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Epstein-Barr Virus (EBV) -Encoded BARFl Gene Is Expressed in Nasopharyngeal Carcinoma and EBV-Associated Gastric Carcinoma Tissues in the Absence of Lytic Gene Expression

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 瀬 戸 絵 理

Epstein‑Barr Virus  (EBV) ‑Encoded BARFl Gene Is      Expressed in Nasopharyngeal Carcinoma and   EBV‑Associated Gastric Carcinoma Tissues in the       Absence of Lytic Gene Expression

(EB ウイルスがコードするBARF1 遺伝子の上咽頭癌および EB ウイルス関連胃癌における発現解析に関する研究)

学位論文内容の要旨

【目的と背景】

  Epstein―Barrウイルス(EBV)はヘルペスウイルスの一種で、′ヾ−キッ卜リンパ腫(BL) を は じ め と す る り ン パ 系 の 癌 だ け で な く 、 上 咽 頭 癌(NPC)や 胃癌(GC)と ぃっ た上 皮 系の 癌 とも 関連 して いる 。EBVが コ ―ド するBARF1遺 伝子 はマ ウ ス線維芽細胞をトラン スフ オ ーム する こと やサ ル初 代上 皮細 胞を 不死 化す ると いっ た オンコジ―ンとしての 活性 を 有す るこ とが 報告 され てい る。 またBARF1はプロトオンコ ジ―ンであるヒトコロ ニ― 刺 激因 子1レセ プタ −(hCSF―1R)とアミノ酸レベルでホモロ ジーを有する。リコン ビ ナ ン トBARF1蛋 白 質 は 肋vitroに おい てhCSF‑lRのり ガン ドで あるhCSF−1と 結合 す るこ と から 、BARF1がCSF−1のア ン タゴニストとして免疫調節に 関わる可能性が指摘さ れてきた。

  EBV関連 上皮 癌で は全 ての 癌細 胞 に完 全長EBVゲノ ムが ウイ ル ス産生のない潜伏感染 状 態 で 存在 して いる 。BL由来EBV陽 性B細 胞株 にお ける 解析 では 、BARF1は 潜伏 感染 時 には 発 現し ておらず、溶解感染(ウイルス産生)時に誘導される ことから、溶解感染遺 伝子 群 のひ とっ とし て分 類さ れて きた 。過 去の 研究 からBARF1遺伝子がEBV関連上皮癌 組織 に おい て高 頻度 に発 現し てい るこ とがRトPCR法 やNASBA (Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法 によ り示 され たが 、そ の発 現は 一部 の 溶解感染に移行した細 胞における発現を反映している と考えられていた。

  本 研 究で はEBV関 連上 皮癌 にお い てBARF1が潜 伏感 染時 に発 現 しているという可能性 を 考 え て 、EBV陽 性GCお よ びNPC組 織 に お け るBARF1と 他 の 溶 解感 染 遺伝 子群 の発 現 を定量PCR法により解析した。

【 方 法 と 結 果 】

EBV陽 性 細 胞 株 お よ びEBV陽 性GC、NPC組 織 か らcDNAを 合 成 し 、 そ れ らを 鋳型 と し     ‑ 649―

(2)

てBARF1およびウイルス溶解感染時に発現する遺伝子群(BZLF1、BMRF1、BLLF1)につ いて定量PCRを行った。24時間抗免疫グロブリン(lg)抗体処理を行ってウイルス産 生を誘導したEBV陽性Akata細胞をポジティブコントロールとして検量線を作成し、各 サンプルのコントロールに対する相対的な発現量を算出した。その結果、EBV陽性GC 組 織では6例 中5例、NPC組 織では16例中15例においてBARF1の発現が認められた。

一方、,溶解感染遺伝子群の発現はほとんど認められなかった。そのうちNPC2例では BARF1が抗|g抗体処理を行ったEBV陽性Akata細胞を上回る高いレベルで発現してい た。さらにEBV陽性GCおよびNPCのマウス可移植腫瘍についても定量を行い、同様の 結果を得た。

  次にNPC組織におけるBARF1蛋白質の発現をウェスタンプロッテイング法により調べ た。その結果、7例中5例ではBARF1蛋白質が検出されず、残り2例に低レベルでの発 現を認めた。ついでBARF1の蛋白質としての発現をさらに検討するためにBARF1蛋白質 のC末端側にFLAGタグを付加したFLAGーBARF1発現プラスミドを作製した。このプラス ミドをNPC由来EBV陰性細胞株であるCNE1細胞にトランスフェクションし薬剤選択を 行って、FLAG―BARF1安定発現株を作製した。この安定発現株を72時間培養後、細胞ラ イゼートと培養上清をそれぞれ回収して抗FLAG抗体による免疫沈降を行い、ウェスタ ンブロッティング法によりBARF1蛋白質の検出を試みた。その結果、BARF1蛋白質は細 胞ライゼ―ト中にはほとんど存在しないが、培養上清中に大量に存在することが明らか となった。

【考察】

  本研究において定量PCRを用いた解析により、BARF1がEBV関連上皮癌組織において 溶解感染遺伝子の発現とは全く解離した状態、すなわち潜伏感染遺伝子として発現して いることを明らかにした。さらにFLAG−BARF1安定発現細胞を用いた解析から、産生さ れたBARF1蛋白質が細胞内にとどまらず速やかに細胞外に分泌されることを明らかに した。このことが、RNAレベルでBARF1の発現が高いNPC組織においてもBARF1蛋白質 の検出が困難である理由と考えられた。

  我々はすでにFLAG−BARF1安定発現細胞の培養上清中に分泌されたBARF1蛋白質が CSF−1中和活性を有するという実験結果を得ている。CSF―1は単球およびマクロフアー ジの遊走能、貪食能を活性化するサイトカインである。BARF1のCSF−1中和活性はEBV 感染細胞に対する宿主免疫抑制に作用する可能性がある。またBARF1がいかにしてオン コ ジ ― ン と し て の 活 性 を 発 揮 す る の か に つ い て は 今 後 の 検 討 課題 で あ る。

‑ 650

(3)

学 位 論 文 審 査 の要 旨

     学位論文題名

Epstein ― Barr Virus (EBV) ― Encoded BARFl Gene Is     Expressed in Nasopharyngeal Carcinoma and   EBV ― Associated Gastric Carcinoma Tissueslnthe     AbSenCeofLytiCGeneEXpreSSion

     (EB ウイルスがコードするBARF1 遺伝子の上咽頭癌および     EB ウイ ルス関連胃癌における発現解析に関する研究)

  Epstein−Barrウイルス(EBV)は、上咽頭癌(NPC)や胃癌といった上皮系の癌と 関連して いる。EBVがコ ―ドするBARF1遺伝子はマウス線維芽細胞をトランスフオ ームすることやサル初代上皮細胞を不死化するといったオンコジ―ンとしての活性を 有するこ とが報告さ れている 。近年の 研究から 、BARF1遺伝子 がNPCやEBV陽性胃 癌組織において高頻度に発現していることがRT−PCR法などにより示された。そこで 申 請 者 は EBVに よ る 上 皮 発 癌 因 子 の 候 補 と し て BARF1に 着 目 し た 。   これまでBARF1はバ―キッ トリンパ 腫由来EBV陽 性B細胞株 における解析から、

溶解感染遺伝子群のひとっとして分類されてきた。EBV関連上皮癌では全ての癌細胞 にEBVゲノム が潜伏感染 状態で存 在している。そのためEBV関連上皮癌組織におけ るBARF1の発現は、一部の溶解感染に移行した細胞における発現を反映していると 考えられ ていた。申 請者はEBV関 連上皮癌組織においてBARF1が潜伏感染時に発現 している という可能 性を考え 、EBV陽性胃 癌およびNPC組織にお けるBARF1と他の 溶解感染遺伝子群の発現を定量PCR法により解析した。

  そ の結 果 、EBV陽 性 胃 癌組 織 では6例 中5例 、NPC組 織 では16例中15例 に お い てBARF1の発現が認められた―方で、溶解感染遺伝子群の発現はほとんど認められ なかった 。そのうちNPC2例では抗lg抗体処理 により溶 解感染を 誘導したEBV陽性 Akata細胞を上 回る高いレ ベルでBARF1の 発現を認 めた。さ らにEBV陽性胃癌およ びNPCの マ ウ ス 可 移 植 腫 瘍 に つ い て も 定 量 を 行 い 、 同 様 の 結 果 を 得 た 。   次 にNPC組 織 に お け るBARF1蛋 白 質 の 発 現 を 調 べ た と こ ろ 、7例中5例 で は

651

郎 利

二 壽

川 田

有 志

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

・BARF1蛋白質 が検出されず、残り2例に低レベルでの発現を認めた。そこでBARF1 の蛋 白 質 とし て の 発現を さらに検 討するた めに、NPC由 来EBV陰性細 胞株であ る CNE1細胞のFLAG−BARF1安定発現 株を作製 した。こ の安定発 現株の細 胞ライゼー トと培養上清を用いて抗FLAG抗体による免疫沈降を行い、ウェスタンブロッティン グ法によ りBARF1蛋白質 の検出を 試みたと ころ、BARF1蛋白質は細胞ライゼ一卜中 にはほとんど検出されず、培養上清中に大量に検出された。この結果から、BARF1蛋 白質が産 生後速や かに細胞 外に分泌 されること、そのためにRNAレベルでBARF1の 発現が高 いNPC組織に おいてもBARF1蛋白質の検出が困難であることを明らかにし た。

  次にりコンピナントBARF1蛋白質はヒトコロニ―刺激因子一1(hCSF―1)と加vitro において 結合するというこれまでの知見から、BARF1蛋白質のCSF−1シグナリング に対する 影響を検討した。その結果、分泌BARF1蛋白質がCSF―1中和活性を有する という実験結果を得た。CSFー1は単球およびマクロファ―ジの遊走能、貪食能を誘導 する サ イ トカ イ ン であ る 。BARF1蛋白 質 のCSF−1中 和活性はBARF1蛋白質がEBV 感染細胞に対する宿主免疫抑制に作用し、感染細胞の維持に量献している可能性を示 すものであった。

  さらにBARF1のアポ卜一シス抵抗性についても検討を行った。その結果、上皮細 胞株にお けるBARF1の発現が無血清培養によるアポ卜一シス誘導に抵抗性を賦与す ることを明らかにした。

  審査において副査の志田教授から、1)EBV関連癌において上皮組織特異的にBARF1 の発現が検出される理由、2)分泌BARF1蛋白質の翻訳後修飾に関して質問があった。

次いで主 査の有川教授から、1)EBV関連上皮癌患者の血清中へのBARF1蛋白質の分 泌につい て、2)EBV感染 による宿 主免疫の 変化につ いて、3) 分泌BARF1蛋白質の CSF―1中和活性が宿主免疫抑制に与える効果について、4)本研究の結果および癌ウ イルスに関する基礎研究の臨床応用への展望、5)BARF1の発癌活性の機序について質 問があっ た。次いで副査の高田教授からBARF1によるアポ卜一シス抵抗性の機序に ついて質問があった。いずれの質問に対しても、申請者は本人の実験結果や文献的知 識に基づぃて概ね妥当な回答を行った。

  本論文はEBV関連上皮 癌組織に おいてBARF1が潜伏感染遺伝子として発現してい ることを初めて示したものであり、BARF1遺伝子の発癌因子としての重要性を明らか にした点で意義のある研究と考えられた。

  審査員―同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や単位取得な ども併せ、申請者が博士(医学)の学位を受けるのに充分な資格を有するものと判定 した。

参照

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