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エージング処理を施した一般廃棄物焼却主灰の環境安全性の評価

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Academic year: 2022

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(1)III‑069. 土木学会西部支部研究発表会 (2015.3). エージング処理を施した一般廃棄物焼却主灰の環境安全性の評価. 1. はじめに. 福岡大学工学部. 学生会員. 平川裕也. 宮田省吾. 山口和貴. 福岡大学工学部. 正会員. 佐藤研一. 藤川拓朗. 古賀千佳嗣. (独)国立環境研究所. 正会員. 肴倉宏史. 我が国では、年間 500 万トンの焼却残渣(一般廃棄物焼却主灰や飛灰)が発生し、これらは管理型処. 分場にて埋立処理されている。最終処分場の新規建設が困難になってきている社会の趨勢を鑑みると、今後は循 環型社会に相応しい循環資源戦略が必要であり、発生量の多い焼却主灰を土木資材等として積極的にリサイクル していくことが求められる。そのような中、本研究では廉価でドイツやオランダにおいては既に実績のあるエー ジング処理 1)による不溶化方法(焼却灰中の重金属を自然降雨による洗い出しや CO2 を利用し炭酸金属化させて不 溶化を図る手法. 2). )に着目し、焼却主灰の地盤材料としての特性や重金属等の不溶化効果を明らかにすることを目. 的としている。本報告では、1) 環告 46 号法試験を用いてエージング日数に伴う不溶化効果の把握、2) カラム試 験を用いた実環境に近い条件におけるエージング処理効果の把握、3) 周辺環境の変化に伴う pH 変動に対するエ ージング処理効果の把握について検討した結果について報告する。 2. 実験概要 2-1 実験試料. 表-1 化学組成. 本実験で用いた試料は、2014 年 9 月に a 市のリサイクルセンターから排出され. 試料. た焼却主灰である。エージングを 0 日(以下、焼却主灰 a-Age0)、30 日(以下、焼却主灰 a-Age30)、90 日(以下、焼却主灰 a-Age90)の日数で施し、エージング日数に伴う溶出特性の変 化を検討した。なお、焼却主灰はエージングの際に飛散を抑えるために数 cm の覆土をしている。 表-1 に化学組成を示す。実験試料は各々の試験規定に倣い、最大粒径をカラム試験は 4.75mm、pH 依存性試験は 0.85mm に粒度調整したものを実験に使用した。 2-2 実験条件 1) 上向流カラム通水試験. 図-1 にカラム試験装置、 表-2 にカラム試験の実験条件を示す。. 本研究では、ISO/CEN 規格に基づき試験を行った。試料を 5 層に分け、最終充填高さが 30±5cm になるように充填した。突固めは直径 3cm、重さ. 20mL/min で飽和させ、2 日間以上静置させている。飽 和過程終了後、通水速度が 12±1.6mL/h となるように調 整を行い、通水を開始し、浸出液の採取は所定の分画. 封水タンク. カラム容器:アクリル製 直径:5cm 高さ:30cm. P 図-1 カラム試験装置 pH自動調整装置 pH4. 6+. Pb は ICP プラズマ発光分析装置を用い、Cr6+は分光光 度計を用いて定量した。. 酸性液. 試料名. 焼却主灰 a-Age0. 最大粒径. 28.9 25.8 13.4 5.0 2.9 2.4 3.3 0.3 2.1 0.1 0.1 未満. P. 焼却灰+純水. 蒸留水 30±5cm. 充填方法. 5層×3回 各層ランマー. 通水速度. 12±1.6mL/h. 分画. 24時間、48時間、72時間、96時間、 7日、14日、21日、28日、35日. 表-3 実験条件(pH 依存性試験). P. P. の溶出濃度を測定した。調整薬には 5M HNO3(硝酸)、. 図-2. 焼却主灰 a-Age0. 最大粒径. 焼却主灰 a-Age30. 純水. pH. 4,7,10,13. アルカリ 性液. 試験方式. 連続調整方式. P. 液固比 (L/kg). 10. 試験日数 (day). 2. 焼却灰+純水. pH 自動調整装置. 焼却主灰 a-Age90. 0.85mm以下. 溶媒. pH13. 酸性液. を把握するために pH4, 7 ,10 ,13 と設定して Pb と Cr6+. 焼却主灰 a-Age90. 4.75mm. 充填高さ. 酸性液. pH7. 焼却主灰 a-Age30. 溶媒. 試料名. エージング処理された焼却主灰. の周辺環境の変化に伴う pH 変動に対する溶出特性. 31.8 24.0 13.0 8.2 2.3 1.1 3.0 0.7 1.2 0.4 0.1 未満. % % % % % % % % % % %. pH10. pH自動調整装置. 2) pH 依存性試験. SiO CaO Al2O3 Fe2O3 MgO Na2O K2O ZnO TiO2 CuO PbO. 供給タンク. いる。採取した浸出液は吸引濾過を行い、EC(電気伝 導度)、pH、Pb(鉛)、Cr (六価クロム)の測定を行った。. 窒 素 ガ ス. 採水タンク. で行った。なお、採水タンク内は空気に接触して浸出液 の pH に影響を与えることがないように、窒素で封入して. 焼却主灰 a-Age30. 表-2 実験条件(カラム試験). 125g のランマーを高さ約 20cm から各層 3 回落下させ、 供試体作製後、カラムの下端から飽和速度約. 焼却主灰 項目 単位 a-Age0. 1M HNO3(硝酸)、5N NaOH(水酸化ナトリウム)図-2 に pH 自動調整装置、表-3 に pH 依存性試験の実験条件を示す。試 験方式は連続調整方式のため、事前に予備実験をして pH 調整薬の添加量を把握し、48 時間攪拌後の液固比が 10 とな るよう純水と焼却主灰の分量を調整する。調整後、攪拌を 48 時間行ない、遠心分離機にかけ、濾過をし、pH を測定する。 Pb と Cr6+の分析方法はカラム試験と同様に、ICP プラズマ発光分析装置と分光光度計を用いている。 ‑389‑.

(2) III‑069. 土木学会西部支部研究発表会 (2015.3). 3. 実験結果及び考察 3-1 エージングによる不溶化効果の把握. 表-4 に環告 46 号法試験結果を示す。エージング日数の増加に伴い、焼. 6+. 却主灰の pH は低下し、Pb と Cr の溶出濃度はともに低下する傾向を示した。特に、エージング 90 日においては、 土壌環境基準値以下まで溶出濃度を抑制することが可能となり、エージングによる不溶化効果が確認された。 3-2 カラム試験からみたエージング処理焼却主灰の溶. 試料. pH. Pb (mg/L). Cr6+ (mg/L). 焼却主灰 a-Age0. 12.44. 0.17. 0.11. 焼却主灰 a-Age30. 12.29. 0.14. 0.06. 焼却主灰 a-Age90. 12.21. 0.01. 0.04. 土壌環境基準. ―. 0.01. 0.05. 図-3 に浸出液の pH 測定結果を示す。エージ. ング日数の増加に伴い、初期の pH が低下しているこ とから、エージングによる炭酸化の効果が確認できる。 また、いずれの条件とも液固比の増加に伴い浸出液の pH は低下する傾向を示し、その低下はエージング日数 が長いほど顕著であることが分かる。図-4(a), (b)に. 10. 0.8 0.6 0.4 0.2. して高いことが見て取れる。次に、図-5(a), (b)に Cr6+. 0. 0. 2. 6+. のカラム試験結果を示す。Cr は Pb と同様な溶出挙動 0.5. 分かる。累積溶出量についても、エージング日数が増. 0.4. Cr6+ 溶出濃度 (mg/L). 付近でピークを示した後、溶出濃度は漸減することが. 0.3. 把握するために実施した pH 依存性試験結果を示す。. 0.2. 0. 6+. 0.1. 周辺環境の変化に伴う pH の変動が生じた際、Pb につ 下することが分かる。またアルカリ側にシフトした場. ※点線のラインは エージング0日における pHを意味する。. 20 10. グ 0 日と比べて溶出量は低下する傾向にあり、エージ. 0. 4. まとめ. 0. 2. 4 6 8 10 12 14 16 累積液固比 (L/kg). 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 0.8 0.6 0.4 0.2. 0. 2. 4 6 8 10 12 14 16 累積液固比 (L/kg). 10. 30. するほど、溶出量は増加する傾向にあるが、エージン ング処理の効果が表れていることが判明した。. 1. 4 6 8 10 12 14 16 累積液固比 (L/kg). 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 40 Pb溶出量(mg/kg). 由は現在検討中)。一方 Cr6+は、pH が中性付近に移行. 2. 50. 合においても、エージング 90 日の溶出量が最も低い ことが分かる(エージング 30 日で高い値を示した理. 2. (b) Cr6+累積溶出量 (a) Cr6+溶出濃度 図-5 Cr6+の溶出濃度と累積溶出量 (カラム試験). いては、pH が中性域にシフトするほど Pb 溶出量は低. ことから、エージング処理により溶出量を抑制できる. 3. 0. 0. Cr6+溶出量(mg/kg). 図-6 に pH の変動に伴うエージング処理の効果を. 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 1 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 処理による不溶化効果が表れているものと考えられる。 3-3 周辺環境の変化に伴う不溶化効果の把握. 12. (b)Pb 累積溶出量 (a) Pb 溶出濃度 図-4 Pb の溶出濃度と累積溶出量 (カラム試験). が見られ、エージング日数に関係なく累積液固比 1~2. 加するほど溶出量が低下する傾向を示し、エージング. 4 6 8 10 累積液固比 (L/kg). 4. 0. 4 6 8 10 12 14 16 累積液固比 (L/kg). Cr の累積溶出量 (mg/kg). も分かるように、エージング 0 日の累積溶出量が特出. 2. 5 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. Pb の累積溶出量 (mg/kg). しても一定して鉛の溶出が見られる。これに対しエー. Pb 溶出濃度 (mg/L). 1. 漸減する傾向が見られた。その結果、累積溶出量から. 0. 図-3 浸出液の pH 測定結果. 灰は、初期の溶出濃度こそ低いものの、液固比が増加. が上昇し累積液固比 1 付近でピークを示すが、その後. 12. 11. Pb のカラム試験結果を示す。エージング 0 日の焼却主. ジング処理した焼却主灰は、いずれも溶出初期に濃度. 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 13 浸出液のpH. 出特性. 14. 表-4 環告 46 号法結果. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 4 2. 14. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. pH. pH. (a) Pb. 1) エージング日数の増加にともない Pb. ※点線のラインは エージング0日における pHを意味する。. 6. 0. 0. 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 8. 図-6. (b) Cr6+ pH 依存性試験結果. と Cr6+の溶出濃度は低下し、エージング 90 日において土壌環境基準値以下まで不溶化することが判明した。2) カ ラム試験より、エージング処理した焼却主灰の Pb と Cr6+は、いずれも溶出初期にピーク濃度を示した後、溶出濃 度は漸減する傾向にあることが判明した。3) pH 依存性試験より、周辺環境の変化によって pH が変化する状況に おいても、Pb, Cr6+は共にエージング処理による不溶化効果が期待できることが判明した。 【参考文献】1) 都市ごみ処理における焼却処理と埋立処分のインターフェイス(それぞれの役割)を考える, 第 14 回廃棄物学 会研究発表会, 小集会発表資料, 2003. 2) 成岡ら:エージングによる一般廃棄物焼却灰の無害化, 鳥取県衛生環境研究所報, 第 53 号, pp.10-14, 2012. ‑390‑.

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