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送電鉄塔用深礎基礎圧縮における側面付着力の効果

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Academic year: 2022

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(1)III‑272. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 送電鉄塔用深礎基礎圧縮における側面付着力の効果 中部電力(株). 鈴木正嘉 山崎秀樹 伊藤沢. 基礎地盤コンサルタンツ(株) ○神村真 阪上最一 西岡壮志 1.はじめに 送電鉄塔に用いる深礎基礎の圧縮支持力の設計では、底面の受働抵抗力のみを支持力と見なし、基礎側面の付着力に ついては考慮されていない。一般的に基礎の付着力は、極限状態の圧縮支持力と比較して非常に小さいためである。し かしながら、鉄塔基礎の設計では、鉄塔上部構造の許容変位における支持力で決定されるため、小さな変位時において は付着力が考慮できる可能性がある。ここではより合理的な設計手法を目指して、FEM 解析により周面付着力による 支持力と支持層の根入れ深さの関係について検討したので報告する。また、解析結果は、遠心力模型実験により検証し た。 2.地盤条件および構成モデル 想定する地盤モデルは、送電鉄塔建設サイトを対象としている。地盤は風化層と支持層の2層構造とし、風化層は N 値 20、厚さ 5m、支持層は CL 級(風化花崗岩、N値 100)と CM 級(未風化花崗岩、N値 300)の2種類とした。各 層の地盤定数を表−1 に示す。深礎基礎は、送電用鉄塔を対象とする場所打ち RC 基礎であり、その寸法は、直径 2.5m、 支持層根入れ 1/2.5/5m である。図−1 に FEM 解析用のモデル図を示す。 使用した FEM モデルは、東京大学田中忠次教授により開発されたものである。このモデルは、モール・クーロンの 破壊基準をもつ弾塑性モデルで、せん断帯の概念を導入し、ひずみ軟化挙動をシミュレート可能としている特徴を持つ。 地盤モデル図の接触要素とは、深礎基礎と地盤間の FEM 要素である。これは通常の個体要素であるが、粘着力を小さ くして塑性化を早め、せん断帯の幅を極薄くして、同じ変形量でもひずみ量としては大きく表現されるように設定され たものである。 表−1 材料特性および主な材料パラメータ 風化層 支持層(CL 級) 支持層(CM 級). N値. E0(MN/m2). 20 100 300. 353 1148 1678. 遠心実験用地盤 Φ(deg.) C(kN/m2) 11 35 126 33 1127 47. FEM C(kN/m2) 2 98 980. Φ(deg.) 30 35 45. 表−2 実施ケース CL 級 CM 級. 材料 根入れ(m). 1.0 FEM/遠心 2.5 FEM 5.0 FEM 3.遠心模型実験の目的. コンク リート. FEM/遠心 FEM FEM. 風化層. h1=5m. 接触要素 h2=1.0,2.5,5.0m. 接触要素 1.25(=B/2). FEM 解析結果の定量的な評価のため、遠心模型実験を実. 支持層. 施し、支持力の比較を行った。実験に使用した遠心模型実. 12.5m =5B. 25m. 験機は、ドラム型遠心模型実験機であり、最大半径 1.2m、 最大加速度 490G である。当実験での遠心加速度は 200G である。. 図−1 モデル図(二次元軸対称 FEM) 200. 4.結果 図−2にFEM解析における荷重−変位関係の代表例を. 160. 示す。支持力は、全支持力・先端支持力・付着力の三種の荷 の破壊を示す。付着力は変位初期にせん断ひずみの集中によ. 120 80 60. 基礎の支持力は、JEC-127(送電用支持物設計基準)におけ. 40. 平均的な根開き 12m の鉄塔をモデルとし、変位 10mm の支. 先端支持力. 100. り急激に増加してピークを迎え、その後減少する傾向を示す。 る許容鉛直変位(鉄塔根開き×1/1200)から決定されるため、. 付着力. 140 支持力(MN). 重で表される。先端支持力は徐々に破壊部が拡大する進行性. 全支持力. 180. 着目する変位の範囲. 全支持力 先端支持力 付着力. 20 0 0. 20. 40 60 鉛直変位(mm). 80. 図−2 荷重−変位関係(CL 級 h2=5m). 持力値で評価を行う。. キーワード:深礎基礎,圧縮支持力,付着力,遠心模型実験,FEM 解析 連絡先:基礎地盤コンサルタンツ(株)応用情報部,阪上最一,Tel.03-5276-6231,Fax.03-3234-7439. ‑543‑. 100.

(2) III‑272. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). ・遠心模型実験と FEM 解析の比較. 表−3 遠心模型実験と FEM解析の降伏支持力 降伏支持力(根入長 1.0m) 遠心 FEM CL 級 48.4 40.2 CM 級 190.3 180.2. 図−3に遠心模型実験載荷後の地盤変位、図−4に FEM 解析 のせん断ひずみコンター図を示す。遠心模型実験では、明確な すべり面は得られず、基礎底部の地盤が球根上に締め固められ る様子が見られる。また、FEM 解析では、基礎底面に円錐くさ びが形成されその周面に応力が集中する。これらは同様な破壊. 傾向といえる。また、表−3に遠心模型実験と FEM 解析の降伏支持力の比較を示す。これより、それぞれの降伏支持 力は概ね一致している。よって、FEM解析の妥当性が確認できた。 ・側面付着力の評価 図−5は、FEM 解析結果より求めた根入れ深さと 10mm 変位時の支持力の関係である。この関係から、先端支持力 (従来の評価支持力)と付着力(今回検討対象の支持力、ただし支持層のみが対象)の比率を求め、圧縮支持力として 期待できる付着力の比率を求める。基礎先端地盤は、10mm 変位時においては、弾性変形域内であるため、先端支持 力は深さの影響をほとんど受けず、根入れに関係なくほぼ一定である。一方、基礎側面付着力の大きさは、地盤と基礎 の接触面積に大きく依存するため、根入れの増加に伴い付着力も増加する。これは、基礎体と地盤間のせん断力(τ= C+σtanΦ)に相当するものである。その結果、支持層根入れ 5.0m の場合、先端支持力に対する比率は、CL 級地盤 で 49%、CM 級で 65%にまで達している。これは、基礎の付着力そのものは先端支持力のピーク値に比べてかなり小 さいものの、通常の設計で使用される基礎先端地盤の弾性域内では、相当な支持力増加を見込める可能性があることを 示している。 また、図−6 にτと付着力の比較を示す。これよりδ=10mm 時では、CL 級・CM 級ともτを上回っているため、τ と同等以上のせん断力が期待できることが確認できた。. 図−3 遠心実験載荷後の地盤変位(CL 級) 152. 80 支持層の付着力を 含めた支持力. 70. 図−4 遠心実験載荷後の地盤変位(CL 級). 160. 1800. CM級. 140. 50. CM級. 先端支持力. 93 39. 31. 支持層の付着力 を含めた支持力. 26. 20%. 92 32%. 93 15%. 40. CL級 25. 20. 100 80 49%. 27. 30. 120. 65%. 105. 3%. 60. 先端支持力 27. 40. 矢印左の%表示は支持力の増加率 =支持層の付着力/先端支持力×100. 10. CM級 支持力(MN). CL級 支持力(MN). 60. FEMによる支持層付着応力(kN/m 2). 121. 2. 3 根入れ深さ(m). 4. 5. 900. 600. CL級 CL級(δ=10mm). 300. δ=10mm. CM級(δ=10mm). 0. 0 1. δ=10mm 1200. 20. 0 0. 1500. 0. 6. 300. 600. 900. 1200. 1500. 1800. モール・クーロンのせん断応力τ(kN/m 2). 図−5 支持層付着力と根入れの関係(FEM 解析). 図−6 τと支持層付着力(FEM)の関係. 5.おわりに 本検討より基礎側面付着力は、設計上許容される変位量 10mm で支持力の一部として考慮できることが明らかとな った。これは支持力発生メカニズムの評価により、設計の考え方を見直し、基礎のコンパクト化が可能となる一例であ り、他構造物における経済的インフラ整備の参考になれば幸いである。 参考文献)1. 鈴木正嘉他:傾斜地での深礎基礎の圧縮支持力特性,第 38 回地盤工学研究発表会,2003.7(投稿中). ‑544‑.

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