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小西眞人1)  馬原孝彦2) Masato KONISHIi), Takahiko UMAHARA2)

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一 311 一

東予大銭 65(3):311,2007

第18回医科学フォーラム

The 18th Medical Science Forum (MSF)

 「神経再生への挑戦一その最前線一」

小西眞人1)  馬原孝彦2)

Masato KONISHIi), Takahiko UMAHARA2)

オーガナイザー

1)東京医科大学細胞生理学講座 2)東京医科大学老年病学講座

 東京医科大学医科学フォーラムは、基礎系医学教室 と臨床系医学教室の融合による東京医科大学の更な る発展を目的に発足した。東京医科大学医学会総会や 通常の学会・研究会とは一線を画し、両者に共通の テーマを取り上げ、異なった視点から意見交換を行っ

ている。

 今回は「神経再生への挑戦一その最前線一」をテー マとした。まず、現在この分野で日本を代表する慶応 大学生理学教室の准教授岡野ジェームズ洋尚先生に

よる招待講演「神経系の幹細胞生物学と再生医療」が 行われた。

 内容は、「内在性幹細胞利用による再生と幹細胞の 移植という二種類のアプローチの提示、神経系の幹細 胞生物学的特異性としての非対称性分裂(幹細胞性 維持細胞と増殖性細胞)、胎児よりの神経幹細胞移植 における倫理的問題、内在性幹細胞を増幅しての利用 の今後の展望、世界の研究の現状、およびご自身の最 新研究成果」等と多岐に渡り、大変意義深いもので あった。特に研究成果の一つとして示された「脊髄損 傷モデル動物において障害部位への幹細胞移植での 臨床症状の20%の改善」のデータは驚くべき成果と思

われた。

 その後テーマを絞っての意見交換としての指定討 論と総合討論が行われた。

 指定討論1:「変性疾患と再生医療」では東京医大老

年病科馬原孝彦が司会を担当し、成人期神経細胞新生 を利用しての再生医療につての意見交換が活発に行 われた。またパーキンソン病では再生医療が臨床応用 されつつあるが、アルツハイマー病に対する再生医療 は今後の更なる進展が必要との共通の認識がなされ

た。

 指定討論2:「神経系の移植」では東京医大脳神経外 科秋元治朗先生の簡潔で明快な基調レクチャーの後 に、移植細胞種、生体への定着、腫瘍性を利用しての 再生など活発な意見交換が行われた。

 指定討論3:「小細胞一骨髄と神経の異同」では、東 京医大血液病科宮澤啓介先生の司会により、細胞内シ グナル伝達、転写因子、RNAによる蛋白質発現制御な どの基礎分野の討論と、骨髄幹細胞の静脈内投与や穎 粒球コロニー刺激因子投与による中枢神経再生医療

の戦略と問題点についてなどの臨床的討論が行われ

た。

 総合討論では、細胞生理学小西眞人先生を中心に、

移植の倫理に関する問題まで含めた活発な意見交換 がなされ、岡野先生への拍手のうちに閉会となった。

 今回の医科学フォーラムでは、東京医科大学病院に おける今後の神経再生への取り組みの礎を、基礎系医 学教室と臨床系医学教室の多くの先生方で共有する

ことができ、有意義なフォーラムとなった。

      (文責:馬原孝彦)

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