウス型である. ゼロ磁場, 1. 5 K.

(5)

Mn 25

Mn

e・一一、Þ.---,--‘

Co

(N工芝)

ケ20

C

σ ω

L

lL.

ーーーハY11111ハYーー いけ仏げ川 ーIlo--

15

ぽ芝Z

Mn

図4-3 混品COl-xMnxC12・2H20のプロトンNMRスペクトルにおけるサテライト ライン(0)とメインライン(・)の中心周波数の濃度変化. ただし, この 中心周波数は図4-2のようなガウス型ラインの重なりとして解析した結果

である. 実線は濃度の重み付ランダムなスピンによるサテライトライン の中心周波数の計算値, 破線はCo-型, およびMn-型反強磁性スピン構造 におけるNMR周波数の計算値. 詳細は本文参照.

X 0.5

Concentrat ion O

Co

-68-

(6)

減少しており, 反強磁性( A F )相とRSG相との境界濃度である約x = 0,25で は幅に特別な 変化は見られない. サテライトラインの幅は非常に広く非対称で,

約x = 0,75で最大となる. 一般に, CoとMnが混じり合うことにより生じる幅の濃 度変化は50%をピークとして対称になるが, このRS G相におけるサテライトライ ンの場合は非対称である. この半値幅の濃度に対する非対称 性もこの混品のNM

Rスペクトルにおける特徴的な点である.

1-2, N M R共鳴周波数の磁場依存

サテライトラインの共鳴周波数の外部磁場依存を見ることは, メインラインと 同様に, サテライトラインの起源を知るために重要である. 図4-5にRSG相の典 型的な2つの濃度, x = 0, 30, 0, 70についての磁場依存を示す. x = 0, 30, 0, 70 共にハッキリと観測されたピーク値をOで示しているが, その他にもピークがは っきりしない信号が続いている. これはサテライトラインが観測されたいくつか のピークだけでなく, もっと数多くのラインの集合であることを示唆している.

これら複数のサテライトラインがスピングラス領域固有のものであれば, 高温 部のAF相では消滅するはずである. 図4-6にx = 0,70の場合の磁場中スペクトル の温度変化を示す. A F相の2,6 KではCo-型AFを表すメインラインのみ存在し,

1. 45 Kに見られる色々なサテライトラインは一切消滅している. 従って, 磁場中に 見られる複数のサテライトラインはスピングラス領域の反映である.

以上の結果は, サテライトラインは1つのピーク周波数で表されるようなスピ ン構造の反映ではなく, 多数のスピン構造による周波数の重ねあわせの結果であ ることを強く示唆してい る. またこのことがサテライトラインの半値幅を広くし ているものと思われる.

1 -3. サテライトラインの観測結果の特徴

RSG相でのサテライトラインに関する観測結果の主な特徴は次のように要約 できる.

①サテライトラインの中心周波数は図4-3 に示すように大きく濃度変化する.

②サテライトラインの半値幅は濃度に対して非対称であり, 図4-4に示すよう

(7)

dp 」o ω

6

2 4

(N工芝) 。c一」

£刀一三

X 0.5

Concentrat ion

刈4-4 サテライトライン(0 )とメインライン(・)の半値幅の濃度変化. この半 値幅は図4-2のようなガウス型ラインの重なりとして解析した結果である.

太い実線は濃度の重み付ランダムなスピンによるサテライトラインの半 値幅の計算値, 細い実線はCo-型, およひ"Mn-型反強磁性スピン構造にお

けるCoとMnが混ざることによる半値幅の計算値. 詳細は本文参照.

ー70-

(8)

(a)

35

(N工TL) 30

〉、u

25

σ Qj

...

u..

。 2 4 6 8 /. L 10

External Field (kOe) U jb

S

α芝Z

15

。 2 4 6

External Fleld (kOe)

、、IJED

,,E‘、

15

。 4 6

Extern弓1 F!f.>ld (kOf.>) 8 4Fb10 2

〉、

� 25

<IJ g

15

。 2 4 6 8 10

External Field (kOe) a *

図4-5 混品COl-xMnxC12・2H20のプロトンNMR周波数の外部磁場依存. 1. 5 K,

(a)はx =0. 30, (b)はx = O. 70, 実線は濃度の重み付ランダムモデルで の計算値(詳細は本文参照). Mはメインライン, sはサテライトライ ンを表す.

(9)

(a)

1.45 K

4 10

(b) 2.60

K

2

図4-6 磁場中でのスペクトルの温度変化. x = O. 70. N M R周波数は33MHz.

1. 45 Kにおける細い実線はこのスペクトルをガウス型ラインの重なりと

して分析したもの, 太い実線はその和を表す.

円ノ臼門,t

(10)

に約x = O. 75で最大の幅, 約4.5MHzを持つ.

③中心周波数だけでなく, サテライトラインの形自身が図4-1に示すようにか なり特異な濃度変化をする.

④ x = O. 70におけるサテライトラインは明らかに外部磁場中では複数に分裂し ており, 複数のスピン構造の反映であることを示唆している.

サテライトラインはRSG相におけるSG領域の反映であり, 以上の結果の原因 を明らかにすることはSG領域のスピンの凍結状態を明らかにすることになる.

2. スピン凍結の解析モデル

2 -1. プロトンの受ける双極子磁場と磁気モーメントの大きさ

(a)プロトンへの全体の双極子磁場

プロトン核のNMR周波数はプロトンの受ける双極子磁場に比例する. 双極子 磁場はスピン構造や磁気モーメントの大きさ等に依存するので, N M R周波数は 周辺のスピンの状態、を反映する. 従って, 双極子磁場の観測値を計算値と比べれ ばプロトン周辺のスピン構造を求めることが出来る. 双極子磁場はr -3で減衰す る長距離相互作用である. 注目するプロトン核からどれぐらいの距離のスピンま で実際に効いているかを知るため, CoC12.2H20とMnC12・2H20について半径R以内 のモーメントによる双極子磁場を計算してみた. その結果を1μ8当りの周波数と して図4-7に示す. 双極子磁場は振動しながら収束していき, 30A以上ではほとん ど同じであり, 変化は0.5%以内である. 従って, 今後これらの化合物の双極子磁 場として半径50A以内の値を用いることとする. 第3章の表3-2に示した双極子磁

場の計算値もこのようにして求めたものである.

( b)プロトン近傍のスピンの寄与

双極子相互作用は本来長距離相互作用だが, CoC12・2H20もMnC 12・2H20も図4-7に 示すように双極子磁場の収束は大変に良く, 双極子磁場の主要な部分はせまい範

囲のスピンでほとんど決まる. 10A以内の球内にあるスピンによる全体の双極子磁 場への寄与はCoC12.2H20では94児, MnC12・2H20では99出である. このようにCoC12・

(11)

6

�5

、...,_,

ιJ 〉、

C

。ー GL. J

LL4ト

3 0

I \

Co

Mn

20 40

Radius (A)

60

図4 -7 化合物CoC12・2H20, MnC12・2H20のスピン構造におけるプロトンへの双極

磁場によるNMR共鳴周波数の距離依存. 横軸の半径はプロトンを中 心とした球の半径, 磁気モーメントの大きさは1μ8 である.

ー74-

(12)

2H20とMnCl^・2H20におけるプロトンへの双極子磁場に寄与するスピンの範囲の狭 さを考慮すると, プロトンへの双極子磁場を" 近傍のスピンについてはその状態を 個別に考慮し, それ以外は補正項とする"という近似が可能となる. そこで以下,

Hd= 2: Hdn+const.

と近似する. 第1項が各スピンの個別の寄与であり, 第2項はその他のスピンに よる双極子磁場である.

nの値は大きくとる程近似は良く なるが, 一方で大きくとると計算は複雑にな る. そこでプロトンの近傍の各サイトのスピンが実際にはどの様な寄与をしてい るかを計算してみる. 第1隣接スピンによるプロトンの双極子磁場への寄与は圧 倒的に大きく全体の約80却を占める. それ以外の各スピンの寄与はいろいろである が, 寄与の大きさとプロトンからの距離とは必ずしも一致しない. 寄与の大きい ものから8個のスピンの寄与を表4-1に示す(距離の近い順ではない) . 注目してい るプロトンに対してどのような位置にあるかを図4-8に示す. 8個のスピンによる 双極子磁場は50A以内の双極子磁場の総和に対して, Coスピンでは103丸 Mnスピン では99児である. そこで本章では, プロトンの双極子磁場についてはこれらの8個 のスピンの状態については向きなどを個別に考え, それ以外は補正項とする.

ち, 以下, 本章においては, プロトンの双極子磁場を,

Hd= 2: Hdn+const. (4-1)

であると近似する. 第1項は図4-8の8個のスピンによる双極子磁場であり, 第2 項は上の8個のスピン以外の寄与であり全体の1/100の桁の小さな一定値である.

(c)双極子磁場の大きさの濃度変化

CoC12・2H20とMnC12・2H20の格子定数は表卜lに示すようにほぼ同じではあるが,

全く同じ訳ではない. またプロトンの位置もCoC12・2H20とMnC12・2H20では少し異 なる <11 ) <1 2 ) 従って, これらの混晶C01-xMnxC12・2H20においては格子定数やプ ロトンの位置は濃度に応じて変化すると考えられる. これら格子定数やプロトン の位置の濃度変化は, 近傍のスピンによる双極子磁場の大きさ自身が濃度に応じ

(13)

表4-1

プロトンの近傍のモーメントの双極子磁場(kOel 1/.10)0 siteの数はプロトンからの距離の近い/1債を表す。

CoC12・2 H20

slte Hdx* Hdy Hdz

+ 0.2353 0.8984 0.2691

3 + 0.0297 0.0327 -0.2087

2 0.2099 -0.0653 -0.0646

5 0.0887 -0.0588 0.0724

4 -0.1192 -0.0596 -0.0006 7 -0.0341 -0.0375 0.0299 10 + -0.0090 0.0827 -0.0103 11 -0.0052 0.0414 0.0364

su汀1 0.1055 1.2764 0.0494 1.2817 (103.2�)

const +0.0160 -0.0531 0.1237

total 0.1215 1.2233 0.1731 1.2414

MnC12・2 H20

slte Hdx* Hdy Hdz

+ 0.2961 0.8055 0.1243

3 0.0289 0.0119 -0.1564

2 + 0.2462 -0.0603 -0.0669

5 0.0777 -0.0562 0.0735

4 + -0.0963 -0.0540 0.0066 7 -0.0243 -0.0309 0.0226 10 + -0.0121 0.0775 -0.0051

11 -0.0062 0.0335 0.0335

SU汀1 0.3578 0.8104 0.0857 0.88770 ( 99.2�)

const -0.0029 0.0083 -0.0122

total 0.3549 0.8187 0.0736 0.89529

-76-

(14)

11

c lフ b

図4-8 号サイはフロトンに近い順序を表す.

1に属するフ。ロトン(.)の双極子磁場に効く近傍のスピン 番

(15)

て変化することを意味する. 例えば、 全体の双極子磁場に最も大きく寄与する第 1隣接スピンによる双極子磁場のy成分は, CoC12・2H20では0.8984kOe/μ8, Mn C12・2H20では0.8055kOe/μBと僅かに違っている. そこで, 本論文ではMn濃度x における混晶の双極子磁場の大きさを濃度に応じて直線的に変化すると仮定して,

Hdα=(l-x)・HdαCo + x'Hdα門n (α: x, y, z) (4-2)

と近似する。 ただし, H dαC 0とHdα門nとはそれぞれCoC12・2H20の格子定数およ びMnC12,2H20の格子定数における双極子磁場のα一成分の大きさである.

(d) C 0とMnの磁気モーメント

CoC12・2H20におけるg-値は7.3である 45 ) 従って, Coの磁気モーメントの大 きさはμCo=3.65μBである. 一方, Mnの磁気モーメントはg一値が2.0とすれば 5μBである。 これらの値を用いると上の双極子磁場から, Co C 12・2H20とMnC12・

2H20のNMR周波数はそれぞれ19.29MHzと19.06MHzとなる. これらの値は観測値 の17.95MHz , 17.96MHzよりもかなり大きい 43) . 4 5 )

観測と合わない理由は次の2点、にあると考えられる. 第1に格子定数の温度変 化, プロトンの位置そのものの持つ誤差がある. 第2に, 磁気モーメントの大き

さの温度変化, g-値の誤差などがある. これらの2点の中でどちらが主要であ るかは明らかではない. しかし、 本論文の主たる目的はRSG相において, スピ ン構造がCoC12・2H20のスピン構造 ( CO-型) あるいはMnC12・2H20のスピン構造(Mn -型)をもっAF相からどのように変化するかということであり, NM Rの観測結 果で言えば, 約18MHzの鋭いピークからの変化の原因を明らかにする点に目的があ る. 純CoC12・2H20あるいはMnC12・2H20における計算値と観測値との不一致の原因 がどの点にあるかは本章の目的ではない. 従って, 観測値との不一致は磁気モー メントの大きさの差によると仮定することにする. そして, 全体の双極子磁場を 観測と合致するように磁気モーメントの値をμCo=3.396μ8, μ門n=4.712μBと 仮定する.

また, ゼロ磁場 スペクトルにおいては図3-1に示すように, x < 0.07における

Co-型AF相においては24.0MHzにサ テライトラインが観測される. 第3章でも述 べたが, Fujii等やKubo等の結果が明らかにしているように, 46) 51),52}このサ

-78-

(16)

テライトラインはMnが単純にCoと入れ替わっているだけのためのものである. 従 って, chain内は強磁性(F ) chain間は反強磁性( A F )的に結合している.

このスピンの状態を仮定して双極子磁場の計算値と比べてみると, Coが3.396μB,

Mnが5μBならばサテライトラインの周波数は24.45MHzとなり, 観測値の24.0MHzよ りも高い周波数になる. サテライトラインの周波数が24.0MHzになるようにMnモー メントの大きさを調整してみると, Co-型AF相中のMnが4.890μBであれば, サテ ライトラインのピーク周波数は24.00MHzとなる. これらの結果より, 本章ではモ ーメントの大きさを次のように仮定する. すなわち, Coの磁気モーメントは濃度 に依存せず3.396μBであり, Mnの磁気モーメントはCo-型AF相中では4. 890μB , 純MnC12・2H20では4. 7112μBであると仮定する. 従って, Mnモーメントの大きさは 濃度変化することになる. ここでは濃度に対して直線的に変化すると仮定して,

μ門n=4.890(1 -x)+4.711x

=4.89-0.18x

と近似する.

(4- 3)

プロトンの双極子磁場は上述のように近傍の磁気モーメントの寄与で近似でき るが, その中で第1隣接のスピン による寄与 は圧倒的に大きい. 表4-1に示すよう に約80出が第1隣接モーメントによる. 従って, 第一隣接スピンがCoで、あるか, そ れとも Mnであるかにより全体の双極子磁場は大きく変わる. 一方, 第2隣接以上 のスピンの寄与はずっと小さ く, CoであるかMnで-あるかにはほとんど依存しない.

従って, 磁気モーメントの大きさとしては第1隣接スピンはCoであるかMnである かを考慮するが, 第2隣接スピン以上の磁気モーメントの大きさは濃度に応じて,

μc門(x)=(l-x)μCo + xμM n (4-4)

と近似する.

2 -2. 特定のスピン構造と全くランダムな凍結

計算範囲や磁気モーメントの大きさについて, 式(4-1)'"'-'(4-4)で表される近似

(17)

を前提に. S G領域のスピンの凍結状態について, 考えられるいくつかのモデル についてまず検証する.

(a)特定のスピン構造と全くランダムな凍結

サテライトラインの周波数は濃度によって大きく変わ る. この中心周波数の濃 度変化の原因としては, 前述したように, 第1に格子定数の濃度変化, 第2にMn の磁気モーメントの大きさ自身の濃度変化, 第3にCoがMnに置き換わっていくこ とによるNMR周波数の濃度変化が考えられる.

これらの原因を考慮して, CoーもしくはMn-型のスピン構造におけるNMR周波 数の変化を計算してみる. スピン構造がCo-型で. Coスピンを第1隣接, Mn-型中 でMnスピンを第1隣接とする場合については図4-3に破線で示す. 一番大きなずれ

でもMn-型のx = 0,5で約18,2MHzと, 全濃度領域にわたって約18MHzから大きくず れはしない. 従って, この場合はサテライトラインの原因ではない. 次に, Co-型 のスピン構造の中のMnスピン, あるいはMn一型のスピン構造の中のCoスピンを第1 隣接とする場合の度変化を観測値と共に図4-9に示す. A'"'-'Dまで各々第1隣接を Coとする場合とMnとする場合の2つの計算値があり, 周波数の高い方がMnを第1 隣接とする場合である. 高周波側のサテライトラインの周波数と合うのはCo-型の 中でMnスピンを第1隣接とする場合であるが, 濃度変化は小さく観測結果との一 致は悪い. これらの計算結果から, S G領域のプロトン核によるサテライトライ ンは, CoあるいはMnスピンいずれを第1隣接としても, Co-型もしくはMn一型のス ピン構造のプロトン核にはよらないことは明らかである.

次に, Co-型やMn-型以外で考えられるスピン構造について双極子磁場を計算し てみる. もともとのCo-型とMn-型のAF結合も含め, スピン構造としてはchain内 と閣の相互作用がFとAFの組合せとして次の4通りがある. CoやMnはc-軸に沿 ってchainを形成しているので, 例えば, 図4 -8でsite 1と3のスピンがchain内,

site 1-3と2-5がchain間相互作用をする.

図中記号 chain内 chain問

A F AF Co-型AF

B AF F Mn-型AF

C AF AF 中間型AF

D F F 完全 F

-80-

(18)

これらのスピン構造によるNMR周波数の濃度変化も図4-9に示す. 完全Fの場合 は観測値と合わないが, 中間型の場合は周波数は近い. 濃度による周波数変化も かなり大きいが, 変化量は約-3MHzであり観測値の-6MHzの約1/2である. また, サ テライトラインを中間型のスピン構造によると仮定すると幅の濃度変化が非対称 であることの説明ができない. 観測されたスペクトルのNMR幅は一般にCoとMn が不均一に混ざることによる. 従って, 同じスピン構造であれば, 不均ーさによ る幅の濃度変化は50部を中心とした対称の形を持たなければならないが, 図4-4に 示す結果と矛盾する. また, 磁場中ではサテライトラインが複数に分裂する点と も矛盾する.

また, もしスピン構造そのものが濃度によって変化する場合, 例えば, Co-型

→中間型 →Mn型 というように, スピン構造が変化していくのであれば, 連続的 な幅の濃度変化を説明するのは難しい. 単純なスピン構造の変化では説明できな

し\.

以上から, 観測されたサテライトラインはある特定のスピン権造の反映ではな いことが結論される.

(b)磁気容易軸とランダムなスピンの凍結

化合物CoC12・2H20はIsing型の交換相互作用を持っている. 磁気容易軸はb-軸 である. 一方、 MnC12・2H20は交換相互作用はHeisenberg型であるが, 磁気異方性 はやはりb-軸を容易軸とする. 従って, Co-richの濃度領域ではこの混晶はIsing

性の強い混晶と考えられる. 第3章で述べたように, サテライトラインの存在そ のものがこの混品のIsing性の強さを示している. 従って、 この混晶系は全濃度領 域でb-軸を容易軸とするIsing的な 混晶であると考える. 以下の計算では, 全濃度 領域で全てのスピンはb-軸について平行か反平行に向いていると仮定する.

スピングラス相でのスピン構造に関してはモーメントの向きはランダムに凍結 しているというイメージが一般的である. そこでまずこの点について検証するた め, それぞれのスピンはCoやMnによらずか軸に平行か反平行のどちらを向 くかは 全くランダムであると仮定する. この場合のMnを第1隣接とする場合のサテライ トラインのスペクトルの形をいくつかの濃度に関して図4-10に示す。 スペクトル は予想されるように非常に広い幅を持つ。 半値幅は約5MHzとなり, 中心周波数の

(19)

Mn

図4-9 4つのスピン構造によるNMR周波数の濃度変化. A, B, C, Dはそ れぞれchain内とchain間の結合が強磁性+反強磁性(Co-型) , 反強磁性 +強磁性(Mn-型) , 反強磁性+反強磁性(中間型) , 強磁性+強磁性(

強磁性)である. 高い周波数がMnを第1隣接とするプロトン, 低い方が Coを第1隣接とするプロトンによる. 0と・はサテライトラインとメイ ンラインのそれぞれの中心周波数の観測値の濃度変化.

-82-

X

0.5

Concentrat ion

む20

C ω σ ω

'-

LL

15

(N工芝)庄でLZ

(20)

x =�ー�

二=---

ィ--- ---一一一よ

NMR Frequency (MHz)

図4 -10 スピンが容易軸をb-軸として全くランダムに凍結した場合の, Mnを第 1隣接とするプロトンNMRスペクトルの計算値.

(21)

濃度による変化はほとんどなく, x = O. 25からO. 75の範囲で約1 MHz減少するのみ である.

これらの結果は観測されたスペクトルの濃度変化とは一致しない. しかし, 観 測結果と根本的に矛盾するという訳でもない. ランダムである場合の半値幅は約 5MHzとなるが, 図4-4に示す実際の幅の広さは最大で4.5MHzもあり, スピンが実際 にかなりランダムになっていることを反映していると言える. また中心周波数の 濃度変化も観測値よりは小さいとはいえ, おおよその傾向は反映している.

2 -3. スピングラス状態のモデル

サテライトラインの観測結果はある特定のスピン構造であるとすれば, 理解が 難しく, また逆に全くランダムと仮定しても, およその傾向は反映するが, 観測 結果との一致は難しい. 観測結果は両者の中間の結果となっている.

両者の中間を考えるとき, 考慮すべき点、は交換相互作用の符号と大きさを考慮 することであろう. 表1 - 2に示すようにCo-Coではc-軸方向に沿ったchain内での強

磁性交換相互作用は強いが, Mn-Mnでは弱い. そこで, 例えば, 1つのchain内の 2つのスピンがCo-CoまたはCo-MnであればF結合, Mn-MnであればAF結合という ようにスピンの個性を残した場合を考えてみた. この仮定に基づけば, chain内の 2つのスピンがAF結合する確率はx2でありF結合する確率は1- X 2となる.

また, chain 聞のスピンの結合についても, CO-COとCo-MnはAF結合, Mn-MnはF 結合というようにCoとMnの個性を考慮して, A F結合する確率を1- X 2 , F結合 する確率をX 2と仮定した. これらの仮定を基にNMRスペクトルの計算を行なっ てみた. しかし, CoとMnの個性を考慮して得られたサテライトラインのスペクト

ルの計算結果は, 中心周波数はxがO.50以下では高周波に偏り, それ以後は急に 周波数が下がり観測結果との一致は得られなかった. また, 幅の変化も実験結果 との一致は得られなかった.

以上のように, Co-Coはchain内ではF結合というようなCoとMnのスピンの個性 を残すモデルではなかなかうまく結果を説明できない. そこで次に2つのスピン がCoであるか, それともMnであるかという様な個性には依存しないというモデル を仮定する. この場合, 前述したように, スピン聞の結合が全くランダムという 場合には, 観測結果との一致は良くない. 従って, スピン聞の結合に対してどの

-84-

(22)

ような重みをつければ観測結果を説明できるかが問題となる. いくつかの場合に ついて計算したが, 以下のような重みの付け方 で, 観測結果と かなり良い一致を

得た .

① chain内の2つのスピンの結合はCo であるかMn であるかによらず,

F結合 1 -X G, A F結合 xG

と いう確率 であると仮定し, Qの値は観測 と合うようにパラメータとして変 化させる.

② chain閣の結合に関しては図4-11に示すように4通りの場合がある. 図4-8で sitel, 3が++の場合に第1 隣接のsite2,5あるいは4,7の対の結合は

F結合 X G , A F結合 1 -X G

とする. 本来, cha i n内のパラメータとchain間のパラメータは別に取る方が 望ましいが, 簡単のために同じQ とする. 図4-11の(c)(d)の場合には これら の4つのスピンだけを考えると同じエネルギーであり, その確率は1 /2 であ

る. し かし, このように取ると観測結果との一致は良くな い . 観測結果と合 わせるために(c) , (d)の場合にも重みを付ける必要がある. 重みの付け方は sitel, 3が++に対し, site2,5あるいは4,7が+ーの場合は1 -X G, 一+の 場合はX Gとする.

chain内, chain聞の結合の重みを①, ②のように仮定すると, 最隣接chain における4個のスピンの状態について, 次のような重みを付けるこ とになる.

site 1 ,3 ++ si te 2, 5 + + (1 -xG)'xG・(1 -xG) +- (l-xG)'xG・xQ

一+ (1 -xG)・(1 -xG)・X G (1 -xG)・(1 -xG)・(1 -xQ)

同様に, site1,3が+ーの場合も重みを付けるこ とが出来る. この場合はsite 2, 5あるいは4,7が++ ではXG, 一ーでは1 -X Gである.

③第2隣接のスピン との結合はCoC12・2H20でもMnC12・2H20でも同じで, F的で ある. 従って, 第2隣接chainのスピン との結合は第1 隣接の場合 とは異な

る. 結合の重みを,

F結合 ( 1 - k) , AF結合 k (0< kく1)

(23)

3↑ ↑4

1↑ ↑2

↑ ↓

↑ ↓

↑ ↓

↑ ↑

↑ 1

↑ ↓

図4-11 chain聞の結合の重み. chain内にあるスピン1, 3の対が最隣接chainの スピン対2, 4と結合している. chain内の対は強磁性ならば1 -X Q

反強磁住ならばxQ の確率, cha in間は(a)と(c)はX Q, (b)とは) は

1 -X Qの確率で結合していると仮定する.

-86-

(24)

と仮定する kはパラメータとして観測結果と比べる. + +と+ーの結合と ++と-+の結合の場合は第一隣接の場合と同様に+ーは( 1 - k) , 一+は kと仮定する. なお この場合図4-8に示すように, site10,11を含む第2隣接 chaìnはsite4,7あるいは2, 5のchainにと っては第1隣接になっている. 従っ て, 以上の重みは場合によっては矛盾する. しかし, 現段階においては余り

精密なモデルは意味が無いであろう.

3. スピングラススピンの凍結状態

3 -1. モデルの検証

(a)サテライトラインの中心周波数とスペクトルの形

以上の濃度の重み付ランダムモデルを基に, Qとkの2つをパラメータとし ,

観測結果と合致するように変化させた. ただしt N M Rスペクトルの計算は次の ように行なう. 図4-8の8個のスピンに対してそれぞれがか軸に平行もしくは反平 行の場合のプロトンが受ける双極子磁場 を計算する. モーメントの大きさは第1 隣接以外は(4-4)式より平均化する. その双極子磁場で決まるNMR周波数をピー クとして適当な幅を持つガウス型のNMRラインを仮定する(1. 5MHzを仮定した) . そのNMR強度は8個のスピンがどの方向を向いているかに依存する確率に比例 することとする. このようにして出来たNMRラインを8個のスピンが取り得る 全ての場合, すなわち2 8個について全て重ねあわせることにより, 全体のスペク トルを得る. 高周波側のサテライトライン(Mnを第l隣接とするプロトン)に関す る計算結果を図4-12に示す. 図に示すように,

Q = 1. 8:t 0.2 , k < O. 2

の範囲で観測結果とのかなり良い一致を得た. Q = 1. 8 , k = 0の値を用いて計算 した高周波( Mnが第1隣接スピン) 低周波( Coが第1隣接スピン) のサテライ トラインの中心周波数の計算値を図4-3に実線で示す. 低周波側のサテライトライ

ンの場合には一致は良くない が, 高周波側の一致はきわめて良い.

全濃度で高周波側のサテライトラインは明瞭に分離されている. 高周波側にあ るMnを第1隣接とするサテライトラインの温度変化のみを図4-13に示す. 全体の

(25)

25

、.、

、. 11011 1NGPH|

-Iloi-

Iloi- - -司hAWHE

.11011

..

.

(N工芝)

ケ20

C ω σ C1J LL '-

Z

15

Mn

Mnを第1隣接とするサテライトラインの中心周波数のQ依存.

-88-

x 0.5

Concentrat ion O

Co

ヌ14- 12

(26)

中心周波数が濃度変化すると共に, スペクトル自身の形も変化している.

計算によるサテライトラインは8個のスピンを全てか軸に平行(+ )か反平行(一)に したの場合のそれぞれに, 上述の重み付確率を強度とした2 8個のガウス型スペク トルの重なりである. 従って, 全体のスペクトルは単純なガウス型のラインには ならない. そのため, 図4-2のように1本のガウス型ラインのピークとして求めた サテライトラインの中心周波数とは食い違いが生ずる. これが図4-3のサテライト ラインの観測値と計算値の僅かな食い違いの原因と思われる.

Coを第1隣接とする低周波側のサテライトラインは中心周波数の濃度変化は小 さく, メインラインと重なっている. 従って, このサテライトラインは分離した サテライトラインとして観測されることはなく, 強いメインラインの低周波側に 尾を引くという形で観測されることが予想される. しかし, Mn濃度O. 60以上では ゼロ磁場では低周波側のサテライトラインは観測されていない. また第5章で述 べるように, メインラインの低周波側への尾を引いたような非対称は別の原因に よるものである. 従って, Coを第1隣接とするサテライトラインは全濃度領域に わたって観測されていないと見るべきであろう. その理由は明らかではないが,

おそらくスピンースピン緩和時間が短いためと思われる.

(b) N M R幅の濃度変化

得られたサテライトラインのスペクトルは2 8個のスペクトルの重なりであり,

単純なガウス型ではない. それ故に幅の比較は単純ではない. しかし, この混品 のプロトンNMR結果の最も特徴的な点の一つは幅が約x = 0.75を最大として,

濃度に対して非対称になる点である. そこでNMR半値幅の比較を試みた.

サテライトラインの幅を求める際には, 観測されたスペクトルで図4-2に示すよ うに高周波側のサテライト全体を1つのガウス型のラインとして近似して半値幅 を求めた. 従って, 観測結果と比べるために, 計算されたサテライトラインを全 体としてガウス型のライン形状を持つものとして近似した. こうして求めたサテ ライトラインの半値幅を図4-4に示す. 半値幅の変化はMn濃度に対して対称ではな くて, 約O. 75で最大値を持つ. これは観測結果と驚くべき一致を示す. 半値幅の

絶対値に関しては観測値との一致は少し悪いが, おおむね一致していると言える.

幅の濃度変化が濃度に対して非対称であるという本質的な点は観測結果とよく一 致しており, この結果は上述のモデルが正しいことを強く支持していると考える.

(27)

0.1 0.2

0.3

0.4

0.8

09

16 18 20 22

Frequency (MHz)

図4-13 Mnを第1隣接とするサテライトラインのスペクトル(濃度の重み付ラ ンダムモデルの計算値) .

-90-

(28)

(c)全体のNMRスペクトル

高周波側のサテライトラインについては観測結果とよい一致が得られたので,

NMRスペクトル全体について検討する. 低周波側Coを第1隣接とするサテライ トラインは観測されていないものと仮定すれば, 全体のスペクトルは図4-13に示 したサテライトラインのスペクトルにガウス型のメインラインを重ね合わせて得 られる. メインラインとサテライトラインの相対的な比率はRSG相でのAF領 域とSG領域の比率を表す. 各ラインの相対強度はパラメータとして観測結果に 合うように変化させた. その結果得られた全体のNMRスペクトルを図4-14に示 す. 低周波側を除いて観測されたスペクトルと計算値との一致はよい. これらの 結果は上記のモデルが正しいことを強く支持するものと考える. なお, 低周波側 での不一致はメインラインをガウス型で近似しているためである.

(d)外部磁場によるシフト

上記のモデルによれば, サテライトラインは1つのスピン構造による1つのN MRピークではなくて沢山のピークから成り立っている. 従って, 沢山のライン のそれぞれのシフトの和の全体がサテライトラインの磁場変化を反映することに なる. つまり, ゼロ磁場で同じ周波数に重なっていてもその成分は同じではない.

それ故に, 一般に磁場によって幅が広がる事が期待され, 場合によっては分裂す ることがあり得る.

NMR周波数νはνN =γI H + Hd Iで与えられる. 従って, N M R周波数の 磁場変化は容易に計算できる. 図4-5に計算したサテライトラインのシフトを示す.

x =0. 30では観測結果との一致は非常によい. x = 0.30ではサテライトラインは 沢山のピークの集まりではあるが, 双極子磁場の各成分がほぼ同じものの集まり であって, 磁場を変化させても全体としてピークを保ち, NM R幅はほとんど増 加しない. これは観測結果とよく一致している.

一方x=0.70の場合にはこれとは対照的に, 計算結果はH//a*-axisでサテラ

イトラインは6本のラインに分裂する. これも図4-5に示すが, 6本のサテライト ラインの中で強いメインラインに重ならずに観測されると期待されるものは3本 である. これらの3本のサテライトラインはすべて観測されて, その周波数は観 測結果と大変によく一致している. またサテライトラインは沢山のラインの重な

(29)

x = 0.81

x = 0.72

x = 0.53

x = 0.37

15 20

NMR Frequency

25

(MHz)

図4-14 プロトンNMRスペクトルの観測値と計算値(実線)との比較. 細い

実線は濃度の重み付ランダムモデルによるサテライトラインとガウス 型で近似したメインライン, 太い実線は両者の合計である.

-9 2-

(30)

りであるので全体としての磁場中スペクトルを比較した. これを図4-15に示す.

観測結果との一致は極めてよい. このようにサテライトラインが3本以上に分裂 することはサテライトラインが沢山のラインの重なりであることの 証拠であると 同時に上のモデルが正しいことの決定的な証拠でもあると考える.

3 -2. スピングラス領域のスピン構造

サテライトラインの解析から, S G領域ではスピンがb-軸を向いたある重みを 持ったランダムなスピン構造が存在していることが結論される. R S G相でのS

G領域のスピン構造は全くランダムという訳ではなく, 磁性イオン閣の相互作用 を反映したchain内とchain間である重みをもっという条件を満たした上で, ラン ダムである.

ランダムの度合がどのように濃度変化するかを考える. 図4-8に示すように,

site 1のスピンとそれに対しchain内最隣接のsite 3 , およびchain間最隣接の site 2という3つのスピンの結合はFとAFの2種の組合せしかない. すなわち,

合計4種のスピン構造しかない. もちろんここでは4個のスピンの結合のみを取 り扱っており, 全体がそのようなスピン構造になっているというわけではない.

これらが相対的にどの様に濃度変化するかを図4-16に示す. Mn濃度が薄いときに はCo-型が多く, ついで中間形のスピン構造が主になり, M n濃度が増すとMn-型 のスピン構造が主要なものになる. 全濃度領域を通じてF結合は少ない. スピン が全くランダムならば, これら4つのスピン構造の割合は等しい. 図4-16よりこ の混品では約x= O. 60でランダム性が最も強いと言える. これが第3章で求めた 相図において転移点T R S Gが低下する領域と一致すると思われる.

図4-5において, x = 0.30では外部磁場中でも全体として 1つのピークを保ち,

このピークがシフトするように見えるのに, x=0.70では何本かに分裂する. こ れは通常の反強磁性では見られない点、である. 図4-16に示すように, x = 0.50以 下ではサテライトラインを形成するスピン構造がCo-型のグループと中間型のグル ープが多いのに対して, x=0.70ではこれらの他にMn-型のグループとF型のグル ープが同じ様な割合で混合している. 従って, それぞれのグループが1つのまと まりとしてシフトする. その際に, Co一型と中間形はほぼ同じ様なシフトを示すが,

Mn-型とF型はかなり異なるシフトをする. それ故に, x = 0.70ではサテライトラ

(31)

。 。

(a)

0 0 0

0

0 0 0

(b)

2 6 8

H (kOe)

10

図4-15 混品COl-xMnxC12・2H20 (x = O. 70)の磁場中スペクトルの観測値と計 算値. 細い実線は濃度の重み付ランダムモデルによるサテライトライン とガウス型で近似したメインライン, 太い実線は両者の合計である.

矢印は図4-5(b)下段の実線に相当する.

-94-

(32)

。05

喝d

z linter

。 。 05

Concentrat ion X

図4-16 最隣接3つのスピン(図1-24参照)に関する4つのスピン結合の確率.

(33)

インは分裂すると理解される x = 0.30のシフトとO. 70のシフトの差異はサテラ イトラインが1つのスピン構造ではなくて、 海数のスピン構造からなりたってい ることの証拠である.

4. 結論

スピン間相互作用の確率に濃度の重みをつけた解析モデルとNMRスペクトル の観測結果との比較から, R S G相におけるSG領域のスピンの凍結状態は, 全 くランダムではなく, chain内, chain問のFとAFの結合に濃度の重みのついた ランダムな凍結状態であることが結論される.

ー96-

(34)

多� 5 �ι 5乏ヲE釜磁支f生f更を昆巨脅f童手失F亨にヰヨける ランダムスピンの手子:{.::t:

要旨

リエントラントスピングラス相においては長距離秩序領域とスピングラス領域 が共存しているが, この混晶ではプロトンNMRスペクトルでは反強磁性長距離 秩序領域はメインラインに反映されている. メインラインのスベクトルの解析よ り, 長距離秩序は単純な長距離秩序ではなく, 一部ランダムに反転したスピンを 含むことを示す. また, このランダムdisorderスピンはリエントラントスピング ラス相の中だけでなく, 高温部の反強磁性相の中にも存在することを明らかにす る.

1 . メインラインの非対称性

図4-4に示したようにメインラインの幅は最大約3MHzにもなる. メインラインの 大きな幅の原因は主に低周波側への広がりによる. まず考えられる幅の原因とし

て, 単純にCoとMnが混じることによる磁気モーメントの大きさのランダムさがあ る. そこでこのランダムさによる幅を計算してみる. プロトン近傍の8個までCo あるいはMnのスピンを考えた場合の双極子磁場を計算し中心周波数を求める. 8 個のサイトにCo, Mnそれぞれが入る確率を1 - X, Xとして全体の確率を求め,

これをNMR強度とする. このような2 8個のガウス型ラインを重ねあわせる. こ うして得られたNMR幅の計算結果を図4-4に示す. 単純にCoとMnが混じることに よる磁気モーメントの大きさのランダムさによるメインラインの幅は最大約1. 2M Hzで、ある. これは観測値の半分にも満たない. このことはメインラインの大きな 幅の主要な原因, つまり, 非対称さの原因がCoとMnが混じることによる磁気モー

メントの大きさのランダムさによるものではないことを意味している.

この混品のRSG相におけるプロトンNMRでは, 長距離秩序領域のスピンの 配向状態はメインラインに反映されていると思われる. 図4-1あるいは4-2のRS G相中(1. 5::t O. 1 K)におけるスペクトルに見られるように, メインラインは低周

(35)

波側に広がった非対称な形をしている. このメインラインの低周波への広がりが SG領域によって生じているものであるとすれば. S G領域の消滅した高温部の 反強磁性(A F ) 相ではメインラインの低周波への広がりはなくなるはずである.

この ことをチェ ックするために高温部のAF相におけるスペクトルを調べた. そ の結果を図5-1(d)に示す. S G領域が存在しない高温部(2.69K)の反強磁性(A F ) 相においてもこのメインラインの低周波への広がりは存在する.

高温部の反強磁性AF相では長距離秩序のみ存在する. 完全にすべての スピン が長距離秩序中でその秩序に従っているのならメインラインの形 は対称なガウ ス 型の 形状になるはずである. しかし, 長距離秩序を反映するメインラインはAF 相. R S G相中共に, 明らかにガウス型からははず れた非対称な形をしている.

この ことは, 第Iに, メインラインの低周波への広がりはSG領域によるもので はないことを示している. 第2に, 長距離秩序中のスピンが全て周期的配向に従 っているわけではないことを示唆している. I to , K a t 0 r i等も混品Fe1-xMnxTi03 においてμSRや磁化過程の観測から. A F相においていくらかのスピンは完全 には周期的配向に従っていないと述べている 11ø ) 511 ) 従って, 混品C01-xMnxC12

2H20におけるメインラインの低周波への広がりも長距離秩序中にランダムな配 向をした僅かなスピンの存在 が原因であると考えられる.

2. 長距離秩序中のdisorderスピン -・・・解析モデル・・ . .

もし, この反強磁性長距離秩序中においてランダムな配向をした僅かなスピン が, あるローカルなサイトに集中して存在すれば, それはサテライトラインに反 映される. 従って, メインラインの非対称の 原因を考える時は, 長距離秩序中に おいて空間的にランダムに反転したdisorderスピンを仮定する. また, ランダム なdisorderスピン はこの混晶のIsing性を考慮し. b-軸に沿って反転していると仮 定する. ただし. R S G相中ではMn濃度が高くなるとメインラインとサテライト ラインの重なりが多くなってメインラインのみの解析が困難になる. また. O. 47

fixえ0,73の範囲では長距離秩序はCo-型とMn-型が共存しており解析を複雑にす る. 従って, ここではサテライトラインとの重なりが少なく, かつ単一の長距離 秩序のみ存在するRSG相の濃度領域, x<O.46で観測結果との比較を行う. 従

って. A F長距離秩序はCoを第1隣接としたCo-型AFである.

-98-

(36)

(0)

x =

027 1.39 K

‘1・Jhu

0.30 1.ム6K

(c)

o.ム1 1.32

K

(d)

o.ム1 2.69K

13

17 21 25

NMR Frequency (MHz)

図5-1 混晶COl-xMnxC12・2H20のプロトンNMRスペクトル. 実線はランダム

(37)

2 -1. 1個のスピンの反転

まず注目するプロトン核の周辺の1個のスピンが反転した時のNMRスペクト ルを計算する. 計算手順は次のようにする. まず, 長距離秩序中(Co-型AF )で ただ1つのスピンが反転した時の周波数を求め , 完全な長距離秩序の場合の周波

数ν臼との差Aνを求める. 計算はそのプロトンの周囲半径23A以内の約500個の

スピン全てについて行う. これはこの混品の双極子磁場の収束距離が非常に短い ことを考慮すれば充分な大きさである.

次に, t1νの値により, -5MHzから+5MHzま で 0.05MHz刻みにCo-型AFの中心 周波数差dνで200のグループに分類する. 従って, あるサイトにいる1つのスピ

ンが反転した場合, その時の企νの値により, どのグループに入るかが決まる.

約500個の全てのスピンに対し同じ計算をして分類していくと, 周波数νø+dνm であるグループm(m = 1, 2, , 200)に属するスピンの数Nmが決まる.

最後に, 中心周波数をνø+dνm , 相対強度をNm とする 200個のガウス型ライ ンを重ね合わせ , 1個のdisorderスピンによるNMRスペクトルを求める.

2-2. 2個以上のスピンの反転

1個のスピンの反転による計算結果を用いて, 2個のスピンがランダムなサイ トで反転した時のNMRスペクトルを以下の手順で求める.

2個の反転したスピンがそれぞれグループmとnに属する時, このようなこと が起きる確率はNm'Nn (m学n)に比例し, その時の周波数の差dνm'は近似的 にdνm'= dνm+dνn となる. 2個の反転したスピンが同じグループmに属する 場合(m=n), その起きる確率はNm(Nm-l) /2であり, dνm' = 2 dνmで ある. 2個のスピンの反転の全ての場合を考慮すると相対強度1 m' (m' = 1, 2, '

. . 200)を持った周波数差dνm' の新しい200のグループを得ることが出来る.

1個のスピンの反転の場合と同様, 新しい200のグループについてのガウス型ライ ンを重ね合わせることにより, 2個のdisorderスピンによるNMRスペクトルが 求められる.

2個のスピンの反転の場合と同様の手順を繰り返すことにより, 4個,8個,

-100-

(38)

• , 2 r個のスピンの反転 によるNMRスペクトルを得ることが出来る.

以上の結果をもとに, 任意の個数のスピンの反転の場合は, その個数に近い前 後の数2 rと2 r + I個のスピンの反転の場合の周波数差を線形に平均化して近似す る. 典型的な結果を図5-2に示す. スペクトルは低周波側に広がった非対称な形を しているのが特徴である. 全てのスピンをランダムに反転させたのなら対称な形 が予想されるが, 低周波側に広がった非対称な形となるのはCo-型AFはプロトン 近傍のスピンが反転した場合双極子磁場の値を小さくするようなスピン構造であ るためである.

3. 実験結果との比較と議論

上記の手順で得られた計算結果を観測値と比較してみる. ただし, disorderス ピンの濃度と中心周波数の位置はパラメーターとする. 比較の結果を図5-1(a)""

( c) に示す. 観測値との一致は極めて良く, メインラインの低周波への広が りを 再現している. 図示した以外にも, x<O.46のRSG相の濃度領域における他の 観測値との一致は極めて良い. 従って, 少なくとも, x < O. 46のRSG相の濃度 領域ではCo-型AFの長距離秩序では空間的にランダムに秩序に従わないスピンが 存在すると結論できる. このdisorderスピンの数は, 例えば, x = O. 27で1. 9札

x = O. 46で8. 0%とMn濃度に依存して増加している. このようにMn濃度の増加と共 にdisorderスピンが増加することはIto等との結果とも一致している <1ø )

また, 高温部のAF相における観測値との比較を図5-1(d)に示す. 低周波数側 に多少のズレは見られるが全体的に観測値との一致は良い. x = 0.41の場合, 秩 序に従わないスピンの濃度は1. 32 Kで約6.4出であったものが, 2. 69Kでは4. 5%に減 少している disorderスピンの数は温度の上昇に伴い徐々に減少していくと結論 される.

第1章の3-2で述べたように, この混品ではネール点、TN以下から磁化率のZF CとFC に聞に差が生じることや, <18) A F相における磁化の大きなヒステリシ スの存在が報告されている 47 ) この ことはAF相の長距離秩序が完全なもので

はないことを示唆しており, 今回NMRにより明らかにしたAF相におけるdis­

orderスピンの存在がOeFotis等, Oeguchi等の主張する" S G的" もしくは,

(39)

8ス

ムス

2ス

1ス

ーし

-2 0

F requency

Shi ft

2

(阿Hz)

ヌ15-2 Co-型反強磁性長距離秩序におけるスペクトルのランダムdisorderスピ ンの割合による変化. ただし, x = O. 5. disorderスピンが全く無い場合 の中心周波数をo MHzとしている.

ー102-

(40)

frustrated A Fの原因になっていると思われる.

ここで重要なことは, この空間的にランダムな秩序に従わないスピンはそのス ピンの置かれているローカルな環境, 例えばMnスピンがたまたま沢山密集してい るような場合, により引き起こされたものとは本質的に違う点である. もし, 観 測されたdisorderスピンがローカルな交換相互作用で生じたものであれば, dis­

orderスピンの数は温度に依存しないはずである. しかし, 図5-1(c), (d)に見られ るように高温でのdisorderスピンの数は低温の場合より少なくなっている. また,

ローカルな交換相互作用の問題であれば, 例えばx =0. 16のような低濃度領域の

AF相でもいくらかのdisorderスピンが存在するはずであるが, 図3-1に示すよう にメインラインに非対称性は見られない.

これらの事実は, この混品におけるランダムdisorderスピンが交換相互作用の 競合によるフラストレーションによるものであることを示唆して おり, スピング ラス系の本質的な現象であると思われる.

4. 結論

長距離秩序を反映するメインラインの低周波側への広がりは, 長距離秩序中の 僅かなdisorderスピンが原因であることが, スピンをランダムに反転させるモデ ルと観測値との比較で明らかとなった. このdisorderスピンはMn濃度の増加に 伴い増加する. また, このdisorderスピンはRSG相のみならずAF相中にも存 在し, 温度の上昇と共に減少することも明らかとなった.

(41)

多手� (3

要旨

三えピンク、 ラ;:;:z令頁長戎むこÈ '-7る スピン孝誇主宣<TJ註孟店主�イヒ

本章ではスピングラス領域を反映しているサテライトラインのスペクトルの温 度変化を解析し, スピングラス領域 のスピン構造が温度の上昇に伴い徐々に長距 離秩序に近づいていくことを示す. また, このスピングラス領域 のスピン構造の 温度変化 と前章のメインラインにおけるランダムスピンの存在から, リエントラ ントスピングラス転移に関するスピン凍結のイメージについて考察を行う.

1 . サテライトラインの温度変化

混品COI-xMnxC12・2H20のリエントラントスピングラス(R S G )相におけるス ピングラス(S G )領援はゼロ磁場スペクトルのサテライトラインに反映されて いる. 第4章では温度が1.5(:t0.1)Kの場合のサテライトラインの濃度変化を観 測し, 最隣接スピン閣のchain内は強磁性的( F )結合の確率を1 - X Q, 反強磁

性的(A F )結合の確率をX Q (ただし, Q=1.8:t0.2)等濃度に依存させたモデ

ル(濃度の重み付ランダムモデル )により, スピン構造の濃度変化を説明できた.

このスピン凍結状態は温度に依存してスピンの凍結状態そのものが変化 してい くのか?それとも, 1. 5 Kでの凍結状態がそのままサテライトラインの生成消滅温 度TR S GからOKまで単にその空間的領域を広げながら続いているのか?これらの 問題はSG領域を反映しているサテライトラインのスペクトルの温度変化を観測 すれば明らかにすることができる.

x '"'-' 0.7付近がサテライトラインの強度は一番強くて観測し易いがメインライン との重なりが多くなり, サテライトラインの形自身も考慮するような場合には不

都合である. またRSG相の中の長距離秩序がCoC12・2H20のスピン構造( Co-型),

MnC12・2H20のスピン構造( Mn-型)共に存在する領域 (O. 47志x芯O. 73)も望まし くない. 従って, 今回は比較的メインラインとの重なりが小さく, 長距離秩序は Co-型のみである濃度領域(0.20< x < 0. 46)におけるサテライトラインの温度変化

-104-

(42)

を議論する.

温度変化はx = 0.32とO. 41について行った. 図6-1にメインラインとの重なりが より小さいx = 0.32での サテライトラインのスペクトルの温度変化を示す. スペ クトルの形の温度変化がよくわかるように図6-1にはサテライトラインの温度変化 をnormalizeして示してある. 図6ーlから明らかなように, 低温でのスペクトルは 幅も広く, しかも低周波側に広がった非対称な形をしている. 温度の上昇に伴い スペクトルの幅は段々狭くなり, 形も対称になっていく. x = 0.32の場合はスピ ングラス領域が少なく低温部でもサテライトラインの強 度は弱い. 従って, T R 5G

に近い高温でのNMR信号は極めて弱く測定誤差を伴う. しかし, 低温で非対称 であったスペクトルが高温で対称に, かつ幅が狭くなっていることは誤差の範囲 を越えて明らかである. 図6-1(e)には温度変化をより明瞭にするために, 1.5Kの NMRスペクトルの濃度変化から明らかになった濃度の重み付ランダムモデルの 場合のスペクトルを破線で示している.

また, サテライトラインのピーク周波数は1MHz近く低周波側にシフトしている.

これはメインラインのピーク周波数が温度がTR 5 Gまで上昇しでも約0.15MHzしか シフトしないのに較べ対照的な結果である. ピーク周波数のシフトおよび幅の減 少というサテライトラインの温度変化の特徴的結果を図6-2, 6-3に示す. 比較の ためにx = 0.32の場合のメインラインのピーク周波数および幅の温度変化も示し ている.

メインラインのピーク周波数の温度変化は磁気モーメントの熱平均値の温度変 化を表している. 比較のため3次元Heisenbergである純MnC12・2H20のプロトンN MRから得られた磁気モーメントの温度変化を図6-2に実線で示す 43 ) この混晶 のIsing性を考えるとメインラインの温度変化は合理的な結果である. しかし, サ テライトラインの温度変化はメインラインの温度変化から期待される磁気モーメ ントの熱平均値の温度変化よりもかなり大きい. もしサテライトラインのピーク 周波数の温度変化が SG 領域のスピンの磁気モーメン卜の大きさの温度変化を反

映しているものであれば, これは反強磁性長距離秩序のスピンとSGスピンでは 熱的揺らぎが異なることを意味する.

また図6-3に示すように, サテライトラインの(半値) 幅はこの温度領域では約 1. OMHz減少している. これはメインラインの半値幅の温度変化0.15MHzに較べて極 めて大きい. 一般に幅の温度変化の原因として考えられるのは磁気モーメントの

(43)

18 20 22 24

( a )

1.27 K

1.66 K

b

1.80 K ( c )

1.95 K ( d )

2.20 K ( e )

18 20 22

NMR Frequency

24 26

(MHZ)

26 (MHZ)

図6-1 サテライトラインの温度変化. x = O. 32, ゼロ磁場. 実線はスピン構造 の温度変化を考慮した計算値. 破線は3章で述べた濃度の重み付ランダ

ムモデルによる計算値. 詳細は本文参照.

-106-

(44)

• • •

-

0.98

〉OCφコσω」比

v-cω仏

0.96

0.94

ちのN=cε」OZ

0.92 0

図6-2 ピーク周波数の温度変化.

x = 0.32. 0はメインライン, ・はサテライ ヘライン, 実線は純MnCb '2H20のフ。ロトンNMRから得られた温度変化

刊である.

T / T

RSG

(45)

3

x =

0.41

A

A

。 。

x =

0.32

(N工2)

2.5

2

zv℃一〉〉

一Jc。

1.5

止の工

図6-3 サテライトラインの半値幅の温度変化. 実線は各濃度における計算値.

.はx = 0.32, Âはx = O. 41のサテライトライン, 0はx = O. 32のメイ ンラインの半値幅. 詳細は本文参照.

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丁/TRSG

0.5

参照

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